JP4563025B2 - Cmp用研磨パッド、及びそれを用いた研磨方法 - Google Patents

Cmp用研磨パッド、及びそれを用いた研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4563025B2
JP4563025B2 JP2003423181A JP2003423181A JP4563025B2 JP 4563025 B2 JP4563025 B2 JP 4563025B2 JP 2003423181 A JP2003423181 A JP 2003423181A JP 2003423181 A JP2003423181 A JP 2003423181A JP 4563025 B2 JP4563025 B2 JP 4563025B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
polishing pad
groove
polished
pad
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003423181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005183708A (ja
Inventor
哲生 下村
雅彦 中森
孝敏 山田
一幸 小川
淳 数野
毅 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2003423181A priority Critical patent/JP4563025B2/ja
Publication of JP2005183708A publication Critical patent/JP2005183708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4563025B2 publication Critical patent/JP4563025B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

本発明は、半導体ウェハなどの被研磨体の凹凸をケミカルメカニカルポリッシング(化学的機械研磨またはCMP)法により平坦化する時に用いるCMP用研磨パッドおよびこの研磨パッドを用いた研磨方法に関するものである。
半導体装置を製造する際には、ウェハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウェハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウェハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウェハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にCMPが採用されている。CMPは、ウェハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、研磨スラリーという)を用いて研磨する技術である。
CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、研磨パッドを支持する研磨定盤と、被研磨体(ウェハなど)を支持する支持台とウェハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤の供給機構を備えている。研磨パッドは、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤に装着される。研磨定盤と支持台とは、それぞれに支持された研磨パッドと被研磨体が対向するように配置され、それぞれに回転軸を備えている。また、支持台には、被研磨体を研磨パッドに押し付けるための加圧機構が設けてある。
一般に、CMP法においては、研磨パッドをドレッサーによりドレッシング(目立て)した後に、研磨プレート回転軸およびキャリア回転軸を回転させ、研磨スラリー供給ノズルから研磨パッドの中心部に研磨スラリーを供給しながら、研磨圧力調整機構によりウェハを研磨パッド上に押圧させてウェハの研磨が行われる。
このようなCMP法では、被研磨面にマイクロスクラッチが発生すること、被研磨面内でも研磨レートが異なる為に均一に研磨が行われないこと等が問題となっている。
マイクロスクラッチの発生を抑制するためには、研磨パッドのドレッシング時に発生する研磨パッドの削りクズやドレッサーのダイアモンド、層間膜、ウェハの破片クズや研磨済みの研磨スラリーなど(以降、これらを総称して不純物とも表記する)を研磨パッド外へ排出する必要がある。従来のCMP装置においては、研磨作業中に研磨スラリーを間断なく十分に流し出し、不純物をこの研磨スラリーにより研磨パッド外へ除去あるいは押し流すという対策をとっている。
このように研磨スラリーを供給してウェハの研磨を行う時、研磨スラリーは研磨パッドの回転による遠心力およびウェハを研磨パッドに押し付けることにより押し出され、殆どが研磨に直接寄与することなく研磨パッド外に排出されてしまうため、高価な研磨スラリーを余分に消費してしまうことになる。
被研磨面内での研磨レートの均一性を向上させることについては、これまでも様々な試みが行われてきた。例えば、全体のパッドの構成としては、弾性ポリウレタン層に研磨層である合成皮革層が積層されたもの(特許文献1参照)、発泡ポリウレタン層にポリウレタン含浸不織布を貼り合わせた構成のもの(特許文献2参照)、研磨表面が設けられており、前記研磨表面に隣接し選択した厚さ及び剛性の剛性要素が設けられており、前記剛性要素へ実質的に一様な力を付与するために前記剛性要素に隣接して弾性要素が設けられており、前記剛性要素及び前記弾性要素が前記研磨表面へ弾性的屈曲力を付与して前記研磨表面に制御した屈曲を誘起させ、それが前記加工物の表面の全体的な形状に適合し且つ前記加工物表面の局所的な形状に関して制御した剛性を維持することを特徴とする研磨用パッド(特許文献3参照)がある。
また縦弾性係数EAの大きい表層Aと、縦弾性係数EBの小さい下層Bとを有し、両層A、Bとの間に上記B層よりも少なくとも縦弾性係数の大きい中間層Mを設けたことを特徴とする研磨布(特許文献4参照)、研磨層と、研磨層より弾性の高い中間層と、柔らかい下地層の構成で、中間層が分割されているパッド(特許文献5参照)などが挙げられる。
また、均一性を向上させるためパッド表面の溝形状を工夫することを試みたものもある。例えば、パッド表面の中心部分と外側とで溝形状が異なるものを用いている研磨パッド(特許文献6参照)、複数の溝と穴を合わせて形成された研磨パッド(特許文献7参照)、幾何学的に中心を持つ溝形状の該中心と研磨パッドの中心とが偏心状に設けられている研磨パッド(特許文献8参照)、複数の同心円状の溝を有する第1の領域と、第2のピッチを有する第2の領域とを有する研磨パッド(特許文献9参照)、隣接した領域で密度の異なる溝を有する研磨パッド(特許文献10参照)、環状溝と流線溝を有する研磨パッド(特許文献11参照)など、多数の試みがある。
しかしながら、前述研磨パッドでは以下に示すような問題点を有している。
特許文献1の方式では、全面の均一性に関しては、弾性ポリウレタン層がウェハにかかる荷重を均一にする役目を果たしているが、最表層研磨層に、柔らかい合成皮革を使用しているため、スクラッチ等の問題は無いが、微小領域での平坦化特性が良くないという問題点がある。
特許文献2の方式である、ポリウレタンと不織布の積層でも、不織布層が前述の弾性ポリウレタン層と同等の役目を果たし、均一性を得ている。また、研磨層も硬質の発泡ポリウレタン層を有している為、合成皮革に比べて平坦化特性も優れているが、近年、微小領域での平坦化特性の要求レベルの向上や、金属膜の研磨においては、要求レベルに達していない。また、硬質ウレタン層の硬度を更に上げる事で平坦化特性の向上を図れるが、この場合、スクラッチの多発を招き実用的ではない。
特許文献3の方式である、研磨層、剛性層、弾性層の構造のものは、表層の研磨層でスクラッチの起きない適度の硬度を持たせ、硬度が上げられず劣化する平坦化特性を第2層の剛性層で改善させる構成のものである。これは、前述の方式の問題点を解決するものであるが、この場合、研磨層の厚さが0.003インチ以下が指定されており、この厚さでは実際に使用した場合、研磨層も削れてしまい、製品寿命が短い欠点がある。
特許文献4の方式の基本的思想は前述の特許文献3の方式と同様であり、各層の弾性率の範囲を限定して、より効率的な範囲を得ようとしているが、該方式の中では実質的に何ら実現する手段がなく、研磨パッドを製作することは困難である。
特許文献5の方式でも、基本的思想は前述特許文献3の方式と同様であるが、ウェハ面内の均一性をより向上するために中間剛性層をある所定の大きさにて分割している。しかし、この分割する工程にコストが掛かり、安価な研磨パッドを供給することは出来ない。
また、溝形状を工夫したものに関しても、以下に示す問題点がある。
特許文献6の方式である、中心部と周辺部分は同心円状溝を、その間の部分はパンチ穴を開けたような形状である方式においては、一般にパンチ穴を開ける加工は一列ないしは数列に並んだポンチを用いて広い面積を一度に開ける事になるが、この方式の場合一般的な加工法が利用できず、作製が困難である。
特許文献7の方式である、複数の穴と溝を組み合わせた構成のものでは研磨スラリー供給が豊富で、均一性もある程度改善されるが、研磨スラリーが不足しがちなウェハ中央部分に研磨スラリーが積極的な入るわけではなく、その効果が限られる。
特許文献8の方式では、研磨パッドの中心と、同心円状溝の中心が、ずれている為溝形状が加工されるシリコンウェハに転写され、均一性が悪くなるという問題点は解消されるが、ウェハ中心部分での研磨レート低下を防ぐことは出来ない。
特許文献9の方式では、溝ピッチの異なる2つの領域があり、均一性はある程度改善されるが、積極的に研磨スラリーをウェハ中心部分に取り込むようにはなっておらず、高い均一性は望めない。特許文献10の方式は、前記の特許文献9の方式の改良型といえる。しかし、この方式とて前記と同様、積極的に研磨スラリーをウェハ中心部分に取り込むようにはなっておらず、高い均一性は望めない。
参考文献11の方式では、溝形状を流線溝にすることで、研磨スラリーの流れを積極的に制御しようと試みている。しかしながら、この方式では、流線溝に沿って必要な研磨スラリーが流れ出してしまい、十分な均一性を得ることは出来ない。
米国特許3504457号明細書 特開平06−021028号公報 特開平06−077185号公報 特開平10−156724号公報 特開平11−048131号公報 特許第2647046号明細書 特許第3042593号明細書 特開平10−249710号公報 特開平11−070463号公報 特開2000−094303号公報 特開2000−198061号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、被研磨面と研磨パッドとの間に研磨スラリーが適切に保持されて、研磨スラリーの余分な消費がなく、被研磨面内での研磨レートを均一にできるCMP用研磨パッドを提供することにある。
本発明は、円形研磨パッドの中心部から半径の1/3〜2/3の領域まで伸長された内径溝と、円形研磨パッドの外周部から半径の1/3〜2/3の領域まで伸長された外径溝とを、研磨面に有するCMP用研磨パッドを提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明によれば、半導体ウェハなど被研磨体の中央部の研磨不良(低下)を防ぎ被研磨体全面において研磨量の均一性を向上させ、かつ研磨スラリーの余分な消費を抑制し得る、半導体ウェハ研磨に特に優れたCMP用研磨パッドが提供される。
研磨パッドは被研磨体を研磨する層状の部材である。研磨パッドは研磨を行う際に研磨スラリーの担体として機能し、被研磨体と接触してこれを摩擦する研磨面を有する。研磨面は研磨スラリーを保持及び更新するのに好適な表面形状又は表面構造を有することが好ましい。本発明の研磨パッドは、研磨面に、研磨面を円形として、その内径部に設けられた内径溝と、外径部に設けられた外径溝とを有している。内径溝と外径溝とは相互に連通しておらず、独立している。内径溝及び外径溝は、研磨パッドに要求される研磨スラリーの保持更新性能に応じて複数設けられてよい。それらの配置は、一般には規則的に行われる。内径溝及び外径溝は、中心部から外周部まで連通している溝、同心円状溝、格子状溝、パーホレーションのような研磨パッドの表面構造として従来から知られている形状と組み合わされてもよい。
内径溝は研磨パッドの中心部から始まり、外周部に至らない所定の位置まで伸長される。内径溝は研磨パッドの外周部に達してはならない。そうなると中心部から外周部まで連通している溝と同じ作用を奏するからである。外径溝は研磨パッドの外周部から始まり、中心部に至らない所定の位置まで伸長される。上記と同じ理由で、外径溝は研磨パッドの中心部に達してはならない。上記所定の位置は、内周溝及び外周溝共に、好ましくは半径の1/3〜2/3、より好ましくは2/5〜3/5の領域である。この領域は被研磨体の中央部が接する範囲と考えられ、溝の端部位置がこの範囲をはずれると被研磨体中央部の研磨レートが向上せず、被研磨体の研磨後の面内均一性が不十分になる。
研磨作業の間、研磨パッドの中心部に供給される研磨スラリーは、遠心力等の作用によって内径溝を通って外周部に向かって移動する。内径溝の終点は被研磨体の中央部になるように位置されている。そのため、研磨スラリーは被研磨体の中央部に誘導され、その終点において溝から溢れ出る。その後、溝から溢れ出た研磨スラリーは被研磨体の中央部から研磨面に広がって研磨に供される。他方、外径溝の端部も被研磨体の中央部になるように位置されている。そのため、研磨スラリーは、その後外径溝に入り込み、遠心力等の作用によって外径溝を通って外周部に向かって移動し、パッドから排出される。
このように、研磨スラリーは、内径溝によって被研磨体の中央部に積極的に送り込まれる。その結果、一般にCMP法において研磨レートが低い被研磨体の中央部において研磨レートが向上し、研磨後の面内均一性が向上する。また、研磨スラリーは内径溝から溢れて研磨に供され、研磨スラリーの利用効率が向上する。他方、外径溝は研磨屑等を含む研磨済みの研磨スラリーを研磨パッド外へ排出するため、研磨面にマイクロスクラッチは発生し難い。
ここで、溝の形状及び数を調節すれば研磨スラリーの供給及び排出を適切に制御することができ、被研磨面内の均一性や研磨スラリーの利用効率は更に向上する。例えば、内径溝が、中心部から、研磨パッドの半径方向を基準にして、研磨パッドの回転方向とは逆の方向に伸長されている場合、被研磨面による摩擦力は内径溝内の研磨スラリーを研磨パッドの外周方向に押出すように作用すると考えられ、研磨スラリーの供給量が増大する。また、例えば、外径溝が、外周部から、研磨パッドの中心の方向を基準にして、研磨パッドの回転方向とは逆の方向に伸長されている場合、被研磨面による摩擦力は外径溝内の研磨スラリーを研磨パッドの中心方向に押し戻すように作用すると考えられ、研磨スラリーの排出量が抑制される。その結果、研磨に直接寄与する研磨スラリーの量が更に増大する。
溝の平面形状は、例えば、それぞれ独立して直線状、折れ線状、弓状又は円弧状からなる群から適宜選択されてよい。また、内径溝及び外径溝はそれぞれ独立して、溝幅が0.1〜5mmで、溝ピッチがそのもっとも小さい部位で0.2〜30mm、溝深さは0.2〜2mmであることが好ましい。溝幅が0.1mm以下では、研磨スラリーを供給する能力が低下し全体の研磨レートが低下してしまう。また、溝幅が5mmを超えると、実質的にシリコンウェハに接触する研磨パッドの面積が低下し、全体の研磨レートが低下する。溝ピッチが、0.2mm以下の場合、溝が極めて多数存在し、加工時間が長くなり研磨パッドの生産性が悪化する他、ウェハと研磨パッドの接触面積が減り、その事によって研磨レートが低下してしまう。また、溝ピッチが30mm以上では研磨パッドとウェハの接触面積が増加し研磨レートは増えるが、研磨スラリーのウェハ中心部分への供給能力が低下し、均一性が悪化してしまう。溝深さに関しては0.2mm以下の溝であると研磨スラリー供給能力が低下し、研磨レートが落ちてしまう。また、溝深さが2mm以上になると研磨パッドに深い溝が形成されることなり、研磨パッド全体で撓み易くなってしまい、均一性は向上するが平坦化特性が著しく劣化する。
図1は本発明の一実施態様である研磨パッドの平面図である。この研磨パッドはXの方向に回転させて使用することを想定している。研磨パッド1の研磨面に弓状又は円弧状の内径溝10と外径溝20とが設けられている。内径溝10は研磨パッドの中心部から領域A(半径の1/3〜2/3の領域)まで伸長されており、その方向は研磨パッドの半径方向を基準にして、研磨パッドの回転方向とは逆向きである。外径溝20は研磨パッドの外周部から領域Aまで伸長されており、その方向は研磨パッドの中心方向を基準にして、回転方向とは逆向きである。その結果、内径溝及び外径溝は湾曲方向が互いに逆になっている。領域Aにおいて、内径溝と外径溝は先端部が重なっている。
図2は本発明の一実施態様である研磨パッドの平面図である。研磨パッド1の研磨面にそれぞれ直線状の内径溝10及び外径溝20が設けられている。図3は本発明の一実施態様である研磨パッドの平面図である。研磨パッド1の研磨面にそれぞれ折れ線状の内径溝10及び外径溝20が設けられている。
また、本発明では、研磨パッドの形成材料が、微細発泡体であることが好ましい。前記微細発泡体の平均気泡径は、70μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50μm以下である。平均気泡径が70μm以下であれば、気泡による研磨スラリーの供給能力が向上し、実用上十分な研磨レートを得られる。逆に気泡径が70μmを超える場合、気泡による研磨スラリー保持能力が低下し研磨レートが低くなってしまう。
前記微細発泡体の比重は、0.5〜1.0g/cm3 であることが好ましく、さらに好ましくは0.7〜0.9g/cm3 である。比重が0.5g/cm3 未満の場合、研磨領域の表面の強度が低下し、被研磨体のプラナリティが低下し、また、1.0g/cm3 より大きい場合は、研磨パッド表面の微細気泡の数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が小さくなる傾向にある。
前記微細発泡体の硬度は、アスカーD硬度で45〜65度であることが好ましく、さらに好ましくは45〜60度である。アスカーD硬度が45度未満の場合には、被研磨体のプラナリティが低下し、65度より大きい場合には、プラナリティは良好であるが、被研磨体のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
前記微細発泡体の圧縮率は、0.5〜5.0%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3.0%である。圧縮率が前記範囲内にあれば十分にプラナリティとユニフォーミティを両立させることが可能となる。
前記微細発泡体の40℃、1Hzにおける貯蔵弾性率が、200MPa以上であることが好ましく、さらに好ましくは250MPa以上である。貯蔵弾性率が200MPa未満の場合には、研磨領域の表面の強度が低下し、被研磨対象物のプラナリティが低下する傾向にある。なお、貯蔵弾性率とは、微細発泡体に動的粘弾性測定装置で引っ張り試験用治具を用い、正弦波振動を加え測定した弾性率をいう。
なお、圧縮率などの測定は後記する。
研磨パッドの形成材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨領域の形成材料として特に好ましい材料である。前記ポリウレタン樹脂は、有機イソシアネート、ポリオール、鎖延長剤を含有してなるものである。使用する有機イソシアネートは特に制限されず、例えば前記有機イソシアネートが挙げられる。
使用するポリオールは特に制限されず、例えば前記ポリオールが挙げられる。なお、これらポリオールの数平均分子量は特に限定されるものではないが、得られるポリウレタンの弾性特性等の観点から500〜2000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、これを用いたポリウレタンは十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなる。そのためこのポリウレタンから製造される研磨パッドは硬くなりすぎ、被研磨対象物の研磨面のスクラッチの原因となる。また、摩耗しやすくなるため研磨パッドの寿命の観点からも好ましくない。一方、数平均分子量が2000を超えると、これを用いたポリウレタンは軟らかくなるため、このポリウレタンから製造される研磨パッドは平坦化特性に劣る傾向にある。
また、ポリオールとしては、上述した高分子量のポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオールを併用することもできる。
また、ポリオール中の高分子量成分と低分子量成分の比は、これらから製造される研磨領域に要求される特性により決められる。
鎖延長剤としては、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記ポリウレタン樹脂における有機イソシアネート、ポリオール、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量やこれらから製造される研磨領域の所望物性などにより種々変え得る。研磨特性に優れる研磨パッドを得るためには、ポリオールと鎖延長剤の合計官能基(水酸基+アミノ基)数に対する有機イソシアネートのイソシアネート基数は0.95〜1.15であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.10である。
前記ポリウレタン樹脂は、前記方法と同様の方法により製造することができる。なお、必要に応じてポリウレタン樹脂に酸化防止剤等の安定剤、界面活性剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を添加してもよい。
前記ポリウレタン樹脂を微細発泡させる方法は特に制限されないが、例えば中空ビーズを添加する方法、機械的発泡法、及び化学的発泡法等により発泡させる方法などが挙げられる。なお、各方法を併用してもよいが、特にポリアルキルシロキサンとポリエーテルとの共重合体であって活性水素基を有しないシリコーン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。該シリコーン系界面活性剤としては、SH−192(東レダウコーニングシリコン製)等が好適な化合物として例示される。
本発明の研磨パッド(研磨領域)に用いられる独立気泡タイプのポリウレタン発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン発泡体の製造方法は、以下の(1)〜(3)の工程を有する。
(1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する撹拌工程
イソシアネート末端プレポリマーにシリコーン系界面活性剤を添加し、非反応性気体と撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。イソシアネート末端プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
(2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤を添加し、混合撹拌する。
(3)硬化工程
鎖延長剤を混合したイソシアネート末端プレポリマーを注型し、加熱硬化させる。
微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコーン系界面活性剤を含むイソシアネート末端プレポリマーに分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置を特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用すると微細気泡が得られるため好ましい。
なお、撹拌工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。撹拌工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
前記ポリウレタン微細発泡体の製造方法においては、気泡分散液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり極めて好適である。金型に気泡分散液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
前記ポリウレタン樹脂の製造において、第3級アミン系、有機スズ系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間を考慮して選択する。
前記ポリウレタン発泡体の製造は、容器に各成分を計量して投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
以上のようにして作製されたポリウレタン発泡体を、所定のサイズに裁断して研磨領域研磨パッドの表面研磨領域の材が製造される。
本発明では溝の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ硬化させる方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスして形成する方法、フォトリソグラフィを用いて形成する方法、印刷手法を用いて形成する方法、及び炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光により形成する方法などが挙げられる。研磨パッドの厚みは特に限定されるものではないが、0.5〜4mmが好ましく、さらに好ましくは0.6〜3.5mmである。前記厚みの研磨パッドを作製する方法としては、前記微細発泡体のブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みにする方法、所定厚みのキャビティーを持った金型に樹脂を流し込み硬化させる方法、及びコーティング技術やシート成形技術を用いた方法などが挙げられる。
また、研磨パッドの厚みのバラツキは、100μm以下であることが好ましく、特に50μm以下であることが好ましい。厚みのバラツキが100μmを越える場合には、研磨領域が大きなうねりを持ったものとなり、被研磨体に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に悪影響を与える傾向にある。また、研磨領域の厚みのバラツキを解消するため、一般的には研磨初期に研磨領域の表面をダイヤモンド砥粒を電着、又は融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させることになる。また、厚みのバラツキを抑える方法としては、所定厚みにした研磨領域表面をバフィングする方法もある。バフィングする際には、粒度などが異なる研磨シートで段階的に行うことが好ましい。
本発明では均一性をより向上させるために、研磨層(研磨領域層)の下にクッション層を設けてもよい。クッション層は研磨層より柔らかいものを用いることが好ましい。
前記クッション層の形成材料は特に制限されないが、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布、ポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。
研磨領域に用いられる研磨層とクッション層とを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨領域とクッション層を両面テープで挟み、プレスする方法が挙げられる。
両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。クッション層への研磨スラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨領域とクッション層は組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
クッション層と両面テープとを貼り合わせる手段としては、クッション層に両面テープをプレスして接着する方法が挙げられる。
該両面テープは、上述と同様に不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。研磨パッドの使用後に、プラテンから剥がすことを考慮すると、基材にフィルムを用いるとテープ残り等を解消することができるため好ましい。また、接着層の組成は上述と同様である。
本発明の研磨方法では、本発明の研磨パッドを使用してCMP法が行われる。つまり、研磨パッドの表面に対して研磨スラリーを供給しながら、被研磨体を所望の研磨圧で押し付けながら回転させて前記研磨パッドの移動方向に対して交差する方向に揺動させることによって、前記研磨パッドの表面と被研磨体の表面との間に供給された研磨スラリーの化学的および機械的な作用によって被研磨体の表面を研磨する。
例えば、上述したCMP用研磨パッドを研磨装置のプラテンに固定し、
被研磨体を研磨パッドの研磨面に対面するように研磨装置の支持台に固定し、
被研磨体を研磨パッドの研磨面に接触させ、
研磨スラリーを供給しながら研磨を行なえばよい。
但し、被研磨体を研磨パッドの研磨面に接触させる際には、研磨パッドの半径の1/3〜2/3の領域、より好ましくは2/5〜3/5の領域が被研磨体の中央部に当るように被研磨体の位置を調節する必要がある。研磨スラリーは内径溝によって上記領域に直接供給される。そのため、一般にCMP法において研磨レートが低い被研磨体の中心部を、研磨能力が高められている上記領域に当てることにより、被研磨体の研磨後の面内均一を図ることができる。
半導体デバイスは、上述の研磨方法を用いて半導体ウェハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウェハとは、一般にシリコンウェハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。これにより半導体ウェハの表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例などにおける評価項目は下記のようにして測定した。
(平均気泡径測定)
厚み1mm程度になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出した研磨領域を平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、画像処理装置(東洋紡社製、Image Analyzer V10)を用いて、任意の0.2mm×0.2mm範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
(比重測定)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出した研磨領域を比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(アスカーD硬度測定)
JIS K6253−1997に準拠して行った。2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出した研磨領域を硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
(圧縮率および圧縮回復率測定)
直径7mmの円(厚み:任意)に切り出した研磨領域(研磨層)を圧縮率および圧縮回復率測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で40時間静置した。測定には熱分析測定器 TMA(SEIKO INSTRUMENTS製、SS6000)を用い、圧縮率と圧縮回復率を測定した。また、圧縮率と圧縮回復率の計算式を下記に示す。
Figure 0004563025
[式中、T1は研磨層に無負荷状態から30KPa (300g/cm2 )の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、T2はT1の状態から180KPa (1800g/cm2 )の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みである。]
Figure 0004563025
[式中、T1は研磨層に無負荷状態から30KPa (300g/cm2 )の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、T2はT1の状態から180KPa (1800g/cm2 )の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みであり、T3はT2の状態から無負荷状態で60秒間保持し、その後、30KPa (300g/cm2 )の応力の負荷を60秒間保持した時の研磨層厚みである。]
(貯蔵弾性率測定)
JIS K7198−1991に準拠して行った。3mm×40mmの短冊状(厚み;任意)に切り出した研磨領域を動的粘弾性測定用試料とし、23℃の環境条件で、シリカゲルを入れた容器内に4日間静置した。切り出した後の各シートの正確な幅および厚みの計測は、マイクロメータにて行った。測定には動的粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所製、現アイエス技研)を用い、貯蔵弾性率E’を測定した。その際の測定条件を下記に示す。
<測定条件>
測定温度 : 40℃
印加歪 : 0.03%
初期荷重 : 20g
周波数 : 1Hz
(研磨特性の評価)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、研磨特性の評価を行った。研磨レートは、8インチのシリコンウェハに熱酸化膜を1μm製膜したものを、約0.5μm研磨して、このときの時間から算出した。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、研磨スラリーとしてシリカスラリー(SS12、キャボット社製)を研磨中に流量150ml/minにて添加した。研磨荷重としては350g/cm2 、研磨定盤回転数35rpm、ウェハ回転数30rpmとした。
平坦化特性の評価では、8インチシリコンウェハに熱酸化膜を0.5μm堆積させた後、所定のパターニングを行い、p−TEOSにて酸化膜を1μm堆積させ、初期段差0.5μmのパターン付きウェハを作製した。このウェハを前述条件にて研磨を行い、研磨後、各段差を測定し平坦化特性を評価した。平坦化特性としては2つの段差を測定した。一つはローカル段差であり、これは幅270μmのラインが30μmのスペースで並んだパターンにおける段差であり、1分後の段差を測定した。もう一つは削れ量であり、幅270μmのラインが30μmのスペースで並んだパターンと幅30μmのラインが270μmのスペースで並んだパターンにおいて、上記の2種のパターンのライン上部の段差が2000Å以下になるときの270μmのスペースの削れ量を測定した。ローカル段差の数値が低いとウェハ上のパターン依存により発生した酸化膜の凹凸に対し、ある時間において平坦になる速度が速いことを示す。また、スペースの削れ量が少ないと削れて欲しくない部分の削れ量が少なく平坦性が高いことを示す。
また、面内均一性は、ウエハの任意25点の膜厚測定値より下記式により算出した。なお、面内均一性の値が小さいほどウエハ表面の均一性が高いことを表す。
Figure 0004563025
研磨シートの作製
フッ素コーティングした反応容器内に、フィルタリングしたポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)100重量部,及びフィルタリングしたシリコーン系ノニオン界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製、SH192)3重量部を混合し、温度を80℃に調整した。フッ素コーティングした撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融し、フィルタリングした4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)26重量部を添加した。その後、約1分間撹拌を続けてフッ素コーティングしたパン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行いポリウレタン樹脂発泡体ブロックを得た。このポリウレタン樹脂発泡体ブロックをバンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を用いてスライスし、ポリウレタン樹脂発泡体シートを得た。次にこのシートをバフ機(アミテック社製)を使用して、所定の厚さに表面バフをし、厚み精度を整えたシートとした(シート厚み:1.27mm)。このバフ処理をしたシートを所定の直径(60cm)に打ち抜き、作製した研磨領域の各物性は、平均気泡径45μm、比重0.86g/cm3 、アスカーD硬度53度、圧縮率1.0%、圧縮回復率65.0%、貯蔵弾性率275MPaであった。
得られた直径60cmの研磨シートの表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いてシートの中心から半径25mmの位置から半径180mmの位置まで、溝幅0.25mm、溝深度0.4mmの円弧状の内径溝を24本加工作製し、シートの中心から半径120mmの位置から半径295mmの位置まで、溝幅0.25mm、溝深度0.4mm、の円弧状の外径溝を24本加工作製した(図1参照)。
次に表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を前記作製した両面テープ付き研磨シートの粘着面に、ラミ機を用いて貼り合わせた。さらにクッション層表面に両面テープを貼り合わせ研磨パッドを製造した。
表1に研磨特性を示すが、研磨特性、平坦化特性とも良好な値を示し、更に、均一性は3%と極めて良い結果となった。
得られた直径60cmの研磨シートの表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いてシートの中心から半径30mmの位置から半径150mmの位置まで、溝幅0.3mm、溝深度0.4mm、の直線状の内径溝を24本加工作製し、シートの中心から半径150mmの位置から半径300mmの位置まで、溝幅0.25mm、溝深度0.4mm、の直線状の外径溝を24本加工作製した(図2参照)。内径溝と外径溝は20度の角度を形成するものとした。
次に表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を前記作製した両面テープ付き研磨シートの粘着面に、ラミ機を用いて貼り合わせた。さらにクッション層表面に両面テープを貼り合わせ研磨パッドを製造した。
表1に研磨特性を示すが、研磨特性、平坦化特性とも良好な値を示し、更に、均一性は4%と極めて良い結果となった。
得られた直径60cmの研磨シートの表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いてシートの中心から半径25mmの位置から半径145mmの位置まで、溝幅0.3mm、溝深度0.6mm、の長さ60mm位置で20度の角度で折れ曲がった折れ線状の内径溝を24本加工作製し、シートの中心から半径150mmの位置から半径295mmの位置まで、溝幅0.25mm、溝深度0.4mm、の長さ72mm位置で20度の角度で折れ曲がった折れ線状の外径溝を24本加工作製した(図3参照)。内径溝と外径溝の近接直線部は20度の角度を形成するものとした。
次に表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を前記作製した両面テープ付き研磨シートの粘着面に、ラミ機を用いて貼り合わせた。さらにクッション層表面に両面テープを貼り合わせ研磨パッドを製造した。
表1に研磨特性を示すが、研磨特性、平坦化特性とも良好な値を示し、更に、均一性は3%と極めて良い結果となった。
比較例1
得られた直径60cmの研磨シートの表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて一般的に用いられる同心円状の複数の溝(溝幅0.25mm溝ピッチ1.5mm溝深さ0.4mm)を施した。
次に表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を前記作製した両面テープ付き研磨シートの粘着面に、ラミ機を用いて貼り合わせた。さらにクッション層表面に両面テープを貼り合わせた。
表1に研磨特性を示すが、研磨特性、平坦化特性とも良好な値を示したが、均一性は8%とやや劣る結果となった。
比較例2
得られた直径60cmの研磨シートの表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて一般的に用いられる格子状の複数の溝(溝幅2mm溝ピッチ15mm溝深さ0.4mm)を施した。
次に表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を前記作製した両面テープ付き研磨シートの粘着面に、ラミ機を用いて貼り合わせた。さらにクッション層表面に両面テープを貼り合わせた。
表1に研磨特性を示すが、研磨特性、平坦化特性とも良好な値を示したが、均一性は7%とやや劣る結果となった。
比較例3
得られた直径60cmの研磨シートの表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて一般的に用いられる複数のパーフォレーション(穴径1.6mm穴ピッチ5mm)を施した。次に表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を前記作製した両面テープ付き研磨シートの粘着面に、ラミ機を用いて貼り合わせた。さらにクッション層表面に両面テープを貼り合わせた。
表1に研磨特性を示すが、研磨特性、平坦化特性とも良好な値を示したが、均一性は9%とやや劣る結果となった。
Figure 0004563025
本発明の一実施態様である研磨パッドの平面図である。 本発明の一実施態様である研磨パッドの平面図である。 本発明の一実施態様である研磨パッドの平面図である。
符号の説明
1…研磨パッド、
10…内径溝、
20…外径溝。

Claims (6)

  1. 円形研磨パッドの中心部から半径の1/3〜2/3の領域まで伸長された内径溝と、円形研磨パッドの外周部から半径の1/3〜2/3の領域まで伸長された外径溝とを、研磨面に有し、該内径溝と該外径溝とは相互に連通しておらず、独立しており、該内径溝及び外径溝が共に弓状又は円弧状であり、湾曲方向が互いに逆になっているCMP用研磨パッド。
  2. 前記外径溝が、研磨パッドの外周部から半径の1/3〜2/3の領域まで伸長されており、その方向は研磨パッドの中心方向を基準にして、回転方向とは逆向きである請求項1記載のCMP用研磨パッド。
  3. 前記内径溝及び外径溝が規則的に複数設けられている請求項1又は2記載のCMP用研磨パッド。
  4. 前記内径溝及び外径溝がそれぞれ独立して直線状、折れ線状、弓状又は円弧状からなる群から選択される形状である請求項1〜3のいずれか記載のCMP用研磨パッド。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載のCMP用研磨パッドを研磨装置のプラテンに固定する工程;
    被研磨体を研磨パッドの研磨面に対面するように研磨装置の支持台に固定する工程;
    研磨パッドの研磨面において、研磨パッドの半径の1/3〜2/3の領域が被研磨体の中心部に当るように、被研磨体を研磨パッドの研磨面に接触させる工程;
    研磨スラリーを供給しながら研磨を行う工程;
    を包含する研磨方法。
  6. 被研磨体が半導体ウェハである請求項5記載の研磨方法。
JP2003423181A 2003-12-19 2003-12-19 Cmp用研磨パッド、及びそれを用いた研磨方法 Expired - Lifetime JP4563025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003423181A JP4563025B2 (ja) 2003-12-19 2003-12-19 Cmp用研磨パッド、及びそれを用いた研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003423181A JP4563025B2 (ja) 2003-12-19 2003-12-19 Cmp用研磨パッド、及びそれを用いた研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005183708A JP2005183708A (ja) 2005-07-07
JP4563025B2 true JP4563025B2 (ja) 2010-10-13

Family

ID=34783799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003423181A Expired - Lifetime JP4563025B2 (ja) 2003-12-19 2003-12-19 Cmp用研磨パッド、及びそれを用いた研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4563025B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210145317A (ko) * 2013-10-18 2021-12-01 씨엠씨 머티리얼즈, 인코포레이티드 오프셋된 동심인 홈 패턴의 에지 제외 영역을 갖는 cmp 연마 패드

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7125318B2 (en) * 2003-11-13 2006-10-24 Rohm And Haas Electronic Materials Cmp Holdings, Inc. Polishing pad having a groove arrangement for reducing slurry consumption
US6958002B1 (en) * 2004-07-19 2005-10-25 Rohm And Haas Electronic Materials Cmp Holdings, Inc. Polishing pad with flow modifying groove network
US7059949B1 (en) * 2004-12-14 2006-06-13 Rohm And Haas Electronic Materials Cmp Holdings, Inc. CMP pad having an overlapping stepped groove arrangement
US7131895B2 (en) * 2005-01-13 2006-11-07 Rohm And Haas Electronic Materials Cmp Holdings, Inc. CMP pad having a radially alternating groove segment configuration
JP2007214379A (ja) * 2006-02-09 2007-08-23 Nec Electronics Corp 研磨パッド
JP4909706B2 (ja) * 2006-10-24 2012-04-04 東洋ゴム工業株式会社 研磨パッド
JP5100241B2 (ja) * 2007-08-01 2012-12-19 東洋ゴム工業株式会社 研磨パッド及びその製造方法
JP5635194B2 (ja) 2010-09-15 2014-12-03 エルジー・ケム・リミテッド Cmp用研磨パッド
JP5936921B2 (ja) * 2012-05-31 2016-06-22 富士紡ホールディングス株式会社 研磨パッド
CN105856063B (zh) * 2016-04-22 2017-09-15 南京航空航天大学 抛光液均匀流动的抛光垫
KR20210116759A (ko) 2020-03-13 2021-09-28 삼성전자주식회사 Cmp 패드 및 이를 구비하는 화학적 기계적 연마 장치
WO2023013576A1 (ja) * 2021-08-04 2023-02-09 株式会社クラレ 研磨パッド
CN113910101B (zh) * 2021-09-03 2023-01-31 广东粤港澳大湾区黄埔材料研究院 一种抛光垫
CN114274043B (zh) * 2021-12-29 2023-02-24 湖北鼎汇微电子材料有限公司 一种抛光垫

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001291687A (ja) * 1999-12-13 2001-10-19 Applied Materials Inc 研磨装置の領域にスラリを制御して送出する装置および方法
JP2003209077A (ja) * 2002-01-15 2003-07-25 Mitsubishi Electric Corp Cmp装置及び半導体装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001291687A (ja) * 1999-12-13 2001-10-19 Applied Materials Inc 研磨装置の領域にスラリを制御して送出する装置および方法
JP2003209077A (ja) * 2002-01-15 2003-07-25 Mitsubishi Electric Corp Cmp装置及び半導体装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210145317A (ko) * 2013-10-18 2021-12-01 씨엠씨 머티리얼즈, 인코포레이티드 오프셋된 동심인 홈 패턴의 에지 제외 영역을 갖는 cmp 연마 패드
KR102463344B1 (ko) 2013-10-18 2022-11-04 씨엠씨 머티리얼즈, 인코포레이티드 오프셋된 동심인 홈 패턴의 에지 제외 영역을 갖는 cmp 연마 패드

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005183708A (ja) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4884726B2 (ja) 積層研磨パッドの製造方法
JP3754436B2 (ja) 研磨パッドおよびそれを使用する半導体デバイスの製造方法
WO2006123463A1 (ja) 研磨パッド、その製造方法およびそれを用いた半導体デバイスの製造方法
WO2011118419A1 (ja) 積層研磨パッド
JP4563025B2 (ja) Cmp用研磨パッド、及びそれを用いた研磨方法
JP4909706B2 (ja) 研磨パッド
JP5288715B2 (ja) 研磨パッド
JP3452265B1 (ja) 研磨シート用高分子材料、研磨シート、及び研磨パッド
JP4859093B2 (ja) 積層研磨パッド及びその製造方法
JP4744087B2 (ja) 研磨パッド及び半導体デバイスの製造方法
JP4149231B2 (ja) 研磨パッドの製造方法及び研磨パッド
JP4237800B2 (ja) 研磨パッド
JP3547737B1 (ja) 研磨シートの製造方法、研磨シート、及び研磨パッド
JP4621014B2 (ja) 研磨パッドおよび半導体デバイスの製造方法
JP5048107B2 (ja) 研磨パッド
JP2006186239A (ja) 研磨パッドおよび半導体デバイスの製造方法
JP2007210236A (ja) 積層研磨パッド
JP2006346805A (ja) 積層研磨パッド
JP2006346804A (ja) 積層研磨パッドの製造方法
JP4979200B2 (ja) 研磨パッド
JP2005183785A (ja) 研磨パッド及び半導体デバイスの製造方法
JP5147094B2 (ja) 研磨シート用高分子材料、研磨シート及び研磨パッド
JP4128607B2 (ja) 研磨パッド
JP2007015058A (ja) 長尺研磨パッドの製造方法
JP5222320B2 (ja) 研磨パッド及び半導体デバイスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100629

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100728

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4563025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

EXPY Cancellation because of completion of term