JP4550300B2 - 研磨用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明はメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーからなる研磨用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来研磨シートの研磨層は発泡ポリウレタン、もしくは不織布等にポリウレタンなどの樹脂溶液等を含浸、凝固、乾燥することで孔を発生させていた。また近年ポリプロピレンやポリエチレンによって代表されるポリオレフィンを研磨シートなどに用いる試みが提案されている。例えば、ポリオレフィンを研磨剤保持用の多孔質フィルムとして用いるものとして、特開平9‐12736号公報には分子量50万以上の超高分子量ポリエチレンを主体とする粉体を焼結してなる高分子多孔質シートからなる研磨パッドが記載され、また特開平9‐132666号公報にはシリカなどの研磨材料と抽出剤とを含むポリオレフィン系樹脂組成物をシート状に成形した後、該シート状成形物から抽出剤を除くことによる機械的研磨(CMP)用多孔体の製造方法が記載されている。さらに特開平11‐54463号公報にはシリカ含有研磨剤を主成分としポリオレフィン系微粒子材料を添加してなる研磨剤が開示され、また特開平11‐58223号公報には同様に分子量100万〜900万の超高分子量ポリオレフィンパウダーを樹脂層に配合した研磨層が開示され、また特開平11‐58224号公報には超高分子量ポリエチレンのシートを表面に接着又は溶着した研磨治具が開示されている。しかし、上記に開示された方法ではポリオレフィン支持体に対する研磨剤の保持量が十分ではなく改善が必要である。また研磨シート表内面における孔径およびその分布が均一ではなく、そのためシート表面での研磨粒子の捕捉性が不均一となり、さらに研磨経時による研磨精度の不均一が発生する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し本願発明はかかる従来の研磨用シートの問題点を解消し、研磨剤の十分な保持を可能とし、半導体ウエハーや半導体絶縁膜の化学的、機械的研磨において研磨経時に左右されない、均一研磨可能な研磨用シートを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーの多孔膜からなる研磨用シートによって達成できることを見出し本願発明に至った。
【0005】
すなわち本願発明は次の通りである。
1.メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーからなり、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有し、空隙率が40〜90%で、表面開孔率が10〜70%である多孔膜からなることを特徴とする研磨用シート。
2.多孔膜がその表面の平均開孔径が0.5〜20μmであることを特徴とする研磨用シート。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係るメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーとは、メタ芳香族ジアミンとメタ芳香族ジカルボン酸ハライドとの重縮合によって得られるポリマー、およびメタ芳香族ジアミンとメタ芳香族ジカルボン酸ハライドとの総量に対しモル基準で、アミン成分またはカルボン酸成分としての共重合率がそれぞれ40モル%以下の割合で、パラ芳香族ジアミン、パラ芳香族ジクロライド、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸や脂環族ジアミン、脂環族ジカルボン酸を使用し重縮合して得られるポリマーである。
【0007】
具体的にはメタ芳香族ジアミンとしては1,3−フェニレンジアミン、1,6−ナフタレンジアミン、1,7−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、3,4’−ビフェニルジアミン等、またメタ芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。
【0008】
また共重合モノマーについては、具体的にはパラ芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、2−メチル−パラフェニレンジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン等を、パラ芳香族ジカルボン酸ジクロライドとしてテレフタル酸クロライド、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド等、脂肪族ジアミンとしてヘキサンジアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等、また脂肪族ジカルボン酸としてエチレンジカルボン酸、ヘキサメチレンジカルボン酸等を挙げることができる。ただしいずれについてもこれらに限定されるものではない。
【0009】
本発明に係るメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーの多孔膜からなる研磨用シートの好ましい製造方法は次の通りである。
【0010】
ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーをアミド系溶媒で溶解した溶液(以下ドープという)を支持体上にキャストし、当該キャスト物を支持体に載せたままポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒(以下凝固液という)に浸漬して凝固させ、これを水洗し乾燥することによってポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜が製造される。なお支持体からの剥離は凝固後であればどの段階でも構わない。さらに孔径を制御する目的で延伸、熱処理を追加しても構わない。
【0011】
本願発明に係るドープ中のポリマー濃度としては好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
【0012】
ドープ形成に使用できるアミド系溶媒としてはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、本発明の目的に反しない限り、本発明に係るポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーを溶解するものであってアミド基を含有するものであればどのようなものでも良い。なおアミド系溶媒に限定されるのは本願発明に係るポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーを溶解するためである。
【0013】
また該ポリアミドの溶解性を向上させるため1価または2価陽イオン金属塩を用いることができる。金属塩はポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー100重量部に対し0〜50重量部となる割合で本願発明に係るアミド系溶媒中に存在させることができ、具体的には塩化カルシウム、塩化リチウム、硝酸リチウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。金属塩のアミド系溶媒中への溶解方法は通常の方法で良く、ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーの溶解の前であっても途中であってもまた後であっても良い。
【0014】
支持体としては金属ドラム、エンドレスの金属ベルト、有機フィルム、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルテレフタレート等が挙げられる。
より好ましくはシリコン等の離形処理が施されているものがよい。
【0015】
キャストする場合におけるドープの温度については特に制限がないが、その粘度が1〜2,000Poiseの間に選択するのが好ましく、望ましくは5〜500Poiseの間になるよう選択する。またキャスト物の形状をシート状に保つため、支持体および支持体周りの雰囲気温度範囲を選択し、また、支持体周りの雰囲気を送風等によって調節することも本願発明を実施する場合に有効であるが、これらの条件は試行錯誤によって決めることができる。
【0016】
凝固浴に使用するアミド系溶媒としては具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用する。
【0017】
また凝固液としてはポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質と相溶性を有する物質をアミド系溶媒と混合して用いるが、このような物質としては、低級アルコール、低級エーテル等各種の物を使用できるが、なかんずく水を用いることが好ましい。これらの混合物を使用することもできる。
【0018】
凝固液中には孔径を調整する目的で金属塩をアミド系凝固液に対し1〜10重量%用いることも可能である。具体的には塩化カルシウム、塩化リチウム、硝酸リチウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
【0019】
凝固液中のアミド系溶媒の濃度は凝固液全体に対し30重量%以上80重量%以下であり、より好ましくは50重量%〜70重量%である。凝固液の温度は0℃以上98℃以下でありより好ましくは20℃以上90℃以下である。
【0020】
アミド系溶媒の濃度が30重量%未満で温度が0℃未満の場合、作成されたポリアミド多孔膜の表面にある孔の数が減ると共に、その孔径が小さくなり、開孔率の低いポリアミド多孔膜となる傾向が生じる。また濃度が80%を超え、温度が98℃を越える場合、ポリマーが粒状化しポリアミド多孔膜にはならない場合がある。また、温度と濃度とのいずれか一方が上記範囲を超えている場合には両者が上記範囲を超えている場合ほどではないにしても用途によっては欠点となりうる。
【0021】
凝固された多孔膜である該キャスト物は次に水洗工程に移され、そこで水によって洗浄される。この時の温度は多孔形状に影響をほとんど与えないため特に限定されるものではない。水洗はシャワー、水槽等の設備を使用するがこれに限定されるものではない。水槽を使用する場合は水槽の数を増やし段階的にキャスト物中の不純物を取り除く方法がより好ましい。
【0022】
乾燥は任意の程度に行えばよく、通常は水切りと呼ばれる程度のニップロール処理による乾燥から熱風乾燥機等による本格的乾燥までを含む。ただし、研磨用シートとしては安定した研磨性を確保するために所定の乾燥度に維持することが好ましく、そのため乾燥度の程度は絶乾状態の多孔膜100重量部に対して水分量が100重量部以下であることが好ましく、より好ましくは30重量部以下、特に好ましくは5重量部以下である。
【0023】
延伸については湿式と乾式による方法が挙げられ、さらに一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸等のいずれの方法であってもよいが一軸延伸のみの場合延伸倍率が大きくなると共に孔が変形し、通気性が低下するので二軸延伸のほうが好ましい。また延伸に際しては延伸方向に対して両サイドを把持し、拘束しているほうが通気性の低下抑制という点で好ましい。
【0024】
湿式延伸は凝固後のポリアミド膜をポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒中で延伸する方法である。延伸浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用する。またポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質と相溶性を有する物質としては、低級アルコール、低級エーテル等各種の物を使用できるが、なかんずく水を用いることが好ましい。これらの混合物を使用することもできる。
【0025】
延伸浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸浴全体に対して5〜70重量%であるのが好ましく、より好ましくは30〜65重量%である。延伸浴の温度は0〜98℃であるのが好ましく、より好ましくは30〜90℃である。延伸浴中のアミド系溶剤の濃度が5重量%未満であり、延伸浴の温度が0℃未満である場合は、ポリアミド多孔膜の可塑化が不十分であり、延伸倍率が上がらず、期待するヤング率が得られないことがある。また濃度が70重量%を超え、温度が98℃を超える場合には、ポリアミド多孔膜の溶解が進行し、延伸によってヤング率を向上させることが不可能であると共に多孔構造が崩れて緻密化が進行してしまいポリアミド多孔膜を得ることができない。
【0026】
延伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍の倍率で、または直交する二方向へ1.3〜10倍の倍率であるのが開孔率、孔径分布、機械物性のバランスを適切なものとするために好ましい。ここで二軸延伸の場合の延伸倍率1.3〜10倍は両方向の延伸倍率の積(面積倍率)として求めることができる。
【0027】
乾式延伸の加熱方式は接触方式、非接触方式のいずれであっても良いが、延伸に際しては延伸方向に対して両サイドを把持し拘束しているほうが孔径制御の点で好ましい。延伸温度は270〜380℃であるのが適当であり、より好ましくは290〜360℃である。延伸温度が270℃より低い場合には多孔膜は低倍率で破断してしまい、380℃より高温であると多孔構造がつぶれて孔が塞がり緻密化してしまうことがある。延伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍の倍率で、または直交する二方向へ1.3〜10倍の倍率であるのが開孔率、孔径分布、機械物性のバランスを適切なものとするために好ましい。ここで二軸延伸の場合の延伸倍率1.3〜10倍は両方向の延伸倍率の積(面積倍率)として求めることができる。
【0028】
また所望により凝固処理後得られたポリアミド多孔膜をポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒からなる浴中浸漬処理して結晶化を促進しても良い。浸漬処理浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用する。またポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質と相溶性を有する物質としては、低級アルコール、低級エーテル等各種の物を使用できるが、なかんずく水を用いることが好ましい。これらの混合物を使用することもできる。
【0029】
浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸浴全体に対して50〜80重量%であるのが好ましく、より好ましくは60〜70重量%である。延伸浴の温度は50〜98℃であるのが好ましく、より好ましくは60〜90℃である。 浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度が80重量%を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起こって多孔構造が破壊されることがあり、50重量%未満では結晶化が十分に進行しないことがある。また浸漬処理浴の温度が50℃未満であるとポリアミド多孔膜の結晶化が進行しないか、あるいは進行しにくくなることがあり、98℃を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起こって多孔構造が破壊されることがある。
【0030】
浸漬処理後ポリアミド多孔膜は水中に導入されて洗浄され、次いで乾燥されるのが良い。その水洗及び乾燥は凝固処理後の水洗及び乾燥に関して前述した方法と同様に行うのが好ましい。また浸漬処理後に得られるポリアミド多孔膜においては20℃のジメチルホルムアミドに対する不溶部分が10%以上であることが好ましい。
【0031】
また熱処理を実施する場合、290℃〜380℃の温度で実施されるのが好ましく、より好ましくは330〜360℃である。熱処理は結晶化の目的のために行うものであり、290℃未満であると効果が十分でないことがあり、380℃を超えるとポリマーの分解が起こることがある。
【0032】
この熱処理では得られる多孔膜の多孔度が減少したりまたは孔が閉塞したりして通気性が悪化することがあるが、本発明による多孔膜ではその影響が全くないか、あるいはその影響を最小限度に抑えることができる。
【0033】
本発明の研磨用シートに用いる多孔膜においては、その空隙率が40〜90%で、表面開孔率が10〜70%である。多孔膜の空隙率が40%未満では研磨剤の保持量が不十分であり、一方、90%を超えると研磨剤の保持量が過剰となり、膜強度も不足する。また、多孔膜の表面開孔率が10%未満では研磨剤の研磨シート表面への供給が不足し、一方、70%を超えるとシート表面での研磨剤の供給が過剰となる。
【0034】
多孔膜がその表面の平均開孔径が0.5〜20μmであることが好ましい。多孔膜の表面開孔径が0.5μm未満では研磨粒子の捕捉ができず、一方、20μmを超えるとシート表面での研磨粒子の捕捉性が不十分となり、研磨経時により研磨精度が下がる。
【0035】
研磨用シートの厚みに関しては該多孔膜を2枚以上積層もしくは裏打ち材に接着することで肉厚化を図ることができ、接着方法としては熱圧処理、メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーのワニスによる接着、その他接着剤また接着テープを使用することができる。
【0036】
【発明の効果】
この発明によりCMPスラリー中の研磨粒子をシート内部に均一に捕捉するため、経時によらない、良好な研磨性を有する研磨用シートを提供することができる。
【0037】
[評価方法]
[空隙率]
乾燥後の多孔膜をA(mm)×B(mm)の大きさにカットし、厚みC(mm)、重量D(g)を測定する(A,B,C,Dは適宜選択する)。以上より見かけ密度Eを以下の式で求める。続いて使用したポリマーの真密度Fを求め、以下の式から空隙率を算出する。
見かけ密度E=D/(A*B*C)*1000(g/cm3)
空隙率=(F−E)/E*100(%)
【0038】
[表面開孔率]
分解能4〜7nmの走査電子顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.01μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和を開孔部分のピクセル数とする。
表面開孔率=各孔の総和ピクセル/10万ピクセル*100(%)
【0039】
[平均開孔径]
分解能4〜7nmの走査電子顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.01μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和を開孔部分のピクセル数とする。細孔側から各孔のピクセル数を累積し、表面開孔率の1/2に達成した時のピクセル数を有する孔の径を平均開孔径とする。
【0040】
【実施例】
以下本発明の多孔膜による研磨剤保持用シートの実施例を示す。シートの性能の評価方法としては平均粒子径20nmのシリカ粒子AERPOSIL90G(日本エアロジル社)のCMPスラリーを使用して半導体ウエハーを研磨した際の半導体ウエハー表面の不純物金属濃度を測定した。測定方法については(株)テクノス社製全反射ウエハー表面分析装置TREX610を使用して不純物金属濃度を測定した。
【0041】
[実施例1]
多孔膜はメタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドを当モルで生成ポリマー濃度が10重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(以下NMP)中で溶液重合しドープを作成した。このとき中和剤として水酸化カルシウムを使用した。作成したドープをPETフィルム上に100μmの厚みにキャストし、これをNMP/水=60/40重量%、80℃からなる凝固浴に10min浸漬し、水洗後150℃にて5min乾燥し、メタフェニレンイソフタルアミドポリマーからなる多孔膜を得た。この多孔膜は厚みが30μm、空隙率70%、表面開孔率20%、平均開孔径4μmであった。
【0042】
この多孔膜を10枚積層し、厚さ300μmの研磨剤保持用シートを作成した。この時層間の接着はアミド系接着剤を使用した。
この研磨剤保持用シートと上述CMPスラリーを用いて半導体ウエハーを研磨したところ研磨経時に関わらず研磨状態は良好であり、研磨後の半導体ウエハー表面の不純物金属濃度を測定すると1×1011〜1014atoms/cm2レベルと良好であった。
【0043】
[実施例2]
多孔膜はメタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドを当モルで生成ポリマー濃度が10重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(以下NMP)中で溶液重合しドープを作成した。このとき中和剤として水酸化カルシウムを使用した。このドープを攪拌水中で凝固し作成したドープをPETフィルム上に300μmの厚みにキャストし、これをNMP/水=60/40重量%、60℃からなる凝固浴に5min浸漬し、水洗後150℃にて5min乾燥し、メタフェニレンイソフタルアミドポリマーからなる多孔膜を得た。この多孔膜は厚みが100μm、空隙率65%、表面開孔率15%、平均開孔径3μmであった。
【0044】
この多孔膜を10枚積層し、厚さ300μmの研磨剤保持用シートを作成した。この時層間の接着はアミド系接着剤を使用した。
【0045】
この研磨剤保持用シートと上述CMPスラリーを用いて半導体ウエハーを研磨したところ研磨経時に関わらず研磨状態は良好であり、研磨後の半導体ウエハー表面の不純物金属濃度を測定すると1×1011〜1014atoms/cm2レベルと良好であった。
Claims (2)
- メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーからなり、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有し、空隙率が40〜90%で、表面開孔率が10〜70%である多孔膜からなることを特徴とする研磨用シート。
- 多孔膜がその表面の平均開孔径が0.5〜20μmであることを特徴とする請求項1の研磨用シート。
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