JP5529705B2 - インクジェットプリンタの印刷制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタの印刷制御装置に係り、特に、搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向の印字をライン型インクジェットヘッドにより1パスで行う、ライン型インクジェットプリンタの印刷制御装置に関する。
インクジェット方式のプリンタにおいては、インク吐出時に発生する不要な微小インク滴であるミストが印刷用紙に付着して印刷品質を低下させてしまうという問題がある。そこで、ミストの発生を促す条件を列挙しその内容に応じてミストの発生量を予測した上で、その予測に対して適切な内容のミスト抑制制御を行う提案が行われている(例えば、特許文献1)。また、縁なし印刷時における用紙外部分へのミスト飛翔を抑制するために、用紙周縁部分の画素に対するインク吐出量をそれより内側の部分の画素よりも、同一画素値であっても少なくなるよう色変換する提案も行われている(例えば、特許文献2)。
特開2007−296754号公報 特開2005−96382号公報
上述した従来の提案はいずれも、キャリッジ上でインクジェットヘッドを記録紙の搬送方向と直交する主走査方向に往復移動させるマルチパス方式のインクジェットプリンタに関するものである。これに対し、主走査方向の印字をライン型インクジェットヘッドにより1パスで行うライン型インクジェットプリンタでは、マルチパス方式のインクジェットプリンタに比べて記録紙が高速で搬送方向(副走査方向)に搬送される。したがって、ミスト抑制のための制御は、記録紙が高速搬送される場合を考慮したものであることが望ましい。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、記録紙が高速搬送される場合においてもミストの発生による印刷品質の低下を適切に抑制することができるインクジェットプリンタの印刷制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、
入力された印刷ジョブの印刷データに基づいてインクジェットヘッドが吐出するインク液滴により、記録紙搬送手段により搬送される記録紙に印刷画像を印刷するインクジェットプリンタの印刷制御装置であって、
前記インクジェットヘッドがインク液滴を吐出する画素が前記記録紙搬送手段による前記記録紙の搬送方向において連続する前記記録紙上の領域を、前記印刷データに基づいて抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した領域のうち、少なくとも前記搬送方向における上流側の端部を含む一部の領域を、ミストの発生を抑制するための補正を前記印刷データに施した補正印刷データの適用領域に設定する設定手段と、
前記記録紙の前記適用領域内に位置する各画素については前記補正印刷データを用い、前記記録紙の前記適用領域外に位置する各画素については前記印刷データを用いて、前記インクジェットヘッドを駆動し前記記録紙に前記印刷画像を印刷させる印刷実行手段と、
を備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、請求項1に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記記録紙搬送手段上を搬送中の前記記録紙に対する前記インクジェットヘッドの間隔を調整するヘッドギャップ調整手段と、該ヘッドギャップ調整手段により調整された前記間隔を検出するヘッドギャップ検出手段とをさらに備えており、前記設定手段が、前記ヘッドギャップ検出手段の検出結果に基づき、前記間隔に応じた前記適用領域を設定することを特徴とする。
さらに、請求項3に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、請求項1又は2に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記インクジェットヘッドがインク色別に複数配置されており、前記印刷画像の印刷に用いるインク色の中から、ミストの発生を抑制する対象のインク色を決定するインク色決定手段をさらに備えており、前記印刷実行手段が、前記インク色決定手段が決定したインク色の前記インクジェットヘッドを、前記記録紙の前記適用領域内に位置する各画素については前記補正印刷データを用い、前記記録紙の前記適用領域外に位置する各画素については前記印刷データを用いて駆動することを特徴とする。
また、請求項4に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、請求項3に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記インク色決定手段が、前記抽出手段が抽出した領域における吐出対象の画素数が最も多いインク色以外のインク色を、ミストの発生を抑制する対象のインク色として決定することを特徴とする。
さらに、請求項5に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、請求項1、2、3又は4に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記ノズルからのインク液滴の吐出のために前記インクジェットヘッドに供給されるインクの温度を検出するインク温度検出手段をさらに備えており、前記設定手段が、前記インク温度検出手段の検出結果から、前記温度に応じた前記適用領域を設定することを特徴とする。
また、請求項6に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記設定手段が、前記記録紙搬送手段による前記記録紙の搬送速度の高低に対応して増減する前記搬送方向の寸法で、前記適用領域を設定することを特徴とする。
請求項1に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、抽出手段が抽出する、インクジェットヘッドがインク液滴を吐出する画素が記録紙搬送手段による記録紙の搬送方向において連続する記録紙上の領域(抽出領域)のうち、少なくとも搬送方向における上流側の端部を含む一部の領域(適用領域)には、補正印刷データを適用して印刷画像が印刷され、それ(適用領域)以外の領域には、通常の印刷データを適用して印刷画像が印刷される。
なお、記録紙の搬送方向において連続する画素とは、搬送方向と直交する主走査方向(印字走査方向)において連続するか否かを問わない。また、搬送方向における上流側の端部とは、搬送方向における記録紙の後端側を意味する。
したがって、抽出領域に対して搬送方向の上流側において連なるインク液滴の不吐出画素の領域に付着する可能性がある、適用領域内の各画素に吐出されるインク液滴によるミストの発生と、それによる印刷品質の低下とを、記録紙搬送手段により記録紙が高速搬送される場合であっても適切に抑制することができる。
また、請求項2に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項1に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、記録紙搬送手段上を搬送中の記録紙とインクジェットヘッドとの間隔が広ければ、ミストの付着により印刷品質の低下を招く可能性のある、記録紙部分の搬送方向における上流側の領域が拡がり、間隔が狭ければその領域は狭まる。
したがって、記録紙搬送手段上を搬送中の記録紙とインクジェットヘッドとの間隔に見合った補正印刷データの適用領域を決定することで、記録紙が高速搬送される場合においてもミストの発生による印刷品質の低下を適切に抑制することができる。
さらに、請求項3に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項1又は2に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、搬送方向において連続してインク液滴が吐出される画素の領域(抽出領域)に対して搬送方向の上流側に位置するインク液滴の不吐出画素の領域に付着するミストが、印刷画像の印刷に用いる一部のインク色について他のインク色よりも目立つ場合に、そのインク色をミストの発生を抑制する対象のインク色として決定することができる。
したがって、インク液滴の不吐出画素の領域にミストが付着しても目立たないインク色については、適用領域内の画素であっても通常の印刷データを用いて印刷画像を印刷するようにして、補正印刷データの適用による印刷品質の低下を抑制することができる。
また、請求項4に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項3に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、記録紙の搬送方向において連続してインク液滴が吐出される画素の領域(抽出領域)内の、インク液滴が吐出される画素数が最も多いインク色以外のインク色が、ミストの発生を抑制する対象のインク色として決定されることになる。
したがって、抽出領域内の画像とは色味が異なるインク色のミストが、記録紙の搬送方向において連続してインク液滴が吐出される画素の領域に対して記録紙の搬送方向の上流側において連なるインク液滴の不吐出画素の領域に付着して目立つのを、適切に抑制することができる。
さらに、請求項5に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項1、2、3又は4に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、インクジェットヘッドに供給されるインクの温度に応じて、補正印刷データの適用領域が設定される。
インクジェットヘッドに供給されるインクは、温度によって粘度が変化する。インクの粘度が変化すると、インクジェットヘッドのノズルから吐出されるインク液滴の速度が変化する。特に、インク液滴の吐出速度が下がるとミストが発生しやすくなってしまう。
ところで、インクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドのノズルを駆動するヘッド駆動信号の信号波形を、想定したインクの粘度において適切な速度でインク液滴が吐出されるように設計している。
そのため、インクジェットプリンタでは、インクの粘度がノズル駆動信号の信号波形を設計した際に想定した粘度となる適温から、実際のインクの温度が外れると、インクの粘度が想定した粘度から外れてインク液滴の吐出速度に変化が生じ、ミストが発生しやすい状況を招く。
そこで、請求項5に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置では、インクの温度が適温から外れるほど、ミストの発生により印刷品質の低下を招く可能性のある画素の領域(適用領域)を搬送方向に拡げ、適温に近いほど適用領域を狭められるように、インクジェットヘッドに供給されるインクの温度に見合った補正印刷データの適用領域を設定するようにしている。
したがって、搬送方向において連続してインク液滴が吐出される画素の領域(抽出領域)に記録紙の搬送方向の上流側において連なるインク液滴の不吐出画素の領域に付着するミストの発生と、それによる印刷品質の低下とを、インクの温度乃至粘度に応じて適切に抑制することができる。
また、請求項6に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、記録紙搬送手段による記録紙の搬送速度が速いほど、ミストの発生により印刷品質の低下を招く可能性のある画素の領域(適用領域)が、記録紙の搬送方向における上流側に拡がる。
したがって、記録紙搬送手段による記録紙の搬送速度に見合った寸法で、記録紙の搬送方向における適用領域の寸法を決定することで、適用領域内の各画素に吐出されるインク液滴によるミストの発生と、それによる印刷品質の低下とを、適切に抑制することができる。
本発明が適用されるマルチドロップ方式のインクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。 図1のインクジェットプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。 図2の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって行う印刷制御処理の手順を示すフローチャートである。 図3のCPUが補正印刷データにより印刷画像の印刷を行う記録紙上の適用領域を決定する手順を示す説明図である。 図4の抽出領域の搬送方向の上流側において連なる非印刷領域にミストが着弾した場合を示す説明図である。 ブラック(K)以外のインク色に補正印刷データを適用して図5の抽出領域内の適用領域の画像を印刷した場合の非印刷領域におけるミストの着弾状態を示す説明図である。 図2の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって行う印刷制御処理の他の手順の一部を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図1は本発明が適用されるライン型インクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態のライン型インクジェットプリンタ(以下、「インクジェットプリンタ」と略記する。)1は、筐体100の内外に、制御ユニット10と、給紙部101と、プリンタ部102と、ディスプレイ103と、ベルトプラテン機構部104と、記録紙循環搬送路部105と、排紙部106とを設けて構成されている。
給紙部101は、筐体100の側面に配設されたサイド給紙台21と、筐体100内の左下方部位に配設された複数の給紙台22,23とを備えており、サイド給紙台21は記録紙Sのサイズを検出しながら適宜なサイズの記録紙Sを積層可能になっている。一方、複数の給紙台22,23は例えばA4サイズ,A3サイズなど特定のサイズの記録紙Sをそれぞれ積層可能になっている。
そして、サイド給紙台21又は複数の給紙台22,23上に積層された未印刷の記録紙Sのうち各最上層の記録紙Sが、各給紙ローラ24によって1枚ずつ給紙された後にローラ等の駆動機構による給紙搬送路KRに沿って搬送され、給紙された記録紙Sの先頭部分が記録紙循環搬送路部105中に設けられたレジストローラ対51に導かれて、このレジストローラ対51で記録紙Sの先頭位置が揃うようにタイミング合わせが行われている。
プリンタ部102は、給紙部101の下流側で且つ記録紙循環搬送路部105の上流側に固定設置されており、筐体100内の略中央部位に位置している。
このプリンタ部102では、複数色のインクIKと対応して複数のライン型インクジェットヘッド(以下、「インクジェットヘッド」と略記する。)31が上流側から下流側に向かってC(シアン)用,K(ブラック)用,M(マゼンタ)用,Y(イエロー)用の順に配置されている。各色のインクジェットヘッド31は、ヘッドホルダ32に取り付けられて、ベルトプラテン機構部104による記録紙Sの搬送方向Xに等間隔をおいて配置されている。
なお、本実施形態では、4色(CKMY)のインクIKに対応して4つのインクジェットヘッド31を設置した例で説明するが、例えば文字だけを印刷する場合には1色(K)用だけで良いので、インクジェットヘッド31は少なくとも一以上設置すれば良いものである。
ここで、各色ごとに設けた複数のインクジェットヘッド31は全て同じ構造に形成されており、詳細な図示を省略するが、一のインクジェットヘッド31は、複数のノズルを図1の紙面と垂直な主走査方向に沿って配列させたヘッドブロックが、主走査方向に沿った一のライン上に沿って複数個配置され、且つ、主走査方向と直交する副走査方向(搬送方向Xと同方向)に計2ラインに分けて配置されていると共に、隣り合うライン1,2では各ヘッドブロックが一部重なりあうように互い違いに千鳥状に配置されている。
各インクジェットヘッド31は、同一画素にノズル(図示せず)から吐出するドットを最大5ドットまで変化させることができるマルチドロップのインクジェット方式で印刷画像の印刷を行う。各画素の各色のインクジェットヘッドからのインク液滴の吐出ドット数を規定する印刷用多値データは、クライアント端末14から入力される印刷ジョブの印刷データに基づいて、制御ユニット10の後述するCPU90によって生成される。
なお、ヘッドホルダ32には、ベルトプラテン機構部104を昇降可能に吊り下げ支持するヘッドギャップ調整ユニット33(請求項中のヘッドギャップ調整手段に相当)が設けられている。ヘッドギャップ調整ユニット33は、プーリ及びワイヤからなるヘッドギャップ調整機構34及びモータ35を有している。そして、モータ35によりプーリを回転させワイヤを巻き取り繰り出しすることで、ワイヤにつながれて吊り下げ支持されたベルトプラテン機構部104を昇降させるように構成されている。
このヘッドギャップ調整ユニット33は、プリンタ部102の一部として制御ユニット10に接続されており、制御ユニット10の制御により駆動される。ヘッドギャップ調整ユニット33によるベルトプラテン機構部104の昇降は、例えば、記録紙Sの種類に応じた印刷モードの変更の際に行われる。その一例として、普通紙に比べると紙厚が大きい封筒に印刷する印刷モードを選択した場合に、ベルトプラテン機構部104を降下させて、インクジェットヘッド31からの距離、つまり、ヘッドギャップを通常よりも広げる場合が挙げられる。
また、プリンタ部102は、各色のインクジェットヘッド31にそれぞれ供給される各色のインクの温度を測定する温度センサ58a〜58dを有している。制御ユニット10は、温度センサ58a〜58dの出力信号に基づいて、各色のインクの温度を検出することができる。即ち、本実施形態では、温度センサ58a〜58dと制御ユニット10とにより、請求項中のインク温度検出手段を構成している。
ベルトプラテン機構部104は、プリンタ部102と対向して複数のインクジェットヘッド31の下方に配設されている。
このベルトプラテン機構部104では、給紙部101で給紙された未印刷の記録紙S又は後述する循環搬送路JRによって搬送された片面が印刷済みの記録紙Sを搭載しながら搬送するために複数の吸引孔(図示せず)を形成した帯状のベルトプラテン41がモータ45により回転駆動される駆動プーリ42と従動プーリ43との間に掛け渡されている。
モータ45によるベルトプラテン41の移動速度、つまり、ベルトプラテン41による記録紙Sの搬送速度は、エンコーダ47の出力により制御ユニット10で検出することができる。駆動プーリ42と従動プーリ43との間には、記録紙Sをベルトプラテン41上にエア吸引する負圧を発生させるためのサクションファン44が設けられている。
ベルトプラテン41(請求項中の記録紙搬送手段に相当)は、その裏側に配置された上述のサクションファン44に連通する複数の吸引孔(図示せず)を有している。この吸引孔には、サクションファン44が発生させる吸引力が供給される。したがって、ベルトプラテン41上の記録紙Sには、記録紙Sが塞いだ吸引孔の負圧によるベルトプラテン41側への吸引力が作用する。
そして、ベルトプラテン機構部104では、帯状のベルトプラテン41上に記録紙Sを搭載したときに、この記録紙Sをベルトプラテン41上の吸引孔によりエアー吸引して、記録紙Sをベルトプラテン41上に固定した状態でベルトプラテン41の回転より記録紙Sを搬送方向X(副走査方向)に搬送する。搬送中の記録紙Sは、その通過経路上の上方に配置されたプリンタ部102の複数のインクジェットヘッド31により印刷画像がフルカラー印刷される。
なお、ベルトプラテン41の搬送方向Xにおける位置は、ベルトプラテン41の上方に配置したホームポジションセンサ46がベルトプラテン41のホームポジション検出用の位置検出孔(図示せず)を検出することで、制御ユニット10によって認識される。
記録紙循環搬送路部105は、給紙部101で給紙された記録紙Sに対してプリンタ部102で片面印刷又は両面印刷するために記録紙Sをプリンタ部102を経由して循環させる循環搬送路JRを有し、この循環搬送路JR中にサイド給紙台21側からの未印刷の記録紙Sを搬送する給紙搬送路KRと、排紙台71側に印刷済みの記録紙Sを搬送する排紙搬送路HRとが分岐して設置されている。
また、上記した循環搬送路JRは、プリンタ部102により記録紙Sの片面(表面)に印刷された印刷済みの記録紙Sをそのまま排紙する方向に搬送する通常搬送路CRと、片面(表面)が印刷された記録紙Sを通常搬送路CRの途中から電磁弁などを用いた第1,第2搬送路切替えレバー52,53により搬送方向を切り換えてスイッチバックを行って両面(表面及び裏面)を印刷するためのスイッチバック搬送路SRとで環状に設置されている。
そして、循環搬送路JRにより、両面印刷したい記録紙Sがプリンタ部102を経由して循環可能になっている。
この際、循環搬送路JR中の通常搬送路CRは、プリンタ部102の下方を通過し、この後、印刷済みの記録紙S上のインクIKが乾燥できる時間を確保するためにプリンタ部102の上方に廻り込むように屈曲されており、排紙対象となる印刷済みの記録紙Sは通常搬送路CRから排紙搬送路HRを経て排紙部106の排紙台71に向かうように搬送されている。
一方、循環搬送路JR中のスイッチバック搬送路SRは、通常搬送路CR中で排紙部106に向かう手前を第1搬送路切替えレバー52で切り替えて記録紙Sの搬送方向を変更して排紙部106の排紙台71の裏面に形成した記録紙ガイド枠72内に向かい、この記録紙ガイド枠72内で記録紙Sの先頭位置を反転させた後に第2搬送路切替えレバー53で切り替えて記録紙Sの搬送方向を変更して再度レジストローラ対51に向かい、この後、プリンタ部102及びベルトプラテン機構部104に接続されるように配設されている。
また、記録紙循環搬送路部105内には、光反射型(又は光透過型)の第1〜第4記録紙検出用光センサ54〜57が設置されており、第1記録紙検出用光センサ54は、給紙搬送路KR中のレジストローラ対51よりも下流に設置されて記録紙Sの給紙状態を検出する給紙センサとして機能する。また、第1記録紙検出用光センサ54は、給紙部101が給紙する記録紙Sの主走査方向における最大幅以上の寸法を有するラインセンサで構成されている。したがって、第1記録紙検出用光センサ54は、給紙部101が給紙する記録紙Sの主走査方向における寸法と、記録紙Sの通過時間とから、記録紙Sのサイズを検出する記録紙サイズセンサ(コンタクトイメージセンサ:CIS)としても機能する。
第2記録紙検出用光センサ55は、記録紙Sが排紙搬送路HR又はスイッチバック搬送路SRに到達する前の状態を検出する搬送路切替え前センサとして機能し、また、第3記録紙検出用光センサ56は排紙搬送路HRに沿って設置されて排紙台71に向かう記録紙Sの排紙状態を検出する排紙センサとして機能し、更に、第4記録紙検出用光センサ57は第1搬送路切替えレバー52と第2搬送路切替えレバー53との間に設置されて循環される記録紙Sの有無状態を検出する循環記録紙有無検出センサとして機能している。
排紙部106は、筐体100に対して斜めに傾斜して設置された排紙台71を備えている。
この排紙台71は、記録紙循環搬送路部105内に設けた通常搬送路CR及び排紙搬送路HRによって搬送された印刷済みの記録紙Sを収納する機能と、この排紙台71の裏面に形成した記録紙ガイド枠72で片面(表面)が印刷された記録紙Sに対して裏面を印刷するためにスイッチバックして記録紙Sの先頭位置を反転させる機能とを備えている。
図2は、図1の制御ユニット10の電気的構成を示すブロック図である。制御ユニット10には、外部インタフェース部11を介して、クライアント端末14からの印刷ジョブを受け取る。この印刷ジョブは、印刷画像のポストスクリプトデータと印刷環境データとを含んでいる。制御ユニット10は、受け取った印刷ジョブのポストスクリプトデータにより印刷画像のラスタデータを生成する。インクジェットプリンタ1は、印刷ジョブの印刷環境情報において指定された条件で、印刷画像の記録紙Sへの印刷をプリンタ部102において実行する。
プリンタ部102の各色のインクジェットヘッド31が印刷画像の各画素に対応してそれぞれ吐出するインク液滴のドット数を規定する印刷用多値データは、クライアント端末14から入力される印刷ジョブのポストスクリプトデータに基づいて、制御ユニット10のCPU90によって生成される。
また、制御ユニット10のCPU90には、ディスプレイ103が接続されている。このディスプレイ103は、図1に示すように、インクジェットプリンタ1の上部に配置されている。このディスプレイ103は、インクジェットプリンタ1の各種動作に関連する入力デバイスと情報出力デバイスとして利用することができる。
上述したプリンタ部102に印刷動作を行わせるインクジェットプリンタ1の制御ユニット10は、図2に示すように、CPU90を備える。このCPU90は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ103から入力設定される内容に応じたプリンタ部102の動作を制御する。
なお、制御ユニット10にはRAM92が設けられており、RAM92にはフレームメモリ領域が設けられている。このフレームメモリ領域には、クライアント端末14から制御ユニット10に入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータからCPU90が生成する、印刷画像のラスタデータや、これにミスト発生を抑制するための補正を施した補正印刷データが、プリンタ部102に出力されるまでの間、一時的に記憶される。
次に、図2に示す制御ユニット10のCPU90がROM91に記憶されたプログラムを実行することにより行う印刷制御処理の手順について、図3のフローチャートを参照して説明する。
図3に示すように、CPU90は、まず、クライアント端末14から印刷ジョブが入力されたか否かを確認する(ステップS1)。入力されていない場合は(ステップS1でNO)、入力されるまで待機し、入力された場合は(ステップS1でYES)、入力された印刷ジョブのスクリプトデータからラスタデータを生成する(ステップS3)。このラスタデータは、各色のインクジェットヘッド31のノズルからそれぞれ吐出する各画素のドットデータ(インク液滴の吐出数=ドロップ数を定義するデータ)である。このドットデータが、請求項中の印刷データに相当する。
続いて、CPU90は、ラスタデータ(ドットデータ)にミスト発生を抑制するための補正を施した補正印刷データ(補正ドットデータ)を生成する(ステップS5)。この補正印刷データは、スクリプトデータの内容に応じた各画素のドット数を、公知のミスト抑制のための補正内容にしたがって補正したデータである。なお、公知の補正内容は、例えば、背景技術の欄で説明した特許文献1,2に記載された補正内容を用いることができる。
次に、CPU90は、インクジェットヘッド31から吐出されるインク液滴を着弾させることができる記録紙Sの印刷可能領域の各画素のうち、印刷画像を印刷するためにインク液滴を吐出する対象の画素が搬送方向Xにおいて連続する領域を、抽出領域Mとして抽出する(ステップS6)。この抽出には、ステップS1で入力された印刷ジョブのスクリプトデータを用いてもよく、ステップS3で生成したラスタデータ(ドットデータ)を用いてもよい。
なお、抽出領域M内の搬送方向Xにおいて連続するインク液滴の吐出対象画素は、搬送方向Xと直交する主走査方向Y(印字走査方向)において連続していなくてもよい。したがって、抽出領域Mは、図4の説明図に示すように、主走査方向Yにおける印刷可能領域の全幅の寸法を有する領域となる。そして、図4では、記録紙Sに印刷する印刷画像が搬送方向Xに間隔をおいた2つの抽出領域Mで構成される場合を示している。
図3に示すように、次に、CPU90は、給紙部101が記録紙循環搬送路部105を経てベルトプラテン機構部104に供給する記録紙Sのベルトプラテン41に対する相対位置を、例えば、第1記録紙検出用光センサ54やホームポジションセンサ46の出力に基づいて、搬送方向X及び主走査方向Yの双方について検出する(ステップS7)。そして、検出した相対位置に基づいて、補正印刷データにより印刷画像の印刷を行う記録紙S上の領域を、適用領域Lとして決定する(ステップS9)。
ここで、ステップS9において適用領域Lを決定する手順を、再び図4を参照して説明する。記録紙Sが搬送方向Xに搬送されると、インクジェットヘッド31(図1)から吐出されるインク液滴による印刷画像の印刷が、主走査方向Yの1ライン単位で、搬送方向Xにおける下流側から上流側(図中の上側から下側)に順次位置を変えて行われる。
このとき、インク液滴の吐出に伴いミストが発生すると、通常のインク液滴に比べてミストの吐出速度が遅いことから、ミストが着弾する記録紙S上の位置は、通常のインク液滴の場合よりも搬送方向Xにおける上流側(図中の下側)にずれる。このようなミストが、抽出領域Mに対して搬送方向Xの上流側において連なる、印刷画像の印刷のためのインク液滴が吐出されない画素の領域(インク液滴の不吐出画素の領域。以下、「非印刷領域」という。)Nに着弾(付着)すると、非常に目立って印刷品質を低下させることになる。
例えば、図5の説明図では、記録紙Sの搬送方向Xにおける抽出領域Mの上流側において連なる非印刷領域Nに、黒みがかった色のミストm1、青みがかった色のミストm2、赤みがかった色のミストm3が着弾した様子を示している。
そこで、図3のステップS9においてCPU90は、抽出領域Mの搬送方向Xにおける寸法をMl、適用領域Lの搬送方向Xにおける寸法をLlとした場合に、寸法Mlに予め設定した係数αを乗じたα×Mlを、適用領域Lの搬送方向Xにおける寸法Llとして決定する(Ll=α×Ml)。
なお、搬送方向Xにおけるミストの飛翔範囲は、ベルトプラテン41による記録紙Sの搬送速度が速いほど拡がり、遅いほど狭まる。そこで、エンコーダ47の出力により制御ユニット10のCPU90が検出する記録紙Sの搬送速度が速いほど係数αを大きい値とし、搬送速度が遅いほど係数αを小さい値としてもよい。搬送速度に応じた係数αの値は、例えば、RAM92にテーブルとして記憶させておくことができる。
次に、CPU90は、インクジェットヘッド31とベルトプラテン機構部104とのヘッドギャップをエンコーダ47の出力に基づいて検出する(ステップS11)。ヘッドギャップが大きいとミストm1〜m3の飛翔範囲が広がり、ヘッドギャップが小さいとミストm1〜m3の飛翔範囲が狭まるので、続いて、CPU90は、検出したヘッドギャップに応じて、補正印刷データにより印刷を行うのに適した記録紙S上の領域を、適用領域Lとして決定する(ステップS13)。
なお、ステップS13における適用領域Lは、ヘッドギャップが大きいほど係数αを大きい値とし、ヘッドギャップが小さいほと係数αを小さい値として求める。ヘッドギャップに応じた係数αの値は、例えば、RAM92にテーブルとして記憶させておくことができる。
次に、CPU90は、温度センサ58a〜58dの出力信号から各色のインクの温度を検出し(ステップS15)、検出したインクの温度に基づいて、補正印刷データにより印刷を行うのに適した記録紙S上の領域を、適用領域Lの搬送方向Xにおける寸法Llとして決定する(ステップS17)。
インクジェットヘッド31に供給されるインクは、温度によって粘度が変化する。インクの粘度が変化すると、インクジェットヘッド31のノズルから吐出されるインク液滴の速度が変化する。特に、インク液滴の吐出速度が下がるとミストm1〜m3が発生しやすくなってしまう。
ところで、本実施形態のインクジェットプリンタ1においては、インクジェットヘッド31のノズルを駆動するためにCPU90が出力するヘッド駆動信号の信号波形を、想定したインクの粘度において適切な速度でインク液滴が吐出されるように設計している。
そのため、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、インクの粘度がノズル駆動信号の信号波形を設計した際に想定した粘度となる適温から、温度センサ58a〜58dにより測定される各色のインクの実際の温度が外れると、インクの粘度が想定した粘度から外れてインク液滴の吐出速度に変化が生じ、ミストm1〜m3が発生しやすい状況を招く。
よって、インクの温度が適温に近ければミストm1〜m3の発生度合いが低くなり、適温からインクの温度が外れるほど、インクの粘度が高くなってミストm1〜m3の発生度合いが高くなる。そこで、本実施形態では、検出したインクの温度が適温に近い場合に補正印刷データを適用する記録紙Sの領域を狭くし、適温から外れるほど補正印刷データを適用する領域を拡げるようにしている。
なお、ステップS15における適用領域Lは、検出したインクの温度が適温に近いほど係数αを小さい値とし、インクの温度が適温から外れるほと係数αを大きい値として求める。インクの温度に応じた係数αの値は、例えば、RAM92にテーブルとして記憶させておくことができる。
次に、CPU90は、ステップS9、ステップS13、及び、ステップS17で決定した適用領域Lのうち、搬送方向Xにおける寸法Llのうち最も大きい値を、記録紙Sの補正印刷データを適用して印刷する適用領域Lとして最終的に決定する(ステップS19)。
なお、補正印刷データの適用領域Lには、ステップS6で抽出した抽出領域Mのうち、ステップS19で決定した適用領域L以外の領域も、必要に応じて加えることができる。
次に、CPU90は、補正印刷データを適用して適用領域Lの印刷画像を印刷する対象のインク色を決定する(ステップS20)。このとき、例えば、図5に示すように、抽出領域Mが黒ベタである場合、ブラック(K)以外のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を、補正印刷データの適用対象のインク色としてもよい。そのようにすれば、抽出領域Mの黒ベタの画像とは異なるインク色のミストm2,m3が非印刷領域Nに着弾(付着)するのを抑制することができるようになる。
同様の発想で、インク液滴を吐出する抽出領域M内の画素数が最も多いインク色を除く他のインク色を、補正印刷データの適用対象のインク色としてもよい。そのようにすれば、抽出領域Mの色味とは異なる色味のミストm1〜m3が非印刷領域Nに着弾(付着)するのを抑制することができるようになる。あるいは、抽出領域Mの色味とは無関係に、予め定めた特定のインク色(単色でも複数色でも全色でもよい)を、補正印刷データの適用対象のインク色としてもよい。
図6は、ブラック(K)以外のインク色に補正印刷データを適用して図5の抽出領域内の適用領域の画像を印刷した場合の非印刷領域におけるミストの着弾状態を示す説明図である。図5の抽出領域Mの黒ベタ画像を、ブラック(K)のインクだけでなく、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクを用いてコンポジット印刷する場合、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各インク色による適用領域Lの画像の印刷に補正印刷データを用いると、例えば図6に示すように、赤みがかった色のミストm3が全て目立たなくなり、青みがかった色のミストm2もほとんど目立たなくなった。
そして、CPU90は、印刷ジョブによる印刷画像の印刷をプリンタ部102の各色のインクジェットヘッド31にて実行させる(ステップS21)。具体的には、ステップS20で決定したインク色のインクジェットヘッド31に限り、ステップS19で決定した適用領域Lの画素については補正印刷データを用いて印刷し、それ以外の領域の画素については通常の印刷データ(ステップS3で生成したラスタデータ)を用いて印刷する。また、ステップS20で決定したインク色以外のインク色のインクジェットヘッド31については、適用領域Lを含む抽出領域Mの全画素を、通常の印刷データ(ステップS3で生成したラスタデータ)を用いて印刷する。
印刷画像の印刷を実行したならば、印刷ジョブを構成する設定枚数の印刷が終了したか否かを確認し(ステップS23)、終了していない場合は(ステップS23でNO)、ステップS7にリターンする。一方、終了した場合は(ステップS23でYES)、一連の処理を終了する。
なお、図3のフローチャートにおけるステップS7,9と、ステップS11,13と、ステップS15,17とは、順番を前後に入れ替えてもよい。
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、図3のフローチャートにおけるステップS6が、請求項中の抽出手段に対応する処理となっている。また、本実施形態では、図3中のステップS9、ステップS13、ステップS17、及び、ステップS19が、請求項中の設定手段に対応する処理となっている。
さらに、本実施形態では、図3中のステップS21が、請求項中の印刷実行手段に相当する処理となっている。また、本実施形態では、図3中のステップS11が、請求項中のヘッドギャップ検出手段に対応する処理となっている。
さらに、本実施形態では、図3中のステップS20が、請求項中のインク色決定手段に対応する処理となっている。
このように構成された本実施形態のインクジェットプリンタ1では、制御ユニット10に入力された印刷ジョブのスクリプトデータ又はそれから生成したラスタデータ(ドットデータ)を用いて、インク液滴を吐出する対象の画素が搬送方向Xにおいて連続する抽出領域Mを抽出するようにした。そして、記録紙Sのベルトプラテン41に対する搬送方向X及び主走査方向Yの相対位置や、ベルトプラテン41による記録紙Sの搬送速度、インクジェットヘッド31とベルトプラテン機構部104とのヘッドギャップ、及び、各色のインクの温度の全てに適応した補正印刷データの適用領域Lを、抽出領域Mのうち搬送方向Xにおける上流側に決定するようにした。その上で、一又は複数(全色を含む)のインク色については、適用領域Lの画像を補正印刷データを用い、抽出領域Mのうち適用領域L以外の部分の画像を通常の印刷データを用いて、印刷ジョブによる印刷画像の印刷をプリンタ部102の各色のインクジェットヘッド31にて実行させるようにした。
このため、抽出領域Mに対して搬送方向の上流側において連なる非印刷領域Nに着弾(付着)する可能性がある、適用領域L内の各画素に吐出されるインク液滴によるミストm1,m2,m3の発生と、それによる印刷画像の品質低下とを、ベルトプラテン41により記録紙Sが高速搬送される場合であっても適切に抑制することができる。
なお、記録紙Sの搬送速度やインクジェットヘッド31とベルトプラテン機構部104とのヘッドギャップ、あるいは、各色のインクの温度(粘度)に応じて、係数αの値を高低させるための構成は、その一部または全部を省略してもよい。
記録紙Sの搬送速度に応じて係数αの値を高低させる構成を省略する場合は、図3のフローチャートにおけるステップS9において、記録紙Sの搬送速度とは無関係に決定した係数αの値を用いて、適用領域Lを決定することになる。
また、インクジェットヘッド31とベルトプラテン機構部104とのヘッドギャップに応じて係数αの値を高低させる構成を省略する場合は、図3のフローチャートにおけるステップS11とステップS13を省略することになる。
さらに、各色のインクの温度(粘度)に応じて係数αの値を高低させる構成を省略する場合は、図3のフローチャートにおけるステップS15とステップS17を省略することになる。
そして、図3のフローチャートにおけるステップS19では、ステップS9で決定した適用領域Lと、ステップS13及びステップS17のうち省略されなかったステップで決定した適用領域Lとのうち、搬送方向Xにおける寸法Llのうち最も大きい値を、記録紙Sの補正印刷データを適用して印刷する適用領域Lとして最終的に決定することになる。
しかし、本実施形態のように、記録紙Sの搬送速度やヘッドギャップ、あるいは、各色のインクの温度(粘度)に応じて、係数αの値をそれぞれ高低させるようにすれば、それぞれを原因とするミストm1,m2,m3の着弾(付着)により印刷画像の品質が低下するのを、適切に抑制することができる。
また、適用領域Lの画像を補正印刷データを用いて印刷するインク色を一部の色に限定するための構成も、省略してもよい。その場合は、図3のフローチャートにおけるステップS20を省略し、図7のフローチャートに示すように、ステップS21において、全色のインクジェットヘッド31に、ステップS19で決定した領域については補正印刷データを用い、それ以外の領域については通常の印刷データ(ステップS3で生成したラスタデータ)を用いて、印刷ジョブによる印刷画像の印刷を実行させることになる。
さらに、本実施形態では、印刷ジョブが制御ユニット10に入力された時点で、通常の印刷データであるラスタデータ(ドットデータ)と、ラスタデータにミスト発生を抑制するための補正を施した補正印刷データとを、即座に生成するようにした。しかし、補正印刷データを適用する適用領域Lを図4のステップS19で決定した後、ステップS21で印刷画像の印刷を実行する前に、補正印刷データを生成するようにしてもよい。その場合には、ステップS5における補正印刷データの生成を、ステップS19とステップS21の間に移動して実行することになる。
しかし、本実施形態のように、印刷ジョブが制御ユニット10に入力された時点で補正印刷データを即座に生成すれば、ベルトプラテン41に対する記録紙Sの相対位置の検出を待って補正印刷データを生成する必要がない分、補正印刷データを用いた印刷画像の印刷を迅速に開始することができる。
そして、本実施形態のように、記録紙Sの搬送速度やインクジェットヘッド31とベルトプラテン機構部104とのヘッドギャップ、あるいは、各色のインクの温度(粘度)に応じて、補正印刷データを用いて印刷画像を印刷する適用領域Lを決定し、又は、補正印刷データを用いて画像を印刷するインク色を決定することで、印刷画像の全体や、印刷画像を構成する全インク色の画像を、補正印刷データを用いて印刷する場合に比べて、印刷画像の印刷品質を高く維持することができる。
1 ライン型インクジェットプリンタ
10 制御ユニット
11 外部インタフェース部
14 クライアント端末
21 サイド給紙台
22,23 給紙台
24 給紙ローラ
31 ライン型インクジェットヘッド
32 ヘッドホルダ
33 ヘッドギャップ調整ユニット
34 ヘッドギャップ調整機構
35 モータ
41 ベルトプラテン
42 駆動プーリ
43 従動プーリ
44 サクションファン
45 モータ
46 ホームポジションセンサ
47 エンコーダ
51 レジストローラ対
52 レバー
53 レバー
54 第1記録紙検出用光センサ
55 第2記録紙検出用光センサ
56 第3記録紙検出用光センサ
57 第4記録紙検出用光センサ
58a〜58d 温度センサ
71 排紙台
72 記録紙ガイド枠
90 CPU
91 ROM
92 RAM
100 筐体
101 給紙部
102 プリンタ部
103 ディスプレイ
104 ベルトプラテン機構部
105 記録紙循環搬送路部
106 排紙部
CR 通常搬送路
HR 排紙搬送路
IK インク
JR 循環搬送路
KR 給紙搬送路
L 適用領域
M 抽出領域
N 非印刷領域
S 記録紙
SR スイッチバック搬送路
X 搬送方向
Y 主走査方向
m1 ミスト
m2 ミスト
m3 ミスト

Claims (6)

  1. 入力された印刷ジョブの印刷データに基づいてインクジェットヘッドが吐出するインク液滴により、記録紙搬送手段により搬送される記録紙に印刷画像を印刷するインクジェットプリンタの印刷制御装置であって、
    前記インクジェットヘッドがインク液滴を吐出する画素が前記記録紙搬送手段による前記記録紙の搬送方向において連続する前記記録紙上の領域を、前記印刷データに基づいて抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段が抽出した領域のうち、少なくとも前記搬送方向における上流側の端部を含む一部の領域を、ミストの発生を抑制するための補正を前記印刷データに施した補正印刷データの適用領域に設定する設定手段と、
    前記記録紙の前記適用領域内に位置する各画素については前記補正印刷データを用い、前記記録紙の前記適用領域外に位置する各画素については前記印刷データを用いて、前記インクジェットヘッドを駆動し前記記録紙に前記印刷画像を印刷させる印刷実行手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェットプリンタの印刷制御装置。
  2. 前記記録紙搬送手段上を搬送中の前記記録紙に対する前記インクジェットヘッドの間隔を調整するヘッドギャップ調整手段と、該ヘッドギャップ調整手段により調整された前記間隔を検出するヘッドギャップ検出手段とをさらに備えており、前記設定手段は、前記ヘッドギャップ検出手段の検出結果に基づき、前記間隔に応じた前記適用領域を設定することを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタの印刷制御装置。
  3. 前記インクジェットヘッドはインク色別に複数配置されており、前記印刷画像の印刷に用いるインク色の中から、ミストの発生を抑制する対象のインク色を決定するインク色決定手段をさらに備えており、前記印刷実行手段は、前記インク色決定手段が決定したインク色の前記インクジェットヘッドを、前記記録紙の前記適用領域内に位置する各画素については前記補正印刷データを用い、前記記録紙の前記適用領域外に位置する各画素については前記印刷データを用いて駆動することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットプリンタの印刷制御装置。
  4. 前記インク色決定手段は、前記抽出手段が抽出した領域における吐出対象の画素数が最も多いインク色以外のインク色を、ミストの発生を抑制する対象のインク色として決定することを特徴とする請求項3記載のインクジェットプリンタの印刷制御装置。
  5. 前記ノズルからのインク液滴の吐出のために前記インクジェットヘッドに供給されるインクの温度を検出するインク温度検出手段をさらに備えており、前記設定手段は、前記インク温度検出手段の検出結果から、前記温度に応じた前記適用領域を設定することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のインクジェットプリンタの印刷制御装置。
  6. 前記設定手段は、前記記録紙搬送手段による前記記録紙の搬送速度の高低に対応して増減する前記搬送方向の寸法で、前記適用領域を設定することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のインクジェットプリンタの印刷制御装置。
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