JP2023018767A - 保持パッド - Google Patents
保持パッド Download PDFInfo
- Publication number
- JP2023018767A JP2023018767A JP2021123015A JP2021123015A JP2023018767A JP 2023018767 A JP2023018767 A JP 2023018767A JP 2021123015 A JP2021123015 A JP 2021123015A JP 2021123015 A JP2021123015 A JP 2021123015A JP 2023018767 A JP2023018767 A JP 2023018767A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- holding
- layer
- polishing
- pad
- polished
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Abstract
【課題】 耐薬品性が高く、破断強度が高く、その上、被研磨物との摩擦力が低いため、吸着性を有しながらも、被研磨物が研磨中に自転しやすく、被研磨物を均一に研磨できること保持パッドを提供する。【解決手段】 ポリエステルを含む保持層を含む保持パッドであって、前記保持層の密度は0.2~0.6g/cm3であり、前記保持層の保持面において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下である、保持パッド。【選択図】図1
Description
本発明は光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板、金属やセラミック表面の研磨用の保持パッドに関する。特に、SiC基板(シリコンカーバイドウェハ)、GaAs(ガリウム砒素)基板、サファイアガラス等の難削材の研磨用途の保持パッドに関する。
光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板、金属、セラミック等の表面を平坦化するための研磨法として、化学機械研磨(chemical mechanical polishing,CMP)法が一般的に用いられている。
一般的なCMP法について、図1を用いて説明する。図1のように、CMP法を実施する研磨装置1には、下定盤6に備えられている研磨パッド5(研磨パッド5は研磨層を備える)と、上定盤4に備えられた保持パッド3とが回転しながら、被研磨物2を押圧することで、研磨層の研磨面5Aに接している被研磨物2の研磨対象の面が研磨される。研磨は、図1で示すように、研磨層には、スラリー供給部7から供給されるスラリーSの存在下で行われる。
ところで、研磨業界全般として、研磨効率向上のため、より過酷な研磨条件(高研磨圧や強酸性スラリーの使用など)に耐えうる高耐久性の保持パッドが求められており、特に被研磨物がSiCなどの難削材である場合は、高耐久性の保持パッドが切望されている。
従来の保持パッドとしては、特許文献1に記載されているような湿式成膜タイプがあるが、湿式成膜タイプの保持パッドでは、過酷な条件下ではわずか数時間で構造が破壊され、あるいは、研磨後に被研磨物を保持面から剥がす際に保持面の構造が破壊され、耐久性が十分ではない。
構造破壊がおきにくい保持パッドとしては、特許文献2に記載されているような、モールド成型タイプの硬質ポリウレタンから構成される保持パッドが挙げられる。しかし、クッション性を目的とし、低密度とすれば空隙にスラリーが浸食して耐久力を損なう問題がある。また、高研磨圧条件下では保持パッド自体のうねりが被研磨物に転写されやすい観点から、これを緩和させるために、被研磨物が研磨中に自転できる程度に保持パッドの被研磨物に対する剪断方向の吸着力が要求される。しかし、低密度で保持面に所定の大きさ以上の開孔を有する保持パッドでは、開孔の凹凸により剪断方向への摩擦抵抗が高いため被研磨物は円滑に自転できなく、また、被研磨物に対して十分な吸着力がない。一方で、高密度とすると硬くなり、クッション性が悪化し、接触時に被研磨物を破損させてしまう恐れがある。
構造破壊がおきにくい保持パッドとしては、特許文献2に記載されているような、モールド成型タイプの硬質ポリウレタンから構成される保持パッドが挙げられる。しかし、クッション性を目的とし、低密度とすれば空隙にスラリーが浸食して耐久力を損なう問題がある。また、高研磨圧条件下では保持パッド自体のうねりが被研磨物に転写されやすい観点から、これを緩和させるために、被研磨物が研磨中に自転できる程度に保持パッドの被研磨物に対する剪断方向の吸着力が要求される。しかし、低密度で保持面に所定の大きさ以上の開孔を有する保持パッドでは、開孔の凹凸により剪断方向への摩擦抵抗が高いため被研磨物は円滑に自転できなく、また、被研磨物に対して十分な吸着力がない。一方で、高密度とすると硬くなり、クッション性が悪化し、接触時に被研磨物を破損させてしまう恐れがある。
耐薬品性向上のための保持パッドの素材としては、ウレタン以外の素材、例えばPETなどのポリエステルが挙げられるが、特許文献3に記載のような不織布や織物に代表される繊維系保持パッドでは、特に高研磨圧条件下では物理的な耐久性に不満が残る。さらに、脱落した繊維片がスクラッチの原因となり得る。
このように、従来の保持パッドでは、高耐久性、高吸着性(高保持性)、耐薬品性のすべてを満たすようなものはなかった。
本発明者は、鋭意研究の結果、所定の要件を満たした空隙構造を有するポリエステルを採用することで、ウレタン系保持パッドよりも高耐久性、耐薬品性を実現でき、また、吸着性(保持性)の課題を解決できることを発見し、本発明の保持パッドを見出した。すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] ポリエステルを含む保持層を含む保持パッドであって、
前記保持層の密度は0.2~0.6g/cm3であり、
前記保持層の保持面において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下である、保持パッド。
[2] 前記ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートである、[1]に記載の保持パッド。
[3] 前記保持層は、発泡ポリエステルシートから構成される[1]又は[2]に記載の保持パッド。
[4] 前記保持層の断面において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下である、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の保持パッド。
[5] 前記保持層のショアD硬度が20~50度である、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の保持パッド。
[6] 前記保持層の圧縮率が0.1~3.0%である、[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の保持パッド。
[7] 前記保持層は非繊維性である、[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の保持パッド。
[1] ポリエステルを含む保持層を含む保持パッドであって、
前記保持層の密度は0.2~0.6g/cm3であり、
前記保持層の保持面において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下である、保持パッド。
[2] 前記ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートである、[1]に記載の保持パッド。
[3] 前記保持層は、発泡ポリエステルシートから構成される[1]又は[2]に記載の保持パッド。
[4] 前記保持層の断面において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下である、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の保持パッド。
[5] 前記保持層のショアD硬度が20~50度である、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の保持パッド。
[6] 前記保持層の圧縮率が0.1~3.0%である、[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の保持パッド。
[7] 前記保持層は非繊維性である、[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の保持パッド。
本発明の保持パッドは、高耐久性、高吸着性(高保持性)、耐薬品性を十分満たすものであり、さらに、破断強度も高く、被研磨物との摩擦力が低いため、吸着性を有しながらも、被研磨物が研磨中に自転しやすく、被研磨物を均一に研磨できることを示す。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、発明を実施するための形態に限定されるものではない。
<保持パッド>
本発明の保持パッド3は、ポリエステルを含む保持層を含む保持パッドであって、前記保持層の密度は0.2~0.6g/cm3であり、前記保持層の保持面において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が、1%以下である。ここで、保持層の保持面における直径20μm相当以上の開孔の合計面積率とは、保持面の合計面積における直径20μm相当以上の開孔の合計面積の割合である。
本発明の保持パッド3は、ポリエステルを含む保持層を含む保持パッドであって、前記保持層の密度は0.2~0.6g/cm3であり、前記保持層の保持面において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が、1%以下である。ここで、保持層の保持面における直径20μm相当以上の開孔の合計面積率とは、保持面の合計面積における直径20μm相当以上の開孔の合計面積の割合である。
保持パッド3は、図1で示すように、上定盤4に備えられているものであり、少なくとも保持層を含むものである。保持パッド3は、保持層以外にも、上定盤4に接着させるための接着層(図示しない)のほかにクッション層なども含むことができるが、図1では、保持パッド3において、保持層のみ記載し、その他の層の記載は省略している。
<保持層>
保持層は、保持パッド3において、被研磨物2に接触する層である。保持層の材料として、ポリエステルを必須成分として含む。使用できるポリエステルとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどが挙げられるが、本発明ではPETが好ましい。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、保持層の材料として、ポリウレタン、エポキシ樹脂等のポリエステル以外の樹脂を混合させたものを用いてもよい。ポリエステル以外の材料は、保持層の全体質量に対して、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下の順で好ましい。
保持層は、保持パッド3において、被研磨物2に接触する層である。保持層の材料として、ポリエステルを必須成分として含む。使用できるポリエステルとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどが挙げられるが、本発明ではPETが好ましい。なお、本発明の効果を損なわない範囲で、保持層の材料として、ポリウレタン、エポキシ樹脂等のポリエステル以外の樹脂を混合させたものを用いてもよい。ポリエステル以外の材料は、保持層の全体質量に対して、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下の順で好ましい。
保持層の材料であるポリエステルには、添加剤を添加したものを使用することができる。添加剤は、本発明の主旨を損なわない範囲で使用することができ、例えば、耐光剤、酸化防止剤、撥水剤、親水剤、染料などが挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステルの中でも、特にポリエチレンテレフタレートは、加工性や耐薬品性などの観点で好ましい。ポリエステルは、一般的に、研磨装置や被研磨物などの研磨条件に応じて所定の形状の大きさに形成しやすく、酸性又は塩基性のスラリーに接しても劣化しづらく、製品寿命が高くなる傾向にあり、ポリエチレンテレフタレートはさらにその傾向が強い。
(密度及び開孔径)
保持層の密度は0.2~0.6g/cm3であり、かつ、保持層の保持面(被研磨物2との接触面、図1における3A)において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下であることを特徴とする。通常の開孔を有さないポリエステルの密度(真密度)は、一般的には、1.2g/cm3を超えるが、本発明の保持層の材料としてのポリエステルの密度は、0.2~0.6g/cm3である。したがって、保持層は気泡などの空隙を含むものである。
なお、クッション性を考慮すると、密度0.2~0.5g/cm3が好ましく、0.2~0.4g/cm3であるとより好ましい。
保持層の密度は0.2~0.6g/cm3であり、かつ、保持層の保持面(被研磨物2との接触面、図1における3A)において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下であることを特徴とする。通常の開孔を有さないポリエステルの密度(真密度)は、一般的には、1.2g/cm3を超えるが、本発明の保持層の材料としてのポリエステルの密度は、0.2~0.6g/cm3である。したがって、保持層は気泡などの空隙を含むものである。
なお、クッション性を考慮すると、密度0.2~0.5g/cm3が好ましく、0.2~0.4g/cm3であるとより好ましい。
保持層の保持面3Aにおいて、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率1%以下である。これは、直径20μm相当以上の開孔が極めて少ない平滑な保持面であることを示すものであるが、密度が0.2~0.6g/cm3であること考慮すると、保持面は非常に小さい開孔を所定量含むことを意味する。「直径20μm相当以上の開孔」は、「直径20μm相当以上の円形状の開孔」だけでなく、「直径20μm相当の円形と同じ面積の多角形、楕円の形状の開孔」も含むものとする。
なお、本発明では保持面、すなわち、被研磨物2と接触する面における開孔について特定しているが、保持面3Aのみならず、保持層を切断したときの断面(すなわち、内部)も同様に、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下であることが好ましい。これは、保持層全体として直径20μm相当以上の気泡が極めて少ないことを示すものであるが、密度が0.2~0.6g/cm3であること考慮すると、非常に小さい気泡を所定量含むことを意味する。
なお、保持層は、非繊維性であることが好ましい。ここで、非繊維性とは、保持層の材料中に繊維や不織布等の繊維成分が全体質量に対して、10質量%以下含むものをいう。なお、繊維成分は、保持層全体量に対して、5質量%以下で含むことがより好ましく、1質量%以下で含むことがさらに好ましく、全く含まない(不純物など不可避的に混入してしまう場合を除く)ことが特に好ましい。
保持層は0.2~0.6g/cm3の密度、及び、保持層の保持面において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下であること満たすことにより、研磨時に使用するスラリーが保持層の内部に入り込むことを防止することで、保持層の劣化を防止することができる。そして、保持面において小さな開孔が多く存在することで、被研磨物の保持力を維持することができ、また、保持面は平滑すぎないため、被研磨物2と過度に張り付かず、気泡に因る凹凸の影響を抑え、被研磨物を回転させながら研磨することがきる。また、保持面3Aのみならず、保持層を切断したときの断面についても直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下を満たすことが好ましく、保持層に含まれる気泡が充分に微細であることで、研磨中において被研磨物を保持した保持層が均一に沈み込むことで平坦性(研磨精度)を向上させることができる。なお、本発明の保持層は、SiC基板(シリコンカーバイドウェハ)、GaAs(ガリウム砒素)基板、サファイアガラス等の難削材量に非常に好適である。
(ショアD硬度)
保持層は、ショアD硬度は特に限定されるわけではないが、20~50度が好ましい。硬度が50度以内だと被研磨物2を破損させることを抑制し、20度以上であれば、耐久性が高くなりやすい。
保持層は、ショアD硬度は特に限定されるわけではないが、20~50度が好ましい。硬度が50度以内だと被研磨物2を破損させることを抑制し、20度以上であれば、耐久性が高くなりやすい。
(圧縮率)
保持層の圧縮率は、本明細書において、保持層の軟らかさの指標となるものである。
クッション性と耐久性を考慮すると、0.1~3.0%が好ましく、0.1~2.0%がより好ましい。特に高研磨圧条件下であると顕著に表れるが、被研磨物2が保持パッド3に沈み込んで平坦性を低下させることを抑制する観点から、0.1~1.5%が特に好ましい。なお、ショアD硬度や圧縮率は、密度(空隙率)などにより調整することができる。
保持層の圧縮率は、本明細書において、保持層の軟らかさの指標となるものである。
クッション性と耐久性を考慮すると、0.1~3.0%が好ましく、0.1~2.0%がより好ましい。特に高研磨圧条件下であると顕著に表れるが、被研磨物2が保持パッド3に沈み込んで平坦性を低下させることを抑制する観点から、0.1~1.5%が特に好ましい。なお、ショアD硬度や圧縮率は、密度(空隙率)などにより調整することができる。
図1保持パット3は、保持面には被研磨物の脱離を防止するための枠材8を備えていることが好ましい。枠材8は従来公知のものはいずれも採用でき、例えば、ガラス繊維強化エポキシ樹脂から構成されるものとすることができる。なお、本明細書において、保持パッド3に枠材8を備えたものを保持具とする。
保持パッド3は、保持層の保持面3Aと反対の面には、上定盤4へ固定するための固定手段(図示しない)を備えていてもよい。固定手段は、両面テープ、接着剤など、公知の手段がいずれも採用できる。
(研磨層及び研磨パッド)
本発明の保持パッド3が研磨するときに使用する研磨パッド5は特に限定されるものではない。
研磨パッド5の研磨層(被研磨物2に接触する層であるが、図示しない)は、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及びポリウレタンポリウレア樹脂を好適に用いることができる。
研磨層の厚みは、通常1~5mm程度とすることができる。また、必要により、中空微小球体を含めることができる。
本発明の保持パッド3が研磨するときに使用する研磨パッド5は特に限定されるものではない。
研磨パッド5の研磨層(被研磨物2に接触する層であるが、図示しない)は、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及びポリウレタンポリウレア樹脂を好適に用いることができる。
研磨層の厚みは、通常1~5mm程度とすることができる。また、必要により、中空微小球体を含めることができる。
(クッション層)
研磨パッド3は、研磨層と下定盤との間に、研磨層の被研磨物2への当接をより均一にすることを目的として、クッション層(図示しない)を有することができる。本発明においては、公知のクッション層であれば、いかなるものも使用することができる。クッション層6の材料としては、樹脂を含浸させた含浸不織布、合成樹脂やゴム等の可撓性を有する材料、気泡構造を有する発泡体等のいずれから構成されていてもよい。クッション層は、スポンジ状の微細気泡を有するポリウレタン樹脂製のものも好ましく用いられる。
研磨パッド3は、研磨層と下定盤との間に、研磨層の被研磨物2への当接をより均一にすることを目的として、クッション層(図示しない)を有することができる。本発明においては、公知のクッション層であれば、いかなるものも使用することができる。クッション層6の材料としては、樹脂を含浸させた含浸不織布、合成樹脂やゴム等の可撓性を有する材料、気泡構造を有する発泡体等のいずれから構成されていてもよい。クッション層は、スポンジ状の微細気泡を有するポリウレタン樹脂製のものも好ましく用いられる。
(接着層)
接着層は、クッション層と研磨層を接着させるための層であり、通常、両面テープ又は接着剤から構成され、本発明の保持パッド3を用いる際は、公知の接着剤層を用いることができる。接着剤層としては、両面テープ又は接着剤は、当技術分野において公知のもの(例えば、接着シート)を使用することができる。
接着層は、クッション層と研磨層を接着させるための層であり、通常、両面テープ又は接着剤から構成され、本発明の保持パッド3を用いる際は、公知の接着剤層を用いることができる。接着剤層としては、両面テープ又は接着剤は、当技術分野において公知のもの(例えば、接着シート)を使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。各実施例及び比較例において、特段の指定のない限り、「部」とは「質量部」を意味するものとする。
(実施例1)
古河電機工業株式会社製発泡PETシート(ポリエチレンテレフタレートシート)である商品名「MCPET M4」を保持層とし、保持面の所定の位置に枠材としてガラス繊維強化エポキシ樹脂(ガラエポ)を貼り付け、保持面とは反対の面に両面テープを貼り付けた、実施例1の保持パッドを含む保持具を製造した。実施例1の保持パッドの保持層において、気泡径20μm相当以上の開孔は保持面・断面ともに確認されず、開孔面積率は0%であった。ここで開孔面積率は、対象とする面を約1.3mm四方の範囲を175倍にして顕微鏡で確認し、得られた画像を画像処理ソフト(ニコン社製の商品名「ImageAnalyzerV20LABVer.1.3」)を用いて二値化処理し、各々の気泡の面積から円相当径及び単位面積あたりの開孔の面積割合を求めた。実施例1の保持パッドの所特性を表1に示す。
古河電機工業株式会社製発泡PETシート(ポリエチレンテレフタレートシート)である商品名「MCPET M4」を保持層とし、保持面の所定の位置に枠材としてガラス繊維強化エポキシ樹脂(ガラエポ)を貼り付け、保持面とは反対の面に両面テープを貼り付けた、実施例1の保持パッドを含む保持具を製造した。実施例1の保持パッドの保持層において、気泡径20μm相当以上の開孔は保持面・断面ともに確認されず、開孔面積率は0%であった。ここで開孔面積率は、対象とする面を約1.3mm四方の範囲を175倍にして顕微鏡で確認し、得られた画像を画像処理ソフト(ニコン社製の商品名「ImageAnalyzerV20LABVer.1.3」)を用いて二値化処理し、各々の気泡の面積から円相当径及び単位面積あたりの開孔の面積割合を求めた。実施例1の保持パッドの所特性を表1に示す。
(比較例1)
モールド成型タイプであって、密度0.75g/cm3のポリウレタン樹脂を保持層とした以外は実施例1と同様の方法で、比較例1の保持パッドを含む保持具を作製した。比較例1の保持パッドの所特性を表1に示す。なお、比較例1の保持パッドの開孔面積率は保持面・断面共に同値であった。
モールド成型タイプであって、密度0.75g/cm3のポリウレタン樹脂を保持層とした以外は実施例1と同様の方法で、比較例1の保持パッドを含む保持具を作製した。比較例1の保持パッドの所特性を表1に示す。なお、比較例1の保持パッドの開孔面積率は保持面・断面共に同値であった。
(比較例2)
比較例1よりも低密度(密度0.39g/cm3)のモールド成型タイプのポリウレタン樹脂を保持層とした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2の保持パッドを含む保持具を作製した。比較例2の保持パッドの所特性を表1に示す。なお、比較例2の保持パッドの開孔面積率は保持面・断面共に同値であった。
比較例1よりも低密度(密度0.39g/cm3)のモールド成型タイプのポリウレタン樹脂を保持層とした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2の保持パッドを含む保持具を作製した。比較例2の保持パッドの所特性を表1に示す。なお、比較例2の保持パッドの開孔面積率は保持面・断面共に同値であった。
(耐薬品性試験)
pH2の塩酸溶液に各保持パッドに使用した材料のサンプル片を48h、40℃で浸漬させたのち、引張試験を実施し、引張破断強度を測定した。ここで、破断強度におけるn数は2で行い、引張時の伸度は株式会社エー・アンド・デイ製、テンシロン万能試験機RTCにて日本工業規格(JISK6550)に準じた方法で測定した。具体的には、保持層からダンベル形状の測定試料(長さ90mm、端部幅20mm、試料巾10mm)を打ち抜き、測定試料を測定機の上下エアチャックにはさみ、引張速度100mm/min、初期つかみ間隔50mmで測定を開始し、測定値がピーク(切断)に達した値から破断強度を算出した。
pH2の塩酸溶液に各保持パッドに使用した材料のサンプル片を48h、40℃で浸漬させたのち、引張試験を実施し、引張破断強度を測定した。ここで、破断強度におけるn数は2で行い、引張時の伸度は株式会社エー・アンド・デイ製、テンシロン万能試験機RTCにて日本工業規格(JISK6550)に準じた方法で測定した。具体的には、保持層からダンベル形状の測定試料(長さ90mm、端部幅20mm、試料巾10mm)を打ち抜き、測定試料を測定機の上下エアチャックにはさみ、引張速度100mm/min、初期つかみ間隔50mmで測定を開始し、測定値がピーク(切断)に達した値から破断強度を算出した。
(密度測定)
保持層の密度(g/cm3)は、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して測定した。
保持層の密度(g/cm3)は、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して測定した。
(D硬度測定)
保持層のD硬度は、日本工業規格(JIS-K-6253)に準拠して、D型硬度計を用いて測定した。ここで、測定試料は、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように、必要に応じて複数枚の保持層を重ねることで得た。
保持層のD硬度は、日本工業規格(JIS-K-6253)に準拠して、D型硬度計を用いて測定した。ここで、測定試料は、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように、必要に応じて複数枚の保持層を重ねることで得た。
(圧縮率測定)
圧縮率は、日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して求めることができる。具体的には、以下の通りである。
無荷重状態から初荷重を30秒間かけた後の厚さt0を測定し、次に、厚さt0の状態から最終荷重を5分間かけた後の厚さt1を測定した。圧縮率は、圧縮率(%)=100×(t0-t1)/t0の式から算出した(なお、初荷重は100g/cm2、最終荷重は1120g/cm2である)。
圧縮率は、日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して求めることができる。具体的には、以下の通りである。
無荷重状態から初荷重を30秒間かけた後の厚さt0を測定し、次に、厚さt0の状態から最終荷重を5分間かけた後の厚さt1を測定した。圧縮率は、圧縮率(%)=100×(t0-t1)/t0の式から算出した(なお、初荷重は100g/cm2、最終荷重は1120g/cm2である)。
(研磨性能評価)
得られた実施例1及び比較例1、2の保持パッドを備える保持具それぞれを用いて、下記研磨条件について、シリコンウェハーの研磨を実施した。なお、研磨条件は下記の通りである。
得られた実施例1及び比較例1、2の保持パッドを備える保持具それぞれを用いて、下記研磨条件について、シリコンウェハーの研磨を実施した。なお、研磨条件は下記の通りである。
(研磨条件)
研磨性テストにおける保持パッド以外の条件を下記に示す。
使用研磨機:GRIND-X PNX332B(岡本工作機械製作所製)
研磨剤温度:22℃
研磨定盤回転数:40rpm
研磨ヘッド回転数:41rpm
研磨圧力:(外圧) 0.016MPa (内圧) 0.012MPa
研磨スラリー:GLANZOX 1306(20倍希釈)、GLANZOX 3105(30倍希釈)、GLANZOX 3111(20倍希釈)(フジミコーポレーテッド製)
研磨スラリー流量:800~1500ml/分
研磨時間:6~10分
被研磨物:シリコンウェハー
研磨性テストにおける保持パッド以外の条件を下記に示す。
使用研磨機:GRIND-X PNX332B(岡本工作機械製作所製)
研磨剤温度:22℃
研磨定盤回転数:40rpm
研磨ヘッド回転数:41rpm
研磨圧力:(外圧) 0.016MPa (内圧) 0.012MPa
研磨スラリー:GLANZOX 1306(20倍希釈)、GLANZOX 3105(30倍希釈)、GLANZOX 3111(20倍希釈)(フジミコーポレーテッド製)
研磨スラリー流量:800~1500ml/分
研磨時間:6~10分
被研磨物:シリコンウェハー
(吸着力測定)
保持パッドの保持面に霧吹きで5回程度吹きつけて15分間湿らせた後、表面の水滴を除去した上に4inchのシリコンウェハーを載置し、さらにその上に重り12kgを1分載せたのちに重りを外した。最後に、シリコンウェハーを引き上げた時にかかる最大値を測定した。測定装置には、株式会社エー・アンド・デイ製、テンシロン万能試験機RTCを使用した。
保持パッドの保持面に霧吹きで5回程度吹きつけて15分間湿らせた後、表面の水滴を除去した上に4inchのシリコンウェハーを載置し、さらにその上に重り12kgを1分載せたのちに重りを外した。最後に、シリコンウェハーを引き上げた時にかかる最大値を測定した。測定装置には、株式会社エー・アンド・デイ製、テンシロン万能試験機RTCを使用した。
(摩擦力測定)
摩擦の対象に10cm角ガラスを使用した。保持パッドは15分間湿らせた後、測定した。霧吹きで5回程度吹きつけ、水分を除去した上に角ガラスをセットし、その上に重り10kgを載せて8cm引いた時の静止摩擦力、動摩擦力を観測した。
摩擦の対象に10cm角ガラスを使用した。保持パッドは15分間湿らせた後、測定した。霧吹きで5回程度吹きつけ、水分を除去した上に角ガラスをセットし、その上に重り10kgを載せて8cm引いた時の静止摩擦力、動摩擦力を観測した。
20μm相当の空隙を実質的に有さずに低密度を維持したPET製の実施例1の保持パッドは、同等の密度やクッション性(D硬度)を有するポリウレタン製の比較例2の保持パッドよりも高い耐薬品性(破断強度)を示した。また、保持面にも20μm相当の開孔を有さない実施例1の保持パッドは表面が適度に平滑であるため摩擦力は低かった。一方、所定の吸着力を有するが、所定の開孔を有する比較例1~2は、実施例1の保持パッドに比較して摩擦力が高かった。これは、実施例1の保持パッドは、被研磨物を適度に吸着保持することで被研磨物の脱離を抑制しながらも、被研磨物を研磨中に自転しやすい状態を保ち、被研磨物を均一に研磨できると期待される。実際に研磨性能評価においても、実施例の保持パッドを用いた場合は、被研磨物が研磨中に脱離せず、研磨終了時に被研磨物を剥離した際にも保持面の構造が破壊されないことが確認された。
本発明は、研磨パッドの製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
1 研磨装置
2 被研磨物
3 保持パッド(保持層)
3A 保持面
4 上定盤
5 研磨パッド
6 下定盤
7 スラリー供給装置
8 枠材
S スラリー
2 被研磨物
3 保持パッド(保持層)
3A 保持面
4 上定盤
5 研磨パッド
6 下定盤
7 スラリー供給装置
8 枠材
S スラリー
Claims (7)
- ポリエステルを含む保持層を含む保持パッドであって、
前記保持層の密度は0.2~0.6g/cm3であり、
前記保持層の保持面において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下である、保持パッド。 - 前記ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートである、請求項1に記載の保持パッド。
- 前記保持層は、発泡ポリエステルシートから構成される請求項1又は2に記載の保持パッド。
- 前記保持層の断面において、直径20μm相当以上の開孔の合計面積率が1%以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の保持パッド。
- 前記保持層のショアD硬度が20~50度である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の保持パッド。
- 前記保持層の圧縮率が0.1~3.0%である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の保持パッド。
- 前記保持層は非繊維性である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の保持パッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021123015A JP2023018767A (ja) | 2021-07-28 | 2021-07-28 | 保持パッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021123015A JP2023018767A (ja) | 2021-07-28 | 2021-07-28 | 保持パッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023018767A true JP2023018767A (ja) | 2023-02-09 |
Family
ID=85160388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021123015A Pending JP2023018767A (ja) | 2021-07-28 | 2021-07-28 | 保持パッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023018767A (ja) |
-
2021
- 2021-07-28 JP JP2021123015A patent/JP2023018767A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2045038B1 (en) | Polishing Pad | |
US10213895B2 (en) | Polishing pad and method for manufacturing same | |
TW486407B (en) | Substrate polishing article | |
US6099954A (en) | Polishing material and method of polishing a surface | |
KR100890090B1 (ko) | 반도체 웨이퍼용 연마 패드 및 이를 이용한 연마 방법 | |
KR102178213B1 (ko) | 연마 패드 및 연마 방법 | |
US20050026552A1 (en) | Porous polyurethane polishing pads | |
US20140370788A1 (en) | Low surface roughness polishing pad | |
JP2005538571A5 (ja) | ||
JP6434266B2 (ja) | ラッピング用樹脂定盤及びそれを用いたラッピング方法 | |
JPWO2004090963A1 (ja) | 研磨パッド、その製造方法およびそれを用いた研磨方法 | |
JP2023018767A (ja) | 保持パッド | |
JP2004189820A (ja) | 研磨シート用高分子材料、研磨シート、及び研磨パッド | |
JP4075403B2 (ja) | GaAsウエハの研磨方法と研磨装置 | |
JP5648389B2 (ja) | 研磨パッド | |
JP6626694B2 (ja) | 研磨パッド及びその製造方法 | |
JP2019072801A (ja) | 研磨用保持具 | |
JP4356056B2 (ja) | 樹脂含浸体および研磨パッドおよびその研磨パッドを用いた研磨装置と研磨方法 | |
JP2010253665A (ja) | 研磨シートおよび研磨パッドの製造方法 | |
JP2016101655A (ja) | 保持具及びその製造方法 | |
WO2019073956A1 (ja) | 保持パッド及びその製造方法 | |
JP6587464B2 (ja) | 研磨パッド | |
JP2007075928A (ja) | 研磨パッドおよび研磨装置 | |
KR101804861B1 (ko) | 수명이 연장된 유지패드 | |
JP2022157071A (ja) | 研磨パッド及びウェハ研磨方法 |