JP2002204912A - 耐熱性濾布 - Google Patents

耐熱性濾布

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JP2002204912A
JP2002204912A JP2001000439A JP2001000439A JP2002204912A JP 2002204912 A JP2002204912 A JP 2002204912A JP 2001000439 A JP2001000439 A JP 2001000439A JP 2001000439 A JP2001000439 A JP 2001000439A JP 2002204912 A JP2002204912 A JP 2002204912A
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Japan
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filter cloth
stretching
porous membrane
heat
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Takahisa Ono
隆央 大野
Jirou Sadanobu
治朗 定延
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダストケークが十分蓄積していない集塵の初
期段階でも良好な集塵効果を発揮し、またダストケーク
の払い落としの際にダスト層が残らずダストの吐出しが
良好である耐熱性濾布を提供すること 【解決手段】 メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
マーからなる空隙率が40〜90%で、表面開孔率が1
0〜70%である多孔膜を表面に有する濾布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリメタフェニレン
イソフタルアミド系ポリマーの多孔膜からなる耐熱性の
濾布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来集塵用フィルターとして種々のフィ
ルターが知られている。一般に集塵用フィルター繊維と
してよく利用されている繊維は、金属繊維、ガラス繊
維、芳香族ポリアミド繊維等であり、織布、フェルト、
不織布等の形態で使用される。特にポリアミド繊維は耐
熱性に優れ、特開平8‐192017号公報には、都市
ゴミ焼却炉など高温状態で暴露される分野での排ガス中
の微粒子などを捕集するバッグフィルター用素材として
使用しうると記載されている。また特開平7‐1640
9号公報では多孔質ポリテトラフルオロエチレンを濾布
表面にラミネートした濾布材が記載されているが使用さ
れる温度条件に制限があり、実際上多孔質ポリテトラフ
ルオロエチレンを濾布表面にラミネートした濾布材は1
35℃未満で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】バッグフィルターは濾
過布による集塵機で、集塵室内に円筒状や封筒状あるい
は平板状の濾過布を吊設しておいて集塵を行うもので一
般に複数室構造として1室ずつ濾過布に付着したダスト
の払い落としを行い、集塵と払い落としの繰り返しによ
り長時間の集塵が行えるようになっている。通常の織
布、フェルト、不織布からなる濾材は、集塵が進行する
につれてダストケークが表面に蓄積され、それにより良
好な集塵効果を発揮する。しかし、ダストケークの表面
への蓄積によりフィルターを通るダストの圧力損失も増
加し、エネルギーの損失が大きい。またダストケークの
払い落としを実施してもダスト層が残り圧力損失の増大
は避けられず、払い落とし頻度を上げなければならない
ことが問題となっている。これに対し本発明は、ダスト
ケークが十分蓄積していない集塵の初期段階でも良好な
集塵効果を発揮し、またダストケークの払い落としの際
にダスト層が残らず圧力損失が少なくダストの吐出しが
良好である耐熱性濾布を提供することを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、メタフェニレンイソフ
タルアミド系ポリマーの多孔膜を表層に有する濾布によ
って達成できることを見出し本発明に至った。
【0005】すなわち本発明は次の通りである。 1.メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーからな
る空隙率が40〜90%で、表面開孔率が10〜70%
である多孔膜を表面に有することを特徴とする耐熱性の
濾布。 2.表面の平均開孔径が0.5〜20μmであり、厚み
が1〜200μmである多孔膜を表面に有することを特
徴とする耐熱性の濾布。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のメタフェニレンイソフタ
ルアミド系ポリマーの多孔膜を表面に有する耐熱性の濾
布の好ましい製造方法は次の通りである。
【0007】本発明に係るメタフェニレンイソフタルア
ミド系ポリマーとはメタ芳香族ジアミンとメタ芳香族ジ
カルボン酸ハライドとの重縮合によって得られるポリマ
ー、およびメタ芳香族ジアミンとメタ芳香族ジカルボン
酸ハライドとの総量に対しモル基準で、アミン成分また
はカルボン酸成分としての共重合率がそれぞれ40モル
%以下の割合で、パラ芳香族ジアミン、パラ芳香族ジク
ロライド、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸や脂環
族ジアミン、脂環族ジカルボン酸を使用し重縮合して得
られるポリマーである。
【0008】具体的にはメタ芳香族ジアミンとしては
1,3−フェニレンジアミン、1,6−ナフタレンジア
ミン、1,7−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレ
ンジアミン、3,4’−ビフェニルジアミン等、またメ
タ芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸、1,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ
る。
【0009】また共重合モノマーについては、具体的に
はパラ芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノビフェニル、2−メチル−パラフェ
ニレンジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミ
ン、2,6−ナフタレンジアミン等を、パラ芳香族ジカ
ルボン酸ジクロライドとしてテレフタル酸クロライド、
ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸クロライド、2,
6−ナフタレンジカルボン酸クロライド等、脂肪族ジア
ミンとしてヘキサンジアミン、デカンジアミン、ドデカ
ンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン等、また脂肪族ジカルボン酸としてエチレンジカルボ
ン酸、ヘキサメチレンジカルボン酸等を挙げることがで
きる。ただしいずれについてもこれらに限定されるもの
ではない。
【0010】ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマーをアミド系溶媒で溶解した溶液(以下ドープとい
う)を支持体上にキャストし、当該キャスト物を支持体
に載せたままポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒(以
下凝固液という)に浸漬して凝固させ、これを水洗し乾
燥することによってポリメタフェニレンイソフタルアミ
ド系ポリマー多孔膜が製造される。なお支持体からの剥
離は凝固後であればどの段階でも構わない。さらに孔径
を制御する目的で延伸、熱処理を追加しても構わない。
【0011】本発明に係るドープ中のポリマー濃度とし
ては好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜2
0重量%である。
【0012】アミド系溶媒としてはN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド等の極性溶媒が挙げられるがこれら
に限定されるものではなく、本発明の目的に反しない限
り、本発明に係るポリメタフェニレンイソフタルアミド
系ポリマーを溶解するものであってアミド基を含有する
ものであればどのようなものでも良い。なおアミド系溶
媒に限定されるのは本発明に係るポリメタフェニレンイ
ソフタルアミド系ポリマーを溶解するためである。
【0013】また該ポリアミドの溶解性を向上させるた
め1価または2価陽イオン金属塩を用いることができ
る。金属塩はポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマー100重量部に対し0〜50重量部となる割合で
本発明に係るアミド系溶媒中に存在させることができ、
具体的には塩化カルシウム、塩化リチウム、硝酸リチウ
ム、塩化マグネシウム等が挙げられる。金属塩のアミド
系溶媒中への溶解方法は通常の方法で良く、ポリメタフ
ェニレンイソフタルアミド系ポリマーの溶解の前であっ
ても途中であってもまた後であっても良い。
【0014】支持体としては金属ドラム、エンドレスの
金属ベルト、有機フィルム、例えばポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステルテレフタレート等が挙げられ
る。より好ましくはシリコン等の離形処理が施されてい
るものがよい。
【0015】キャストする場合におけるドープの温度に
ついては特に制限がないが、その粘度が1〜2,000
Poiseの間に選択するのが好ましく、望ましくは5
〜500Poiseの間になるよう選択する。またキャ
スト物の形状をシート状に保つため、支持体および支持
体周りの雰囲気温度範囲を選択し、また、支持体周りの
雰囲気を送風等によって調節することも本発明を実施す
る場合に有効であるが、これらの条件は試行錯誤によっ
て決めることができる。
【0016】凝固浴に使用するアミド系溶媒としては具
体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙
げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用
する。
【0017】またポリメタフェニレンイソフタルアミド
系ポリマーおよびアミド系溶媒に対して不活性でありポ
リメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに相溶性
を有さずかつ当該アミド系物質と相溶性を有する物質と
しては、低級アルコール、低級エーテル等各種の物を使
用できるが、なかんずく水を用いることが好ましい。こ
れらの混合物を使用することもできる。
【0018】凝固液中には孔径を調整する目的で金属塩
をアミド系凝固液に対し1〜10重量%用いることも可
能である。具体的には塩化カルシウム、塩化リチウム、
硝酸リチウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
【0019】凝固液中のアミド系溶媒の濃度は凝固液全
体に対し30重量%以上80重量%以下であり、より好
ましくは50重量%〜70重量%である。凝固液の温度
は0℃以上98℃以下でありより好ましくは20℃以上
90℃以下である。
【0020】アミド系溶媒の濃度が30重量%未満で温
度が0℃未満の場合、作成されたポリアミド多孔膜の表
面にある孔の数が減ると共に、その孔径が小さくなり、
開孔率の低いポリアミド多孔膜となる傾向が生じる。ま
た濃度が80%を超え、温度が98℃を越える場合、ポ
リマーが粒状化しポリアミド多孔膜にはならない場合が
ある。また、温度と濃度とのいずれか一方が上記範囲を
超えている場合には両者が上記範囲を超えている場合ほ
どではないにしても用途によっては欠点となりうる。
【0021】凝固された多孔膜である該キャスト物は次
に水洗工程に移され、そこで水によって洗浄される。こ
の時の温度は多孔形状に影響をほとんど与えないため特
に限定されるものではない。またこの工程は省略するこ
とも可能である。省略できるかどうかは実験等によって
得られる結果を見て定めることができる。
【0022】乾燥は任意の程度に行えばよく、通常は水
切りと呼ばれる程度のニップロール処理による乾燥から
熱風乾燥機等による本格的乾燥までを含む。ただし基材
に対して安定した接着性を確保するために所定の乾燥度
に維持することが好ましく、そのため乾燥度の程度は絶
乾状態の多孔膜100重量部に対して水分量が100重
量部以下であることが好ましく、より好ましくは30重
量部以下、特に好ましくは5重量部以下である。
【0023】延伸については湿式と乾式による方法が挙
げられ、さらに一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸
等のいずれの方法であってもよいが一軸延伸のみの場合
延伸倍率が大きくなると共に孔が変形し、通気性が低下
するので二軸延伸のほうが好ましい。また延伸に際して
は延伸方向に対して両サイドを把持し、拘束しているほ
うが通気性の低下抑制という点で好ましい。湿式延伸は
凝固後のポリアミド膜をポリメタフェニレンイソフタル
アミド系ポリマーに対し非相溶性物質を含有するアミド
系溶媒中で延伸する方法である。延伸浴に有用なアミド
系溶剤としては具体的にはN−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2
−ピロリドンを使用する。またポリメタフェニレンイソ
フタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対して不
活性でありポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
マーに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質と相溶性を
有する物質としては、低級アルコール、低級エーテル等
各種の物を使用できるが、なかんずく水を用いることが
好ましい。これらの混合物を使用することもできる。
【0024】延伸浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸浴全
体に対して5〜70重量%であるのが好ましく、より好
ましくは30〜65重量%である。延伸浴の温度は0〜
98℃であるのが好ましく、より好ましくは30〜90
℃である。延伸浴中のアミド系溶剤の濃度が5重量%未
満であり、延伸浴の温度が0℃未満である場合は、ポリ
アミド多孔膜の可塑化が不十分であり、延伸倍率が上が
らず、期待するヤング率が得られないことがある。また
濃度が70重量%を超え、温度が98℃を超える場合に
は、ポリアミド多孔膜の溶解が進行し、延伸によってヤ
ング率を向上させることが不可能であると共に多孔構造
が崩れて緻密化が進行してしまいポリアミド多孔膜を得
ることができない。延伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍
の倍率で、または直交する二方向へ1.3〜10倍の倍
率であるのが開孔率、孔径分布、機械物性のバランスを
適切なものとするために好ましい。ここで二軸延伸の場
合の延伸倍率1.3〜10倍は両方向の延伸倍率の積
(面積倍率)として求めることができる。
【0025】乾式延伸の加熱方式は接触方式、非接触方
式のいずれであっても良いが、延伸に際しては延伸方向
に対して両サイドを把持し拘束しているほうが孔径制御
の点で好ましい。延伸温度は270〜380℃であるの
が適当であり、より好ましくは290〜360℃であ
る。延伸温度が270℃より低い場合には多孔膜は低倍
率で破断してしまい、380℃より高温であると多孔構
造がつぶれて孔が塞がり緻密化してしまうことがある。
延伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍の倍率で、または直
交する二方向へ1.3〜10倍の倍率であるのが開孔
率、孔径分布、機械物性のバランスを適切なものとする
ために好ましい。ここで二軸延伸の場合の延伸倍率1.
3〜10倍は両方向の延伸倍率の積(面積倍率)として
求めることができる。
【0026】また所望により凝固処理後得られたポリア
ミド多孔膜をポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒から
なる浴中浸漬処理して結晶化を促進しても良い。浸漬処
理浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましく
はN−メチル−2−ピロリドンを使用する。またポリメ
タフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド
系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレンイソフ
タルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド
系物質と相溶性を有する物質としては、低級アルコー
ル、低級エーテル等各種の物を使用できるが、なかんず
く水を用いることが好ましい。これらの混合物を使用す
ることもできる。
【0027】浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸
浴全体に対して50〜80重量%であるのが好ましく、
より好ましくは60〜70重量%である。浸漬処理浴の
温度は50〜98℃であるのが好ましく、より好ましく
は60〜90℃である。 浸漬処理浴中のアミド系溶剤
の濃度が80重量%を超えるとポリアミド多孔膜の溶解
が起こって多孔構造が破壊されることがあり、50重量
%未満では結晶化が十分に進行しないことがある。また
浸漬処理浴の温度が50℃未満であるとポリアミド多孔
膜の結晶化が進行しないか、あるいは進行しにくくなる
ことがあり、98℃を超えるとポリアミド多孔膜の溶解
が起って多孔構造が破壊されることがある。浸漬処理後
ポリアミド多孔膜は水中に導入されて洗浄され、次いで
乾燥されるのが良い。その水洗及び乾燥は凝固処理後の
水洗及び乾燥に関して前述した方法と同様に行うのが好
ましい。また浸漬処理後に得られるポリアミド多孔膜に
おいては20℃のジメチルホルムアミドに対する不溶部
分が10%以上であることが好ましい。
【0028】また熱処理を実施する場合、290℃〜3
80℃の温度で実施されるのが好ましく、より好ましく
は330〜360℃である。熱処理は結晶化の目的のた
めに行うものであり、290℃未満であると効果が十分
でないことがあり、380℃を超えるとポリマーの分解
が起こることがある。
【0029】この熱処理では得られる多孔膜の多孔度が
減少したりまたは孔が閉塞したりして通気性が悪化する
ことがあるが、本発明による多孔膜ではその影響が全く
ないか、あるいはその影響を最小限度に抑えることがで
きる。
【0030】該多孔膜を耐熱性基材にドット接着するこ
とにより耐熱性の濾布が作成される。
【0031】基材としては織物でも編物でも不織布、フ
ェルトあるいはこれらの混合でもよいが濾過布の要求特
性からみて織物が好ましい。織成は平織り、綾織、多重
織等を用いることができるが濾過布の要求特性から見て
平織りが好ましい。また繊維素材としては金属繊維、ガ
ラス繊維、ポリイミド繊維、芳香族ポリアミド繊維等が
挙げられ濾過布の要求特性から見て芳香族ポリアミド繊
維が好ましい。
【0032】接着に関しては縫付け、接着剤等によるド
ット接着が挙げられるが、接着剤による接着がプロセス
的に簡略である。
【0033】接着剤としては芳香族ポリアミドのワニス
が挙げられるがこれに特定されるものではない。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが本発明はそれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0035】[評価方法] [空隙率]乾燥後の多孔膜をA(mm)×B(mm)の
大きさにカットし、厚みC(mm)、重量D(g)を測
定する(A,B,C,Dは適宜選択する)。以上より見
かけ密度Eを以下の式で求める。続いて使用したポリマ
ーの真密度Fを求め、以下の式から空隙率を算出する。 見かけ密度E=D/(A*B*C)*1000(g/c
3) 空隙率=(F−E)/E*100(%)
【0036】[表面開孔率]分解能4〜7nmの走査電子
顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150
×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万
ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.01
μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和
を開孔部分のピクセル数とする。表面開孔率=各孔の総
和ピクセル/10万ピクセル*100(%)
【0037】[平均開孔径]分解能4〜7nmの走査電子
顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150
×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万
ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.01
μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和
を開孔部分のピクセル数とする。細孔側から各孔のピク
セル数を累積し、表面開孔率の1/2に達成した時のピ
クセル数を有する孔の径を平均開孔径とする。
【0038】[実施例1]パラ型アラミド繊維(単糸繊度
1.5デニール、繊維糸条本数500〜2000本)1
00%からなる織布(経緯織密度5〜20本/インチの
平織物)の片面に以下の製法による多孔膜をアラミドワ
ニスにてドット接着させた濾過布を作成した。多孔膜は
メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドを当
モルで生成ポリマー濃度が10重量%となるようにN−
メチル−2−ピロリドン(以下NMP)中で溶液重合し
ドープを作成した。このとき中和剤として水酸化カルシ
ウムを使用した。作成したドープをPETフィルム上に
100μmの厚みにキャストし、これをNMP/水=6
0/40重量%、80℃からなる凝固浴に10min浸
漬し、水洗後150℃にて5min乾燥し、メタフェニ
レンイソフタルアミドポリマーからなる多孔膜を得た。
これをさらに350℃で2軸方向に面倍率4倍に延伸し
て得られた多孔膜を使用した。この多孔膜は厚みが7μ
m、空隙率70%、表面開孔率50%、平均開孔径12
μmであった。
【0039】[実施例2]実施例1同様パラ型アラミド繊
維(単糸繊度1.5デニール、繊維糸条本数500〜2
000本)100%からなる織布(経緯織密度5〜20
本/インチの平織物)の片面に以下の製法による多孔膜
をアラミドワニスにてドット接着させた濾過布を作成し
た。多孔膜はメタフェニレンジアミンとイソフタル酸ク
ロライドを当モルで生成ポリマー濃度が10重量%とな
るようにN−メチル−2−ピロリドン(以下NMP)中
で溶液重合しドープを作成した。このとき中和剤として
水酸化カルシウムを使用した。作成したドープをPET
フィルム上に30μmの厚みにキャストし、これをNM
P/水=60/40重量%、60℃からなる凝固浴に5
min浸漬し、水洗後150℃にて5min乾燥し、メ
タフェニレンイソフタルアミドポリマーからなる多孔膜
を使用した。この多孔膜は厚みが8μm、空隙率60
%、表面開孔率20%、平均開孔径3μmであった。
【0040】[比較例]実施例同様パラ型アラミド繊維
(単糸繊度1.5デニール、繊維糸条本数500〜20
00本)100%からなる織布(経緯織密度5〜20本
/インチの平織物)からなる濾過布を使用した。
【0041】ダスト払い落としの頻度について次の評価
方法を用いて実施した。実効面積が30cm×30cm
の平面型の濾過布サンプルを使用し、濾過速度2.0m
/min、温度200℃において試験粉体(JIS規格
のダスト10種)の濾過を行い、フィルター前後の差圧
が80mm水柱に到達するまでの時間を測定した。また
払い落としは3kg/m2のパルスジェットで行った。
表中の結果は50回払い落とし後に80mm水柱に到達
するまでの時間で示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】この発明により、ダストケークが十分蓄
積していない集塵の初期段階でも良好な集塵効果を発揮
し、またダストケークの払い落としの際にダスト層が残
らず圧力損失の少ないダストの吐出しが良好である耐熱
性濾布を提供することが可能となった。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA44 HA61 MA03 MA07 MA22 MA23 MA24 MA31 MB03 MB15 MC54X NA12 NA17 NA18 NA54 NA66 PB19 PB70 4D019 AA01 BA13 BB02 BB03 BB04 BB08 BB10 BC12 BD01 CA03 CA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
    マーからなる空隙率が40〜90%で、表面開孔率が1
    0〜70%である多孔膜を表面に有することを特徴とす
    る濾布。
  2. 【請求項2】 表面の平均開孔径が0.5〜20μmで
    あり、厚みが1〜200μmである多孔膜を表面に有す
    ることを特徴とする請求項1の濾布。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017213559A (ja) * 2010-07-19 2017-12-07 インペリアル・イノベイションズ・リミテッド 耐溶媒性のポリアミドナノ濾過膜

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