JP2004115764A - メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法 - Google Patents

メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法 Download PDF

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佐々木 毅
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松村 俊一
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Abstract

【課題】本発明は表面開孔率が大きく、物質透過性、含浸性、接着性、力学的強度に優れる耐熱性のメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法を提供する。
【解決手段】メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー(A)、アミド系溶媒(B)、および少なくとも1種類の炭素数5〜19の炭化水素(C)とからなるポリマー溶液(D)を、支持体にキャストし、該キャスト物を、メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー非相溶性物質を含有するアミド系凝固液に浸漬して凝固させ、次いで洗浄、熱処理することを特徴とするメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表裏面の開孔率が大きく、物質透過性、含浸性、接着性、力学的強度に優れる耐熱性のメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多孔膜としてはポリプロピレンを始めとしたポリオレフィン系のものが知られているが、これらは耐熱性に乏しく、例えば180℃を超える用途などでは膜および孔の熱収縮による寸法変化が大きいため、多孔膜としての機能が低下もしくはなくなるなどの問題が発生していた。
【0003】
それに代わる耐熱性に優れる膜として芳香族ポリアミド系のものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、本出願人らはメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーを使用した耐熱性の多孔膜を提案している(特許文献3、4参照)。
【0004】
しかしながら、耐熱性に優れるメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーの多孔膜は表面の開孔率を上げるために延伸処理を実施しているため、平均孔径も延伸処理に伴って大きくなり、用途によっては問題になる場合があった。
【0005】
一方、近年の急速な高密度情報技術の発達にともない、電子回路用積層基板に用いる誘電体には寸法安定性や加工性のほか、より一層の薄膜化や高密度化が求められるようになってきた。このような状況から、多孔膜を利用した新しいタイプの多層配線基板が提案されている(例えば、特許文献5、6参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公昭59−14494号公報、1頁
【0007】
【特許文献2】
特公昭59−36939号公報、1頁
【0008】
【特許文献3】
特開2002−204912号公報、2頁
【0009】
【特許文献4】
特開2002−209822号公報、2頁
【0010】
【特許文献5】
特開2001−345537号公報、2頁
【0011】
【特許文献6】
特開2002−111227号公報、2頁
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はサブミクロンから数ミクロンレベルの均一な孔径、表裏面の高表面開孔率かつ膜全面にわたる均一な空隙率を全て満足するメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意研究し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー(A)、アミド系溶媒(B)、および少なくとも1種類の炭素数5〜19の炭化水素(C)とからなるポリマー溶液(D)を、支持体にキャストし、該キャスト物を、メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー非相溶性物質を含有するアミド系凝固液に浸漬して凝固させ、次いで洗浄、熱処理することを特徴とするメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法に係るものである。
【0014】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明においてメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー(A)とはメタ芳香族ジアミンとメタ芳香族ジカルボン酸ハライドとの重縮合によって得られるポリマー、およびメタ芳香族ジアミンとメタ芳香族ジカルボン酸ハライドとの総量に対しモル基準で、アミン成分またはカルボン酸成分としての共重合率がそれぞれ40モル%以下の割合で、パラ芳香族ジアミン、パラ芳香族ジハライド、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸ジハライドや脂環族ジアミン、脂環族ジカルボン酸ジハライドを使用し重縮合して得られるポリマーである。
【0016】
具体的にはメタ芳香族ジアミンとしては1,3−フェニレンジアミン、1,6−ナフタレンジアミン、1,7−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、3,4’−ビフェニルジアミン等、またメタ芳香族ジカルボン酸ハライドとしてはイソフタル酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸等のジカルボン酸ジハライドが挙げられる。これらのうちでメタ芳香族ジアミンとしては1,3−フェニレンジアミンが、またメタ芳香族ジカルボン酸ハライドとしてはイソフタル酸ジハライドを用いることが得られる多孔膜の物性の面およびコストの点で好ましい。
【0017】
また共重合モノマーについては、具体的にはパラ芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、2−メチル−パラフェニレンジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル等を、パラ芳香族ジカルボン酸ジクロライドとしてテレフタル酸クロライド、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド等のジカルボン酸ジハライド、脂肪族ジアミンとしてヘキサンジアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等、また脂肪族ジカルボン酸としてエチレンジカルボン酸、ヘキサメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸ジハライドを挙げることができる。これらのジアミン、ジカルボン酸ハライドはそれぞれ1種類だけ使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0018】
本発明におけるポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーは下式の固有粘度で表して、0.8〜2.5dl/g、好ましくは1.0〜2.2dl/gの範囲のポリマーが好ましい。固有粘度が0.8dl/gよりも低いと十分な膜強度が得られず、固有粘度が2.5dl/gを超えると安定なポリマー溶液を得ることが困難になり、均一な多孔膜が得られなくなるため好ましくない。
固有粘度(単位:dL/g)=ln(T/T0)/C
T:ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー0.5gをN−メチル−2−ピロリドン100mLに溶解した溶液の30℃における毛細管粘度計の流動時間
T0:N−メチル−2−ピロリドンの30℃における毛細管粘度計の流動時間
C:ポリマー溶液中のポリマー濃度(g/dL)
本発明においてポリマー溶液(以下ドープという)(D)中のポリマー濃度としては好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
【0019】
ドープ形成に使用できるアミド系溶媒(B)としてはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、本発明の目的に反しない限り、本発明に係るポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーを溶解するものであってアミド基を含有するものであればどのようなものでも良い。
【0020】
本発明におけるドープ(D)中の炭化水素(C)とは、炭素数が5〜19のなかから少なくとも1種類選ばれる化合物を含有するものであり、それぞれ1種類だけ使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、本発明の炭化水素には、炭素数が20以上の化合物を含有していても良いが、その場合は、炭化水素全体の40重量%以下にする必要がある。40重量%よりも多いと、凝固液に接触する表面が荒れやすくなり、均一な多孔膜を得ることが困難になるため好ましくない。
【0021】
本発明における炭化水素(C)は脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素いずれでも使用可能であるが、得られる多孔膜の表面開口率の制御の容易さを考慮した場合、脂肪族炭化水素を使用することが好ましい。また、化合物の安定性や経済性を考慮すると飽和炭化水素を使用することがより好ましい。具体的に好ましい化合物としては、シクロヘキサン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカンおよび流動パラフィン等が挙げられる。
【0022】
本発明におけるドープ(D)中の炭化水素の含有量は、0.01〜10重量%であることが好ましい。0.01重量%よりも少ないと支持体に接触する表面の開孔率が低くなり、また、10重量%よりも多いと凝固液に接触する表面の開孔率が低くなり、本発明の課題を達成できなくなるため好ましくない。より好ましい範囲としては、0.1〜8重量%、さらに好ましくは0.3〜5重量%である。
【0023】
本発明におけるドープ(D)をキャストする支持体としては、例えばガラス基板、スチールベルトやドラム、またはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリマーフィルムが挙げられるが、本発明における生産性を考慮した場合、ポリマーフィルムを使用することが好ましい。これらのポリマーフィルムにはシリコン等の離形処理やコロナ放電処理等が施されていてもよい。
【0024】
キャストする時のドープの温度については特に制限がないが、その粘度が1〜2,000Poiseの間に選択するのが好ましく、望ましくは5〜500Poiseの間になるよう選択する。またキャスト物の形状をシート状に保つため、支持体および支持体周辺の雰囲気温度範囲を選択し、また、支持体周辺の雰囲気を送風等によって調節することも本発明を実施する場合に有効である。雰囲気温度は、使用するポリマーの種類、ドープ粘度、ドープ濃度にも依存するが、概略5℃〜50℃の範囲である。
【0025】
凝固浴に使用するアミド系溶媒としては具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。
【0026】
また凝固液としてはポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド系溶媒と相溶性を有する物質としては、水、低級アルコール、低級エーテル等各種の物を使用することが可能であるが、水を用いることが得られる膜特性、経済性の点からより好ましい。また、これらの混合物を使用することもできる。
【0027】
凝固液中のアミド系溶媒の濃度は凝固液全体に対し50重量%以上70重量%以下であり、より好ましくは55重量%〜65重量%である。凝固液の温度は−20℃以上30℃以下であり、より好ましくは0℃以上20℃以下である。
【0028】
アミド系溶媒の濃度が50重量%未満で温度が−20℃未満の場合、作成されたポリアミド多孔膜の表面にある孔の数が減ると共に、その孔径が小さくなり、開孔率の低いポリアミド多孔膜となる傾向が生じる。また濃度が70%を超え、温度が30℃を越える場合、孔径が大きくなる傾向が生じ、さらに表面の開効率が低下し、本発明の目的とする多孔膜が得られない場合があるため好ましくない。また、温度と濃度とのいずれか一方が上記範囲を超えている場合には、両者が上記範囲を超えている場合ほどではないにしても用途によっては欠点となりうる。
【0029】
凝固された多孔膜である該キャスト物は次に水洗工程に移され、そこで水によって洗浄される。この時の温度は多孔形状に影響をほとんど与えないため特に限定されるものではない。またこの工程は省略することも可能である。
【0030】
乾燥は任意の程度に行えばよく、通常は水切りと呼ばれる程度のニップロール処理による乾燥から熱風乾燥機等による本格的乾燥までを含む。
【0031】
また本発明の多孔膜に、より高温までの耐熱性を付与するために、凝固処理後得られたポリアミド多孔膜をポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒からなる浴中に浸漬処理することによって結晶化を促進しても良い。浸漬処理浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用する。またポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対して不活性でありポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質と相溶性を有する物質としては、水、低級アルコール、低級エーテル等各種の物を使用できるが、水を用いることが得られる膜特性、経済性の点からより好ましい。これらの混合物を使用することもできる。
【0032】
浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度は50〜80重量%であるのが好ましく、より好ましくは60〜70重量%である。また温度は50〜98℃であるのが好ましく、より好ましくは60〜90℃である。浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度が80重量%を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起こって多孔構造が破壊されることがあり、50重量%未満では結晶化が十分に進行しないことがある。また浸漬処理浴の温度が50℃未満であるとポリアミド多孔膜の結晶化が進行しないか、あるいは進行しにくくなることがあり、98℃を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起こり多孔構造が破壊されることがある。浸漬処理後ポリアミド多孔膜は水中に導入されて洗浄され、次いで乾燥されるのが良い。その水洗及び乾燥は凝固処理後の水洗及び乾燥に関して前述したように特に制限はない。
【0033】
本発明の多孔膜に、熱に対する寸法安定性を付与するために、熱処理を実施しても良い。非晶性多孔膜に対する熱処理の条件としては、200℃〜300℃の温度で実施するのが好ましい。200℃未満の熱処理の場合、寸法安定性を向上させる効果が少ないため好ましくなく、300℃を超えるとポリマーのガラス転移点を超えるため、多孔構造が破壊されることがあり好ましくない。より好ましい温度範囲としては、240℃〜280℃である。また、結晶性多孔膜に対する熱処理の条件としては、200℃〜380℃の温度で実施するのが好ましい。200℃未満の熱処理の場合、寸法安定性を向上させる効果が少ない場合があり、380℃を超えるとポリマーの分解が起こることがある。より好ましい温度範囲としては、240℃〜340℃である。熱処理を実施する時間は得られる膜特性や生産性を勘案して適宜決めればよく、特に制限はない。
【0034】
上記の方法で製造されるメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜は、連結多孔構造よりなり、表裏面の表面開孔率が20から70%であり、表裏面の平均孔径は何れも0.1から3μmと極めて緻密であり、かつ空隙率が50〜90%と極めて優れた多孔膜である。
【0035】
このような多孔膜は力学的強度および耐熱性に優れ、良好な物質透過性を有するため、各種精密フィルター類に使用できるだけでなく、各種液状物の含浸も容易に行えるため、例えば、エポキシ樹脂などの硬化性樹脂を含浸してプリプレグとして良好に用いることができ、さらに多層配線基板、電子パッケージ基板等の芯剤としても好適に用いることができる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳述する。但し、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、フィルムの測定方法は以下の通りである。
(1)表面開孔率
分解能4〜7nmの走査電子顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万ピクセル/30000mmの解像度で、直径0.01μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和を開孔部分のピクセル数とする。
表面開孔率=各孔の総和ピクセル/10万ピクセル*100(%)
【0037】
(2)平均孔径
分解能4〜7nmの走査電子顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万ピクセル/30000mmの解像度で、直径0.01μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、細孔側から各孔のピクセル数を累積し、表面開孔率の1/2に達成した時のピクセル数を有する孔の径を平均開孔径とする。
【0038】
(3)空隙率
乾燥後の多孔膜をA(mm)×B(mm)の大きさにカットし、厚みC(mm)、重量D(g)を測定する(A,B,C,Dは適宜選択する)。以上より見かけ密度Eを以下の式で求める。続いて使用したポリマーの真密度Fを求め、以下の式から多孔度を算出する。
見かけ密度E=D/(A*B*C)*1000(g/cm
空隙率=(F−E)/E*100(%)
【0039】
(4)透気度
JIS P8117に準拠し、0.879g/mmの圧力で100ccの空気が透過する時間を求めた。
【0040】
(5)引張り試験
JIS K7110に準拠し、23℃、50%RHの雰囲気下で引張り速度10mm/分で試験を行い、引張り強度、破断伸度、ヤング率を測定した。
【0041】
(6)熱収縮率
JIS K7133に準拠し、260℃、10分間の処理での熱収縮率を求めた。
【0042】
[実施例1]
ポリメタフェニレンイソフタルアミド(帝人(株)製Conex)(IV(NMP)=1.4)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、さらにシクロヘキサン(和光純薬工業製、特級)を添加して、ポリメタフェニレンイソフタルアミドの濃度が10重量%、シクロヘキサンの濃度が2重量%となるように調整した。このドープをポリプロピレンフィルムに厚み100μmとなるように流延し、次いでN−メチル−2−ピロリドン58重量%と水42重量%とからなる5℃の凝固浴に5分間投入した。この後ポリプロピレンフィルムから凝固膜を剥離し、50℃の水浴中に30分間浸漬した後、120℃で30分間処理し、次いで270℃の温度で30分間処理することによってポリメタフェニレンイソフタルアミドの多孔膜を得た。
【0043】
得られた多孔膜の膜厚は39μmで、空隙率は70%、表面の開孔率が51%、裏面の開孔率が38%、表面の平均孔径が0.8μm、裏面の平均孔径が1.2μmであった。透気度は145秒/100ccであり、良好な気体透過性を示し、また、引張り強度は25MPa、破断伸度は45%、ヤング率は880MPaと良好な力学的強度を示した。さらに熱収縮率は0.85%であり、寸法安定性に優れる多孔膜であった。
【0044】
このようにして得られた本発明の多孔膜は、液体の透過性、含浸性にも優れ、エポキシ樹脂を含浸させたものはプリプレグとして良好な銅箔との接着性を有するものであった。
【0045】
[実施例2]
ポリメタフェニレンイソフタルアミド(帝人(株)製Conex)(IV(NMP)=1.4)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、さらに流動パラフィン(和光純薬工業製、特級、0.795〜0.830g/mL)を添加して、ポリメタフェニレンイソフタルアミドの濃度が10重量%、流動パラフィンの濃度が0.5重量%となるように調整した。このドープをポリプロピレンフィルムに厚み140μmとなるように流延し、次いでN−メチル−2−ピロリドン65重量%と水35重量%とからなる5℃の凝固浴に5分間投入した。この後ポリプロピレンフィルムから凝固膜を剥離し、50℃の水浴中に30分間浸漬した後、120℃で30分間処理し、次いで270℃の温度で30分間処理することによってポリメタフェニレンイソフタルアミドの多孔膜を得た。
【0046】
得られた多孔膜の膜厚は52μmで、空隙率は77%、表面の開孔率が38%、裏面の開孔率が42%、表面の平均孔径が1.0μm、裏面の平均孔径が0.9μmであった。透気度は185秒/100ccであり、良好な気体透過性を示し、また、引張り強度は23MPa、破断伸度は53%、ヤング率は750MPaと良好な力学的強度を示した。さらに熱収縮率は0.90%であり、寸法安定性に優れる多孔膜であった。
【0047】
このようにして得られた本発明の多孔膜は、液体の透過性、含浸性にも優れ、エポキシ樹脂を含浸させたものはプリプレグとして良好な銅箔との接着性を有するものであった。
【0048】
【発明の効果】
本発明により、サブミクロンから数ミクロンレベルの均一な孔径、表裏面の高表面開孔率かつ膜全面にわたる均一な空隙率を有するメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜を得ることができる。本発明により得られたメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜は各種精密フィルター類に使用できるだけでなく、プリプレグの基材、多層配線基板、電子パッケージ基板等の芯剤として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー(A)、アミド系溶媒(B)、および少なくとも1種類の炭素数5〜19の炭化水素(C)とからなるポリマー溶液(D)を、支持体にキャストし、該キャスト物を、メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー非相溶性物質を含有するアミド系凝固液に浸漬して凝固させ、次いで洗浄、熱処理することを特徴とするメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法。
  2. ポリマー溶液(D)中の炭化水素の含有量が0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載のメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法。
  3. 炭化水素(C)が脂肪族炭化水素である請求項1および2記載のメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法。
  4. 脂肪族炭化水素が飽和炭化水素である請求項3記載のメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法。
  5. メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー非相溶性物質を含有するアミド系凝固液が−20℃〜30℃の温度範囲であることを特徴とする請求項1または2記載のメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜の製造方法。
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