JP2017016083A - クリーニングブレード、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記クリーニング手段のクリーニング部材として、一般的に構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。前記クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して当接部(先端稜線部)を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーを堰き止めて掻き落とし除去する。
本発明のクリーニングブレードは、被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面に付着した付着物を除去する弾性部材を備え、前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する当接部が、硬化性組成物による改質部を有するクリーニングブレードにおいて、前記改質部が、前記当接部表面から厚み方向の領域に第1の硬化性組成物の硬化物を含有する含浸部、及び/又は前記当接部表面に第2の硬化性組成物の硬化物からなる表面層からなり、前記改質部表面のタック最大値が3.0[gf/mm2]以下になるように形成されている。
本発明において、弾性部材を構成する基材の長手方向の面で、被清掃部材進行方向下流側と対向する面を基材の下面といい、基材の先端稜線部を含む被清掃部材進行方向上流側と対向する先端の面を基材の先端面という。
また、弾性部材の長手方向の面で、被清掃部材進行方向下流側と対向する面をブレード下面といい、弾性部材の先端稜線部を含む被清掃部材進行方向上流側と対向する先端の面をブレード先端面という。
図1Aにおいて、被清掃部材の進行方向下流側Bと対向する面62bがブレード下面であり、被清掃部材進行方向上流側Aと対向する先端の面62aがブレード先端面である。
弾性部材の被清掃部材の表面に当接する当接部は、弾性部材の先端稜線部を含む。また、先端稜線部がめくれる場合や線圧が高い場合ではブレード先端面の一部も当接部になりうる。
また、タック最大値のより好ましい範囲としては、0.05[gf/mm2]以上1.2[gf/mm2]以下である。0.05[gf/mm2]以上とすることにより付着物の除去に必要な密着性が十分となりクリーニング不良が発生しにくくなることや、当接圧を強くしなくてもよいので、摩耗が進みにくくなりクリーニング不良が発生しにくくなる。また、1.2[gf/mm2]以下であるとめくれや過剰なスティックスリップを充分抑制することができる。
改質部表面が含浸部である場合は、含浸材料種、含浸時間・含浸液の固形分濃度・含浸後の余剰液の洗浄工程・洗浄液種を適宜変更することによって含浸部の表面状態(粗さ)を制御することができ、表面のタック最大値を3.0[gf/mm2]以下とすることができる。
内部のタック最大値の好ましい範囲としては、ブレード下面の改質部表面から5[μm]内部における面のタック最大値が、6.0[gf/mm2]以下であり、0.05[gf/mm2]以上3.0[gf/mm2]以下がより好ましい。
測定において、Φ5[mm]もしくはΦ8[mm]のSUSプローブを使用した。測定条件は、荷重200[g]、押込み保持時間2[s]、引き上げ速度600[mm/min]、温度23[℃]とした。測定部位は、弾性部材のブレード下面とし、図10に示すように、先端稜線部をプローブ位置の端とした。
タッキング試験機では、プローブをサンプルに一定荷重で押し付け、一定速度でサンプルからプローブを引き離すときにプローブがサンプルから粘着力により受ける抵抗を荷重値として測定することができる。この引き離す時に受けた最も高い荷重の値をプローブの面積で割った値をタック最大値としている。代表的なサンプルのタック最大値測定時のプロファイルを図11に示す。
本発明においては、タック最大値は3回測定し、その平均値をサンプルのタック最大値とした。
尚、クリーニングブレードの前記改質部表面のタック最大値について、改質部がプローブ径より小さい場合では、改質部表面のみのタック最大値を測定することができない。可能であれば測定用に改質部がプローブ径より大きくなるように同条件で作製したサンプルを用意して測定する。測定用のサンプルが作製不可のものに関しては、プローブの約半分以上が改質部に接していれば、改質部表面のタック最大値として扱ってもよい。
図6A〜図6Bにブレード下面の改質部の表面から5[μm]内部の面の測定面を露出させる例を示す。図6Aは改質部が含浸部のみの場合であり、図6Bは更に表面層を有する場合である。
測定面を露出させたあとは改質部表面のタック最大値の測定と同様に先端稜線部にプローブ端部を合わせた位置でタック最大値の測定を行った。
前記クリーニングブレード62では、弾性部材622は、ウレタンゴムからなる基材に対してディップ塗工により第1の硬化性組成物を含浸させ、さらに表面層623を形成する第2の硬化性組成物をスプレー塗工した後、紫外線照射や加熱により樹脂を硬化させている。
含浸させた第1の硬化性組成物を硬化させるために紫外線照射や加熱などの処理をするタイミングとしては、基材に第1の硬化性組成物を含浸させた後、表面層623を被覆する前に、紫外線照射や加熱などの処理をしてもよい。弾性部材622の基材となるウレタンゴムに前記第1の硬化性組成物を含浸させた後、一度、紫外線照射や加熱などの処理をして含浸させた前記第1の硬化性組成物を硬化させた後に、表面層623を形成する第2の硬化性組成物で被覆する構成であれば、表面層623を形成する前にウレタンゴムに対して第1の硬化性組成物の含浸状態を固定し、後から表面層623を形成する第2の硬化性組成物を塗布しても、含浸状態が変化しないため、所望の含浸状態の弾性部材622を作製できる。
改質部のブレード下面の表面から5[μm]内部を含む面の低いタック性は、ポリウレタンなどの基材に、硬化性樹脂モノマーを、含浸させたりすることにより得ることができる。含浸させる場合には、硬化性樹脂モノマーの種類、重合開始剤の種類、硬化方法、処方液の固形分濃度、処方液の重合開始剤濃度、含浸時間、含浸後のブレード表面の樹脂残渣の洗浄工程、表面層の形成などにより、内部のタック最大値の値が変化する。例えば、含浸量が多い(含浸時間長い、含浸液の溶剤種、洗浄条件)、硬化率が高い(重合開始剤濃度、紫外線積算光量、紫外線照射雰囲気)場合は内部のタック最大値が小さくなる。
表面層623としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、硬化物のマルテンス硬度が、基材のマルテンス硬度よりも硬い第2の硬化性組成物を用いることが好ましく、0.3[μm]以上5.0[μm]以下の厚みで被覆するのが好ましい。表面層の厚みは、0.8[μm]以上2.5[μm]以下がより好ましい。また、表面層623は、弾性部材622の基材よりも硬度が高い部材とすることで、剛直なため、変形し難く、クリーニングブレード62の先端稜線部62cのめくれを抑制することができる。
当接部を含む表面に弾性部材622の基材よりも硬い表面層623を0.3[μm]以上5.0[μm]以下の厚みで設けることが好ましい。
このように、弾性部材622の先端稜線部62cが、表面層623及び/又は含浸部分62dを有することで、先端稜線部から20[μm]の距離での表面のマルテンス硬度が1.0[N/mm2]〜15.0[N/mm2]であることを実現できる。
弾性部材の改質部の、ブレード下面における表面粗さRaは0.20[μm]以上1.00[μm]以下であることが好ましい。
前記被清掃部材としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記被清掃部材の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状、などが挙げられる。前記被清掃部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の大きさが好ましい。
前記被清掃部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。
前記被清掃部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記クリーニングブレードを画像形成装置に適用した場合には、例えば、像担持体、などが挙げられる。
前記付着物としては、被清掃部材表面に付着しており、前記クリーニングブレードの除去対象となるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物、などが挙げられる。これらの中でも、トナーが好ましく、ガラス転移温度が50[℃]以下の低温定着性のトナーが特に好ましい。
本発明のクリーニングブレードは、支持部材と、該支持部材に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなることが好ましい。前記クリーニングブレードは、前記弾性部材の自由端側の一端である先端稜線部を含む当接部が前記被清掃部材表面に長手方向に沿って当接するように配置される。
前記支持部材としては、その形状、大きさ、及び材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記支持部材の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。前記支持部材の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記支持部材の材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。これらの中でも、強度の点から金属板が好ましく、ステンレススチール等の鋼板、アルミニウム板、リン青銅板が特に好ましい。
前記弾性部材622としては、その形状、材質、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記弾性部材622の形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。前記弾性部材622の大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
前記弾性部材622の基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマー、などが好適である。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01[質量%]以上0.5[質量%]以下が好ましく、0.05[質量%]以上0.3[質量%]以下がより好ましい。
ここで、前記基材のJIS−A硬度は、例えば、高分子計器株式会社製 マイクロゴム硬度計 MD−1などを用いて測定することができる。
ここで、前記基材の反発弾性係数は、例えば、JIS K6255規格に準拠し、23[℃]において、株式会社東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用いて測定することができる。
前記「前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する当接部が、硬化性組成物による改質部を有する」とは、前記像担持体に当接する先端稜線部62cに改質処理を施していることを示す。前記改質部は前記先端稜線部62cの表面だけでなく内部に含まれてもよく、先端稜線部62cを覆うように表面層を形成した場合には、先端稜線部62cの内部に含まれており、かつ先端稜線部62cに表面層を形成している場合、なども含まれる。前記弾性部材622の少なくとも先端稜線部62cに改質部を形成する材料が含まれていれば、前記弾性部材622の先端稜線部62c以外の部位にも改質部を形成する材料が含まれていてもかまわない。
これにより、弾性部材の当接部の摩耗が進行しても、表面層近傍内部の高硬度化が保たれるので長期に亘って、良好なクリーニング性を保持することができる。
前記弾性部材622の前記被清掃部材の表面に当接する当接部は、前記当接部表面から厚み方向の領域において、第1の硬化性組成物の硬化物を含有することが好ましい。
前記「当接部表面から厚み方向の領域において、第1の硬化性組成物の硬化物を含有する」とは、前記当接部の表面だけでなく内部に含まれていることを意味し、前記当接部の内部に含まれており、かつ当接部に表面層を形成している場合も含まれる。
なお、前記弾性部材の少なくとも当接部に硬化性組成物の硬化物が含まれていれば、前記弾性部材の当接部以外の部位にも硬化性組成物の硬化物が含まれていても構わない。第1の硬化性組成物の硬化物が含まれてよい当接部以外の部位としては、ブレード下面、ブレード先端面の全面やブレード下面の裏面などが挙げられる。
前記硬化性組成物とは、モノマーやオリゴマーが光や熱などのエネルギーを受けることにより重合硬化し硬化物(固形ポリマー)を形成する材料のことである。重合を開始させる活性種(ラジカル、イオン、酸、塩基など)を発生させる開始剤や刺激(電子線)の種類によってエネルギー源が異なり、例えば紫外線硬化性組成物、熱硬化性組成物、電子線硬化組成物が挙げられる。
紫外線硬化組成物や電子線硬化組成物では、光重合開始剤が用いられ、紫外線や電子線を照射することで、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれかに分類される硬化反応がおこり、ビニル重合、ビニル共重合、開環重合、付加重合などの重合反応により硬化物を生成する。
熱硬化性組成物は、熱重合開始剤が用いられ加熱することにより硬化反応が開始され、イソシアナート、ラジカル重合、エポキシ開環重合、メラミン系縮合などの重合反応により硬化物を生成する。
このような反応により生成する前記硬化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アミノ樹脂などが挙げられる。硬度の観点から(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
前記第1の硬化性組成物としては、紫外線硬化性組成物であることが好ましい。
前記紫外線硬化性組成物は(メタ)アクリレート化合物を含有することが望ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、分子内に嵩高い特殊な脂環構造を有しているので、官能基数が少なく、かつ分子量が小さい(メタ)アクリレート化合物を用いることができるので、前記弾性部材の当接部に含浸されやすく、前記当接部の硬度を効率よく向上させることができる。
前記分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の官能基数は、2以上が好ましく、2以上6以下がより好ましく、2以上4以下が更に好ましい。前記官能基数が、2以上であると、当接部の硬度が弱くなることがなく、6以下であると、立体障害が起きることがない。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の分子量分は、200以下が好ましい。前記分子量が、200以下であると、分子サイズが小さくなるため弾性部材に含浸しやすくなり、高硬度化が容易となる。
前記トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:A−DCP(新中村化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記アダマンタン構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、商品名:X−DA(出光興産株式会社製)、商品名:X−A−201(出光興産株式会社製)、商品名:ADTM(三菱ガス化学株式会社製)、などが挙げられる。
前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物(特に、トリシクロデカン構造を有する(メタ)アクリレート化合物)が、前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する当接部に含まれていることは、例えば、赤外顕微鏡、又は液体クロマトグラフィーにより分析することができる。
前記分子量が100以上1,500以下の(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクレリート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,18−オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、PEG400ジ(メタ)アクリレート、PEG200ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール・ヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、オクチル/デシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物が好ましい。
前記官能基数が3〜6のペンタエリスリトールトリアクリレート構造を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
前記フッ素系(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレート、2−[(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−(トリフルオロメチル)−2'−ヒドロキシ)プロピル]−3−ノルボルニルメタクリレート、1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシ−4−メチル−5−ペンチルメタクリラート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘニコサフルオロドデシルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘニコサフルオロドデシルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,12,12,12−ヘニコサー11−(トリフルオロメチル)ドデシルメタクリレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合開始剤、重合禁止剤、希釈剤、などが挙げられる。
前記重合開始剤としては、光又は熱などにより重合を開始させるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。光重合開始剤としては、光のエネルギーによりラジカルやカチオンなどの活性種を生成して重合を開始させる光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、などが好ましく、光ラジカル重合開始剤がより好ましい。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、ジ−t−ブチルパラクレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、α−ナフトール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール化合物;p−ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、2,5−ジ−ブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、モノメチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン等のキノン化合物;フェニル−β−ナフチルアミン、p−ベンジルアミノフェノール、ジ−β−ナフチルパラフェニレンジアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、フェニルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ジニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸等のニトロ化合物;キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム化合物;フェノチアジン等の硫黄化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記希釈剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;エタノール、プロパノール、1−ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記クリーニングブレードの当接部に含浸させた前記第1の硬化性組成物を硬化させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線の照射、加熱などによる処理などが挙げられる。これらの中でも、紫外線の照射による処理が好ましい。
前記紫外線を照射する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、装置の内部に紫外線の光源が設けられ、コンベア等の搬送手段により被硬化物を搬送しながら紫外線を照射する装置などが挙げられる。
前記紫外線の光源としては、重合開始剤に対応するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ランプ、紫外線発光半導体素子、などが挙げられる。
前記ランプとしては、例えば、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、などが挙げられ、市販品を使用することができる。前記市販品としては、例えば、ヘレウス株式会社製のHバルブ、Dバルブ、Vバルブ、などが挙げられる。
前記紫外線発光半導体素子としては、紫外線発光ダイオードや紫外線発光半導体レーザ、などが挙げられる。
前記紫外線の種類としては、前記硬化性組成物に含有させる重合開始剤に対応するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、波長200nm以上400nm以下の紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどが挙げられる。
前記紫外線の照射の条件については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積算光量が500[mJ/cm2]以上が好ましい。また、酸素阻害による硬化率の低下を抑制するためには不活性ガス(Ar、N2、CO2など)雰囲気下での照射がより好ましい。
前記弾性部材の当接部に、前記第1の硬化性組成物の硬化物を含ませることにより、弾性部材のウレタンゴムと第1の硬化性組成物の硬化物を含む混合層が形成される。すると、ゴム内部に樹脂の網目鎖が形成されることで、ゴム自体の架橋密度が擬似的に増加し、耐摩耗性が向上すると考えられる。その結果、前記弾性部材の当接部が高硬度化し、タック性も小さくなることで、当接部が捲れたり、変形するのを抑制することができる。更に、経時による当接部の摩耗によって内部が露出したときも内部への含浸作用により、同様に捲れや変形を抑制することができる。
前記当接部は、表面に第2の硬化性組成物の硬化物からなる表面層を有してもよい。
前記第2の硬化性組成物としては、紫外線硬化性組成物であることが好ましい。
前記紫外線硬化性組成物は(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記分子内にペンタエリスリトール構造を有する(メタ)アクリレート化合物は、官能基当量分子量が110以下であり、官能基数が3〜6のものが好ましく、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトール・トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
前記分子量が100以上1,500以下の他の(メタ)アクリレート化合物、前記フッ素系(メタ)アクリレート化合物、及び前記分子内に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物としては、前記第1の硬化性組成物と同様なものの中から適宜選択することができる。
前記その他の成分としては、前記第1の硬化性組成物と同様なものを用いることができる。
表面層は先端稜線部から500[μm]以上あることが好ましい。
前記クリーニングブレードの当接部に形成した表面層の前記第2の硬化性組成物を硬化させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線の照射、加熱などによる処理などが挙げられる。これらの中でも、紫外線の照射による処理が好ましい。
前記紫外線を照射する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、装置の内部に紫外線の光源が設けられ、コンベア等の搬送手段により被硬化物を搬送しながら紫外線を照射する装置などが挙げられる。
前記紫外線の光源としては、重合開始剤に対応するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ランプ、紫外線発光半導体素子、などが挙げられる。
前記ランプとしては、例えば、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、などが挙げられ、市販品を使用することができる。前記市販品としては、例えば、ヘレウス株式会社製のHバルブ、Dバルブ、Vバルブ、などが挙げられる。
前記紫外線発光半導体素子としては、紫外線発光ダイオードや紫外線発光半導体レーザ、などが挙げられる。
前記紫外線の種類としては、前記硬化性組成物に含有させる重合開始剤に対応するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、波長200nm以上400nm以下の紫外線、遠紫外線、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどが挙げられる。
前記紫外線の照射条件については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積算光量が500[mJ/cm2]以上が好ましい。また、酸素阻害による硬化率の低下を抑制するためには不活性ガス(Ar、N2、CO2など)雰囲気下での照射がより好ましい。
ここで、ビッカース圧子を押し込むときの積算応力をWplast、試験荷重除荷寺の積算応力をWelastとすると、弾性仕事率は、Welast/Wplast×100[%]の式で定義される特性値である(図8参照)。前記弾性仕事率が高いほど、塑性変形が少ない、即ち、ゴム性が高いことを表す。前記弾性仕事率が低すぎると、ゴムというよりガラスに近い状態であり、当接部の動きが抑制されすぎて、逆に耐摩耗性を悪化させる。通常、(メタ)アクリル樹脂は、前記マルテンス硬度の範囲では、前記弾性仕事率がある程度高く、ゴムの状態が得られる。しかし、前記(メタ)アクリル樹脂の構造によっては弾性仕事率が高くなりすぎて、クリーニングブレードとしての姿勢を適度に保てないことがある。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、前記クリーニング手段として本発明のクリーニングブレードを用いる。像担持体にはクリーニング補助手段として潤滑剤が塗布される機構を備えていても良い。
図3は、プリンタ500を示す概略構成図である。プリンタ500は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の四つの作像ユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
また、四つの作像ユニット1の下方に光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各作像ユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
図4に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
感光体3の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5、一次転写ローラ7、クリーニング装置6、潤滑剤塗布装置10及び除電ランプ等が配置されている。帯電ローラ4は、帯電手段としての帯電装置が備える帯電部材であり、現像装置5は、感光体3の表面上に形成された潜像をトナー像化する現像手段である。一次転写ローラ7は、感光体3の表面上のトナー像を中間転写ベルト14に転写する一次転写手段としての一次転写装置が備える一次転写部材である。クリーニング装置6は、トナー像を中間転写ベルト14に転写した後の感光体3上に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段である。潤滑剤塗布装置10は、クリーニング装置6がクリーニングした後の感光体3の表面上に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段である。除電ランプは、クリーニング後の感光体3の表面電位を除電する除電手段である。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600〜800[nm]の長波長光を有するため、良好に使用される。
操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータにより感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
静電潜像の形成された感光体3の表面は、現像装置5との対向部で現像ローラ51上に形成された現像剤の磁気ブラシによって摺擦される。このとき、現像ローラ51上の負帯電トナーは、現像ローラ51に印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動し、トナー像化(現像)される。各作像ユニット1において、同様の作像プロセスが実行され、各作像ユニット1Y,C,M,Kの各感光体3Y,C,M,Kの表面上に各色のトナー像が形成される。
このように、プリンタ500では、感光体3上に形成された静電潜像は、現像装置5によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
中間転写ベルト14上に形成された四色トナー像は、第一給紙カセット151または第二給紙カセット152から給紙され、レジストローラ対55のローラ間を経て、二次転写ニップに給紙される転写紙Pに転写される。このとき、転写紙Pはレジストローラ対55に挟まれた状態で一旦停止し、中間転写ベルト14上の画像先端と同期を取って二次転写ニップに供給される。トナー像が転写された転写紙Pは中間転写ベルト14から分離され、定着ユニット80へ搬送される。そして、トナー像が転写された転写紙Pが定着ユニット80を通過することにより、熱と圧力の作用でトナー像が転写紙P上に定着されて、トナー像が定着された転写紙Pはプリンタ500装置外に排出され、スタック部88にスタックされる。
また、一次転写ニップで中間転写ベルト14に各色のトナー像を転写した感光体3の表面は、クリーニング装置6によって転写後の残留トナーが除去され、潤滑剤塗布装置10によって潤滑剤が塗布された後、除電ランプで除電される。
プリンタ500に用いるトナーとしては、画質向上のために、高円形化、小粒径化がし易い懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いるのが好ましい。特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]のものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
本発明のクリーニングブレードは、上述のような重合トナーにおいてもクリーニング不良を発生することがなく、異音や振動、先端稜線部の欠落等も生じることがない。
弾性部材の基材の下面側のJIS−A硬度は、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD−1を用い、JIS K6253に準じて測定した(23[℃])。
弾性部材の基材の反発弾性率は、23[℃]で、株式会社東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚み4[mm]以上となるように厚み2[mm]のシートを重ね合わせたものを用いた。
下記に示す実施例及び比較例は、弾性部材の基材、含浸部分の含浸処理材料(硬化性組成物)、含浸時間、表面層の表面処理材料(硬化性組成物)、表面層の平均厚み、及び表面層の表面粗さをそれぞれ変化させて、評価を行ったものである。
−硬化性組成物の調製−
下記表2に示す組成から、硬化性組成物1〜7を常法により調製した。硬化性組成物1〜6は、紫外線硬化性組成物であり、硬化性組成物7は熱硬化性組成物である。
以下に示す重合法(特開2014−92633号公報)により作製したトナーを用いた。作製したトナーの物性は、以下のとおりである。
・トナー母体粒子:平均円形度0.98、体積平均粒径4.9[μm]
・外添剤:小粒径シリカ1.5質量部(クラリアント社製、H2000)
小粒径酸化チタン0.5質量部(テイカ社製、MT−150AI)
大粒径シリカ1.0質量部(電気化学工業社製、UFP−30H)
・トナーのガラス転移温度:50[℃]
<クリーニングブレード1の作製>
厚み1.8[mm]の短冊形状の基材1の先端面から3[mm]幅を、硬化性組成物1に400[s]浸漬した後、シクロヘキサンで基材1の表面に付着している硬化性組成物1の残渣を洗浄した後、2分間風乾した。
次に、含浸処理後の基材1の被清掃部材との当接部(先端稜線部)に対して、硬化性組成物4を固形分濃度20[%]に調整した溶液をスプレー塗工して表面層を形成した。具体的には、含浸処理を行った基材の当接部に対して、スプレー塗工により基材の先端面から6[mm/s]のスプレーガン移動速度にて基材1の先端面全面に重ね塗りを行った。3分間指触乾燥後、基材の下面に先端稜線部から先端約3[mm]幅に、平均厚み1.8[μm]の表面層が形成されるように塗工した。その後、3分間指触乾燥を行い、UV照射積算量が6000[mJ/cm2]となるように高圧水銀ランプを用いて紫外線露光を行った。このとき紫外線露光(照射雰囲気)は窒素雰囲気下で行なった。またこのとき、高圧水銀ランプが上方にあるのに対し、ブレードの先端稜線部を上向きにセットして紫外線を照射させることで、紫外線が先端稜線部に効率的に照射されるようにした。
紫外線積算光量計UIT−250(ウシオ電機製)を用いて254[nm]の波長における紫外線積算光量を測定した。このとき、積算光量計のセンサー部がクリーニングブレードの先端稜線部の高さと同じになるようにして測定をした。
図9は、実施例におけるクリーニングブレードの表面層の平均厚みの測定箇所を示す断面図である。
図9に示すように、前記弾性部材を長手方向に対して直交する面で輪切りにし、この断面を上向きにして、デジタルマイクロスコープVHX−2000(株式会社キーエンス製)で観察した。測定箇所は、前記断面のブレード先端面における、当接側ブレード下面の当接部(先端稜線部)から弾性部材の厚み方向に30[μm]位置、50[μm]位置、及び100[μm]位置で、表面層の厚みを測定し、その平均値を表面層の平均厚みとした。
前記弾性部材を輪切りにする方法としては、弾性部材の長手方向の厚みが3[mm]となるように、弾性部材の長手方向に対して垂直に剃刀を用いて切断した。その際、垂直スライサーを用いると断面をよりきれいに切ることができる。前記弾性部材を輪切りにする長手方向の位置は、両端の2[cm]の部分を除いた位置とした。
レーザー顕微鏡VK9500(株式会社キーエンス社製)を用いてJIS B 0601−1994に従って表面粗さRaを測定した。測定箇所は弾性部材の下面の先端稜線部から1[mm]以内とし、3箇所を測定した平均値を求めた。
RHESCA社製タッキング試験機TAC−IIを用いてタック最大値を測定した。測定において、Φ5[mm]もしくはΦ8[mm]のSUSプローブを使用した。測定条件は、荷重200[g]、押込み保持時間2[s]、引き上げ速度600[mm/min]、温度23[℃]とした。測定部位は、弾性部材のブレード下面とし、図10に示すように、先端稜線部をプローブ位置の端とした。
本発明においては、タック最大値は3回測定し、その平均値をサンプルのタック最大値とした。
尚、クリーニングブレードの前記改質部表面のタック最大値について、改質部がプローブ径より小さい場合は、測定用に改質部がプローブ径より大きくなるように同条件で作製したサンプルを用意して測定した。
ブレード下面の表面から5[μm]内部における面は、図6Bに示すようにダイヤモンドナイフCRYO DRYを用いたクライオミクロトームを使って測定面を露出させた。
前記先端稜線部から20[μm]の距離におけるマルテンス硬度(HM)は、フィシャー・インストルメンツ社製、微小硬度計 HM−2000を用い、ビッカース圧子を1.0[mN]の力で10秒間押し込み、5秒間保持し、1.0[mN]の力で10秒間抜いて、測定した。測定は、ブレード下面で行った。
<画像形成装置の組み立て>
作製したクリーニングブレード1をカラー複合機(imagio MP C4500、株式会社リコー製)(プリンタ部は図3に示す画像形成装置500と同様の構成)に取り付け、実施例1の画像形成装置を組み立てた。
なお、クリーニングブレードは、線圧:20[g/cm]、クリーニング角:79[°]となるように画像形成装置に取り付けた。また、上記装置は感光体表面への潤滑剤塗布装置を備えており、潤滑剤塗布により感光体表面の静止摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。なお、感光体表面の静止摩擦係数の測定方法については、オイラーベルトの方法で、例えば、特開平9−166919号公報の段落番号0046に記載されている。
前記画像形成装置を用い、実験室環境:21[℃]で65[%RH]、通紙条件:画像面積率5[%]チャートを3プリント/ジョブで、100,000枚(A4サイズ横)を出力し、以下のようにして、1万枚通紙後および10万枚通紙後に、諸特性を評価した。結果を表6に示した。
評価画像として、縦帯パターン(紙進行方向に対して)43[mm]幅、3本チャートをA4サイズ横で、20枚出力し、得られた画像を目視観察し、クリーニング不良による画像異常の有無により、クリーニング性を評価した。下記、「○」「△」を許容可とし、「×」を許容不可とした。
[評価基準]
○:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上にも目視で確認
できない
△:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上には存在しないが感光体上には
目視で確認できる
×:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上にも目視で確認
できる。
異音の評価として、クリーニング性評価の画像出力時に人の耳により異音発生有無の確認を行い、以下のように判断した。このとき、高周波や低周波など音に違いがある場合でも、ブレードから出ている音であれば区別なく異音として発生の有無を評価した。
[評価基準]
○:異音が発生しない
×:異音が発生する
評価画像としてカラー2色重ねの長方形ベタ画像とカラー2色重ねの文字文書を組み合わせた画像をA4サイズ横で、5プリント/ジョブで20枚出力し、得られた画像を目視とポケットマイクロスコープ(25×)で確認し、色ずれの有無を評価した。下記、「○」「△」を許容可とし、「×」を許容不可とした。
[評価基準]
○:色ずれがポケットマイクロスコープでも確認できない。
△:色ずれがポケットマイクロスコープで確認できるが、許容範囲。
×:色ずれが目視で確認できる。
−クリーニングブレード2〜8及び10〜13の作製−
実施例1のクリーニングブレード1において、下記表5に示す基材、含浸処理に用いる紫外線硬化性組成物、含浸時間、表面層形成に用いる紫外線硬化性組成物、及び、表面層の平均厚みを代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜8及び比較例1〜4のクリーニングブレード2〜8及び10〜13を作製した。
−クリーニングブレード9の作製−
厚み1.8[mm]の短冊形状の基材1の先端面から3[mm]幅を、硬化性組成物7に400[s]浸漬した後、シクロヘキサンで基材1の表面に付着している硬化性組成物7の残渣を洗浄した後、2分間風乾した。
次に、含浸処理後の基材1の被清掃部材との当接部(先端稜線部)に対して、硬化性組成物7を固形分濃度20[%]に調整した溶液をスプレー塗工して表面層を形成した。具体的には、含浸処理を行った基材の当接部に対して、スプレー塗工により基材の先端面から6[mm/s]のスプレーガン移動速度にて基材1の先端面全面に重ね塗りを行った。3分間指触乾燥後、基材の下面に先端稜線部から先端約3[mm]幅に、平均厚み3.7[μm]の表面層が形成されるように塗工した。その後、80[℃]の恒温槽で3分間予備乾燥を行った後、80[℃]の恒温槽で60分間加熱をして硬化させた。
また、比較例2〜4では、タック最大値が3.0[gf/mm2]以下になっていないことで異音の発生や色ずれが発生した。比較例2では、タック最大値が大きいと同時にマルテンス硬度が低いとめくれが生じてしまい摩耗が進みクリーニング不良が発生した。比較例4ではタック最大値が大きいと同時に、表面粗さが粗いため当接部の圧が稜線に均等に掛からず初期でのクリーニング不良が発生した。
3 感光体
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
62d 含浸部分
622 弾性体ブレード
623 表面層
1 作像ユニット
2 枠体
3 感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 一次転写ローラ
10 潤滑剤塗布装置
14 中間転写ベルト
40 光書込ユニット
41 ポリゴンミラー
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
55 レジストローラ対
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
63 第一ブラケット
64 第二ブラケット
66 二次転写バックアップローラ
67 駆動ローラ
68 補助ローラ
69 テンションローラ
70 二次転写ローラ
80 定着ユニット
81 加圧加熱ローラ
82 定着ベルトユニット
84 定着ベルト
83 加熱ローラ
85 テンションローラ
86 駆動ローラ
87 排紙ローラ対
88 スタック部
100 トナーカートリッジ
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
103a 潤滑剤加圧スプリング
103b ブラケット
151 第一給紙カセット
151a 第一給紙ローラ
152 第二給紙カセット
152a 第二給紙ローラ
153 給紙路
154 搬送ローラ対
162 ベルトクリーニングユニット
162a ベルトクリーニングブレード
500 画像形成装置(プリンタ)
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
123 像担持体
Claims (10)
- 被清掃部材の表面に当接して、該被清掃部材表面に付着した付着物を除去する弾性部材を備え、前記弾性部材の前記被清掃部材の表面に当接する当接部が、硬化性組成物による改質部を有するクリーニングブレードにおいて、前記改質部が、前記当接部表面から厚み方向の領域に第1の硬化性組成物の硬化物を含有する含浸部、及び/又は前記当接部表面に第2の硬化性組成物の硬化物からなる表面層からなり、前記改質部表面のタック最大値が3.0[gf/mm2]以下であることを特徴とするクリーニングブレード。
- 前記改質部が前記表面層を有し、前記表面層の厚さが0.3[μm]以上5.0[μm]以下であることを特徴とする請求項1記載のクリーニングブレード。
- 前記改質部の、ブレード下面における表面粗さRaが0.20[μm]以上1.00[μm]以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニングブレード。
- 前記改質部の、ブレード下面の表面から5[μm]内部における面のタック最大値が6.0[gf/mm2]以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のクリーニングブレード。
- 前記弾性部材の先端稜線部から20[μm]の距離における表面のマルテンス硬度が1.0〜15.0[N/mm2]であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のクリーニングブレード。
- 前記改質部が、前記含浸部と前記表面層とからなり、前記第1の硬化性組成物及び前記第2の硬化性組成物が、(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載のクリーニングブレード。
- 前記改質部が、前記含浸部を有し、前記第1の硬化性組成物が、分子内に炭素数6以上の脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載のクリーニングブレード。
- 前記改質部が、前記表面層を有し、前記第2の硬化性組成物が、分子内にペンタエリスリトール構造を有する(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載のクリーニングブレード。
- 像担持体と、前記像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置において、前記クリーニング手段として請求項1乃至8のいずれか一に記載のクリーニングブレードを用いることを特徴とする画像形成装置。
- 像担持体と、前記像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニング手段として、請求項1乃至8のいずれか一に記載のクリーニングブレードを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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