JP2002270550A - 研磨用シート - Google Patents

研磨用シート

Info

Publication number
JP2002270550A
JP2002270550A JP2001066306A JP2001066306A JP2002270550A JP 2002270550 A JP2002270550 A JP 2002270550A JP 2001066306 A JP2001066306 A JP 2001066306A JP 2001066306 A JP2001066306 A JP 2001066306A JP 2002270550 A JP2002270550 A JP 2002270550A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
sheet
stretching
weight
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001066306A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4550300B2 (ja
Inventor
Takahisa Ono
隆央 大野
Jirou Sadanobu
治朗 定延
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2001066306A priority Critical patent/JP4550300B2/ja
Publication of JP2002270550A publication Critical patent/JP2002270550A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4550300B2 publication Critical patent/JP4550300B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な研磨剤保持量を有し、研磨経時により
研磨精度が下がらず均一研磨可能な研磨用シートを提供
する。 【解決手段】 メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
マーからなり、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有
し、空隙率が40〜90%で、表面開孔率が10〜70
%である多孔膜を単独または積層し研磨用シートとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明はメタフェニレンイ
ソフタルアミド系ポリマーからなる研磨用シートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来研磨シートの研磨層は発泡ポリウレ
タン、もしくは不織布等にポリウレタンなどの樹脂溶液
等を含浸、凝固、乾燥することで孔を発生させていた。
また近年ポリプロピレンやポリエチレンによって代表さ
れるポリオレフィンを研磨シートなどに用いる試みが提
案されている。例えば、ポリオレフィンを研磨剤保持用
の多孔質フィルムとして用いるものとして、特開平9‐
12736号公報には分子量50万以上の超高分子量ポ
リエチレンを主体とする粉体を焼結してなる高分子多孔
質シートからなる研磨パッドが記載され、また特開平9
‐132666号公報にはシリカなどの研磨材料と抽出
剤とを含むポリオレフィン系樹脂組成物をシート状に成
形した後、該シート状成形物から抽出剤を除くことによ
る機械的研磨(CMP)用多孔体の製造方法が記載され
ている。さらに特開平11‐54463号公報にはシリ
カ含有研磨剤を主成分としポリオレフィン系微粒子材料
を添加してなる研磨剤が開示され、また特開平11‐5
8223号公報には同様に分子量100万〜900万の
超高分子量ポリオレフィンパウダーを樹脂層に配合した
研磨層が開示され、また特開平11‐58224号公報
には超高分子量ポリエチレンのシートを表面に接着又は
溶着した研磨治具が開示されている。しかし、上記に開
示された方法ではポリオレフィン支持体に対する研磨剤
の保持量が十分ではなく改善が必要である。また研磨シ
ート表内面における孔径およびその分布が均一ではな
く、そのためシート表面での研磨粒子の捕捉性が不均一
となり、さらに研磨経時による研磨精度の不均一が発生
する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対し本願発明は
かかる従来の研磨用シートの問題点を解消し、研磨剤の
十分な保持を可能とし、半導体ウエハーや半導体絶縁膜
の化学的、機械的研磨において研磨経時に左右されな
い、均一研磨可能な研磨用シートを提供することを目的
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、メタフェニレンイソ
フタルアミド系ポリマーの多孔膜からなる研磨用シート
によって達成できることを見出し本願発明に至った。
【0005】すなわち本願発明は次の通りである。 1.メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーからな
り、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有し、空隙率
が40〜90%で、表面開孔率が10〜70%である多
孔膜からなることを特徴とする研磨用シート。 2.多孔膜がその表面の平均開孔径が0.5〜20μm
であることを特徴とする研磨用シート。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係るメタフェニレンイソ
フタルアミド系ポリマーとは、メタ芳香族ジアミンとメ
タ芳香族ジカルボン酸ハライドとの重縮合によって得ら
れるポリマー、およびメタ芳香族ジアミンとメタ芳香族
ジカルボン酸ハライドとの総量に対しモル基準で、アミ
ン成分またはカルボン酸成分としての共重合率がそれぞ
れ40モル%以下の割合で、パラ芳香族ジアミン、パラ
芳香族ジクロライド、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボ
ン酸や脂環族ジアミン、脂環族ジカルボン酸を使用し重
縮合して得られるポリマーである。
【0007】具体的にはメタ芳香族ジアミンとしては
1,3−フェニレンジアミン、1,6−ナフタレンジア
ミン、1,7−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレ
ンジアミン、3,4’−ビフェニルジアミン等、またメ
タ芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸、1,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ
る。
【0008】また共重合モノマーについては、具体的に
はパラ芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノビフェニル、2−メチル−パラフェ
ニレンジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミ
ン、2,6−ナフタレンジアミン等を、パラ芳香族ジカ
ルボン酸ジクロライドとしてテレフタル酸クロライド、
ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸クロライド、2,
6−ナフタレンジカルボン酸クロライド等、脂肪族ジア
ミンとしてヘキサンジアミン、デカンジアミン、ドデカ
ンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン等、また脂肪族ジカルボン酸としてエチレンジカルボ
ン酸、ヘキサメチレンジカルボン酸等を挙げることがで
きる。ただしいずれについてもこれらに限定されるもの
ではない。
【0009】本発明に係るメタフェニレンイソフタルア
ミド系ポリマーの多孔膜からなる研磨用シートの好まし
い製造方法は次の通りである。
【0010】ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマーをアミド系溶媒で溶解した溶液(以下ドープとい
う)を支持体上にキャストし、当該キャスト物を支持体
に載せたままポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒(以
下凝固液という)に浸漬して凝固させ、これを水洗し乾
燥することによってポリメタフェニレンイソフタルアミ
ド系ポリマー多孔膜が製造される。なお支持体からの剥
離は凝固後であればどの段階でも構わない。さらに孔径
を制御する目的で延伸、熱処理を追加しても構わない。
【0011】本願発明に係るドープ中のポリマー濃度と
しては好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜
20重量%である。
【0012】ドープ形成に使用できるアミド系溶媒とし
てはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶
媒が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、本
発明の目的に反しない限り、本発明に係るポリメタフェ
ニレンイソフタルアミド系ポリマーを溶解するものであ
ってアミド基を含有するものであればどのようなもので
も良い。なおアミド系溶媒に限定されるのは本願発明に
係るポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーを
溶解するためである。
【0013】また該ポリアミドの溶解性を向上させるた
め1価または2価陽イオン金属塩を用いることができ
る。金属塩はポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマー100重量部に対し0〜50重量部となる割合で
本願発明に係るアミド系溶媒中に存在させることがで
き、具体的には塩化カルシウム、塩化リチウム、硝酸リ
チウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。金属塩のア
ミド系溶媒中への溶解方法は通常の方法で良く、ポリメ
タフェニレンイソフタルアミド系ポリマーの溶解の前で
あっても途中であってもまた後であっても良い。
【0014】支持体としては金属ドラム、エンドレスの
金属ベルト、有機フィルム、例えばポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステルテレフタレート等が挙げられ
る。より好ましくはシリコン等の離形処理が施されてい
るものがよい。
【0015】キャストする場合におけるドープの温度に
ついては特に制限がないが、その粘度が1〜2,000
Poiseの間に選択するのが好ましく、望ましくは5
〜500Poiseの間になるよう選択する。またキャ
スト物の形状をシート状に保つため、支持体および支持
体周りの雰囲気温度範囲を選択し、また、支持体周りの
雰囲気を送風等によって調節することも本願発明を実施
する場合に有効であるが、これらの条件は試行錯誤によ
って決めることができる。
【0016】凝固浴に使用するアミド系溶媒としては具
体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙
げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用
する。
【0017】また凝固液としてはポリメタフェニレンイ
ソフタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対して
不活性でありポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマーに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質と相溶性
を有する物質をアミド系溶媒と混合して用いるが、この
ような物質としては、低級アルコール、低級エーテル等
各種の物を使用できるが、なかんずく水を用いることが
好ましい。これらの混合物を使用することもできる。
【0018】凝固液中には孔径を調整する目的で金属塩
をアミド系凝固液に対し1〜10重量%用いることも可
能である。具体的には塩化カルシウム、塩化リチウム、
硝酸リチウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
【0019】凝固液中のアミド系溶媒の濃度は凝固液全
体に対し30重量%以上80重量%以下であり、より好
ましくは50重量%〜70重量%である。凝固液の温度
は0℃以上98℃以下でありより好ましくは20℃以上
90℃以下である。
【0020】アミド系溶媒の濃度が30重量%未満で温
度が0℃未満の場合、作成されたポリアミド多孔膜の表
面にある孔の数が減ると共に、その孔径が小さくなり、
開孔率の低いポリアミド多孔膜となる傾向が生じる。ま
た濃度が80%を超え、温度が98℃を越える場合、ポ
リマーが粒状化しポリアミド多孔膜にはならない場合が
ある。また、温度と濃度とのいずれか一方が上記範囲を
超えている場合には両者が上記範囲を超えている場合ほ
どではないにしても用途によっては欠点となりうる。
【0021】凝固された多孔膜である該キャスト物は次
に水洗工程に移され、そこで水によって洗浄される。こ
の時の温度は多孔形状に影響をほとんど与えないため特
に限定されるものではない。水洗はシャワー、水槽等の
設備を使用するがこれに限定されるものではない。水槽
を使用する場合は水槽の数を増やし段階的にキャスト物
中の不純物を取り除く方法がより好ましい。
【0022】乾燥は任意の程度に行えばよく、通常は水
切りと呼ばれる程度のニップロール処理による乾燥から
熱風乾燥機等による本格的乾燥までを含む。ただし、研
磨用シートとしては安定した研磨性を確保するために所
定の乾燥度に維持することが好ましく、そのため乾燥度
の程度は絶乾状態の多孔膜100重量部に対して水分量
が100重量部以下であることが好ましく、より好まし
くは30重量部以下、特に好ましくは5重量部以下であ
る。
【0023】延伸については湿式と乾式による方法が挙
げられ、さらに一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸
等のいずれの方法であってもよいが一軸延伸のみの場合
延伸倍率が大きくなると共に孔が変形し、通気性が低下
するので二軸延伸のほうが好ましい。また延伸に際して
は延伸方向に対して両サイドを把持し、拘束しているほ
うが通気性の低下抑制という点で好ましい。
【0024】湿式延伸は凝固後のポリアミド膜をポリメ
タフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに対し非相溶
性物質を含有するアミド系溶媒中で延伸する方法であ
る。延伸浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN
−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好
ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用する。また
ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよび
アミド系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレン
イソフタルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該
アミド系物質と相溶性を有する物質としては、低級アル
コール、低級エーテル等各種の物を使用できるが、なか
んずく水を用いることが好ましい。これらの混合物を使
用することもできる。
【0025】延伸浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸浴全
体に対して5〜70重量%であるのが好ましく、より好
ましくは30〜65重量%である。延伸浴の温度は0〜
98℃であるのが好ましく、より好ましくは30〜90
℃である。延伸浴中のアミド系溶剤の濃度が5重量%未
満であり、延伸浴の温度が0℃未満である場合は、ポリ
アミド多孔膜の可塑化が不十分であり、延伸倍率が上が
らず、期待するヤング率が得られないことがある。また
濃度が70重量%を超え、温度が98℃を超える場合に
は、ポリアミド多孔膜の溶解が進行し、延伸によってヤ
ング率を向上させることが不可能であると共に多孔構造
が崩れて緻密化が進行してしまいポリアミド多孔膜を得
ることができない。
【0026】延伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍の倍率
で、または直交する二方向へ1.3〜10倍の倍率であ
るのが開孔率、孔径分布、機械物性のバランスを適切な
ものとするために好ましい。ここで二軸延伸の場合の延
伸倍率1.3〜10倍は両方向の延伸倍率の積(面積倍
率)として求めることができる。
【0027】乾式延伸の加熱方式は接触方式、非接触方
式のいずれであっても良いが、延伸に際しては延伸方向
に対して両サイドを把持し拘束しているほうが孔径制御
の点で好ましい。延伸温度は270〜380℃であるの
が適当であり、より好ましくは290〜360℃であ
る。延伸温度が270℃より低い場合には多孔膜は低倍
率で破断してしまい、380℃より高温であると多孔構
造がつぶれて孔が塞がり緻密化してしまうことがある。
延伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍の倍率で、または直
交する二方向へ1.3〜10倍の倍率であるのが開孔
率、孔径分布、機械物性のバランスを適切なものとする
ために好ましい。ここで二軸延伸の場合の延伸倍率1.
3〜10倍は両方向の延伸倍率の積(面積倍率)として
求めることができる。
【0028】また所望により凝固処理後得られたポリア
ミド多孔膜をポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒から
なる浴中浸漬処理して結晶化を促進しても良い。浸漬処
理浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましく
はN−メチル−2−ピロリドンを使用する。またポリメ
タフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド
系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレンイソフ
タルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド
系物質と相溶性を有する物質としては、低級アルコー
ル、低級エーテル等各種の物を使用できるが、なかんず
く水を用いることが好ましい。これらの混合物を使用す
ることもできる。
【0029】浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸
浴全体に対して50〜80重量%であるのが好ましく、
より好ましくは60〜70重量%である。延伸浴の温度
は50〜98℃であるのが好ましく、より好ましくは6
0〜90℃である。 浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃
度が80重量%を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起
こって多孔構造が破壊されることがあり、50重量%未
満では結晶化が十分に進行しないことがある。また浸漬
処理浴の温度が50℃未満であるとポリアミド多孔膜の
結晶化が進行しないか、あるいは進行しにくくなること
があり、98℃を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起
こって多孔構造が破壊されることがある。
【0030】浸漬処理後ポリアミド多孔膜は水中に導入
されて洗浄され、次いで乾燥されるのが良い。その水洗
及び乾燥は凝固処理後の水洗及び乾燥に関して前述した
方法と同様に行うのが好ましい。また浸漬処理後に得ら
れるポリアミド多孔膜においては20℃のジメチルホル
ムアミドに対する不溶部分が10%以上であることが好
ましい。
【0031】また熱処理を実施する場合、290℃〜3
80℃の温度で実施されるのが好ましく、より好ましく
は330〜360℃である。熱処理は結晶化の目的のた
めに行うものであり、290℃未満であると効果が十分
でないことがあり、380℃を超えるとポリマーの分解
が起こることがある。
【0032】この熱処理では得られる多孔膜の多孔度が
減少したりまたは孔が閉塞したりして通気性が悪化する
ことがあるが、本発明による多孔膜ではその影響が全く
ないか、あるいはその影響を最小限度に抑えることがで
きる。
【0033】本発明の研磨用シートに用いる多孔膜にお
いては、その空隙率が40〜90%で、表面開孔率が1
0〜70%である。多孔膜の空隙率が40%未満では研
磨剤の保持量が不十分であり、一方、90%を超えると
研磨剤の保持量が過剰となり、膜強度も不足する。ま
た、多孔膜の表面開孔率が10%未満では研磨剤の研磨
シート表面への供給が不足し、一方、70%を超えると
シート表面での研磨剤の供給が過剰となる。
【0034】多孔膜がその表面の平均開孔径が0.5〜
20μmであることが好ましい。多孔膜の表面開孔径が
0.5μm未満では研磨粒子の捕捉ができず、一方、2
0μmを超えるとシート表面での研磨粒子の捕捉性が不
十分となり、研磨経時により研磨精度が下がる。
【0035】研磨用シートの厚みに関しては該多孔膜を
2枚以上積層もしくは裏打ち材に接着することで肉厚化
を図ることができ、接着方法としては熱圧処理、メタフ
ェニレンイソフタルアミド系ポリマーのワニスによる接
着、その他接着剤また接着テープを使用することができ
る。
【0036】
【発明の効果】この発明によりCMPスラリー中の研磨
粒子をシート内部に均一に捕捉するため、経時によらな
い、良好な研磨性を有する研磨用シートを提供すること
ができる。
【0037】[評価方法] [空隙率]乾燥後の多孔膜をA(mm)×B(mm)の
大きさにカットし、厚みC(mm)、重量D(g)を測
定する(A,B,C,Dは適宜選択する)。以上より見
かけ密度Eを以下の式で求める。続いて使用したポリマ
ーの真密度Fを求め、以下の式から空隙率を算出する。 見かけ密度E=D/(A*B*C)*1000(g/c
3) 空隙率=(F−E)/E*100(%)
【0038】[表面開孔率]分解能4〜7nmの走査電子
顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150
×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万
ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.01
μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和
を開孔部分のピクセル数とする。 表面開孔率=各孔の総和ピクセル/10万ピクセル*1
00(%)
【0039】[平均開孔径]分解能4〜7nmの走査電子
顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150
×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万
ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.01
μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和
を開孔部分のピクセル数とする。細孔側から各孔のピク
セル数を累積し、表面開孔率の1/2に達成した時のピ
クセル数を有する孔の径を平均開孔径とする。
【0040】
【実施例】以下本発明の多孔膜による研磨剤保持用シー
トの実施例を示す。シートの性能の評価方法としては平
均粒子径20nmのシリカ粒子AERPOSIL90G
(日本エアロジル社)のCMPスラリーを使用して半導
体ウエハーを研磨した際の半導体ウエハー表面の不純物
金属濃度を測定した。測定方法については(株)テクノ
ス社製全反射ウエハー表面分析装置TREX610を使
用して不純物金属濃度を測定した。
【0041】[実施例1]多孔膜はメタフェニレンジア
ミンとイソフタル酸クロライドを当モルで生成ポリマー
濃度が10重量%となるようにN−メチル−2−ピロリ
ドン(以下NMP)中で溶液重合しドープを作成した。
このとき中和剤として水酸化カルシウムを使用した。作
成したドープをPETフィルム上に100μmの厚みに
キャストし、これをNMP/水=60/40重量%、8
0℃からなる凝固浴に10min浸漬し、水洗後150
℃にて5min乾燥し、メタフェニレンイソフタルアミ
ドポリマーからなる多孔膜を得た。この多孔膜は厚みが
30μm、空隙率70%、表面開孔率20%、平均開孔
径4μmであった。
【0042】この多孔膜を10枚積層し、厚さ300μ
mの研磨剤保持用シートを作成した。この時層間の接着
はアミド系接着剤を使用した。この研磨剤保持用シート
と上述CMPスラリーを用いて半導体ウエハーを研磨し
たところ研磨経時に関わらず研磨状態は良好であり、研
磨後の半導体ウエハー表面の不純物金属濃度を測定する
と1×1011〜1014atoms/cm2レベルと良好
であった。
【0043】[実施例2]多孔膜はメタフェニレンジア
ミンとイソフタル酸クロライドを当モルで生成ポリマー
濃度が10重量%となるようにN−メチル−2−ピロリ
ドン(以下NMP)中で溶液重合しドープを作成した。
このとき中和剤として水酸化カルシウムを使用した。こ
のドープを攪拌水中で凝固し作成したドープをPETフ
ィルム上に300μmの厚みにキャストし、これをNM
P/水=60/40重量%、60℃からなる凝固浴に5
min浸漬し、水洗後150℃にて5min乾燥し、メ
タフェニレンイソフタルアミドポリマーからなる多孔膜
を得た。この多孔膜は厚みが100μm、空隙率65
%、表面開孔率15%、平均開孔径3μmであった。
【0044】この多孔膜を10枚積層し、厚さ300μ
mの研磨剤保持用シートを作成した。この時層間の接着
はアミド系接着剤を使用した。
【0045】この研磨剤保持用シートと上述CMPスラ
リーを用いて半導体ウエハーを研磨したところ研磨経時
に関わらず研磨状態は良好であり、研磨後の半導体ウエ
ハー表面の不純物金属濃度を測定すると1×1011〜1
14atoms/cm2レベルと良好であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 77:06 C08L 77:06 Fターム(参考) 3C058 AA07 AA09 CB01 DA17 4F071 AA55 AG28 AH19 DA20 4F074 AA71 AH03 CB43 CB45 CC32Y DA02 DA56

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
    マーからなり、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有
    し、空隙率が40〜90%で、表面開孔率が10〜70
    %である多孔膜からなることを特徴とする研磨用シー
    ト。
  2. 【請求項2】 多孔膜がその表面の平均開孔径が0.5
    〜20μmであることを特徴とする請求項1の研磨用シ
    ート。
JP2001066306A 2001-03-09 2001-03-09 研磨用シート Expired - Fee Related JP4550300B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001066306A JP4550300B2 (ja) 2001-03-09 2001-03-09 研磨用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001066306A JP4550300B2 (ja) 2001-03-09 2001-03-09 研磨用シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002270550A true JP2002270550A (ja) 2002-09-20
JP4550300B2 JP4550300B2 (ja) 2010-09-22

Family

ID=18924811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001066306A Expired - Fee Related JP4550300B2 (ja) 2001-03-09 2001-03-09 研磨用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4550300B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005001018A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Kao Corp 基板の製造方法
JP2007260893A (ja) * 2006-02-16 2007-10-11 Rohm & Haas Electronic Materials Cmp Holdings Inc ケミカルメカニカルポリッシングのための三次元ネットワーク
JP2009262312A (ja) * 2008-04-30 2009-11-12 Nitta Haas Inc 研磨パッド
JP2011051072A (ja) * 2009-09-03 2011-03-17 Fujibo Holdings Inc 研磨パッドの製造方法および研磨パッド
WO2016051796A1 (ja) * 2014-10-01 2016-04-07 日東電工株式会社 研磨パッド
WO2018155287A1 (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 東レ株式会社 多孔性フィルム、二次電池用セパレータおよび二次電池

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11221750A (ja) * 1998-02-09 1999-08-17 Teijin Ltd 金属表面の研磨方法
JP2000343411A (ja) * 1999-06-01 2000-12-12 Teijin Ltd 研磨用シート

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11221750A (ja) * 1998-02-09 1999-08-17 Teijin Ltd 金属表面の研磨方法
JP2000343411A (ja) * 1999-06-01 2000-12-12 Teijin Ltd 研磨用シート

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005001018A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Kao Corp 基板の製造方法
JP2007260893A (ja) * 2006-02-16 2007-10-11 Rohm & Haas Electronic Materials Cmp Holdings Inc ケミカルメカニカルポリッシングのための三次元ネットワーク
JP2009262312A (ja) * 2008-04-30 2009-11-12 Nitta Haas Inc 研磨パッド
JP2011051072A (ja) * 2009-09-03 2011-03-17 Fujibo Holdings Inc 研磨パッドの製造方法および研磨パッド
WO2016051796A1 (ja) * 2014-10-01 2016-04-07 日東電工株式会社 研磨パッド
JP2016068255A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 日東電工株式会社 研磨パッド
WO2018155287A1 (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 東レ株式会社 多孔性フィルム、二次電池用セパレータおよび二次電池
JPWO2018155287A1 (ja) * 2017-02-23 2019-12-12 東レ株式会社 多孔性フィルム、二次電池用セパレータおよび二次電池
US11637351B2 (en) 2017-02-23 2023-04-25 Toray Industries, Inc. Porous film, separator for rechargeable battery, and rechargeable battery

Also Published As

Publication number Publication date
JP4550300B2 (ja) 2010-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4794104B2 (ja) ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜、その製造方法および電池用セパレータ
JP4065877B2 (ja) ポリ−(メタフェニレンイソフタルアミド)からなる多孔膜およびその製造方法
KR101813539B1 (ko) 복합 다공질막 및 그 제조 방법
JP6146303B2 (ja) 複合半透膜およびその製造方法
JP4867185B2 (ja) 多孔性フィルムの製造方法および多孔性フィルム
CN104136105B (zh) 复合半透膜
JP6237232B2 (ja) 複合半透膜
JPH04183578A (ja) 研磨用基体の製造法
JP4550300B2 (ja) 研磨用シート
JP2002358979A (ja) 高分子固体電解質複合膜
US10688443B2 (en) Composite semipermeable membrane
JP2002225209A (ja) 透湿防水性耐熱布帛
JP2000176263A (ja) 複合半透膜およびその製造方法
JP2002209822A (ja) 耐熱性清掃用シート
JP2001206973A (ja) 耐熱性ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法
US20060141238A1 (en) Porous membrane of poly(metaphenylene isophthalamide) and process for producing the same
JP2002030176A (ja) 耐熱性ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜およびその製造方法
JP2002268435A (ja) 複写機用クリーニングウエブ
JP2002204954A (ja) 油吸着材
JP2004115764A (ja) メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法
JP2002363323A (ja) メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーからなる多孔膜およびその製造方法
KR101956288B1 (ko) 극성 고분자가 함침된 멤브레인 및 이의 제조방법
JP2004107424A (ja) 耐熱性高強度メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜およびその製造方法
JPH09188740A (ja) パラ配向芳香族ポリアミド多孔質フィルム及びその製造方法
JP2002204912A (ja) 耐熱性濾布

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100615

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100708

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees