JP2002225209A - 透湿防水性耐熱布帛 - Google Patents

透湿防水性耐熱布帛

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JP2002225209A
JP2002225209A JP2001021471A JP2001021471A JP2002225209A JP 2002225209 A JP2002225209 A JP 2002225209A JP 2001021471 A JP2001021471 A JP 2001021471A JP 2001021471 A JP2001021471 A JP 2001021471A JP 2002225209 A JP2002225209 A JP 2002225209A
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porous membrane
moisture
porosity
stretching
weight
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Takahisa Ono
隆央 大野
Jirou Sadanobu
治朗 定延
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透湿防水性を有する耐熱布帛を提供する 【解決手段】 メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
マーからなり、多数の均一な微細孔を表面および内部に
有し、空隙率が40〜90%で、表面開孔率が1〜20
%である多孔膜を耐熱性布帛に部分接着により積層、貼
り合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリメタフェニレン
イソフタルアミド系の多孔膜と布帛とを積層した透湿防
水性耐熱布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ポリテトラフルオロエチレンからな
るミクロポーラスフィルムと布帛とを積層させた通気性
防水布帛はゴアテックスという商品名で、衣料用途をは
じめとして種々の用途に用いられている。しかしながら
ポリテトラフルオロエチレンは成型加工が難しく、それ
によって得られるミクロポーラスフィルムが非常に高価
なものとなるという問題があり、さらには高気孔率のフ
ィルムを製造しようとするとフィルム強度が低くなって
しまうという欠点があった。一方、高強度、高モジュラ
スの多孔フィルムとして高分子量のポリエチレンからな
るフィルムが知られており(特開昭61‐84225号
公報)、それを衣類の通気性サンドイッチ層として用い
ることも知られている(特開平2‐232242号公
報)。しかし融点の低いポリエチレンは高温環境での使
用は非常に困難であり、熱による収縮が生じてしまう欠
点があった。
【0003】また、従来の芳香族ポリアミド繊維からな
る布帛単体では防水性がなく、また消防服、溶接作業
着、等の火の粉が直接ふりかかる現場での使用に際して
は火の粉が布帛に定着しやすいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の問題点を解消し、透湿防水性を有する耐熱布帛を提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、メタフェニレンイソフ
タルアミド系ポリマーからなる多孔膜を耐熱性布帛に貼
り付けることによって解決できることを見出し本発明に
至った。
【0006】すなわち本発明は次の通りである。 1.メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーからな
り、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有し、空隙率
が40〜90%で、表面開孔率が1〜20%である多孔
膜を耐熱性布帛に部分接着により積層、貼り合せたこと
を特徴とする透湿防水性耐熱布帛。 2.多孔膜がその表面の平均開孔径が0.1〜5μmで
あり、厚みが1〜200μmであることを特徴とする透
湿防水性耐熱布帛。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係るメタフェニレンイソ
フタルアミド系ポリマーとは、メタ芳香族ジアミンとメ
タ芳香族ジカルボン酸ジハライドとの重縮合によって得
られるポリマー、およびメタ芳香族ジアミンとメタ芳香
族ジカルボン酸ジハライドとの総量に対し、モル基準
で、アミン成分またはカルボン酸成分としての共重合率
がそれぞれ40モル%以下の割合で、パラ芳香族ジアミ
ン、パラ芳香族ジカルボン酸ジクロライド、脂肪族ジア
ミン、脂肪族ジカルボン酸や脂環族ジアミン、脂環族ジ
カルボン酸を使用し重縮合して得られるポリマーであ
る。
【0008】具体的にはメタ芳香族ジアミンとしては
1,3−フェニレンジアミン、1,6−ナフタレンジア
ミン、1,7−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレ
ンジアミン、3,4’−ビフェニルジアミン等、またメ
タ芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸、1,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ
る。
【0009】また共重合モノマーについては、具体的に
はパラ芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノビフェニル、2−メチル−パラフェ
ニレンジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミ
ン、2,6−ナフタレンジアミン等を、パラ芳香族ジカ
ルボン酸ジクロライドとしてテレフタル酸ジクロライ
ド、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライ
ド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド等、
脂肪族ジアミンとしてヘキサンジアミン、デカンジアミ
ン、ドデカンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン等、また脂肪族ジカルボン酸としてエチレ
ンジカルボン酸、ヘキサメチレンジカルボン酸等を挙げ
ことができる。ただし、いずれについてもこれらに限定
されるものではない。
【0010】本発明のメタフェニレンイソフタルアミド
系ポリマーの多孔膜層を有する透湿防水性耐熱布帛の好
ましい製造方法は次の通りである。
【0011】ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマーをアミド系溶媒で溶解した溶液(以下ドープとい
う)を支持体上にキャストし、当該キャスト物を支持体
に載せたまま、ポリメタフェニレンイソフタルアミド系
ポリマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒
(以下凝固液という)に浸漬して凝固させ、これを水洗
し乾燥することによってポリメタフェニレンイソフタル
アミド系ポリマー多孔膜が製造される。なお支持体から
の剥離は凝固後であればどの段階でも構わない。さらに
孔径を制御する目的で延伸、熱処理を追加しても構わな
い。
【0012】本発明に係るドープ中のポリマー濃度とし
ては、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは10
〜25重量%である。
【0013】ドープ形成に使用できるアミド系溶媒とし
てはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶
媒が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、本
発明の目的に反しない限り、本発明に係るポリメタフェ
ニレンイソフタルアミド系ポリマーを溶解するものであ
ってアミド基を含有するものであればどのようなもので
も良い。なおアミド系溶媒に限定されるのは、本発明に
係るポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーを
溶解するためである。
【0014】また該ポリアミドの溶解性を向上させるた
め1価または2価陽イオン金属塩を用いることができ
る。金属塩はポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマー100重量部に対し0〜50重量部となる割合で
アミド系溶媒中に存在させることができ、このような金
属塩としては、具体的には塩化カルシウム、塩化リチウ
ム、硝酸リチウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
金属塩のアミド系溶媒中への溶解方法は通常の方法で良
く、ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーの
溶解の前であっても途中であってもまた後であっても良
い。
【0015】支持体としては金属ドラム、エンドレスの
金属ベルト、有機フィルム、例えばポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられ
る。より好ましくはシリコン等の離形処理が施されてい
るものがよい。
【0016】キャストする場合におけるドープの温度に
ついては特に制限がないが、その粘度が1〜2,000
Poiseの間に選択するのが好ましく、望ましくは5
〜500Poiseの間になるよう選択する。またキャ
スト物の形状をシート状に保つため、支持体および支持
体周りの雰囲気温度範囲を選択し、また、支持体周りの
雰囲気を送風等によって調節することも本発明に用いる
多孔膜を製造する場合に有効であるが、これらの条件は
試行錯誤によって決めることができる。
【0017】凝固浴に使用するアミド系溶媒としては、
具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が
挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使
用する。
【0018】また、凝固液としては、ポリメタフェニレ
ンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対
して不活性であり、ポリメタフェニレンイソフタルアミ
ド系ポリマーに相溶性を有さず、かつ当該アミド系溶媒
と相溶性を有する物質をアミド系溶媒と混合して用いる
が、このような物質としては、低級アルコール、低級エ
ーテル等各種の物を使用できるが、なかんずく水を用い
ることが好ましい。これらの混合物を使用することもで
きる。
【0019】凝固液中には、孔径を調整する目的で金属
塩をアミド系凝固液に対し1〜10重量%用いることも
可能である。金属塩としては、具体的には塩化カルシウ
ム、塩化リチウム、硝酸リチウム、塩化マグネシウム等
が挙げられる。
【0020】凝固液中のアミド系溶媒の濃度は凝固液全
体に対し5重量%以上80重量%以下が好ましく、より
好ましくは20重量%〜70重量%である。凝固液の温
度は0℃以上98℃以下であり、より好ましくは20℃
以上90℃以下である。
【0021】アミド系溶媒の濃度が5重量%未満で温度
が0℃未満の場合、作成されたポリアミド多孔膜の表面
にある孔の数が減ると共に、その孔径が小さくなり、開
孔率の低いポリアミド多孔膜となる傾向が生じる。また
濃度が80%を超え、温度が98℃を越える場合、ポリ
マーが粒状化しポリアミド多孔膜にはならない場合があ
る。また、温度と濃度とのいずれか一方が上記範囲を超
えている場合には、両者が上記範囲を超えている場合ほ
どではないにしても用途によっては欠点となりうる。
【0022】したがって、所望の開孔率、開孔径、空隙
率を有する多孔膜を得るためには、凝固液中のアミド系
溶媒の濃度、金属塩の濃度、凝固液の温度などの凝固条
件を選ぶことが重要である。
【0023】凝固された多孔膜である該キャスト物は次
に水洗工程に移され、そこで水によって洗浄される。こ
の時の温度は多孔形状に影響をほとんど与えないため特
に限定されるものではない。またこの工程は省略するこ
とも可能である。省略できるかどうかは実験等によって
得られる結果を見て定めることができる。
【0024】乾燥は任意の程度に行えばよく、通常は水
切りと呼ばれる程度のニップロール処理による乾燥から
熱風乾燥機等による本格的乾燥までを含む。ただし、多
孔膜としては安定した接着性を確保するために所定の乾
燥度に維持することが好ましく、そのため乾燥度の程度
は絶乾状態の多孔膜100重量部に対して水分量が10
0重量部以下であることが好ましく、より好ましくは3
0重量部以下、特に好ましくは5重量部以下である。
【0025】延伸については湿式と乾式による方法が挙
げられ、さらに一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸
等のいずれの方法であってもよいが一軸延伸のみの場合
延伸倍率が大きくなると共に孔が変形し、通気性が低下
するので二軸延伸のほうが好ましい。また延伸に際して
は延伸方向に対して両サイドを把持し、拘束しているほ
うが通気性の低下抑制という点で好ましい。
【0026】湿式延伸は凝固後のポリアミド膜をポリメ
タフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに対し非相溶
性物質を含有するアミド系溶媒中で延伸する方法であ
る。延伸浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN
−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好
ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用する。また
ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよび
アミド系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレン
イソフタルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該
アミド系物質と相溶性を有する物質としては、低級アル
コール、低級エーテル等各種の物を使用できるが、なか
んずく水を用いることが好ましい。これらの混合物を使
用することもできる。
【0027】延伸浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸浴全
体に対して5〜70重量%であるのが好ましく、より好
ましくは30〜65重量%である。延伸浴の温度は0〜
98℃であるのが好ましく、より好ましくは30〜90
℃である。延伸浴中のアミド系溶剤の濃度が5重量%未
満であり、延伸浴の温度が0℃未満である場合は、ポリ
アミド多孔膜の可塑化が不十分であり、延伸倍率が上が
らず、期待するヤング率が得られないことがある。また
濃度が70重量%を超え、温度が98℃を超える場合に
は、ポリアミド多孔膜の溶解が進行し、延伸によってヤ
ング率を向上させることが不可能であると共に多孔構造
が崩れて緻密化が進行してしまい、ポリアミド多孔膜を
得ることができない。
【0028】延伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍の倍率
で、または直交する二方向へ1.3〜10倍の倍率であ
るのが開孔率、孔径分布、機械物性のバランスを適切な
ものとするために好ましい。ここで二軸延伸の場合の
1.3〜10倍の延伸倍率は両方向の延伸倍率の積(面
積倍率)として求めることができる。
【0029】乾式延伸の加熱方式は接触方式、非接触方
式のいずれであっても良いが、延伸に際しては延伸方向
に対して両サイドを把持し拘束しているほうが孔径制御
の点で好ましい。延伸温度は270〜380℃であるの
が適当であり、より好ましくは290〜360℃であ
る。延伸温度が270℃より低い場合は多孔膜は低倍率
で破断してしまい、380℃より高温であると多孔構造
がつぶれて孔が塞がり緻密化してしまうことがある。延
伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍の倍率で、または直交
する二方向へ1.3〜10倍の倍率であるのが開孔率、
孔径分布、機械物性のバランスを適切なものとするため
に好ましい。ここで二軸延伸の場合の1.3〜10倍の
延伸倍率は両方向の延伸倍率の積(面積倍率)として求
めることができる。
【0030】また所望により凝固処理後、得られたポリ
アミド多孔膜をポリメタフェニレンイソフタルアミド系
ポリマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒か
らなる浴中浸漬処理して結晶化を促進しても良い。浸漬
処理浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN−メ
チル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ま
しくはN−メチル−2−ピロリドンを使用する。またポ
リメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよびア
ミド系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレンイ
ソフタルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該ア
ミド系物質と相溶性を有する物質としては、低級アルコ
ール、低級エーテル等各種の物を使用できるが、なかん
ずく水を用いることが好ましい。これらの混合物を使用
することもできる。
【0031】浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸
浴全体に対して50〜80重量%であるのが好ましく、
より好ましくは60〜70重量%である。延伸浴の温度
は50〜98℃であるのが好ましく、より好ましくは6
0〜90℃である。浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度
が80重量%を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起こ
り多孔構造が破壊されることがあり、50重量%未満で
は結晶化が十分に進行しないことがある。また浸漬処理
浴の温度が50℃未満であるとポリアミド多孔膜の結晶
化が進行しないか、あるいは進行しにくくなることがあ
り、98℃を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起こり
多孔構造が破壊されることがある。
【0032】浸漬処理後ポリアミド多孔膜は水中に導入
されて洗浄され、次いで乾燥されるのが良い。その水洗
及び乾燥は凝固処理後の水洗及び乾燥に関して前述した
方法と同様に行うのが好ましい。また浸漬処理後に得ら
れるポリアミド多孔膜においては20℃のジメチルホル
ムアミドに対する不溶部分が10%以上であることが好
ましい。
【0033】また熱処理を実施する場合、290℃〜3
80℃の温度で実施されるのが好ましく、より好ましく
は330〜360℃である。熱処理は結晶化の目的のた
めに行うものであり、290℃未満であると効果が十分
でないことがあり、380℃を超えるとポリマーの分解
が起こることがある。
【0034】この熱処理では得られる多孔膜の多孔度が
減少したりまたは孔が閉塞したりして通気性が悪化する
ことがあるが、上記製造方法による多孔膜ではその影響
が全くないか、あるいはその影響を最小限度に抑えるこ
とができる。
【0035】本発明の透湿防水性耐熱布帛に用いる多孔
膜においては、その空隙率が40〜90%で、表面開孔
率が1〜20%である。多孔膜の空隙率が40%未満で
は透湿性が不十分であり、一方、90%を超えると膜強
度が不足し、布帛としては使用が困難である。また、多
孔膜の表面開孔率が1%未満では透湿性が低下し、一
方、20%を超えると透湿性は向上するが耐水性、防水
性が低下し透水してしまう。
【0036】また、表面の平均開孔径は0.1〜5μm
で、厚みが1〜200μmであることが好ましい。平均
開孔径が0.1μm未満では透湿性が低下し、一方、5
μmを超えると付着物(火の粉等)の量が増加し、また
防水性が低下する。また、厚みが1μm未満では膜強度
が不足し、一方200μmを超えると布帛としての柔軟
性が不足する。このような特性を有する多孔膜は上記の
製造条件を選ぶことにより、製造することができる。
【0037】本発明の透湿防水性耐熱布帛は、上記のよ
うな多孔膜を耐熱性布帛に部分接着により積層、貼り合
わせたものである。
【0038】布帛としては織物でも編物でも不織布、フ
ェルトあるいはこれらの混合でもよいが布帛の要求特性
からみて織物が好ましい。織成は平織り、綾織、多重織
等を用いることができるが布帛の要求特性から見て平織
りが好ましい。また繊維素材としては金属繊維、ガラス
繊維、ポリイミド繊維、芳香族ポリアミド繊維等の耐熱
性繊維であり、布帛の要求特性から見て芳香族ポリアミ
ド繊維が好ましい。
【0039】接着に関しては縫付け、接着剤等によるド
ット接着が挙げられるが、接着剤による接着がプロセス
的に簡略である。接着剤としては芳香族ポリアミドのワ
ニスが挙げられがこれに特定されるものではない。該多
孔膜を使用するにあたり基材及び接着剤に関しては特に
特定しない。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、多孔膜の空隙率、表面
開孔率および開孔径を上記範囲とすることにより透湿防
水性を有する耐熱布帛を提供することができる。 (評価方法) [空隙率]乾燥後の多孔膜をA(mm)×B(mm)の
大きさにカットし、厚みC(mm)、重量D(g)を測
定する(A,B,C,Dは適宜選択する)。以上より見
かけ密度Eを以下の式で求める。続いて使用したポリマ
ーの真密度Fを求め、以下の式から空隙率を算出する。 見かけ密度E=[D/(A*B*C)]*1000(g
/cm3) 空隙率=[(F−E)/E]*100(%)
【0041】[表面開孔率]分解能4〜7nmの走査電子
顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150
×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万
ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.01
μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和
を開孔部分のピクセル数とする。 表面開孔率=(各孔の総和ピクセル/10万ピクセル)
*100(%)
【0042】[平均開孔径]分解能4〜7nmの走査電子
顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150
×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万
ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.01
μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和
を開孔部分のピクセル数とする。細孔側から各孔のピク
セル数を累積し、表面開孔率の1/2に達成した時のピ
クセル数を有する孔の径を平均開孔径とする。
【0043】
【実施例】透湿防水性耐熱布帛の評価として以下の2項
目を実施した。 [透湿性]JIS L-1099に準じ温湿度40℃、9
0%下、サンプルを隔てた塩化ナトリウムの重量変化を
観察 [耐水性]JIS L-1092に準じサンプルに低水圧
を下からかけ、水滴が3滴漏れたときの水圧
【0044】(実施例1)パラ型アラミド繊維(単糸繊
度1.5デニール、繊維糸条本数500〜2000本)
100%からなる織布(経緯織密度5〜20本/インチ
の平織物)の片面に以下の製法による多孔膜をアラミド
ワニスにてドット接着させた濾過布を作成した。得られ
た濾過布について上記特性の評価を行った。結果を表1
に示す。多孔膜はメタフェニレンジアミンとイソフタル
酸クロライドを当モルで生成、ポリマー濃度が15重量
%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(以下NM
P)中で溶液重合しドープを作成した。このとき中和剤
として水酸化カルシウムを使用した。作成したドープを
PETフィルム上に100μmの厚みにキャストし、こ
れをNMP/水=60/40重量%、80℃からなる凝
固浴に10min浸漬し、水洗後150℃にて5min
乾燥し、メタフェニレンイソフタルアミドポリマーから
なる多孔膜を得た。この多孔膜は厚みが45μm、空隙
率70%、表面開孔率2%、平均開孔径1μmであっ
た。
【0045】(実施例2)実施例1同様パラ型アラミド
繊維(単糸繊度1.5デニール、繊維糸条本数500〜
2000本)100%からなる織布(経緯織密度5〜2
0本/インチの平織物)の片面に以下の製法による多孔
膜をアラミドワニスにてドット接着させた濾過布を作成
した。得られた濾過布について上記特性の評価を行っ
た。結果を表1に示す。多孔膜はメタフェニレンジアミ
ンとイソフタル酸クロライドを当モルで生成ポリマー濃
度が15重量%となるようにN−メチル−2−ピロリド
ン(以下NMP)中で溶液重合しドープを作成した。こ
のとき中和剤として水酸化カルシウムを使用した。作成
したドープをPETフィルム上に150μmの厚みにキ
ャストし、これをNMP/水=50/50重量%、60
℃からなる凝固浴に5min浸漬し、水洗後150℃に
て5min乾燥し、メタフェニレンイソフタルアミドポ
リマーからなる多孔膜を使用した。これをさらに350
℃で2軸方向に面倍率4倍に延伸して得られた多孔膜を
使用した。この多孔膜は厚みが18μm、空隙率60
%、表面開孔率5%、平均開孔径2μmであった。
【0046】(比較例1)実施例同様パラ型アラミド繊
維(単糸繊度1.5デニール、繊維糸条本数500〜2
000本)100%からなる織布(経緯織密度5〜20
本/インチの平織物)からなる濾過布を使用し、実施例
1と同様に評価した。結果を表1に併せて示す。
【0047】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK47A AK47G BA02 BA32 CB01 DG12B DJ10A GB72 JD04 JD05 JJ03B YY00A 4L032 AA06 AB02 AB07 AC01 BA08 BB02 BC01 DA01 EA01 EA02 EA04 EA05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
    マーからなり、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有
    し、空隙率が40〜90%で、表面開孔率が1〜20%
    である多孔膜を耐熱性布帛に部分接着により積層、貼り
    合せたことを特徴とする透湿防水性耐熱布帛。
  2. 【請求項2】 多孔膜がその表面の平均開孔径が0.1
    〜5μmであり、厚みが1〜200μmであることを特
    徴とする請求項1の透湿防水性耐熱布帛。
JP2001021471A 2001-01-30 2001-01-30 透湿防水性耐熱布帛 Pending JP2002225209A (ja)

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