以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
<インクジェット印刷装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の搬送部およびヘッドユニットの概略構成図である。図3は、ヘッドユニットの平面図である。図4は、ヘッドモジュールの概略構成図である。
以下の説明において、図2の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図2における紙面の上下左右を上下左右方向とする。図2において、左から右へ向かう方向が印刷媒体である用紙PAの搬送方向である。以下の説明における上流、下流は、搬送方向における上流、下流を意味する。
図1に示すように、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1は、搬送部2と、ヘッドユニット3と、ヘッド駆動部4と、画像読取部5と、制御部6と、操作パネル7と、記憶部8とを備える。
搬送部2は、用紙PAを搬送する。図2に示すように、搬送部2は、レジストローラ10と、搬送ベルト11と、駆動ローラ12と、従動ローラ13,14,15とを備える。
レジストローラ10は、図示しない給紙トレイから搬送された用紙PAを突き当てることにより斜行補正した後、用紙PAを搬送ベルト11に引き渡す。
搬送ベルト11は、用紙PAを吸着保持して搬送する。搬送ベルト11は、駆動ローラ12および従動ローラ13〜15に掛け渡される環状のベルトである。搬送ベルト11には、用紙PAを吸着保持するためのベルト穴が多数形成されている。搬送ベルト11は、ファン(図示せず)の駆動によりベルト穴に発生する吸着力により、上面に用紙PAを吸着保持する。搬送ベルト11は、図2における時計回り方向に回転することで、吸着保持した用紙PAを右方向に搬送する。
駆動ローラ12は、搬送ベルト11を回転させる。駆動ローラ12は、図示しないモータにより駆動される。
従動ローラ13〜15は、搬送ベルト11を介して駆動ローラ12に従動する。従動ローラ13は、駆動ローラ12と略同じ高さで、駆動ローラ12の左側に配置されている。従動ローラ14,15は、駆動ローラ12および従動ローラ13の下方において、互いに左右方向に離間して、略同じ高さに配置されている。
ヘッドユニット3は、搬送部2により搬送される用紙PAにインクを吐出して画像を印刷する。ヘッドユニット3は、搬送部2の上方に配置されている。ヘッドユニット3は、インクジェットヘッド21C,21K,21M,21Y,21Lと、ヘッドホルダ22とを備える。
インクジェットヘッド21C,21K,21M,21Y,21Lは、搬送部2により搬送される用紙PAにインクを吐出する。インクジェットヘッド21C,21K,21M,21Y(色インク吐出ヘッド)は、それぞれシアン(C)、ブラック(K)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色インクを吐出する。インクジェットヘッド21L(機能性インク吐出ヘッド)は、無色透明の機能性インクであるクリアインクを吐出する。クリアインクは、例えば、色インクと同一の溶剤が用いられている。そのため、色インクに吐出された箇所にクリアインクが吐出されると、色インクがクリアインクと混ざり、色が広がる。
インクジェットヘッド21C,21K,21M,21Y,21Lは、上流側からこの順で、用紙PAの搬送方向(左右方向)に沿って、所定間隔を空けて配置されている。
インクジェットヘッド21C,21K,21M,21Y,21Lは、それぞれヘッドモジュール31C,31K,31M,31Y,31Lを複数有する。本実施の形態では、インクジェットヘッド21C,21K,21M,21Y,21Lは、図3に示すように、それぞれヘッドモジュール31C,31K,31M,31Y,31Lを6個ずつ有する。ヘッドモジュール31C,31K,31M,31Yは、色インクヘッドモジュールに相当する。ヘッドモジュール31Lは、機能性インクヘッドモジュールに相当する。
なお、インクジェットヘッド21C,21K,21M,21Y,21L、ヘッドモジュール31C,31K,31M,31Y,31Lの符号におけるアルファベットの添え字(C,K,M,Y,L)を省略して総括的に表記することがある。
インクジェットヘッド21において、6個のヘッドモジュール31は、用紙PAの搬送方向(副走査方向)に直交する前後方向(主走査方向)に沿って千鳥配置されている。すなわち、6個のヘッドモジュール31は、前後方向に沿って配列され、かつ、1つおきに左右方向における位置をずらして配置されている。また、ヘッドユニット3において、各インクジェットヘッド21の6個ずつの合計30個のヘッドモジュール31が、6列のヘッドモジュール列32A,32B,32C,32D,32E,32Fを形成するように配置されている。ヘッドモジュール列32A〜32Fはそれぞれ、用紙PAの搬送方向(副走査方向)に沿う同一列の5つのヘッドモジュール31C,31K,31M,31Y,31Lからなる。
なお、ヘッドモジュール列32A〜32Fの符号におけるアルファベットの添え字を省略して総括的に表記することがある。
ヘッドモジュール31は、図4に示すように、ノズル列41を有する。ノズル列41は、前後方向(主走査方向)に沿って所定のピッチPで配置された複数のノズル42からなる。なお、図4は、ヘッドモジュール31を下側から見た図である。ヘッドモジュール31C,31K,31M,31Yのノズル列41は、色インクノズル列に相当する。ヘッドモジュール31Lのノズル列41は、機能性インクノズル列に相当する。
ノズル42は、インクを吐出する。ヘッドモジュール31C,31K,31M,31Yのノズル42は、それぞれシアン、ブラック、マゼンタ、イエローの色インクを吐出する。ヘッドモジュール31Lのノズル42は、クリアインクを吐出する。ノズル42は、ヘッドモジュール31の下面に開口している。ヘッドモジュール31では、1つのノズル42から1画素に対して吐出するインクの液滴数(ドロップ数)を変えることができるようになっており、ドロップ数により濃度を表現する階調印刷が行われる。
ヘッドホルダ22は、ヘッドモジュール31を保持する。ヘッドホルダ22は、中空状の略直方体形状に形成されている。ヘッドホルダ22は、搬送部2の上方に配置されている。ヘッドホルダ22の底面22aには、各ヘッドモジュール31が取り付けられる複数の開口部(図示せず)が所定位置に形成されている。ヘッドホルダ22は、その開口部からヘッドモジュール31の下端部を下方に突出させて、ヘッドモジュール31を保持している。
ヘッド駆動部4は、インクジェットヘッド21を駆動させる。具体的には、ヘッド駆動部4は、インクジェットヘッド21のヘッドモジュール31を駆動させ、ノズル42からインクを吐出させる。
画像読取部5は、原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。
操作パネル7は、ユーザによる指示操作や設定操作を受け付けるパネルであり、本実施形態においては、例えば、印刷条件設定を選択するための情報が表示可能なタッチパネルを備えている。
記憶部8は、後述するように、クリア吐出量テーブルや印刷条件を記憶している。
制御部6は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部6は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。
制御部6は、インクジェットヘッド21C,21K,21M,21Y(色インク吐出ヘッド)から色インクを吐出させることにより用紙PAにベタ画像を印刷させた後、印刷させた用紙から画像読取部5によりベタ画像を読み込み、読み込んだベタ画像から印刷の濃度ムラが規則的に発生しているか不規則に発生しているかを判定し、受信した印刷ジョブに基づいて、色インク吐出ヘッドから色インクを吐出させると共に、規則または不規則の判定結果に応じて機能性インクの量を決定し、決定した機能性インクの量で機能性インク吐出ヘッドから機能性インクを吐出させるように制御する(この処理の詳細な説明は後述する)。
ここで、インクジェット印刷装置において、無色透明な機能性インクを用いることがある(例えば、特開2010−264730号参照)。例えば、印刷物の画像濃度を向上させるために、機能性インクであるクリアインクを色インクに重ねて吐出することがある。
本実施形態においては、このクリアインクを色インクに重ねて吐出することにより、色インクの濃度向上により濃度が薄くなった領域を補完するようにする。
<濃度ムラの説明>
次に、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1における濃度ムラについて説明する。ここでは、例えば、全面ベタのベタ画像に基づいて、用紙PAに対してインクジェットヘッド21Kからブラックの色インクを吐出した場合について説明する。
図5は、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1における濃度ムラを説明した図であり、(a)は、気流の乱れによる濃度ムラの発生状態(気流発生パターン)を示しており、(b)は、搬送ベルト11の回転周期による濃度ムラの発生状態(ピッチムラパターン)を示しており、(c)は、レジストローラ10から搬送ベルト11に用紙PAを引き渡す際に生じるズレによる濃度ムラの発生状態(搬送ズレパターン)を示しており、(d)は、ノズルの閉塞やノズル吐出動作の異常によりインク不吐出による濃度ムラの発生状態(ノズル閉塞パターン)を示している。
図5(a)に示すように、用紙PAには、ベタ画像に基づいて、ブラックインクが一定の間隔で適切に着弾して印字された均一濃度領域110bに対して、用紙PAの搬送方向(副走査方向)に向かって長細く均一濃度領域より濃度が薄く印字され濃度ムラとして発生した濃度ムラ領域110aが複数現れている。
上述したように、搬送ベルト11は、ファンの駆動によりベルト穴に発生する吸着力により、上面に用紙PAを吸着保持しながら搬送する。そのため、この用紙PAの搬送により発生する搬送方向の気流と、ファンの吸引により用紙PAの四方を回り込むように発生する気流と、インクの吐出によりヘッドモジュール31から用紙PAに向かう方向に発生する気流とがぶつかり合う。これにより、それぞれ発生した気流がぶつかり合って気流が乱れることなり、これにより吐出された色インクの着弾位置に不規則なズレが生じることがある。
この場合、濃度ムラ領域110a周辺の拡大図210に示すように、均一濃度領域110b内に着弾したドット213aは、主走査方向および副走査方向ともに、均一に着弾しいている。
一方、濃度ムラ領域110a内では、気流の乱れにより主走査方向に着弾ズレが発生している。これにより、均一濃度領域110b内に着弾したドット213aの主走査方向の間隔214bより、濃度ムラ領域110a内に着弾したドット211bの主走査方向の間隔214aの方が長くなっている。このように、ドット間の距離が長くなることにより、空白部分が広くなるので、均一濃度領域110bより濃度ムラ領域110aの方が、濃度が薄く見える。
また、図5(b)に示すように、用紙PAには、ベタ画像に基づいて、ブラックインクが一定の間隔で適切に着弾して印字された均一濃度領域120bと、均一濃度領域120bより濃度が薄く印字され濃度ムラとして発生した濃度ムラ領域120aとが、副走査方向に規則的に交互に現れている。
上述したように、搬送ベルト11は、駆動ローラ12および従動ローラ13〜15に掛け渡される環状のベルトであり、図2における時計回り方向に回転することで吸着保持した用紙PAを右方向に搬送する。
そのため、駆動ローラ12や従動ローラ13〜15の回転周期により振動が発生する場合があり、これにより、吐出された色インクの着弾位置に規則的なズレが生じることがある。
この場合、拡大図230に示すように、均一濃度領域120b内に着弾したドット233aは、主走査方向および副走査方向ともに、均一に着弾している。
一方、拡大図220に示すように、濃度ムラ領域120a内に着弾したドット231a,231bは、駆動ローラ12や従動ローラ13〜15の回転周期により主走査方向に着弾位置がズレている。これにより、均一濃度領域120b内に着弾したドット233aの主走査方向の間隔234bより、濃度ムラ領域120a内に着弾したドット231a,231bの主走査方向の間隔234aの方が長くなっている。このように、ドット間の距離が長くなることにより、空白部分が広くなるので、均一濃度領域120bより濃度ムラ領域120aの方が、濃度が薄く見える。
また、図5(c)に示すように、用紙PAには、ベタ画像に基づいて、ブラックインクが一定の間隔で適切に着弾して印字された均一濃度領域130bと、均一濃度領域より濃度が薄く印字され濃度ムラとして発生した濃度ムラ領域130aとが現れている。
上述したように、レジストローラ10は、搬送された用紙PAを突き当てることにより斜行補正した後、用紙PAを回転する搬送ベルト11に引き渡す。
そのため、用紙PAが引き渡される際、レジストローラ10の速度と搬送ベルト11の速度との速度差により振動が生じる場合があり、これにより、吐出された色インクの着弾位置に規則的なズレが生じることがある。
この場合、拡大図250に示すように、均一濃度領域130b内に着弾したドット251aは、主走査方向および副走査方向ともに、均一に着弾している。
一方、拡大図240に示すように、濃度ムラ領域130a内に着弾したドット241a,241bは、レジストローラ10の速度と搬送ベルト11の速度との速度差により、主走査方向に着弾位置がズレている。これにより、均一濃度領域130b内に着弾したドット251aの主走査方向の間隔254bより、濃度ムラ領域130a内に着弾したドット241a,241bの主走査方向の間隔254aの方が長くなっている。このように、ドット間の距離が長くなることにより、空白部分が広くなるので、均一濃度領域130bより濃度ムラ領域130aの方が、濃度が薄く見える。
また、図5(d)に示すように、用紙PAには、ベタ画像に基づいて、ブラックインクが一定の間隔で適切に着弾して印字された均一濃度領域140bに対して、ノズル閉塞によるインクの不吐出で濃度ムラとして発生した濃度ムラ領域140aが現れている。
この場合、濃度ムラ領域140a周辺の拡大図260に示すように、均一濃度領域140b内に着弾したドット261aは、主走査方向および副走査方向ともに、均一に着弾しいている。
一方、濃度ムラ領域140a内はノズルのインク不吐出であるので、副走査方向に1本の白線が発生する。
このように、インクジェット印刷装置1は、図5(a)に示すように不規則に濃度ムラが発生したり、図5(b)〜(d)に示すように規則的に濃度ムラが発生したりする。
<テーブルの生成>
本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1では、上述した図5(a)〜(d)のような濃度ムラをわざと生じさせるように装置を設定し、ドロップ数などの装置条件を変更しながらベタ画像(例えば、黒のベタ画像)を印刷し、ユーザが印刷されたベタ画像が画質として視覚的に問題ないかを確認することを繰り返し、図5(a)に示す不規則に濃度ムラが発生するパターン、および図5(b)〜(d)に示すように規則的に濃度ムラが発生するパターン毎に、実験的にクリアインクの吐出量を決定したクリア吐出量テーブルを予め作成し、記憶部8に記憶している。
図6は、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1が備える記憶部8に記憶された、規則的に濃度ムラが発生している場合におけるクリア吐出量テーブルの一例を示した図である。
図6に示すように、高濃度領域のドロップ数301、ギャップ302、用紙種類303、OD値差304、低濃度領域の連続画素数305、クリア吐出量306、連続する低濃度領域に隣接した高濃度領域のクリア画素数307を関連づけて記憶している。ここで、高濃度領域のドロップ数301は、“0”〜“6”(ドロップ)の値であり、ギャップ302は、“狭”(通常の用紙)、または“広”(封筒用紙)のいずれかであり、用紙種類303は、“普通紙”または“マット紙”のいずれかである。
OD値差304は、所定割合(90%以上など)以上の面積を占める濃度値(通常濃度値)と、それ以外の濃度値(低い濃度値)との差を示している。
また、低濃度領域の連続画素数305は、濃度の低い画素が連続する方向における濃度が低い領域(画素数)を示しており、クリア吐出量306は、ドット(画素)間の距離が広がった箇所の両側の濃度が濃い画素に吐出するクリア吐出量を示しており、ヘッドモジュール31Lから吐出可能なクリアインクの最大の吐出量を100(%)としたときの値を示している。連続する低濃度領域に隣接した高濃度領域のクリア画素数307は、ドット(画素)間の距離が広がった箇所の両側の濃度が濃い画素に吐出するクリア画素数を示している。
但し、この両側は、左右側に限らず上下側も含むようにしてもよい。
具体的には、上述した図5(b)〜(d)のような規則的な濃度ムラをわざと生じさせるように装置を設定した上で、ベタ画像を印刷する際、高濃度領域のドロップ数301を“1”〜“6”までのいずれかに選定し、ギャップ302を、“狭”(通常の用紙)、または“広”(封筒用紙)に選定し、用紙種類303を、“普通紙”または“マット紙”に選定して印刷する。即ち、高濃度領域のドロップ数301の6パターンと、ギャップ302の2パターンと、用紙種類303の2パターンとの組み合わせである24パターンについて印刷を実行する。
印刷が実行された用紙を画像読取部5がスキャンし、制御部6は、このスキャン画像に基づいて、低濃度領域の連続画素数305を決定する。
そして、24パターンの印刷結果それぞれについて、クリアインクの吐出量を少しずつ変化させて印刷し、ユーザは、印刷された印刷結果を見ることにより、濃度が向上してベタ画像として問題なくなる、即ち濃度ムラがなくなるようなクリアインク量、クリアインクを吐出する画素数を決定する。ユーザによって決定されたクリアインク量が入力されると、制御部6は、入力されたクリアインク量をクリア吐出量306として記憶し、ユーザによって決定されたクリアインク量を吐出する画素数が入力されると、制御部6は、入力されたクリアインク量を吐出する画素数を、連続する低濃度領域に隣接した高濃度領域のクリア画素数307として記憶する。
このようにして、規則的に濃度ムラが発生している場合におけるクリア吐出量テーブルが生成されて、記憶部8に記憶される。
図7は、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1が備える記憶部8に記憶された、不規則に濃度ムラが発生している場合におけるクリア吐出量テーブルの一例を示した図である。
図7に示すように、高濃度領域のドロップ数401、ギャップ402、用紙種類403に対して、OD値差404、面積比率405、全領域に対するクリア吐出量406とを関連づけて記憶している。ここで、高濃度領域のドロップ数401、ギャップ402、用紙種類403は、それぞれ高濃度領域のドロップ数301、ギャップ302、用紙種類303と同一であるので、説明を省略する。
面積比率405は、濃度の高い領域(面積)に対する濃度の低い領域(面積)の比率(%)であり、全領域に対するクリア吐出量406は、ヘッドモジュール31Lから吐出可能なクリアインクの最大の吐出量を100(%)としたときの値を示している。
具体的には、上述した図5(a)のような不規則な濃度ムラをわざと生じさせるように装置を設定した上で、ベタ画像を印刷する際、高濃度領域のドロップ数401を“1”〜“6”までのいずれかに選定し、ギャップ402を、“狭”(通常の用紙)、または“広”(封筒用紙)に選定し、用紙種類403を、“普通紙”または“マット紙”に選定して印刷する。即ち、高濃度領域のドロップ数401の6パターンと、ギャップ402の2パターンと、用紙種類403の2パターンの組み合わせである24パターンについて印刷を実行する。
印刷が実行された用紙を画像読取部5がスキャンし、制御部6は、このスキャン画像に基づいて、OD値差404と面積比率405とを決定する。
そして、24パターンの印刷結果それぞれについて、クリアインクの吐出量を少しずつ変化させて印刷し、ユーザは、印刷された印刷結果を見ることにより、濃度が向上してベタ画像として問題なくなる、即ち濃度ムラがなくなるような用紙PAの全領域に対して吐出するクリアインク量を決定する。ユーザによって決定されたクリアインク量が入力されると、制御部6は、入力されたクリアインク量を、全領域に対するクリア吐出量406として記憶する。
このようにして、不規則に濃度ムラが発生している場合におけるクリア吐出量テーブルが生成されて、記憶部8に記憶される。
<インクジェット印刷装置の作用>
次に、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1の作用について説明する。
図8は、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1による処理手順を示したフローチャートである。なお、ここでは、上述した図5(a)〜(d)のような濃度ムラをわざと生じさせるように装置を設定することなく、通常の装置状態において、印刷条件設定処理を実行する。ここで受信する印刷ジョブに含まれる画像データには、全面がベタ画像か、一部にベタ画像が含まれるものがあるものとする。
図8に示すように、制御部6は、印刷ジョブを受信すると(ステップS103;YES)、受信した印刷ジョブに含まれる画像データに、単色ベタ領域があるか否かを判定する(ステップS105)。
ステップS105において、単色ベタ領域があると判定された場合(YES)、印刷ジョブに基づいて、単色ベタ領域のドロップ数、印刷設定条件のギャップ、用紙種類で用紙に印刷処理を実行する(ステップS107)。ここで、ギャップとは、ヘッドモジュール31と搬送ベルト11との間の距離であり、印刷対象である用紙PAの形状(封筒形状または通常の用紙形状)により定められる値である。封筒用紙の場合は、通常用紙の場合に比較して、用紙の重なりにより厚みが大きいのでギャップは広くなる。用紙種類とは、印刷対象である用紙PAの種類であり、例えば、普通紙またはマット紙である。普通紙の方が滲みやすい性質を有するので、マット紙が選択された方がクリア吐出量を多くする必要がある。
ユーザは、ベタ画像が印刷された用紙PAを画像読取部5によりスキャン操作を行うことにより、ベタ画像を読み込む(ステップS109)。これにより、濃度ムラが発生している場合には、例えば、図5に示したような様々なベタ画像を読み込むことになる。
次に、制御部6は、濃度ムラが発生しているか否かを判定する(ステップS111)。例えば、制御部6は、ベタ画像の濃度差が所定の閾値以上である領域が所定面積以上の場合や所定箇所以上の場合に、濃度ムラが発生していると判定する。
ステップS111において、濃度ムラが発生していると判定された場合(YES)、制御部6は、読み込んだベタ画像の濃度ムラが規則的に発生しているのか、不規則に発生しているのか、または不明かを判定する(ステップS113)。具体的には、制御部6は、読み込んだ画像データから、図5(a)〜(d)に示した気流発生パターン、ピッチムラパターン、搬送ズレパターン、ノズル閉塞パターンのいずれに該当するかを判定する。いずれにも該当しない場合には、ユーザに通知することにより再度、ステップS109に戻り、画像読取部5により読み取る。制御部6は、気流発生パターンに該当する場合には、不規則に濃度ムラが発生していると判定し、ピッチムラパターン、搬送ズレパターン、ノズル閉塞パターンに該当する場合には、規則的に濃度ムラが発生していると判定する。
なお、所定回数行って、不明な場合には、規則または不規則のいずれかに近いかで、どちらかに振り分けてもよいし、本処理を中止して、不具合を対処するようにしてもよい。
ステップS113において、不規則に濃度ムラが発生していると判定された場合、制御部6は、読み込んだベタ画像に基づいて、高濃度領域と低濃度領域とのOD(Optical Density)値の差分と、濃度の高い領域(面積)に対する濃度の低い領域(面積)の比率(%)を面積比率として算出する(ステップS115)。
そして、制御部6は、現在設定されているギャップ、ドロップ数、用紙種類を取得し、この取得したギャップ、ドロップ数、用紙種類と、ステップS115において算出したOD値差および面積比率と、図7において説明した不規則に濃度ムラが発生している場合におけるクリア吐出量テーブルとに基づいて、単色ベタ領域の全領域に対して吐出するクリアインク量を決定する(ステップS117)。
一方、ステップS113において、規則的に濃度ムラが発生していると判定された場合、制御部6は、高濃度領域と低濃度領域とを特定する(ステップS119)。具体的には、制御部6は、読み込んだベタ画像に基づいて、図5(b)〜(d)に示した各パターンについて、濃度の低い画素が連続する方向における濃度が低い領域の画素数を低濃度領域の連続画素数として特定し、濃度の高い画素が連続する方向における濃度が高い領域の画素数を高濃度領域の連続画素数として特定する。
次に、制御部6は、読み込んだベタ画像に基づいて、高濃度領域と低濃度領域とのOD(Optical Density)値の差分を算出する(ステップS121)。
そして、制御部6は、図6に示した規則的に濃度ムラが発生している場合におけるクリア吐出量テーブルを参照して、印刷ジョブに含まれる単色ベタ領域に対応する(高濃度領域の)ドロップ数、ギャップ、用紙種類、ステップS121において算出したOD(Optical Density)値の差分、ステップS119において特定した低濃度領域の連続画素数に対応する、クリア吐出量、および連続する低濃度領域に隣接した高濃度領域のクリア画素数を決定する(ステップS123)。
そして、制御部6は、ステップS117において、決定した単色ベタ領域の全領域に対して吐出するクリアインク量、またはステップS123において決定されたクリア吐出量に基づいて、連続する低濃度領域に隣接した高濃度領域のクリア画素数の領域に対して、クリアインクを吐出するように、印刷ジョブに含まれる画像データからドロップデータを生成し(ステップS125)、このドロップデータに基づいて、印刷処理を実行する(ステップS127)。
図9は、ステップS123において決定されたクリア吐出量、および連続する低濃度領域に隣接した高濃度領域のクリア画素数に基づいて、ステップS125において生成するドロップデータを模式的に説明した図である。(a)は、規則的な濃度ムラが生じる場合(搬送ズレパターン)において、クリアインクを吐出しなかったときの画像イメージを示しており、(b)は、(a)に対してクリアインクを吐出する位置を示しており、(c)は、クリアインクが吐出された画像イメージを示している。
図9(a)に示すように、インクジェット印刷装置1は、受信した印刷ジョブに含まれる画像データに基づいてクリアインクを吐出することなく印刷すると、規則的な濃度ムラ(搬送ズレパターン)が生じる。具体的には、用紙PAには、色インクが一定の間隔で適切に着弾して印字される均一濃度領域501と、均一濃度領域より濃度が薄く印字され濃度ムラとして発生する濃度ムラ領域502とが現れることになる。この濃度ムラ領域502のうち、濃度の低い画素が連続する方向における濃度が低い領域が低濃度領域502aであり、濃度の高い画素が連続する方向における濃度が高い領域が高濃度領域502bとなる。
拡大図510に示すように、均一濃度領域501内に着弾したドット511は、主走査方向および副走査方向ともに、均一に着弾するが、濃度ムラ領域502内に着弾したドット512は、レジストローラ10の速度と搬送ベルト11の速度との速度差により、主走査方向に着弾位置がズレる。これにより、均一濃度領域501より濃度ムラ領域502の方が、濃度が薄く見える。
そこで、インクジェット印刷装置1は、濃度ムラ領域502内で吐出するクリア吐出量、および連続する低濃度領域に隣接した高濃度領域のクリア画素数を決定し、この決定した高濃度領域のクリア画素に対して、決定したクリア吐出量でヘッドモジュール31Lからクリアインクを吐出する。
ヘッドモジュール31Lからクリアインクが吐出されると、図9(b)に示すように、濃度ムラ領域502の高濃度領域502bに対して、吐出されて着弾したドット521は、先に着弾している色インクのドット512と混ざり合う。そして、クリアインクは、色インクと同一の溶剤が用いられているので、色インクの色が広がる。
これにより、図10(c)に示すように、クリアインクが吐出されたクリア補正領域503では、濃度ムラ領域502が見えなくなっている。このとき、拡大図530に示すように、色インクのドット512に、クリアインクのドット521が混ざり合いドット512の色が広がり、混合ドット513として形成されている。
図10は、ステップS117において決定した単色ベタ領域の全領域に対して吐出するクリアインク量に基づいて、ステップS125において生成するドロップデータを模式的に説明した図である。(a)は、不規則な濃度ムラが生じる場合(気流発生パターン)において、クリアインクを吐出しなかったときの画像イメージを示しており、(b)は、(a)に対してクリアインクを吐出する位置を示しており、(c)は、クリアインクが吐出された画像イメージを示している。
図10(a)に示すように、用紙PAに印刷される画像データには、単色ベタが印刷される単色ベタ領域601と、文字データが印刷される文字データ領域602とが含まれている。そして、単色ベタ領域601および文字データ領域602には、不規則に濃度ムラが発生するが、単色ベタ領域601の濃度ムラの方が目立ちやすい。そこで、インクジェット印刷装置1は、単色ベタ領域601の濃度ムラを目立たないようにクリアインクを吐出する。
インクジェット印刷装置1は、受信した印刷ジョブに含まれる画像データに基づいて、クリアインクを吐出することなく、単色ベタ領域601を印刷すると、不規則な濃度ムラ(気流発生パターン)が生じる。具体的には、用紙PAには、色インクが一定の間隔で適切に着弾して印字される均一濃度領域と、均一濃度領域より濃度が薄く印字され濃度ムラとして発生する濃度ムラ領域とが現れることになる。この濃度ムラ領域のうち、濃度の低い画素が連続する方向における濃度が低い領域が低濃度領域601aであり、濃度の高い画素が連続する方向における濃度が高い領域が高濃度領域601bとなる。
即ち、拡大図610に示すように、均一濃度領域内に着弾したドット611は、主走査方向および副走査方向ともに、均一に着弾するが、濃度ムラ領域内に着弾したドット612は、気流の乱れにより、主走査方向に着弾位置がズレる。これにより、均一濃度領域より濃度ムラ領域の方が、濃度が薄く見える。
但し、濃度ムラ領域は不規則に現れるので、この濃度ムラ領域のみに対してクリアインクを吐出することはできない。
そこで、印刷ジョブに含まれる画像データに基づいて、単色ベタ領域601を特定し、この特定した単色ベタ領域601に対して、決定した用紙PAの全領域に対して吐出するクリアインク量で、ヘッドモジュール31Lからクリアインクを吐出する。
図10(b)に示すように、単色ベタ領域601に対して、ヘッドモジュール31Lからクリアインクが吐出されて着弾したドット621は、先に着弾している色インクのドット611,612と混ざり合う。クリアインクは、色インクと同一の溶剤が用いられているので、色インクの色が広がる。
これにより、図10(c)に示すように、単色ベタ領域601に対してクリアインクが吐出されたクリア補正領域603では、濃度ムラ領域が見えなくなる。このとき、拡大図630に示すように、濃度ムラ領域内に着弾した色インクのドット612に、クリアインクのドット621が混ざり合いドット512の色が広がり、混合ドット614として形成されている。同様に、均一濃度領域内に着弾したドット611に、クリアインクのドット621が混ざり合いドット611の色が広がり、混合ドット613として形成されているが、ドット611は、単色ベタ領域601であるので、色が広がったとしても、影響は小さい。
なお、ステップS117において、単色ベタ領域の全領域に対して吐出するクリアインク量を決定するようにしたが、これに限らず、単色ベタ領域を含む用紙PAの全領域に対して吐出するクリアインク量を決定するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1では、インクジェットヘッド21C,21K,21M,21Y(色インク吐出ヘッド)から色インクを吐出させることにより用紙PAにベタ画像を印刷させた後、印刷させた用紙から画像読取部5によりベタ画像を読み込み、読み込んだベタ画像から印刷の濃度ムラが規則的に発生しているか不規則に発生しているかを判定し、受信した印刷ジョブに基づいて、色インク吐出ヘッドから色インクを吐出させると共に、規則または不規則の判定結果に応じてクリアインクの量を決定し、決定したクリアインクの量でクリアインク吐出ヘッドからクリアインクを吐出させるように制御するので、色インクに重ねてクリアインクを吐出することになるので、例えば、最大吐出量でインクを吐出するベタ画像を印字する場合にも、着弾滴の位置ズレによる濃度ムラを目立たなくすることができる。また、規則または不規則の判定結果に応じて機能性インクの量を決定するので、気流の乱れによる不規則に表れる位置ズレによる濃度ムラが発生する場合でも、搬送ズレなどの規則的に濃度ムラが発生する場合でも、いずれの場合でも、適切な機能性インクの量を決定することがきる。このようなクリアインクの使用により、各種の濃度ムラに対して、その低減を効果的に達成できる。
また、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1では、クリアインクを用いて濃度ムラを低減させるので、同じドットに同色のインクの吐出量を増大することなく、余計に吐出の時間を要することがないので、印刷の生産性の低下を防止することができる。
なお、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1では、規則的と判定された場合、識別情報に基づいて、濃度ムラ領域502の位置を特定し、特定した濃度ムラ領域502に対して、印刷条件で示されたクリア吐出量とクリア画素数に基づいて、クリアインクを吐出するようにしたが、これに限らず、ピッチムラパターン、搬送ズレパターン、ノズル閉塞パターンの濃度ムラ領域502の領域座標を記憶しておき、この記憶した領域座標に基づいて、濃度ムラ領域502の位置を特定し、特定した濃度ムラ領域502に対して、印刷条件で示された連続低濃度画素数とクリア吐出量に基づいて、クリアインクを吐出するようにしてもよい。
また、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1では、受信する印刷ジョブに含まれる画像データには、全面がベタ画像か、一部にベタ画像が含まれるものとしたが、これに限らず、ベタ画像以外の画像に対して、クリアインクを吐出するように制御してもよい。例えば、文字やイラストなどの画像についても、単色ベタ領域の領域面積を小さくすることにより、その画像の一部を単色ベタ領域として認識することにより、適用可能である。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
なお、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1の変形例として、低濃度領域に対応する濃度が0より大きい場合には、その低濃度領域には、色インクが吐出されていることになるので、低濃度領域に対して、クリアインクを吐出するようにしてもよい。
具体的には、色インク吐出ヘッドであるインクジェットヘッド21C,21K,21M,21Yと搬送される用紙PAとの間のギャップと、搬送される用紙PAの用紙種類と、単色ベタ画像が印刷された用紙PAにおける領域を濃度に基づいて高濃度領域と低濃度領域に分けられた場合における、高濃度領域と低濃度領域との濃度差と、低濃度領域の面積と、色インク吐出ヘッドから低濃度領域に吐出するドロップ数と、低濃度領域に対して吐出するクリアインク吐出量と、クリアインクを吐出する面積とを関連づけて、規則的に濃度ムラが発生している場合におけるインク吐出量テーブルとして記憶部8に記憶し、制御部6が、印刷設定条件及び画像を含む印刷ジョブを受信した場合に、画像に基づいて、色インクのうちいずれか1色により吐出される単色ベタ領域があるか否かを判定し、単色ベタ領域があると判定した場合に、単色ベタ領域を含む画像を読み込み、読み込みこまれた単色ベタ画像に基づいて、濃度ムラが規則的に発生していると判定した場合に、単色ベタ画像に基づいて、高濃度領域と低濃度領域との濃度差と、低濃度領域及び高濃度領域を特定し、インク吐出量テーブルを参照して、ドロップ数と、ギャップと、用紙種類と、濃度差と、低濃度領域の面積とに基づいて、クリアインク吐出量、クリアインクを吐出する低濃度領域を決定し、決定された低濃度領域に対して、クリアインク吐出量で、クリアインク吐出ヘッドであるインクジェットヘッド21Lからクリアインクを吐出させるように制御するようにしてもよい。
また、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1では、印刷させた用紙から画像読取部5によりベタ画像を読み込み、読み込んだベタ画像から印刷の濃度ムラが規則的に発生しているか不規則に発生しているかを判定し、受信した印刷ジョブに基づいて、色インク吐出ヘッドから色インクを吐出させると共に、規則または不規則の判定結果に応じて機能性インクの量を決定したがこれに限らない。
例えば、読み込んだベタ画像から印刷の濃度ムラの領域を特定し、画像に対して、色インク吐出ヘッドから色インクを吐出させると共に、特定した濃度ムラの領域に対して、クリアインク吐出ヘッドであるインクジェットヘッド21Lからクリアインクを吐出させるように制御してもよい。
すなわち、濃度ムラが規則的に発生しているか、不規則に発生しているかを判定することなく、特定した濃度ムラ領域にクリアインクを吐出させる。このとき、濃度ムラ領域内の低濃度領域にクリアインクを吐出することにより、クリアインクを用紙ににじませ隣接する色インクに混ざり合うことにより、濃度ムラ領域全体の濃度を上げるようにしてもよいし、濃度ムラ領域内の高濃度領域にクリアインクを吐出することにより、色インクをにじませはみ出させることにより、濃度ムラ領域全体の濃度を上げるようにしてもよい。