JP2012071567A - インクジェットプリンタの印刷制御装置 - Google Patents

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雅彦 楠畑
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Abstract

【課題】印刷速度の低下を避けつつミストの発生による印刷品質の低下を抑制する。
【解決手段】印刷ジョブが制御ユニット10に入力された時点で、通常の印刷データであるラスタデータと、ラスタデータにミスト発生を抑制するための補正を施した補正印刷データとを、即座に生成するようにした。そして、記録紙Sのベルトプラテン41に対する搬送方向X及び主走査方向の相対位置や、ベルトプラテン41による記録紙Sの搬送速度、インクジェットヘッド31とベルトプラテン機構部104とのヘッドギャップ、及び、各色のインクの温度の全てに適応した補正印刷データの適用領域を、記録紙Sについて決定するようにした。さらに、決定した領域については補正印刷データを用い、それ以外の領域については通常の印刷データ(ラスタデータ)を用いて、印刷ジョブによる印刷画像の印刷をプリンタ部102の各色のインクジェットヘッド31にて実行させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリンタの印刷制御装置に係り、特に、搬送ベルト上の記録紙をエア吸引するインクジェットプリンタの印刷制御装置に関する。
インクジェット方式のプリンタにおいては、インク吐出時に発生する不要な微小インク滴であるミストが印刷用紙に付着して印刷品質を低下させてしまうという問題がある。そこで、ミストの発生を促す条件を列挙しその内容に応じてミストの発生量を予測した上で、その予測に対して適切な内容のミスト抑制制御を行う提案が行われている(例えば、特許文献1)。また、縁なし印刷時における用紙外部分へのミスト飛翔を抑制するために、用紙周縁部分の画素に対するインク吐出量をそれより内側の部分の画素よりも、同一画素値であっても少なくなるよう色変換する提案も行われている(例えば、特許文献2)。
特開2007−296754号公報 特開2005−96382号公報
ところで、インクジェットプリンタにおいては、記録紙を安定して搬送するために、搬送ベルトに設けた吸引孔を介して搬送ベルトの裏側から記録紙を吸引しながら搬送することが行われている。このような構成のインクジェットプリンタでは、記録紙によって塞がれない吸引孔からの吸引用エアによりミストが流されることがある。
そして、搬送ベルトに対する記録紙の供給位置やタイミングの相違で、吸引孔に対する記録紙の相対位置が都度変わる場合があり、そのような場合には、吸引用エアによってミストが流される方向も都度変わってしまう。
このような状況の下、ライン型ヘッドを有するインクジェットプリンタのように高速印刷対応のインクジェットプリンタの存在を考慮すると、印刷品質と印刷速度を両方維持する対策が必要となるのは明らかである。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、記録紙を負圧により記録紙搬送手段に吸着させつつ搬送する場合に、印刷速度の低下を避けつつミストの発生による印刷品質の低下を抑制することができるインクジェットプリンタの印刷制御装置を提供することにある。
ミストの発生に対して印刷品質を落とさないようにするための対策としては、例えば、印刷する画像全体についてミスト低減対策を施すような印刷データの補正を行うことが考えられる。一般にミスト低減対策は、画素に対するインク液滴の吐出量を減らすことで実現するのが通常である。ところが、画像全体にそのような補正を施すと、実際にはミスト対策が不要な領域の画像も印刷データの補正により品質が劣化してしまう。
そこで、搬送ベルトに記録紙が供給される毎に、供給された記録紙の搬送ベルト上の位置を検出し、それに基づいて、ミスト低減対策を施す領域を都度決定し、決定した領域の印刷データにのみ補正処理を施すことが考えられる。しかし、記録紙の供給の度に印刷データの補正処理を行うことは、処理上の負担が大きく、明らかに印刷速度の低下に結び付いてしまう。
そのため、上記目的を達成するために請求項1に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、
記録紙搬送手段により搬送される記録紙を負圧により前記記録紙搬送手段に吸着させつつ、入力された印刷ジョブの印刷データに基づいてインクジェットヘッドのノズルが吐出するインク液滴により、前記記録紙搬送手段上を搬送中の前記記録紙に印刷画像を印刷するインクジェットプリンタの印刷制御装置であって、
前記印刷ジョブの入力に伴い、前記ノズルからのミストの発生を抑制するための補正を前記印刷データに施した補正印刷データを生成する補正データ生成手段と、
前記記録紙搬送手段に対する前記記録紙の相対位置を検出する相対位置検出手段と、
前記相対位置検出手段の検出結果から、前記記録紙搬送手段上の前記記録紙における前記補正印刷データの適用領域を決定する適用領域決定手段と、
前記記録紙の前記適用領域内に位置する各画素については前記補正印刷データを用い、前記記録紙の前記適用領域外に位置する各画素については前記印刷データを用いて、前記インクジェットヘッドを駆動し前記記録紙に前記印刷画像を印刷させる印刷実行手段と、
を備えることを特徴とするインクジェットプリンタの印刷制御装置。
また、請求項2に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、請求項1に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記適用領域決定手段が、前記記録紙搬送手段上に存在する複数の前記負圧の発生源のうち、前記記録紙搬送手段上を搬送中の前記記録紙の周辺に存在する前記負圧の発生源から、所定距離内の領域に存在する記録紙部分を、前記適用領域として決定することを特徴とする。
さらに、請求項3に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、請求項1又は2に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記記録紙搬送手段による前記記録紙の搬送速度を検出する搬送速度検出手段をさらに備えており、前記相対位置検出手段が、前記記録紙搬送手段による前記記録紙の搬送方向における前記相対位置を検出する搬送方向相対位置検出手段を有しており、前記適用領域決定手段が、前記搬送速度検出手段及び前記搬送方向相対位置検出手段の各検出結果から、前記記録紙搬送手段上の前記記録紙の、前記搬送方向における端部部分における前記適用領域を決定する搬送方向適用領域決定手段を有していることを特徴とする。
また、請求項4に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、請求項1、2又は3に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記記録紙搬送手段上を搬送中の前記記録紙に対する前記インクジェットヘッドの間隔を調整するヘッドギャップ調整手段と、該ヘッドギャップ調整手段により調整された前記間隔を検出するヘッドギャップ検出手段とをさらに備えており、前記適用領域決定手段が、前記ヘッドギャップ検出手段の検出結果に基づき、前記間隔に応じた前記適用領域を決定することを特徴とする。
さらに、請求項5に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、請求項1、2、3又は4に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記ノズルからのインク液滴の吐出のために前記インクジェットヘッドに供給されるインクの温度を検出するインク温度検出手段をさらに備えており、前記適用領域決定手段が、前記インク温度検出手段の検出結果から、前記温度に応じた前記適用領域を決定することを特徴とする。
また、請求項6に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置は、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記インクジェットヘッドが、前記記録紙搬送手段による前記記録紙の搬送方向に間隔をおいて、インク色別に複数配置されており、前記印刷実行手段が、少なくとも、前記複数のインクジェットヘッドのうち前記相対位置検出手段からの距離が前記搬送方向において最も近いインクジェットヘッドを、前記記録紙の前記適用領域内に位置する各画素については前記補正印刷データを用い、前記記録紙の前記適用領域外に位置する各画素については前記印刷データを用いて駆動することを特徴とする。
なお、本発明の変形例に係るインクジェットプリンタの印刷制御装置のように、請求項1、2、3、4、5又は6に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、前記インクジェットヘッドがインク色別に複数設けられており、前記印刷実行手段が、前記複数のインクジェットヘッドのうち少なくとも一つのインクジェットヘッドを、前記記録紙の前記適用領域内に位置する各画素については前記補正印刷データを用い、前記記録紙の前記適用領域外に位置する各画素については前記印刷データを用いて駆動することを特徴とする構成とすることもできる。
請求項1に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、印刷ジョブが入力されると、記録紙搬送手段に対する記録紙の相対位置の検出を待つことなくすぐに、補正印刷データが生成される。そして、記録紙搬送手段に対する記録紙の相対位置が検出された後には、補正印刷データを適用して印刷画像を印刷する記録紙上の適用領域の決定と、適用領域に補正印刷データを適用し適用領域外に通常の印刷データを適用した印刷画像のインクジェットヘッドによる印刷とだけが行われる。
したがって、記録紙搬送手段に対する記録紙の相対位置の検出を待って補正印刷データを生成する必要がない分、補正印刷データを用いた印刷画像の印刷を迅速に開始することができる。しかも、補正印刷データを用いて印刷画像を印刷するのは、記録紙搬送手段に対する記録紙の相対位置に応じて決定された適用領域に限られるので、印刷画像の全体が補正印刷データを用いて印刷される場合に比べて、印刷画像の印刷品質を高く維持することができる。
また、請求項2に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項1に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、記録紙搬送手段上に存在する複数の負圧の発生源のうち、記録紙搬送手段上の記録紙と重なる負圧の発生源が発生する負圧は、記録紙を吸引する力として作用し、インクジェットヘッドからのミストの飛翔に影響を及ぼすことがない。一方、記録紙搬送手段上の記録紙の周辺に存在する負圧の発生源が発生する負圧は、インクジェットヘッドからのミストの飛翔に影響を及ぼす可能性を有している。
したがって、記録紙搬送手段上の記録紙の周辺に存在する負圧の発生源から所定距離内の領域に存在する記録紙部分を補正印刷データの適用領域とすることで、負圧の発生源が発生する負圧の影響を受けるミストの発生を、補正印刷データを用いた印刷画像の印刷によって抑制し、印刷画像の印刷品質を高く維持することができる。
さらに、請求項3に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項1又は2に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、記録紙搬送手段による記録紙の搬送速度が速ければ、ミストの着弾により印刷品質の低下を招く可能性のある記録紙部分の搬送方向における領域が拡がり、搬送速度が遅ければその領域は狭まる。
したがって、記録紙搬送手段による記録紙の搬送速度に見合った補正印刷データの適用領域を、搬送方向における記録紙の端部部分について決定することで、同端部部分における印刷画像の印刷品質を適切に高く維持することができる。
また、請求項4に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、記録紙搬送手段上を搬送中の記録紙とインクジェットヘッドとの間隔が広ければ、ミストの着弾により印刷品質の低下を招く可能性のある記録紙部分の搬送方向における領域が拡がり、間隔が狭ければその領域は狭まる。
したがって、記録紙搬送手段上を搬送中の記録紙とインクジェットヘッドとの間隔に見合った補正印刷データの適用領域を決定することで、印刷画像の印刷品質を適切に高く維持することができる。
さらに、請求項5に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項1、2、3又は4に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、インクジェットヘッドに供給されるインクの温度に応じて、補正印刷データの適用領域が決定される。
インクジェットヘッドに供給されるインクは、温度によって粘度が変化する。インクの粘度が変化すると、インクジェットヘッドのノズルから吐出されるインク液滴の速度が変化する。特に、インク液滴の吐出速度が下がるとミストが発生しやすくなってしまう。
ところで、インクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドのノズルを駆動するヘッド駆動信号の信号波形を、想定したインクの粘度において適切な速度でインク液滴が吐出されるように設計している。
そのため、インクジェットプリンタでは、インクの粘度がノズル駆動信号の信号波形を設計した際に想定した粘度となる適温から、実際のインクの温度が外れると、インクの粘度が想定した粘度から外れてインク液滴の吐出速度に変化が生じ、ミストが発生しやすい状況を招く。
そこで、請求項5に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置では、インクの温度が適温から外れるほど、ミストの着弾により印刷品質の低下を招く可能性のある記録紙部分の搬送方向における領域を拡げ、適温に近いほどその領域を狭められるように、インクジェットヘッドに供給されるインクの温度に見合った補正印刷データの適用領域を決定するようにしている。したがって、印刷画像の印刷品質を適切に高く維持することができる。
また、請求項6に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、インク色別に複数のインクジェットヘッドが記録紙搬送手段による記録紙の搬送方向に間隔をおいて配置されている場合、少なくとも、記録紙搬送手段に対する記録紙の相対位置を検出する相対位置検出手段に搬送方向において最も近いインクジェットヘッドが、補正印刷データを用いて印刷画像の印刷を行う対象に選択されることになる。
したがって、相対位置検出手段が搬送方向において最も近いインクジェットヘッドからのミストの着弾により相対位置検出精度を損ねることがないようにし、補正印刷データの適用領域を精度良く決定できるようにして、以て、相対位置検出手段の検出結果に基づいて行う処理による印刷画像の印刷品質維持を支障なく実現できるようにすることができる。
なお、本発明の変形例に係るインクジェットプリンタの印刷制御装置によれば、請求項1、2、3、4、5又は6に記載した本発明のインクジェットプリンタの印刷制御装置において、インク色別に複数のインクジェットヘッドがある場合、各色毎にインクの粘度特性が異なる場合には、各インクジェットヘッドからの各インク色のミストの着弾範囲がインク色によって異なることになる。
したがって、インク色別の複数のインクジェットヘッドのうち少なくとも一つを、適用領域内の画素について補正印刷データを適用して印刷画像を印刷する対象として選択することで、ミスト抑制対策を講じる必要がある色のインクに限定して補正印刷データを適用することができる。これにより、ミスト抑制対策を講じる必要がない色のインク色を補正データの適用対象外として、印刷品質の不必要な低下を防ぎ、印刷画像の印刷品質を適切に高く維持することができる。
本発明が適用されるマルチドロップ方式のインクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。 図1のインクジェットプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。 図1のベルトプラテンの拡大平面図である。 図2の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって行う印刷制御処理の手順を示すフローチャートである。 図3のベルトプラテンの吸引孔の周りに負圧により空気流が生じる範囲を示す説明図である。 図3のベルトプラテンの吸引孔の付近に記録紙の端部が存在する場合に空気流の影響を受ける記録紙の範囲を示す説明図である。 図3のベルトプラテンと記録紙の主走査方向における相対位置によって定まる記録紙の補正印刷データを適用して印刷する領域を示す説明図である。 図3のベルトプラテンと記録紙の搬送方向向における相対位置とベルトプラテンによる記録紙の搬送速度によって定まる記録紙の補正印刷データを適用して印刷する領域を示す説明図である。 図2の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって行う印刷制御処理の他の手順の一部を示すフローチャートである。 図2の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって行う印刷制御処理のさらに他の手順の一部を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図1は本発明が適用されるライン型インクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態のライン型インクジェットプリンタ(以下、「インクジェットプリンタ」と略記する。)1は、筐体100の内外に、制御ユニット10と、給紙部101と、プリンタ部102と、ディスプレイ103と、ベルトプラテン機構部104と、記録紙循環搬送路部105と、排紙部106とを設けて構成されている。
給紙部101は、筐体100の側面に配設されたサイド給紙台21と、筐体100内の左下方部位に配設された複数の給紙台22,23とを備えており、サイド給紙台21は記録紙Sのサイズを検出しながら適宜なサイズの記録紙Sを積層可能になっている。一方、複数の給紙台22,23は例えばA4サイズ,A3サイズなど特定のサイズの記録紙Sをそれぞれ積層可能になっている。
そして、サイド給紙台21又は複数の給紙台22,23上に積層された未印刷の記録紙Sのうち各最上層の記録紙Sが、各給紙ローラ24によって1枚ずつ給紙された後にローラ等の駆動機構による給紙搬送路KRに沿って搬送され、給紙された記録紙Sの先頭部分が記録紙循環搬送路部105中に設けられたレジストローラ対51に導かれて、このレジストローラ対51で記録紙Sの先頭位置が揃うようにタイミング合わせが行われている。
プリンタ部102は、給紙部101の下流側で且つ記録紙循環搬送路部105の上流側に固定設置されており、筐体100内の略中央部位に位置している。
このプリンタ部102では、複数色のインクIKと対応して複数のライン型インクジェットヘッド(以下、「インクジェットヘッド」と略記する。)31が上流側から下流側に向かってC(シアン)用,K(ブラック)用,M(マゼンタ)用,Y(イエロー)用の順に配置されている。各色のインクジェットヘッド31は、ヘッドホルダ32に取り付けられて、ベルトプラテン機構部104による記録紙Sの搬送方向Xに等間隔をおいて配置されている。
なお、本実施形態では、4色(CKMY)のインクIKに対応して4つのインクジェットヘッド31を設置した例で説明するが、例えば文字だけを印刷する場合には1色(K)用だけで良いので、インクジェットヘッド31は少なくとも一以上設置すれば良いものである。
ここで、各色ごとに設けた複数のインクジェットヘッド31は全て同じ構造に形成されており、詳細な図示を省略するが、一のインクジェットヘッド31は、複数のノズルを図1の紙面と垂直な主走査方向に沿って配列させたヘッドブロックが、主走査方向に沿った一のライン上に沿って複数個配置され、且つ、主走査方向と直交する副走査方向(搬送方向Xと同方向)に計2ラインに分けて配置されていると共に、隣り合うライン1,2では各ヘッドブロックが一部重なりあうように互い違いに千鳥状に配置されている。
各インクジェットヘッド31は、同一画素にノズル(図示せず)から吐出するドットを最大5ドットまで変化させることができるマルチドロップのインクジェット方式で印刷画像の印刷を行う。各画素の各色のインクジェットヘッドからのインク液滴の吐出ドット数を規定する印刷用多値データは、クライアント端末14から入力される印刷ジョブの印刷データに基づいて、制御ユニット10の後述するCPU90によって生成される。
なお、ヘッドホルダ32には、ベルトプラテン機構部104を昇降可能に吊り下げ支持するヘッドギャップ調整ユニット33(請求項中のヘッドギャップ調整手段に相当)が設けられている。ヘッドギャップ調整ユニット33は、プーリ及びワイヤからなるヘッドギャップ調整機構34及びモータ35を有している。そして、モータ35によりプーリを回転させワイヤを巻き取り繰り出しすることで、ワイヤにつながれて吊り下げ支持されたベルトプラテン機構部104を昇降させるように構成されている。
このヘッドギャップ調整ユニット33は、プリンタ部102の一部として制御ユニット10に接続されており、制御ユニット10の制御により駆動される。ヘッドギャップ調整ユニット33によるベルトプラテン機構部104の昇降は、例えば、記録紙Sの種類に応じた印刷モードの変更の際に行われる。その一例として、普通紙に比べると紙厚が大きい封筒に印刷する印刷モードを選択した場合に、ベルトプラテン機構部104を降下させて、インクジェットヘッド31からの距離、つまり、ヘッドギャップを通常よりも広げる場合が挙げられる。
また、プリンタ部102は、各色のインクジェットヘッド31にそれぞれ供給される各色のインクの温度を測定する温度センサ58a〜58dを有している。制御ユニット10は、温度センサ58a〜58dの出力信号に基づいて、各色のインクの温度を検出することができる。即ち、本実施形態では、温度センサ58a〜58dと制御ユニット10とにより、請求項中のインク温度検出手段を構成している。
ベルトプラテン機構部104は、プリンタ部102と対向して複数のインクジェットヘッド31の下方に配設されている。
このベルトプラテン機構部104では、給紙部101で給紙された未印刷の記録紙S又は後述する循環搬送路JRによって搬送された片面が印刷済みの記録紙Sを搭載しながら搬送するために複数の吸引孔41a(図3参照)を形成した帯状のベルトプラテン41がモータ45により回転駆動される駆動プーリ42と従動プーリ43との間に掛け渡されている。
モータ45によるベルトプラテン41の移動速度、つまり、ベルトプラテン41による記録紙Sの搬送速度は、エンコーダ47の出力により制御ユニット10で検出することができる。即ち、本実施形態では、エンコーダ47と制御ユニット10とにより、請求項中の搬送速度検出手段を構成している。駆動プーリ42と従動プーリ43との間には、記録紙Sをベルトプラテン41上にエア吸引する負圧を発生させるためのサクションファン44が設けられている。
ベルトプラテン41(請求項中の記録紙搬送手段に相当)は、図3の拡大平面図に示すように、複数の吸引孔41a(請求項中の負圧発生源に相当)を有している。本実施形態では、A4サイズの記録紙Sを搬送方向X(副走査方向)に長手方向を一致させて給紙部101から供給した時に、搬送方向Xと直交する主走査方向Yにおける記録紙Sの両端部が位置する部分に、吸引孔41aを密に配置している。
各吸引孔41aには、図1のサクションファン44が連通している。そして、各吸引孔41aには、サクションファン44が発生させる吸引力により負圧が供給される。したがって、吸引孔41aに重ねて配置された記録紙Sには、吸引孔41aに生じる負圧によるベルトプラテン41側への吸引力が作用する。
また、ベルトプラテン41の主走査方向Yにおける両端付近には、搬送方向Xにおけるベルトプラテン41のホームポジションを検出するための位置検出孔41bが、搬送方向Xに等間隔をおいて複数形成されている。
そして、図1に示すベルトプラテン機構部104では、帯状のベルトプラテン41上に記録紙Sを搭載したときに、この記録紙Sをベルトプラテン41に形成した複数の吸引孔41a(図3)からエアー吸引して、記録紙Sをベルトプラテン41上に固定した状態でベルトプラテン41の回転より記録紙Sを副走査方向に搬送する。搬送中の記録紙Sは、その通過経路上の上方に配置されたプリンタ部102の複数のインクジェットヘッド31により印刷画像がフルカラー印刷される。
なお、ベルトプラテン41の搬送方向Xにおける位置は、ホームポジションセンサ46がベルトプラテン41の位置検出孔41b(図3)を検出することで、制御ユニット10によって認識される。
記録紙循環搬送路部105は、給紙部101で給紙された記録紙Sに対してプリンタ部102で片面印刷又は両面印刷するために記録紙Sをプリンタ部102を経由して循環させる循環搬送路JRを有し、この循環搬送路JR中にサイド給紙台21側からの未印刷の記録紙Sを搬送する給紙搬送路KRと、排紙台71側に印刷済みの記録紙Sを搬送する排紙搬送路HRとが分岐して設置されている。
また、上記した循環搬送路JRは、プリンタ部102により記録紙Sの片面(表面)に印刷された印刷済みの記録紙Sをそのまま排紙する方向に搬送する通常搬送路CRと、片面(表面)が印刷された記録紙Sを通常搬送路CRの途中から電磁弁などを用いた第1,第2搬送路切替えレバー52,53により搬送方向を切り換えてスイッチバックを行って両面(表面及び裏面)を印刷するためのスイッチバック搬送路SRとで環状に設置されている。
そして、循環搬送路JRにより、両面印刷したい記録紙Sがプリンタ部102を経由して循環可能になっている。
この際、循環搬送路JR中の通常搬送路CRは、プリンタ部102の下方を通過し、この後、印刷済みの記録紙S上のインクIKが乾燥できる時間を確保するためにプリンタ部102の上方に廻り込むように屈曲されており、排紙対象となる印刷済みの記録紙Sは通常搬送路CRから排紙搬送路HRを経て排紙部106の排紙台71に向かうように搬送されている。
一方、循環搬送路JR中のスイッチバック搬送路SRは、通常搬送路CR中で排紙部106に向かう手前を第1搬送路切替えレバー52で切り替えて記録紙Sの搬送方向を変更して排紙部106の排紙台71の裏面に形成した記録紙ガイド枠72内に向かい、この記録紙ガイド枠72内で記録紙Sの先頭位置を反転させた後に第2搬送路切替えレバー53で切り替えて記録紙Sの搬送方向を変更して再度レジストローラ対51に向かい、この後、プリンタ部102及びベルトプラテン機構部104に接続されるように配設されている。
また、記録紙循環搬送路部105内には、光反射型(又は光透過型)の第1〜第4記録紙検出用光センサ54〜57が設置されており、第1記録紙検出用光センサ54は、給紙搬送路KR中のレジストローラ対51よりも下流に設置されて記録紙Sの給紙状態を検出する給紙センサとして機能する。また、第1記録紙検出用光センサ54は、給紙部101が給紙する記録紙Sの主走査方向における最大幅以上の寸法を有するラインセンサで構成されている。したがって、第1記録紙検出用光センサ54は、給紙部101が給紙する記録紙Sの主走査方向における寸法と、記録紙Sの通過時間とから、記録紙Sのサイズを検出する記録紙サイズセンサ(コンタクトイメージセンサ:CIS)としても機能する。
第2記録紙検出用光センサ55は、記録紙Sが排紙搬送路HR又はスイッチバック搬送路SRに到達する前の状態を検出する搬送路切替え前センサとして機能し、また、第3記録紙検出用光センサ56は排紙搬送路HRに沿って設置されて排紙台71に向かう記録紙Sの排紙状態を検出する排紙センサとして機能し、更に、第4記録紙検出用光センサ57は第1搬送路切替えレバー52と第2搬送路切替えレバー53との間に設置されて循環される記録紙Sの有無状態を検出する循環記録紙有無検出センサとして機能している。
排紙部106は、筐体100に対して斜めに傾斜して設置された排紙台71を備えている。
この排紙台71は、記録紙循環搬送路部105内に設けた通常搬送路CR及び排紙搬送路HRによって搬送された印刷済みの記録紙Sを収納する機能と、この排紙台71の裏面に形成した記録紙ガイド枠72で片面(表面)が印刷された記録紙Sに対して裏面を印刷するためにスイッチバックして記録紙Sの先頭位置を反転させる機能とを備えている。
図2は、図1の制御ユニット10の電気的構成を示すブロック図である。制御ユニット10には、外部インタフェース部11を介して、クライアント端末14からの印刷ジョブを受け取る。この印刷ジョブは、印刷画像のポストスクリプトデータと印刷環境データとを含んでいる。制御ユニット10は、受け取った印刷ジョブのポストスクリプトデータにより印刷画像のラスタデータを生成する。インクジェットプリンタ1は、印刷ジョブの印刷環境情報において指定された条件で、印刷画像の記録紙Sへの印刷をプリンタ部102において実行する。
プリンタ部102の各色のインクジェットヘッド31が印刷画像の各画素に対応してそれぞれ吐出するインク液滴のドット数を規定する印刷用多値データは、クライアント端末14から入力される印刷ジョブのポストスクリプトデータに基づいて、制御ユニット10のCPU90によって生成される。
また、制御ユニット10のCPU90には、ディスプレイ103が接続されている。このディスプレイ103は、図1に示すように、インクジェットプリンタ1の上部に配置されている。このディスプレイ103は、インクジェットプリンタ1の各種動作に関連する入力デバイスと情報出力デバイスとして利用することができる。
上述したプリンタ部102に印刷動作を行わせるインクジェットプリンタ1の制御ユニット10は、図2に示すように、CPU90を備える。このCPU90は、ROM91に格納されているプログラム及び設定情報に基づいて、ディスプレイ103から入力設定される内容に応じたプリンタ部102の動作を制御する。
なお、制御ユニット10にはRAM92が設けられており、RAM92にはフレームメモリ領域が設けられている。このフレームメモリ領域には、クライアント端末14から制御ユニット10に入力された印刷ジョブのポストスクリプトデータからCPU90が生成する、印刷画像のラスタデータや、これにミスト発生を抑制するための補正を施した補正印刷データが、プリンタ部102に出力されるまでの間、一時的に記憶される。
次に、図2に示す制御ユニット10のCPU90がROM91に記憶されたプログラムを実行することにより行う印刷制御処理の手順について、図4のフローチャートを参照して説明する。
図4に示すように、CPU90は、まず、クライアント端末14から印刷ジョブが入力されたか否かを確認する(ステップS1)。入力されていない場合は(ステップS1でNO)、入力されるまで待機し、入力された場合は(ステップS1でYES)、入力された印刷ジョブのスクリプトデータからラスタデータを生成する(ステップS3)。このラスタデータは、各色のインクジェットヘッド31のノズルからそれぞれ吐出する各画素のドットデータ(インク液滴の吐出数=ドロップ数を定義するデータ)である。このドットデータが、請求項中の印刷データに相当する。
続いて、CPU90は、ラスタデータ(ドットデータ)にミスト発生を抑制するための補正を施した補正印刷データ(補正ドットデータ)を生成する(ステップS5)。この補正印刷データは、スクリプトデータの内容に応じた各画素のドット数を、公知のミスト抑制のための補正内容にしたがって補正したデータである。なお、公知の補正内容は、例えば、背景技術の欄で説明した特許文献1,2に記載された補正内容を用いることができる。
次に、CPU90は、給紙部101が記録紙循環搬送路部105を経てベルトプラテン機構部104に供給する記録紙Sのベルトプラテン41に対する相対位置を、例えば、第1記録紙検出用光センサ54やホームポジションセンサ46の出力に基づいて、搬送方向X及び主走査方向Yの双方について検出する(ステップS7)。
そして、検出した相対位置に基づいて、ベルトプラテン41の記録紙Sによって塞がれていない記録紙Sの周辺の吸引孔41aを特定し、特定した吸引孔41aとベルトプラテン41に対する記録紙Sの相対位置とに基づいて、補正印刷データにより印刷画像の印刷を行う記録紙S上の領域(適用領域)を決定する(ステップS9)。
ここで、図5の説明図に示すように、ベルトプラテン41の各吸引孔41aの周りの領域aには、負圧による空気流が生じる。この吸引孔41aが記録紙Sにより塞がれずに記録紙Sの端部付近に存在すると、図6の説明図に示すように、吸引孔41aの負圧による空気流が生じる領域aが、記録紙Sの端部に及ぶ。この領域aに重なる記録紙部分の画素にインク液滴のミストが付着しやすくなる。
そこで、本実施形態では、ベルトプラテン41に対する記録紙Sの主走査方向Yにおける相対位置に基づいて、図7(a),(b)に示すように、記録紙Sの周辺の塞がれていない吸引孔41aから主走査方向Yに所定距離内の領域bを、ミスト抑制対策のために補正印刷データを適用する領域(適用領域)として決定する。なお、ベルトプラテン41上の記録紙Sの位置が主走査方向Yにおいて異なれば、図7(a),(b)にそれぞれ示すように、記録紙S上の適用領域bの位置も異なることになる。
なお、本実施形態では、図3に示すベルトプラテン41の吸引孔41aの主走査方向Yにおける分布に粗密を持たせている。即ち、先に説明したように、A4サイズの記録紙Sを搬送方向X(副走査方向)に長手方向を一致させて給紙部101から供給した時に、搬送方向Xと直交する主走査方向Yにおける記録紙Sの両端部が位置する部分に、吸引孔41aを密に配置している。
したがって、例えば、ベルトプラテン41の吸引孔41aが密に配置された部分の主走査方向Yにおける位置と、給紙部101からベルトプラテン41に供給された記録紙Sの主走査方向Yにおける位置とから、補正印刷データの適用領域bを決定することができる。つまり、主走査方向Yに関する位置情報のみでも、適用領域bの位置を決定することができる。
また、搬送方向Xについては、ベルトプラテン41に対する記録紙Sの搬送方向Xにおける相対位置に基づいて、図8(a),(b)に示すように、記録紙Sの周辺の塞がれていない吸引孔41aからベルトプラテン41の移動速度(記録紙Sの搬送速度)に応じて定まる距離内の領域cを、ミスト抑制対策のために補正印刷データを適用する領域(適用領域)として決定する。なお、ベルトプラテン41上の記録紙Sの位置が搬送方向Xにおいて異なれば、図8(a),(b)にそれぞれ示すように、記録紙S上の適用領域bの位置も異なることになる。
次に、CPU90は、図4に示すように、インクジェットヘッド31とベルトプラテン機構部104とのヘッドギャップをエンコーダ47の出力に基づいて検出する(ステップS11)。ヘッドギャップが大きいとミストの飛翔範囲が広がり、ヘッドギャップが小さいとミストの飛翔範囲が狭まるので、続いて、CPU90は、検出したヘッドギャップに応じて、補正印刷データにより印刷を行うのに適した記録紙S上の領域を決定する(ステップS13)。
次に、CPU90は、温度センサ58a〜58dの出力信号から各色のインクの温度を検出し(ステップS15)、検出したインクの温度に基づいて、補正印刷データにより印刷を行うのに適した記録紙S上の領域を決定する(ステップS17)。
インクジェットヘッド31に供給されるインクは、温度によって粘度が変化する。インクの粘度が変化すると、インクジェットヘッド31のノズルから吐出されるインク液滴の速度が変化する。特に、インク液滴の吐出速度が下がるとミストが発生しやすくなってしまう。
ところで、本実施形態のインクジェットプリンタ1においては、インクジェットヘッド31のノズルを駆動するためにCPU90が出力するヘッド駆動信号の信号波形を、想定したインクの粘度において適切な速度でインク液滴が吐出されるように設計している。
そのため、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、インクの粘度がノズル駆動信号の信号波形を設計した際に想定した粘度となる適温から、温度センサ58a〜58dにより測定される各色のインクの実際の温度が外れると、インクの粘度が想定した粘度から外れてインク液滴の吐出速度に変化が生じ、ミストが発生しやすい状況を招く。
よって、インクの温度が適温に近ければミストの発生度合いが低くなり、適温からインクの温度が外れるほど、インクの粘度が高くなってミストの発生度合いが高くなる。そこで、本実施形態では、検出したインクの温度が適温に近い場合に補正印刷データを適用する記録紙Sの領域を狭くし、適温から外れるほど補正印刷データを適用する領域を拡げるようにしている。
次に、CPU90は、ステップS9、ステップS13、及び、ステップS17で決定した領域a,bを全て含む領域を記録紙Sの補正印刷データを適用して印刷する領域として決定する(ステップS19)。そして、決定した領域については補正印刷データを用い、それ以外の領域については通常の印刷データ(ステップS3で生成したラスタデータ)を用いて、印刷ジョブによる印刷画像の印刷をプリンタ部102の各色のインクジェットヘッド31にて実行させる(ステップS21)。
印刷画像の印刷を実行したならば、印刷ジョブを構成する設定枚数の印刷が終了したか否かを確認し(ステップS23)、終了していない場合は(ステップS23でNO)、ステップS7にリターンする。一方、終了した場合は(ステップS23でYES)、一連の処理を終了する。
なお、図4のフローチャートにおけるステップS7,9と、ステップS11,13と、ステップS15,17とは、順番を前後に入れ替えてもよい。
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、図4のフローチャートにおけるステップS5が、請求項中の補正データ生成手段に対応する処理となっている。また、本実施形態では、図4中のステップS7が、請求項中の相対位置検出手段及び搬送方向相対位置検出手段に対応する処理となっている。
さらに、本実施形態では、図4中のステップS9が、請求項中の搬送方向適用領域決定手段に対応する処理となっており、これと、ステップS13、ステップS17、及び、ステップS19が、請求項中の適用領域決定手段に対応する処理となっている。また、本実施形態では、図4中のステップS21が、請求項中の印刷実行手段に相当する処理となっている。さらに、本実施形態では、図4中のステップS11が、請求項中のヘッドギャップ検出手段に対応する処理となっている。
このように構成された本実施形態のインクジェットプリンタ1では、印刷ジョブが制御ユニット10に入力された時点で、通常の印刷データであるラスタデータ(ドットデータ)と、ラスタデータにミスト発生を抑制するための補正を施した補正印刷データとを、即座に生成するようにした。そして、記録紙Sのベルトプラテン41に対する搬送方向X及び主走査方向Yの相対位置や、ベルトプラテン41による記録紙Sの搬送速度、インクジェットヘッド31とベルトプラテン機構部104とのヘッドギャップ、及び、各色のインクの温度の全てに適応した補正印刷データの適用領域を、記録紙Sについて決定するようにした。さらに、決定した領域については補正印刷データを用い、それ以外の領域については通常の印刷データ(ラスタデータ)を用いて、印刷ジョブによる印刷画像の印刷をプリンタ部102の各色のインクジェットヘッド31にて実行させるようにした。
このため、ベルトプラテン41に対する記録紙Sの相対位置の検出を待って補正印刷データを生成する必要がない分、補正印刷データを用いた印刷画像の印刷を迅速に開始することができる。しかも、補正印刷データを用いて印刷画像を印刷するのは、ベルトプラテン41に対する記録紙Sの相対位置に応じて決定された適用領域に限られるので、印刷画像の全体が補正印刷データを用いて印刷される場合に比べて、印刷画像の印刷品質を高く維持することができる。
なお、記録紙Sのベルトプラテン41に対する搬送方向X及び主走査方向Yの相対位置や、ベルトプラテン41による記録紙Sの搬送速度に応じた、記録紙Sの補正印刷データを適用して印刷を行う領域は、周辺の塞がれていない吸引孔41aから所定距離の範囲内に限定しなくてもよい。
しかし、本実施形態のように上記の範囲内に補正印刷データの適用領域を限定することで、記録紙Sに塞がれていない吸引孔41aの吸引エアの影響を受けるミストが着弾しそうな領域に限って印刷に補正印刷データを用いることとし、吸引エアの影響を受けるミストの発生による印刷画像品質の低下を適切に抑制することができる。
また、インクジェットヘッド31とベルトプラテン機構部104とのヘッドギャップに応じた補正印刷データの適用領域の決定や、各色のインクの温度(粘度)に応じた補正印刷データの適用領域の決定は、どちらか一方又は両方省略してもよい。
しかし、本実施形態のように、ヘッドギャップに応じた補正印刷データの適用領域の決定や、各色のインクの温度(粘度)に応じた補正印刷データの適用領域の決定をそれぞれ行えば、それぞれを原因とするミストの着弾により印刷品質の低下を招くのを防ぐことができる。
さらに、図4のフローチャートにおけるステップS21の印刷実行の代わりに、図9や図10のフローチャートにそれぞれ示すように、ステップS21aやステップS21bにおいて、対象のインクジェットヘッド31を限定して、ステップS19で決定した記録紙Sの領域について補正印刷データを用い、それ以外の領域については通常の印刷データ(ステップS3で生成したラスタデータ)を用いる印刷画像の印刷を、プリンタ部102に実行させるようにしてもよい。
詳しくは、図9のステップS21aでは、最も粘度が高い特性を有するインク色のインクジェットヘッド31に限って、ステップS19で決定した領域に補正印刷データを適用し、それ以外の領域に通常の印刷データを適用して印刷画像の印刷を行わせる。他のインク色のインクジェットヘッド31には、記録紙Sの全領域について通常の印刷データを用いて印刷画像の印刷を行わせる。
また、図10のステップS21bでは、搬送方向Xにおいて最も第1記録紙検出用光センサ54に近いインクジェットヘッド31(本実施形態の場合はC:シアンのインクジェットヘッド31)に限って、ステップS19で決定した領域に補正印刷データを適用し、それ以外の領域に通常の印刷データを適用して印刷画像の印刷を行わせる。他のインク色のインクジェットヘッド31には、記録紙Sの全領域について通常の印刷データを用いて印刷画像の印刷を行わせる。
その場合、図9のフローチャートにおけるステップS21aと、図10のフローチャートにおけるステップS21bとが、請求項中の印刷実行手段に相当する処理となる。
図9のステップS21aを図4のステップS21の代わりに行えば、粘度が低い特性を有するインク色による印刷画像の印刷に補正印刷データが適用されて、そのインク色の印刷品質が不必要に低下するのを防ぎ、印刷画像の印刷品質を適切に高く維持することができる。
また、図10のステップS21bを図4のステップS21の代わりに行えば、搬送方向Xにおいて第1記録紙検出用光センサ54に最も近いインクジェットヘッド31(C:シアン)からのミストの着弾により第1記録紙検出用光センサ54を用いた記録紙Sのベルトプラテン41に対する相対位置検出精度を損ねることがないようにすることができる。
これにより、第1記録紙検出用光センサ54を利用して決定する記録紙Sの補正印刷データの適用領域を精度良く決定できるようにし、第1記録紙検出用光センサ54の出力信号に基づいて制御ユニット10が行う処理による印刷画像の印刷品質維持を支障なく実現できるようにすることができる。
1 ライン型インクジェットプリンタ
10 制御ユニット
11 外部インタフェース部
14 クライアント端末
21 サイド給紙台
22,23 給紙台
24 給紙ローラ
31 ライン型インクジェットヘッド
32 ヘッドホルダ
33 ヘッドギャップ調整ユニット
34 ヘッドギャップ調整機構
35 モータ
41 ベルトプラテン
41a 吸引孔
41b 位置検出孔
42 駆動プーリ
43 従動プーリ
44 サクションファン
45 モータ
46 ホームポジションセンサ
47 エンコーダ
51 レジストローラ対
52 レバー
53 レバー
54 第1記録紙検出用光センサ
55 第2記録紙検出用光センサ
56 第3記録紙検出用光センサ
57 第4記録紙検出用光センサ
58a〜58d 温度センサ
71 排紙台
72 記録紙ガイド枠
90 CPU
91 ROM
92 RAM
100 筐体
101 給紙部
102 プリンタ部
103 ディスプレイ
104 ベルトプラテン機構部
105 記録紙循環搬送路部
106 排紙部
CR 通常搬送路
HR 排紙搬送路
IK インク
JR 循環搬送路
KR 給紙搬送路
S 記録紙
SR スイッチバック搬送路
X 搬送方向
Y 主走査方向
a 適用領域
b 適用領域
c 適用領域

Claims (6)

  1. 記録紙搬送手段により搬送される記録紙を負圧により前記記録紙搬送手段に吸着させつつ、入力された印刷ジョブの印刷データに基づいてインクジェットヘッドのノズルが吐出するインク液滴により、前記記録紙搬送手段上を搬送中の前記記録紙に印刷画像を印刷するインクジェットプリンタの印刷制御装置であって、
    前記印刷ジョブの入力に伴い、前記ノズルからのミストの発生を抑制するための補正を前記印刷データに施した補正印刷データを生成する補正データ生成手段と、
    前記記録紙搬送手段に対する前記記録紙の相対位置を検出する相対位置検出手段と、
    前記相対位置検出手段の検出結果から、前記記録紙搬送手段上の前記記録紙における前記補正印刷データの適用領域を決定する適用領域決定手段と、
    前記記録紙の前記適用領域内に位置する各画素については前記補正印刷データを用い、前記記録紙の前記適用領域外に位置する各画素については前記印刷データを用いて、前記インクジェットヘッドを駆動し前記記録紙に前記印刷画像を印刷させる印刷実行手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェットプリンタの印刷制御装置。
  2. 前記適用領域決定手段は、前記記録紙搬送手段上に存在する複数の前記負圧の発生源のうち、前記記録紙搬送手段上を搬送中の前記記録紙の周辺に存在する前記負圧の発生源から、所定距離内の領域に存在する記録紙部分を、前記適用領域として決定することを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタの印刷制御装置。
  3. 前記記録紙搬送手段による前記記録紙の搬送速度を検出する搬送速度検出手段をさらに備えており、前記相対位置検出手段は、前記記録紙搬送手段による前記記録紙の搬送方向における前記相対位置を検出する搬送方向相対位置検出手段を有しており、前記適用領域決定手段は、前記搬送速度検出手段及び前記搬送方向相対位置検出手段の各検出結果から、前記記録紙搬送手段上の前記記録紙の、前記搬送方向における端部部分における前記適用領域を決定する搬送方向適用領域決定手段を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットプリンタの印刷制御装置。
  4. 前記記録紙搬送手段上を搬送中の前記記録紙に対する前記インクジェットヘッドの間隔を調整するヘッドギャップ調整手段と、該ヘッドギャップ調整手段により調整された前記間隔を検出するヘッドギャップ検出手段とをさらに備えており、前記適用領域決定手段は、前記ヘッドギャップ検出手段の検出結果に基づき、前記間隔に応じた前記適用領域を決定することを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットプリンタの印刷制御装置。
  5. 前記ノズルからのインク液滴の吐出のために前記インクジェットヘッドに供給されるインクの温度を検出するインク温度検出手段をさらに備えており、前記適用領域決定手段は、前記インク温度検出手段の検出結果から、前記温度に応じた前記適用領域を決定することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のインクジェットプリンタの印刷制御装置。
  6. 前記インクジェットヘッドは、前記記録紙搬送手段による前記記録紙の搬送方向に間隔をおいて、インク色別に複数配置されており、前記印刷実行手段は、少なくとも、前記複数のインクジェットヘッドのうち前記相対位置検出手段からの距離が前記搬送方向において最も近いインクジェットヘッドを、前記記録紙の前記適用領域内に位置する各画素については前記補正印刷データを用い、前記記録紙の前記適用領域外に位置する各画素については前記印刷データを用いて駆動することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のインクジェットプリンタの印刷制御装置。
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