JP5648389B2 - 研磨パッド - Google Patents

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本発明は研磨パッドに関するものである。
従来、シリコンウエハをはじめとする半導体ウエハの鏡面研磨には、研磨パッドとしてポリウレタン含浸不織布パッドやポリウレタン発泡樹脂パッドが用いられてきた。このような従来のポリウレタン含浸不織布パッド(図3)やポリウレタン発泡樹脂パッド(図4)はパッド表面に無数の細孔が形成されており、研磨スラリー中の砥粒を保持するためのポケットの役割を果たしている。しかしながら、それらの細孔はサイズが数十〜数百μmオーダーの範囲でばらつきがあるため、研磨パッド上の任意の点における研磨スラリーの保持や研磨パッドの粘弾性がパッド面内で不均一なものであり、ウエハを高度に平坦化するには限界があった。そのため、従来のウレタン含浸不織布パッドやウレタン硬質樹脂パッドに比べてウエハの平坦性が向上し、また、経時的にも安定して研磨できる新規な研磨パッドが望まれていた。
新規な研磨パッドとして、研磨層に織物を用い、その織物を支える支持体と積層した研磨パッドが提案されている(特許文献1参照)。研磨層に織物を用いることで、砥粒を保持する細孔の数やサイズを精密に制御することが可能となる。また、積層された研磨パッドとすることで、「研磨層は柔らかく、研磨パッド全体としては硬い」構造の研磨パッドとなる。そのため、ウエハのエッジ部における圧力集中を緩和し、圧力分布を均一化するため、縁ダレを抑制し、ウエハの端部の平坦性が向上する旨が記載されている。
このように研磨層として織物を支持層に貼り合わせた積層研磨パッドにすることにより、従来のウレタン含浸不織布パッドや硬質発泡ウレタン樹脂パッドよりも優れた研磨特性を有する研磨パッドについて検討がなされている。
しかしながら、研磨層の織物を支持体に貼り合わせる方法として、通常は感圧性の両面粘着テープを用いることが多く、両面テープの組成としては粘着力や保持力に優れるアクリル系やゴム系粘着テープを使用することが多い。このような組成からなる粘着剤は研磨スラリーに含まれる水やアルカリ成分などに対する耐性が十分ではなく劣化しやすい。そのため、研磨スラリーが織物を貫通して粘着層にまで達して粘着力が弱まり、織物と粘着テープの界面で剥離する課題があった。
一方で、特許文献2にはアクリル系あるいはシリコーン系粘着剤を用いることで耐スラリー性を向上させ、研磨層の剥離を抑制する思想が記載されている。このような思想であれば研磨層シートの剥離が抑制できるが、研磨層に目開きのある織物を使用する場合については記載がなく、また、特許文献2の実施例に示すように層間粘着剤をアクリル系粘着テープにして適用した場合、アクリル系粘着剤が劣化して織物の剥離が発生し、経時的に不安定であるという課題があった。
上記のように、ウエハの平坦性に優れ、研磨層に織物を使用した積層研磨パッドが開発されてきているものの、耐久性の向上に関する検討は行われていなかった。
特開2008−207318号公報 特開2005−056920号公報
特許文献1に示すような織物と支持体の積層体からなる研磨パッドはパッド厚みを高度に制御することが必要であり、研磨層と支持層の貼り合わせに厚み精度が高い感圧性の両面粘着テープを用いることが多い。また、その粘着剤の組成として粘着力や保持力に優れるアクリル系やゴム系粘着テープを使用することが一般的である。
しかしながら、本発明者らは、研磨層に織物を使用すると、研磨中に研磨スラリーが織物を貫通して粘着テープにまで達しやすく、粘着剤が研磨スラリーで浸漬されるため、研磨スラリーに対する耐性がないゴム系粘着剤は、研磨中に粘着力が低下して織物が粘着テープから剥離し、経時的に安定でないという課題を見出した。また、研磨層に織物を使用すると、基材との接触面積が小さいことにより、粘着力低下の影響が大きいことにも着目した。
そこで、本発明者らは織物構造を有した研磨パッドの接着方法についてより詳細に検討し、研磨層と支持体との接着方法の改善に取り組んだ。アクリル系およびシリコーン系粘着剤は研磨スラリーに対する耐性があると思われるが、アクリル系粘着剤の耐性は充分でなく、シリコーン系粘着剤を用いることで、現在、さらには今後のウエハの平坦性および経時的安定性の要求レベルに対して十分対応できる新規な研磨パッドを得られることを見出した。
本発明の目的は、長時間にわたって研磨した際に織物が剥離したりせずに、研磨パッドとしての高い耐久性を有し、より高精度にウエハを平坦化することが可能な研磨パッドを提供することにある。
上記の課題は、研磨層および層間粘着層および支持層および定盤粘着層の積層体からなり、研磨層が目開き10〜150μm、開孔率5〜50%の織物であり、層間粘着層がシリコーン系粘着剤を組成とする両面テープからなる研磨パッドにより達成される。
また、本発明の研磨パッドの好ましい態様によれば、前記の織物を構成する繊維が強撚糸されたマルチフィラメントで、その撚数が1,000T/m以上からなるものである。
本発明の研磨パッドによれば、研磨層の織物を、層間粘着層であるシリコーン系粘着テープにより支持体と接着積層することで、長時間研磨パッドが研磨スラリーに浸漬した状態においても、織物が粘着テープから剥離することがなく、研磨パッドとしての耐久性を大幅に向上させることができる。
図1は、本発明で用いられるマルチフィラメント強撚糸織物の一例を示す写真代用平面図である。 図2は、本発明で用いられるマルチフィラメント強撚糸織物の厚さを説明するための写真代用断面図である。 図3は、従来のウレタン含浸不織布パッドの表面の一例を示す写真代用平面図である。 図4は、従来の硬質発泡ウレタン樹脂パッドの表面の一例を示す写真代用平面図である。
以下、さらに詳しく本発明の研磨パッドについて説明をする。
本発明の研磨パッドは研磨層および層間粘着層および支持層および定盤粘着層の積層体からなり、研磨層が目開き10〜150μm、開孔率5〜50%の織物であり、層間粘着層がシリコーン系粘着剤を組成とするものであるが、これは次のような技術的思想に基づいて設計されている。
ウエハやガラスを平坦に研磨する場合、研磨パッド上に研磨スラリーを供給しながら研磨パッドとウエハを相対的に回転運動させて研磨が行われる。研磨パッドの研磨層の設計として、目開きの大きさが10〜100μmオーダーで2次元的に規則的・周期的な目開きを有する織物を用いると、パッド全面において織物が研磨スラリーを均一に保持し、また、研磨屑の排出を容易にすることが可能になる。
さらに、織物の繊維にマルチフィラメント強撚糸を用いることで、研磨層と層間粘着層との接着力を向上させることが可能になるとともに、砥粒がモノフィラメントに高度に保持されてウエハの研磨性能が向上する。
次に、本発明における層間粘着層について説明する。
本発明の研磨パッドは、層間粘着層を介して研磨層と支持体を積層するが、その層間粘着層を構成する材料として、シリコーン系粘着剤を組成とする両面テープを用いることが必要である。
粘着テープとして汎用的に用いられているアクリル系あるいはゴム系の組成の粘着剤は通常、耐水性や耐薬品性に優れないため、研磨スラリーの種類や加工条件によっては、その化学的性質(例えばアルカリ性、酸性、酸化性など)によって劣化し、期待される研磨特性が発揮できないばかりか、研磨層と層間粘着層の界面、もしくは層間粘着層と支持層の界面で剥離する問題があった。特に本発明のように目開きを有する織物を研磨層に使用する場合、織物の目開きが厚さ方向に貫通しているため、研磨スラリーが容易に層間粘着層に達する。そのため、研磨層の剥離が発生しやすく、研磨パッドとしての耐久性を向上させる必要があった。
上記の観点から、研磨スラリーへの耐性に優れる組成の粘着テープを用いて研磨層と支持層を貼り合わせることが必要である。このような粘着テープとしてシリコーン系粘着剤を組成とする両面テープが挙げられる。シリコーン系粘着剤はシリコーンゴムとシリコーンレジンを重合したポリオルガノシロキサン構造であるため撥水性が高く、耐薬品性にも優れる。そのため、研磨スラリー中に研磨パッドを浸漬しても粘着力を保持することが可能になり、研磨パッドとしての耐久性を飛躍的に向上させることができる。
研磨パッドは研磨中においてもその形態を長時間にわたって保持させる必要があるため、粘着テープが研磨スラリーに湿潤している状態での粘着テープと織物との180°引き剥がしによる粘着力は2.0N/25mm以上であることが好ましく、5.0N/25mm以上であることがより好ましい。ここで、粘着力は長さ150mm×幅25mmの研磨パッドの小片を研磨スラリーに室温下1時間浸漬した後の研磨層の織物と接着層の粘着テープとの間の剥離強力の値を粘着力とした。
一方、研磨中は研磨層とウエハの間でせん断力が働くため、シリコーン系粘着剤側の粘着剤が流動してずれが生じる場合がある。シリコーン系粘着剤の流動を抑制するために、JIS Z0237で規定された粘着剤の保持力は1.0mm/h以下であることが好ましく、0.5mm/h以下であることがより好ましく、0.1mm/h以下であることがさらに好ましい。ここで、保持力の測定は接触面積 長さ20mm×幅10mm、荷重4.9Nで行い、1時間後に移動した距離を計測し、保持力の値とした。
テープの基材に制限はなく、一般的に感圧性粘着テープの基材として用いられているフィルムや不織布、または基材を用いない基材レステープなど、いずれも用いることが可能であるが、研磨パッドの形態を保持する観点から、フィルム基材の粘着テープを使用することが好ましい。
また、フィルム基材の粘着テープを用いる場合、支持層側の粘着剤が研磨層側と異なる粘着剤を用いた、いわゆるディフェレンシャルタイプの粘着テープを用いることが可能である。このような粘着テープを用いた場合、支持層側の粘着剤は研磨スラリーに直接接触しないため、粘着剤が研磨スラリーに触れることによる粘着力の低下が避けられる。そのため、シリコーン系粘着剤だけでなくアクリル系やゴム系粘着剤などシリコーン系以外の組成からなる粘着剤を用いることが可能になる。しかしながら、研磨時には支持層と層間粘着層の界面にも大きなせん断力が働く。そのため、ディフェレンシャルタイプの粘着テープを用いる場合においても支持層が剥離しないように十分な粘着力を有する粘着テープを使用することが好ましく、また、保持力にも優れる粘着剤を用いることが好ましい。その場合、支持層を貼り合わせる面の粘着剤の保持力の値は0.5mm/h以下であることが好ましく、0.1mm/h以下であることがより好ましい。
一方、支持層と研磨装置の定盤を貼り合せるための定盤粘着層は研磨パッドの端でスラリーに接触するが、層間粘着層のようにパッド全面においてスラリーに触れるわけではない。そのため、粘着テープの組成としては特に制限はなく、ゴム系、アクリル系、シリコーン系など各種組成の粘着剤を用いることが可能であるが、研磨パッドを強固に定盤に貼り合わせるため、粘着力および保持力に優れ、汎用的に使用されるアクリル系あるいはゴム系粘着テープを用いることが好ましい。
次に、本発明における研磨層について説明する。
本発明において、研磨層の織物は目開きが10〜150μmであることが必要である。これにより、研磨スラリー流れを微視的に均一化することができ、ウエハの平坦性や平滑性を向上させることができる。目開きサイズは120μm以下であることが好ましく、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは90μm以下である。一方、目開きは研磨スラリーの流れを均一化させるとともに研磨屑の排出を促す役割を有することから、目開きサイズは50μm以上であることが好ましい。
ここで、本発明における目開きとは、マルチフィラメント強撚糸織物において経糸および緯糸に囲まれて形成された細孔を意味し、この細孔は織物の厚さ方向に貫通しているものである(図1)。図1は、本発明で用いられるマルチフィラメント強撚糸織物の一例を示す写真であり、目開き部分1を円で囲んで示している。
目開きおよびそのサイズは、研磨パッド表面に貼り付けた強撚糸織物表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した像から特定することができる。観察倍率は、目開きサイズや総繊維直径の大きさから50〜300倍の中で適当なものを選ぶものとする。また、場合によりSEM観察が困難な場合はレーザー顕微鏡を用いることも可能である。これでも難しい場合は通常の光学顕微鏡を用いても良い。目開きのサイズは、同一の織物内で異なる20ヶ所を測定し、その平均値を用いるものとする。
また、本発明ではマルチフィラメント強撚糸織物の表面積全体に占める目開き部分の面積の比率を開孔率として定義する。このとき、縦×横=2mm×2mm(4mm)の織物に存在する目開きの面積の総和を目開き総面積(mm)とし、以下の算式によって計算するものとする。
開孔率(%)=(目開き総面積/4mm)×100
また、目開き総面積については、画像処理ソフトを用いて評価することも可能である。さらに、マルチフィラメント強撚糸織物2mm×2mmに相当するSEMなどの画像を紙に印刷し、これから目開き部分を切り取った総重量と強撚糸織物2mm×2mmに相当する紙重量との重量比で求めることもできる。
本発明では、開孔率を5〜50%とすることが必要であり、これにより研磨スラリー流れを効率的に制御できる。また、目詰まりを抑制する観点からは、開孔率は大きい方が好ましく、開孔率は15%以上であることが好ましい。
本発明において、織物の経糸あるいは緯糸を構成する繊維は、マルチフィラメントが撚糸されたものであることが好ましい。撚糸されたマルチフィラメントを用いると、マルチフィラメント表面にモノフィラメントからなる微小な凹凸が形成され、繊維束の表面積が増大する。そのため、目開きおよび開孔率が同等で、研磨層が撚糸されたマルチフィラメントとモノフィラメントからなる研磨パッドの粘着力を比較した場合、撚糸されたマルチフィラメントを用いる方が粘着力が大きくなるため、研磨層の剥離を抑制することが可能になる。
また、撚を施していないマルチフィラメント織物を用いる場合、研磨中に繊維が開繊するため、ポケットのサイズにばらつきが生じ、目開きの配列を研磨層上で均一にすることができない。そのため、研磨スラリー流れやパッド上の任意の箇所におけるスラリーの保持量にばらつきが生じ、ウエハを均一に研磨することができなくなる場合がある。さらに研磨の屑が適切に排出されないため、研磨層が目詰まりする場合がある。
さらに、マルチフィラメント中のモノフィラメント1本1本は細いため、研磨時の摩擦により単繊維が摩耗や切断を起こす場合があるが、撚糸することにより耐久性を向上する効果も得ることができる。このため、本発明で用いられる繊維は、撚糸の中でも強撚されていることが好ましい。ここで言う強撚とは、糸長1m辺り1,000回以上撚られたもの(撚数1,000T/m以上)のことを指し、マルチフィラメント中の各単繊維の収束性や耐久性を向上させるために、撚数は1,500T/m以上であることが好ましく、より好ましくは2,000T/m以上である。撚数の上限値は、マルチフィラメントを撚りすぎるとその応力により単繊維切れや撚り戻りによる収束後の繊維のねじれが起こるため、上限値は好ましくは6,000T/m以下であり、より好ましくは4,500T/m以下である。撚数は、織物の表層を光学顕微鏡やSEMなどで観察し、織物を構成する経糸または緯糸の撚線の数を計測して求めることができる。
ここで、撚数が同じ繊維であっても繊維(織糸の総繊維直径)の大きさによって繊維のねじれ角の程度が変わるため、撚りの状態を比較するために、撚りの程度を以下の撚係数で定義するのが一般的である。
撚係数K=T×D
T:糸長1m当たりの撚数
D:繊維(マルチフィラメントからなる織糸)の総直径
繊維の収束性や耐久性を向上させるために、上記の撚係数Kは20,000以上であることが好ましく、より好ましくは50,000以上であり、さらに好ましくは100,000以上である。撚係数Kの上限は、200,000以下であることが好ましい。
本発明で用いられる織物としては制限されず、平織やツイル織、サテン織を代表とする織組織の織物を用いることができるが、平織組織は経糸と緯糸の拘束力が最も強く、研磨層の形態安定性に優れるため好ましい。また、マルチフィラメントの単繊維モノフィラメント直径を小さくしても目開きを小さくするためには織密度を増加させる必要があるが、そのような場合はツイル織やサテン織などの浮き組織のものを用いることが好ましい。
また、研磨層に用いられるマルチフィラメント強撚糸織物の厚さは薄い方が好ましい。これは、研磨時に押圧された際に、研磨層である織物の目開きの形状やサイズの変形を抑制し、設計通りの作用効果を発現させるためである。このため、マルチフィラメント強撚糸織物の厚さは、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは80μm以下である。
マルチフィラメント強撚糸織物の厚さは、織物断面をSEMで観察することによって特定することができ、マルチフィラメント強撚糸織物の経糸と緯糸の交錯点における織物表面の経糸表面と織物裏面の緯糸表面との距離を織物の厚さとする(図2)。図2は、本発明で用いられるマルチフィラメント強撚糸織物の厚さを説明するための写真であり、層間粘着層4により支持層に積層されたマルチフィラメント強撚糸織物2において、織物表面の緯糸側面と織物裏面の経糸断面との距離を織物厚さ3とすることを示している。織物の厚さは強撚糸織物内の異なる5ヶ所で計測し、その平均値を厚さとする。
次に、支持層について説明する。
本発明における支持層は研磨層を保持するための役割を有するとともに、クッション層としての役割を有し、研磨砥粒によってウエハにスクラッチが発生することを抑制する。
本発明の研磨パッドを、シリコンなどの半導体ベアウエハやガラス(光学ガラス、フラットパネルディスプレイ用ガラス、露光に用いるガラスマスクなど)の粗研磨用として適用する場合には、支持体はアスカーA硬度が70以上の支持体であることが好ましい。これにより、研磨パッド全体だけでなくサイトフラットネスに対応するサイズ(十〜数十mm程度)のたわみを抑制し、ウエハ表面の凹凸のうち凸部から優先的に研磨することにより、ウエハの平坦性を向上させることが可能である。このため、支持体は硬い方が好ましく、アスカーA硬度はより好ましくは80以上であり、さらに好ましくは85以上である。アスカーA硬度の上限値は100である。
一方、本発明の研磨パッドをシリコンなどの半導体ベアウエハ研磨やガラスの仕上げ研磨用として適用する場合には、アスカーA硬度が70未満の支持体であることが好ましい。これにより、ウエハ全体の反りやうねりに沿って研磨パッドが変形して追従することで、ウエハ表面の数nm〜数μm程度の微小な凹凸を除去してウエハの表面平滑性を向上することができる。このため、支持体は比較的軟らかいものであることが好ましく、アスカーA硬度が65以下であることがより好ましく、60以下であることがさらに好ましい。なお、アスカーA硬度の下限値は0である。
支持体の厚さが薄い場合には、マイクロゴムA硬度で評価することも可能である。この場合、マイクロゴムA硬度は70未満であることが好ましく、より好ましくは65以下であり、さらに好ましくは60以下であることがさらに好ましい。マイクロゴムA硬度の下限値は0である。
また、半導体の酸化膜や金属膜などのCMPに用いる場合には、アスカーA硬度が60〜90の支持体であることが好ましい。これにより、ウエハの凹凸に追従しつつ、ウエハ全体の平坦性を向上させることができる。
本発明で用いられる支持体の種類は平坦なシート状のものであれば特に限定されず、フィルムや不織布、ガラス板、金属板、セラミックス板、発泡フォームなどを用いることも可能である。ガラス板や金属板は硬度が高く、表面を平坦にすることができるが、マルチフィラメント強撚糸織物との接着性や研磨時の振動の抑制、そして定盤へ貼り付ける際に作業性が劣ることから課題が多いと考えられる。
その点、ゴムシートは適度な硬度や耐薬品性を得やすく、また、比較的ゴムシート表面の硬度や平坦性が制御しやすいため、好ましく用いられる。また、定盤からの振動を吸収して研磨精度を向上させるという観点からも、ゴムシートであることが好ましい。ゴムシートの材質としては、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPT)、イソブチレンイソプレンゴム(IIR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、シリコーンゴム(SR)、フッ素ゴム(FR)、およびウレタンゴム(UR)などが挙げられるが、機械的強度、反発弾性および耐薬品性などを考慮すると、URであることが好ましい。これらの中でも、汎用性やゴムシートの平坦性からURとNBRが好ましく用いられる。
支持体の厚さが薄すぎると研磨パッドとしての取扱性に劣ること加えて研磨定盤の振動を吸収しにくくなる。また、厚いと研磨パッドの製造コストが必要になる。そのため、支持体の厚さは0.5〜10mmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜5mmであり、さらに好ましくは0.5〜2mmである。
本発明では、X−Y方向に方向性を持った織物を研磨層とするため、研磨屑を排出しやすく目詰まりが発生しにくく、ドレッシングの回数を減らすことができる。ドレッシングを行う場合、従来のダイヤモンドドレッサーやナイロンブラシを本発明の研磨パッドに使用すると研磨屑を効率的に掻き出すことができない。そのため、本発明のマルチフィラメント強撚糸織物を研磨層とした研磨パッドでは、ジェット水流でドレッシングする方法で洗浄することが好ましい。
ところで、従来の研磨パッドでは、研磨を始める前の初期ドレッシング、また研磨パッドの表面状態を定常状態にするための長時間におよぶ立ち上げ研磨(数時間程度)を行うことが普通であるが、本発明ではこれらを省略することが可能である。本発明では、マルチフィラメント強撚糸織物を用いることで研磨前後での目開きの状態変化がほとんど無いため、これらの前処理を必要としない。
次に、本発明で用いられるウエハの平坦性の評価方法について述べる。
研磨評価は、従来の研磨機、研磨スラリー、バッキング材およびウエハ(半導体ウエハやガラスなど)を用いて行うことができ、その一例を次に示す。研磨機としては、ラップマスターSFT株式会社製の片面研磨機である“ラップマスターLM−15E”(登録商標)を用い、研磨スラリーには、コロイダルシリカの水分散体である株式会社フジミインコーポレーテッド製“GLANZOX1302”(登録商標)を用いる。研磨を行うウエハは、4インチの単結晶シリコンエッチトウエハを用いて研磨を行う。研磨する際には、セラミックス製プレートに市販のPUスエードをバッキング材としたテンプレートを貼り付けて、それに水貼りで半導体ウエハを保持する。
本発明では白色干渉顕微鏡を用いてウエハの平坦性の評価を行う。具体的には、Zygo社の白色干渉顕微鏡である“New View 6300”(登録商標)やそれに準ずる機器を用い、広い領域での平坦性を測定するため、中間レンズを1倍、対物レンズを2.5倍として算術平均粗さRaの評価を行う。Raの測定は、ウエハの中心と、中心から端までの中間点2ヶ所の合計3ヶ所で表面粗さの測定を行い、その平均値で評価を行う。
次に、本発明の研磨パッドの具体的様態について述べる。
本発明の研磨パッドは研磨層および層間粘着層および支持層および定盤粘着層の積層体からなり、その研磨層が目開き10〜150μm、開孔率5〜50%の織物であり、層間粘着層がシリコーン系の粘着剤を組成として設計することが必要である。特に研磨層に目開きを有する織物を使用すると、アクリル系あるいはゴム系粘着テープを使用すると研磨中に研磨層が剥離する場合があるので、シリコーン系粘着テープを使用することが必要となる。
一方、定盤粘着層は研磨スラリーに直接接触しないため、定盤との粘着力および保持力に優れたアクリル系あるいはゴム系粘着テープを用いることが好ましい。
研磨層の織物に使用する繊維としては、撚糸されたマルチフィラメントであると層間粘着層との粘着力にすぐれることから好ましい。
支持層については、上述のようにURからなる樹脂板であれば硬度の選択幅が広く、また樹脂板の平坦性も良好であるので好ましい。
本発明の研磨パッドは、半導体ウエハとして、シリコーン(Si)ウエハ、アニールウエハ、エピウエハ、SOIウエハ、埋め込みウエハ、貼り合せウエハおよび再生ウエハなどの研磨だけでなく、ガリウムナイトライド(GaN)、ガリウム砒素(GaAs)、シリコンカーバイド(SiC)およびサファイアなどの化合物半導体ウエハの研磨にも用いることができる。また、半導体ウエハの研磨用のみに限らず、酸化膜や金属膜などを形成した後のCMPや素子形成後のバックグラインドの研磨に用いることも可能である。さらに、アルミディスクやガラスディスクなどのハードディスク用基板の研磨用、さらに液晶ディスプレイ用ガラス、光学ガラスおよびフォトマスクなどのガラス研磨用など種々の研磨用途に用いることができる。
以下、本発明の研磨パッドについて、実施例を用いて詳細に説明する。実施例に記載された測定は以下の方法で行った。
A.SEM観察
サンプルに白金を蒸着し、日本電子製 超高分解能電解放射型走査型電子顕微鏡JSM−5400LVを用いて所定の倍率で観察した。
B.織物の目開き
目開きとは、マルチフィラメント強撚糸織物において経糸および緯糸に囲まれて形成された細孔を意味し、この細孔は織物の厚さ方向に貫通しているもの 研磨パッド表面を、上記SEM装置により100倍で観察することにより目開きを特定し、目開き面積を異なる20ヶ所で測定し、その平方根の平均値を目開きサイズとした。
C.開孔率
マルチフィラメント強撚糸織物の表面積全体に占める目開き部分の面積の比率を、開孔率として定義する。このときは、マルチフィラメント強撚糸織物、縦×横=2mm×2mm中の目開き数と目開き1つ当たりの面積から開孔率(%)=(目開き総面積/(織編物表面積=4mm))×100(%)を計算し、これを5箇所で行って単純平均して求めた。目開きは、SEM装置観察(100倍)により行った。
D. マルチフィラメント強撚糸織物の厚さ
接着層によりマルチフィラメント強撚糸織物が支持体に積層された研磨パッドをカミソリで切断することにより、織物断面の面出しを行った。そして、織物断面をできる限り垂直に立ててSEM装置で倍率500倍で観察し、図2のように経糸と緯糸の交錯点における織物表面の経糸表面と織物裏面の緯糸表面との距離を測定した。測定は同一織物内で異なる5ヶ所で行い、その平均値を織物の厚さとした。
E.感圧性粘着テープの粘着力の測定
JIS Z0237に従い、研磨パッドを25mm×150mmに切り出し、1時間研磨スラリーに浸漬した後に織物と粘着テープを東洋計器製テンシロン UTM−4Lを用いて300mm/minで180°引き剥がしを行い、その剥離強力を測定した。3枚の試験片の剥離強力を測定し、その平均値を粘着力とした。研磨スラリーは株式会社フジミインコーポレーテッド製“GLANZOX1302”(登録商標)を用い、濃度1%で使用した。
F.感圧性粘着テープの保持力の測定
JIS Z0237に従い、保持力を測定する側の粘着剤を接触面積 幅10mm×長さ20mmで支持体に貼りあわせた。また、粘着テープの端に4.9Nの荷重を掛け、1時間後の粘着テープのずれた距離を計測した。3枚の試験片の保持力を測定し、その平均値をテープの保持力とした。
G.研磨評価
研磨機は、ラップマスターSFT株式会社製の片面研磨機 “ラップマスターLM−15E”(登録商標)を用いた。研磨パッドは、実施例および比較例で作製した研磨パッドをそれぞれ用い、研磨スラリーにはコロイダルシリカの水分散体である株式会社フジミインコーポレーテッド製“GLANZOX1302”(登録商標)を用いた。半導体ウエハは、4インチの単結晶シリコンのエッチトウエハを用いて研磨した。また、ウエハ1枚を10分間研磨し、新たなウエハを交換し再度研磨を行う。このような操作を連続して行い、積算で10時間研磨を行った後に織物が剥離するかどうか確認した。このときの研磨条件は、下記のとおりである。
<研磨条件>
・定盤回転数: 50rpm
・研磨圧力: 255gf/cm
・研磨時間: 10分間
・スラリー濃度: 1%
・スラリー供給量: 35mL/分。
研磨する際には、セラミックス製プレートに市販のPUスエードをバッキング材としたテンプレートを貼り付けて、それに水貼りでウエハを保持した。
H.研磨後ウエハの平坦性の評価
Zygo社の白色干渉顕微鏡である“New View 6300”(登録商標)を用い、中間レンズを1倍、対物レンズを2.5倍としてRa(算術平均粗さ)の評価を行った。測定は、研磨物の中心とそれから端までの中間点4ヶ所の合計5ヶ所の測定を行い、その平均値で評価を行った。
[実施例1]
研磨層として、17dtex−12フィラメント(三角断面)を用い、撚数1,700T/mのPETマルチフィラメントを経密度157本/インチ、緯密度176本/インチ、目開き88μm、開孔率32%として織ったマルチフィラメント強撚糸平織物(表1)を用い、支持体として、アスカーA硬度90、厚さ1.0mmの熱可塑性ウレタン樹脂板を用いた。この支持体に上記の織物をシリコーン系両面粘着テープ(保持力0.1mm/h、厚さ85μm、ポリエステルフィルム基材、支持体面はアクリル系粘着剤)で貼り付け、さらに支持体の裏側に定盤粘着用のアクリル系粘着テープ(厚さ133μm、ポリエステルフィルム基材)を貼り付け、研磨パッドを作製した。この研磨パッドの小片を研磨スラリーに1時間浸漬した後に強撚糸織物と粘着テープ間の180°引き剥がしによる剥離強力を測定したところ、4.5N/25mmであった。
この研磨パッドを用いてシリコンウエハの研磨を行い、ウエハの平坦性評価を行ったところ、 Raは1.5nmであり、優れた平坦性を示した。
また、積算で10時間ウエハの研磨を行ったところ、織物の剥離など研磨パッドの形態の変化は認められなかった。
[実施例2]
研磨層として、17dtex−12フィラメント(三角断面)を用い、撚数3,000T/mのPETマルチフィラメントを経密度295本/インチ、緯密度300本/インチ、目開き58μm、開孔率13%として織ったマルチフィラメント強撚糸平織物(表1)を用い、支持体として、アスカーA硬度90、厚さ1.0mmの熱可塑性ウレタン樹脂板を用いた。この支持体に上記の織物をシリコーン系両面粘着テープ(保持力0.1mm/h、厚さ85μm、ポリエステルフィルム基材、支持体面はアクリル系粘着剤)で貼り付け、さらに支持体の裏側に定盤粘着用のアクリル系粘着テープ(厚さ133μm、ポリエステルフィルム基材)を貼り付け、研磨パッドを作製した。この研磨パッドの小片を研磨スラリーに1時間浸漬した後に強撚糸織物と粘着テープ間の180°引き剥がしによる剥離強力を測定したところ、5.3N/25mmであった。
この研磨パッドを用いてシリコンウエハの研磨を行い、ウエハの平坦性評価を行ったところ、 Raは1.6nmであり、優れた平坦性を示した。
また、積算で10時間ウエハの研磨を行ったところ、織物の剥離など研磨パッドの形態の変化は認められなかった。
[実施例3]
研磨層として、17dtex−12フィラメント(三角断面)を用い、撚数3,000T/mのPETマルチフィラメントを経密度295本/インチ、緯密度200本/インチ、目開き75μm、開孔率15%として織ったマルチフィラメント強撚糸平織物(表1)を用い、支持体として、アスカーA硬度90、厚さ1.0mmの熱可塑性ウレタン樹脂板を用いた。この支持体に上記の織物をシリコーン系両面粘着テープ(保持力0.1mm/h、厚さ85μm、ポリエステルフィルム基材、支持体面はアクリル系粘着剤)で貼り付け、さらに支持体の裏側に定盤粘着用のアクリル系粘着テープ(厚さ133μm、ポリエステルフィルム基材)を貼り付け、研磨パッドを作製した。この研磨パッドの小片を研磨スラリーに1時間浸漬した後に強撚糸織物と粘着テープ間の180°引き剥がしによる剥離強力を測定したところ、5.0N/25mmであった。
この研磨パッドを用いてシリコンウエハの研磨を行い、ウエハの平坦性評価を行ったところ、 Raは2.2nmであり、優れた平坦性を示した。
また、積算で10時間ウエハの研磨を行ったところ、織物の剥離など研磨パッドの形態の変化は認められなかった。
[実施例4]
研磨層として、17dtex−12フィラメント(三角断面)を用い、撚数1,700T/mのPETマルチフィラメントを経密度157本/インチ、緯密度176本/インチ、目開き88μm、開孔率32%として織ったマルチフィラメント強撚糸平織物(表1)を用い、支持体として、アスカーA硬度90、厚さ1.0mmの熱可塑性ウレタン樹脂板を用いた。この支持体に上記の織物をシリコーン系両面粘着テープ(保持力0.4mm/h、厚さ110μm、ポリエステルフィルム基材、支持体面はアクリル系粘着剤)で貼り付け、さらに支持体の裏側に定盤粘着用のアクリル系粘着テープ(厚さ133μm、ポリエステルフィルム基材)を貼り付け、研磨パッドを作製した。この研磨パッドの小片を研磨スラリーに1時間浸漬した後に強撚糸織物と粘着テープ間の180°引き剥がしによる剥離強力を測定したところ、4.2N/25mmであった。
この研磨パッドを用いてシリコンウエハの研磨を行い、ウエハの平坦性評価を行ったところ、 Raは2.3nmであり、優れた平坦性を示した。
また、積算で10時間ウエハの研磨を行ったところ、織物の剥離など研磨パッドの形態の変化は認められなかった。
[実施例5]
研磨層として、17dtex−12フィラメント(三角断面)を用い、撚数800T/mのPETマルチフィラメントを経密度157本/インチ、緯密度176本/インチ、目開き88μm、開孔率32%として織ったマルチフィラメント強撚糸平織物(表1)を用い、支持体として、アスカーA硬度90、厚さ1.0mmの熱可塑性ウレタン樹脂板を用いた。この支持体に上記の織物をシリコーン系両面粘着テープ(保持力0.1mm/h、厚さ85μm、ポリエステルフィルム基材、支持体面はアクリル系粘着剤)で貼り付け、さらに支持体の裏側に定盤粘着用のアクリル系粘着テープ(厚さ133μm、ポリエステルフィルム基材)を貼り付け、研磨パッドを作製した。この研磨パッドの小片を研磨スラリーに1時間浸漬した後に強撚糸織物と粘着テープ間の180°引き剥がしによる剥離強力を測定したところ、3.8N/25mmであった。
この研磨パッドを用いてシリコンウエハの研磨を行い、ウエハの平坦性評価を行ったところ、 Raは2.5nmであり、比較的優れた平坦性を示した。
また、積算で10時間ウエハの研磨を行ったところ、織物の剥離など研磨パッドの形態の変化は認められなかった。
[比較例1]
研磨層として、17dtex−12フィラメント(三角断面)を用い、撚数1,700T/mのPETマルチフィラメントを経密度157本/インチ、緯密度176本/インチ、目開き88μm、開孔率32%として織ったマルチフィラメント強撚糸平織物(表1)を用い、支持体として、アスカーA硬度90、厚さ1.0mmの熱可塑性ウレタン樹脂板を用いた。この支持体に上記の織物をアクリル系粘着テープ(保持力0.0mm/h、厚さ130μm、不織布基材)で貼り付け、さらに支持体の裏側に定盤粘着用のアクリル系粘着テープ(厚さ133μm、ポリエステルフィルム基材)を貼り付け、研磨パッドを作製した。この研磨パッドの小片を研磨スラリーに1時間浸漬した後に強撚糸織物と粘着テープ間の180°引き剥がしによる剥離強力を測定したところ、0.1N/25mm以下であり、ほとんど粘着力を保持していなかった。
この研磨パッドを用いてシリコンウエハの研磨を行い、ウエハの平坦性評価を行ったところ、 Raは1.6nmであり、優れた平坦性を示した。
しかしながら、積算で20分間ウエハの研磨を行ったところで、研磨中に織物が剥離する箇所が確認された。
[比較例2]
研磨層として、17dtex−12フィラメント(三角断面)を用い、撚数3,000T/mのPETマルチフィラメントを経密度295本/インチ、緯密度300本/インチ、目開き58μm、開孔率13%として織ったマルチフィラメント強撚糸平織物(表1)を用い、支持体として、アスカーA硬度90、厚さ1.0mmの熱可塑性ウレタン樹脂板を用いた。この支持体に上記の織物をアクリル系粘着テープ(保持力0.0mm/h、厚さ130μm、不織布基材)で貼り付け、さらに支持体の裏側に定盤粘着用のアクリル系粘着テープ(厚さ133μm、ポリエステルフィルム基材)を貼り付け、研磨パッドを作製した。この研磨パッドの小片を研磨スラリーに1時間浸漬した後に強撚糸織物と粘着テープ間の180°引き剥がしによる剥離強力を測定したところ、0.1N/25mm以下であり、ほとんど粘着力を保持していなかった。
この研磨パッドを用いてシリコンウエハの研磨を行い、ウエハの平坦性評価を行ったところ、 Raは1.8nmであり、優れた平坦性を示した。
しかしながら、積算で30分間ウエハの研磨を行ったところで、研磨中に織物が剥離する箇所が確認された。
[比較例3]
研磨層として、17dtex−12フィラメント(三角断面)を用い、撚数1,700T/mのPETマルチフィラメントを経密度157本/インチ、緯密度176本/インチ、目開き88μm、開孔率32%として織ったマルチフィラメント強撚糸平織物(表1)を用い、支持体として、アスカーA硬度90、厚さ1.0mmの熱可塑性ウレタン樹脂板を用いた。この支持体に上記の織物をゴム系両面粘着テープ(保持力0.1mm/h、厚さ150μm、ポリエステルフィルム基材、支持体面はアクリル系粘着剤)で貼り付け、さらに支持体の裏側に定盤粘着用のアクリル系粘着テープ(厚さ133μm、ポリエステルフィルム基材)を貼り付け、研磨パッドを作製した。この研磨パッドの小片を研磨スラリーに1時間浸漬した後に強撚糸織物と粘着テープ間の180°引き剥がしによる剥離強力を測定したところ、1.0N/25mmであった。
この研磨パッドを用いてシリコンウエハの研磨を行い、ウエハの平坦性評価を行ったところ、Raは1.8nmであり、優れた平坦性を示した。
しかしながら、積算で10分間ウエハの研磨を行ったところで、研磨中に織物が剥離する箇所が確認された。
[比較例4]
研磨層として、17dtex−12フィラメント(三角断面)を用い、撚数1,700T/mのPETマルチフィラメントを経密度80本/インチ、緯密度60本/インチ、目開き170μm、開孔率75%として織ったマルチフィラメント強撚糸平織物(表1)を用い、支持体として、アスカーA硬度90、厚さ1.0mmの熱可塑性ウレタン樹脂板を用いた。この支持体に上記の織物をシリコーン系両面粘着テープ(保持力0.1mm/h、厚さ85μm、ポリエステルフィルム基材、支持体面はアクリル系粘着剤)で貼り付け、さらに支持体の裏側に定盤粘着用のアクリル系粘着テープ(厚さ133μm、ポリエステルフィルム基材)を貼り付け、研磨パッドを作製した。この研磨パッドの小片を研磨スラリーに1時間浸漬した後に強撚糸織物と粘着テープ間の180°引き剥がしによる剥離強力を測定したところ、3.9N/25mmであった。
この研磨パッドを用いてシリコンウエハの研磨を行い、ウエハの平坦性評価を行ったところ、 Raは3.7nmであり、平坦性に劣るものであった。
また、積算で10時間ウエハの研磨を行ったところ、織物の剥離など研磨パッドの形態の変化は認められなかった。
上記の結果を、表1に示す。
1:目開き部分
2:マルチフィラメント強撚糸織物
3:織物厚さ
4:層間粘着層

Claims (1)

  1. 研磨パッド上に研磨スラリーを供給しながら研磨パッドと半導体ウエハを相対的に回転運動させて研磨を行う半導体ウエハの鏡面研磨に用いられる研磨パッドであって、研磨層および層間粘着層および支持層および定盤粘着層の積層体からなり、研磨層が目開き10〜150μm、開孔率5〜50%の、撚数が1,000T/m以上のマルチフィラメントから構成された織物であり、層間粘着層がシリコーン系粘着剤を組成とする両面テープからなることを特徴とする研磨パッド。
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