JP2011051072A - 研磨パッドの製造方法および研磨パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】スキン層を残しつつ研磨粒子の分散状態を均一化し被研磨物の平坦性を向上させることができる研磨パッドの製造方法を提供する。
【解決手段】研磨パッドは、ポリウレタン樹脂製のウレタンシートを備えている。ウレタンシートは、湿式凝固法により形成されており、被研磨物を研磨加工するための研磨面を有している。研磨パッドは、ポリウレタン樹脂溶液を準備する準備工程、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液をシート状に塗布する塗布工程、成膜基材に塗布したポリウレタン樹脂溶液を凝固液中で凝固させポリウレタン樹脂を再生させる凝固再生工程、再生されたシート状のポリウレタン樹脂を洗浄した後、延伸しながら熱処理する熱セット工程、得られたウレタンシートと両面テープとを貼り合わせるラミネート工程を経て製造される。スキン層表面の直近の微多孔が拡大され、研磨面に開口が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は研磨パッドの製造方法および研磨パッドに係り、特に、湿式凝固法により微多孔および該微多孔と内部に形成されたセルとの連通孔が形成されたスキン層を一面側に有する樹脂シートを備えた研磨パッドの製造方法および該製造方法により製造された研磨パッドに関する。
半導体用ウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板や磁気記録媒体用ディスク基板等の各種材料(被研磨物)では、平坦性向上を図るために、対向配置された2つの定盤を備えた研磨機を用いた研磨加工が行われている。研磨加工では、研磨機の一方の定盤に装着された研磨パッドにより被研磨物の片面ずつが研磨加工される片面研磨法、両方の定盤にそれぞれ装着された研磨パッドにより両面同時に研磨加工される両面研磨法が採用されている。いずれの研磨法でも、研磨加工時には、被研磨物と研磨パッドとの間に研磨粒子(砥粒)を含む研磨スラリが供給され、被研磨物に研磨圧(押圧力)がかけられる。
研磨パッドには、湿式凝固法により成膜され連続発泡構造を有するポリウレタンフィルムが広く用いられている。湿式凝固法による成膜時には、表面に形成された皮膜(表皮)の直近に緻密な微多孔が形成された高密度なスキン層が形成される。スキン層より内側のポリウレタン樹脂中には多数の気泡(発泡)が形成され、内部の気泡とスキン層の微多孔との連通孔が形成される。通常、研磨パッドに用いられるポリウレタンフィルムでは、バフィング等の研削処理により表皮やスキン層が除去されている。研削処理されたポリウレタンフィルムの表面には、フィルム内部に形成された気泡の研削による開口が形成されている。このようなポリウレタンフィルムを用いた研磨パッドは、研削による開口が形成された表面が被研磨物を研磨加工するための研磨面を構成する、いわゆるスエード様研磨パッドである。
ところが、スエード様研磨パッドでは、研削処理により凹凸が生じるため、被研磨物に対する研磨斑を招く、という欠点がある。研磨加工する前にドレッシング処理やダミー研磨を行うことで凹凸を低減することはできるが、これらの処理に長時間を要するため、効率低下を招くこととなる。これを解消するために、例えば、凹凸を生じさせる様な研削処理を行わない、すなわち、スキン層をそのまま残した研磨パッドの技術が開示されている(特許文献1参照)。また、表皮やスキン層の一部のみを除去した研磨パッドの技術(例えば、特許文献2参照)、ダイヤモンドドレス(微細なドレッシング)を施した研磨パッドの技術(例えば、特許文献3参照)も開示されている。
特許3697963号公報 特開2002−264006号公報 特開2005−335028号公報
研削処理を行わない特許文献1の技術では、研磨面(スキン層の表面)が緻密なため、スラッジ(研磨屑)等が研磨面で滞留しても凝集しにくくなるので、凝集固化した異物によるスクラッチの発生を抑制する効果がある。しかしながら、被研磨物や砥粒の種類等にもよるが、研磨面が緻密であるが故に、研磨面における研磨液の分散状態にバラツキが生じることがある。すなわち、適用可能な被研磨物や砥粒の種類が制限されることがある。特許文献2、特許文献3の技術では、表皮やスキン層を完全に除去した研磨パッドと比べると凹凸が低減するものの、平坦性向上を図るうえでは十分ではない。研削処理を行わない、または、研削処理を一部に制限することで、凹凸を低減することはできるが、成膜や微細なドレッシングに高精度が要求され生産性を犠牲にしてしまうこととなる。更には、表皮や高密度なスキン層が残されているため、表皮やスキン層を完全に除去したものと比べて硬度が高くなる。この結果、却ってスクラッチの発生を招くこととなり、これを回避するためには樹脂組成等の設計変更を余儀なくされてしまう。
本発明は上記事案に鑑み、スキン層を残しつつ研磨粒子の分散状態を均一化し被研磨物の平坦性を向上させることができる研磨パッドの製造方法および該製造方法で製造された研磨パッドを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、湿式凝固法により微多孔および該微多孔と内部に形成されたセルとの連通孔が形成されたスキン層を一面側に有する樹脂シートを備えた研磨パッドの製造方法であって、有機溶媒に樹脂を溶解させた樹脂溶液を準備する溶液準備ステップと、前記溶液準備ステップで準備された樹脂溶液をシート状に展延した後、水を主成分とする凝固液中で少なくとも前記スキン層を形成させるスキン層形成ステップと、前記スキン層形成ステップで少なくともスキン層が形成された樹脂を、厚み方向と交差する少なくとも一方向に引張力を付加しながら熱処理し、前記スキン層の表面での前記微多孔を開口させる微多孔開口ステップと、を含む。
第1の態様では、スキン層形成ステップで少なくともスキン層を形成させ、微多孔開口ステップで厚み方向と交差する少なくとも一方向に引張力を付加しながら熱処理することで、樹脂の収縮によりスキン層表面の直近の微多孔が付加された引張力の方向に拡大されてスキン層表面に微多孔が開口するため、研磨粒子に対する節度となるので、スキン層を残しつつ研磨加工時に研磨粒子の分散状態を均一化することができ、被研磨物の平坦性を向上させることができる。
第1の態様において、スキン層形成ステップで少なくともスキン層を形成させた後、微多孔開口ステップで少なくとも一方向の長さが変わらないように固定しながら熱処理するようにしてもよい。このとき、溶液準備ステップで樹脂溶液に難水溶性の溶媒を混合しておくことができる。難水溶性の溶媒の水に対する溶解度を10g/100g以下としてもよい。また、スキン層形成ステップで樹脂溶液の全体を凝固させた後、微多孔開口ステップで少なくとも一方向に延伸しながら熱処理するようにしてもよい。樹脂シートをポリウレタン樹脂製とすることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様の製造方法により製造されたことを特徴とする研磨パッドである。この場合において、樹脂シートのスキン層の表面での表面粗さRaを0.1μm〜1μmの範囲とすることができる。樹脂シートのかさ密度を0.15g/cm〜0.50g/cmの範囲とすることができる。樹脂シートのショアA硬度を20度〜90度の範囲とすることができる。
本発明によれば、スキン層形成ステップで少なくともスキン層を形成させ、微多孔開口ステップで厚み方向と交差する少なくとも一方向に引張力を付加しながら熱処理することで、樹脂の収縮によりスキン層表面の直近の微多孔が付加された引張力の方向に拡大されてスキン層表面に微多孔が開口するため、研磨粒子に対する節度となるので、スキン層を残しつつ研磨加工時に研磨粒子の分散状態を均一化することができ、被研磨物の平坦性を向上させることができる、という効果を得ることができる。
本発明を適用した実施形態の研磨パッドを模式的に示す断面図である。 実施形態の研磨パッドの製造工程の概略を示す工程図である。 研磨パッドの他の態様の製造工程の概略を示す工程図である。 別の態様の研磨パッドを模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した研磨パッドの実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の研磨パッド10は、ポリウレタン樹脂製の樹脂シートとしてのウレタンシート2を備えている。ウレタンシート2は、湿式凝固法により形成されており、一面側に、被研磨物を研磨加工するための研磨面Pを有している。
ウレタンシート2は、研磨面Pの直近の厚さ数μmにわたるスキン層2aを有している。スキン層2aより内側には、多数のセル3が略均等に分散した状態で形成されている。セル3は、ウレタンシート2の厚み方向に縦長で丸みを帯びた円錐状(断面縦長三角状)に形成されており、研磨面P側の孔径が研磨面Pと反対の面側より小さく形成されている。すなわち、セル3は研磨面P側で縮径されている。セル3の縦長方向の大きさは、ウレタンシート2の厚みの範囲でバラツキを有している。セル3間のポリウレタン樹脂は、セル3を画定する隔壁状に形成されており、内部にセル3より小さい図示を省略した微多孔が形成されている。すなわち、ウレタンシート2を構成するポリウレタン樹脂はマイクロポーラスである。
スキン層2aには、微多孔4が形成されている。この微多孔4は、湿式凝固法による成膜時に形成された緻密な微多孔より拡大されてスキン層2aの表面に開口している(詳細後述)。このため、成膜時のスキン層表面では微多孔が表面皮膜で覆われていて、研磨加工に際しては実質的に無孔状態となるのに対して、スキン層2aでは微多孔4の開口5が形成されている。また、スキン層2aでは、成膜時の溶媒置換に伴い微多孔4とセル3との連通孔が形成されている。このため、セル3は連通孔および微多孔4を介して研磨面Pに連通することとなる。ウレタンシート2では、微多孔4、セル3および図示を省略した微多孔が網目状に連通しており、発泡が連続状に形成された連続発泡構造を有している。開口5の平均孔径は、研磨粒子、例えばコロイダルシリカの粒径が0.02〜1μm程度であるのに対して、本例では、0.5〜10μmの範囲に調整されている。なお、図1では、微多孔4の大きさを意図的に誇張して示している。また、ここでいう開口は、実質的に研磨液の分散状態にバラツキを生じさせないために、研磨粒子に対する節度となり得る孔を開けることを意味しており、研磨液の液体成分のみが浸透するような極めて緻密な微細孔は開口に該当しない。
このウレタンシート2では、研磨面Pにおける表面粗さRaが0.1〜1μmの範囲を示す。また、連続発泡構造を有していることから、ウレタンシート2のかさ密度は、本例では、0.15〜0.50g/cmの範囲に調整されている。ウレタンシート2がスキン層2aを有しているものの、微多孔4が成膜時の微多孔より拡大されていることから、ウレタンシート2のショアA硬度が20〜90度の範囲を示す。
また、研磨パッド10は、ウレタンシート2の研磨面Pと反対の面側に、研磨機に研磨パッド10を装着するための両面テープ7が貼り合わされている。両面テープ7は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の可撓性フィルムの基材を有しており、基材の両面にアクリル系粘着剤等の粘着剤層(不図示)がそれぞれ形成されている。両面テープ7は、基材の一面側の粘着剤層でウレタンシート2と貼り合わされており、他面側(ウレタンシート2と反対側)の粘着剤層が剥離紙8で覆われている。なお、この両面テープ7の基材は、研磨パッド10の基材を兼ねている。
(研磨パッドの製造)
研磨パッド10は、湿式凝固法によりポリウレタン樹脂で形成されたシートを、厚み方向と交差する少なくとも一方向に引張力を付加しながら熱処理することでポリウレタンシート2を作製し、得られたポリウレタンシート2と両面テープ7とを貼り合わせることで製造される。研磨パッド10の製造では、成膜過程で厚み方向と交差する少なくとも一方向に延伸しながら熱処理することで開口した微多孔4を形成しウレタンシート2を作製する第1製造法、または、成膜過程で厚み方向と交差する少なくとも一方向の長さが変わらないように固定しながら熱処理することで開口した微多孔4を形成しウレタンシート2を作製する第2製造法を用いることができる。以下、順に説明する。
(第1製造法)
図2に示すように、第1製造法では、ポリウレタン樹脂溶液を準備する準備工程(溶液準備ステップ)、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液をシート状に塗布する塗布工程(スキン層形成ステップの一部)、成膜基材に塗布したポリウレタン樹脂溶液を凝固液中で凝固させポリウレタン樹脂を再生させる凝固再生工程(スキン層形成ステップの一部)、再生されたシート状のポリウレタン樹脂を洗浄した後、延伸しながら熱処理する熱セット工程(微多孔開口ステップ)、得られたウレタンシート2と両面テープ7とを貼り合わせるラミネート工程を経て研磨パッド10が製造される。
(準備工程)
準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒および添加剤を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン等を用いることができるが、本例では、DMFを用いる。ポリウレタン樹脂は、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂から選択して用い、例えば、ポリウレタン樹脂が30重量%となるようにDMFに溶解させる。添加剤としては、セル3の大きさや量(個数)を制御するため、カーボンブラック等の顔料、発泡を促進させる親水性活性剤、ポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性活性剤等を用いることができる。得られた溶液を減圧下で脱泡してポリウレタン樹脂溶液を得る。
(塗布工程)
塗布工程では、準備工程で得られたポリウレタン樹脂溶液を常温下でナイフコータ等により帯状の成膜基材にシート状に略均一に塗布する。このとき、ナイフコータ等と成膜基材との間隙(クリアランス)を調整することで、ポリウレタン樹脂溶液の塗布厚さ(塗布量)を調整する。成膜基材としては、布帛や不織布等を用いることもできるが、本例では、表面平滑性を有するPET製フィルムを用いる。
(凝固再生工程)
凝固再生工程では、成膜基材に塗布されたポリウレタン樹脂溶液を、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液(水系凝固液)に連続的に案内する。凝固液には、ポリウレタン樹脂の凝固再生速度を調整するために、DMFやDMF以外の極性溶媒等の有機溶媒を添加してもよいが、本例では、水を使用する。凝固液中でポリウレタン樹脂溶液が凝固し、連続発泡構造を有するポリウレタン樹脂が再生する。凝固液中では、まず、ポリウレタン樹脂溶液と凝固液との界面に皮膜が形成され、皮膜の直近のポリウレタン樹脂中にスキン層を構成する緻密な微多孔が形成される。その後、ポリウレタン樹脂溶液中のDMFの凝固液中への拡散と、ウレタン樹脂中への水の浸入との協調現象、すなわち、溶媒置換によりポリウレタン樹脂の再生が進行する。再生したポリウレタン樹脂では凝集力が大きくなるために皮膜表面で急速にポリウレタン樹脂溶液の凝固が進行し、内部のポリウレタン樹脂量が減少する。そして、表面に形成された緻密気孔の皮膜により凝固液中へのDMFの拡散が抑制され、内部にセル3が形成される。このとき、成膜基材のPET製フィルムが水を浸透させないため、ポリウレタン樹脂溶液の表面側(スキン層側)で脱溶媒が生じて成膜基材側が表面側より大きなセル3が形成される。また、DMFがポリウレタン樹脂溶液から脱溶媒しDMFと凝固液とが置換することで、スキン層表面の直近に形成された微多孔のうちの一部が拡径されて微多孔とセル3との連通孔が形成され、ポリウレタン樹脂中に図示を省略した微多孔が形成される。溶媒置換に伴い、スキン層表面の直近に形成された微多孔、セル3および図示を省略した微多孔が網目状に連通する。
(熱セット工程)
図2に示すように、熱セット工程では、凝固再生したシート状のポリウレタン樹脂(以下、成膜樹脂という。)を水等の洗浄液中で洗浄して成膜樹脂中に残留するDMFを除去する。洗浄後の成膜樹脂を、幅方向に延伸しながら、すなわち、引張力を付加しながら熱処理する。延伸倍率は、成膜樹脂の幅に対して1.2〜2.5倍の範囲に調整する。熱処理は、140〜180℃の温度範囲で5〜30分間行う。熱セットするときは、例えば、幅出し装置(テンター)を用い、加熱雰囲気下に連続的に搬送する。熱セット時に成膜樹脂を連続的に搬送することで、成膜樹脂には搬送方向と幅方向との2方向に引張力が付加されることとなる。この熱処理に伴い、成膜樹脂が乾燥する。得られたウレタンシート2をロール状に巻き取る。
(ラミネート工程)
ラミネート工程では、熱セット後のウレタンシート2と、両面テープ7とが貼り合わされる。このとき、ウレタンシート2の研磨面Pと反対の面と両面テープ7の一側の粘着剤層とが貼り合わされる。そして、円形や角形等の所望の形状、サイズに裁断した後、キズや汚れ、異物等の付着がないことを確認する等の検査を行い、研磨パッド10を完成させる。
(第2製造法)
次に、第2製造法について説明する。図3に示すように、第2製造法では、ポリウレタン樹脂溶液を準備する準備工程(溶液準備ステップ)、成膜基材にポリウレタン樹脂溶液をシート状に塗布する塗布工程(スキン層形成ステップの一部)、成膜基材に塗布したポリウレタン樹脂溶液を凝固液中に案内し、少なくともスキン層を形成させるスキン層形成工程(スキン層形成ステップの一部)、スキン層が形成され凝固完了前のシート状のポリウレタン樹脂を、幅方向の長さが変わらないように固定しながら熱処理する熱セット工程(微多孔開口ステップ)、得られたウレタンシート2と両面テープ7とを貼り合わせるラミネート工程を経て研磨パッド10が製造される。以下の説明では、第1製造法と同じ工程はその説明を省略し、異なる箇所のみ説明する。
スキン層形成工程では、成膜基材に塗布されたポリウレタン樹脂溶液を、凝固液に連続的に案内する。凝固液中ではポリウレタン樹脂溶液が凝固し、ポリウレタン樹脂の再生が進行する。少なくともスキン層が形成された状態、すなわち、ポリウレタン樹脂溶液の凝固完了前に凝固液から引き上げる。引き上げるタイミングは、成膜基材に塗布したポリウレタン樹脂溶液中のDMFの全量が凝固液の水と置換される前、換言すれば、ポリウレタン樹脂の凝固再生が不完全(半凝固)の状態であればよい。このとき、少なくとも成膜基材近傍では、DMFが残留しており、ポリウレタン樹脂溶液がゲル状態(粘着質な状態)である。凝固液から引き上げるタイミングは、凝固液の組成や温度、塗布工程での塗布厚さ、用いたポリウレタン樹脂の種類、配合した添加剤等により調整される。例えば、凝固液を温度20℃の水としてポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に2mmの塗布厚さで塗布した場合、3分後には半凝固(ゲル)状態となるが、10分後では凝固再生がほぼ完了した状態となる。なお、引き上げる時点では、成膜基材側がゲル状態ではあるものの、セル3やマイクロポーラスなポリウレタン樹脂が概ね形成されている。
熱セット工程では、DMFが残留した状態の樹脂を成膜基材から剥離し、幅方向の長さが変わらないように固定しながら熱処理する。熱処理に伴いポリウレタン樹脂の収縮が生じるため、幅方向の長さが変わらないように固定したことで幅方向の引張力が付加されることとなる。このとき、成膜基材から剥離した樹脂の幅方向の長さが、熱処理により収縮しても0.95〜1.2倍の範囲となるように幅方向両端を固定する。熱セットするときは、例えば、上述した幅出し装置を用い、加熱雰囲気下に連続的に搬送する。熱処理は、140〜180℃の温度範囲で5〜30分間行う。この熱処理に伴い、樹脂中の水分と共に残留したDMFが気化するため、ポリウレタン樹脂の再生が完了しウレタンシート2が作製される。
(作用等)
次に、本実施形態の研磨パッド10および研磨パッド10の製造方法の作用等について説明する。
本実施形態の研磨パッド10では、スキン層2aの微多孔4が成膜時に形成された微多孔と比べて拡大されてスキン層2aの表面に開口している。このため、研磨面Pでの開口5の平均孔径が0.5〜10μmの範囲となる。通常、研磨加工時に供給される研磨液中の研磨粒子、例えば、コロイダルシリカの粒径が0.02〜1μm程度であることを考えると、開口5の平均孔径が研磨粒子より小さい場合であっても、開口5が研磨粒子を移動、保持しやすくするように節度の役割を果たす。これにより、成膜時に形成されたままのスキン層の表面では緻密な微多孔状のために研磨粒子の偏在化を生じたことと比べて、研磨面Pにおける研磨粒子の分散状態を均一化することができる。従って、スキン層2aを残しつつ被研磨物の平坦性向上を図ることができる。
また、本実施形態では、バフ処理等の研削処理を施すことなく開口5が形成されている。このため、研削処理により表面に凹凸が生じたことと比べて、凹凸が抑制され研磨面Pにおける表面粗さRaが0.1〜1μmの範囲に調整される。これにより、研磨加工時に研磨面Pの平坦性が確保されるので、被研磨物の平坦性を向上させることができる。被研磨物の平坦性を一層向上させることを考慮すれば、表面粗さRaが0.1〜0.5μmの範囲に調整されていることが好ましい。
更に、開口した微多孔4の形成時に引張力が付加されつつ熱処理されるため、得られるウレタンシート2では樹脂の収縮に伴い厚みの均一化を図ることができる。これにより、ウレタンシート2の厚み斑を熱処理前の10〜50%に低減し、かさ密度を0.15〜0.50g/cmの範囲に調整することができるので、被研磨物の平坦性を向上させることができる。
また更に、熱処理に伴う樹脂の収縮により開口した微多孔4が形成されることで、硬度上昇を抑制し、ショアA硬度を20〜90度の範囲に調整することができる。このため、成膜時に形成されたスキン層のままでは緻密な微多孔状のために硬度が高くなり、被研磨物に対するスクラッチを生じやすいことと比べて、不要な硬度上昇を抑制してスクラッチの低減を図ることができる。また、この熱処理により、スキン層2aを残しつつ硬度上昇を抑制することができるので、樹脂組成等の設計変更をしなくても硬度上昇によるスクラッチの発生を抑制することができる。従って、スキン層2aが残されたまま開口5が形成され、表面粗さRa、厚み斑、硬度がそれぞれ調整されたことで、被研磨物のうねりを低減し平坦性向上を図ることができる。このような研磨パッド10では、研磨加工時に供給される研磨粒子の種類等に制限されることなく、種々の被研磨物に対して要求される高精度な平坦性を実現することができる。
更にまた、本実施形態の製造方法では、第1製造法、第2製造法ともに、少なくともスキン層を形成させた後、厚み方向と交差する幅方向に引張力を付加しながら熱処理することで、スキン層2aに開口した微多孔4が形成される。このとき、熱セット工程では、連続的に搬送されるため、厚み方向と交差し幅方向とも交差する長手方向にも引張力がかかることとなる。このため、ポリウレタン樹脂に2方向の引張力がかかることで開口した微多孔4では、研磨面Pでの開口5が円形状に形成される。これにより、研磨粒子が引っ掛かる程度が均等化されるため、研磨粒子の偏在を抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法では、第1製造法における凝固再生工程、第2製造法におけるスキン層形成工程で、水系凝固液中でポリウレタン樹脂の再生を進行させる。このため、ウレタンシート2では、セル3が従来湿式凝固法で形成されるセルと同様の縦長円錐状に形成される。このため、研磨加工時の研磨圧でセル3が変形することで、研磨パッド10のクッション性を確保することができる。これにより、被研磨物にかかる研磨圧が均等化されるため、被研磨物の平坦性を向上させることができる。
更に、本実施形態の製造方法では、第1、第2製造法における熱セット工程で引張力を付加しながら熱処理する操作、第2製造法におけるスキン層形成工程で凝固液から引き上げるタイミングを調整する操作を除けば、第1、第2製造法のいずれも従来の湿式凝固法を適用することができる。このため、煩雑な工程や特別な装置を要することなく、研磨パッド10を製造することができる。
なお、本実施形態では、樹脂シートとしてポリウレタン樹脂の湿式凝固法によるウレタンシート2を用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ポリウレタン樹脂に代えてポリエチレンやポリエステル等の樹脂を用いてもよく、湿式凝固法で連続発泡構造が形成されるものであればよい。また、例えば、ポリエステル系やポリエーテル系のポリウレタン樹脂を混合してもよく、ポリウレタン樹脂と他の樹脂とをブレンドして用いることも可能である。
また、本実施形態では、第2製造法の準備工程で、ポリウレタン樹脂溶液をDMFに溶解させる例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、ポリウレタン樹脂溶液に難水溶性溶媒を混合しておくようにしてもよい。難水溶性溶媒としては、水に対する溶解度が10g/100g以下(目安として溶解度パラメータが9.5以下)であり、沸点が80℃以下(取扱い上40℃以上であることが望ましい。)のものを用いることができる。このような難水溶性溶媒としては、例えば、クロロホルム、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、トリクロロエタン、n−ヘキサン等を挙げることができる。このようにすれば、ポリウレタン樹脂中に球状のセルが重畳するように形成された研磨パッド20を製造することができる。すなわち、図4に示すように、研磨パッド20を構成するウレタンシート12では、スキン層12aに開口した微多孔4が形成されており、内部に球状のセル13が重畳するように形成されている。もちろん、湿式凝固法により作製されるため、ウレタンシート12でも、セル13を画定するポリウレタン樹脂が上述したウレタンシート2と同様にマイクロポーラスである。両面テープ7を貼り合わせ得られた研磨パッド20では、セル3の形成状態により、クッション性や硬度を調整することができる。
更に、本実施形態では、熱セット工程で連続的に搬送することで、厚み方向と交差する幅方向および長手方向の2方向に引張力を付加しながら熱処理する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、連続的に搬送することに代えて、所望のサイズ、形状に裁断した後、1枚ずつ熱処理するようにしてもよい。この場合、2方向に引張力を付加せずに、少なくとも一方向に引張力を付加していれば、付加された引張力の方向に拡大されスキン層表面に開口した微多孔を形成することができる。
また更に、本実施形態では、特に言及していないが、ウレタンシート2の研磨面Pと反対の面側にバフ処理またはスライス処理を施すようにしてもよい。バフ処理やスライス処理によりウレタンシート2の厚さを一層均一化させることができるため、被研磨物に対する押圧力を均等化し、被研磨物の平坦性を向上させることができる。
更にまた、本実施形態では、ウレタンシート2の研磨面Pと反対の面側に基材を有する両面テープ7を貼り合わせ、両面テープ7の基材が研磨パッド10の基材を兼ねる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、両面テープ7に代えて粘着剤のみを配しておくようにしても、研磨機への装着を行うことができる。また、両面テープ7とウレタンシート2との間に別の基材を貼り合わせるようにしてもよい。ウレタンシート2が柔軟性を有していることを考慮すれば、研磨パッド10の搬送時や定盤への装着時の取扱いを容易にするため、基材を有していることが好ましい。
以下、本実施形態に従い製造した研磨パッド10の実施例について説明する。なお、比較のために製造した比較例の研磨パッドについても併記する。
(実施例1)
実施例1では、第1製造法に従いウレタンシート2を作製した。ウレタンシート2の作製には、ポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂を用いた。ポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に塗布する際に塗布装置のクリアランスを1.6mmに設定した。凝固再生後の成膜樹脂を、延伸倍率1.39倍で延伸しながら熱処理した。熱処理は、温度160℃で20分間行った。得られた厚さ1.002mmのウレタンシート2とPET製の基材を有する両面テープ7とを貼り合わせ研磨パッド10を製造した(図1も参照)。
(実施例2)
実施例2では、第2製造法で、難水溶性溶媒を用いてウレタンシート12を作製した。実施例1と同じポリウレタン樹脂を用いてポリウレタン樹脂溶液を調製した。このポリウレタン樹脂溶液には、難水溶性溶媒として、酢酸エチル(沸点77.1℃、20℃における水に対する溶解度8.7g/100g、溶解度パラメータ9.0)を30重量%の割合で混合した。成膜基材に塗布する際に塗布装置のクリアランスを1.6mmに設定した。成膜基材のPET製フィルムにポリウレタン樹脂溶液を塗布した後、温度20℃の水(凝固液)に浸漬した。3分後に水から引き上げ、スキン層12aが形成された半凝固状態のポリウレタン樹脂を、幅方向の長さが熱処理後でも1.0倍となるように固定しながら熱処理した。熱処理は、温度160℃で20分間行った。得られた厚さ0.758mmのウレタンシート12と両面テープ7とを貼り合わせ研磨パッド20を製造した(図4も参照)。
(比較例1)
比較例1では、熱セット工程を経ることなく湿式凝固法によりウレタンシートを作製し、スキン層側の表面に従来行われるバフ処理を施して研磨面に開口を形成させた以外は実施例1と同様にした。得られたウレタンシートの厚さは0.899mmであった。すなわち、比較例1の研磨パッドは、従来の研磨パッドである。
(評価)
各実施例および比較例の研磨パッドについて、厚み、かさ密度、ショアA硬度、表面粗さRa、開口径、開口率を測定した。厚みの測定では、ダイヤルゲージ(最小目盛り0.01mm)を使用し加重100g/cmをかけて測定した。縦1m×横1mのウレタンシートを縦横10cmピッチで最小目盛りの10分の1(0.001mm)まで読み取り、厚みの平均値を求めた。かさ密度の測定では、試料片(10cm×10cm)を切り出し、電子天秤(型式メトラ−AJ−180)にて重量W0を測定し、ダイヤルゲージにて測定した厚みtおよび重量W0から、かさ密度(ρ)=W0/t/10により算出した。ショアA硬度の測定では、かさ密度の測定と同様に切りだした試料の複数枚を厚さが4.5mm以上となるように重ね、A型硬度計(日本工業規格、JIS K 7311)にて測定した。例えば、1枚の試料片の厚さが1.4mmの場合は、4枚の試料を重ねて測定した。表面粗さRaの測定では、表面粗さ測定機(ミツトヨ社製、SURFTEST)を使用し、得られた粗さ曲線から、平均線から測定曲線までの偏差の絶対値の平均値を平均粗さRaとして求めた。開口径および開口率の測定では、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−5500LV)で約1.0mm四方の範囲を5000倍に拡大し9カ所観察した。この画像を画像処理ソフト(Image Analyzer V20LAB Ver.1.3)により処理し開口径(平均値)および開口率を算出した。厚み、かさ密度、ショアA硬度、表面粗さRa、開口径、開口率の測定結果を下表1に示す。なお、厚み、かさ密度、ショアA硬度、表面粗さRaについては、成膜後のウレタンシートでの測定結果もあわせて示す。また、表1において、「−」の記載は測定不可能であったことを示す。
Figure 2011051072
表1に示すように、比較例1では、バフ処理でスキン層が除去されたことで、A硬度、厚み、かさ密度のいずれもが減少している。また、成膜後では緻密なスキン層のため開口径が測定不可能であったのに対して、バフ処理後では開口径が64.8μm、開口率が36.7%となった。これに対して、実施例1では、熱セット工程後、すなわち、幅出後に厚み、かさ密度が減少することに加えて、A硬度が大きく低下することが判った。また、実施例2についても、同様に、幅出後の厚み、かさ密度、A硬度が低下した。これは、熱処理に伴いポリウレタン樹脂の収縮が生じたためと考えられる。開口径、開口率については、実施例1、実施例2ともに、成膜後の測定が不可能であった。熱処理後では、実施例1、実施例2での開口径がそれぞれ、3.7μm、3.2μmを示し、開口率がそれぞれ5.9%、6.6%を示した。このことから、幅出し、すなわち、引張力を付加しながら熱処理することで、開口した微多孔4が形成され、開口5が形成されることが明らかとなった。また、各実施例および比較例では、成膜後の表面粗さRaがいずれも0.4〜0.6程度の値を示している。これは、湿式凝固法により緻密なスキン層が形成されたことで、スキン層表面が平坦性に優れていることを示している。比較例1のバフ処理後では、バフ処理により表面に凹凸が生じ、セルの開口が形成されたことで、表面粗さRaが5.51μmと大きくなった。これに対して、実施例1、実施例2では、バフ処理することなく開口した微多孔4が形成されたことで、表面粗さRaがそれぞれ0.32μm、0.41μmと成膜後の状態より良好な平坦性を示すことが判った。
(研磨性能評価)
また、各実施例および比較例の保持パッドを用いて、以下の研磨条件で液晶ディスプレイ用ガラス基板の研磨加工を行い、研磨レート、うねりWaを測定した。研磨レートは、1分間当たりの研磨量を厚さで表したものであり、研磨加工前後のガラス基板の重量減少から求めた研磨量、ガラス基板の研磨面積および比重から算出した。また、光学式非接触表面粗さ計(Zygo社製、New View 5022)で80μm〜500μmの波長を透過するフィルタを使用して観察した単位面積当たりの表面像のうねり量をオングストローム(Å)単位で求めた。研磨レートおよびうねりWaの測定結果を下表2に示す。
(研磨条件)
使用研磨機:スピードファム社製、9B−5Pポリッシングマシン
研磨速度(回転数):30rpm
加工圧力:100g/cm
スラリ:コロイダルシリカスラリ(pH:11.5)
スラリ供給量:100cc/min
Figure 2011051072
表2に示すように、比較例1では、バフ処理後のウレタンシートを用いたことで、セルの開口が形成されているため、研磨レートが0.085μm/minを示したが、うねりWaが2.15Åとなり、うねりの低減には効果の期待できないことが判った。これに対して、実施例1、実施例2では、バフ処理することなく開口5が形成されており、開口径は比較例1の開口径より小さいものの、研磨粒子の分散状態が均一化されることで、研磨レートが若干低下しそれぞれ0.082μm/min、0.080μm/minを示した(表1も参照)。さらには、うねりWaがそれぞれ1.48Å、1.41Åを示し、大きく改善されることが明らかとなった。これは、バフ処理せずに微多孔を開口させたことで、表面粗さを損なうことなく開口5が形成されたためと考えられる。
以上説明したように、第1製造法を用いた研磨パッド10、第2製造法を用いた研磨パッド20では、少なくともスキン層を形成させ、厚み方向と交差する少なくとも一方向に引張力を付加しながら熱処理することで、樹脂の収縮によりスキン層2a、12aに開口した微多孔4を形成することができる。このため、成膜時に形成されたままのスキン層では緻密な微多孔状のために研磨粒子の偏在化を生じたことと比べて、開口5が研磨粒子に対する節度となり、研磨面Pにおける研磨粒子の分散状態を均一化することができる。これにより、スキン層2a、12aを残しつつ被研磨物の平坦性向上を図ることができる、ということが判明した。
本発明はスキン層を残しつつ研磨粒子の分散状態を均一化し被研磨物の平坦性を向上させることができる研磨パッドの製造方法および該製造方法で製造された研磨パッドを提供するため、研磨パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
P 研磨面
2 ウレタンシート(樹脂シート)
2a スキン層
3 セル
4 微多孔
10 研磨パッド

Claims (10)

  1. 湿式凝固法により微多孔および該微多孔と内部に形成されたセルとの連通孔が形成されたスキン層を一面側に有する樹脂シートを備えた研磨パッドの製造方法であって、
    有機溶媒に樹脂を溶解させた樹脂溶液を準備する溶液準備ステップと、
    前記溶液準備ステップで準備された樹脂溶液をシート状に展延した後、水を主成分とする凝固液中で少なくとも前記スキン層を形成させるスキン層形成ステップと、
    前記スキン層形成ステップで少なくともスキン層が形成された樹脂を、厚み方向と交差する少なくとも一方向に引張力を付加しながら熱処理し、前記スキン層の表面での前記微多孔を開口させる微多孔開口ステップと、
    を含む製造方法。
  2. 前記スキン層形成ステップで少なくとも前記スキン層を形成させた後、前記微多孔開口ステップで前記少なくとも一方向の長さが変わらないように固定しながら前記熱処理することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記溶液準備ステップで、前記樹脂溶液に難水溶性の溶媒を混合しておくことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記難水溶性の溶媒は、水に対する溶解度が10g/100g以下であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記スキン層形成ステップで前記樹脂溶液の全体を凝固させた後、前記微多孔開口ステップで前記少なくとも一方向に延伸しながら前記熱処理することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記樹脂シートはポリウレタン樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする研磨パッド。
  8. 前記樹脂シートは、前記スキン層の表面での表面粗さRaが0.1μm〜1μmの範囲であることを特徴とする請求項7に記載の研磨パッド。
  9. 前記樹脂シートは、かさ密度が0.15g/cm〜0.50g/cmの範囲であることを特徴とする請求項8に記載の研磨パッド。
  10. 前記樹脂シートは、ショアA硬度が20度〜90度の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の研磨パッド。
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