JP2002358979A - 高分子固体電解質複合膜 - Google Patents

高分子固体電解質複合膜

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JP2002358979A
JP2002358979A JP2001166546A JP2001166546A JP2002358979A JP 2002358979 A JP2002358979 A JP 2002358979A JP 2001166546 A JP2001166546 A JP 2001166546A JP 2001166546 A JP2001166546 A JP 2001166546A JP 2002358979 A JP2002358979 A JP 2002358979A
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membrane
solid electrolyte
stretching
porous membrane
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JP2001166546A
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Takahisa Ono
隆央 大野
Jirou Sadanobu
治朗 定延
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体高分子型燃料電池用イオン交換膜として
使用できるイオン伝導性と機械的強度に優れた高分子固
体電解質複合膜を提供する。 【解決手段】 メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
マからなり、多数の均一な微細孔を表面および内部に有
し、空隙率が40〜90%で、表面開孔率が10〜70
%である多孔膜と、その空隙部に含有されたパーフロロ
系樹脂のような高分子固体電解質物質からなる複合膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体高分子型燃料電
池用イオン交換膜として使用できる、ポリメタフェニレ
ンイソフタルアミド系の多孔膜とパーフロロ系樹脂から
なる高分子固体電解質からなる高分子固体電解質複合膜
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、クリーンでかつ高効率という特徴
を有する燃料電池の研究が進められている。なかでも低
温で作動し出力密度の高い固体高分子電解質型燃料電池
が近年特に注目されている。固体高分子型燃料電池用イ
オン交換膜としてはパーフロロ系樹脂膜が多く用いられ
ており、パーフロロ系樹脂イオン交換膜は高い化学的安
定性と耐熱性を有している。しかし、現在も固体高分子
型燃料電池用イオン交換膜に必要な機能としてイオン伝
導性、耐熱性、燃料バリア性、力学的強度、価格などに
関し、精力的に研究開発がなされているがこれらの機能
をバランスよく向上させる手段は見出されていない。特
にイオン導電性の向上に際してはイオン交換基の濃度を
増加させる必要があるがパーフロロ系樹脂膜の骨格が非
架橋構造であるため、イオン交換容量を上げすぎると機
械強度が低下しやすく、長期運転において膜がクリープ
しやすくなるなど耐久性を低下させる問題が生じる。ま
たイオン交換膜の抵抗値を下げるには膜厚を下げる方法
もあるが同時に機械強度が低下する問題が生じる。現在
はこの理由で機械強度が許容される範囲で膜厚とイオン
交換量をバランスさせて使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、本発明は
イオン伝導性と力学的強度を実現する固体高分子型燃料
電池用イオン交換膜を提供することを目的とするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、メタフェニレンイソフ
タルアミド系ポリマーの多孔膜を補強材とし、パーフロ
ロ系樹脂を固体電解質物質とする固体高分子型燃料電池
用イオン交換膜によって上記目的を達成できることを見
出し本発明に至った。
【0005】すなわち本発明は次の通りである。 1.メタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーからな
り、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有し、空隙率
が40〜90%で、表面開孔率が10〜70%である多
孔膜とその空隙部に含有された高分子固体電解質物質か
らなることを特徴とする高分子固体電解質複合膜。 2.多孔膜の表面の平均開孔径が0.5〜20μmであ
り、厚みが1〜200μmであることを特徴とするの高
分子固体電解質複合膜。 3.高分子固体電解質物質がパーフロロ系樹脂からなる
ことを特徴とする請求項1または2記載の高分子固体電
解質複合膜。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の高分子固体電解質複合膜
において補強材(基材)を構成する多孔膜は、メタフェ
ニレンイソフタルアミド系ポリマーからなり、多数の微
細孔を表面および内部に有し、空隙率が40〜90%
で、表面開孔率が10〜70%である。多孔膜の空隙率
が40%未満では空隙に含有される高分子固体電解質物
質が相対的に少量となり得られるイオン交換膜のイオン
伝導性が十分でなく、一方90%を超えると膜強度が不
足し、力学的強度に優れたイオン交換膜の実現が困難で
ある。表面開口率が10%未満では空隙に含有される高
分子固体電解質物質が相対的に少量となり得られるイオ
ン交換膜のイオン伝導性が十分でなく、一方70%を超
えると膜強度が不足し、力学的強度に優れたイオン交換
膜の実現が困難である。
【0007】また、多孔膜の表面の平均開孔径は0.5
〜20μmであり、厚みが1〜200μmであることが
好ましい。表面開孔径が0.5μm未満では空隙に含有
される高分子固体電解質物質が相対的に少量となり得ら
れるイオン交換膜のイオン伝導性が十分でなく、一方2
0μmを超えると膜強度が不足し、力学的強度に優れた
イオン交換膜の実現が困難である。また、多孔膜の厚み
が1μm未満では高分子固体電解質複合膜の強度が不足
し、200μmを超えるとイオン交換膜のイオン伝導性
が十分でない。
【0008】高分子固体電解質複合膜の他の構成要素で
ある高分子固体電解質物質としては、パーフロロ系樹脂
が好ましく使用でき、このパーフロロ系樹脂としてはパ
ーフロロスルフォン酸樹脂、パーフロロホスホン酸樹
脂、パーフロロスルホニルイミド樹脂などが挙げられる
がこれらに限定されるものではない。
【0009】また、基材を構成するメタフェニレンイソ
フタルアミド系ポリマーとは、メタ芳香族ジアミンとメ
タ芳香族ジカルボン酸ジハライドとの重縮合によって得
られるポリマー、およびメタ芳香族ジアミンとメタ芳香
族ジカルボン酸ジハライドとの総量に対しモル基準で、
アミン成分またはカルボン酸成分としての共重合率がそ
れぞれ40モル%以下の割合で、パラ芳香族ジアミン、
パラ芳香族ジカルボン酸ジクロライド、脂肪族ジアミ
ン、脂肪族ジカルボン酸や脂環族ジアミン、脂環族ジカ
ルボン酸を使用し重縮合して得られるポリマーである。
【0010】具体的にはメタ芳香族ジアミンとしては
1,3−フェニレンジアミン、1,6−ナフタレンジア
ミン、1,7−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレ
ンジアミン、3,4’−ビフェニルジアミン等、またメ
タ芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸、1,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ
る。
【0011】また共重合モノマーについては、具体的に
はパラ芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノビフェニル、2−メチル−パラフェ
ニレンジアミン、2−クロロ−パラフェニレンジアミ
ン、2,6−ナフタレンジアミン等を、パラ芳香族ジカ
ルボン酸ジクロライドとしてテレフタル酸ジクロライ
ド、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライ
ド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド等、
脂肪族ジアミンとしてヘキサンジアミン、デカンジアミ
ン、ドデカンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン等、また脂肪族ジカルボン酸としてエチレ
ンジカルボン酸、ヘキサメチレンジカルボン酸等を挙げ
ことができる。ただしいずれについてもこれらに限定さ
れるものではない。
【0012】本発明のメタフェニレンイソフタルアミド
系ポリマーの多孔膜およびパーフロロ系樹脂との複合膜
の好ましい製造方法は次の通りである。
【0013】まず、基材となるメタフェニレンイソフタ
ルアミド系ポリマーからなる多孔膜の製法を示す。メタ
フェニレンイソフタルアミド系ポリマーをアミド系溶媒
で溶解した溶液(以下ドープという)を支持体上にキャ
ストし、当該キャスト物を支持体に載せたままメタフェ
ニレンイソフタルアミド系ポリマーに対し非相溶性物質
を含有するアミド系溶媒(以下凝固液という)に浸漬し
て凝固させ、これを水洗し乾燥することによってメタフ
ェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜が製造され
る。なお支持体からの剥離は凝固後であればどの段階で
も構わない。さらに孔径を制御する目的で延伸、熱処理
を追加しても構わない。
【0014】本発明に係るドープ中のポリマー濃度とし
ては好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜2
0重量%である。
【0015】アミド系溶媒としてはN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド等の極性溶媒が挙げられるがこれら
に限定されるものではなく、本発明の目的に反しない限
り、本発明に係るポリメタフェニレンイソフタルアミド
系ポリマーを溶解するものであってアミド基を含有する
ものであればどのようなものでも良い。なおアミド系溶
媒に限定されるのは、本発明に係るポリメタフェニレン
イソフタルアミド系ポリマーを溶解するためである。
【0016】また該ポリアミドの溶解性を向上させるた
め1価または2価陽イオン金属塩を用いることができ
る。金属塩はポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポ
リマー100重量部に対し0〜50重量部となる割合で
本発明に係るアミド系溶媒中に存在させることができ、
金属塩として、具体的には塩化カルシウム、塩化リチウ
ム、硝酸リチウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
金属塩のアミド系溶媒中への溶解方法は通常の方法で良
く、ポリメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマーの
溶解の前であっても途中であっても、また後であっても
良い。
【0017】支持体としては金属ドラム、エンドレスの
金属ベルト、有機フィルム、例えばポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステルテレフタレート等のフィルム
が挙げられる。より好ましくはシリコン等の離形処理が
施されているものがよい。
【0018】キャストする場合におけるドープの温度に
ついては特に制限がないが、その粘度が1〜2,000
Poiseの間に選択するのが好ましく、望ましくは5
〜500Poiseの間になるよう選択する。またキャ
スト物の形状をシート状に保つため、支持体および支持
体周りの雰囲気温度範囲を選択し、また、支持体周りの
雰囲気を送風等によって調節することも本発明を実施す
る場合に有効であるが、これらの条件は試行錯誤によっ
て決めることができる。
【0019】凝固浴に使用するアミド系溶媒としては、
具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が
挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使
用する。
【0020】また、メタフェニレンイソフタルアミド系
ポリマーに対し非相溶性の物質としては、メタフェニレ
ンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶媒に対
して不活性であり、メタフェニレンイソフタルアミド系
ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質と相溶
性を有する物質である低級アルコール、低級エーテル等
各種の物を使用できるが、なかんずく水を用いることが
好ましい。これらの混合物を使用することもできる。
【0021】凝固液中には孔径を調整する目的で金属塩
をアミド系凝固液に対し1〜10重量%用いることも可
能である。具体的には塩化カルシウム、塩化リチウム、
硝酸リチウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
【0022】凝固液中のアミド系溶媒の濃度は凝固液全
体に対し30重量%以上80重量%以下が好ましく、よ
り好ましくは50重量%〜70重量%である。凝固液の
温度は0℃以上98℃以下が好ましく、より好ましくは
20℃以上90℃以下である。
【0023】アミド系溶媒の濃度が30重量%未満で温
度が0℃未満の場合、作成されたポリアミド多孔膜の表
面にある孔の数が減ると共に、その孔径が小さくなり、
開孔率の低いポリアミド多孔膜となる傾向が生じる。ま
た濃度が80%を超え、温度が98℃を超える場合、ポ
リマーが粒状化しポリアミド多孔膜にはならない場合が
ある。また、温度と濃度とのいずれか一方が上記範囲を
超えている場合には両者が上記範囲を超えている場合ほ
どではないにしても用途によっては欠点となりうる。
【0024】凝固された多孔膜である該キャスト物は次
に水洗工程に移され、そこで水によって洗浄される。こ
の時の温度は多孔形状に影響をほとんど与えないため特
に限定されるものではない。またこの工程は省略するこ
とも可能である。省略できるかどうかは実験等によって
得られる結果を見て定めることができる。
【0025】乾燥は任意の程度に行えばよく、通常は水
切りと呼ばれる程度のニップロール処理による乾燥から
熱風乾燥機等による本格的乾燥までを含む。ただし、固
体高分子型燃料電池用イオン交換膜としては安定した各
物性を確保するために所定の乾燥度に維持することが好
ましく、そのため乾燥の程度は絶乾状態の多孔膜100
重量部に対して水分量が100重量部以下であることが
好ましく、より好ましくは30重量部以下、特に好まし
くは5重量部以下である。
【0026】延伸については湿式と乾式による方法が挙
げられ、さらに一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸
等のいずれの方法であってもよいが一軸延伸のみの場合
延伸倍率が大きくなると共に孔が変形し、通気性が低下
するので二軸延伸のほうが好ましい。また延伸に際して
は延伸方向に対して両サイドを把持し、拘束しているほ
うが通気性の低下抑制という点で好ましい。湿式延伸は
凝固後のポリアミド膜をメタフェニレンイソフタルアミ
ド系ポリマーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶
媒中で延伸する方法である。延伸浴に有用なアミド系溶
剤としては、具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピ
ロリドンを使用する。またメタフェニレンイソフタルア
ミド系ポリマーに対し非相溶性の物質としては、メタフ
ェニレンイソフタルアミド系ポリマーおよびアミド系溶
媒に対して不活性であり、メタフェニレンイソフタルア
ミド系ポリマーに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質
と相溶性を有する物質である低級アルコール、低級エー
テル等各種の物を使用できるが、なかんずく水を用いる
ことが好ましい。これらの混合物を使用することもでき
る。
【0027】延伸浴中のアミド系溶剤の濃度は延伸浴全
体に対して5〜70重量%であるのが好ましく、より好
ましくは30〜65重量%である。延伸浴の温度は0〜
98℃であるのが好ましく、より好ましくは30〜90
℃である。延伸浴中のアミド系溶剤の濃度が5重量%未
満であり、延伸浴の温度が0℃未満である場合は、ポリ
アミド多孔膜の可塑化が不十分であり、延伸倍率が上が
らず、期待するヤング率が得られないことがある。また
濃度が70重量%を超え、温度が98℃を超える場合に
は、ポリアミド多孔膜の溶解が進行し、延伸によってヤ
ング率を向上させることが不可能であると共に多孔構造
が崩れて緻密化が進行してしまい、ポリアミド多孔膜を
得ることができない。延伸倍率は一軸方向に1.3〜5
倍の倍率で、または直交する二方向へ1.3〜10倍の
倍率であるのが開孔率、孔径分布、機械物性のバランス
を適切なものとするために好ましい。ここで二軸延伸の
場合の1.3〜10倍の延伸倍率は両方向の延伸倍率の
積(面積倍率)として求めることができる。
【0028】乾式延伸の加熱方式は接触方式、非接触方
式のいずれであっても良いが、延伸に際しては延伸方向
に対して両サイドを把持し拘束しているほうが孔径制御
の点で好ましい。延伸温度は270〜380℃であるの
が適当であり、より好ましくは290〜360℃であ
る。延伸温度が270℃より低い場合は多孔膜は低倍率
で破断してしまい、380℃より高温であると多孔構造
がつぶれて孔が塞がり緻密化してしまうことがある。延
伸倍率は一軸方向に1.3〜5倍の倍率で、または直交
する二方向へ1.3〜10倍の倍率であるのが開孔率、
孔径分布、機械物性のバランスを適切なものとするため
に好ましい。ここで二軸延伸の場合の1.3〜10倍の
延伸倍率は両方向の延伸倍率の積(面積倍率)として求
めることができる。
【0029】また所望により凝固処理後得られたポリア
ミド多孔膜をメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマ
ーに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒からなる
浴中に浸漬処理して結晶化を促進しても良い。浸漬処理
浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましく
はN−メチル−2−ピロリドンを使用する。また メタ
フェニレンイソフタルアミド系ポリマーに対し非相溶性
物質としては、メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
マーおよびアミド系溶媒に対して不活性であり、メタフ
ェニレンイソフタルアミド系ポリマーに相溶性を有さず
かつ当該アミド系物質と相溶性を有する物質である低級
アルコール、低級エーテル等各種の物を使用できるが、
なかんずく水を用いることが好ましい。これらの混合物
を使用することもできる。
【0030】湿式延伸においては、浸漬処理浴は延伸浴
を兼ねることができ、浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃
度は延伸浴全体に対して50〜80重量%であるのが好
ましく、より好ましくは60〜70重量%である。浸漬
処理浴の温度は50〜98℃であるのが好ましく、より
好ましくは60〜90℃である。浸漬処理浴中のアミド
系溶剤の濃度が80重量%を超えるとポリアミド多孔膜
の溶解が起こり多孔構造が破壊されることがあり、50
重量%未満では結晶化が十分に進行しないことがある。
また浸漬処理浴の温度が50℃未満であるとポリアミド
多孔膜の結晶化が進行しないか、あるいは進行しにくく
なることがあり、98℃を超えるとポリアミド多孔膜の
溶解が起こり多孔構造が破壊されることがある。
【0031】浸漬処理後ポリアミド多孔膜は水中に導入
されて洗浄され、次いで乾燥されるのが良い。その水洗
及び乾燥は凝固処理後の水洗及び乾燥に関して前述した
方法と同様に行うのが好ましい。また浸漬処理後に得ら
れるポリアミド多孔膜においては20℃のジメチルホル
ムアミドに対する不溶部分が10%以上であることが好
ましい。
【0032】また熱処理を実施する場合、290℃〜3
80℃の温度で実施されるのが好ましく、より好ましく
は330〜360℃である。熱処理は結晶化の目的のた
めに行うものであり、290℃未満であると効果が十分
でないことがあり、380℃を超えるとポリマーの分解
が起こることがある。
【0033】以上説明した操作、製造条件、特に、凝固
液中の溶媒の濃度、凝固液の温度、延伸条件、浸漬処理
等を好ましい範囲で適宜組み合わせることにより本発明
の特性を有する多孔膜を製造することができる。
【0034】以上のようにして得られた多孔膜の空隙部
にパーフロロ系樹脂を含有させると本発明の高分子固体
電解質複合膜が得られる。多孔膜の空隙部にパーフロロ
系樹脂を含有させることにより容易に薄膜化してイオン
伝導性を向上させ、薄膜化により低下するパーフロロ系
樹脂膜の機械的強度をメタフェニレンイソフタルアミド
系ポリマからなる多孔膜により補強することができ、本
発明の目的を達成することができる。パーフロロ系樹脂
とメタフェニレンイソフタルアミド系ポリマー多孔膜と
の複合化の方法としては、当該多孔膜にパーフロロ系樹
脂溶液を塗布する方法もしくは当該多孔膜をパーフロロ
系樹脂溶液に浸漬し、含浸させる方法が挙げられるがこ
れらに限定されるものではない。これら樹脂液の調製に
用いることのできる溶媒としては一般に各種炭化水素系
の有機溶剤、水、あるいはこれらの混合溶剤が挙げられ
る。
【0035】また樹脂の分子量や溶媒の種類によって複
合化しにくい場合は、パーフロロ系樹脂溶液の濃度調整
や界面活性剤の添加、多孔膜の表面処理など適宜適切な
処理をすればよい。
【0036】溶媒の除去の方法としては加熱乾燥が最も
有効であるが、これに限定されるものではない。
【0037】
【発明の効果】この発明により、イオン伝導性と力学的
強度を実現する固体高分子型燃料電池用イオン交換膜と
して使用できる高分子固体電解質複合膜を提供すること
が可能となった。
【0038】
【実施例】(評価方法) [空隙率]乾燥後の多孔膜をA(mm)×B(mm)の
大きさにカットし、厚みC(mm)、重量D(g)を測
定する(A,B,C,Dは適宜選択する)。以上より見
かけ密度Eを以下の式で求める。続いて使用したポリマ
ーの真密度Fを求め、以下の式から空隙率を算出する。 見かけ密度E={D/(A*B*C)}*1000(g
/cm3) 空隙率={(F−E)/E}*100(%)
【0039】[表面開孔率]分解能4〜7nmの走査電子
顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150
×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万
ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.01
μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和
を開孔部分のピクセル数とする。 表面開孔率=(各孔の総和ピクセル/10万ピクセル)
*100(%)
【0040】[平均開孔径]分解能4〜7nmの走査電子
顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150
×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万
ピクセル/30000mm2の解像度で、直径0.01
μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、その総和
を開孔部分のピクセル数とする。細孔側から各孔のピク
セル数を累積し、表面開孔率の1/2に達成した時のピ
クセル数を有する孔の径を平均開孔径とする。
【0041】実施例1 多孔膜はメタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロラ
イドを当モルで生成ポリマー濃度が10重量%となるよ
うにN−メチル−2−ピロリドン(以下NMP)中で溶液重
合しドープを作成した。このとき中和剤として水酸化カ
ルシウムを使用した。作成したドープをPETフィルム上
に100μmの厚みにキャストし、これをNMP/水=6
0/40重量%、80℃からなる凝固浴に10min浸
漬し、水洗後150℃にて5min乾燥し、メタフェニ
レンイソフタルアミドポリマーからなる多孔膜を得た。
これをさらに350℃で2軸方向に面積倍率4倍に延伸
した。この多孔膜は厚みが7μm、空隙率70%、表面
開孔率50%、平均開孔径12μmであった。この表面
にパーフロロスルフォン酸樹脂溶液を塗布した後風乾し
た。この塗布−風乾を5回繰り返して多孔膜の空隙部に
パーフロロスルフォン酸樹脂が充填された複合膜を成形
した。こうして得られた成形体を130℃、24時間加
熱して本発明の複合膜を得た。該複合膜は膜厚50μm
であり交流比抵抗16Ωcm(1M H2SO4中)、引張強
度7kg/mm2であった。
【0042】比較例1 デュポン社製ナフィオン(登録商標)膜は文献M.W.Verb
rugge,J.Electrochem.Soc.,137(1990)3770より算出
した交流比抵抗が14.9Ωcm(1M H2SO4中)であ
り、引張強度は4.2〜5.2kg/mm2であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA71 CB43 CE04 CE50 CE93 DA47 DA49 5H026 AA06 CX05 EE19 HH03 HH04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタフェニレンイソフタルアミド系ポリ
    マーからなり、多数の均一な微細孔を表面及び内部に有
    し、空隙率が40〜90%で、表面開孔率が10〜70
    %である多孔膜とその空隙部に含有された高分子固体電
    解質物質からなることを特徴とする高分子固体電解質複
    合膜。
  2. 【請求項2】 多孔膜がその表面の平均開孔径が0.5
    〜20μmであり、厚みが1〜200μmであることを
    特徴とする請求項1の高分子固体電解質複合膜。
  3. 【請求項3】 高分子固体電解質物質がパーフロロ系樹
    脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の高
    分子固体電解質複合膜。
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