JP2002204954A - 油吸着材 - Google Patents

油吸着材

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JP2002204954A
JP2002204954A JP2001000438A JP2001000438A JP2002204954A JP 2002204954 A JP2002204954 A JP 2002204954A JP 2001000438 A JP2001000438 A JP 2001000438A JP 2001000438 A JP2001000438 A JP 2001000438A JP 2002204954 A JP2002204954 A JP 2002204954A
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JP
Japan
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oil
stretching
weight
polymer
porous membrane
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JP2001000438A
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Takahisa Ono
隆央 大野
Jirou Sadanobu
治朗 定延
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油の吸収量が多く、回収中に破れたりちぎれ
たりせず回収が容易であり、繊維が抜け落ちて周囲を汚
染したりすることのない油吸着材を提供する。 【解決手段】 メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
マーからなり、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有
し、空隙率が40〜90%で、表面開孔率が10〜70
%である多孔膜からなることを特徴とする耐熱性の油吸
着材

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリメタフェニレン
イソフタルアミド系の多孔膜からなる耐熱性の油吸着材
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の油吸着が研究開発されてい
る。特に特開平3-69648号公報には天然繊維に熱
溶着繊維を特定割合で混合し、加熱後冷却してシート状
に成形して天然繊維の吸収性を活用する方法、特開昭4
6-61556号公報にはフィルムを解繊して幹繊維と
枝繊維のフィブリル構造により吸収性を向上させる組成
物が提案されている。また特開平10‐323661号
公報では極細繊維を複合化させることで繊維同士の絡み
が強くなり繊維の剥離が起こりにくくなると共に油の吸
収速度を向上させた油吸着材が提案されている。
【0003】吸収量を増大させるためには繊維集束体の
繊維径を細くして繊維の嵩密度を下げる必要があるが、
その反面破れたりちぎれたりし易くなるため強度、使い
やすさは劣ることになる。例えば海洋、河川、湖沼等に
漏洩し、水面に浮遊、懸濁したり、水辺に沈澱している
油や汚水等の回収作業を強風下で行う場合等は油吸着材
がちぎれたり単繊維が飛び散ることが生じることもあ
り、油吸着後は単に繊維の膨張によって滑り易くなって
いるために破れたりちぎれたりして回収が困難になる場
合がある。一方、工場、事業所、家庭等で油や汚水等の
回収作業のため油吸着材を使用する場合は、繊維が床に
付着したり、衣服に付着したりすることがある。
【0004】極細繊維を複合化させることで繊維同士の
絡みが強くなり繊維の剥離が起こりにくくなると共に油
の吸収速度を向上させた油吸着材が提案されているが、
剥離という点では依然十分ではない。したがって従来の
技術では吸収性と強度及び使い易さすべてを均一に向上
させるにはいたっていない。また最近では皮膚上に存在
する汗や皮脂等についても油吸着材が使用されており上
述同様に吸収性と強度及び使い易さ、薄膜化すべてにつ
いてバランスよく性能を向上させる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】油の吸収量が多く、回
収中に破れたりちぎれたりせず回収が容易であり、繊維
が抜け落ちて周囲を汚染したりすることのない油吸着材
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、メタフェニレンイソ
フタルアミド系ポリマーの多孔膜からなる油吸着材が、
油を吸着し、油の吸着後も膨潤によって破れたりちぎれ
たりせず回収が容易であり、繊維が床に付着したり、衣
服に付着することのない油吸着材であることを見出し本
発明に至った。
【0007】すなわち本発明は次の通りである。 1.メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーからな
り、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有し、空隙率
が40〜90%で、表面開孔率が10〜70%である多
孔膜からなることを特徴とする耐熱性の油吸着材。 2.表面の平均開孔径が0.5〜20μmであり、厚み
が1〜200μmである多孔膜からなることを特徴とす
る耐熱性の油吸着材。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においてメタフェニレンイ
ソフタルアミド系ポリマー(以下においてポリアミドと
いうことがある)とは、メタ芳香族ジアミンとメタ芳香
族ジカルボン酸ハライドとの重縮合によって得られるポ
リマー、およびメタ芳香族ジアミンとメタ芳香族ジカル
ボン酸ハライドとの総量に対しモル基準で、アミン成分
またはカルボン酸成分としての共重合率がそれぞれ40
モル%以下の割合で、パラ芳香族ジアミン、パラ芳香族
ジクロライド、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸や
脂環族ジアミン、脂環族ジカルボン酸を使用し重縮合し
て得られるポリマーである。
【0009】具体的にはメタ芳香族ジアミンとしては
1,3−フェニレンジアミン、1,6−ナフタレンジア
ミン、1,7−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレ
ンジアミン、3,4’−ビフェニルジアミン等、またメ
タ芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸、1,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ
る。
【0010】また共重合モノマーについては、具体的に
はパラ芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノビフェニル、2−メチル−パラフェ
ニレンジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミ
ン、2,6−ナフタレンジアミン等を、パラ芳香族ジカ
ルボン酸ジクロライドとしてテレフタル酸クロライド、
ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸クロライド、2,
6−ナフタレンジカルボン酸クロライド等、脂肪族ジア
ミンとしてヘキサンジアミン、デカンジアミン、ドデカ
ンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン等、また脂肪族ジカルボン酸としてエチレンジカルボ
ン酸、ヘキサメチレンジカルボン酸等を挙げることがで
きる。ただしいずれについてもこれらに限定されるもの
ではない。
【0011】本発明のメタフェニレンイソフタルアミド
系ポリマーの多孔膜からなる油吸着材の好ましい製造方
法は次の通りである。ポリメタフェニレンイソフタルア
ミド系ポリマーをアミド系溶媒で溶解した溶液(以下ド
ープという)を支持体上にキャストし、当該キャスト物
を支持体に載せたまま、乾式の場合は熱風乾燥により脱
溶媒することにより製造される。なお支持体からの剥離
は乾燥後である。また湿式の場合、当該キャスト物をポ
リメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに対し非
相溶性物質を含有するアミド系溶媒(以下凝固液とい
う)に浸漬して凝固させ、これを水洗し乾燥することに
よってポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー
多孔膜が製造される。なお支持体からの剥離は凝固後で
あればどの段階でも構わない。さらに孔径を制御する目
的で延伸、熱処理を追加しても構わない。
【0012】本発明に係るドープ中のポリマー濃度とし
ては好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜2
0重量%である。
【0013】アミド系溶媒としてはN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド等の極性溶媒が挙げられるがこれら
に限定されるものではなく、本発明の目的に反しない限
り、本発明に係るポリメタフェニレンイソフタルアミド
系ポリマーを溶解するものであってアミド基を含有する
ものであればどのようなものでも良い。なおアミド系溶
媒に限定されるのは本発明に係るポリメタフェニレンイ
ソフタルアミド系ポリマーを溶解するためである。
【0014】また該ポリアミドの溶解性を向上させるた
め1価または2価陽イオン金属塩を用いることができ
る。金属塩はポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマー100重量部に対し0〜50重量部となる割合で
本発明に係るアミド系溶媒中に存在させることができ、
具体的には塩化カルシウム、塩化リチウム、硝酸リチウ
ム、塩化マグネシウム等が挙げられる。金属塩のアミド
系溶媒中への溶解方法は通常の方法で良く、ポリメタフ
ェニレンイソフタルアミド系ポリマーの溶解の前であっ
ても途中であってもまた後であっても良い。
【0015】支持体としては金属ドラム、エンドレスの
金属ベルト、有機フィルム、例えばポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステルテレフタレート等が挙げられ
る。より好ましくはシリコン等の離形処理が施されてい
るものがよい。
【0016】キャストする場合におけるドープの温度に
ついては特に制限がないが、その粘度が1〜2,000
Poiseの間に選択するのが好ましく、望ましくは5
〜500Poiseの間になるよう選択する。またキャ
スト物の形状をシート状に保つため、支持体および支持
体周りの雰囲気温度範囲を選択し、また、支持体周りの
雰囲気を送風等によって調節することも本発明を実施す
る場合に有効であるが、これらの条件は試行錯誤によっ
て決めることができる。
【0017】凝固浴に使用するアミド系溶媒としては具
体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙
げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用
する。
【0018】またポリメタフェニレンイソフタルアミド
系ポリマーおよびアミド系溶媒に対して不活性でありポ
リメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに相溶性
を有さずかつ当該アミド系物質と相溶性を有する物質と
しては、低級アルコール、低級エーテル等各種の物を使
用できるが、なかんずく水を用いることが好ましい。こ
れらの混合物を使用することもできる。
【0019】凝固液中には孔径を調整する目的で金属塩
をアミド系凝固液に対し1〜10重量%用いることも可
能である。具体的には塩化カルシウム、塩化リチウム、
硝酸リチウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
【0020】凝固液中のアミド系溶媒の濃度は凝固液全
体に対し30重量%以上80重量%以下であり、より好
ましくは50重量%〜70重量%である。凝固液の温度
は0℃以上98℃以下でありより好ましくは20℃以上
90℃以下である。
【0021】アミド系溶媒の濃度が30重量%未満で温
度が0℃未満の場合、作成されたポリアミド多孔膜の表
面にある孔の数が減ると共に、その孔径が小さくなり、
開孔率の低いポリアミド多孔膜となる傾向が生じる。ま
た濃度が80%を超え、温度が98℃を越える場合、ポ
リマーが粒状化しポリアミド多孔膜にはならない場合が
ある。また、温度と濃度とのいずれか一方が上記範囲を
超えている場合には両者が上記範囲を超えている場合ほ
どではないにしても用途によっては欠点となりうる。
【0022】凝固された多孔膜である該キャスト物は次
に水洗工程に移され、そこで水によって洗浄される。こ
の時の温度は多孔形状に影響をほとんど与えないため特
に限定されるものではない。またこの工程は省略するこ
とも可能である。省略できるかどうかは実験等によって
得られる結果を見て定めることができる。
【0023】乾燥は任意の程度に行えばよく、通常は水
切りと呼ばれる程度のニップロール処理による乾燥から
熱風乾燥機等による本格的乾燥までを含む。ただし油吸
着材としては安定した油吸着性を確保するために所定の
乾燥度に維持することが好ましく、そのため乾燥度の程
度は絶乾状態の多孔膜100重量部に対して水分量が1
00重量部以下であることが好ましく、より好ましくは
30重量部以下、特に好ましくは5重量部以下である。
【0024】延伸については湿式と乾式による方法が挙
げられ、さらに一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸
等のいずれの方法であってもよいが一軸延伸のみの場合
延伸倍率が大きくなると共に孔が変形し、通気性が低下
するので二軸延伸のほうが好ましい。また延伸に際して
は延伸方向に対して両サイドを把持し、拘束しているほ
うが通気性の低下抑制という点で好ましい。湿式延伸は
凝固後のポリアミド膜をポリメタフェニレンイソフタル
アミド系ポリマーに対し非相溶性物質を含有するアミド
系溶媒中で延伸する方法である。延伸浴に有用なアミド
系溶剤としては具体的にはN−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2
−ピロリドンを使用する。またポリメタフェニレンイソ
フタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対して不
活性でありポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
マーに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質と相溶性を
有する物質としては、低級アルコール、低級エーテル等
各種の物を使用できるが、なかんずく水を用いることが
好ましい。これらの混合物を使用することもできる。
【0025】延伸浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸浴全
体に対して5〜70重量%であるのが好ましく、より好
ましくは30〜65重量%である。延伸浴の温度は0〜
98℃であるのが好ましく、より好ましくは30〜90
℃である。延伸浴中のアミド系溶剤の濃度が5重量%未
満であり、延伸浴の温度が0℃未満である場合は、ポリ
アミド多孔膜の可塑化が不十分であり、延伸倍率が上が
らず、期待するヤング率が得られないことがある。また
濃度が70重量%を超え、温度が98℃を超える場合に
は、ポリアミド多孔膜の溶解が進行し、延伸によってヤ
ング率を向上させることが不可能であると共に多孔構造
が崩れて緻密化が進行してしまいポリアミド多孔膜を得
ることができない。延伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍
の倍率で、または直交する二方向へ1.3〜10倍の倍
率であるのが開孔率、孔径分布、機械物性のバランスを
適切なものとするために好ましい。ここで二軸延伸の場
合の延伸倍率1.3〜10倍は両方向の延伸倍率の積
(面積倍率)として求めることができる。
【0026】乾式延伸の加熱方式は接触方式、非接触方
式のいずれであっても良いが、延伸に際しては延伸方向
に対して両サイドを把持し拘束しているほうが孔径制御
の点で好ましい。延伸温度は270〜380℃であるの
が適当であり、より好ましくは290〜360℃であ
る。延伸温度が270℃より低い場合は多孔膜が低倍率
で破断してしまい、380℃より高温であると多孔構造
がつぶれて孔が塞がり緻密化してしまうことがある。延
伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍の倍率で、または直交
する二方向へ1.3〜10倍の倍率であるのが開孔率、
孔径分布、機械物性のバランスを適切なものとするため
に好ましい。ここで二軸延伸の場合の延伸倍率1.3〜
10倍は両方向の延伸倍率の積(面積倍率)として求め
ることができる。
【0027】また所望により凝固処理後得られたポリア
ミド多孔膜をポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒から
なる浴中浸漬処理して結晶化を促進しても良い。浸漬処
理浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましく
はN−メチル−2−ピロリドンを使用する。またポリメ
タフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド
系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレンイソフ
タルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド
系物質と相溶性を有する物質としては、低級アルコー
ル、低級エーテル等各種の物を使用できるが、なかんず
く水を用いることが好ましい。これらの混合物を使用す
ることもできる。
【0028】浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸
浴全体に対して50〜80重量%であるのが好ましく、
より好ましくは60〜70重量%である。延伸浴の温度
は50〜98℃であるのが好ましく、より好ましくは6
0〜90℃である。 浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃
度が80重量%を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起
こり、多孔構造が破壊されることがあり、50重量%未
満では結晶化が十分に進行しないことがある。また浸漬
処理浴の温度が50℃未満であるとポリアミド多孔膜の
結晶化が進行しないか、あるいは進行しにくくなること
があり、98℃を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起
こり、多孔構造が破壊されることがある。浸漬処理後ポ
リアミド多孔膜は水中に導入されて洗浄され、次いで乾
燥されるのが良い。その水洗及び乾燥は凝固処理後の水
洗及び乾燥に関して前述した方法と同様に行うのが好ま
しい。また浸漬処理後に得られるポリアミド多孔膜にお
いては20℃のジメチルホルムアミドに対する不溶部分
が10%以上であることが好ましい。
【0029】また熱処理を実施する場合、290℃〜3
80℃の温度で実施されるのが好ましく、より好ましく
は330〜360℃である。熱処理は結晶化の目的のた
めに行うものであり、290℃未満であると効果が十分
でないことがあり、380℃を超えるとポリマーの分解
が起こることがある。
【0030】この熱処理では得られる多孔膜の多孔度が
減少したりまたは孔が閉塞したりして通気性が悪化する
ことがあるが、本発明による多孔膜ではその影響が全く
ないか、あるいはその影響を最小限度に抑えることがで
きる。
【0031】
【実施例】[評価方法] [空隙率]乾燥後の多孔膜をA(mm)×B(mm)の
大きさにカットし、厚みC(mm)、重量D(g)を測
定する(A,B,C,Dは適宜選択する)。以上より見
かけ密度Eを以下の式で求める。続いて使用したポリマ
ーの真密度Fを求め、以下の式から空隙率を算出する。 見かけ密度E=D/(A*B*C)*1000(g/c
m3) 空隙率=(F−E)/E*100(%) [表面開孔率]分解能4〜7nmの走査電子顕微鏡で観
察した倍率2000倍の表面写真を縦150×横200
mmで現像し、スキャナーを使用して10万ピクセル/
30000mm2の解像度で、直径0.01μm以上の
各孔についてピクセル数を算出し、その総和を開孔部分
のピクセル数とする。 表面開孔率=各孔の総和ピクセル/10万ピクセル*1
00(%)
【0032】[平均開孔径]分解能4〜7nmの走査電
子顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦15
0×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10
万ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.0
1μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総
和を開孔部分のピクセル数とする。細孔側から各孔のピ
クセル数を累積し、表面開孔率の1/2に達成した時の
ピクセル数を有する孔の径を平均開孔径とする。
【0033】[実施例1]油吸着量の測定方法は10c
m×10cmの試験片を20℃±1℃の食用油面に浮か
べ5min間静置した後これをメッシュ(ふるい目8m
m)上で5min間静置し、試験片の油吸着前後の重量
を測定し、試験片単位重量あたりの吸着量を算出した。
多孔膜は以下の製法のものを使用した。メタフェニレン
ジアミンとイソフタル酸クロライドを当モルで生成ポリ
マー濃度が10重量%となるようにN−メチル−2−ピ
ロリドン(以下NMP)中で溶液重合しドープを作成し、
このとき中和剤として水酸化カルシウムを使用した。作
成したドープをPETフィルム上に300μmの厚みにキ
ャストし、これをNMP/水=60/40重量%、40℃
からなる凝固浴に5min浸漬し、水洗後150℃にて
5min乾燥し、メタフェニレンイソフタルアミドポリ
マーからなる多孔膜を得、これをさらに320℃で面倍
率4倍に延伸処理して得られた多孔膜を使用した。使用
した多孔膜物性と油吸着量については別表1に示す。
【0034】[実施例2]油吸着量の測定方法は実施例
1同様とし、使用した多孔膜の製法を以下に示す。メタ
フェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドを当モル
で生成ポリマー濃度が10重量%となるようにN−メチ
ル−2−ピロリドン(以下NMP)中で溶液重合しドープ
を作成し、このとき中和剤として水酸化カルシウムを使
用した。作成したドープをPETフィルム上に100μm
の厚みにキャストし、これをNMP/水=60/40重量
%、40℃からなる凝固浴に5min浸漬し、水洗後1
50℃にて5min乾燥し、メタフェニレンイソフタル
アミドポリマーからなる多孔膜を使用した。使用した多
孔膜物性と油吸着量については別表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】この発明により、強靭でかつ薄葉体であ
り使いやすいポリメタフェニレンイソフタルアミド系の
多孔膜からなる耐熱性の油吸着材を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D025 BA36 4D024 AA05 AB06 BA17 BB03 4G066 AC26B BA03 BA20 BA22 BA38 CA05 DA08 DA09 FA07 FA25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
    マーからなり、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有
    し、空隙率が40〜90%で、表面開孔率が10〜70
    %である多孔膜からなることを特徴とする油吸着材。
  2. 【請求項2】 表面の平均開孔径が0.5〜20μmで
    あり、厚みが1〜200μmである多孔膜からなること
    を特徴とする請求項1の油吸着材。
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