請求項1に記載の発明は、貯蔵室と、前記貯蔵室を仕切る仕切壁と、前記貯蔵室に備えられた収納容器と、前記貯蔵室の前面開口部を閉塞する扉と、前記貯蔵室内を冷却する冷気を生成する冷却器を備えた冷却室と、前記冷却室の冷気を前記貯蔵室内に吐出する冷気吐出口と、前記貯蔵室内を冷却した冷気を前記冷却室に帰還させる冷気吸込口と、空気中の水分を結露させて前記貯蔵室内にミストとして噴霧するミスト噴霧手段を備え、前記ミスト噴霧手段は、前記貯蔵室吸込口を通って前記貯蔵室外へと冷気が流出する貯蔵室吸込風路を設けた前記仕切壁に配置し、前記ミストは前記貯蔵室とは異なる貯蔵室へ吐出されるものであり、収納容器内から収納容器外へ漏れ出る湿気を効率良く回収し、ミスト噴霧手段に結露させることができるとともに、各貯蔵室にミストを供給することができ、より保鮮性の高い冷蔵庫を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ミスト噴霧手段は、前記仕切壁に一部を埋設して配置したものであり、ミスト噴霧手段の貯蔵室側への突出を抑え、貯蔵室内のスペースを有効活用することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記ミスト噴霧手段は、前記仕切壁の天面に配置するものであり、貯蔵室内へのミストの噴霧と、各貯蔵室へのミストの供給を効率的に行うことができる。
以下、本発明の冷蔵庫の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図である。図2は、同実施の形態における冷蔵庫の縦断面図である。図3は、同実施の形態の冷蔵庫における貯蔵室内を示す斜視図である。
図1、図2、図3に示すように、冷蔵庫本体1は、外箱18と、内箱19と、外箱18と内箱19とで形成される空間に発泡充填される硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材20とからなり、周囲と断熱され、複数の貯蔵室に区分されている。最上段に第一の貯蔵室としての冷蔵室21、その冷蔵室21の下部に第四の貯蔵室としての切替室22と第五の貯蔵室としての製氷室23が横並びに設けられ、その切替室22と製氷室23の下部に第二の貯蔵室としての野菜室24、そして最下部に第三の貯蔵室としての冷凍室25が配置される構成となっている。
冷蔵室21は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃としている。また、野菜室24は冷蔵室21と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。冷凍室25は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが
、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
切替室22は、1℃〜5℃で設定される冷蔵、2℃〜7℃で設定される野菜、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍の温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り替えることができる。例えば、ソフト冷凍(概ね−12℃〜−6℃程度)、パーシャルフリージング(概ね−5℃〜−1℃程度)、チルド(概ね−1℃〜1℃程度)等の冷蔵と冷凍の間の温度帯である。切替室22は製氷室23に並設された独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
なお、本実施の形態では切替室22を冷蔵、冷凍の温度帯までを含めた貯蔵室としているが、冷蔵は冷蔵室21、野菜室24、冷凍は冷凍室25に委ねて、冷蔵と冷蔵の内間の上記温度帯のみの切り替えに特化した貯蔵室としても、もちろん構わない。
製氷室23は、冷蔵室21内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵しておくスペースであり、切替室22に並設された間口の小さい独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
冷蔵庫本体1の天面部は冷蔵庫の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に機械室26を形成して圧縮機27、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側の構成部品が収納されている。すなわち、圧縮機27を配設する機械室26は、冷蔵室21内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。手が届きにくくデッドスペースとなっていた冷蔵庫本体1の最上部の貯蔵室の後方領域に機械室26を設けて圧縮機27を配置することにより、従来の冷蔵庫で、使用者が使い易い冷蔵庫本体1の最下部にあった機械室のスペースを貯蔵室容量として有効に転化することができ、収納性や使い勝手を大きく改善することができる。
なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった冷蔵庫本体1の最下部の貯蔵室の後方領域に機械室を設けて圧縮機27を配置するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
野菜室24と冷凍室25の背面には冷却室28が設けられ、冷却室28は断熱性を有する第一の冷却ダクト29により野菜室24及び冷凍室25から仕切られている。冷却室28内には、代表的なものとしてフィンアンドチューブ式の冷却器30が配設されており、冷却器30の上部空間には強制対流方式により冷却器30で冷却した冷気を冷蔵室21、切替室22、製氷室23、野菜室24、冷凍室25に送風する冷却ファン31が配置され、冷却器30の下部空間には冷却時に冷却器30や冷却ファン31に付着する霜を除霜する装置としてのガラス管製のラジアントヒータ32が設けられている。
第一の冷却ダクト29の外周には冷気、水漏れがないように、例えば軟質フォーム等のシール材が貼り付けられている。冷凍室25と野菜室24を仕切る第一の仕切壁33は発泡ポリスチレン等の断熱材で成形され取り外し可能である。
切替室22、製氷室23と野菜室24を仕切る第二の仕切壁34は、側面断面から見て略L字形の第二の仕切壁上板35と平板状の第二の仕切壁下板36で外郭を構成され、第二の仕切壁34の内部は硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材20が発泡充填されている。この時、前述したように野菜室24の上方には野菜室24よりも低い温度に調整された切替室22と製氷室23が配置されており、野菜室24は上方から間接的に冷却され第二の仕切壁下板36は冷却板として機能する。
略L字形の第二の仕切壁上板35の背面には、発泡ポリスチレン等の断熱材で成形された背面仕切壁37、冷蔵室21と切替室22、製氷室23を冷却するための冷気が送風される風路を形成した第二の冷却ダクト38が設けられ、内部には冷蔵室21と切替室22の冷気の流れをそれぞれ調節するダンパー装置としてのツインダンパー39が設けられており、冷蔵室21と切替室22の冷気の流れをそれぞれ調節するダンパー装置をツインダンパー化することにより収容スペースのコンパクト化とコスト削減を図っている。
冷蔵室21と切替室22、製氷室23を仕切る第三の仕切壁40は、第三の仕切壁上板40aと第三の仕切壁下板40bとで外郭を構成され、第三の仕切壁40の内部には硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材20が発泡充填されている。冷蔵室21の背面には冷蔵室21の庫内に冷気を送風するための第三の冷却ダクト43が取り付けられており、第三の冷却ダクト43と第二の冷却ダクト38との接合面には、冷気、水漏れがないようにシール材が貼り付けられている。また、第一の冷却ダクト29と第一の仕切壁33と第三の冷却ダクト43は取り外しが可能であるが、第二の仕切壁34と第二の冷却ダクト38と第三の仕切壁40は冷蔵庫本体1のウレタン発泡前に取り付けられたものであるため取り外しができず、発泡断熱材20によって冷蔵庫本体1と強固に接合されている。
また、第一の冷却ダクト29の内部には冷蔵室21と、切替室22と、製氷室23と、冷凍室25を冷却するための冷気を送風する風路41が設けられている。さらに、冷蔵室21からの冷気を冷却器30へ戻す冷蔵室用帰還風路42と、切替室22からの冷気を冷却器30へ戻す切替室用帰還風路43と、製氷室23からの冷気を冷却器30へ戻す製氷室用帰還風路44とを備えている。さらに、第一の冷却ダクト29の上部には、冷蔵室用帰還風路42を流れる冷気の一部を野菜室24内に導入する野菜室用吐出口45が設けられている。この野菜室用吐出口45は収納容器を冷却する冷却手段として構成されているものである。また、第一の冷却ダクト29の野菜室24下部にあたる位置には野菜室24からの冷気を再び冷蔵室用帰還風路42へと戻す野菜室用吸込口46が設けられており、第一の冷却ダクト29の冷凍室25にあたる部位には、風路41からの冷気を冷凍室25内へ送風する第一の冷凍室用吐出口47と、第二の冷凍室用吐出口48が設けられている。また、第一の冷却ダクト29の下部には冷凍室25からの冷気を冷却器30へ戻す冷凍室用吸込口49が設けられている。
第二の冷却ダクト38には、ツインダンパー39を介して冷気を冷蔵室21へ送風する冷蔵室用風路50と、同じくツインダンパー39を介して冷気を切替室22へ送風する切替室用風路51と、切替室22内へ冷気を吐出する切替室用吐出口52と、風路41から直接に通じ、冷気を製氷室23へ送風する製氷室用風路53と、製氷室23内へ冷気を吐出する製氷室用吐出口54を備えている。また、切替室22からの冷気を冷却器30へ戻す切替室用帰還風路55と、製氷室23からの冷気を冷却器30へ戻す製氷室用帰還風路56と、冷蔵室21からの冷気を冷却器30へ戻す冷蔵室用帰還風路57とを備えている。
第三の冷却ダクト43には、冷気を冷蔵室21内へ導く冷蔵室用風路58と、冷蔵室用風路58からの冷気を冷蔵室21へ吐出する複数の冷蔵室用吐出口59が設けられている。また、第三の冷却ダクト43の下部には冷蔵室21からの冷気を冷却器30へと戻す冷蔵室用吸込口60と、冷蔵室用帰還風路61とが設けられている。
野菜室24は、その前面開口部を開放可能な扉62にて外気の流入が無いように閉塞されている。この扉62には左右一対で野菜室24内に延伸された板状のスライドレール63が設けられており、この上に下段収納容器64が載置されている。扉62はこのスライドレール63の可動方向に沿って水平方向に引き出して開閉され、それに伴ない下段収納
容器64も稼動して引き出される。さらに、下段収納容器64には上段収納容器65が載置されており、下段収納容器64と同時に可動することになる。この時、上段収納容器65の底面面積は下段収納容器64の底面面積よりも小さく構成されている。本実施の形態ではこの上段収納容器65と下段収納容器64を前後方向に空間を設けて配置し、この空間内に比較的背の高い食品、例えばPETボトルや白菜等の長物野菜を収納可能としている。
また、野菜室24内には蓋66が配置されており、扉62が閉じている場合には上段収納容器65の上面開放部を閉塞する。さらに、扉62の開放時には蓋66は野菜室24内に残り、引き出されることはない。
第一の冷却ダクト29の背面仕切壁37にはミスト噴霧手段67が配置され、下段収納容器64と上段収納容器65との間隙近傍に位置している。さらに、ミスト噴霧手段67の左右には、野菜室24内に略水平方向に延伸された風向リブ68が第一の冷却ダクト29と一体に成形されている。この風向リブ68は下段収納容器64の背面上端よりも上方に位置しており、上段収納容器65、下段収納容器64と第一の冷却ダクト29との間の空間を上下に仕切っている。この時、風向リブ68と上段収納容器65、及び風向リブ68と下段収納容器64は前後方向にドア開閉に際して互いに当接することのない程度の隙間が設けられている。なお、本実施の形態では風向リブ68は下段収納容器64の背面上端よりも上方に位置するとしたが、下段収納容器64と同一の高さであってもよい。
また、野菜室24内には、上下方向において野菜室用吐出口45と野菜室用吸込口46との間にミスト噴霧手段67が備えられている。
このように野菜室24にミスト噴霧手段67が備えられており、野菜室24外から冷気吐出口である野菜室用吐出口45を通って冷気が流入し、冷気吸入口である野菜室用吸込口46を通って野菜室24外へと冷気が流出することで、野菜室24内には、野菜室用吸込口46から流入した後、主に野菜室24に備えられた収納容器の外側を流れて野菜室用吸込口46を通って野菜室24外へと冷気が流出するが、その中でも野菜室用吐出口45と野菜室用吸込口46とを最短距離で結ぶ冷気流通経路上にミスト噴霧手段67が備えられている。
さらに、本実施の形態では、ミスト噴霧手段67を備えた貯蔵室(野菜室24)内において、冷気吐出口である野菜室用吐出口45は、ミスト噴霧手段67より上方に配置されるとともに冷気吸込口である野菜室用吸込口46はミスト噴霧手段67より下方に配置され、野菜室用吐出口45とミスト噴霧手段67手段の上下方向の距離は、野菜室用吸込口46とミスト噴霧手段67との距離よりも短い位置に配置されている。言い換えると、ミスト噴霧手段67は上下方向において、野菜室用吐出口45に近い上方側に配置されていることとなる。
さらに、ミスト噴霧手段67は野菜室24の上下方向における中心線24aよりも上部に配置されている。
ミスト噴霧手段67は、噴霧を行う霧化部67aを有し、霧化部67aを露点温度以下まで冷却することで霧化部67a周辺の空気中の水分を結露させた結露水を用いてミストを発生させ、貯蔵室(野菜室24)内の空間へ噴霧するものである。本実施の形態においては、霧化部67aを露点温度以下まで冷却する冷却手段として霧化部67aの背面側の冷気が送風される風路41を用いている。
下段収納容器64の背面上端の一部でミスト噴霧手段67の近傍には、野菜室24内の
冷気の流通経路上において、下段収納容器64内から下段収納容器64外へ流出する冷気の量が最も多い冷気流出部である凹部69が設けられており、凹部69は下段収納容器64の背面上端よりも低く形成されている。また、このような野菜室24内の冷気の流通経路上において、下段収納容器64内から下段収納容器64外へ流出する冷気の量が最も多い冷気流出部は、野菜室24の冷気が野菜室24外へと流出する野菜室用吸込口46(冷気吸込口)が備えられている背面側の下段収納容器64となる。
また、下段収納容器64内から下段収納容器64外へ流出する冷気の量が最も多い冷気流出部は下段収納容器64には上段収納容器65と下段収納容器64との隙間が最も大きい箇所である凹部69であって、この下段収納容器64の凹部69はミスト噴霧手段67と対向する位置に設けられている。
なお、凹部69の上下左右の位置についてはミスト噴霧手段67の噴霧口70が下段収納容器64の背面で隠れないように形成すればよい。
収納容器からの冷気流出部は、この凹部69と上段収納容器65の底面とで形成される隙間であり、この部分が下段収納容器64内から下段収納容器64外へ流出する冷気の量が最も多い箇所である。
また、上段収納容器65にはその一部に複数の空気流通穴71が設けられている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板(図示せず)からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機27の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器(図示せず)にて放熱して凝縮液化し、キャピラリーチューブ(図示せず)に至る。その後、キャピラリーチューブでは圧縮機27への吸入管(図示せず)と熱交換しながら減圧されて低温低圧の液冷媒となって冷却器30に至る。冷却ファン31の動作により、各貯蔵室内の空気と熱交換されて冷却器30内の冷媒は蒸発気化し、低温の冷気をダンパーなどで供給制御することで各室の所望の冷却を行う。冷却器30を出た冷媒は吸入管を経て圧縮機27へと吸い込まれる。
各貯蔵室内の空気と熱交換されて冷却器30には、各貯蔵室内空気と熱交換した時に水分が付着し霜となる。制御基板(図示せず)から定期的に信号が出力され、圧縮機27を停止させ、ラジアントヒータ32に通電し、冷却器30の除霜を行う。
次に冷蔵庫本体1内の冷気の流れについて説明する。冷却ファン31から送風された冷気は、風路41を通じ下方と上方に振り分けられて送風される。下方に振り分けられた冷気は、第一の冷凍室用吐出口47と第二の冷凍室用吐出口48を通り冷凍室25内に吐出され、冷凍室25内の空気と熱交換し冷凍室用吸込口49を通って冷却室28に戻る。
冷却ファン31から送風された冷気の内、上方に振り分けられた冷気は、冷蔵室用風路50とツインダンパー39の冷蔵室側を経由して冷蔵室用吐出口59から冷蔵室21に至る。また一部は切替室用風路51とツインダンパー39の切替室側を経由して切替室用吐出口52から切替室22に至る。ここで制御基板(図示せず)から信号を出力しツインダンパーを動作させ、冷気の流れをコントロールし、冷蔵室21と切替室22の温度制御を行い所定の温度に庫内温度を調整する。
冷蔵室21内に送風された冷気は、冷蔵室21内の空気と熱交換し、冷蔵室用吸込口60から吸入され、冷蔵室用帰風路61、冷蔵室用帰還風路57、冷蔵室用帰還風路42を
通り冷却室28に戻る。ここで冷蔵室21の戻り冷気の一部は、冷蔵室用帰還風路42の途中に設けられた野菜室用吐出口45により野菜室24内に流入し、野菜室24内を冷却することになる。
野菜室用吐出口45から吐出された冷気は、一部が蓋66と第二の仕切壁34との間を通り、上段収納容器65の手前部分から下段収納容器64の手前部分に入る。さらに再び下段収納容器64の手前部分から下段収納容器64の下部と第一の仕切壁33の間を通り、野菜室用吸込口46から吸入され、冷蔵室用帰還風路42に合流する。
一方、野菜室用吐出口45からは冷気の一部が冷却ダクト29の壁に沿って下方に吐出され、冷却ダクト29に一体に形成され、ミスト噴霧手段67の左右に設けられた風向リブ68によって風向を変えられ、概ね前方に向かって冷気が流れることになる。前述したように風向リブ68は下段収納容器64の背面上端と同じ高さかもしくは上方に位置するため、前方に風向を変えられた冷気は、上段収納容器65の底面と下段収納容器64の背面上端との間隙から下段収納容器64内に入り、内部の収納食品を冷却することになる。
下段収納容器64内部に収納された食品からは、投入時からの時間経過に伴い水分が蒸散する。この時、蒸散した水分を含んだ空気は、下段収納容器64内に流入した冷気の流れに沿って下段収納容器64内から下段収納容器64外へ流出する冷気の量が最も多い箇所であって冷気流出部である凹部69から収納容器外に流出し、冷気流出部である凹部69の近傍に配置されたミスト噴霧手段67へと到達する。このように下段収納容器64内の高湿の冷気は冷気流出部である下段収納容器64の凹部69がミストが噴霧される空間である下段収納容器64の高さ方向の壁面がもっとも低い箇所であり、かつ上段収納容器65の底面と下段収納容器64の背面上端との間隙が最も大きい箇所である為に流れる冷気量が最も多量であり、この凹部69を中心に下段収納容器64外へと流出し、ミスト噴霧手段67の周囲は高湿度の雰囲気となる。
ミスト噴霧手段67は空気中の水分を結露させて水の補給を行うタイプのものであり、風路41によりその内部が周囲温度よりも低く冷却されており、ミスト噴霧手段67内部で空気中の水分が結露することになる。この結露した水を凹部69と上段収納容器65の底面とで区画される冷気流出部から収納容器内部にミスト状に噴霧する。結果、収納食品からの蒸散水はミスト噴霧手段67により、再び収納食品自体に返されることになる。
このように、野菜室用吐出口45から冷気が流入している場合において、野菜室用吐出口45から貯蔵室(野菜室24)内に流入した冷気が野菜室用吸込口46を通って野菜室24外へと流れる風路の中で、野菜室用吐出口45と野菜室用吸込口46とを最短距離で結ぶ冷気流通経路は流れている冷気の量が多い為に、比較的冷気の流速が早くなり収納容器内の冷気が引っ張られ高湿度の冷気が下段収納容器64の凹部69を中心に冷気流通経路上に漏れ出てきて、この凹部69の対向する位置にミスト噴霧手段67を配置しているので、収納容器内からの高湿度の冷気を効率良く回収し、ミスト噴霧手段67に積極的に結露させることができ、この結露水を微細ミストに変えて、拡散性の高い微細ミストを再度収納容器内に返すことができ、収納容器内を微細ミストで十分に加湿し、野菜の鮮度を維持することができる。
また、野菜室用吐出口45から冷気が流入していない場合においては、風路上において野菜室用吐出口45より上流に位置するダンパーが備えられており、そのダンパーは閉じられているが、一般にと野菜室用吸込口46より下流にはダンパーが備えられていない為、少しずつではあるが野菜室24内の冷気が野菜室用吸込口46から野菜室24外へと流出することとなり、その場合においては、収納容器である下段収納容器64内から野菜室用吸込口46の方向へと冷気の流れが発生する。
よって、野菜室用吐出口45から冷気が流入していない場合であっても、下段収納容器64の高さ方向の壁面がもっとも低い箇所であり、かつ上段収納容器65の底面と下段収納容器64の背面上端との間隙が最も大きい箇所である為に流れる冷気量が最も多量である冷気流出部から高湿度の冷気が流出するので、この冷気流出部の近傍に配置されたミスト噴霧手段67周辺は高湿度の雰囲気となり、ミスト噴霧手段67内部で空気中の水分が結露しやすい環境にすることができる。
収納容器外部へ流出しミスト噴霧手段近傍を通過した冷気は、野菜室用吸込口46から吸入され、冷蔵室用帰還風路42に合流する。これら一連の動作でも分かるように野菜室24は冷蔵室21の戻り冷気を利用して冷却していることになる。
さらに、本実施の形態では、ミスト噴霧手段67を備えた野菜室24において、冷気吐出口である野菜室用吐出口45は、ミスト噴霧手段67より上方に配置されるとともに冷気吸込口である野菜室用吸込口46はミスト噴霧手段67より下方に配置され、野菜室用吐出口45とミスト噴霧手段67手段の上下方向の距離は、野菜室用吸込口46とミスト噴霧手段67との距離よりも短い位置に配置されている。言い換えると、ミスト噴霧手段67は上下方向において、野菜室用吐出口45に近い上方側に配置されており、ミスト噴霧手段67は野菜室24の上下方向における中心線24a上もしくは上下方向における中心線24aよりも上方に配置されていることとなる。
これによって、冷たい空気は下方側へ流れる特性を生かし、噴霧されたミスト粒子が野菜室24内の冷気の流れに乗って噴霧されるため、より拡散性を高めることができ、より効果的にミスト噴霧を行うことができる。
なお、ミスト噴霧手段67と下段収納容器64と上段収納容器65との間隙とはその上下位置関係としては、図2に示すものに限定されるものではなく、多少のずれがあってもよい。概ねミスト噴霧手段67の一部が下段収納容器64と上段収納容器65との間隙と同一高さであれば、下段収納容器64と上段収納容器65の背面の間隙から収納容器外に流出した収納食品からの蒸散水を含んだ空気を効率的に回収することができ、この蒸散水を再びミストとして噴霧することができる。
また、本実施の形態では、野菜室24内の冷気が流出する下流側である野菜室用吸込口46の下流側にはダンパーが備えられず、風路の下流側と連通している構成とする。
これによって、霧化装置が備えられた貯蔵室である野菜室24へ冷気の流入を行う野菜室用吐出口45の冷気の風路上において上流に位置するダンパーが閉まっている場合、すなわち野菜室用吐出口45から冷気の流入が無い場合においては、野菜室24内の冷気が流出する下流側である野菜室用吸込口46の下流側には風路の下流側と連通しているので、野菜室用吐出口45から冷気の流入が無い場合であってもわずかではあるが野菜室24内から野菜室用吸込口46へと冷気の流れが発生する。よって、この状態においても、野菜室用吸込口46へ向かって下段収納容器64内の冷気が冷気流出部から収納容器外に流出し、冷気流出部の近傍に配置されたミスト噴霧手段67へと到達するので、ミスト噴霧手段67近傍は高湿度の雰囲気となり、より霧化装置近傍で結露を行いやすい環境となる。
また、本実施の形態では、霧化部67aを露点温度以下まで冷却する冷却手段として霧化部67aの背面側の冷気が送風される風路41を用いているので、冷凍サイクルの中で霧化部周辺の温度よりもより低い冷気を冷却手段とすることで、専用の冷却手段を備えなくてもより簡単な構成で霧化部67aの冷却を行うことが可能となり、省資源でかつ省エ
ネルギーで霧化装置を備えることができる。
なお、冷凍サイクルの中で霧化部周辺の温度よりもより低い冷気を冷却手段とする場合には、ミスト噴霧手段67が備えられた貯蔵室とは断熱壁で区画された隣接する区画の低温冷気を用いればよく、冷却手段は背面の風路41に限定せず、隣接する貯蔵室の低温空気等でも良い。
また、上段収納容器65には蓋66がその上方開口部を閉塞しており、収納食品に直接冷気があたり、乾燥することを防いでいる。また、下段収納容器64と上段収納容器65の前後方向での空間には、一般にPETボトル等の飲料が置かれることが多く、この部分には冷気が直接触れることになり、冷却スピードを確保している。
切替室22に送風された冷気は、切替室22内の空気と熱交換し切替室用帰還風路55を通り冷却室28に戻る。
なお、収納容器外に流出する冷気の風量は少量であり、上記のミスト噴霧を妨げることはない。また、ミスト噴霧に必要な程度の水分をミスト噴霧手段67に供給することは可能である。
この時噴霧されるミスト粒子は、例えば0.005μm〜20μm程度であり非常に微細なものである。なお、ミスト噴霧手段67には、例えば超音波により水を微粒子化して噴霧するもの、静電霧化方式によるもの、ポンプ方式で噴霧するもの等を用いればよい。
このようにして食品からの水分の蒸散−結露−ミスト噴霧のサイクルを繰り返す訳であるが、本実施の形態によれば、PETボトルのような冷却スピードが気になる食品は吐出冷気で直接的に冷却し、かつ、葉野菜のように萎れが気になる食品についてはミスト噴霧により鮮度を維持することができる。
この時、図示はしないが野菜室24内部のミスト噴霧手段67が備えられている背面仕切壁37にはヒータ等の加熱手段で適度に加熱されており、この加熱手段は少なくともミスト噴霧手段67の下方側にも配置されている。これによって、収納容器外へ拡散したミスト粒子および、野菜からの蒸散水が背面仕切壁37に結露することを防止している。また、このようにミスト噴霧手段67が備えられている壁面にヒータ等の加熱手段を備えることによって、他の側壁と比較して、加熱手段によって、上昇気流が発生しやすい仕切壁にミスト噴霧手段67が備えられることになり、その上昇気流に乗ってより高湿度の冷気がミスト噴霧手段67近傍に集まりやすくなり、前記ミスト噴霧手段近傍を高湿化し、効率よく結露回収することができる。
また、少なくともミスト噴霧手段67の下方側にも加熱手段が配置されていることで、より確実にその上昇気流に乗ってより高湿度の冷気がミスト噴霧手段67近傍に集まりやすくなり、前記ミスト噴霧手段近傍を高湿化し、効率よく結露回収することができる。
また、上段収納容器65の空気流通穴71は、上段収納容器65内の過剰な結露を防ぐ役割をはたしている。
なお、第一の冷却ダクト29のミスト噴霧手段67の取付部をその周囲よりも薄い壁厚に設定すればより局部的にミスト噴霧手段67を冷却することができる。
また、第二の仕切壁下板36は冷却板として機能し、収納容器内を冷却するのであるが、第二の仕切壁下板36は上段収納容器65よりも大きく構成され、PETボトル等の収
納部との間に障害物が無い為、PETボトル等の飲料を比較的早く冷却することが可能である。
以上のように、本実施の形態においては、冷蔵室21、切替室22、製氷室23、野菜室24、冷凍室25等の貯蔵室を有する冷蔵庫本体1と、貯蔵室(野菜室24)の前面開口部を閉塞する扉62と、貯蔵室(野菜室24)内に設けられ、食品を収納し互いに上下に配置される複数の収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)と、貯蔵室(野菜室24等)内を冷却する冷気を生成する冷却器30と、貯蔵室(野菜室24)内に冷気を吐出する冷気吐出口(野菜室用吐出口45)と、貯蔵室(野菜室24)内を冷却した冷気を冷却器30に帰還させる冷気吸込口(野菜室用吸込口46)と、収納容器(主に下段収納容器64)内にミストを噴霧するミスト噴霧手段67とからなり、冷気吐出口(野菜室用吐出口45)からの冷気を収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)内に導入し、収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)のミスト噴霧手段67に近接する場所から収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)外へ流出させることとしたものであり、本来であれば、そのまま冷気吸込口(野菜室用吸込口46)から冷却器30へ運ばれてしまう収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)内の湿気をミスト噴霧手段67により効率良く回収し、再度収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)内に返すことにより、収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)内を十分に加湿し、野菜の鮮度を保持することができる。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段67近傍にミストを噴霧する空間である収納容器(主に下段収納容器64)の中から漏れ出る冷気の量が最も多くなる冷気流出部を設けることとしたものであり、収納容器(主に下段収納容器64)内からの湿気によりミスト噴霧手段67近傍を高湿化し、効率よく結露回収することができる。
また、本実施の形態においては、収納容器を上段収納容器65と下段収納容器64とから構成し、冷気流出部を上段収納容器65と下段収納容器64との間隙に設けた(上段収納容器65と下段収納容器64の間隙を冷気流出部とした)ものであり、葉野菜等を収納することが多く水分の蒸散が多い下段収納容器64からの湿気をミスト噴霧手段67近傍に効率良く集中させ、ミスト噴霧手段67により回収しやすくすることができる。
また、本実施の形態においては、下段収納容器64背面の上端に凹部69を設けたものであり、シールされた厳密な区画を設ける必要がなく、簡単な構成で冷気流出部を構成することができる。これにより、下段収納容器64内の湿気によりミスト噴霧手段67近傍を高湿化することができ、湿気をミスト噴霧手段67により回収しやすくすることができる。
なお、本実施の形態においては、収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)の中から漏れ出る冷気の量が最も多くなる冷気流出部を収納容器(下段収納容器64)の壁面に設けた凹部69として説明を行ったが、例えば、冷気流出部を収納容器(下段収納容器64)に設けた開口孔としてもよい。
なお、本実施の形態においては、下段収納容器64内から下段収納容器64外へ流出する冷気の量が最も多い冷気流出部として、下段収納容器64の背面上端よりも低く形成されている凹部69としたが、収納容器に別の目的で最も低い箇所を設けたとしても、その箇所が下段収納容器64内から下段収納容器64外へ流出する冷気の量が最も多い箇所とならない場合には、冷気流出部とせず、実質的に下段収納容器64内から下段収納容器64外へ流出する冷気の量が最も多い箇所が冷気流出部であるとする。
また、下段収納容器64内から下段収納容器64外へ流出する冷気の量が最も多い冷気
流出部は下段収納容器64には上段収納容器65と下段収納容器64との隙間が最も大きい箇所としたが、例えば、上段収納容器65側にミストを噴霧する際には上段収納容器65と、その上部の壁面もしくは上段収納容器65との隙間を冷気流出部としてもよく、本実施の形態の配置関係にとらわれず、収納容器内から収納容器外へ流出する冷気の量が最も多い箇所を冷気流出部としてその近傍にミスト噴霧手段を備えるのが本発明の目的である。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段67に超音波方式を用いており、粒子径数μmの微細なミストを発生させることができる。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段67に静電霧化方式を用いてもよく、粒子径数nmから数μmの微細なミストを発生させることができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の正面図である。図5は、同実施の形態の冷蔵庫における貯蔵室内を示す斜視図である。図2は、実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図であるが、実施の形態2においても同様の構成であるので、以下図2、図4、図5を用いて説明する。
図2、図4、図5に示すように、冷蔵庫本体1は、外箱18と、内箱19と、外箱18と内箱19とで形成される空間に発泡充填される硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材20とからなり、周囲と断熱され、複数の貯蔵室に区分されている。最上段に第一の貯蔵室としての冷蔵室21、その冷蔵室21の下部に第四の貯蔵室としての切替室22と第五の貯蔵室としての製氷室23が横並びに設けられ、その切替室22と製氷室23の下部に第二の貯蔵室としての野菜室24、そして最下部に第三の貯蔵室としての冷凍室25が配置される構成となっている。
冷蔵室21は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃としている。また、野菜室24は冷蔵室21と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。冷凍室25は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
切替室22は、1℃〜5℃で設定される冷蔵、2℃〜7℃で設定される野菜、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍の温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り替えることができる。例えば、ソフト冷凍(概ね−12℃〜−6℃程度)、パーシャルフリージング(概ね−5℃〜−1℃程度)、チルド(概ね−1℃〜1℃程度)等の冷蔵と冷凍の間の温度帯である。切替室22は製氷室23に並設された独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
なお、本実施の形態では切替室22を冷蔵、冷凍の温度帯までを含めた貯蔵室としているが、冷蔵は冷蔵室21、野菜室24、冷凍は冷凍室25に委ねて、冷蔵と冷蔵の内間の上記温度帯のみの切替に特化した貯蔵室としてももちろん構わない。
製氷室23は、冷蔵室21内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵しておくスペースであり、切替室22に並設された間口の小さい独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
冷蔵庫本体1の天面部は冷蔵庫の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に機械室26を形成して圧縮機27、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側の構成部品が収納されている。すなわち、圧縮機27を配設する機械室26は、冷蔵室21内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。手が届きにくくデッドスペースとなっていた冷蔵庫本体1の最上部の貯蔵室の後方領域に機械室26を設けて圧縮機27を配置することにより、従来の冷蔵庫で、使用者が使い易い冷蔵庫本体1の最下部にあった機械室のスペースを貯蔵室容量として有効に転化することができ、収納性や使い勝手を大きく改善することができる。
なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった冷蔵庫本体1の最下部の貯蔵室の後方領域に機械室を設けて圧縮機27を配置するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
野菜室24と冷凍室25の背面には冷却室28が設けられ、冷却室28は断熱性を有する第一の冷却ダクト29により野菜室24及び冷凍室25から仕切られている。冷却室28内には、代表的なものとしてフィンアンドチューブ式の冷却器30が配設されており、冷却器30の上部空間には強制対流方式により冷却器30で冷却した冷気を冷蔵室21、切替室22、製氷室23、野菜室24、冷凍室25に送風する冷却ファン31が配置され、冷却器30の下部空間には冷却時に冷却器30や冷却ファン31に付着する霜を除霜する装置としてのガラス管製のラジアントヒータ32が設けられている。
第一の冷却ダクト29の外周には冷気、水漏れがないように、例えば軟質フォーム等のシール材が貼り付けられている。冷凍室25と野菜室24を仕切る第一の仕切壁33は発泡ポリスチレン等の断熱材で成形され取り外し可能である。
切替室22、製氷室23と野菜室24を仕切る第二の仕切壁34は、側面断面から見て略L字形の第二の仕切壁上板35と平板状の第二の仕切壁下板36で外郭を構成され、第二の仕切壁34の内部は硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材20が発泡充填されている。この時、前述したように野菜室24の上方には野菜室24よりも低い温度に調整された切替室22と製氷室23が配置されており、野菜室24は上方から間接的に冷却され第二の仕切壁下板36は冷却板として機能する。
略L字形の第二の仕切壁上板35の背面には、発泡ポリスチレン等の断熱材で成形された背面仕切壁37、冷蔵室21と切替室22、製氷室23を冷却するための冷気が送風される風路を形成した第二の冷却ダクト38が設けられ、内部には冷蔵室21と切替室22の冷気の流れをそれぞれ調節するダンパー装置としてのツインダンパー39が設けられており、冷蔵室21と切替室22の冷気の流れをそれぞれ調節するダンパー装置をツインダンパー化することにより収容スペースのコンパクト化とコスト削減を図っている。
冷蔵室21と切替室22、製氷室23を仕切る第三の仕切壁40は、第三の仕切壁上板40aと第三の仕切壁下板40bとで外郭を構成され、第三の仕切壁40の内部には硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材20が発泡充填されている。冷蔵室21の背面には冷蔵室21の庫内に冷気を送風するための第三の冷却ダクト43が取り付けられており、第三の冷却ダクト43と第二の冷却ダクト38との接合面には、冷気、水漏れがないようにシール材が貼り付けられている。また、第一の冷却ダクト29と第一の仕切壁33と第三の冷却ダクト43は取り外しが可能であるが、第二の仕切壁34と第二の冷却ダクト38と第三の仕切壁40は冷蔵庫本体1のウレタン発泡前に取り付けられたものであるため取り外しができず、発泡断熱材20によって冷蔵庫本体1と強固に接合されている。
また、第一の冷却ダクト29の内部には冷蔵室21と、切替室22と、製氷室23と、
冷凍室25を冷却するための冷気を送風する風路41が設けられている。さらに、冷蔵室21からの冷気を冷却器30へ戻す冷蔵室用帰還風路42と、切替室22からの冷気を冷却器30へ戻す切替室用帰還風路43と、製氷室23からの冷気を冷却器30へ戻す製氷室用帰還風路44とを備えている。さらに、第一の冷却ダクト29の上部には、冷蔵室用帰還風路42を流れる冷気の一部を野菜室24内に導入する野菜室用吐出口45が設けられている。この野菜室用吐出口45は収納容器を冷却する冷却手段として構成されているものである。また、第一の冷却ダクト29の野菜室24下部にあたる位置には野菜室24からの冷気を再び冷蔵室用帰還風路42へと戻す野菜室用吸込口46が設けられており、第一の冷却ダクト29の冷凍室25にあたる部位には、風路41からの冷気を冷凍室25内へ送風する第一の冷凍室用吐出口47と、第二の冷凍室用吐出口48が設けられている。また、第一の冷却ダクト29の下部には冷凍室25からの冷気を冷却器30へ戻す冷凍室用吸込口49が設けられている。
第二の冷却ダクト38には、ツインダンパー39を介して冷気を冷蔵室21へ送風する冷蔵室用風路50と、同じくツインダンパー39を介して冷気を切替室22へ送風する切替室用風路51と、切替室75内へ冷気を吐出する切替室用吐出口52と、風路41から直接に通じ、冷気を製氷室23へ送風する製氷室用風路53と、製氷室23内へ冷気を吐出する製氷室用吐出口54を備えている。また、切替室22からの冷気を冷却器30へ戻す切替室用帰還風路55と、製氷室23からの冷気を冷却器30へ戻す製氷室用帰還風路56と、冷蔵室21からの冷気を冷却器30へ戻す冷蔵室用帰還風路57とを備えている。
第三の冷却ダクト43には、冷気を冷蔵室21内へ導く冷蔵室用風路58と、冷蔵室用風路58からの冷気を冷蔵室21へ吐出する複数の冷蔵室用吐出口59が設けられている。また、第三の冷却ダクト43の下部には冷蔵室21からの冷気を冷却器30へと戻す冷蔵室用吸込口60と、冷蔵室用帰還風路61とが設けられている。
野菜室24は、その前面開口部を開放可能な扉62にて外気の流入が無いように閉塞されている。この扉62には左右一対で野菜室24内に延伸された板状のスライドレール63が設けられており、この上に下段収納容器64が載置されている。扉62はこのスライドレール63の可動方向に沿って水平方向に引き出して開閉され、それに伴ない下段収納容器64も稼動して引き出される。さらに、下段収納容器64には上段収納容器65が載置されており、下段収納容器64と同時に可動することになる。この時、上段収納容器65の底面面積は下段収納容器64の底面面積よりも小さく構成されている。本実施の形態ではこの上段収納容器65と下段収納容器64を前後方向に空間を設けて配置し、この空間内に比較的背の高い食品、例えばPETボトルや白菜等の長物野菜を収納可能としている。
また、野菜室24内には蓋66が配置されており、扉62が閉じている場合には上段収納容器65の上面開放部を閉塞する。さらに、扉62の開放時には蓋66は野菜室24内に残り、引き出されることはない。
第一の冷却ダクト29の一部にはミスト噴霧手段67が配置され、下段収納容器64と上段収納容器65との間隙近傍に位置している。
また、ミスト噴霧手段67は野菜室24の左右方向の中心線24bよりも野菜室用吸込口46側に配置されたものである。
第一の冷却ダクト29の一部にはミスト噴霧手段67が配置され、ミスト噴霧手段67の上端67aは下段収納容器64の最上端64aよりも下方にある。
また、下段収納容器64には上段収納容器65と下段収納容器64との隙間が最も大きい冷気流出部である凹部69を設けており、この下段収納容器64の凹部69はミスト噴霧手段67と対向する位置に設けられている。
このように、ミスト噴霧手段67と対向する位置の下段収納容器64の上端64bは、ミスト噴霧手段67の噴霧口70よりも上方に位置している。
さらに、ミスト噴霧手段67の左側には、野菜室24内に略水平方向に延伸された風向リブ68が第一の冷却ダクト29と一体に成形されている。この風向リブ68は下段収納容器64の背面上端よりも上方に位置しており、上段収納容器65、下段収納容器64と第一の冷却ダクト29との間の空間を上下に仕切っている。この時、風向リブ68と上段収納容器65、及び風向リブ68と下段収納容器64は前後方向にドア開閉に際して互いに当接することのない程度の隙間が設けられている。なお、本実施の形態では風向リブ68は下段収納容器64の背面上端よりも上方に位置するとしたが、下段収納容器64と同一の高さであってもよい。また、本実施の形態ではミスト噴霧手段67を右側に配置し風向リブ68を左側に配置するとしたが、このミスト噴霧手段67と風向リブ68の位置関係は左右が入れ替わっても良い。
下段収納容器64の背面上端の一部でミスト噴霧手段67の近傍には、凹部69が設けられており、下段収納容器64の背面上端よりも低く形成されている。なお、凹部69の上下左右の位置についてはミスト噴霧手段67の噴霧口70が下段収納容器64の背面で隠れないように形成すればよい。
収納容器からの冷気流出部は、この凹部69と上段収納容器65の底面とで形成されることになる。
また、上段収納容器65にはその一部に複数の空気流通穴71が設けられている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板(図示せず)からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機27の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器(図示せず)にて放熱して凝縮液化し、キャピラリーチューブ(図示せず)に至る。その後、キャピラリーチューブでは圧縮機27への吸入管(図示せず)と熱交換しながら減圧されて低温低圧の液冷媒となって冷却器30に至る。冷却ファン31の動作により、各貯蔵室内の空気と熱交換されて冷却器30内の冷媒は蒸発気化し、低温の冷気をダンパーなどで供給制御することで各室の所望の冷却を行う。冷却器30を出た冷媒は吸入管を経て圧縮機27へと吸い込まれる。
各貯蔵室内の空気と熱交換されて冷却器30には、各貯蔵室内空気と熱交換した時に水分が付着し霜となる。制御基板(図示せず)から定期的に信号が出力され、圧縮機27を停止させ、ラジアントヒータ32に通電し、冷却器30の除霜を行う。
次に冷蔵庫本体1内の冷気の流れについて説明する。冷却ファン31から送風された冷気は、風路41を通じ下方と上方に振り分けられて送風される。下方に振り分けられた冷気は、第一の冷凍室用吐出口47と第二の冷凍室用吐出口48を通り冷凍室25内に吐出され、冷凍室25内の空気と熱交換し冷凍室用吸込口49を通って冷却室28に戻る。
冷却ファン31から送風された冷気の内、上方に振り分けられた冷気は、冷蔵室用風路
50とツインダンパー39の冷蔵室側を経由して冷蔵室用吐出口59から冷蔵室21に至る。また一部は切替室用風路51とツインダンパー39の切替室側を経由して切替室用吐出口52から切替室22に至る。ここで制御基板(図示せず)から信号を出力しツインダンパーを動作させ、冷気の流れをコントロールし、冷蔵室21と切替室22の温度制御を行い所定の温度に庫内温度を調整する。
冷蔵室21内に送風された冷気は、冷蔵室21内の空気と熱交換し、冷蔵室用吸込口60から吸入され、冷蔵室用帰風路61、冷蔵室用帰還風路57、冷蔵室用帰還風路42を通り冷却室28に戻る。ここで冷蔵室21の戻り冷気の一部は、冷蔵室用帰還風路42の途中に設けられた野菜室用吐出口45により野菜室24内に流入し、野菜室24内を冷却することになる。
野菜室用吐出口45から吐出された冷気は、一部が蓋66と第二の仕切壁34との間を通り、上段収納容器65の手前部分から下段収納容器64の手前部分に入る。さらに再び下段収納容器64の手前部分から下段収納容器64の下部と第一の仕切壁33の間を通り、野菜室用吸込口46から吸入され、冷蔵室用帰還風路42に合流する。
一方、野菜室用吐出口45からは冷気の一部が冷却ダクト29の壁に沿って下方に吐出され、冷却ダクト29に一体に形成され、ミスト噴霧手段67の左側に設けられた風向リブ68によって風向を変えられ、概ね前方に向かって冷気が流れることになる。前述したように風向リブ68は下段収納容器64の背面上端と同じ高さかもしくは上方に位置するため、前方に風向を変えられた冷気は、上段収納容器65の底面と下段収納容器64の背面上端との間隙から下段収納容器64内に入り、内部の収納食品を冷却することになる。
下段収納容器64内部に収納された食品からは、投入時からの時間経過に伴い水分が蒸散する。この時、蒸散した水分を含んだ空気は、下段収納容器64内に流入した冷気の流れに沿って凹部69と上段収納容器65の底面とで区画される冷気流出部から収納容器外に流出し、近傍に配置されたミスト噴霧手段67へと到達する。ミスト噴霧手段67は風路41によりその内部が周囲温度よりも低く冷却されており、ミスト噴霧手段67内部で空気中の水分が結露することになる。この結露した水を凹部69と上段収納容器65の底面とで区画される冷気流出部から収納容器内部にミスト状に噴霧する。結果、収納食品からの蒸散水はミスト噴霧手段67により、再び収納食品自体に返されることになる。
このように、ミスト噴霧手段67と対向する位置の下段収納容器64の上端64bは、ミスト噴霧手段67の噴霧口70よりも上方に位置している。
これによって、ミスト噴霧手段67が下段収納容器64の最上端64aよりも下部に位置することで下段収納容器内の高湿度の冷気が最上端64aから漏れることを抑えることで、ミスト噴霧手段67が高湿度の雰囲気中に設置された上でさらに、ミスト噴霧手段67と対向する位置の下段収納容器64の上端64bは、ミスト噴霧手段67の噴霧口70よりも上方に位置していることで、野菜室用吐出口45から貯蔵室内に流入した冷気が野菜室用吸込口46を通って野菜室24外へと流れる冷気流通経路は流れている冷気の量が多い為に、比較的冷気の流速が早くなり収納容器内の冷気が引っ張られ高湿度の冷気が下段収納容器64の凹部69を中心に冷気流通経路上に漏れ出てきて、この凹部69の対向する位置にミスト噴霧手段67を配置しているので、収納容器内からの高湿度の冷気を効率良く回収し、ミスト噴霧手段67に結露させることができ、この結露水を微細ミストに変えて、拡散性の高い微細ミストを再度収納容器内に返すことができ、収納容器内を微細ミストで十分に加湿し、野菜の鮮度を維持することができる。
収納容器外部へ流出しミスト噴霧手段近傍を通過した冷気は、野菜室用吸込口46から
吸入され、冷蔵室用帰還風路42に合流する。これら一連の動作でも分かるように野菜室24は冷蔵室21の戻り冷気を利用して冷却していることになる。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段67は野菜室24の左右方向の中心線24bよりも野菜室用吸込口46側に配置されたものである。
これによって、左右方向においてより湿度の高くなる野菜室用吸込口46側にミスト噴霧手段67を配置することで、冷気内に含まれる湿気を効率良く回収し、ミスト噴霧手段67に結露させることができるので、収納容器内を微細ミストで十分に加湿し、野菜の鮮度を維持することができる。
特に、霧化装置が備えられた貯蔵室である野菜室24へ冷気の流入を行う野菜室用吐出口45の冷気の風路上において上流に位置するダンパーが閉まっている場合、すなわち野菜室用吐出口45から冷気の流入が無い場合においては、野菜室24内の冷気が流出する下流側である野菜室用吸込口46の下流側には風路の下流側と連通しているので、野菜室用吐出口45から冷気の流入が無い場合であってもわずかではあるが野菜室24内から野菜室用吸込口46へと冷気の流れが発生する。よって、この状態においても、野菜室24の左右方向の中心線24bよりも野菜室用吸込口46側が高湿度の雰囲気となり、より霧化装置近傍で結露を行いやすい環境となるので、野菜室24の左右方向の中心線24bよりも野菜室用吸込口46側にミスト噴霧手段67を配置することで冷気内に含まれる湿気を効率良く回収し、ミスト噴霧手段67に結露させることができるので、収納容器内を微細ミストで十分に加湿し、野菜の鮮度を維持することができる。
上段収納容器65には蓋66がその上方開口部を閉塞しており、収納食品に直接冷気があたり、乾燥することを防いでいる。また、下段収納容器64と上段収納容器65の前後方向での空間には、一般にPETボトル等の飲料が置かれることが多く、この部分には冷気が直接触れることになり、冷却スピードを確保している。
切替室22に送風された冷気は、切替室22内の空気と熱交換し切替室用帰還風路55を通り冷却室28に戻る。
なお、収納容器外に流出する冷気の風量は少量であり、上記のミスト噴霧を妨げることはない。また、ミスト噴霧に必要な程度の水分をミスト噴霧手段67に供給することは可能である。
この時噴霧されるミスト粒子は、例えば0.005μm〜20μm程度であり非常に微細なものである。なお、ミスト噴霧手段67には、例えば超音波により水を微粒子化して噴霧するもの、静電霧化方式によるもの、ポンプ方式で噴霧するもの等を用いればよい。
このようにして食品からの水分の蒸散−結露−ミスト噴霧のサイクルを繰り返す訳であるが、本実施の形態によれば、PETボトルのような冷却スピードが気になる食品は吐出冷気で直接的に冷却し、かつ、葉野菜のように萎れが気になる食品についてはミスト噴霧により鮮度を維持することができる。
この時、図示はしないが野菜室24内部の側壁はヒータ等の加熱手段で適度に加熱されており、収納容器外へ拡散したミスト粒子および、野菜からの蒸散水が側壁に結露することを防止している。
また、上段収納容器65の空気流通穴71は、上段収納容器65内の過剰な結露を防ぐ役割をはたしている。
なお、第一の冷却ダクト29のミスト噴霧手段67の取付部をその周囲よりも薄い壁厚に設定すればより局部的にミスト噴霧手段67を冷却することができる。
また、第二の仕切壁下板36は冷却板として機能し、収納容器内を冷却するのであるが、第二の仕切壁下板36は上段収納容器65よりも大きく構成され、PETボトル等の収納部との間に障害物が無い為、PETボトル等の飲料を比較的早く冷却することが可能である。
以上のように、本実施の形態においては、冷蔵室21、切替室22、製氷室23、野菜室24、冷凍室25等の貯蔵室を有する冷蔵庫本体1と、貯蔵室(野菜室24)の前面開口部を閉塞する扉62と、貯蔵室(野菜室24)内に設けられ、食品を収納し互いに上下に配置される複数の収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)と、貯蔵室(野菜室24等)内を冷却する冷気を生成する冷却器30と、貯蔵室(野菜室24)内に冷気を吐出する冷気吐出口(野菜室用吐出口45)と、貯蔵室(野菜室24)内を冷却した冷気を冷却器30に帰還させる冷気吸込口(野菜室用吸込口46)と、収納容器(主に下段収納容器64)内にミストを噴霧するミスト噴霧手段67とからなり、冷気吐出口(野菜室用吐出口45)からの冷気を収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)内に導入し、収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)のミスト噴霧手段67に近接する場所から収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)外へ流出させることとしたものであり、本来であれば、そのまま冷気吸込口(野菜室用吸込口46)から冷却器30へ運ばれてしまう収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)内の湿気をミスト噴霧手段67により効率良く回収し、再度収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)内に返すことにより、収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)内を十分に加湿し、野菜の鮮度を保持することができる。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段67近傍に収納容器(下段収納容器64、上段収納容器65)の冷気流出部を設けることとしたものであり、収納容器(主に下段収納容器64)内からの湿気によりミスト噴霧手段67近傍を高湿化し、効率よく結露回収することができる。
また、本実施の形態においては、収納容器を上段収納容器65と下段収納容器64とから構成し、冷気流出部を上段収納容器65と下段収納容器64との間隙に設けた(上段収納容器65と下段収納容器64の間隙を冷気流出部とした)ものであり、葉野菜等を収納することが多く水分の蒸散が多い下段収納容器64からの湿気をミスト噴霧手段67近傍に効率良く集中させ、ミスト噴霧手段67により回収しやすくすることができる。
また、本実施の形態においては、下段収納容器64背面の上端に凹部69を設けたものであり、シールされた厳密な区画を設ける必要がなく、簡単な構成で冷気流出部を構成することができる。これにより、下段収納容器64内の湿気によりミスト噴霧手段67近傍を高湿化することができ、湿気をミスト噴霧手段67により回収しやすくすることができる。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段67に超音波方式を用いており、粒子径数μmの微細なミストを発生させることができる。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段67に静電霧化方式を用いてもよく、粒子径数nmから数μmの微細なミストを発生させることができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の縦断面図である。図7は本発明の実施の形態3における冷蔵庫の詳細平面図である。
図6、図7において、冷蔵庫本体101は外箱118と内箱119とで構成され、内部には例えば硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材120が充填され周囲と断熱され、複数の貯蔵室に区分されている。最上段に第一の貯蔵室としての冷蔵室121、その冷蔵室121の下部に第四の貯蔵室としての上段冷凍室122と第五の貯蔵室としての製氷室123が横並びに設けられ、その上段冷凍室122と製氷室123の下部に第三の貯蔵室としての下段冷凍室125、そして最下部に第二の貯蔵室としての野菜室124が配置される構成となっている。
冷蔵室121は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃としている。また、野菜室124は冷蔵室121と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃とすることが多い。低温にするほど葉野菜の鮮度を長期間維持することが可能である。上段冷凍室122と下段冷凍室125は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
製氷室123は、冷蔵室121内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵しておくスペースであり、上段冷凍室122に並設された間口の小さい独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
冷蔵庫本体101の天面部は冷蔵庫の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に機械室126を形成して圧縮機127、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側の構成部品が収納されている。すなわち、圧縮機127を配設する機械室126は、冷蔵室121内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。手が届きにくくデッドスペースとなっていた冷蔵庫本体101の最上部の貯蔵室の後方領域に機械室126を設けて圧縮機127を配置することにより、従来の冷蔵庫で、使用者が使い易い冷蔵庫本体101の最下部にあった機械室のスペースを貯蔵室容量として有効に転化することができ、収納性や使い勝手を大きく改善することができる。
なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった冷蔵庫本体101の最下部の貯蔵室の後方領域に機械室を設けて圧縮機127を配置するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
上段冷凍室122と製氷室123、下段冷凍室125の背面には冷却室128が設けられ、冷却室128は断熱性を有する第一の冷却ダクト129により上段冷凍室122、製氷室123及び下段冷凍室125と仕切られている。冷却室128内には、代表的なものとしてフィンアンドチューブ式の冷却器130が配設されており、冷却器130の上部空間には強制対流方式により冷却器130で冷却した冷気を冷蔵室121、上段冷凍室122、製氷室123、野菜室124、下段冷凍室125に送風する冷却ファン131が配置され、冷却器130の下部空間には冷却時に冷却器130や冷却ファン131に付着する霜を除霜する装置としてのガラス管製のラジアントヒータ132が設けられている。
第一の冷却ダクト129の外周には冷気、水漏れがないように、例えば軟質フォーム等のシール材が貼り付けられている。下段冷凍室125と野菜室124を仕切る第一の仕切壁133は硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材120が発泡充填されている。
冷蔵室121と上段冷凍室122、製氷室123を仕切る第三の仕切壁140は、内部に硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材20が発泡充填されており、第三の仕切壁140の奥部には発泡ポリスチレン等の断熱材137で成形され冷蔵室121を冷却するための冷気が送風される連結風路150が形成され、その風路内には冷蔵室121の冷気の流れを調節するダンパー装置としてのシングルダンパー139が設けられている。
冷蔵室121の背面には冷蔵室121の庫内に冷気を送風するための第三の冷却ダクト143が取り付けられており、第三の冷却ダクト143と第三の仕切壁140との接合面には、冷気、水漏れがないようにシール材が貼り付けられている。
第一の冷却ダクト129と第三の冷却ダクト143は取り外しが可能であるが、第一の仕切壁133と第三の仕切壁140は冷蔵庫本体101のウレタン発泡前に取り付けられたものであるため取り外しができず、発泡断熱材120によって冷蔵庫本体101と強固に接合されている。
また、第一の冷却ダクト129の内部には冷蔵室121と、上段冷凍室122と、製氷室123と、下段冷凍室125を冷却するための冷気を送風する風路141が設けられている。さらに、冷蔵室121からの冷気を野菜室124に送風する冷蔵室用帰還風路142が設けられ、下段冷凍室125と野菜室124を仕切る硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材120が発泡充填された第一の仕切壁133の奥部には、発泡ポリスチレン等の断熱材137で成形された連結風路151と冷蔵室用帰還風路142が軟質フォーム等のシール材でシールされている。また、第一の冷却ダクト129には上段冷凍室122内に冷気を吐出する上段冷凍室用吐出口152、製氷室123内に冷気を吐出する製氷室用吐出口154、下段冷凍室125内に冷気を吐出する下段冷凍室用吐出口147が設けられ、上段冷凍室122、製氷室123、下段冷凍室125内で熱交換された冷気を冷却器130に戻す冷凍室用吸込口149が設けられている。
野菜室124は、その前面開口部を開放可能な扉162にて外気の流入が無いように閉塞されている。この扉162には左右一対で野菜室124内に延伸された板状のスライドレール163が設けられており、この上に下段収納容器164が載置されている。扉162はこのスライドレール163の可動方向に沿って水平方向に引き出して開閉され、それに伴い下段収納容器164も稼動して引き出される。さらに、下段収納容器164には上段収納容器165が載置されており、下段収納容器164と同時に可動することになる。この時、上段収納容器165の底面面積は下段収納容器164の底面面積よりも小さく構成されている。また、上段収納容器165にはその一部に複数の空気流通穴168が設けられている。本実施の形態ではこの上段収納容器165と下段収納容器164を前後方向に空間を設けて配置し、この空間内に比較的背の高い食品、例えばPETボトルや白菜等の長物野菜を収納可能としている。また、野菜室124内には蓋166が配置されており、扉162が閉じている場合には上段収納容器165の上面開放部を閉塞する。さらに、扉162の開放時には蓋166は野菜室124内に残り、引き出されることはない。
野菜室124の背面には野菜室用吐出風路144と野菜室用吐出口145が設けられ、野菜室124の天面である第一の仕切壁133の下面には野菜室用吸込風路148と野菜室用吸込口146が設けられており、ミスト噴霧手段167が上段収納容器165に備えられた蓋166の開口部である冷気流出部としてのミスト噴霧口169と対向する位置に相当する第一の仕切壁133にその一部を埋設して備えられている。このように野菜室124にミスト噴霧手段167が備えられており、野菜室124外から冷気吐出口である野菜室用吐出口145を通って冷気が流入し、冷気吸入口である野菜室用吸込口146を通って野菜室124外へと冷気が流出する冷気の流れにおいて、上段収納容器165と蓋166との最も大きい間隙172すなわち上段収納容器165内から上段収納容器165外
の野菜室124内に流出する冷気の量が最も多い位置である冷気流出部としてのミスト噴霧口169の近傍にあたる第一の仕切壁133にミスト噴霧手段167が備えられている。また、このような野菜室24内の冷気の流通経路上において、下段収納容器64内から下段収納容器64外へ流出する冷気の量が最も多い冷気流出部は、貯蔵室の前後方向においては野菜室24の冷気が野菜室24外へと流出する野菜室用吸込口46(冷気吸込口)が備えられている背面側の下段収納容器64となり、また左右方向においても野菜室24の冷気が野菜室24外へと流出する野菜室用吸込口46(冷気吸込口)が備えられている側の野菜室用吸込口46に近接する側となる。
ミスト噴霧手段167は、噴霧を行う霧化部167aを有し、霧化部167aを露点温度以下まで冷却することで霧化部167a周辺の空気中の水分を結露させた結露水を用いてミストを発生させ、野菜室124内の空間へ噴霧するものである。本実施の形態においては、霧化部167aを露点温度以下まで冷却する冷却手段として下段冷凍室125内の冷気を利用している。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板(図示せず)からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機127の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器(図示せず)にて放熱して凝縮液化し、キャピラリーチューブ(図示せず)に至る。その後、キャピラリーチューブでは圧縮機127への吸入管(図示せず)と熱交換しながら減圧されて低温低圧の液冷媒となって冷却器130に至る。冷却ファン131の動作により、各貯蔵室内の空気と熱交換されて冷却器130内の冷媒は蒸発気化し、低温の冷気をダンパーなどで供給制御することで各室の所望の冷却を行う。冷却器130を出た冷媒は吸入管を経て圧縮機127へと吸い込まれる。
各貯蔵室内の空気と熱交換されて冷却器130には、各貯蔵室内空気と熱交換した時に水分が付着し霜となる。制御基板(図示せず)から定期的に信号が出力され、圧縮機127を停止させ、ラジアントヒータ132に通電し、冷却器130の除霜を行う。
次に冷蔵庫本体101内の冷気の流れについて説明する。冷却ファン131から送風された冷気は、風路141を通じ下方と上方に振り分けられて送風される。下方に振り分けられた冷気は、下段冷凍室用吐出口147から冷凍室125内に吐出され、冷凍室125内の空気と熱交換し冷凍室用吸込口149を通って冷却室128に戻る。
冷却ファン31から送風された冷気の内、上方に振り分けられた冷気はさらに上段冷凍室122、製氷室123、冷蔵室121に細分され、上段冷凍室122と製氷室123にはそれぞれ上段冷凍室用吐出口152と製氷室用吐出口154から吐出され熱交換した後、冷凍室用吸込口149を通って冷却室128に戻る。また冷蔵室121用に振り分けられた冷気は、連結風路150内に設けられたシングルダンパー139を経由し第三の冷却ダクト143を通り冷蔵室121内に吐出される。ここで制御基板(図示せず)から信号を出力しシングルダンパー139を動作させ、冷気の流れをコントロールし、冷蔵室121の温度制御を行い所定の温度に庫内温度を調整する。
冷蔵室121内で熱交換された冷気は、冷蔵室用帰還風路142を通り第一の仕切壁133の奥部に形成された連結風路151を経由し、野菜室用吐出風路144、野菜室用吐出口145から野菜室に124内に吐出される。野菜室に124内の空気と熱交換した冷気は、野菜室用吸込口146から吸い込まれ野菜室用吸込風路148を通り冷却室128に戻る。この一連の動作でも分かるように野菜室124は冷蔵室121の戻り冷気を利用
して冷却していることになる。
野菜室124に備えられた上段収納容器165には蓋166がその上方開口部を閉塞しており、収納食品に直接冷気があたり、乾燥することを防いでいる。また、下段収納容器164と上段収納容器165の前後方向での空間には、一般にPETボトル等の飲料が置かれることが多く、この部分には野菜室用吐出口145から野菜室に124内に流入した低温の冷気が最初に直接触れることになり、冷却スピードを確保している。
下段収納容器164内部に収納された食品からは、投入時からの時間経過に伴い水分が蒸散する。この時蒸散した水分を含んだ空気は、野菜室124内に吐出された冷気の流れに乗り、上段収納容器165内から上段収納容器165外の野菜室124内に流出する冷気の量が最も多い位置である冷気流出部としてのミスト噴霧口169と対向する位置の第一の仕切壁133に配置されたミスト噴霧手段167へと到達する。ミスト噴霧手段167は野菜室124の上部に位置する下段冷凍室125によりその内部が周囲温度よりも低く冷却されており、ミスト噴霧手段167内部で空気中の水分が結露することになる。この結露した水を収納容器内部にミスト状に噴霧する。結果、収納食品からの蒸散水はミスト噴霧手段167により、再び収納食品自体に返されることになる。
このように野菜室124内には、上段収納容器165内から上段収納容器165外の野菜室124内に流出する冷気の量が最も多い位置である冷気流出部としてのミスト噴霧口169と対向する位置の第一の仕切壁133にその一部を埋設して備えられている。
これによって、野菜室用吐出口145から貯蔵室内に流入した冷気が野菜室用吸込口146を通って野菜室124外へと流れる冷気の流れは、流れている冷気の量が多い為に比較的冷気の流速が早くなり、収納容器内の冷気が引っ張られ高湿度の冷気が冷気流通経路上に漏れ出てくることで、収納容器内から漏れ出た湿気を効率良く回収し、ミスト噴霧手段167に結露させることができ、この結露水を微細ミストに変えて、拡散性の高い微細ミストを再度収納容器内に返すことができ、収納容器内を微細ミストで十分に加湿し、野菜の鮮度を維持することができる。
また、冷蔵室121が所望の温度に到達しシングルダンパー139を動作させ野菜室用吐出口145から流入する冷気の流れを停止させた状態においては、野菜室124内も冷気の強制的な対流は無くなる。この時冷気流出部としてのミスト噴霧口169は開放空間であるため、下段収納容器164内部に収納された食品から蒸散した水分を含んだ空気は、上段収納容器165から自然対流により野菜室124内上部に移動する。野菜室124内上部に移動した水分を含んだ空気は、内部が周囲温度よりも低く冷却されたミスト噴霧手段167内部で空気中の水分が結露することになる。この結露した水を収納容器内部にミスト状に噴霧する。結果、収納食品からの蒸散水はミスト噴霧手段167により、再び収納食品自体に返されることになる。
またこのように、野菜室124内に野菜室用吐出口145から冷気が吐出されていない条件においては、野菜室用吐出口145はダンパーによって閉塞されているが、ダンパーが備えられていない野菜室用吸込口146は開放であるため、少しずつ野菜室124内の冷気が引っ張られることで貯蔵室内には冷気の貯蔵室外への流出口である野菜室用吸込口146へ向かう流れが発生するため、冷気流出部としてのミスト噴霧口169と対向する位置にミスト噴霧手段167を備えていることで、収納容器内から漏れ出た湿気を効率良く回収し、ミスト噴霧手段167に結露させることができ、この結露水を微細ミストに変えて、拡散性の高い微細ミストを再度収納容器内に返すことができ、収納容器内を微細ミストで十分に加湿し、野菜の鮮度を維持することができる。
この時噴霧されるミスト粒子は、例えば0.005μm〜20μm程度であり非常に微細なものである。なお、ミスト噴霧手段167には、例えば超音波により水を微粒子化して噴霧するもの、静電霧化方式によるもの、ポンプ方式で噴霧するもの等を用いればよい。
このようにして食品からの水分の蒸散−結露−ミスト噴霧のサイクルを繰り返す訳であるが、本実施の形態によれば、PETボトルのような冷却スピードが気になる食品は吐出冷気で直接的に冷却し、かつ、葉野菜のように萎れが気になる食品についてはミスト噴霧により鮮度を維持することで、食品の特性に応じた冷却を行うことができる。
この時、図示はしないが野菜室124内部の側壁はヒータ等の加熱手段で適度に加熱されており、収納容器外へ拡散したミスト粒子および、野菜からの蒸散水が結露することは無い。
また、上段収納容器165の空気流通穴168は、上段収納容器165内の過剰な結露を防ぐ役割を果たしているとともに下段収納容器164内へのミスト供給口としての機能を有するものである。
以上のように、本実施の形態においては、冷蔵室、上段冷凍室、製氷室、下段冷凍室、野菜室等の貯蔵室を有する冷蔵庫本体と、貯蔵室の前面開口部を閉塞する扉と、前記野菜室内に設けられ、食品を収納し互いに上下に配置される複数の収納容器と、前記貯蔵室内を冷却する冷気を生成する冷却器と、前記野菜室内に冷気を吐出する冷気吐出口と、前記野菜室内を冷却した冷気を前記冷却器に帰還させる冷気吸込口とからなり、前記収納容器内から前記収納容器外に流出する冷気の量が最も多い位置に前記収納容器内に水をミスト状に噴霧するミスト噴霧手段とからなり、前記収納容器から漏れ出た湿気をミスト噴霧手段により効率良く回収し、再度収納容器内に返すことにより、収納容器内を十分に加湿し、野菜の鮮度を保持することができる。
また、本実施の形態においては、前記野菜室内に配置され、前記野菜室内の天面に前記ミスト噴霧手段を一部埋設したものであり、前記下段冷凍室により前記ミスト噴霧手段を前記野菜室内よりも低温に冷却することにより、前記冷気吐出口と前記冷気吸込口間を流通する湿気を効率良く結露回収することができる。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段に超音波方式を用いており、粒子径数μmの微細なミストを発生させることができ、また多量の噴霧量にも対応することができるので、より収納容器内を微細ミストで十分に加湿し、野菜の鮮度を維持することができる。
また、本実施の形態においては、ミスト噴霧手段に静電霧化方式を用いてもよく、粒子径数nmから数μmの微細なミストを発生させることができ、また噴霧したミストがマイナスの電荷を帯びることで、より野菜等への付着率を向上させることができ、野菜の鮮度を維持することができる。