JP2013174858A - クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP2013174858A
JP2013174858A JP2012239229A JP2012239229A JP2013174858A JP 2013174858 A JP2013174858 A JP 2013174858A JP 2012239229 A JP2012239229 A JP 2012239229A JP 2012239229 A JP2012239229 A JP 2012239229A JP 2013174858 A JP2013174858 A JP 2013174858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
cleaning
ridge line
line portion
surface layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012239229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6086297B2 (ja
Inventor
Hirota Sakon
洋太 左近
Masahiro Omori
匡洋 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2012239229A priority Critical patent/JP6086297B2/ja
Priority to US13/739,197 priority patent/US8913944B2/en
Publication of JP2013174858A publication Critical patent/JP2013174858A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6086297B2 publication Critical patent/JP6086297B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • G03G21/0005Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium
    • G03G21/0011Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium using a blade; Details of cleaning blades, e.g. blade shape, layer forming
    • G03G21/0017Details relating to the internal structure or chemical composition of the blades

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)

Abstract

【課題】経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持するクリーニングブレードを提供する。
【解決手段】先端の稜線部を感光体3の表面に当接してトナーを除去する短冊形状の弾性体ブレード622からなるクリーニングブレードで、直角形状の稜線部を研磨処理により鈍化して鈍角の稜線部62dを形成した。そして、この鈍角の稜線部を含む弾性体ブレード表面に弾性体ブレードより硬い表面層623を設けた。
【選択図】図7

Description

本発明は、クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジに関するものである。
従来、電子写真式の画像形成装置では、被清掃部材たる感光体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な転写残トナーをクリーニング手段たるクリーニング装置によって除去している。
このクリーニング装置のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端の稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、重合トナー)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。これは、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーが、クリーニングブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。
かかるすり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、クリーニングブレードの当接圧を高めると、図11(a)に示すように、像担持体123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まる。このため、クリーニングブレード62が像担持体123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の稜線部62cがめくれてしまう。
このめくれたクリーニングブレード62が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。さらに、クリーニングブレード62の稜線部62cがめくれた状態でクリーニングをし続けると、図11(b)に示すように、クリーニングブレード62のブレード先端面62aの稜線部62cから数[μm]離れた箇所に局所的な摩耗が生じてしまう。このような状態で、さらにクリーニングを続けると、この局所的な摩耗が大きくなり、最終的には、図11(c)に示すように、稜線部62cが欠落してしまう。稜線部62cが欠落してしまうと、トナーを正常にクリーニングできなくなり、クリーニング不良を生じてしまう。
特許文献1には、ポリウレタンゴムからなる弾性体ブレードの少なくとも先端の稜線部に、鉛筆硬度B〜6Hの皮膜硬度を有する樹脂からなる表面層を設けたクリーニングブレードが記載されている。ポリウレタンゴムよりも硬い鉛筆硬度B〜6Hの皮膜硬度を有する表面層を設けることで、クリーニングブレード当接部の摩擦係数を下げることができ、クリーニングブレードの耐摩耗性を高めることができる。また、像担持体とクリーニングブレードとの摩擦力を低減させることができ、クリーニングブレードの稜線部のめくれを良好に抑制することができる。さらに、鉛筆硬度B〜6Hの鉛筆硬度の表面層は、硬くて変形しにくいので、クリーニングブレードの稜線部のめくれをより一層抑制することができる。
しかしながら、弾性体ブレードに高硬度の表面層を設けたクリーニングブレードでは、以下の問題が発生した。
像担持体に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等のクリーニングに対して厳しい条件では、クリーニング不良を生じてしまうことがあった。これは、弾性体ブレードは先端の稜線部を一辺とするブレード下面及びブレード先端面の長手方向にわたって高硬度の表面層を設けているため、表面層の影響により弾性体ブレードの弾性が阻害されることがある。弾性体ブレードの弾性が阻害されると、像担持体が偏心していたり、像担持体表面に微小なうねりがあったりした場合、像担持体表面に当接するクリーニングブレードの長手方向で当接圧が変動し、稜線部の像担持体表面への追随性が低下してしまう。
連続的なベタ画像形成時など、クリーニングブレードによって、多くのトナーが堰き止められているとき、堰き止められているトナーによるクリーニングブレードへの押圧力が高くなる。このため、クリーニングブレードの像担持体に対する当接圧が低い部分では、クリーニングブレードが当接する力よりも像担持体上のトナーによるクリーニングブレードへの押圧力が勝ると、その部分で当接状態が維持できなくなる。そして、クリーニングブレードをトナーがすり抜けてしまう。その結果、像担持体に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等の厳しい条件では、クリーニング不良が生じてしまったと考えられる。
このような連続的なベタ画像形成時等の厳しい条件でのクリーニング不良は、表面層の層厚が厚いと、表面層の剛性によって弾性体ブレードの弾性が阻害され易く、クリーニングブレードの稜線部の像担持体表面への追随性が低下してしまうため顕著になる。このため、稜線部を含めた弾性体ブレード表面に高硬度の表面層を設ける構成では、稜線部の像担持体表面への追随性を維持するために表面層の層厚をある程度薄くする必要がある。
一方、クリーニングブレードの像担持体との当接部は使用時の摩耗過程において経時的に摩耗し消失していくことが避けられず、稜線部に設けた硬度の高い表面層も徐々に摩耗消失していく。
ここで、弾性体ブレードに表面層を設ける際、現実的には直角形状の稜線部にブレード下面やブレード先端面と同じ膜厚の表面層を形成することは困難である。表面層を設ける際に、スプレー塗工やディップ塗工等により液体の材料を弾性体ブレードの表面に付着させて被膜を形成しているが、表面張力の影響で稜線部には被膜が形成され難い。このため、稜線部を被覆する表面層の膜厚は、ブレード先端面およびブレード下面に較べて薄くなってしまう。図12に示すように、クリーニングブレード62の像担持体表面への追随性を維持するために、ブレード先端面62aおよびブレード下面62bの表面層623の層厚がある程度薄くなるよう形成する。すると、稜線部62cを被覆する表面層623の膜厚は大幅に薄くなってしまう。このため、稜線部62cに形成された表面層623は使用早期に摩耗消失してしまう。
さらに、稜線部62cを被覆する表面層623が摩耗消失してしまい、弾性体ブレード622の稜線部62cが像担持体と当接すると、稜線部62cが摩耗し始める。稜線部62cは直角形状であるため、その形状が摩耗初期において急速に消失しやすく、この急激な形状変化に対応して当接圧が大幅に変化してクリーニング性能が大きく変化してしまうという問題もある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、次のようなクリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジを提供することである。経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持することができるクリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレード先端の稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、上記弾性体ブレードの稜線部を鈍角に形成し、該稜線部を含む該弾性体ブレードの表面に該弾性体ブレードよりも硬い表面層を設けたことを特徴とするものである。
本発明においては、弾性体ブレード先端の稜線部を鈍角に形成し、鈍角の稜線部を含む弾性体ブレード表面に表面層を設ける。稜線部は鈍角であるので、稜線部が直角の場合に較べて、弾性体ブレードに表面層を形成する際の稜線部における表面張力の影響が低下され、稜線部に被膜を形成し易くできる。このため、従来の稜線部が直角の弾性体ブレードに較べて、稜線部を含めたブレード下面やブレード先端面等のブレード表面により均一な表面層を形成することができる。これより、弾性体ブレードの弾性を阻害しないような薄さでブレード先端面及びブレード下面に表面層を形成しても、鈍角の稜線部には形成される表面層は従来よりも厚くなり、表面層が摩耗消失してしまうまでの時間は長くなる。
よって、稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にしつつ、長期に渡って表面層の効果を得ることができる。そして、さらなる経時使用により稜線部の表面層が摩耗消失してしまった際は、弾性体ブレードの稜線部が露出して被清掃部材に当接し、摩耗しはじめる。この時、稜線部は鈍角形状であるため、従来の直角形状の場合に較べて、摩耗初期における急激な形状変化が抑制される。このため、急激な形状変化に伴う当接圧の大幅に変化によるクリーニング性能の変化を抑制できる。よって、従来よりも安定したクリーニング性能を維持することができる。
本発明によれば、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を得ることができるという優れた効果がある。
本発明の実施形態に係るプリンタの概略構成図。 (a)及び(b)は、トナーの円形度の測定方法を説明するための説明図。 クリーニングブレードの全体斜視図。 クリーニングブレードの全体断面図。 実施形態1に係るクリーニングブレードの局所拡大断面図。 実施形態1に係るクリーニングブレードの稜線部の拡大断面図。 実施形態1に係るクリーニングブレードと感光体との当接状態の説明図。 クリーニングブレードの摩耗幅の測定箇所を示した模式図。 実施形態2に係るクリーニングブレードの局所拡大断面図。 実施形態2に係るクリーニングブレードと感光体との当接状態の説明図。 (a)クリーニングブレード稜線部がめくれた状態を示す図。(b)クリーニングブレードの先端面の局所的な摩耗について説明する図。(c)クリーニングブレードの稜線部が欠落した状態を示す図。 従来のクリーニングブレードの稜線部の拡大断面図。
以下、本発明を画像形成装置である電子写真プリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図である。プリンタは、単一色の複写を行うものであり、図示しない画像読み取り部で読み取った画像データに基づいてモノクロ画像形成を行う。
図1に示すように、プリンタは、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。感光体3の周囲には帯電手段としての帯電装置4、潜像をトナー像化する現像手段である現像装置5、トナー像を記録媒体としての転写紙に転写する転写手段としての転写装置7が配置されている。また、転写後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニング装置6、感光体3を除電する除電ランプ(不図示)等も配置されている。また、感光体3上に滑剤を塗布する滑剤塗布手段として潤滑剤塗布装置10が配置されている。
帯電装置4は、感光体3表面を所定の極性、所定の電位に帯電するものである。帯電装置4によって一様帯電された感光体3は、図示しない潜像形成手段たる露光装置から画像データに基づいて光Lが照射され静電潜像が形成される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51を有している。この現像ローラ51には、図示しない電源から現像バイアスが印加されるようになっている。現像装置5のケーシング内には、ケーシング内に収容された現像剤を互いに逆方向に搬送しながら攪拌する供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53が設けられている。また、現像ローラ51に担持された現像剤を規制するためのドクタ54も設けられている。供給スクリュ52及び攪拌スクリュ53の2本スクリュによって撹拌・搬送された現像剤中のトナーは、所定の極性に帯電される。そして、現像剤は、現像ローラ51に汲み上げられ、汲み上げられた現像剤は、ドクタ54により規制され、感光体3と対向する現像領域でトナーが感光体3上の潜像に付着する。
クリーニング装置6は、ファーブラシ101、クリーニングブレード62などを有している。クリーニングブレード62は、感光体3の表面移動方向に対してカウンタ方向で感光体3に当接している。なお、クリーニングブレード62の詳細については後述する。
潤滑剤塗布装置10は、固形潤滑剤103、潤滑剤加圧スプリング(不図示)等を備え、固形潤滑剤103を感光体3上に塗布する塗布ブラシとしてファーブラシ101を用いている。固形潤滑剤103は、図示しないブラケットに保持され、潤滑剤加圧スプリング(不図示)によりファーブラシ101側に加圧されている。そして、感光体3の回転方向に対して連れまわり方向に回転するファーブラシ101により固形潤滑剤103が削られて感光体3上に潤滑剤が塗布される。感光体への潤滑剤塗布により感光体表面の摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。
帯電装置4には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)を始めとする公知の手段が用いられる。
これらの帯電方式のうち、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式がより望ましく、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
また、図示しない露光装置、除電ランプ等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
次に、プリンタにおける画像形成動作を説明する。
図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電装置4、現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、露光装置及び除電ランプなどにもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
感光体3が図中矢印方向に回転すると、まず感光体表面が、帯電装置4によって所定の電位に帯電される。そして、図示しない露光装置から画像信号に対応した光Lが感光体3上に照射され、光Lが照射された部分の感光体3上が除電され静電潜像が形成される。
静電潜像の形成された感光体3は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシで感光体3表面を摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。このように、本実施形態では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
感光体3上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部から上レジストローラと下レジストローラとの対向部を経て、感光体3と、転写ベルト14を介して対向した転写装置7との間に形成される転写領域に給紙される転写紙に転写される。このとき、転写紙は上レジストローラと下レジストローラとの対向部で画像先端と同期を取り供給される。また、転写紙への転写時には、所定の転写バイアスが印加される。トナー像が転写された転写紙は感光体3から分離され、図示しない定着手段としての定着装置へ搬送される。そして、定着装置を通過する事により、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙上に定着されて、転写紙は機外に排出される。
一方、転写後の感光体3の表面は、クリーニング装置6で転写後の残留トナーが除去され、除電ランプで除電される。
また、本プリンタにおいては、感光体3と、プロセス手段として帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6などが枠体2に収められており、プロセスカートリッジ1として装置本体から一体的に着脱可能となっている。なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ1としての感光体3とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体3、帯電装置4、現像装置5、クリーニング装置6のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
次に、本プリンタに好適なトナーについて説明する。
本プリンタに用いるトナーとしては、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いるのが好ましい。特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]のものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、図2(a)に示す実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ図2(b)に示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
体積平均粒径については、コールターカウンター法によって求めることが可能である。具体的には、コールターマルチサイザー2e型(コールター社製)によって測定したトナーの個数分布や体積分布のデータを、インターフェイス(日科機社製)を介してパーソナルコンピューターに送って解析するのである。
より詳しくは、1級塩化ナトリウムを用いた1%NaCl水溶液を電解液として用意する。そして、この電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5[ml]加える。更に、これに被検試料としてのトナーを2〜20[mg]加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理する。そして、別のビーカーに電解水溶液100〜200[ml]を入れ、その中に分散処理後の溶液を所定濃度になるように加えて、上記コールターマルチサイザー2e型にかける。
アパーチャーとしては、100[μm]のものを用い、50,000個のトナー粒子の粒径を測定する。チャンネルとしては、次の13チャンネルを使用し、粒径2.00[μm]以上32.0[μm]以下のトナー粒子を対象とする。2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満。8.00〜10.08[μm]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.40〜32.00[μm]未満。32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルである。
そして、「体積平均粒径=ΣXfV/ΣfV」という関係式に基づいて、体積平均粒径を算出する。但し、Xは各チャンネルにおける代表径、Vは各チャンネルの代表径における相当体積、fは各チャンネルにおける粒子個数である。
このような重合トナーにおいては、上述したように、粉砕トナーを感光体3表面から除去するときと同じようにしてクリーニングブレード62で除去しようとしても、その重合トナーを感光体3表面から十分に除去しきれず、クリーニング不良が発生する。そこで、クリーニングブレード62の感光体3への当接圧を高めて、クリーニング性をアップしようとすると、クリーニングブレード62が早期に摩耗してしまうという問題があった。また、クリーニングブレード62と感光体3との摩擦力が高まって、クリーニングブレード62の感光体3と当接している稜線部62cが感光体3の移動方向に引っ張られて、稜線部がめくれてしまう。クリーニングブレード62の稜線部62cがめくれると、異音や振動、稜線部62cの欠落などの様々な問題が生じてしまう。
図3は、クリーニングブレード62の全体斜視図であり、図4は、クリーニングブレード62の全体断面図である。
クリーニングブレード62は、金属や硬質プラスチックなどの剛性材料からなる短冊形状のホルダー621と、短冊形状の弾性体ブレード622とで構成されている。
弾性体ブレード622は、ホルダー621の一端側に接着剤などにより固定されており、ホルダー621の他端側は、クリーニング装置6のケースに片持ち支持されている。
弾性体ブレード622としては、感光体3の偏心や感光体表面の微小なうねりなどに追随できるように、高い反発弾性率を有するものが好ましく、ウレタン基を含むゴムであるウレタンゴムなどが好適である。
また、弾性体ブレード622の硬度としては、25℃における硬度が68〜80度(JIS A)のウレタンゴムが良い。ウレタンゴムの硬度が80度を超えると柔軟性に乏しくなり、例えば、ホルダー621が微小に傾いて取り付けるなどしたときにクリーニングブレード62の軸方向一端側と他端側とで当接圧が異なる所謂偏当りしやすくなり、軸方向で均一な当接圧が得にくくなる。その結果、クリーニング性が低下するおそれがある。
一方、硬度が68度未満の場合は、重合トナーでもクリーニングできるよう当接圧を高く設定したときに、クリーニングブレード62が反ってしまって、クリーニングブレード62の稜線部62cが浮きあがる。このように浮きあがると、クリーニングブレード62のブレード下面62bが感光体3と当接する所謂腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレード62と感光体表面との当接面積が急激に増大するため、クリーニングブレード62を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、クリーニング性が低下してしまう。特に本実施形態のブレード先端面に表面層を有する構成では上記の現象が顕著に生じるため、上記の範囲にあることが必要となる。
弾性体ブレード622の稜線部62cを含む表面には表面層623を設ける。表面層623は、スプレー塗工、ディップ塗工、あるいはスクリーン印刷等によってクリーニングブレード62の稜線部62cを被覆する。表面層623としては、弾性体ブレード622よりも硬度の高い部材を被覆するのが好ましい。また、表面層623は、弾性体ブレード622よりも硬度が高い部材とすることで、剛直なため、変形し難く、クリーニングブレード62の稜線部62cのめくれを抑制することができる。
また、表面層623の材質としては、樹脂が好ましく、紫外線硬化樹脂がより好ましい。紫外線硬化樹脂を用いることで、クリーニングブレード62の稜線部62cに付着した樹脂に紫外線を照射させるだけで、所望の硬度を有する表面層623を得ることができ、クリーニングブレード62を安価に製造することができる。
上記紫外線硬化樹脂としては、一官能基あたり分子量300〜1500のモノマーを用いることが好ましい。上記分子量が1500を越えると、表面層623は脆弱になり過ぎ、クリーニングブレード62の稜線部62cがめくれて図11(b)のような先端面摩耗を生じてしまい、長期に渡るクリーニング性を保持できなくなる。逆に分子量300を下回ると、表面層623が剛直となり過ぎてしまう。表面層623が剛直となりすぎると、表面層623の耐摩耗性能の低下や、ビビリ音が発生しやすくなってしまう。
また、表面層623の層厚は、0.1〜2[μm]が好ましい。層厚が、0.1[μm]未満だと、表面層623の剛性が弱くなり、クリーニングブレード62の稜線部62cがめくれやすくなってしまう。また、層厚が2[μm]を超えると、トナーのすり抜けが増大してクリーニング不良が発生しやすくなる。これは、スプレー塗工やディップ塗工のように、液体の材料を付着させて表面層623を形成しているため、稜線部62cは表面張力の関係で、被膜が形成されにくい。このため、稜線部62cから離れるにつれて表面層623の層厚は増加する。
表面層623の層厚が2[μm]を超えると、稜線部62cの層厚と稜線部62cから離れた位置における層厚との差が大きくなるとともに、エッジ近傍の断面外殻形状が曲線化し、クリーニングブレード62の稜線部62cのエッジ形状が曲面化する。稜線部62cが曲面化すると、稜線部62cを角面とした場合に比べて、先端面62aと感光体3とがなす当接部の上流側の空隙X(図4参照)が狭くなる。そのため、長期に渡るクリーニング動作によって空隙にトナーが堆積したとき、せき止められた空隙X内のトナーに逃げ場がないので、空隙X内のトナーが徐々に感光体3の下流側に押し出され、クリーニング不良が発生する。
しかし、弾性体ブレード622に高硬度の表面層623を設けた上述のクリーニングブレードでは、以下の問題が発生する。
感光体3に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等のクリーニングに対して厳しい条件では、クリーニング不良を生じてしまうことがあった。これは、弾性体ブレード622は、ブレード先端面62aやブレード下面62bの長手方向にわたって高硬度の表面層623を設けているため、表面層623の影響により弾性体ブレード622の弾性が阻害される。このように弾性体ブレード622の弾性が阻害されると、クリーニングブレード62の稜線部62cの感光体3表面への追随性が低下してしまう。このため、感光体3に形成される粉体量が非常に多い連続的なベタ画像形成時等の厳しい条件では、クリーニング不良が生じてしまったと考えられる。
また、潤滑剤塗布機構を有するプリンタにおいては、帯電ローラ等による帯電装置で感光体3上に塗布された滑剤が帯電劣化することにより粘性が生じる。この副作用としてクリーニングブレード62の稜線部62cの感光体3表面への追随性を低下させてしまうことにより、同様にクリーニング不良を生じることがある。
このようなクリーニング不良は、表面層623の層厚が厚いと、表面層623の剛性によって弾性体ブレード622の弾性が阻害され易く、クリーニングブレード62の稜線部62cの感光体3表面への追随性が低下してしまうため顕著になる。このため、稜線部62cを含めた弾性体ブレード622表面に高硬度の表面層623を設ける構成では、稜線部62cの感光体3表面への追随性を維持するために表面層623の層厚をある程度薄くする必要がある。
一方、感光体3との当接部は使用時の摩耗過程において経時的に摩耗し消失していくことが避けられず、稜線部62cに設けた硬度の高い表面層623も徐々に摩耗消失していく。
また、弾性体ブレード622に表面層623を設ける際、現実的には直角形状の稜線部62cを含めた弾性体ブレード622表面に均一な膜厚の表面層623で被膜することは難しい。表面層623を設ける際に、スプレー塗工やディップ塗工等により液体の材料を弾性体ブレード622の表面に付着させて被膜を形成しているが、表面張力の影響で稜線部62cには被膜が形成され難い。このため、稜線部62cを被覆する表面層の膜厚は、ブレード先端面62aおよびブレード下面62bに較べて薄くなってしまう。
図12に示すように、クリーニングブレード62の感光体3表面への追随性を維持するために、ブレード先端面62aおよびブレード下面62bの表面層623の層厚がある程度薄くなるよう形成する。すると、稜線部62cを被覆する表面層623の膜厚は大幅に薄くなってしまう。このため、稜線部62cに形成された表面層623は使用早期に摩耗消失してしまう。
さらに、稜線部62cを被覆する表面層623が摩耗消失してしまい、弾性体ブレード622の稜線部62cが感光体3と当接すると、稜線部62cが摩耗し始める。稜線部62cが直角形状であると、その形状が摩耗初期において急速に消失しやすく、この急激な形状変化に対応して当接圧が大幅に変化してクリーニング性能が大きく変化してしまうという問題もある。
また、稜線部62cの摩耗において主として摩耗を引き起こしている物質はトナーに外添されたシリカ等の無機微粒子の遊離分(以下、遊離外添剤という)であると考えられる。これらの遊離外添剤はクリーニングブレード62の稜線部62cでせきとめることはできず、稜線部62cを摺擦しながらすりぬけていくため、いわゆる引っかき摩耗が生じる。トナー外添剤としての無機微粒子は、高画質を狙う重合トナーにおいて流動性の確保等の目的でその添加量は多くなる傾向にあり、当然ながらその遊離量も多くなるのでクリーニングブレード62の稜線部62cにおける摩耗に対してより厳しいものとなっている。好適にクリーニング動作を行うためには、トナーそのものはすりぬけにくくしながら、遊離外添剤による稜線部62cの摺擦を抑制することが必要である。
さらに、これらの遊離外添剤は、感光体3表面に供給される潤滑剤を介して感光体3表面に付着し、潤滑剤との相互作用で感光体3表面に固着されたような状態となり、稜線部62cへの摩耗作用をより強めている現象も確認されている。この現象に対するクリーニングブレード62の稜線部62cの耐性も求められている。
また、従来から省エネルギー化を目的とする低温定着トナーにおいてもクリーニングブレード62へのトナー固着や、感光体3表面へのフィルミング現象を抑制できる離型性が良好、かつ感光体3表面の良好なクリーニング性能が求められている。加えて、稜線部62cにおいて、クリーニング動作時の変形が少ないクリーニングブレード62とすることで、室温度等の環境変動やクリーニングする粉体量の変動に対して安定したクリーニング動作を維持できるロバスト性が求められている。
そこで、本実施形態のクリーニングブレード62では、感光体3に当接してクリーニングをおこなう弾性体ブレード622の稜線部を鈍角に形成し、鈍角の稜線部を含む弾性体ブレード622の表面に表面層623を設けている。稜線部が鈍角であるので、稜線部が直角形状の場合に較べて、弾性体ブレード622に表面層623を形成する際の稜線部における表面張力の影響を低下して、稜線部の被膜を形成し易くできる。このため、従来の稜線部が直角の弾性体ブレードに較べて、稜線部を含めたブレード下面62bやブレード先端面62a等のブレード表面により均一な表面層を形成することができる。これより、弾性体ブレード622の弾性を阻害しないような薄さでブレード先端面62a及びブレード下面62bに表面層623を形成しても、鈍角の稜線部に形成される表面層623を従来よりも厚くでき、表面層623が摩耗消失するまでの時間は長くできる。よって、稜線部の感光体3に対する追随性を良好にしつつ、長期に渡って表面層623の効果を得ることができる。
そして、さらなる経時使用により稜線部の表面層623が摩耗消失してしまった際は、弾性体ブレード622の稜線部が露出して感光体3に当接し、摩耗し始める。このとき、稜線部は鈍角形状であるため、従来の直角形状の場合に較べて、摩耗初期における急激な形状変化が抑制される。このため、急激な形状変化に伴う当接圧の大幅に変化によるクリーニング性能の変化を抑制できる。よって、従来よりも安定したクリーニング性能を維持することができる。
また、上記した遊離外添剤が稜線部を摺擦しながらすりぬけることに対して、本実施形態のような鈍角形状の稜線部とすることにより、稜線部が直角形状の場合に較べて遊離外添剤が接触した際の力を分散することができ、その摺擦現象を低減することが期待できる。また、潤滑剤を介して感光体3表面に付着した遊離外添剤が、稜線部への摩耗作用をより強めている現象についても同様な低減効果が期待できる。
また、遊離外添剤は稜線部で直接せきとめれないものの、稜線部の感光体3回転方向上流側に形成されるトナー溜まりに集積されたトナーによるダム効果で、遊離外添剤の稜線部62cと感光体3とが接触する領域への侵入とすり抜けを抑制できる。そして、稜線部が直角形状の場合に較べて、本実施形態の稜線部を鈍角形状としたクリーニングブレードの方が感光体3表面への追従性が良く、感光体3表面に対する稜線部の挙動が安定しているため、トナー溜まりに集積されたトナーが崩れるのを抑制できる。したがって、本実施形態の稜線部を鈍角形状としたクリーニングブレードの方が、従来の稜線部が直角形状の場合よりも、上記ダム効果を高めることができるものと考えられる。
また、低温定着トナーにおけるクリーニングブレード62へのトナー固着については、表面層623を設けることで抑制できる。そして、稜線部を鈍角形状とした方が、従来の稜線部が直角形状の場合よりもトナーを感光体3表面に沿って押しのける力を強くでき、感光体3表面へ向け押し込む力を弱くできるため、感光体3表面へのフィルミング現象も抑制できるものと考えられる。したがって、クリーニングブレード62へのトナー固着や、感光体3表面へのフィルミング現象を抑制できる離型性が良好、かつ感光体3表面の良好なクリーニング性能を得ることができるものと考えられる。加えて、上記したようにクリーニング動作時の変形が少ないクリーニングブレード62とすることで、室温度等の環境変動やクリーニングする粉体量の変動に対して安定したクリーニング動作を維持できるロバスト性も発揮できるものと考えられる。
本実施形態では、弾性体ブレード622に鈍角の稜線部を形成するために、直角形状の稜線部62cを研磨処理により鈍化している。稜線部62cを研磨処理することにより、稜線部62cは2つの新たな稜線部に分割され、これらの新たな2つの稜線部の内角の合計が270度の鈍角形状となる。形成された2つの鈍角稜線部はいずれもクリーニング動作に充てることができ、各々適切な当接条件を選べばよい。研磨処理は、たとえばエッジ部分を粒度の小さい精密研摩部材で研摩することでその効果を得ることができる。研摩部材の粒度は3[μm]以下が処理部の平滑性の点で好ましい。以下、弾性体ブレード622の直角形状の稜線部62cを研磨処理により鈍化する方法について、実施形態1、実施形態2に基づき詳しく説明する。
<実施形態1>
図5は実施形態1に係るクリーニングブレードの局所拡大断面図である。
図5のクリーニングブレード62は、弾性体ブレード622の直角形状の稜線部62cを形成するブレード先端面62aとブレード下面62bとをそれぞれ研磨処理することで、稜線部62cを鈍化して、鈍角形状の稜線部62d,62eを形成する。そして、形成された鈍角形状の稜線部62d,62eを含むよう、ブレード下面62bとブレード先端面62aとに表面層623を形成したものである。
図6は、図5のクリーニングブレード62の稜線部の拡大断面図である。形成された稜線部62d,62eは鈍角であるので、直角の稜線部62cに較べて、弾性体ブレード622に表面層623を形成する際の稜線部62d,62eにおける表面張力の影響が低下され、稜線部62d,62eに被膜を形成し易くなる。このため、図12に示す稜線部62cが直角の弾性体ブレードに較べて、稜線部62d,62eを含めたブレード下面62bやブレード先端面62a等のブレード表面に、より均一な表面層を形成することができる。これより、弾性体ブレード622の弾性を阻害しないような薄さでブレード先端面62a及びブレード下面62bに表面層623を形成しても、鈍角の稜線部62d,62eには形成される表面層623は従来よりも厚くなる。その結果、表面層623が摩耗消失してしまうまでの時間は長くなる。
図7は、図5のクリーニングブレード62と感光体3との当接状態の説明図である。弾性体ブレード622のブレード下面62bとブレード先端面62aとを研摩処理して新たに形成された鈍角の稜線部62d,62eのうち、ブレード下面62bに位置する稜線部62dを用いてクリーニングを行う。稜線部62dには表面層623が形成されており、初期には表面層623と感光体3表面と当接することにより、感光体3表面に残留したトナーを感光体3表面より除去する。稜線部62dを含む弾性体ブレード622の表面には、弾性を阻害しないような薄さで、且つ、従来よりも均一に表面層623が形成されている。よって、感光体3に対する追随性を良好にしつつ、長期に渡って表面層623の効果を得ることができる。
また、さらなる経時使用により稜線部62dの表面層623が摩耗消失しても、弾性体ブレード622の稜線部62dは既に鈍化されている。このため、弾性体ブレード622の初期摩耗による急激な形状変化が抑制でき、この形状変化に起因するクリーニング性能の変化を抑制できる。よって、より安定したクリーニング性能を維持することができる。
弾性体ブレード622の稜線部における研磨処理は、ブレード下面62b及びブレード先端面62aともに処理幅5[μm]〜20[μm]でなされていることが好ましい。この範囲を超えて初期の研磨幅が大きくなりすぎると、経時における摩耗研磨幅が大きくなりすぎて、クリーニングブレード62の耐久性が十分得られない虞がある。また、この範囲より初期の研磨幅が小さくなりすぎると、鈍化の効果が小さい。
また、ブレード先端面62aの表面層623は、鈍角の稜線部62eを覆い稜線部62eより遠い側にその非形成領域があり、稜線部62eより先端面幅の略1/2の幅で形成されていることが好ましい。さらに、ブレード下面62bの表面層623は、稜線部62dよりブレード先端面62aの表面層623と略同じ幅で形成されていることが好ましい。
ブレード先端面62a全面に表面層623を設け、同様の幅でブレード下面62bにも表面層623を設けた場合、経時での感光体3表面へのフィルミングや異音の発生を生じることがある。また、表面層623は、上述のように紫外線硬化樹脂からなり表面層623のブレード下面62b及びブレード先端面62aにおける層厚が各々0.1[μm]〜2[μm]であることが好ましい。このように、弾性体ブレード622の直角形状の稜線部62cに研磨処理を施し、且つ、表面層623が上記の範囲に形成されることにより、ブレード先端の運動性低下を生じず、良好なクリーニング性を維持できる。その結果、感光体3へのフィルミングやブレード自体の異音発生を効果的に抑制できる。
また、弾性体ブレード622の直角形状の鈍化ではブレード下面62bに研磨処理を施しているので、ブレード下面62bの弾性体ブレード622表面は研摩により適度に荒らされる。ここで、弾性体ブレード622は、通常、遠心成形によって作られたウレタンゴムシートを、短冊状に切断することにより形成される。
また、弾性体ブレード622の感光体3に接するブレード下面62bには、ウレタンシートのエア面(遠心成形金型の金型に接しない面)を用いている。エア面は短冊切断における切断面(カット面)と表面性が異なり、鏡面状態で溶剤や塗布液が切断面よりも染み込みにくい性質がある。ここで、エア面に対して研摩処理を施すと鏡面状態から荒れた状態になり、溶剤や塗布液が染み込みやすくなる。表面層形成時に、染み込みやすさが向上すると表面層623と弾性体ブレード622のブレード下面62bとの界面での密着性が向上するとともに、染み込みによる改質はめくれ変形も抑制し、摩耗が均一化され、安定した動作を得れるという効果も奏する。
また、上記したように、トナーからの遊離外添剤である遊離シリカ等による稜線部の摩耗に対し、本実施形態のような鈍角形状の稜線部62dとすることによりその摺擦現象を低減することが期待できる。また、省エネルギー化を目的とする低温定着トナーにおいてもクリーニングブレード62へのトナー固着や、感光体3表面へのフィルミング現象を抑制する効果が期待できる。加えて、クリーニングブレードの稜線部において動作時変形の少ないクリーニングブレード62とすることで、環境変動やクリーニングトナー入力変動に対して安定した動作を維持できるロバスト性が維持できる。
以下、検証実験1に基づき説明する。
弾性体ブレード622の材質、表面層623の材質、ブレード先端面62aにおける表面層623の形成をそれぞれ変化させて、耐久試験を行った。
[弾性体ブレード]
弾性体ブレード622としては、25[℃]における物性が以下の物性となっている5つのウレタンゴムを用意した。
ウレタンゴム1:硬度68度、反発弾性率30[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム2:硬度69度、反発弾性率50[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム3:硬度72度、反発弾性率31[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム4:硬度75度、反発弾性率45[%](東洋ゴム工業製)
ウレタンゴム5:硬度76度、反発弾性率32[%](シンジーテック製)
ウレタンゴムの硬度は、島津製作所製デュロメーターを用い、JIS K6253に準じて測定した。試料は厚さ6[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
ウレタンゴムの反発弾性は、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚さ4[mm]以上となるように約2[mm]のシートを重ね合わせたものとした。
[エッジ(直角)形状鈍化処理]
エッジ(直角)形状鈍化処理として、ブレード下面62bおよびブレード先端面62aの研磨処理を行う。3M製精密研摩シート(ラッピングフィルムシート)を用い、円筒基体に研摩シートを固定しウレタンゴム弾性体ブレードを当接させながら円筒基体を回転させてエッジ部を研摩処理することで鈍化を行った。鈍化処理量は研摩シートの種類と処理時間により所定の処理量とした。処理量は図5に示す処理幅a、処理幅bで設定した。
(鈍化処理1)
研摩シート:#8000、粒度1[μm]
処理幅a:10[μm]
処理幅b:10[μm]
(鈍化処理2)
研摩シート:#8000、粒度1[μm]
処理幅a:20[μm]
処理幅b:20[μm]
(鈍化処理3)
研摩シート:#15000、粒度0.3[μm]
処理幅a:5[μm]
処理幅b:5[μm]
(鈍化処理4)
研摩シート:#8000、粒度1[μm]
処理幅a:25[μm]
処理幅b:25[μm]
このような鈍化処理1〜4により、図5のように弾性体ブレード622の稜線部62cは平坦となり、鈍角の稜線部62d,62eが形成された。
[表面層]
表面層としては、以下のものを用いた。
(表面層1)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 0.5部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 19.5部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
塗膜硬度:鉛筆硬度2H
摩擦係数:0.6
(表面層2)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 5部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 15部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
塗膜硬度:鉛筆硬度3H
摩擦係数:0.5
(表面層3)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 8部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 12部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
塗膜硬度:鉛筆硬度6H
摩擦係数:0.45
(表面層4)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−3320HA 5部
ウレタンアクリレートオリゴマー2:根上工業 UN−2700 15部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
塗膜硬度:鉛筆硬度2H
摩擦係数:0.5
(表面層5)
ウレタンアクリレートオリゴマー1:根上工業 UN−904 20部
重合開始剤:チバスペシャリティーケミカルズ社 イルガキュア184 1部
溶媒:2−ブタノン 79部
塗膜硬度:鉛筆硬度9H
摩擦係数:0.4
表面層623の鉛筆硬度は、コーテック株式会社製鉛筆引っかき試験機KTVF−2380を用い、JIS K5600−5−4に準じて測定した。試料は、50[mm]×50[mm]のガラス板上に表面層623の材料を約5[μm]スプレー塗工したものとした。
表面層623の摩擦係数は、新東科学製トライボギアミューズ94iを用い、最大静止摩擦係数を測定した。試料は、50[mm]×50[mm]のガラス板上にコーティング材料を約5[μm]スプレー塗工したものとした。
次に、検証実験1を行った画像形成装置の構成について説明する。
上記ウレタンゴム1〜5のいずれかを用いて厚さ1.8[mm]の短冊形状の弾性体ブレード622を作製し、直角形状の稜線部62cに適宜鈍化処理を行った後、スプレー塗工法により上記表面層1〜表面層5いずれかの表面層623を形成した。
具体的には、まずスプレー塗工によりブレード先端面62bから10[mm/s]のスプレーガン移動速度にて所定の層厚になるように先端面に重ね塗りを行った。3分間指触乾燥後、さらにブレード下面62aに同様に表面層が形成されるように塗工した。その後さらに3分間指触乾燥を行い、紫外線露光(140[W/cm]×5[m/min]×5パス)を行った。なお、このときスプレー塗工により表面層を形成する領域はマスキングテープにより、当接エッジを基準として、ブレード先端面、ブレード下面に同様に後述の各実施例に記載の領域に制限して塗工を行った。
表面層623が形成された弾性体ブレード622をリコー製カラー複合機 imagio MP C4500に搭載できる板金製のホルダー621に接着剤により固定し、試作のクリーニングブレード62とした。これを同じくリコー製カラー複合機 imagio MP C4500(図1と同様の構成)に取り付け、実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例5の画像形成装置を作製した。なお、クリーニングブレード62は、所定の先端食い込み量と取り付け角度により線圧とクリーニング角を設定して取り付けた。
検証実験には、重合法により作製したトナーを用いた。なお、トナーの物性は、以下のとおりである。
トナー母体:円形度0.98、平均粒径4.9[μm]
外添剤 :小粒径シリカ1.5部(クラリアント製H2000)
小粒径酸化チタン0.5部(テイカ製MT−150AI)
大粒径シリカ1.0部(電気化学工業製UFP−30H)

検証実験1は、実験室環境:21[℃]・65[%RH]、通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、50,000枚(A4横)で行った。そして、以下の項目を評価した。
[評価項目]
クリーニング不良発生:有無(目視観察)
評価時画像:縦帯パターン(紙進行方向に対して)43[mm]幅、3本チャート
出力20枚(A4横)
ブレードエッジ摩耗幅:図8に示すようにブレード下面側からみた摩耗幅
(ただし、エッジ鈍化処理による摩耗幅を含む)
ブレードエッジトナー固着:有無(顕微鏡観察、ブレードエッジより[1mm]の領域)
以下に、実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例5のクリーニングブレードの検証実験の結果を示す。なお、表面層623の層厚は、キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用い、別途同様に塗工した弾性体ブレードの断面により測定した。試料は日進EM製SEM試料作製用トリミングカミソリを用い断面を切断したものとした。
(実施例1)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
エッジ鈍化処理:鈍化処理1
表面層:表面層2
ブレード先端面、下面層厚:1.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:0.9[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:13.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例2)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム5
エッジ鈍化処理:鈍化処理3
表面層:表面層2
ブレード先端面、下面層厚:2.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:0.9[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:8.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例3)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
エッジ鈍化処理:鈍化処理2
表面層:表面層3
ブレード先端面、下面層厚:0.5[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.0[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:22.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例4)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
エッジ鈍化処理:鈍化処理1
表面層:表面層1
ブレード先端面、下面層厚:0.1[μm]
ブレード先端面表面層幅:0.9[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:14.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例5)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
エッジ鈍化処理:鈍化処理3
表面層:表面層4
ブレード先端面、下面層厚:1.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.0[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:10.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(比較例1)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
エッジ鈍化処理:なし
表面層:表面層5
ブレード先端面、下面層厚:0.5[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.0[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:20.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良2ヶ所
異音発生:なし
(比較例2)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
エッジ鈍化処理:4
表面層:表面層2
ブレード先端面、下面層厚:1.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.0[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:30.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良3ヶ所
異音発生:なし
(比較例3)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
エッジ鈍化処理:なし
表面層:表面層1
ブレード先端面、下面層厚:3.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.8[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:16.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良2ヶ所
異音発生:ビビリ発生
(比較例4)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
エッジ鈍化処理:なし
表面層:なし
ブレードエッジ摩耗幅:10.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:有り
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良3ヶ所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗発生
(比較例5)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
エッジ鈍化処理:なし
表面層:表面層3
ブレード先端面、下面層厚:10.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.8[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:18.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良2ヶ所
異音発生:ビビリ発生
表1は、実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例5の検証実験の結果をまとめたものである。
Figure 2013174858
表1に示すように、実施例1〜5のブレード下面62bとブレード先端面62aとを研磨処理して鈍化した後に表面層623を形成したクリーニングブレード62では、経時においてクリーニング不良、異音、えぐれ、ブレードエッジトナー固着等の発生はなかった。一方、比較例1、3、5では、研磨処理を行わない直角形状の稜線部62cの弾性体ブレード622に表面層623を形成したものであり、経時においてクリーニング不良、異音等が発生した。また、比較例4の表面層623を設けないものは、経時においてクリーニング不良、先端面えぐれ摩耗、ブレードエッジトナー固着が発生した。また、ブレード下面62bとブレード先端面62aとの研磨処理幅は、5[μm]〜20[μm]が適している。この範囲を超えて初期の研磨幅が大きくなりすぎると、比較例2に示すように、経時における摩耗研磨幅が大きくなりすぎて、5万枚の使用でクリーニング不良を発生させてしまった。
<実施形態2>
図9は実施形態2に係るクリーニングブレードの局所拡大断面図である。
図9のクリーニングブレード62は、弾性体ブレード622の直角形状の稜線部62cを形成するブレード下面62bを研磨処理することで、稜線部62cを鈍化して、鈍角形状の稜線部62d,62eを形成する。そして、形成された鈍角形状の稜線部62d,62eを含むよう、ブレード下面62bとブレード先端面62aとに表面層623を形成したものである。
このクリーニングブレード62は、形成された稜線部62d,62eは鈍角であるので、直角の稜線部62cに較べて、弾性体ブレード622に表面層623を形成する際の稜線部における表面張力の影響が低下され、稜線部62d,62eに被膜を形成し易くなる。このため、図12に示す稜線部62cが直角の弾性体ブレードに較べて、稜線部62d,62eを含めたブレード下面62bやブレード先端面62a等のブレード表面に、より均一な表面層を形成することができる。これより、弾性体ブレード622の弾性を阻害しないような薄さでブレード先端面62a及びブレード下面62bに表面層623を形成しても、鈍角の稜線部62d,62eには形成される表面層623は従来よりも厚くなる。その結果、表面層623が摩耗消失してしまうまでの時間は長くなる。
図10は、図9のクリーニングブレード62と感光体3との当接状態の説明図である。弾性体ブレード622のブレード下面62bを研摩処理して新たに形成された稜線部62d,62eのうち、ブレード先端面62aに位置する稜線部62eを用いてクリーニングを行う。稜線部62eには、表面層623が形成されおり、初期には表面層623と感光体3表面と当接することにより、感光体3表面に残留したトナーを感光体3表面より除去する。稜線部62eを含む弾性体ブレード622表面に弾性を阻害しないような薄さで、且つ、従来よりも均一に表面層623が形成されている。よって、感光体3に対する追随性を良好にしつつ、長期に渡って表面層623の効果を得ることができる。
また、さらなる経時使用により稜線部62eの表面層623が摩耗消失しても、弾性体ブレード622の稜線部62eは既に鈍化されているため、弾性体ブレード622の初期摩耗による急激な形状変化が抑制できる。そして、この急激な形状変化に起因するクリーニング性能の変化を抑制できる。よって、安定したクリーニング性能を維持することができる。
また、弾性体ブレード622の稜線部におけるブレード下面62bの研磨処理は、稜線部より処理幅10[μm]〜30[μm]でなされていることが好ましい。この範囲を超えて初期の研磨幅が大きくなりすぎると、経時における摩耗研磨幅が大きくなりすぎて、クリーニングブレード62の耐久性が十分得られない虞がある。この範囲より初期の研磨幅が小さくなりすぎると、鈍化の効果が小さい。
また、ブレード先端面62aの表面層623は、鈍角の稜線部62eを覆い稜線部62eより遠い側にその非形成領域があり、稜線部62eより先端面幅の略1/2の幅で形成されていることが好ましい。さらに、ブレード下面62bの表面層623は、稜線部62eよりブレード先端面62aの表面層623と略同じ幅で形成されていることが好ましい。ブレード先端面62a全面に表面層623を設け、同様の幅でブレード下面62bにも表面層623を設けた場合、経時での感光体3表面へのフィルミングや異音の発生を生じることがある。
また、表面層623は紫外線硬化樹脂からなり表面層623のブレード下面62b及びブレード先端面62aにおける層厚が各々0.5[μm]〜2[μm]であることが好ましい。弾性体ブレード622の直角形状の稜線部62cに鈍化処理をあらかじめ施し、且つ、表面層623が上記の範囲に形成されることにより、ブレード先端の運動性低下を生じず、良好なクリーニング性を維持できる。そして、このようにブレード先端の運動性低下を生じず、良好なクリーニング性を維持することで、感光体3へのフィルミングやブレード自体の異音発生を効果的に抑制できる。
また、弾性体ブレード622の直角形状の鈍化処理ではブレード下面62bに研磨処理を施しているので、実施形態1と同様に、ブレード下面62bの弾性体ブレード622表面は研摩により適度に荒らされ、溶剤や塗布液が染み込みやすくなる。表面層形成時に、染み込みやすさが向上すると表面層623と弾性体ブレード622のブレード下面62bとの界面での密着性が向上するとともに、染み込みによる改質はめくれ変形も抑制し、摩耗が均一化され安定した動作を得ることができるという効果も得られる。
また、上記したように、トナーからの遊離外添剤である遊離シリカ等による稜線部の摩耗に対し、本実施形態のような鈍角形状の稜線部62eとすることによりその摺擦現象を低減することが期待できる。また、省エネルギー化を目的とする低温定着トナーにおいてもクリーニングブレード62へのトナー固着や、感光体3表面へのフィルミング現象を抑制する効果が期待できる。加えて、クリーニングブレードの稜線部において動作時変形の少ないクリーニングブレード62とすることで、環境変動やクリーニングトナー入力変動に対して安定した動作を維持できるロバスト性が維持できる。
以下、検証実験2に基づき説明する。
弾性体ブレード622の材質、表面層623の材質、ブレード先端面62aにおける表面層623の形成をそれぞれ変化させて、耐久試験を行った。
弾性体ブレード622としては、実施形態1の検証実験と同様のウレタンゴム1〜5を用いた。
[ブレード下面エッジ部研摩処理]
鈍化処理として、ブレードの下面62bのエッジ部研磨処理を行う。3M製精密研摩シート(ラッピングフィルムシート)を用い、円筒基体に研摩シートを固定しウレタンゴム弾性体ブレードを当接させながら円筒基体を回転させてブレード下面先端を研摩することで処理を行った。研摩処理量は研摩シートの種類と処理時間により所定の処理量とした。処理量は図9における処理幅で設定した。
(研摩処理1)
研摩シート:#8000、粒度1[μm]
処理幅a:10[μm]
(研摩処理2)
研摩シート:#8000、粒度1[μm]
処理幅a:30[μm]
(研摩処理3)
研摩シート:#15000、粒度0.3[μm]
処理幅a:5[μm]
(研摩処理4)
研摩シート:#8000、粒度1[μm]
処理幅a:35[μm]
(研摩処理5)
研摩シート:#6000、粒度2[μm]
処理幅a:20[μm]
このような研磨処理1〜5により、図9のように弾性体ブレード622の鈍角形状の稜線部62d、62eが形成される。
表面層としては、実施形態1の検証実験と同様の表面層1〜5を用いた。
次に、検証実験を行った画像形成装置の構成について説明する。
上記ウレタンゴム1〜5のいずれかを用いて厚さ1.8[mm]の短冊形状の弾性体ブレードを作製し、ブレード下面先端部に適宜研摩処理を行った後、スプレー塗工法により上記表面層1〜表面層5いずれかの表面層を形成した。
具体的には、まずスプレー塗工によりブレード先端面から10[mm/s]のスプレーガン移動速度にて所定の層厚になるように先端面に重ね塗りを行った。3分間指触乾燥後、さらにブレード下面に同様に表面層が形成されるように塗工した。その後さらに3分間指触乾燥を行い、紫外線露光(140[W/cm]×5[m/min]×5パス)を行った。なお、このときスプレー塗工により表面層を形成する領域はマスキングテープにより、当接エッジを基準として、ブレード先端面、ブレード下面に同様に後述の各実施例に記載の領域に制限して塗工を行った。
表面層623が形成された弾性体ブレード622をリコー製カラー複合機 imagio MP C4500に搭載できる板金ホルダーに接着剤により固定し、試作のクリーニングブレード62とした。これを同じくリコー製カラー複合機 imagio MP C4500(図1と同様の構成)に取り付け、実施例6〜実施例10、比較例6〜比較例10の画像形成装置を作製した。なお、クリーニングブレード62は、所定の先端食い込み量と取り付け角度により線圧とクリーニング角を設定して取り付けた。
検証実験には、重合法により作製したトナーを用いた。なお、トナーの物性は、上記実施形態1の検証実験と同様のものである。
検証実験は、実験室環境:21[℃]・65[%RH]、通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、50,000枚(A4横)で行った。そして、実施形態1の検証実験と同様に、以下の項目を評価した。
[評価項目]
クリーニング不良発生:有無(目視観察)
評価時画像:縦帯パターン(紙進行方向に対して)43[mm]幅、3本チャート
出力20枚(A4横)
ブレードエッジ摩耗幅:図8に示すようにブレード下面側からみた摩耗幅
(ただし、エッジ鈍化処理による摩耗幅を含む)
ブレードエッジトナー固着:有無(顕微鏡観察、ブレードエッジより[1mm]の領域)
以下に、実施例6〜実施例10、比較例6〜比較例10のクリーニングブレードの検証実験の結果を示す。なお、表面層623の層厚は、キーエンス製マイクロスコープVHX−100を用い、別途同様に塗工した弾性体ブレードの断面により測定した。試料は日進EM製SEM試料作製用トリミングカミソリを用い断面を切断したものとした。
(実施例6)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
エッジ研摩処理:研摩処理2
表面層:表面層3
ブレード先端面、下面層厚:2.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.0[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:11.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例7)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
エッジ研摩処理:研摩処理1
表面層:表面層3
ブレード先端面、下面層厚:1.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.0[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:10.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例8)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
エッジ研摩処理:研摩処理5
表面層:表面層1
ブレード先端面、下面層厚:1.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:0.9[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:9.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例9)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
エッジ研摩処理:研摩処理2
表面層:表面層4
ブレード先端面、下面層厚:0.5[μm]
ブレード先端面表面層幅:0.9[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:20.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(実施例10)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
エッジ研摩処理:研摩処理1
表面層:表面層2
ブレード先端面、下面層厚:2.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.0[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:13.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:なし
異音発生:なし
(比較例6)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム1
エッジ研摩処理:なし
表面層:表面層3
ブレード先端面、下面層厚:0.3[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.0[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:23.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良3ヶ所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗発生
(比較例7)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム5
エッジ研摩処理:研摩処理3
表面層:表面層5
ブレード先端面、下面層厚:2.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.8[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:20.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良3ヶ所
異音発生:なし
(比較例8)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム4
エッジ研摩処理:研摩処理4
表面層:表面層4
ブレード先端面、下面層厚:3.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.0[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:31.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良2ヶ所
異音発生:ビビリ発生
(比較例9)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム2
エッジ研摩処理:なし
表面層:表面層5
ブレード先端面、下面層厚:10.0[μm]
ブレード先端面表面層幅:1.8[mm]
ブレードエッジ摩耗幅:20.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:なし
クリーニング不良発生:スジ状クリーニング不良2ヶ所
異音発生:ビビリ発生
(比較例10)
ベースウレタンゴム:ウレタンゴム3
エッジ研摩処理:なし
表面層:なし
ブレードエッジ摩耗幅:12.0[μm]
ブレードエッジトナー固着:有り
クリーニング不良発生:帯状クリーニング不良3ヶ所
異音発生:なし
先端面えぐれ摩耗発生
表2は、実施例6〜実施例10、比較例6〜比較例10の検証実験の結果をまとめたものである。
Figure 2013174858
表2に示すように、実施例6〜10のブレードの下面62bを研磨した後に表面層623を形成したクリーニングブレード62では、経時においてクリーニング不良、異音、えぐれ、ブレードエッジトナー固着等の発生はなかった。一方、比較例6、9では、鈍化処理を行わない直角形状の稜線部62cに表面層623を形成したものであり、経時においてクリーニング不良、異音、えぐれ等が発生した。また、比較例10の表面層623を設けないものは、経時においてクリーニング不良、先端面えぐれ摩耗、ブレードエッジトナー固着が発生した。
また、ブレードの下面62bと先端面62aとの研磨処理幅は、10[μm]〜30[μm]が適している。この範囲を超えて初期の研磨幅が大きいと、比較例8に示すように、経時における摩耗研磨幅が大きくなりすぎて、経時でクリーニング不良を発生させてしまう。この範囲より初期の研磨幅が小さいと、比較例7に示すように、鈍化の効果が小さく、経時でクリーニング不良を発生させてしまう。
以上、実施形態1、2では、弾性体ブレード622に鈍角の稜線部を形成するために、直角形状の稜線部62cを研磨処理して、鈍角の稜線部62d,62eを形成する方法を説明した。しかし、これに限らず、弾性体ブレード622に鈍角の稜線部を形成し、この稜線部を含むように表面層623を形成したクリーニングブレード62でもよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
短冊形状の弾性体ブレード622で構成され、弾性体ブレード先端の稜線部を表面移動する感光体3等の被清掃部材の表面に当接して、被清掃部材表面からトナー等の粉体を除去するクリーニングブレード62であって、弾性体ブレードの稜線部62cを鈍角に形成し、鈍角の稜線部を含む弾性体ブレードの表面に弾性体ブレードよりも硬い表面層623を設けたクリーニングブレードである。これによれば、上記実施形態に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。
(態様B)
(態様A)において、弾性体ブレード622の当接側先端には2つの稜線部62d、62eを形成され、それら稜線部のいずれかを被清掃部材表面に当接させるものである。このとき2つ稜線部は内角の合計が270度の鈍角となる。これによれば、上記実施形態に説明したように、(態様A)の効果に加え、2つの稜線部部62d、62eのいずれもが、クリーニング動作に充てることができ、各々適切な当接条件を選べ、クリーニングブレード62の配置レイアウトの自由度を広げるとともに、それらより好適な設定を選択することができる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、弾性体ブレード622は、当接する直角の稜線部62cを研磨処理により鈍化することで、2つの鈍角の稜線部62d、62eを形成したものである。これによれば、上記実施形態1、2に説明したように、弾性体ブレード622の先端部に良好に鈍角の稜線部を形成することができる。さらに、弾性体ブレードの表面に研磨処理を行って表面を適度に粗くしているので、表面層形成時に塗布液の染み込みやすさが向上する。これにより、弾性体ブレードと表面層との密着性を向上するとともに、染み込みによる改質はめくれ変形も抑制し、摩耗が均一化され安定した動作を得ることができるという効果も得られる。
(態様D)
(態様C)において、研磨処理により形成された鈍角の稜線部62d,62eのうち、被清掃部材の表面と対向するブレード下面62bに位置する側の稜線部62dを被清掃部材の表面に当接して、被清掃部材表面から粉体を除去する。これによれば、上記実施形態1に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。
(態様E)
(態様C)において、研磨処理により形成された鈍角の稜線部62d,62eのうち、弾性体ブレードの厚み方向に平行な面であるブレード先端面62bに位置する側の稜線部62eを被清掃部材の表面に当接して、被清掃部材表面から粉体を除去する。これによれば、上記実施形態2に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。
(態様F)
(態様C)乃至(態様E)のいずれかにおいて、弾性体ブレードの先端稜線部の研磨処理は、ブレード下面及びブレード先端面ともに処理幅5[μm]〜20[μm]で施されている。これによれば、上記実施形態1に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。
(態様G)
(態様F)において、表面層は紫外線硬化樹脂からなり表面層のブレード下面とブレード先端面における層厚が各々0.1[μm]〜2[μm]である。これによれば、上記実施形態1に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。
(態様H)
(態様C)乃至(態様E)のいずれかにおいて、弾性体ブレードの先端稜線部の研磨処理は、ブレード下面に処理幅10[μm]〜30[μm]で施されている。これによれば、上記実施形態2に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。
(態様I)
(態様H)において、表面層は紫外線硬化樹脂からなり表面層のブレード下面とブレード先端面における層厚が各々0.5[μm]〜2[μm]である。これによれば、上記実施形態2に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。
(態様J)
(態様A)乃至(態様I)のいずれかにおいて、表面層は稜線部より遠い側にその非形成領域があり、稜線部より先端面幅の略1/2の幅で形成されている。これによれば、上記実施形態1、2に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。
(態様K)
(態様A)乃至(態様J)のいずれかにおいて、ブレード下面の表面層は、稜線部よりブレード先端面の表面層と略同じ幅で形成されている。これによれば、上記実施形態1、2に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。
(態様L)
(態様A)乃至(態様K)のいずれかにおいて、弾性体ブレードとして、ウレタン基を含むゴムを用いる。これによれば、上記実施形態1、2に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の被清掃部材に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。
(態様M)
感光体3等の像担持体と、像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、像担持体表面に当接して像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段を備えた画像形成装置において、クリーニングブレードとして(態様A)乃至(態様L)のいずれかのクリーニングブレードを用いる。これによれば、上記実施形態に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の像担持体に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。よって、良質な画像を得ることができる。
(態様N)
像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、クリーニングブレードとして(態様A)乃至(態様L)のいずれかのクリーニングブレードを用いる。これによれば、上記実施形態に説明したように、経時使用における異音及び欠けの発生を抑制しつつ稜線部の像担持体に対する追随性を良好にできると共に、より安定したクリーニング性能を維持できる。また、プロセスカートリッジの形態を取ることで、操作性を向上できる。
1 プロセスカートリッジ
3 感光体
4 帯電装置
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 転写装置
10 潤滑剤塗布装置
14 転写ベルト
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 稜線部(直角)
62d 稜線部(鈍角、下面側)
62e 稜線部(鈍角、先端面側)
80 定着ユニット
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
123 像担持体
621 ホルダー
622 弾性体ブレード
623 表面層
特許第3602898号公報

Claims (14)

  1. 短冊形状の弾性体ブレードで構成され、該弾性体ブレード先端の稜線部を表面移動する被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去するクリーニングブレードにおいて、
    上記弾性体ブレードの稜線部を鈍角に形成し、該稜線部を含む該弾性体ブレードの表面に該弾性体ブレードよりも硬い表面層を設けたことを特徴とするクリーニングブレード。
  2. 請求項1に記載のクリーニングブレードにおいて、上記弾性体ブレードの当接側先端には2つの稜線部が形成され、それら稜線部のいずれかを上記被清掃部材表面に当接させることを特徴とするクリーニングブレード。
  3. 請求項1又は2に記載のクリーニングブレードにおいて、上記弾性体ブレードは、当接する直角の稜線部を研磨処理により鈍化して2つの鈍角の稜線部を形成したものであることを特徴とするクリーニングブレード。
  4. 請求項3に記載のクリーニングブレードにおいて、上記研磨処理により形成された鈍角の稜線部のうち、上記被清掃部材の表面と対向するブレード下面に位置する側の稜線部を上記被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去することを特徴とするクリーニングブレード。
  5. 請求項3に記載のクリーニングブレードにおいて、上記研磨処理により形成された鈍角の稜線部のうち、上記弾性体ブレードの厚み方向に平行な面であるブレード先端面に位置する側の稜線部を上記被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面から粉体を除去することを特徴とするクリーニングブレード。
  6. 請求項3乃至5のいずれか一に記載のクリーニングブレードにおいて、上記弾性体ブレードの先端稜線部の研磨処理は、上記ブレード下面及び上記ブレード先端面ともに処理幅5[μm]〜20[μm]で施されていることを特徴とするクリーニングブレード。
  7. 請求項6のクリーニングブレードにおいて、上記表面層は紫外線硬化樹脂からなり該表面層の上記ブレード下面と上記ブレード先端面における層厚が各々0.1[μm]〜2[μm]であることを特徴とするクリーニングブレード。
  8. 請求項3乃至5のいずれか一に記載のクリーニングブレードにおいて、上記弾性体ブレードの先端稜線部の研磨処理は、上記ブレード下面に処理幅10[μm]〜30[μm]で施されていることを特徴とするクリーニングブレード。
  9. 請求項8に記載のクリーニングブレードにおいて、上記表面層は紫外線硬化樹脂からなり該表面層の上記ブレード下面と上記ブレード先端面における層厚が各々0.5[μm]〜2[μm]であることを特徴とするクリーニングブレード。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一に記載のクリーニングブレードにおいて、上記表面層は上記稜線部より遠い側にその非形成領域があり、該稜線部より先端面幅の略1/2の幅で形成されていることを特徴とするクリーニングブレード。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一に記載のクリーニングブレードにおいて、上記ブレード下面の表面層は、上記稜線部より上記ブレード先端面の表面層と略同じ幅で形成されていることを特徴とするクリーニングブレード。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一に記載のクリーニングブレードにおいて、上記弾性体ブレードとして、ウレタン基を含むゴムを用いたことを特徴とするクリーニングブレード。
  13. 像担持体と、該像担持体表面にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、該像担持体表面に当接して該像担持体表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段を備えた画像形成装置において、上記クリーニングブレードとして請求項1乃至12のいずれか一に記載のクリーニングブレードを用いることを特徴とする画像形成装置。
  14. 像担持体と、少なくとも該像担持体の表面に付着した残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニングブレードとして請求項1乃至12のいずれか一に記載のクリーニングブレードを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
JP2012239229A 2012-01-24 2012-10-30 クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ Active JP6086297B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012239229A JP6086297B2 (ja) 2012-01-24 2012-10-30 クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ
US13/739,197 US8913944B2 (en) 2012-01-24 2013-01-11 Cleaning blade, and image forming apparatus and process cartridge using the cleaning blade

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012011709 2012-01-24
JP2012011709 2012-01-24
JP2012239229A JP6086297B2 (ja) 2012-01-24 2012-10-30 クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013174858A true JP2013174858A (ja) 2013-09-05
JP6086297B2 JP6086297B2 (ja) 2017-03-01

Family

ID=48797325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012239229A Active JP6086297B2 (ja) 2012-01-24 2012-10-30 クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8913944B2 (ja)
JP (1) JP6086297B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9411300B2 (en) 2014-05-22 2016-08-09 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus and cleaning blade
US10146169B2 (en) 2016-07-15 2018-12-04 Ricoh Company, Ltd. Cleaning blade, process cartridge, and image forming apparatus
JP2019032438A (ja) * 2017-08-08 2019-02-28 株式会社リコー クリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6218034B2 (ja) 2014-01-27 2017-10-25 株式会社リコー クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP6292472B2 (ja) 2014-03-07 2018-03-14 株式会社リコー 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2015175893A (ja) 2014-03-13 2015-10-05 株式会社リコー クリーニングブレードとこれを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2016212200A (ja) 2015-05-01 2016-12-15 株式会社リコー クリーニングブレード、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
US9851682B2 (en) 2015-07-03 2017-12-26 Ricoh Company, Ltd. Cleaning blade including modified portion including impregnated portion and surface layer, and process cartridge and image forming apparatus including the cleaning blade
CN111033391B (zh) 2017-10-19 2022-06-03 惠普印迪格公司 清洁液体电子照相打印机
JP7476500B2 (ja) * 2019-09-03 2024-05-01 コニカミノルタ株式会社 クリーニング装置、および画像形成装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06332350A (ja) * 1993-05-26 1994-12-02 Ricoh Co Ltd クリーニングブレード及びその製造方法並びに該クリーニングブレードを用いる画像形成装置
JPH0996996A (ja) * 1995-07-25 1997-04-08 Bando Chem Ind Ltd 電子写真装置用ブレード体
JP2008026545A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Canon Chemicals Inc クリーニングブレード及びクリーニングブレードを搭載した電子写真装置
JP2010152295A (ja) * 2008-06-13 2010-07-08 Ricoh Co Ltd クリーニングブレード、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法
JP2011197218A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Ricoh Co Ltd クリーニングブレード、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3602898B2 (ja) 1995-11-06 2004-12-15 バンドー化学株式会社 電子写真装置用ブレード体
JP2004233818A (ja) 2003-01-31 2004-08-19 Tokai Rubber Ind Ltd 電子写真機用ブレードおよびその製法
JP2009223071A (ja) 2008-03-18 2009-10-01 Ricoh Co Ltd クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP5517047B2 (ja) * 2010-03-02 2014-06-11 株式会社リコー クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06332350A (ja) * 1993-05-26 1994-12-02 Ricoh Co Ltd クリーニングブレード及びその製造方法並びに該クリーニングブレードを用いる画像形成装置
JPH0996996A (ja) * 1995-07-25 1997-04-08 Bando Chem Ind Ltd 電子写真装置用ブレード体
JP2008026545A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Canon Chemicals Inc クリーニングブレード及びクリーニングブレードを搭載した電子写真装置
JP2010152295A (ja) * 2008-06-13 2010-07-08 Ricoh Co Ltd クリーニングブレード、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法
JP2011197218A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Ricoh Co Ltd クリーニングブレード、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9411300B2 (en) 2014-05-22 2016-08-09 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus and cleaning blade
US10146169B2 (en) 2016-07-15 2018-12-04 Ricoh Company, Ltd. Cleaning blade, process cartridge, and image forming apparatus
JP2019032438A (ja) * 2017-08-08 2019-02-28 株式会社リコー クリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6086297B2 (ja) 2017-03-01
US8913944B2 (en) 2014-12-16
US20130189012A1 (en) 2013-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6086297B2 (ja) クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ
JP5517047B2 (ja) クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ
JP5532378B2 (ja) クリーニングブレード、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5532376B2 (ja) クリーニングブレード、画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成方法
JP6202360B2 (ja) クリーニングブレード、並びにこれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP6008245B2 (ja) クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP6168379B2 (ja) クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ
JP2012150203A (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5652644B2 (ja) 画像形成装置、プロセスカートリッジ
JP2010113133A (ja) クリーニングブレード、画像形成装置、プロセスカートリッジ、クリーニングブレード選定方法、及び、画像形成方法
JP2009223071A (ja) クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2012058359A (ja) クリーニングブレード、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5652645B2 (ja) 画像形成装置、プロセスカートリッジ
JP2010210879A (ja) クリーニングブレード、画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成方法
JP2009300751A (ja) 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2009223073A (ja) クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2015215499A (ja) ブレード部材、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2009300754A (ja) 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP5246558B2 (ja) クリーニングブレード、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2010191378A (ja) 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2011164377A (ja) クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ
JP2009223072A (ja) 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2011197218A (ja) クリーニングブレード、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP5549920B2 (ja) クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ
JP2010276651A (ja) クリーニングブレード、画像形成装置、及び、プロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170119

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6086297

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151