JP2019032438A - クリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、シリコーンを含有した紫外線硬化性組成物をゴム製の弾性部材に含浸させて膨潤させた後、紫外線照射処理して前記紫外線硬化性組成物を硬化させたクリーニングブレードが提案されている。
特許文献3には、弾性部材の当接部を含む部分にイソシアネート化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物から選ばれる少なくとも1種が含浸され、かつ前記当接部を含む弾性部材の表面に弾性部材よりも硬い表面層を設けたクリーニングブレードが提案されている。
特許文献4には、潤滑粒子及びバインダー樹脂を含有する被覆層を有するクリーニングブレードが提案されている。
特許文献5には、クリーニングブレードの先端稜線部は、該弾性ブレードの弾性体からなる基材、該基材とアクリル又は/及びメタクリル樹脂との混合層、及びアクリル又は/及びメタクリル樹脂層からなる表面層の積層構成が提案されている。また、特許文献5では表面層の厚さが0.5〜1.0μmであることが開示されている。
従来から、小粒径でかつ球形度に優れる重合トナーを用いる場合、クリーニングブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けが生じるという問題がある。前記すり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、前記クリーニングブレードの当接圧を高めると、図9(A)に示すように、像担持体123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まり、クリーニングブレード62が像担持体123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード62が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。
図1において、被清掃部材の進行方向下流側Bと対向する面62bがブレード下面であり、被清掃部材進行方向上流側Aと対向する先端の面62aがブレード先端面である。
また、弾性部材の被清掃部材の表面に当接する当接部は、弾性部材の先端稜線部を含む。また、先端稜線部がめくれる場合や線圧が高い場合ではブレード先端面の一部も当接部になりうる。
なす角Dの範囲としては120°≦D≦135°が好ましく、この場合、局所的な欠落を更に軽減することができる。
図3(A)では、ブレード先端面側に硬化物層623が形成されている場合の例である。すなわち、当接部よりも上流側で被清掃部材と対向する弾性部材の面に形成されている。硬化物層623の形成箇所としては、当接部を含む面の少なくとも一部であり、当接部を含む箇所であればよく、上述の硬化物層が形成されていることにより、先端稜線部の維持や基材の姿勢制御に良好な効果が得られる。
また、硬化物層は図3(B)のように、ブレード下面側、すなわち、当接部よりも下流側で被清掃部材と対向する弾性部材の面に形成されていてもよい。なお、図1に示される例は図3(B)に該当する。
上記の他にも、硬化物層は図3(C)のように、基材を覆うような箇所、すなわち、ブレード先端面及びブレード下面に形成されていてもよい。
本発明のクリーニングブレードの製造方法は、基材に硬化性組成物を塗工する工程と、加熱又は活性エネルギー線の照射により硬化性組成物を硬化する工程と、基材を裁断する工程とを有する。
これにより、当接部にも10μm以上の厚膜を形成することができ、鈍角化による先端稜線部のめくれ抑制と合わせた優れた効果を発揮することができ、長期の使用でもめくれが生じにくく、先端部の欠落が起こりにくい。
また、硬化物層の層厚は、塗工液の固形分濃度、溶剤、塗工条件(バーコート:ギャップ、スプレーコート:吐出量・距離・移動速度、ディップコート:引き上げ速度など)、塗工回数などの条件を適宜変更することにより制御することが可能である。
被清掃部材としては、その形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記被清掃部材の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状、などが挙げられる。被清掃部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、弾性部材624と同程度の幅を持っていることがより好ましい。
被清掃部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記クリーニングブレードを画像形成装置に適用した場合には、例えば、像担持体などが挙げられる。
前記付着物としては、被清掃部材表面に付着しており、クリーニングブレード62による除去対象となるものであれば特に制限されるものではない。例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物などが挙げられる。好適な除去対象の例としては、ガラス転移温度が50℃以下の低温定着性のトナーが挙げられる。
支持部材621としては、その形状、大きさ、及び材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。支持部材621の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。支持部材621の大きさとしては、特に制限はなく、被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
基材622の材質としては、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタン化合物(例えば、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマーなど)が選択される。
基材622の形状、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。基材622の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。基材622の大きさとしては、被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。また、基材622は従来公知の組成、工法により製造することができる。
硬化物層における硬化性組成物の硬化物としては、加熱により硬化する硬化物や活性エネルギー線を照射することにより硬化する硬化物が挙げられる。
加熱としては、適宜変更することが可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、恒温槽におけるエージング処理やアニール処理等が挙げられ、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。また、エポキシ硬化剤などの開始剤を用いてもよい。
活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
アクリル前駆体としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクレリート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、PEG400ジ(メタ)アクリレート、PEG200ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレートなどが挙げられる。
本実施形態の画像形成装置について、図4及び図5を参照して説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、前記クリーニング手段として上述の本発明のクリーニングブレードを備える。
給紙路153の搬送方向下流側端部には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、記録媒体Pを搬送ローラ対154から送られてくる記録媒体Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録媒体Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
図5に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
まず、操作部などからプリント実行の信号を受信すると、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータにより感光体3が図5中矢印方向に回転駆動される。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
前記押圧力は、例えば、共和電業社製小型圧縮型ロードセルを組み込んだ測定装置を用いて測定することができる。
本実施形態のプロセスカートリッジは、像担持体と、前記像担持体の表面に付着した付着物を除去するクリーニング手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。詳しくは、本実施形態のプロセスカートリッジは、像担持体と、本発明のクリーニングブレードとを内蔵し、適宜、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び除電手段等の手段を具備し、枠体に収められ、画像形成装置本体から着脱可能とした装置(部品)である。
以下に示す重合法(特開2014−92633号公報)によりトナーを作製した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202質量部(1.00mol)、アジピン酸15質量部(0.10mol)、1,6−ヘキサンジオール177質量部(1.50mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5質量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ12,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]は、Mw12,000であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202質量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール122質量部(1.03mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5質量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ25,000に達するまで反応を行い、[結晶性樹脂]を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物222質量部、ビスフェノールA PO2mol付加物129質量部、イソフタル酸166質量部、及びテトラブトキシチタネート0.5質量部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35質量部を加え、常圧で3時間反応させ、[非結晶性樹脂C−1]を得た。得られた[非結晶性樹脂C−1]は、Mw8,000、ガラス転移温度(Tg)62℃であった。
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、キシレン480質量部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業社製サンワックスLEL−400:軟化点128℃)100質量部を入れて充分溶解し、窒素置換した後、スチレン740質量部、アクリロニトリル100質量部、アクリル酸ブチル60質量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36質量部、及びキシレン100質量部の混合溶液を170℃で3時間滴下して重合し、更にこの温度で30分間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[グラフト重合体]を合成した。得られた[グラフト重合体]はMw24,000、Tg67℃であった。
撹拌棒及び温度計をセットした容器にパラフィンワックス(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)50質量部、[グラフト重合体]30質量部、及び酢酸エチル420質量部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液(1)]を得た。
・ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2(結着樹脂) 100質量部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100質量部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50質量部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ(2)]を作製した。
温度計及び撹拌機を備えた容器に、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]31.5質量部を入れ、固形分濃度が50質量%となる量の酢酸エチルを加えて、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。これに、[非結晶性樹脂C−1]の50質量%酢酸エチル溶液100質量部、[離型剤分散液(1)]60質量部、[マスターバッチ(2)]12質量部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相(1')]を得た。なお、[油相(1')]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、結晶化しないように作製から5時間以内に使用した。
次いで、後述するトナー母体の作製直前に、前記50℃に保たれた[油相(1')]235部に[結晶性樹脂前駆体B'−5]の酢酸エチル溶液25部を添加し、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相(1)]を調製した。
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600質量部、スチレン120質量部、メタクリル酸100質量部、アクリル酸ブチル45質量部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)10質量部、過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。更に1%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を加え、75℃で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は80nmであり、樹脂分の重量平均分子量は160,000、Tgは74℃であった。
水990質量部、[樹脂微粒子の水分散液]83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、[水相(1)]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に、[水相(1)]520質量部を入れて40℃まで加熱した。50℃に保たれた[油相(1)]235質量部に[結晶性樹脂前駆体B’−5]の酢酸エチル溶液25質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相(1’)]を調製した。40〜50℃に保持したままの[水相(1)]をTK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相(1’)]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー1]を得た。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ(1)を得た。
得られたトナー母体粒子(1)100質量部と、以下の外添剤をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー(1)を作製した。得られたトナーのガラス転移温度は50℃であった。
小粒径シリカ1.5質量部(クラリアント社製、H2000)
小粒径酸化チタン0.5質量部(テイカ社製、MT−150AI)
大粒径シリカ1.0質量部(電気化学工業社製、UFP−30H)
弾性部材の基材としては、下記表1に示されるJIS−A硬度、23℃反発弾性率、マルテンス硬度(HM)となる2つのウレタンゴム(基材1及び2)を用意した。測定方法を以下に示す。
弾性部材の基材の下面側のJIS−A硬度は、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD−1を用い、JIS K6253に準じて測定した(23℃)。
弾性部材の基材の反発弾性率は、23℃で、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚み4mm以上となるように厚み2mmのシートを重ね合わせたものを用いた。
基材の先端稜線部から100μm位置に対して、微小硬度計を使ってインデンテーション測定を行い、マルテンス硬度(HM)を求めた。微小硬度計はフィッシャー・インストルメンツ社のHM−2000で、ビッカース圧子を1.0mNの力で10秒間押し込み、5秒間保持し、1.0mNの力で10秒間除荷した。
<クリーニングブレード1の作製>
厚み1.8mmのシート状のポリウレタンゴム基材1を、被清掃部材と当接する箇所の角度が110°となるように、刃を傾けて裁断した。これに表4に記載の硬化性組成物(詳細は表2、表3参照)をスプレー塗工により基材の先端面から5mm/sのスプレーガン移動速度にて基材1の先端稜線部に重ね塗りを行った。その後、110℃の恒温槽で3時間エージング処理を行った後、165℃の恒温槽で2時間アニール処理をして硬化させて硬化物層を形成した。当接部付近の断面が図3(C)に示される構成となるようにした。
次に、前記当接部に硬化物層が形成された弾性部材をカラー複合機(imagio MP C4500、リコー社製)に搭載できるように板金ホルダー(支持部材)に接着剤で固定した。
以上により、当接部に硬化物層が形成されたクリーニングブレード1を作製した。
作製したクリーニングブレード1をカラー複合機(imagio MP C4500、リコー社製)(プリンタ部は図4に示す画像形成装置500と同様の構成)に取り付け、実施例1の画像形成装置を組み立てた。
なお、クリーニングブレードは、線圧:20g/cmとなるように画像形成装置に取り付けた。また、上記装置は感光体表面への潤滑剤塗布装置を備えており、潤滑剤塗布により感光体表面の静止摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。なお、感光体表面の静止摩擦係数の測定方法については、オイラーベルトの方法で、例えば、特開平9−166919号公報の段落番号0046に記載されている。
<クリーニングブレード2の作製>
実施例1において、下記表4の通り、硬化性組成物の組成、開始剤、内角D、硬化物層の厚みを変更し、更にエージング及びアニール処理を80℃、1時間のアニール処理に変更した以外は、実施例1と同様にして、クリーニングブレード2を作製した。
作製したクリーニングブレードを実施例1のクリーニングブレード1と同様にカラー複合機に取り付け、画像形成装置を組み立てた。
<クリーニングブレード3〜12の作製>
実施例1において、下記表4、表5の通り、基材、硬化型組成物の組成、硬化物層の形成領域、内角D、硬化物層の厚みを代えて塗工を行った。
硬化条件は実施例1とは異なり、UV照射積算量が6000mJ/cm2となるように高圧水銀ランプを用いて紫外線露光を行った。紫外線露光(照射雰囲気)は窒素雰囲気下で行った。このとき、高圧水銀ランプが上方にあるのに対し、ブレードの先端稜線部を上向きにセットして紫外線を照射させることで、紫外線が先端稜線部に効率的に照射されるようにした。
なお、紫外線積算光量の測定については、紫外線積算光量計UIT−250(ウシオ電機社製)を用いて254nmの波長における紫外線積算光量を測定した。このとき、積算光量計のセンサー部がクリーニングブレードの先端稜線部の高さと同じになるようにして測定をした。
<クリーニングブレード13の作製>
実施例1のクリーニングブレード1において、図7の断面図に示されるように、内角Dを90°に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1のクリーニングブレード13を作製した。
作製したクリーニングブレードを実施例1のクリーニングブレード1と同様にカラー複合機に取り付け、画像形成装置を組み立てた。
<クリーニングブレード14、15の作製>
実施例3において、110℃の恒温槽で0.5時間エージング処理を行った後、紫外線を照射する方法に代え、内角D及び硬化物層の層厚を表6の通りに代え、クリーニングブレードの断面形状を図7のように代えた以外は、実施例3と同様にクリーニングブレード14、15を作製した。
作製した各クリーニングブレードを実施例1のクリーニングブレード1と同様にカラー複合機に取り付け、画像形成装置を組み立てた。
<クリーニングブレード16〜19の作製>
比較例2において、内角D及び硬化物層の層厚を表6の通りに代え、更にクリーニングブレードの断面形状を図3(C)のように代えた以外は、比較例2と同様にクリーニングブレード16〜19を作製した。
作製した各クリーニングブレードを実施例1のクリーニングブレード1と同様にカラー複合機に取り付け、画像形成装置を組み立てた。
<クリーニングブレード20の作製>
比較例6において、硬化物層を形成しなかった以外は、比較例6と同様にクリーニングブレード20を作製した。
作製したクリーニングブレードを実施例1のクリーニングブレード1と同様にカラー複合機に取り付け、画像形成装置を組み立てた。
<硬化物層の厚み>
図8は、クリーニングブレードの当接部における厚みの測定箇所を説明するための断面図である。図8(A)は図3(B)における別の断面図である。図8の破線に示すように、前記弾性部材を長手方向に対して直交する面で輪切りにすると図8(B)に示されるような断面が得られ、この断面を上向きにして、デジタルマイクロスコープVHX−2000(キーエンス社製)で観察した。測定箇所は、前記断面のブレード当接部(先端稜線部)である。このようにして図8(B)に示される層厚dを求める。測定は10箇所行い、平均値を求めた。
前記弾性部材を輪切りにする方法としては、弾性部材の長手方向の厚みが3mmとなるように、弾性部材の長手方向に対して垂直に剃刀を用いて切断した。その際、垂直スライサーを用いると断面をよりきれいに切ることができる。前記弾性部材を輪切りにする長手方向の位置は、両端の2cmの部分を除いた位置とした。
硬化物層を形成した後に硬化物層の先端稜線部から100μm位置に対して、微小硬度計を使ってインデンテーション測定を行い、マルテンス硬度(HM)を求めた。微小硬度計はフィッシャー・インストルメンツ社のHM−2000で、ビッカース圧子を1.0mNの力で10秒間押し込み、5秒間保持し、1.0mNの力で10秒間除荷した。
下記表4〜表6においては、硬化物層のマルテンス硬度と基材のマルテンス硬度を比較した結果を示した。硬化物層と基材のマルテンス硬度の差が±0.5N/mm2以内である場合を「同等」とした。
前記画像形成装置を用い、実験室環境:21℃で65%RH、通紙条件:画像面積率5%チャートを3プリント/ジョブで、50,000枚(A4サイズ横)を出力し、以下の評価を行った。
前記50,000枚の出力を行った後、画像出力後の評価機から感光体を取り出し、レーザマイクロスコープVK−9510(キーエンス社製)により観察した。感光体表面に存在する表面異常の発生箇所数により、クリーニング性を評価した。感光体の表面にトナー等の付着物がある場合、表面異常として観測される。下記、「◎」「○」「△」を許容可とし、「×」を許容不可とした。
◎:5ヶ所未満
○:5ヶ所以上10ヶ所未満
△:10ヶ所以上15ヶ所未満
×:15ヶ所以上
異音の評価として、クリーニング性評価の画像出力時にデジタル騒音計CENTER325により発生音を収集し、以下の評価基準で判断した。このとき、高周波や低周波など音に違いがある場合でも、ブレードから出ている音であれば区別なく異音として発生の有無を評価した。「○」「△」を許容可とし、「×」を許容不可とした。
○:50db未満
△:50db以上60db未満
×:60db以上
前記50,000枚の出力を行った後、弾性部材における先端稜線部の欠落の有無を弾性部材の先端面側から、レーザマイクロスコープVK−9510(キーエンス社製)により観察した。クリーニングブレードの長手方向の中央部を3視野(1視野:100μm角)観察し、先端稜線部の欠落箇所を観察し、以下の評価基準で判断した。
○:3ヶ所未満
△:3ヶ所以上10ヶ所未満
×:10ヶ所以上
2 枠体
3 感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 一次転写ローラ
10 潤滑剤塗布装置
14 中間転写ベルト
40 光書込ユニット
41 ポリゴンミラー
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
55 レジストローラ対
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
621 支持部材
622 基材
623 硬化物層
624 弾性部材
63 第1ブラケット
64 第2ブラケット
66 二次転写バックアップローラ
67 駆動ローラ
68 補助ローラ
69 テンションローラ
70 二次転写ローラ
80 定着ユニット
81 加圧加熱ローラ
82 定着ベルトユニット
83 加熱ローラ
84 定着ベルト
85 テンションローラ
86 駆動ローラ
87 排紙ローラ対
88 スタック部
100 トナーカートリッジ
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
103a 潤滑剤加圧スプリング
103b ブラケット
123 像担持体
151 第一給紙カセット
151a 第一給紙ローラ
152 第二給紙カセット
152a 第二給紙ローラ
153 給紙路
154 搬送ローラ対
162 ベルトクリーニングユニット
162a ベルトクリーニングブレード
500 画像形成装置(プリンタ)
Claims (9)
- 被清掃部材の表面に当接して、前記被清掃部材の表面に付着した付着物を除去する弾性部材を備え、
前記弾性部材は、基材と、硬化性組成物の硬化物からなる硬化物層とを有し、
前記硬化物層は、前記被清掃部材と当接する当接部を含む面の少なくとも一部に前記当接部を含んで形成され、前記当接部における硬化物層の層厚が10μm以上100μm以下であり、
前記当接部よりも上流側で前記被清掃部材と対向する前記弾性部材の面と、前記当接部よりも下流側で前記被清掃部材と対向する前記弾性部材の面とのなす角が、110°以上145°以下であることを特徴とするクリーニングブレード。 - 前記なす角が、120°以上135°以下であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングブレード。
- 前記当接部における硬化物層の層厚が、12μm以上65μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニングブレード。
- 前記硬化物層は、前記基材よりもマルテンス硬度が高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクリーニングブレード。
- 前記硬化物層は、前記当接部から1〜7mmの領域に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクリーニングブレード。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のクリーニングブレードの製造方法であって、
前記基材に前記硬化性組成物を塗工する工程と、
加熱又は活性エネルギー線の照射により前記硬化性組成物を硬化する工程と、
前記基材を裁断する工程とを有することを特徴とするクリーニングブレードの製造方法。 - 像担持体と、前記像担持体の表面に付着した付着物を除去するクリーニング手段とを有するプロセスカートリッジであって、
前記クリーニング手段が、請求項1〜5のいずれかに記載のクリーニングブレードを備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 像担持体と、
前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置であって、
前記クリーニング手段が、請求項1〜5のいずれかに記載のクリーニングブレードを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体表面を帯電させる帯電工程と、
帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光工程と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、
クリーニング手段により前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程とを有する画像形成方法であって、
前記クリーニング手段が、請求項1〜5のいずれかに記載のクリーニングブレードを備えることを特徴とする画像形成方法。
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