JP2013176891A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013176891A
JP2013176891A JP2012041885A JP2012041885A JP2013176891A JP 2013176891 A JP2013176891 A JP 2013176891A JP 2012041885 A JP2012041885 A JP 2012041885A JP 2012041885 A JP2012041885 A JP 2012041885A JP 2013176891 A JP2013176891 A JP 2013176891A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
head
nozzle
nozzles
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012041885A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5997460B2 (ja
Inventor
Takuya Iwamoto
拓也 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to JP2012041885A priority Critical patent/JP5997460B2/ja
Publication of JP2013176891A publication Critical patent/JP2013176891A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5997460B2 publication Critical patent/JP5997460B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】印刷速度を保ったまま、白スジの発生を防止して画質劣化を低減させる。
【解決手段】複数のノズル130を配列させたインクヘッド120を、印刷用紙10の搬送方向と交差する方向において、千鳥状に配置させ、搬送ベルト160上を搬送される印刷用紙10に、ノズル130からインクを吐出して画像を形成させるインクジェット記録装置100であって、搬送ベルト160からインクヘッド120の吐出面までの距離H2と、ノズル130から吐出されるインクの吐出量に対する補正量とを関連付けたプロファイルデータを記憶する記憶部334と、画像を形成させる際に、プロファイルデータを参照して、インクヘッド120が重なる部分に位置するノズル130から吐出されるインクの吐出量を増減させる補正制御部333cとを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクジェット方式など、搬送経路上を搬送される印刷用紙に、インクを吐出して画像を形成する印刷装置の画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置の一つとして、ライン型のインクジェット記録装置がある。ライン型のインクジェット記録装置では、インクを吐出するノズルが印刷範囲の幅以上に配列された長尺な記録ヘッド(ライン型長尺記録ヘッド)を用いる。そして、記録ヘッド自体は動かさずにノズルの配列方向と交差した方向に記録媒体を相対的に1度だけ移動搬送させることにより画像を高速に形成する。
このようなライン型のインクジェット記録装置では、図11に示すように、複数のインクヘッド120a,120b,120cを千鳥状に配置して、長尺インクヘッドを構成している。各インクヘッド120a,120b,120cには、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交差する主走査方向において複数のノズルが配列されている。
ここで、各インクヘッド120a,120b,120cは、主走査方向において、あるインクヘッド120a,120cと他のインクヘッド120bとが重なる部分である、つなぎ目b2を形成させる。そして、各ヘッドのつなぎ目b2に配置されたノズル138a,132cは、他のヘッドのつなぎ目に配置されたノズル132b,138bと、主走査方向の位置が一致するように配置される。その上で、一方のノズルから通常通りのインクを吐出させ、他方のノズルからはインクを吐出させないようにして、2つのノズルによる吐出量の合計が、1つのノズルによる通常の吐出量と同等になるような制御が行われる。
このように、通常、つなぎ目b2に位置するインクヘッド120aのノズル138aと、インクヘッド120bのノズル132bとにおける主走査方向の位置、及びインクヘッド120cのノズル132cと、インクヘッド120bのノズル138bとの主走査方向における位置とは、一致するように配置されていることが前提となっている。
しかしながら、製造時に各ノズルを各インクヘッド120a,120b,120cに均等に配置させることは困難である。また、インクヘッド120の取り付けの調整が不十分である場合もあり得るため、つなぎ目ノズルの位置を完全に一致させて配置させることも困難である。
そのため、図12に示すように、つなぎ目b2に位置するインクヘッド120aのノズル138aと、インクヘッド120bのノズル132bとにおける主走査方向の位置、及びインクヘッド120cのノズル132cと、インクヘッド120bのノズル138bとの主走査方向における位置とが、ずれて配置されることがある。
これにより、図13に示すように、インクヘッド120aのノズル138aと、他の列に配置されるインクヘッド120bのノズル132bとが、主走査方向にズレることがある。また、インクヘッド120bのノズル138bと、インクヘッド120cのノズル132cについても、主走査方向にズレることがある。
このようなインクヘッド120a,120b間やインクヘッド120b,120c間のつなぎ目に位置するノズル位置ズレが生じると、従来のように一方のノズルからインクが吐出された場合には、つなぎ目ノズル138a,132b,138b,132cの位置によって白スジが生じてしまう。
このような問題を解決すべく、例えば、特許文献1がある。この特許文献1では、一対のつなぎ目ノズル138a,132bから、通常のインク吐出量の1/2ずつ吐出させて、2つのノズルによる吐出量の合計が、1つのノズルによる通常の吐出量と同等になるように処理する。これにより、図12に示すように、両方のノズル138a,132bの記録領域に画像を形成させて白スジの発生を抑制するようにしている。
特開2008−221832号公報
しかしながら、例えば、印刷用紙が副走査方向に対して斜行した状態で、インクヘッド下に搬送された場合には、特許文献1に開示した技術のように制御した場合であっても、白スジ及び濃いスジが発生してしまう問題がある。図14は、従来の印刷用紙が斜行されて搬入された場合の濃いスジ及び白スジの発生を示す説明図である。なお、図14において、各ヘッドの上端に位置するノズル131a,131b,131cと、下端に位置するノズル139a,139b,139cとからは、インクの吐出が行われないものとする。
具体的には、印刷用紙が斜行した状態で搬送されると、ノズルの記録領域も斜行することとなるため、図14に示すように、ノズル138a及び、ノズル138aの上方に位置する複数のノズル137a,136a,135aによる記録領域と、ノズル132b及び、ノズル132の下方に位置する複数のノズル133b,134b,135bの記録領域とが重なり合うこととなる。その結果、インクヘッド120aとインクヘッド120bとのつなぎ目には、濃いスジが発生することとなる。また、ノズル138bによる記録領域と、ノズル132cによるインク吐出領域とが離れてしまい、結果としてインクヘッド120bとインクヘッド120cとのつなぎ目に白スジが発生することとなる。
また、特許文献1に開示された技術では、1つのノズルからの吐出量は少なくなるので、例えば、記録媒体の搬送によって生じる風や、記録媒体を吸引する負圧によって生じる風により流されやすくなる。その結果、着弾ズレが生じてしまい、印刷画像に白スジが発生することも考えられる。
このように、印刷画像中に発生する白スジは、ユーザに視認し易いため、白スジによる画質劣化を低減させたいという要望がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、複数のインクヘッドのつなぎ目に配置されたノズルからインクを吐出させる際に、印刷速度を保ったまま、白スジの発生を防止して画質劣化を低減させることができる画像形成装置を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、複数のノズル(例えば、図5のノズル130)を配列したインクヘッド(例えば、図1のインクヘッド120)を、記録媒体(例えば、図2の印刷用紙10)の搬送方向と直交する主走査方向に沿って千鳥状に配置し、搬送経路(例えば、図3の画像形成経路CR1)上を搬送される記録媒体にノズルからインクを吐出して画像を形成する画像形成記録装置(例えば、図1のインクジェット記録装置100)であって、
搬送経路とインクヘッドとの間隔であるヘッドギャップ(例えば、図3のヘッドギャップH2)と、ノズルから吐出されるインクの吐出量に対する補正量とを関連付けたプロファイルデータを記憶する記憶手段(例えば、図7のプロファイルデータ)と、
画像を形成する際にヘッドギャップを算出し、算出したヘッドギャップに基づいてプロファイルデータを参照して、インクヘッドの、搬送方向に沿って隣接するインクヘッドと重なる部分に位置するノズル(例えば、図5のつなぎ目ノズル138a,132b,138b,132c)から吐出されるインクの吐出量を増減させる印字制御手段と、
を備えることを特徴とする。
ここで、プロファイルデータに含まれる、搬送経路からインクヘッドの吐出面までの距離には、例えば、インクヘッドの取付け精度や、記録媒体を搬送する搬送ベルトの蛇行情報なども含まれている。
上記発明によれば、記録媒体の搬送方向に沿って隣接するインクヘッドと重なる箇所(以下、つなぎ目と称する)に配置されたノズル(以下、つなぎ目ノズルと称する)の吐出量を、プロファイルデータに基づいて増減させる。このため、記録媒体が斜行した状態で搬送された場合や、インクの吐出量が少ない場合であっても、インクの吐出量を増加させてドットゲインを増やし、白スジが目立たない画像を形成させることができる。これにより、印刷速度を保ったまま、白スジを解消して画質劣化を防止することができる。
また、本発明は、上記発明において、印字制御手段は、プロファイルデータを参照して、重なる部分に位置するノズルと主走査方向において隣接するノズルに対して、インクの吐出量を調整することを特徴とする。
上記発明によれば、主走査方向においてつなぎ目ノズルに隣接するノズルの吐出量についても、プロファイルデータに基づいて調整可能であるので、例えば、白スジを解消させるために、つなぎ目ノズルからのインクの吐出量を増加させた場合には、隣接するノズルのインクの吐出量を減少させることができる。これにより、インク量を増加させたノズルに隣接するノズルの記録領域において、複数のノズルからのインクが重なり合い、インク濃度が濃くなる現象を防止することができる。そのため、例えば、印刷画像がバーコードや文字である場合には、バーコード及び文字などのエッジ領域に、がたつきや太り細りが生じるのを回避できる。
また、本発明は、上記発明において、記録媒体の厚みに関する情報を取得する用紙種別取得部(例えば、図6の用紙種別取得部335)と、用紙種別取得部が取得した厚みに関する情報に基づいて、取得した厚みに対応する間隔にヘッドギャップを制御する駆動制御手段(例えば、図6のヘッドギャップ制御部332a)とをさらに備え、印字制御手段は、駆動制御手段によって制御したヘッドギャップに応じて、プロファイルデータを参照して、重なる部分に位置するノズルから吐出されるインクの補正量を調整することを特徴とする。
ここで、駆動制御手段が行う、搬送経路とインクヘッドとの間隔であるヘッドギャップを変動させる処理とは、例えば、封筒などの記録媒体の厚みが大きい記録媒体を印刷する場合に、インクヘッドに記録媒体が衝突することを防ぐために、インクヘッドの吐出面から搬送ベルトまでの距離を変動させる処理である。
このような場合、例えば、従来のように、厚さのある封筒などを印刷する際に、両方のつなぎ目ノズルの吐出量を減少させるように制御した場合には、インクのドロップ量は小さくなるので、さらに、記録媒体の搬送によって生じる風や、記録媒体を吸引する負圧によって生じる風の影響を受けて、インク液滴が流されやすくなる。その結果、着弾ズレが生じてしまい、印刷画像に白スジが発生する。
上記発明によれば、インクヘッドの吐出面と搬送ベルトとの間隔が広くなる場合であっても、その間隔に応じたインク量に増加させるので、吐出されるインクを流され難くすることができる。これにより、白スジの発生を防止し、画質劣化を低減させることができる。
本発明によれば、複数のインクヘッドのつなぎ目に配置されたノズルからインクを吐出させる際に、印刷速度を保ったまま、白スジの発生を防止して画質劣化を低減させることができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の内部構成を示す概略断面図である。 図1の画像形成が行われる画像形成経路を側方から示す説明図である。 (a)は、図1のインクジェット記録装置における搬送経路の上方に配置されるヘッドホルダーを下方から示す説明図であり、(b)は、そのヘッドホルダーの側断面を拡大して示す説明図である。 図2のヘッドホルダー上に備えられたインクヘッドの配置を下方から示す説明図である。 図1のインクヘッドに配列されるノズルの配置を下方から示す説明図である。 図1の演算処理部におけるドロップ量補正に係る機能モジュールを示すブロック図である。 図6の記憶部に記憶されたプロファイルデータを示す説明図である。 (a)及び(b)は、図6の補正制御部において、つなぎ目ノズルのドロップ量増加処理がされた後における画像状態を上方より示す説明図である。 図6の補正制御部333cにおいて、隣接ノズルのドロップ量減少処理がされた後における画像状態を上方より示す説明図である。 図1のインクジェット記録装置におけるドロップ量補正方法の概要を示すフローチャート図である。 つなぎ目ノズルを有するインクヘッドの配置と、そのインクヘッドにより形成される画像を示す説明図である。 つなぎ目に配置された一対のノズルの位置がズレて配置されてインクヘッドにより形成される画像を示す説明図である。 つなぎ目に配置された一対のノズルの位置及び吐出されたインクの位置を示す説明図である。 印刷用紙が斜行した状態で搬送された場合において、つなぎ目ノズルを有するインクヘッドにより形成される白スジを有する画像を示す説明図である。 インクヘッドと搬送ベルトとの間隔を拡げた場合において、小ドロップ処理がされた際に形成される白スジを有する画像を示す説明図である。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施形態について図面を参照しつつ、詳細に説明する。
(インクジェット記録装置の全体構成)
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のインクジェット記録装置100の内部構成を示す概略断面図である。図2は、画像形成が行われる画像形成経路CR1を側方から示す説明図である。また、図3(a)は、画像形成経路CR1の上方に配置されるヘッドホルダー500を下方から示す説明図であり、図3(b)は、ヘッドホルダー500の側断面を拡大して示す説明図である。さらに、図4は、ヘッドホルダー500上に備えられたインクヘッド120の配置を下方から示す説明図である。図5は、各インクヘッド120に配列されるノズル130の配置を下方から示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置100は、インクジェット方式のラインカラープリンタである。したがって、インクジェット記録装置100は、印刷用紙10の供給を行う給紙機構、印刷用紙10を搬送する用紙搬送部(搬送ベルト160を含む)、及び印刷済の印刷用紙10を排出する排紙機構としての排紙口150、用紙搬送部での搬送中に印刷用紙10に印刷を行うヘッドユニット110等を備えている。
ヘッドユニット110は、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色毎に設けられている。各色のヘッドユニット110は、後述するように、用紙搬送方向に直交する主走査方向に沿って複数のインクヘッドを千鳥状に配置して構成した長尺インクヘッドを有している。本実施形態のインクジェット記録装置100では、搬送経路上を搬送される印刷用紙10に、各ヘッドユニット110から各色のインクを重ねて吐出し画像を形成する。
また、インクジェット記録装置100は、CPU、メモリ等が配置されたコントローラ基板等で構成される演算処理部330や、メニューを表示したりユーザからの操作を受け付けたりする操作パネル、及びその他の機能部(図示しない)を備えている。
サイド給紙台や給紙トレイ等の給紙機構から1枚ずつ給紙された印刷用紙は、ローラ等の駆動機構によって筐体内の給紙系搬送路に沿って搬送され、レジストローラ240に導かれる。ここでレジストローラ240は、印刷用紙の先端の位置あわせと斜行修正を行うために設けられた一対のローラである。給紙された印刷用紙はレジストローラ240で一時停止し、所定のタイミングでインクヘッド110方向に搬送される。
レジストローラ240のさらに搬送方向側には、図2に示すように、画像形成経路CR1が設けられている。
本実施形態に係るインクジェット記録装置100は、その搬送経路として画像形成経路CR1を含んでおり、この画像形成経路CR1では、搬送ベルト160によって、印刷条件により定められる速度で印刷用紙10が搬送される。この画像形成経路CR1の上方には、ヘッドユニット110が、搬送ベルト160に対向配置され、ヘッドユニット110に備えられた各インクヘッド120のノズルから、搬送ベルト160上の印刷用紙10上の印刷用紙10に対し、ライン単位で各色のインクを吐出し、複数の画像を互いに重なり合うように形成する。
詳述すると、画像形成経路CR1は、無端状の搬送ベルトである搬送ベルト160、搬送ベルト160の駆動機構である駆動ローラ161及び従動ローラ162等から構成され、この画像形成経路CR1の上方には、ヘッドホルダー500が設けられ、インクヘッド120が保持されている。
搬送ベルト160は、駆動ローラ161により周回移動され、インクヘッド120と対向する範囲において摺動し、印刷用紙10を搬送する。具体的に、この搬送ベルト160は、印刷用紙10が搬送される搬送方向に直交させて配置された一対の駆動ローラ161及び従動ローラ162間に掛け回されて、駆動ローラ161の駆動力により、搬送方向に周回される。
ヘッドホルダー500は、ヘッドホルダー面500aを底面に有する函体であり、インクヘッド120を保持して固定するとともに、インクヘッド120からインクを吐出させるための他の機能部分をユニット化して収納する。また、このヘッドホルダー500の底面であるヘッドホルダー面500aは、搬送経路に対して平行となるように対向配置されている。このヘッドホルダー面500aには、ヘッドユニット110を構成する複数のインクヘッド120それぞれの水平断面と同形状の取付開口部500bが複数配列され、複数のインクヘッド120は、取付開口部500bにそれぞれ挿通されて、その吐出口をヘッドホルダー面500aから突出させている。
そして、印刷用紙10は、インクヘッド120の対向面に設けられた環状の搬送ベルト160によって印刷条件に応じた速度で搬送されながら、複数のインクヘッド120の各々が吐出したインクによりライン単位で画像形成される。搬送ベルト160の内側にはエア吸引ファン650が設けられている。搬送ベルト160の表面には多数の通気孔が形成されており、エア吸引ファン650の回転によって生じる吸引力で、印刷用紙10は搬送ベルト160に吸着されて搬送される。
また、画像形成経路CR1では、インクヘッド120に印刷用紙10が衝突することを防ぐために、インクヘッド120の吐出面と搬送ベルト160との距離(ヘッドギャップ)を変化させる機構を有している。この機構は、搬送ベルト160をインクヘッド120に対して上下移動させることで、インクヘッド120の吐出面と搬送ベルト160との距離を変化させるようになっている。
インクヘッド120は、図3(a)に示すように、搬送方向(副走査方向)に間隔をおいて複数列配置されており、2列で1つの色のヘッドユニット110を構成している。各列のインクヘッド120,120間には所定間隔の主走査流路111が設けられており、この主走査流路111に、図3(a),(b)に示すように、上流側ガイドローラ510aと下流側ガイドローラ510bとによる段付ガイドローラ510が配置されている。
図4に示すように、インクヘッド120の各列L1,L2,L3…は、搬送方向において互いに重ならない部分b1が生じるように形成される、この部分b1に段付ガイドローラ510が配置される。さらに、複数列L1,L2,L3…は、搬送方向(副走査方向)において、隣接する他の複数列と重なる部分であるつなぎ目b2が生じるように千鳥状に配置されている。
また、各列L1,L2,L3内において、隣接する各インクヘッド120,120間には所定間隔の副走査流路112が設けられている。そして、上述した主走査流路111と副走査流路112は、相互に連通して網目状のミスト排出路を形成する。なお、図3(b)に示すように、本実施形態において、インクヘッド120のヘッドホルダー面500aからの突出長さH1は、主走査流路の幅Lよりも大きく、ミスト排出路の高さ方向の広がりも確保されている。また、インクヘッド120の吐出面と搬送ベルト160との距離(ヘッドギャップ)H2は、駆動手段によって上下に可変することができるようになっている。
段付ガイドローラ510は、異なる径のガイドローラを連結して一本のローラとして形成したものであり、例えば、金属製のロッドを削り出すことにより成型される。具体的に、この段付ガイドローラ510は、径の大きい上流側ガイドローラ510aと、上流側ガイドローラ510aよりも径の小さい下流側ガイドローラ510bとを同一の回転軸上に交互に連結して配置した構成となっている。
上流側ガイドローラ510aは、搬送方向において、各インクヘッド120の上流側に設けられ、下方に向けて付勢され、搬送経路上面に押しつけられて回転する。一方、下流側ガイドローラ510bは、搬送方向において、各インクヘッド120の下流側に設けられ、搬送経路上面から所定距離離隔されて回転可能に軸支されている。
そして、各インクヘッド120の千鳥配置に対応させて、上流側ガイドローラ510a及び下流側ガイドローラ510bも千鳥状の配置となっている。また、段付ガイドローラ510が主走査流路111内に配置されていることから、これら上流側ガイドローラ510a及び下流側ガイドローラ510bも、主走査流路111内に交互に配置されることとなる。
本実施形態において、各列のインクヘッド120は、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の4色のインクを吐出するように構成されている。このインクヘッド120(120a,120b,120c)には、図5に示すように、その下面において、インクを吐出する複数のノズル130(131a〜139a,131b〜139b,131c〜139c)が、主走査方向に配列されている。
このように配列された複数のノズル130から、画素毎に所定のドロップ量のインクを吐出させることで、階調処理された画像が形成される。詳しくは、ノズル130から吐出されるインクの吐出量は、各画素に対し、ドロップ単位で吐出されるようになっている。この吐出するインクのドロップ量(液滴数)により、各画素のドットゲインを調整し、各色の濃度を変化させるとともに、ドロップのサイズを液滴量として調整する機能を備えている。
ここで、本実施形態のインクジェット記録装置100では、各インクヘッド120のつなぎ目b2に配置されたノズル130が、印刷用紙を搬送する方向である搬送方向における同一線上に配置されていないものとする。
したがって、つなぎ目b2に配置されて副走査方向に重なり合うノズルには、図12に示す、インクヘッド120aのノズル138aと、他の列に配置されたインクヘッド120bのノズル132bとの関係のように、位置ズレが生じている。また、インクヘッド120bのノズル138bと、インクヘッド120cのノズル132cについても、位置ズレが生じている。
そのため、これらのつなぎ目ノズル138a,132b、又はつなぎ目ノズル138b,132cから、インクが吐出された場合には、図13に示すように、主走査方向において着弾ズレが生じるようになっている。
そして、本実施形態では、このつなぎ目ノズル138a,132b,138b,132cにより吐出されるドロップ量を補正する機能を備えている。なお、本実施形態においては、各インクヘッド120a,120b,120cの上端に位置するノズル131a,131b,131c及び、下端に位置するノズル139a,139b,139cからインクは吐出されないようになっている。
(演算処理部330の内部構成)
本実施形態におけるドロップ量補正機能は、インクジェット記録装置100に備えられた演算処理部330によって、ヘッドユニット110及び各駆動手段の動作を制御することにより実現される。
図6は、演算処理部330におけるドロップ量補正に係る機能モジュールを示すブロック図であり、図7は、記憶部334に記憶されるプロファイルデータを示す説明図である。また、図8(a)及び(b)は、補正制御部333cにおいて、つなぎ目ノズルのドロップ量増加処理がされた後における画像状態を上方より示す説明図であり、図9は、補正制御部333cにおいて、隣接ノズルのドロップ量減少処理がされた後における画像状態を上方より示す説明図である。
なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
図6に示すように、演算処理部330は、主として、ジョブデータ受信部331と、画像処理部333と、駆動制御部332と、記憶部334と、操作信号取得部336と、用紙種別取得部335とを備えている。
ジョブデータ受信部331は、一連の印刷処理単位であるジョブデータを受信する通信インターフェースであり、受信したジョブデータに含まれる印刷データを画像処理部333に受け渡すモジュールである。ここでの通信としては、例えば、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANの他、赤外線通信等の近距離通信も含まれる。
操作信号取得部336は、操作パネル340からユーザによる操作信号を受信するモジュールであり、受信した操作信号を解析し、ユーザ操作に応じた処理を他のモジュールに実行させる。特に、本実施形態において、この操作信号取得部336は、操作パネル340、又は外部通信を通じて接続されたプリンタドライバなどから、ドロップ量補正処理に関する指示操作や、印刷用紙10の種別などの印刷設定情報を受け付ける。
用紙種別取得部335は、ジョブデータ受信部331や操作信号取得部336によって検出された、給紙に係る印刷用紙10のサイズ、種類又は厚み等の用紙種別データとして取得するモジュールである。そして、用紙種別取得部335は、印刷処理に際し、取得した用紙種別データを駆動制御部332へ送信する。
記憶部334は、画像処理に関する各種データやプログラムを記憶保持するメモリ装置等であり、本実施形態においては、印刷用紙10の厚み情報に基づいて定義された、搬送ベルト160からインクヘッド120の吐出面までの距離に関する情報である、ヘッドギャップの設定情報が含まれている。
本実施形態では、ヘッドギャップ制御部332a又は補正制御部333cが、ジョブデータ中の印刷用紙10の厚さに関する情報を取得することで、この厚さに関する情報からヘッドギャップの設定情報を参照して、搬送ベルト160からインクヘッド120の吐出面までの距離を算出する。
さらに、記憶部334には、搬送ベルト160からインクヘッド120の吐出面までの距離に応じて定義された、ノズル130から吐出されるインクの吐出量を補正するプロファイルデータを有している。
このプロファイルデータは、図7に示すように、搬送ベルト160からインクヘッド120の吐出面までの距離と、当該距離に応じた、つなぎ目ノズル138a,132b,138b,132cから吐出されるインクのドロップ量に対する補正量(増加ドロップ量)、小ドロップ制御の有無、及び隣接ノズル137a,133b,137b,133cからの吐出されるインクのドロップ量とを関連付けて記録したテーブルデータである。すなわち、搬送ベルト160からインクヘッド120の吐出面までの距離に応じて、搬送ベルト160からインクヘッド120の吐出面までの空間における、液滴の形状や大きさの変化、気流の変化などを考慮して、着滴位置の変化を予測した補正量が記述されている。
なお、図7では、「ヘッドギャップ大」用、「ヘッドギャップ中」用、「ヘッドギャップ小」用の3パターンのプロファイルデータを記憶部334に記憶する場合について示している。薄紙、普通紙のように、薄い厚みや通常の厚みの印刷用紙10を搬送する際のヘッドギャップは、「ヘッドギャップ小」の範囲に属する。そして、厚紙や封筒用紙等、印刷用紙10の厚みが普通紙よりも次第に大きくなるにつれて、ヘッドギャップの属する範囲は、「ヘッドギャップ中」、「ヘッドギャップ大」へと変化する。ここでは、薄紙と普通紙を共に「ヘッドギャップ小」の範囲に属するものとしているが、薄紙と普通紙とが異なるヘッドギャップの範囲に属するようにしてもよい。
なお、このプロファイルデータは、各インクジェット記録装置100における固体差を含めて、装置毎に個別に設定してもよい。この固体差による情報には、例えば、インクヘッド120の取付け精度、記録媒体を搬送する搬送ベルト160の蛇行情報、インクジェット記録装置100の駆動による温度変化に応じた、各駆動手段の変化に関する情報が含まれる。さらに、このプロファイルデータを取得するタイミングとして、本実施形態においては、工場出荷時としている。しかし、この取得タイミングは、工場出荷時に限定されず、例えば、印刷開始時、環境変化時、経時変化時やメンテナンス時などを契機とすることもできる。
駆動制御部332は、各搬送経路を駆動させる各駆動手段350など、インクジェット記録装置100内各機能の動作を制御するモジュールである。また、本実施形態において、この駆動制御部332には、ヘッドギャップ制御部332aを備えている。
ヘッドギャップ制御部332aは、印刷ジョブによって取得された印刷用紙10の厚み情報に基づいて、記憶部334に記憶されたヘッドギャップの設定情報を参照して、印刷用紙10の厚み毎のインクヘッド120と搬送ベルト160との間隔を所定距離になるように、ヘッドギャップ調整機構350aを制御するモジュールである。
ヘッドギャップ調整機構350aは、インクヘッド120に印刷用紙10が衝突することを防ぐために、インクヘッド120と搬送ベルト160との距離を変化させる機構である。ヘッドギャップ調整機構350aは、例えば、電気信号により制御される駆動機構を用いて、搬送ベルト160をインクヘッド120に対して上下移動させることで、インクヘッド120と搬送ベルト160との距離を変化させる。ただし、インクヘッド120を搬送ベルト160に対して移動させるようにしてもよい。
画像処理部333は、画像処理に特化したデジタル信号処理を行う演算処理装置であり、印刷に必要な画像データの変換等を行い、印刷を実行するモジュールである。この画像処理部333は、画像形成制御部333b、色変換回路333aとを備えている。
色変換回路333aは、取得した画像データであるRGB印刷画像をCMYK印刷画像に変換するモジュールである。また、本実施形態においては、色変換回路333aは、画像データをハーフトーン処理して、インクヘッド120のドロップ量に関する画像データに変換する。
画像形成制御部333bは、各色のインクヘッド120の駆動や、搬送経路の駆動手段の動作を制御し、画像形成処理全体を制御するモジュールである。また、画像形成制御部333bは、補正制御部333cを備えている。
補正制御部333cは、記憶部334に記憶されているプロファイルデータに基づいて、ノズル130から吐出されるドロップ量を補正するモジュールである。
本実施形態において、ドロップ量の補正には、以下の機能がある。
(1)つなぎ目ノズルに対する小ドロップ処理
この小ドロップ処理は、上述したような、一対のつなぎ目ノズル138a,132b、又は一対のつなぎ目ノズル138b,132cの位置が、完全に一致していない場合に生じる白スジを解消させるものである。
具体的には、例えば、図13に示すように、インクヘッド120aのつなぎ目ノズル138aと、インクヘッド120bのつなぎ目ノズル132bとの位置が一致しない場合、一方のノズル138aからインクを吐出させると、他方のノズル132bの記録領域には画像が形成されないため、この記録領域が白スジとなってしまう。そこで、本実施形態では、一対のつなぎ目ノズル138a,132bから、通常のドロップ量の1/2ずつ吐出させて、2つのノズルによるドロップ量の合計が、1つのノズルによる通常のドロップ量と同等になるように処理することで、図12に示すように、両方のノズル138a、132bの記録領域に画像を形成させて、白スジの発生を防止するものである。
(2)つなぎ目ノズルに対するドロップ量増加処理
このつなぎ目ノズルに対するドロップ量増加処理は、ヘッドギャップ制御部332aによって、搬送ベルト160をインクヘッド120に対して下へ移動させた場合によって生じる白スジを解消させるものである。
具体的に、例えば、封筒に印字させる場合、封筒には裏面に用紙が貼り合わせがあるため、印刷用紙10の厚みが生じる。このような場合、封筒がインクヘッド120と衝突することを防止するため、ヘッドギャップ制御部332aによって、搬送ベルト160をインクヘッド120に対して下へ移動させる。
しかしながら、紙の貼り合わせがない部分では、インクヘッド120の吐出面と搬送ベルト160上の印刷用紙10のヘッドギャップH2が長くなる。このような場合に、そのため、上記(1)の小ドロップ処理のように、一対のつなぎ目ノズル138a,132bから、通常のドロップ量の1/2ずつ、吐出させると、それぞれのドロップ量は一滴が小さいため、印刷用紙10の搬送によって生じる風や、印刷用紙10を吸引する負圧によって生じる風により、インクが流されやすくなる。その結果、図15に示すように、着弾ズレが生じて、白スジが生じてしまう。
そこで、補正制御部333cは、一対のつなぎ目ノズル138a,132b又は138b,132cによるドロップ量の合計が、1つのノズルによる通常のドロップ量以上(例えば、1ドロップデータを3ドロップデータに変換)になるような変換処理するものである。例えば、図8(a)に示すように、一対のつなぎ目ノズル138a,132b又は138b,132cから、通常のドロップ量の1/2以上のインクを、それぞれ吐出させるように制御する。
また、例えば、図8(b)に示すように、一方のノズル138a,132cから通常のドロップ量を吐出させ、他方のノズル132b,138bからは、少量のインクを吐出させるように制御する。
これにより、一対のつなぎ目ノズル138a,132b又は138b,132cから吐出された記録領域A1に画像を形成させるものである。なお、この増加させるドロップ量については、プロファイルデータに基づいて、段階的に調整可能となっている。
(3)隣接ノズルに対するドロップ量低減処理
この隣接ノズルに対するドロップ量低減処理は、上記(2)のつなぎ目ノズルのドロップ量増加処理を行った場合において、つなぎ目ノズルに主走査方向に隣接する、隣接ノズルがインクを吐出する記録領域において、インク濃度が濃くなることを防止するものである。
具体的には、上記(2)の処理を行い、つなぎ目ノズル138a,132b,138b,132cから吐出されたインクのドットゲインが大きくなり、隣接ノズル137a,133b,137b,133cの記録領域A2に、つなぎ目ノズルから吐出されたインクが滲んだ場合である。
この際、隣接ノズル137a,133b,137b,133cにおいても、通常通りのドロップ量を吐出させると、隣接ノズル137a,133b,137b,133cの記録領域A2には、通常よりもインク濃度が濃くなることとなる。ここで、例えば、印刷画像がバーコードや文字である場合には、そのバーコードや文字などのエッジ領域に、がたつきや太り細りが生じる。
そこで、補正制御部333cは、上記(2)のつなぎ目ノズルに対するドロップ量増加処理を行った場合において、隣接ノズル137a,133b,137b,133cのドロップ量を減らす処理を行う。この際、補正制御部333cは、プロファイルデータに基づいて、つなぎ目ノズル138a,132b,138b,132cによって増加されたドロップ量に対応するように、隣接ノズル137a,133b,137b,133cのドロップ量を減らしている。
このような上記(1)〜(3)の各処理を、補正制御部333cでは、搬送ベルト160からインクヘッド120の吐出面までの距離に基づいて、記憶部334に記憶されたプロファイルを参照して実行する。ここで、この距離に関する情報は、例えば、補正制御部333cが、印刷用紙の厚さ情報に基づいて、算出してもよいし、例えば、ヘッドギャップ制御部332aが算出した結果信号のみを取得してもよい。
(ドロップ量の補正方法)
次に、以上の構成を有するインクジェット記録装置100におけるドロップ量の補正方法について説明する。図10は、インクジェット記録装置100におけるドロップ量補正方法の概要を示すフローチャート図である。
図10に示すように、先ず、ジョブデータ受信部331が、ジョブデータを受信する(ステップS101)と、ジョブデータを画像処理部333及び用紙種別取得部335に送信する。用紙種別取得部335では、ジョブデータに含まれる印刷用紙10の種別から用紙の厚み情報を取得して、この厚み情報を駆動制御部332及び画像処理部333に入力する。厚み情報を取得した駆動制御部332のヘッドギャップ制御部332aでは、記憶部334のヘッドギャップ設定情報を参照して、搬送ベルト160からインクヘッド120の吐出面までの距離を決定し、ヘッドギャップ調整機構350aを駆動制御する。
一方、画像処理部333では、先ず、色変換回路333aにおいて、ジョブデータ中の画像データをハーフトーン処理して、インクヘッド120のドロップ量に関する画像データを生成し、画像形成制御部333bに入力する。
また、用紙種別取得部335から送信された印刷用紙10の厚み情報は、画像形成制御部333bの補正制御部333cに入力される。補正制御部333cでは、用紙種別に関する情報に基づいて、先ず、搬送ベルト160からインクヘッド120の吐出面までの距離(ヘッドギャップ)を算出する。そして、補正制御部333cは、この距離に関する情報に基づいて、記憶部334に記憶されたプロファイルデータを参照して(ステップS102)、つなぎ目ノズルから吐出されるドロップ量(増加ドロップ量)、小ドロップ制御の有無、及び隣接ノズルのドロップ量の調整処理の有無を決定する。
具体的に、補正制御部333cは、先ず、算出されたヘッドギャップが「ヘッドギャップ大」、「ヘッドギャップ中」、「ヘッドギャップ小」のどの範囲に属しているかを判定する。
ヘッドギャップがどの範囲に属するかの判定の順番は任意であるが、図10に示す本実施形態の手順では、まず、ヘッドギャップが「ヘッドギャップ大」の範囲に属しているか否かを判断する(ステップS103)。ヘッドギャップが「ヘッドギャップ大」の範囲に属している場合には(ステップS103におけるYES)、補正制御部333cは、図7の「ヘッドギャップ大」用のプロファイルデータを参照して(ステップS105)、その補正データに基づいて、色変換回路333aにおいて生成されたドロップ量を増加させる(例えば、2ドロップの追加)。さらに、補正制御部333cは、この印刷用紙10の印刷処理に関して、小ドロップ処理を行わないことを決定し、さらに、つなぎ目ノズルに隣接するノズルからのドロップ量を減少させる処理を実行することを決定する。
一方、ヘッドギャップが「ヘッドギャップ大」の範囲に属していない場合には(ステップS103におけるNO)、補正制御部333cは、ヘッドギャップが「ヘッドギャップ小」の範囲に属しているか否かを判断する(ステップS104)。ヘッドギャップが「ヘッドギャップ小」の範囲に属している場合には(ステップS104におけるYES)、図7の「ヘッドギャップ小」用のプロファイルデータを参照して(ステップS106)、色変換回路333aにおいて生成されたドロップ量は変更しないことを決定する。また、補正制御部333cは、この印刷用紙10の印刷処理に関しては、小ドロップ処理を実行することを決定し、さらに、つなぎ目ノズルに隣接するノズルからのドロップ量を減少させる処理は行わないことを決定する(ステップS108)。
一方、ヘッドギャップが「ヘッドギャップ小」の範囲に属していない場合には(ステップS104におけるNO)、図7の「ヘッドギャップ中」用のプロファイルデータを参照して(ステップS107)、色変換回路333aにおいて生成されたドロップ量を多少増加させる(例えば、1ドロップを追加する)。また、補正制御部333cは、この印刷用紙10の印刷処理に関しては、小ドロップ処理を行わないことを決定し、さらに、つなぎ目ノズルに隣接するノズルからのドロップ量を減少させる処理を行わないことを決定する(ステップS108)。その後、決定された印刷条件に応じて、ヘッドギャップ調整機構350a及びインクヘッドのつなぎ目ノズルを制御して、印刷処理を実行する(ステップS109)。
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、つなぎ目ノズル138a,132b,138b,132cから吐出されるドロップ量を、予め設定されたプロファイルデータに基づいて増加させるので、例えば、印刷用紙10が斜行した状態で搬送された場合や、各つなぎ目ノズル138a,132b,138b,132cの位置が主走査方向にズレている場合であっても、白スジが生じる記録領域A1に対して、増加されたインクのドットゲインにより画像を形成させることができる。これにより、印刷速度を保ったまま、白スジの発生を防止して、画質劣化を低減させることができる。
特に、プロファイルデータには、インクヘッド120の取付け精度、記録媒体を搬送する搬送ベルト160の蛇行情報、インクジェット記録装置100の駆動による温度変化に応じた各駆動手段の変化に関する情報が含まれているので、印刷用紙10が斜行して搬送される場合も含めたインク量の増減を行うことができる。
また、本実施形態では、印刷用紙10の厚みに応じて、小ドロップ処理、つなぎ目ノズル138a,132b,138b,132cのドロップ量増加処理、及び隣接ノズルのドロップ量低減処理の実行可否を適宜選択するので、印刷用紙10に応じて適切に吐出制御を行うことができる。具体的に、封筒など印刷用紙10の厚みが大きい印刷用紙10を印刷する場合には、小ドロップ処理を停止させ、且つ、ドロップ量を増加させるように制御する。これにより、吐出されるインク液滴が流され難くさせ、白スジの発生を防止して、画質劣化を低減させることができる。
さらに、この場合、補正制御部333cでは、隣接するノズルからのドロップ量を減少させる処理を行うので、つなぎ目ノズル138a,132b,138b,132cからの増加されたインクと、隣接するノズルからのインクとが、隣接するノズルの記録領域A2において重なり合い、インク濃度が濃くなる現象を防止できる。これにより、例えば、バーコードや文字などのエッジ領域に、がたつきや太り細りが生じるのを回避できる。
一方、例えば、コピー用紙など厚みが小さい印刷用紙10に対しては、小ドロップ処理のみを実行させる。この場合、ヘッドギャップが小さいことから、インク液滴が風により流されることが少ないため、一対のつなぎ目ノズル138a,132b又は138b,132cによるドロップ量の合計が、1つのノズルによる通常のドロップ量と同等になるように処理することで、適切なインク濃度で画像を形成させることができる。
さらに、印刷用紙10が封筒よりも薄く、コピー用紙などよりも厚みがある場合には、小ドロップ処理及び隣接ノズルのドロップ量低減処理を実行せず、つなぎ目ノズル138a,132b,138b,132cのドロップ量増加処理のみを実行させる。この際、増加させるドロップ量は、隣接するノズルの記録領域A2にドットゲインが拡がらない程度の増加量となる。これにより、風の影響を受けることによって生じるインク液滴の着弾ズレを防止するとともに、インクが重なり合うことでインク濃度が濃くなることを防止して、バーコードや文字などのエッジ領域に、がたつきや太り細りが生じるのを回避できる。
10 印刷用紙
100 インクジェット記録装置
110 ヘッドユニット
111 主走査流路
112 副走査流路
120 インクヘッド
120a,120b,120c インクヘッド
130(131a〜139a,131b〜139b,131c〜139c) ノズル
137a,133b,137b,133c 隣接ノズル
138a,132b,138b,132c つなぎ目ノズル
150 排紙口
160 搬送ベルト
161 駆動ローラ
161 駆動ローラ
162 従動ローラ
240 レジストローラ
330 演算処理部
331 ジョブデータ受信部
332 駆動制御部
332a ヘッドギャップ制御部
333 画像処理部
333a 色変換回路
333b 画像形成制御部
333c 補正制御部
334 記憶部
335 用紙種別取得部
336 操作信号取得部
340 操作パネル
350 駆動手段
350a ヘッドギャップ調整機構
500 ヘッドホルダー
500a ヘッドホルダー面
500b 取付開口部
510 段付ガイドローラ
510a 上流側ガイドローラ
510b 下流側ガイドローラ
650 エア吸引ファン
A1 つなぎ目ノズルの記録領域
A2 隣接ノズルの記録領域
b1 搬送方向において重ならない部分
b2 主走査方向におけるつなぎ目
CR1 画像形成経路
L1,L2,L3 インクヘッド列

Claims (3)

  1. 複数のノズルを配列したインクヘッドを、記録媒体の搬送方向と直交する主走査方向に沿って千鳥状に配置し、搬送経路上を搬送される記録媒体に前記ノズルからインクを吐出して画像を形成する画像形成記録装置であって、
    前記搬送経路と前記インクヘッドとの間隔であるヘッドギャップと、前記ノズルから吐出されるインクの吐出量に対する補正量とを関連付けたプロファイルデータを記憶する記憶手段と、
    前記画像を形成する際に前記ヘッドギャップを算出し、算出したヘッドギャップに基づいて前記プロファイルデータを参照して、前記インクヘッドの、前記搬送方向に沿って隣接するインクヘッドと重なる部分に位置するノズルから吐出されるインクの吐出量を増減させる印字制御手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記印字制御手段は、前記プロファイルデータを参照して、前記重なる部分に位置するノズルと前記主走査方向において隣接するノズルに対して、インクの吐出量を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記記録媒体の厚みに関する情報を取得する用紙種別取得部と、
    前記用紙種別取得部が取得した前記厚みに関する情報に基づいて、該取得した厚みに対応する間隔に前記ヘッドギャップを制御する駆動制御手段とをさらに備え、
    前記印字制御手段は、前記駆動制御手段によって制御した前記ヘッドギャップに応じて、前記プロファイルデータを参照して、前記重なる部分に位置するノズルから吐出されるインクの補正量を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
JP2012041885A 2012-02-28 2012-02-28 画像形成装置 Active JP5997460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012041885A JP5997460B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012041885A JP5997460B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013176891A true JP2013176891A (ja) 2013-09-09
JP5997460B2 JP5997460B2 (ja) 2016-09-28

Family

ID=49269071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012041885A Active JP5997460B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5997460B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016152032A1 (en) * 2015-03-20 2016-09-29 Seiko Epson Corporation Printing apparatus and printing method
US10065415B2 (en) * 2016-01-15 2018-09-04 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Correction data setting apparatus and inkjet head
WO2019208048A1 (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インク吐出装置、印刷装置、及び、インク吐出装置の制御方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000233496A (ja) * 1999-02-16 2000-08-29 Seiko Epson Corp 印刷制御方法、印刷制御装置、印刷制御プログラムを記録した媒体および印刷装置
JP2005103814A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Seiko Epson Corp 印刷装置
JP2006341406A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Canon Inc インクジェット記録システム
JP2007015180A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Riso Kagaku Corp インクジェット記録装置
JP2007030503A (ja) * 2005-06-21 2007-02-08 Olympus Corp 画像形成装置及び画像形成方法
JP2007216480A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Seiko Epson Corp 記録装置の制御方法及び記録装置
JP2010269527A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Olympus Corp 画像記録装置及びその制御方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000233496A (ja) * 1999-02-16 2000-08-29 Seiko Epson Corp 印刷制御方法、印刷制御装置、印刷制御プログラムを記録した媒体および印刷装置
JP2005103814A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Seiko Epson Corp 印刷装置
JP2006341406A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Canon Inc インクジェット記録システム
JP2007030503A (ja) * 2005-06-21 2007-02-08 Olympus Corp 画像形成装置及び画像形成方法
JP2007015180A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Riso Kagaku Corp インクジェット記録装置
JP2007216480A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Seiko Epson Corp 記録装置の制御方法及び記録装置
JP2010269527A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Olympus Corp 画像記録装置及びその制御方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016152032A1 (en) * 2015-03-20 2016-09-29 Seiko Epson Corporation Printing apparatus and printing method
JP2016175288A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 セイコーエプソン株式会社 印刷装置および印刷方法
CN107405917A (zh) * 2015-03-20 2017-11-28 精工爱普生株式会社 印刷装置和印刷方法
US10065415B2 (en) * 2016-01-15 2018-09-04 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Correction data setting apparatus and inkjet head
WO2019208048A1 (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インク吐出装置、印刷装置、及び、インク吐出装置の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5997460B2 (ja) 2016-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5911760B2 (ja) 画像形成装置
JP5936501B2 (ja) 画像形成装置
JP2014061624A (ja) 画像形成装置
JP5997460B2 (ja) 画像形成装置
JP6567312B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP5936499B2 (ja) 画像形成装置
JP5969294B2 (ja) インクジェット記録装置
JP5067135B2 (ja) 液体吐出装置
JP2014069324A (ja) 画像形成装置
JP2016013645A (ja) インクジェット印刷装置
JP2015016634A (ja) インクジェットプリンタ
JP2009119747A (ja) 液体吐出装置、および、液体吐出方法
JP5969236B2 (ja) インク吐出量制御装置
JP6101462B2 (ja) 画像形成装置
JP2017159493A (ja) インクジェット印刷装置
JP5816041B2 (ja) カラーインクジェット印刷装置
US11926159B2 (en) Ink-jet recording apparatus
JP6148583B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6342715B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP2014037115A (ja) インクジェット印刷装置
US20230012647A1 (en) Ink-jet recording apparatus
JP5529705B2 (ja) インクジェットプリンタの印刷制御装置
JP2022170122A (ja) 画像形成装置
JP2012071567A (ja) インクジェットプリンタの印刷制御装置
JP5304926B2 (ja) 液体吐出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5997460

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250