JP2018122426A - 研磨パッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨効率に優れたエポキシ樹脂を主成分とする樹脂を硬化させた基材または不織布、織布、メッシュ、植毛等繊維からなる組成物にエポキシ樹脂が含まれる樹脂を含浸、硬化させた基材を有する研磨パッドの製造方法を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂を主成分とする樹脂を硬化させた基材または繊維からなる組成物にエポキシ樹脂が含まれる樹脂を含浸、硬化させた基材を有し、工作物との間に研磨材を含有するスラリーを供給しながら工具基準面に沿って前記工作物を相対的に移動させて工作物を研磨する研磨パッドの製造方法であって、前記基材を形成するエポキシ樹脂がエポキシ当量150〜300で反応性希釈剤を含まないビスフェノールA型またはビスフェノールF型の主剤を硬化剤を使用せずルイス酸等のカチオン重合触媒を用いて硬化させるか、硬化剤を使用する場合は活性水素当量(アミン当量)が200〜500であるアミン系化合物を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、工作物との間に研磨材を含有するスラリーを供給しながら前記工作物を工具基準面に沿って相対的に移動させて工作物を研磨する研磨パッドの製造方法に関するものである。
従来、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板、アルミ基板等の高度な平滑度及び形状精度が要求される被研磨物では、工作物との間に研磨材を含有するスラリーを供給しながら前記工作物を工具基準面に沿って相対的に移動させて工作物を研磨する研磨パッドを用いた研磨加工が行われている。
これらの研磨加工を行うために用いる研磨パッドとしては、例えば、ウレタン樹脂製の多孔質研磨パッド、繊維を絡合して構成した織布タイプあるいは不織布タイプの繊維基材にポリウレタン樹脂を含浸して硬化させたウレタン含浸不織布タイプの研磨パッド(例えば、特許文献1参照)、繊維により構成される不織布や樹脂フィルムからなる基材上にウレタン樹脂溶液を塗布し、これを凝固処理して多数の気泡を有する多孔質の銀面層を形成し、該銀面層の表面を研削して多孔質の研磨層であるナップ層を形成したスエードタイプの研磨パッド(例えば、特許文献2参照)、メッシュ状の繊維を1層あるいは複数層重ねた基材にウレタン樹脂を含浸したメッシュタイプの研磨パッド、織布の基材に短い繊維を植毛しこれにウレタン樹脂を含浸した植毛タイプの研磨パッド等がこれまで用いられているが、特許文献1のように不織布の繊維基材にポリウレタン樹脂を含浸して硬化させた不織布タイプの研磨パッドや特許文献2のように繊維基材上にウレタン樹脂で形成されるナップ層を設けたスエードタイプの研磨パッド等の従来の研磨パッドは必ずしも研磨能率が高いとはいえなかった。また、被研磨物としてレンズ等の光学ガラスや液晶ディスプレイ用ガラス基板の表面を研磨する際には、研磨能率を上げるために研磨材として酸化セリウムが主に使用されているが、セリウムのようなレアアース(希少金属)は、特定産出国への依存度が高いため、使用量を軽減させることが求められていた。
そこで、ウレタン樹脂よりも水溶性スラリーに対して親和性が高いエポキシ樹脂により形成した多孔質研磨パッドや基材上にエポキシ樹脂を塗布して研磨剤(砥粒)に対する保持力を高めることにより研磨能率を向上させる研磨パッドが提示されている(例えば、特許文献3および特許文献4)。
特開平10−249737号公報 特開2010−149259号公報 特開2012−101298号公報 特開2012−121115号公報
しかしながら、このような研磨パッドの分野では、研磨時間を短縮して製造効率を高めるために、更なる研磨特性の向上が求められている。また半導体基板などでは工業的に求められる平滑度もオングストロームオーダの高いレベルのものとなっている。
そこで、本発明は、更に研磨効率に優れたエポキシ樹脂を主成分とする樹脂を硬化させた基材または不織布、織布、メッシュ、植毛等繊維からなる組成物にエポキシ樹脂が含まれる樹脂を含浸、硬化させた基材を有する研磨パッドの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた本発明は、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂を硬化させた基材または繊維からなる組成物にエポキシ樹脂が含まれる樹脂を含浸、硬化させた基材を有し、工作物との間に研磨材を含有するスラリーを供給しながら工具基準面に沿って前記工作物を相対的に移動させて工作物を研磨する研磨パッドの製造方法であって、前記基材を形成するエポキシ樹脂がエポキシ当量150〜300で反応性希釈剤を含まないビスフェノールA型またはビスフェノールF型の主剤を硬化剤を使用せずルイス酸等のカチオン重合触媒を用いて硬化させるか、硬化剤を使用する場合は活性水素当量(アミン当量)が200〜500であるアミン系化合物を用いることを特徴とする。触媒反応を遅くする場合にはルイス酸のアミン錯体を使用する。
エポキシ樹脂の主剤を2種類以上使用する場合には、一方が上記の種類の主剤であり、他方が同じビスフェノールA型またはビスフェノールF型の主剤であっても、そのエポキシ当量が150以下あるいは300以上のもので、その混合割合はエポキシ当量が150〜300のものが6割以上となることが望ましい。また他方のエポキシ樹脂の主剤としてビスフェノールA型またはビスフェノールF型以外のノボラック型、脂肪族型、グリシジルアミン型を用いる場合も、その混合割合はビスフェノールA型またはビスフェノールF型のものが6割以上となることが望ましい。
また、本発明において、前記エポキシ樹脂を主成分とする樹脂に他の種類の樹脂を混合させる場合にはその混合される樹脂がウレタン樹脂であって、そのウレタン樹脂の主剤がMOCA配合量10〜30phrのエーテル系ポリウレタンであるとよく、更に、前記エポキシ樹脂を主成分とする樹脂に混合される樹脂がウレタン樹脂であってエポキシ樹脂とウレタン樹脂の割合が1:1〜4:1の範囲にあると好ましい。
本発明によると、従来のエポキシ樹脂を主成分とする樹脂を硬化させた基材を有する研磨パッドに比べて水系のスラリーとの親和性が高まり、研磨パッド上のスラリー保持を効果的に作用させ、研磨に寄与する研磨剤(砥粒)が増加することにより研磨特性が大きく向上する極めて研磨効率に優れた研磨パッドの製造方法を提供することができる。研磨能率に関していえば、従来のエポキシ樹脂研磨パッドでは市販のウレタン樹脂研磨パッドの2倍程度の研磨能率が限界であったが、本発明で提案するエポキシ樹脂を使用すれば、3〜4倍の研磨能率を実現できる。
特にエポキシ樹脂を主成分としてウレタン樹脂のようなエポキシ樹脂より親水性が劣る樹脂を混合する場合には、親水性に劣る樹脂の部分で砥粒との滑りを増すため、親水性に優れる樹脂の部分よりも摩耗し、研磨パッド表面に10〜100μm程度の微細な凹凸が生じる。この凹みの内壁は親水性に劣る樹脂であるため、この部分から砥粒が追い出され加工域に供給される砥粒の掃き出し作用が活性化して、作用砥粒数を増加させることで、研磨能率を増加させ、かつ仕上げ面粗さをよくし、研磨特性を向上させる。このため、従来の単一の樹脂主剤で製作されたエポキシ樹脂研磨パッドより研磨特性が向上する。
また、親水性の異なる2種類以上のエポキシ樹脂主剤を使用した研磨パッドは、従来のエポキシ樹脂とウレタン樹脂を混合して製作した研磨パッドよりも、樹脂同士の密着性に優れるため、ウレタン樹脂とエポキシ樹脂の界面で摩耗が促進するということがなくなり、従来よりも寿命の長い研磨パッドを作製することが可能となる。
更に、カチオン重合触媒を用いてエポキシ樹脂主剤のみで硬化させた研磨パッドの場合は従来の硬化剤を使用した研磨パッドよりも親水基の間隔が狭くなり、より強い親水性を発現する。このため砥粒の保持性能が増し、従来のエポキシ樹脂研磨パッドより研磨特性が向上する。
本発明により製造される研磨パッドの実施の形態を示す斜視図。 本発明により製造される異なる研磨パッドの実施の形態を示す斜視図。 実施例1及び比較例についての樹脂の種類と仕上げ面粗さの関係図。 実施例2及び比較例についての樹脂の種類と仕上げ面粗さの関係図。 実施例3における硬化剤の活性水素当量と仕上げ面粗さの関係図。 実施例4における硬化剤及び比較例の硬化剤と仕上げ面粗さの関係図。 実施例5における主剤中の水分量と仕上げ面粗さの関係図。 実施例6における混合する樹脂のMOCA配合量と仕上げ面粗さの関係図。 実施例7におけるエポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合割合と仕上げ面粗さの関係図。
次に、本発明である研磨パッドの製造方法について、その一例である基材としてエポキシ樹脂製の研磨パッドを用いた実施の形態に基づき説明する。
図1は本発明である製造方法により製造される回転式の研磨台に取り付けられて使用される多孔質研磨パッドの好ましい実施の形態を示すもので、符号1は研磨パッド、符号2は薄形円柱形の多孔質体である基材、符号3は基材2に形成された直径が0.001〜0.003mmの気孔である。基材2として熱硬化性エポキシ樹脂と、硬化剤および気孔形成剤を加え金型内で硬化させた後、離型し、室温で二次乾燥し、その後、所定厚にスライスして製品にする。
特に、本実施の形態では、基材2はエポキシ当量150〜300の反応性希釈剤を含まないエポキシ樹脂の主剤を用いることが好ましい。これを硬化させる場合にカチオン重合触媒を用いて硬化させる場合には硬化剤は不要であるが、硬化剤を用いる場合には活性水素当量(アミン当量)が200〜500である硬化剤を用いることが好ましい。研磨パッドとしては無気孔のものもまれに使用されるが、無気孔のものは加工域への砥粒の侵入が悪く、非常に扱いにくい。微小うねりの発生を嫌う最終仕上げ工程に適用される。気孔の形成には化学発泡剤やバルーン発泡剤を添加することで行われる。一般にバルーン発泡剤のほうが小径の気孔を形成することができる。
エポキシ樹脂の主剤のエポキシ当量が小さいほど、主剤の粘度は低下して使用しやすくなり、かつ親水基のエポキシ基の間隔が短くなり、研磨パッドの親水性が強くなり、親水性砥粒を保持しやすくなるが、エポキシ当量が150以下になると基材2の硬度が高くなりすぎて研磨時に加工圧が作用しても研磨パッドが変形しないため工作物との接触面積が減るため研磨特性が低下する。一方、主剤のエポキシ当量が300以上になるとエポキシ基の間隔が広くなり親水性が低下して砥粒の保持が悪くなって研磨特性が低下するばかりか主剤が高粘度となり、扱いにくくなる。
また、使用する主剤となるエポキシ樹脂は揮発しない反応性希釈剤を含まないビスフェノールA型またはビスフェノールF型が好ましい。ビスフェノールA型またはビスフェノールF型は脂肪族型などの他のタイプのエポキシ樹脂と異なり分子が整列して硬化することにより親水基の間隔が狭くなって親水性が高まり研磨パッドの研磨特性が向上する。揮発しない反応性希釈剤を含んでいる場合には、希釈剤が硬化後も研磨パッド中に残留するため、その希釈剤の存在が親水基であるエポキシ基の間隔を広げることになり、研磨特性が悪化する。
基本的に親水基の少ない硬化剤を使用すると親水基であるエポキシ基の間隔を広げることになり研磨特性を低下させることになるので好ましくない。そのためカチオン重合触媒を使用して硬化することが望ましい。硬化剤を使用する場合には硬化剤としては活性水素当量(アミン当量)が200〜500である硬化剤を用いることが好ましい。活性水素当量の小さいものは親水基の間隔が狭く本来好ましいが、活性水素当量が小さくなるほど硬化物の硬度は高くなり、上述のように硬化した研磨パッドの硬度が高くなり研磨時にも変形しないため工作物との接触面積が減り研磨特性が低下する。基材2であるエポキシ樹脂としてエポキシ当量150〜300の揮発しない反応性希釈剤を含まないエポキシ樹脂を用い、硬化剤として活性水素当量(アミン当量)が200〜500のものを用いることで適度の硬度を有する研磨パッドを形成することができる。硬化剤の活性水素当量が200以下の場合は硬度の高い研磨パッドとなり、研磨時にも変形しないため工作物との接触面積が減り研磨特性が低下する。硬化剤の活性水素当量が500以下の場合は研磨パッドの硬度が低くなりすぎて、研磨パッドが工作物に密着してスラリーが間に侵入しにくくなり研磨能率が低下する。また、硬化剤の活性水素当量が500以上の場合は親水基の間隔が広くなりすぎて研磨パッドの親水性が低下して、やはり研磨能率が悪くなる。活性水素当量が200〜500の適当な硬化剤がない場合には複数の硬化剤を使用して、その平均値がこの範囲に存在するようにすることが望まれる。
尚、具体的なエポキシ樹脂主剤としては、たとえば特許文献3に示されている三菱化学株式会社製のjER834(ビスフェノールA型、エポキシ当量230〜270、粘度P−U(4)ガードナーホルト、常温で半固形状であるため扱いにくい)、jER811(ビスフェノールA型、エポキシ当量181〜191、粘度9〜13(P/25℃)、常温で液状)、jER825(ビスフェノールA型、エポキシ当量90〜110、粘度40〜70(P/25℃)、常温で液状)、jER827(ビスフェノールA型、エポキシ当量170〜180、粘度90〜100(P/25℃)、常温で液状)、jER828(ビスフェノールA型、エポキシ当量184〜194、粘度120〜150(P/25℃)、常温で液状)、ADEKA製のEP−4100(ビスフェノールA型、エポキシ当量190、粘度13(P/25℃)、常温で液状)、EP−4400(ビスフェノールA型、エポキシ当量200、粘度120〜150(P/25℃)、常温で液状)、EP−4520S(ビスフェノールA型、エポキシ当量200、常温で液状)、EP−4901(ビスフェノールF型、エポキシ当量170、粘度1(P/25℃)、常温で液状)などを用いることができる。主剤に含まれる水分は硬化の際に親水性を低下させるため、水分を含んでいる場合には揮発性の溶剤で置換するか、主剤を使用前に乾燥し除去することが望ましい。「jER」は登録商標。
具体的なカチオン重合触媒としてはルイス酸等を含む従来周知の物質を用いることができ、たとえば三新化学製のカチオン重合開始剤サンエイドSI80Lあるいは100L等の液状のものを用いることができる。
具体的な硬化剤としては、例えばHuntsman社製D800(活性水素当量210)やD1200(活性水素当量290)、三菱樹脂製のFL51(活性水素当量245〜285)やFL052(活性水素当量216〜236)を用いることができる。Huntsman社製のD230(活性水素当量60)とD2000(活性水素当量514)を混合して平均の活性水素当量を200〜500の範囲にすることもできる。
また、上記エポキシ当量が150〜300の範囲にあるビスフェノールA型あるいはF型のエポキシ樹脂主剤に対して、エポキシ当量が範囲外の三菱樹脂製jER10001(ビスフェノールA型、エポキシ当量450〜500、常温で高粘度液状)などを混合したり、三菱樹脂製YED216M(反応性希釈剤、エポキシ当量140〜160)やADEKA製EP−4000(鎖状・脂環式、エポキシ当量320)、DIC製HP−4700(ナフタレン型、エポキシ当量160〜170)などの他のタイプのエポキシ樹脂を混合して使用することもできるが、いずれの場合もエポキシ当量が150〜300の範囲にあるビスフェノールA型あるいはF型のエポキシ樹脂主剤の割合が6割以上になることが望ましい。
また、本発明は前記エポキシ樹脂単独でなくエポキシ樹脂を含む混合樹脂においても良好な研磨パッドを製造することができ、混合する樹脂として可撓性の高いウレタン樹脂やナイロン樹脂が選択される。
特に、繊維からなる組成物を含まない研磨パッドの場合は、ウレタン樹脂の主剤がMOCA配合量10〜30phrのエーテル系ポリウレタンであるとよく、エポキシ樹脂とウレタン樹脂の割合が1:1〜4:1の範囲にあるとよい。
エーテル系のウレタン樹脂はエステル系やカルボキシル基系のウレタン樹脂に比べて親水性に優れるためエポキシ樹脂との親和性がよく、相溶性に優れた均質な研磨パッドを得ることができる。エーテル系のウレタン樹脂の主剤としては、例えば三井化学製U51(PPG系、MOCA配合量22phr)やU62(PPG系、MOCA配合量12phr)、L213(PTMEG系、MOCA配合量28phr)などが挙げられる。エステル系やカルボキシル基系のウレタン樹脂をエポキシ樹脂と混合すると相溶性が悪いため、微細な海島構造を形成し、このことにより研磨特性が悪化するとともに研磨パッドの摩耗を早める。相溶化剤を加えて相分離を防ぐことができるが、相溶化剤の添加が研磨パッドの親水基の間隔を広げ親水性の低い研磨パッドとなり、研磨特性を劣化させる。
また、エポキシ樹脂とウレタン樹脂の割合が1:1〜4:1の範囲にあると砥粒の保持が良好で、親水性に劣るウレタン樹脂の部分で砥粒の滑りが発生するためウレタン樹脂が優先的に摩耗し、この凹みからの砥粒の掃き出し作用が活発に生じ、作用砥粒数が増加して優れた研磨特性を発揮することができる。ウレタン樹脂の割合がエポキシ樹脂より増えると、研磨パッドの親水性が低下して研磨特性が悪くなる。一方エポキシ樹脂が多くなりすぎると、砥粒の掃き出し作用が悪くなり作用砥粒数を減少させ研磨特性を悪化させる。
図2は本発明の異なる実施の形態2より製造される研磨パッドを示すものであり、符号1は研磨パッド、符号2は薄形円柱形の基材、符号4は不織布であり、不織布4にエポキシ樹脂を硬化成形できる硬化剤であるアミド系硬化剤の混合物を用いて含浸・硬化させたものである。
更に詳しく説明すると、本実施の形態は、例えばポリエステル繊維やナイロン繊維、好ましくはナイロン繊維により形成される不織布4にエポキシ樹脂と硬化剤の混合物を含浸させて硬化させて製造するが、これに限定されるものではなく、従来公知の種々の方法を用いることができる。
本実施の形態についても、前記図1に示した研磨パッドを製造する際のエポキシ樹脂、硬化剤、混合樹脂などについての性状等について同様に適用することができるものである。
エポキシ樹脂の主剤と硬化剤を当量配合で混合し、これに所定の密度(0.4〜0.6)になるようにバルーン発泡剤を添加して、混合物を金型に流し込んだ後、100〜150℃に2時間保持して金型内で硬化させた。前記jER834のように主剤や硬化剤の粘度が高い場合には、あらかじめこれを60〜100℃に予熱して粘度を低下させた後混合した。硬化後金型から離型し、その後所定厚にスライスして多孔質研磨パッドの製品にする。
基材に不織布や織布、植毛等を使用する場合には、当量配合したエポキシ樹脂の主剤と硬化剤を基材に対して所定の割合で含浸させ、それを電気炉内で100〜150℃に保持して含侵した樹脂を硬化させ、製品とする。
実施例1では硬化剤を三菱樹脂製FL052に固定し、複数のタイプの各種のエポキシ当量を持つ三菱樹脂製、ADEKA製、DIC製の主剤と混合し、これにバルーン発泡剤を加え、密度0.6のエポキシ樹脂多孔質研磨パッドを作成し、これを用いてソーダガラス、サファイア、SiC(シリコンカーバイド)など硬脆材料の片面研磨を行った。ソーダガラスの場合は砥粒として酸化セリウムを、サファイアやSiCの場合は砥粒としてコロイダルシリカを用いた。[表1]に基本的な研磨条件を示す。
Figure 2018122426
図3はその際得られた研磨能率を同条件で得られたニッタハース製のウレタン樹脂多孔質研磨パッドIC1000の研磨能率により正規化してプロットしたものである。主剤であるエポキシ樹脂のタイプとしてはビスフェノールA型、ビスフェノールF型、その他のもの(鎖状・脂環式)を使用した。ビスフェノールA型およびビスフェノールF型のものはその他のもの(鎖状・脂環式)に比較して研磨能率が高く、特に、ビスフェノールA型およびビスフェノールF型であってもエポキシ当量が150〜300の範囲にあるものが優れていることが確認された。
上記段落〔0022〕に示した三菱化学株式会社製のjER834、jER811、jER825、jER827、jER828、ADEKA製のEP−4100、EP−4400、EP−4520S、EP−4901などを用いる場合に特に効果があった。
硬化剤を三菱樹脂製FL052に固定し、複数のタイプの各種のエポキシ当量を持つ三菱樹脂製、ADEKA製、DIC製の主剤と混合し、この混合物を密度0.186g/cm、厚み2.035mmのポリエステル繊維の不織布に含浸させ、120℃で2時間電気炉の中で硬化させた。主剤としては実施例1と同一のものを使用した。
図4は本実施例2の不織布研磨パッドでサファイアを研磨することで求めた研磨能率を、その他の型の主剤の結果とともにニッタハース製のウレタン樹脂不織布研磨パッドSUBA800の研磨能率で正規化したものである。実験点数は少ないが、この場合もビスフェノールA型のエポキシ当量200〜300のものが優れていることが分かる。
エポキシ樹脂主剤を三菱樹脂製jER834に固定し、種々の活性水素当量を持つ三菱樹脂製、T&K TOKA製、Huntsman製の硬化剤と混合し、これにバルーン発泡剤を添加して密度0.6のエポキシ樹脂多孔質研磨パッドを製作した。
図5に実施例3の研磨パッドを用いて砥粒に酸化セリウムを使用してソーダガラスの研磨を行った際の研磨能率をニッタハース製のウレタン樹脂多孔質研磨パッドIC1000の研磨能率により正規化してプロットしたものである(2種類の硬化剤を使用した場合にはその平均値の値でプロットしている)。図5から硬化剤の活性水素当量が200〜500の範囲の時に高い研磨能率を示していることが分かる。効果のあったものは段落〔0024〕に示したHuntsman社製D800、三菱樹脂製のFL51やFL052、Huntsman社製のD230とD2000の混合物である。
エポキシ樹脂主剤を三菱樹脂製jER834に固定し、硬化剤としてアミン系硬化剤Huntsman製D230とD2000を7:3で混合した硬化剤を使用した場合、アミド系硬化剤T&K TOKA製245SとHuntsman製D2000を7.3で混合した硬化剤を使用した場合、硬化剤を用いず、カチオン重合触媒の三新化学製サンエイドSI100Lを用いて、バルーン発泡剤により密度0.6のエポキシ樹脂多孔質研磨パッドを作成した。
この実施例4を用いて砥粒に酸化セリウムを使用してソーダガラスの片面研磨を行った際の研磨能率をニッタハース製のウレタン樹脂多孔質研磨パッドIC1000の研磨能率により正規化してプロットしたものを図6に示す。
アミン系硬化剤よりはアミド系硬化剤を用いた場合が優れ、さらに硬化剤を用いずに硬化させた場合に最も高い研磨能率が得られることが分かる。
主剤中の水分量の異なるエポキシ樹脂主剤を用いて、硬化剤としては三菱樹脂製FL052に固定し、バルーン発泡剤により密度0.6のエポキシ樹脂多孔質研磨パッドを製作した。水分量の少ない三菱樹脂製主剤834×90やADEK製EP−452Sが優れていた。水分の多い三菱樹脂製主剤jER828のような場合は乾燥工程を付加して水分を減少させることで効果が出ることを確認している。
この実施例5の研磨パッドを用いて砥粒に酸化セリウムを使用してソーダガラスの片面研磨を行った際の研磨能率をニッタハース製のウレタン樹脂多孔質研磨パッドIC1000の研磨能率により正規化してプロットしたものを図7に示す。
図7から主剤中の水分量が増えるほど研磨能率が低下することが分かる。
エポキシ樹脂の主剤をADEKA製EP−4520Sに、エポキシ樹脂の硬化剤としては三菱樹脂製FL052に固定し、これにウレタン樹脂をエポキシ樹脂7に対して3の割合で混合してバルーン発泡剤により密度0.6の多孔質研磨パッドを作成した。ウレタン樹脂硬化剤にはイハラケミカル工業製イハラキュアミンMT(4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)を使用した。
図8に実施例6の研磨パッドで砥粒に酸化セリウムを使用してソーダガラスの片面研磨を行った際の研磨能率をニッタハース製のウレタン樹脂多孔質研磨パッドIC1000の研磨能率により正規化してプロットしたものを示す。
図8からエーテル系ウレタン樹脂がカルボキシル系ウレタン樹脂やエステル系ウレタン樹脂に比較して優れていること、また、MOCA配合量としては10〜30phrのものが望ましいことが分かる。
エポキシ樹脂の主剤をADEKA製EP−4520Sに、エポキシ樹脂の硬化剤としては三菱樹脂製FL052に固定し、これに混合するウレタン樹脂主剤のMOCA配合量を12(三井化学製U62)としてバルーン発泡剤により密度0.6の多孔質研磨パッドを形成した。
この実施例7の研磨パッドを用いて砥粒に酸化セリウムを使用してソーダガラスの片面研磨を行った際の、エポキシ樹脂とウレタン樹脂の混合割合を変化させた時の研磨能率をニッタハース製のウレタン樹脂多孔質研磨パッドIC1000の研磨能率により正規化してプロットしたものを図9に示す。
図9からエポキシ樹脂とウレタン樹脂の割合を1:1〜4:1にした際にIC1000に勝る研磨能率となっており、2:1〜3:1の時に非常に高いIC1000の2倍程度の研磨能率となっている。
1 研磨パッド、2 基材、3 気孔、4 不織布

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂を主成分とする樹脂を硬化させた基材または繊維からなる組成物にエポキシ樹脂が含まれる樹脂を含浸、硬化させた基材を有し、工作物との間に研磨材を含有するスラリーを供給しながら前記工作物を相対的に移動させて工作物を研磨する研磨パッドの製造方法であって、
    前記基材を形成するエポキシ樹脂の主剤がエポキシ当量150〜300で反応性希釈剤を含まないビスフェノールA型またはビスフェノールF型であってカチオン重合触媒により硬化させることを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  2. エポキシ樹脂を主成分とする樹脂を硬化させた基材または繊維からなる組成物にエポキシ樹脂が含まれる樹脂を含浸、硬化させた基材を有し、工作物との間に研磨材を含有するスラリーを供給しながら前記工作物を相対的に移動させて工作物を研磨する研磨パッドの製造方法であって、
    前記基材を形成するエポキシ樹脂の主剤がエポキシ当量150〜300で反応性希釈剤を含まないビスフェノールA型またはビスフェノールF型であって、活性水素当量(アミン当量)が200〜500である硬化剤により硬化させることを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  3. 前記エポキシ樹脂を主成分とする樹脂に混合される樹脂がウレタン樹脂であって、そのウレタン樹脂の主剤がMOCA配合量10〜30phrのエーテル系ポリウレタンであることを特徴とする請求項1または2記載の研磨パッドの製造方法。
  4. 前記エポキシ樹脂を主成分とする樹脂に混合される樹脂がウレタン樹脂であってエポキシ樹脂とウレタン樹脂の割合が1:1〜4:1の範囲にあることを特徴とする請求項1,2,または3記載の研磨パッドの製造方法。
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