JP2013173936A - 分子溶融物ならびに分子溶融物の作製方法および使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】修飾ポリマーの製造において、ニトレンやカルベンを生成するカップリング剤を減感するための、比較的安価で、容易な、さらに、カップリング剤を妨害しないか、またはカップリング剤の使用を制限しない方法を提供する。
【解決手段】ニトレンやカルベンを生成するカップリング剤と抗酸化剤とを含む分子溶融物組成物を使用する。
【選択図】なし

Description

(背景)
ポリオレフィンおよび他のポリマーは、そのレオロジー的性質および他の物理的性質を改善するために修飾されることが多い。様々な化学剤が、そのような修飾を行うために使用されている。
ポリオレフィンなどのポリマーを修飾する1つの方法は、ニトレン反応基をポリマー上のC−H結合への挿入のために提供し得る分子を使用することである。そのような種類の化学試薬の一例が、国際特許出願公開WO99/10424(1999年3月4日公開;これは、様々なアジドに関するその教示について参照してこれにより組み込まれる)に開示されるスルホニルアジドである。適切な反応温度に加熱されたとき、これらのアジドは分解して、その後、ポリマー上のC−H結合に挿入し得るニトレン基を生成する。これらのスルホニルアジドは、スチレン型ポリマーおよびポリオレフィン型ポリマーのC−H結合への挿入のためにニトレン基を提供することに関して効果的である。
しかし、スルホニルアジドおよび他のアジドは衝撃に対して敏感であり得る。そのようなアジドを減感するか、またはそうでない場合には、そのようなアジドの製造時および加工時ならびにそのようなアジドの運搬時および取扱い時にアジドを反応から保護することが必要であり得る。しかし、アジドなどの化学薬品を反応から保護するために典型的に使用される方法は、多額の費用がかかることがあり、そして、修飾しようとするポリマーと適合しないことがある。さらに、ポリマーは、多くの場合、食品を包装するために使用されている。従って、修飾されたポリマーが食品包装用途について許容されることが保護剤の添加によって妨げられないことが重要である。
所望されていることは、カップリング剤を減感するための比較的安価で、容易な方法であって、さらに、修飾されたポリマーを製造するために、カップリング剤を妨害しないか、またはカップリング剤の使用を制限しないそのような方法である。
本明細書中で使用される下記の用語は下記の意味を有するものとする:
(a)「カップリング剤」は、ポリマー鎖のCH基、CH2基またはCH3基の炭素−水素結合(脂肪族および/または芳香族の両方)に挿入し得るカルベン基またはニトレン基をそれぞれが生成し得る少なくとも2つの反応基を含有する化学化合物を意味するものとする。この反応基はともに、ポリマー鎖をカップリングまたは架橋することができる。ポリマー鎖をカップリングし、および/または架橋するためにカップリング剤が効果的であるためには、カップリング剤を、熱、音波エネルギー、放射線または他の化学的な活性化エネルギーで活性化することが必要になる場合がある。
(b)「減感すること(phlagmatizing)」は、反応性の化学薬品を不活性な化学薬品または反応性がほとんどない化学薬品と混合または組み合わせることによって化学薬品または化学種の衝撃感受性を低下させるための方法をいう。
(c)「分子溶融物」は、カップリング剤(修飾剤)および抗酸化剤の、室温において少なくとも部分的に非晶質の混合物をいう。これは、必要な場合には、他のポリマー添加剤をも含有する。カップリング剤(修飾剤)および抗酸化剤はともに、混合物の非晶質相に少なくとも一部が含有される。また、好ましくは、カップリング剤(修飾剤)および抗酸化剤は、ニトレン基生成基に関連するラマンスペクトルが、カップリング剤単独のニトレン基生成基によって示されるラマンスペクトルと比較して変化している複合体を形成する。
(d)「抗酸化剤」は、ポリマー加工時に生じ得る酸化を最小限に抑えるために使用することができる様々なタイプまたはクラスの化学化合物をいう。この用語はまた、ヒドロカルビルを含む、そのような抗酸化剤の化学的誘導体を包含する。この用語はさらに、抗酸化剤の説明において後で記載されるように、カップリング剤(修飾剤)と適正に組み合わせられたときに、カップリング剤または修飾剤の単独と比較して変化したラマンスペクトルを示す複合体を形成するように相互作用する化学化合物を包含する。
(e)「修飾剤」は、ポリマー鎖と反応し得るカルベン基またはニトレン基を生成し得る反応基を含有する化学化合物をいう。
(f)「標的ポリマー」は、カップリング剤または修飾剤によって修飾されることが意図とされるポリマーをいう。標的ポリマーは、ポリマー鎖のCH基、CH2基またはCH3基(脂肪族または芳香族)を含有する任意のポリマーであり得る。好ましくは、標的ポリマーは、任意のポリオレフィン(ポリエチレンを含む)またはスチレン型ポリマーであり得る。
(g)「DSC」は、その使用場面に応じて示差走査熱量計分析または示差走査熱測定分析をいう。DSCは、ポリマーの結晶性を測定するために、当業者が熟知している方法である。
(h)「ニトレン基」は、構造R−N(式中、Nは、ポリマー鎖のCH基、CH2基またはCH3基(脂肪族および/または芳香族の両方)の炭素−水素結合に挿入することによってポリマー鎖と反応し得る窒素である)を有する化合物をいう。炭素−水素結合への挿入に最も好ましい窒素は2つの孤立電子対を有すると考えられる。Rは、上記に記載される炭素−水素結合への窒素挿入を有害に妨害しない任意の原子(1つまたは複数)であり得る。
(i)「カルベン基」は、構造R−C−R’(式中、Cは、ポリマー鎖のCH基、CH2基またはCH3基(脂肪族および/または芳香族の両方)の炭素−水素結合に挿入することによってポリマー鎖と反応し得る炭素である)を有する化合物をいう。炭素−水素結合への挿入に最も好ましい炭素は1つの孤立電子対を有すると考えられる。RおよびR’は独立して、上記に記載される炭素−水素結合への炭素挿入を有害に妨害しない任意の原子(1つまたは複数)であり得る。
(j)「DPO−BSA」は下記の化合物をいう:
4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド。
(要約)
驚くべきことに、抗酸化剤およびカップリング剤(または修飾剤)を一緒に混合して、分子溶融物が形成され得ること、そしてこの分子溶融物の形成がカップリング剤および/または修飾剤を減感し得ることが見出された。
本発明の第1の態様において、(a)抗酸化剤および(b)カップリング剤を含む分子溶融物組成物が開示される。
本発明の第2の態様において、(a)抗酸化剤および(b)修飾剤を含む分子溶融物組成物が開示される。
本発明の第3の態様において、液体に含有されるカップリング剤を減感するための方法が開示される。この方法は、抗酸化剤を液体に導入する工程を含む。カップリング剤は、好ましくはポリ(スルホニルアジド)であり、液体に溶解または懸濁させることができ、そして抗酸化剤は、カップリング剤が生成する前に、またはカップリング剤が生成した後に導入することができる。
本発明の第4の態様において、液体に含有される修飾剤を減感するための方法が開示される。この方法は、抗酸化剤を液体に導入する工程を含む。修飾剤は液体に溶解または懸濁させることができ、そして抗酸化剤は、カップリング剤が生成する前に、またはカップリング剤が生成した後に導入することができる。
本発明の第5の態様において、分子溶融物を作製するための方法が開示される。この方法は、抗酸化剤を、カップリング剤を含有する液体に導入する工程、および分子溶融物を回収する工程を含む。分子溶融物を乾燥形態で回収することが所望される場合、分子溶融物は、液体から沈殿させることによって回収することができる。あるいは、分子溶融物は、抗酸化剤およびカップリング剤を同時に結晶化することによって回収することができる。
本発明の第6の態様において、カップリングされたポリマーを製造するための方法が開示される。この方法は、分子溶融物をポリマーと混合する工程、および分子溶融物をポリマーと反応させる工程を含む。好ましくは、ポリマーはポリオレフィンであり、より好ましくはプロピレン系ポリマーであり、そしてカップリング剤は、好ましくはポリ(スルホニルアジド)である。反応は、典型的には、分子溶融物およびポリマーを混合し、かつ分子溶融物と標的ポリマーとの反応を生じさせるために必要なエネルギーを供給するポリマー押出し機において行われる。
さらに、カップリング剤(または修飾剤)が分子溶融物にされた場合、ポリマーを修飾することに対するカップリング剤の効率が増大し得ることが発見されたことは驚くべきことであった。従って、本発明の別の態様は、修飾されたポリマーを製造する効率的な方法およびそのような方法から得られる組成物を提供するための分子溶融物の使用である。使用されるプロセス、使用される修飾剤、使用されるカップリング剤、ならびにカップリング剤および/または修飾剤の濃度に依存して、本発明は、レオロジーが改変されたポリマー、官能化されたポリマー、および/または架橋されたポリマー(熱硬化性物(これに限定されない)を含む)を提供し得る。
分子溶融物は、ポリマーに対して使用されるカップリング剤および修飾剤の製造を非常に容易にすると考えられる。そのような分子溶融物を使用するポリマー修飾プロセスは、効率およびコスト有効性が、以前に記載されたプロセスよりもはるかに優れていると考えられる。
図1Aは、DPO−BSA、Irganox1010、DPO−BSAとIrganox1010との物理的混合物、およびDPO−BSAとIrganox1010とを含有する分子溶融物から得られたラマンスペクトルを示す。 図1Bは、DPO−BSA、DPO−BSAとIrganox1010とを含有する分子溶融物、およびDPO−BSAとIrganox1010との物理的混合物に対する、DPO−BSAのアジド伸縮に関連するラマンスペクトルのその部分を示す。 図2は、DPO−BSAのみを含有するサンプル、選択された抗酸化物との物理的混合物にDPO−BSAを含有するサンプル、またはIrganox1010との分子溶融物にDPO−BSAを含有するサンプルにおける1グラムのDPO−BSAあたりの分解ピークエネルギーを示すグラフである。 図3は、DPO−BSAについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。DSCは、DPO−BSAの融点およびDPO−BSAのピーク分解エネルギーの両方を示している。データは、2200Thermo Analysis Instrimentsソフトウエアを使用するThermo Analysis Instriments2920変調型示差走査熱量計を使用して得られた。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図4は、分子溶融物サンプルAについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは2回の測定で得られた:1回目の測定から、サンプルの全体的な結晶性が決定され、2回目の測定により、分子溶融物に対するピーク分解エネルギーが示される。データは、2200Thermo Analysis Instrimentsソフトウエアを使用するThermo Analysis Instriments2920変調型示差走査熱量計を使用して得られた。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図5は、分子溶融物サンプルBについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは2回の測定で得られた:1回目の測定から、サンプルの全体的な結晶性が決定され、2回目の測定により、分子溶融物に対するピーク分解エネルギーが示される。データは、2200Thermo Analysis Instrimentsソフトウエアを使用するThermo Analysis Instriments2920変調型示差走査熱量計を使用して得られた。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図6は、分子溶融物サンプルCについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは、Thermo Analysis Instriments DSC V2.6D二重セル示差走査熱量計を使用して1回の測定で得られた。示された吸熱を使用して、結晶性が決定された。ピーク分解エネルギーもまたサンプルについて示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図7は、分子溶融物サンプルDについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは、Thermo Analysis Instriments DSC V2.6D二重セル示差走査熱量計を使用して1回の測定で得られた。示された吸熱を使用して、結晶性が決定された。ピーク分解エネルギーもまたサンプルについて示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図8は、分子溶融物サンプルEについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは、Thermo Analysis Instriments DSC V2.6D二重セル示差走査熱量計を使用して1回の測定で得られた。示された吸熱を使用して、結晶性が決定された。ピーク分解エネルギーもまたサンプルについて示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図9は、分子溶融物サンプルFについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは、Thermo Analysis Instriments DSC V2.6D二重セル示差走査熱量計を使用して1回の測定で得られた。存在する吸熱をDSCから識別することができず、従って、全体的な結晶性は0%であると決定された。ピーク分解エネルギーがサンプルについて示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図10は、分子溶融物サンプルBから放出されたピーク分解エネルギーに対する実験値がプロットされているヨシダ相関のプロットである。 図11は、分子溶融物サンプルGについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは、Thermo Analysis Instriments DSC V2.6D二重セル示差走査熱量計を使用して1回の測定で得られた。示された吸熱を使用して、結晶性が決定された。ピーク分解エネルギーもまたサンプルについて示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図12は、DPO−BSAおよびChimassorb944を含有する分子溶融物から得られたラマンスペクトルを示す。 図13は、分子溶融物サンプルHについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは、Thermo Analysis Instriments DSC V2.6D二重セル示差走査熱量計を使用して1回の測定で得られた。示された吸熱を使用して、結晶性が決定された。ピーク分解エネルギーもまたサンプルについて示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図14は、DPO−BSAおよびIrganoxHP136を含有する分子溶融物から得られたラマンスペクトルを示す。 図15は、分子溶融物サンプルIについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは、Thermo Analysis Instriments DSC V2.6D二重セル示差走査熱量計を使用して1回の測定で得られた。示された吸熱を使用して、結晶性が決定された。ピーク分解エネルギーもまたサンプルについて示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図16は、DPO−BSAおよびIrganoxI−245を含有する分子溶融物から得られたラマンスペクトルを示す。 図17は、分子溶融物サンプルJについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは、Thermo Analysis Instriments DSC V2.6D二重セル示差走査熱量計を使用して1回の測定で得られた。示された吸熱を使用して、結晶性が決定された。ピーク分解エネルギーもまたサンプルについて示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図18は、DPO−BSAおよびIrganoxI−1425を含有する分子溶融物から得られたラマンスペクトルを示す。 図19は、分子溶融物サンプルKについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは、Thermo Analysis Instriments DSC V2.6D二重セル示差走査熱量計を使用して1回の測定で得られた。示された吸熱を使用して、結晶性が決定された。ピーク分解エネルギーもまたサンプルについて示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。 図20は、分子溶融物サンプルLについて得られた示差走査熱量測定分析を示すグラフである。データは、Thermo Analysis Instriments DSC V2.6D二重セル示差走査熱量計を使用して1回の測定で得られた。示された吸熱を使用して、結晶性が決定された。ピーク分解エネルギーもまたサンプルについて示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。
(詳細な説明)
本発明は多くの異なる形態での実施形態が可能であるが、本発明の特定の実施形態が図に示され、そして本明細書中に詳しく記載される。しかし、本開示は、本発明の原理の例示であると見なされるべきであり、そして例示されている特定の実施形態および実施例に本発明を限定することを意図していないことを理解しなければならない。
下記の議論の大部分は、カップリング剤と抗酸化剤との混合物である分子溶融物に関連する。修飾剤および抗酸化剤からなる分子溶融物は詳細には議論されていないが、当業者は、別途言及されていない限り、カップリング剤および抗酸化剤からなる分子溶融物について下記に議論されている議論および情報もまた、修飾剤および抗酸化剤からなる分子溶融物について適用できることを認識する。
分子溶融物
分子溶融物は少なくとも部分的に非晶質であり、この非晶質性により、カップリング剤を減感する分子溶融物の能力が改善されると考えられる。この非晶質性により、標的ポリマーを修飾する際の分子溶融物の効率が改善されることもまた考えられる。多くの場合において、標的ポリマーにおける分子溶融物の溶解性は、標的ポリマーにおけるカップリング剤の溶解性よりも大きいことが好ましい。
好ましくは、カップリング剤(修飾剤)の少なくとも一部と、分子溶融物に存在する抗酸化剤とにより、複合体が形成される。この複合体は、ポリマーを修飾するためにカップリング剤を利用することを有害に妨害せず、そしてニトレン生成基に関連するラマンスペクトルが、カップリング剤単独のニトレン生成基によって示されるラマンスペクトルと比較して変化している。
図1Aには、DPO−BSA単独、IRGANOX−1010単独、DPO−BSA対IRGANOX−1010の1:1のモル比を有する物理的混合物においてIRGANOX−1010と組み合わせられたDPO−BSA、およびDPO−BSA対IRGANOX−1010の1:1のモル比からなる分子溶融物に対するラマンスペクトルが示されている。図1Bには、DPO−BSAのアジド伸縮に関連する、(DPO−BSA単独、DPO−BSA/IRGANOX−1010の物理的混合物およびDPO−BSA/IRGANOX−1010の分子溶融物に対する)ラマンスペクトルの領域がより詳しく示されている。これらの図から理解され得るように、DPO−BSA単独およびDPO−BSA/IRGANOX−1010物理的混合物のラマンスペクトルと比較したとき、アジドの伸縮に関連する分子溶融物のラマンスペクトルは拡がり、そして変化している。また、DPO−BSA分子溶融物に対する約2700cm−1〜3200cm−1のラマンスペクトルの部分が、形状およびサイズにおいて、IRGANOX−1010に対するラマンスペクトルの同じ部分と類似していることは注目される。
分子溶融物におけるカップリング剤対抗酸化剤のモル比は、典型的には1:10〜10:1であり、好ましくは1:2〜8:1であり、より好ましくは1:1〜4:1である。驚くべきことに、分子溶融物の全体的な結晶性が、典型的にはカップリング剤対抗酸化剤のモル比に関連することが見出された。ほとんどの場合において、分子溶融物におけるカップリング剤対抗酸化剤のモル比は、(DSCによって測定され、そして実施例2に示されるように計算されるとき)99加重平均重量パーセント以下(より好ましくは95加重平均重量パーセント未満、さらにより好ましくは60加重平均重量パーセント未満、最も好ましくは40加重平均重量パーセント未満)の全体的な結晶性 (total crystallinity)を有する分子溶融物が得られるように調節されることが好ましい。そして、場合により、分子溶融物の衝撃感受性に関して特に関心があるときには、DSCによって測定されたときに20加重平均重量パーセント以下(より好ましくは10加重平均重量パーセント以下、さらにより好ましくは5加重平均重量パーセント以下、最も好ましくは1加重平均重量パーセント以下)の結晶性を有する分子溶融物を提供することが好ましい。4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジドおよびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]からなる分子溶融物の場合、カップリング剤対抗酸化剤のモル比は、好ましくは1:2〜4:1の間である。場合により、ポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールなどの低融点のポリマー添加剤を分子溶融物に含めることができる。これらのタイプの化合物は分子溶融物の結晶性を低下させることができ、および/または分子溶融物の衝撃感受性を低下させることができると考えられる。
分子溶融物は、カップリング剤および抗酸化剤を溶融混合することによって、またはカップリング剤および抗酸化剤を共通溶媒から同時に沈殿させることによって、または少なくとも部分的に非晶質な分子溶融物をもたらす任意の他の方法によって形成させることができる。
カップリング剤および抗酸化剤に加えて、必要な場合には、他の化合物を分子溶融物に存在させることができる。好ましくは、さらなる化合物は、カップリング剤または抗酸化剤のいずれとも有害な反応を行わず、そして分子溶融物の結晶性を著しく上昇させない。しかし、場合により、例えば、分子溶融物のブロッキングが懸念される場合には、分子溶融物の得られる結晶性を増大させる化合物をさらに添加することが望ましいと考えられる。前に議論されたように、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどの低融点の物質を必要に応じて分子溶融物に含ませて、分子溶融物の衝撃感受性および/または結晶性を低下させることができる。分子溶融物は何らかのホスファイト系化合物(ホスファイト系抗酸化剤など)を含有しないことが好ましい。これは、これらのホスファイト系化合物が分子溶融物中のカップリング剤と有害な反応を行うからである。一般に、分子溶融物に添加されるさらなる化合物は、重合プロセス時またはポリマー加工プロセス時に典型的に添加されるポリマー添加剤であり得る。
分子溶融物に存在させることができるさらなる化合物の例には、下記が含まれる:
内部滑剤(internal lubricants)、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)およびポリプロピレングリコール(PPG)、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアラート(GMS)など;
相溶化剤(compatibilizing agents)、例えば、チタンジ(ジオクチルピロホスホセート)オキシアセテート、ジ(ジオクチルピロホスホセート)エチレンチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ブチル、ジ(ジトリデシル)ホスフィオジルコネート、グリシドキシプロピルトリメトキシシランなど;
剥離剤(release agents)、例えば、オレアミド、ステアルアミド、ステアリン酸亜鉛、エルクアミド、アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス(トリメチルシリル)ウレアなど;
可塑剤、例えば、トリメリト酸トリイソオクチル、エポキシ化ダイズ油、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アジピン酸ジイソセシル、クエン酸トリエチル、ポリブテン、オレイルパリトアミド、N−ステアリルエルクアミド、ジステアリルチオジプロピオネートなど;
紫外線安定化剤、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ナトリウムジシクロヘキシルスルホスクシナートなど;
触媒中和剤、例えば、金属ステアリン酸塩(ステアリン酸カルシウムなど)、ヒドロタルサイト、乳酸カルシウムおよび金属酸化物;ならびにこれらの組み合わせ。
+3の酸化状態のリンを含有する化合物を、カップリング剤または修飾剤との有害な反応を生じさせない制限された量で分子溶融物に添加することができる。
分子溶融物は任意の好都合な形態(固体または液体)にすることができる。分子溶融物は、典型的には、ポリオレフィンなどのポリマーを修飾するためのプロセスにおいて使用され得る粒子にすることができる。一般には、カップリング剤が反応前または反応時に標的ポリマーに適正に分散することを確実にすることが重要である。本出願人らは、標的ポリマーにおけるカップリング剤の分散を改善するために、粒子サイズが、分子溶融物におけるカップリング剤対抗酸化剤のモル比に従って改変され得ることを見出した。最適な粒子サイズはまた、分子溶融物を標的ポリマーと反応させるために使用される装置にも依存する。例えば、1:1のモル比の4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)およびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]からなる分子溶融物について、Werner Pfleiderer Corporationにより製造されるZSK−40共回転型二軸押出し機が利用される場合、分子溶融物の粒子の平均直径は、好ましくは3000ミクロン以下であり、より好ましくは2000ミクロン以下である。容易な加工および取扱いのためには、粒子は、好ましくは、少なくとも200ミクロンの平均直径を有する。
粒子は、均一なサイズおよび形状を有する粒子が流動性溶融物から得られる回転成形(rotoforming)などの方法を使用して生成させることができる。あるいは、噴射造粒または噴霧乾燥または任意の他の方法(粉砕、破砕または粒状化など)などの方法を使用して、所望するサイズの粒子を生成させることができる。非常に非晶質の分子溶融物が所望されるときには、分子溶融物の得られる結晶性を最小限にする方法を使用することが好ましい。分子溶融物のブロッキング(または凝集)が懸念される場合には、比較的大きい結晶性を有する分子溶融物を製造することが望ましい。この大きい結晶性により、分子溶融物粒子の凝集を最小限にするか、または妨ぐことができる。分子溶融物の結晶性を増大させ得る化合物の一例には、オクタセシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートがあり、これは、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals Company)からIRGANOX1076(I−1076)の商品名で得られるヒンダードフェノールの一次抗酸化剤である。I−1076は、必要な場合には、下記の実施例14に記載されるように、分子溶融物における第1の抗酸化剤としての別のより非晶質の抗酸化剤とともに第2の抗酸化剤として使用することができる。
カップリング剤および修飾剤:
前記に議論されているように、本発明の修飾剤およびカップリング剤は、カルベン基またはニトレン基を生成し得る少なくとも1つの反応基を含有する化学化合物である。修飾剤は1つのそのような反応基を有する。カップリング剤は2つ以上のそのような反応基を有する。
カルベン基を生成し得る少なくとも1つの反応基を含有する化学化合物の例としては、例えば、ジアゾアルカン、ジェミナル置換されたメチレン基、ケテンおよびメタロカルベンが挙げられる。
ニトレン基を生成し得る少なくとも1つの反応基を含有する化学化合物の例としては、例えば、シリルアジド、ホスファゼンアジド、スルホニルアジド、ホルミルアジド、アジド、N−クロロスルホンアミドの塩、N,N−ジクロロスルホンアミド、および2−トリアルキル−1−スルホニルヒドラジド(内部塩)が挙げられる。
一般に、カップリング剤および修飾剤は構造RXを有する(式中、各Xは独立して、カルベン基またはニトレン基を生成し得る反応基を表し、Rは、置換、非置換または不活性置換のヒドロカルビル基、ヒドロカルビルエーテル基、ヒドロカルビルポリエーテル基、イオウ基またはケイ素含有基を表す)。必要な場合には、Rは、2個以上の酸素またはイオウまたはケイ素をその骨格に有する。ケイ素含有基には、シラン類およびシロキサン類が挙げられ、好ましくはシロキサン類が挙げられる。不活性置換(inertly substituted)の用語は、得られる修飾されたポリマーの所望する反応または所望する性質を望ましくないほど妨害しない原子または基による置換をいう。
修飾剤の場合、n=1である。修飾剤の場合、Rは、好ましくは、ヘテロ原子または基で官能化される。官能基は、カルベン基および/またはニトレン基を生成し得る反応基との望ましくない反応を行わない基から選択される。場合により、反応基(または反応基から形成されるアジドもしくカルベン)とのヘテロ原子の相互作用を最小限に抑える保護基で官能基を保護することが必要になる場合がある。このような保護基はその後の反応によって除くことができる。いくつかの実施形態において、Rは、標的ポリマーにおける修飾剤の溶解性を増大させるために十分に大きいことが好ましい。このような場合、Rは、好ましくは、合計で少なくとも10個の炭素原子、酸素原子、イオウ原子およびケイ素原子を有し、より好ましくは少なくとも20個の炭素原子、酸素原子、イオウ原子およびケイ素原子を有する。最も好ましくは、修飾剤は、少なくとも30原子(より好ましくは少なくとも40原子)の長い脂肪族鎖または置換された脂肪族鎖を有する。修飾剤の溶解性を増大させることにより、標的ポリマー内での修飾剤の分散が増大すると考えられる。
修飾剤に含まれ得る機能的なヘテロ原子または官能基の例には、下記が含まれるが、それらに限定されない:
Figure 2013173936
これらは、それぞれ、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、エステル基、イソシアナート基、四級アンモニウム塩の基、アクリラート基、アミド基、アンヒドリド基およびエポキシ基である。式中、R’’’は、標的ポリマーの炭素−水素結合に挿入するカルベン基の反応性炭素(またはニトレン基の反応性窒素)に有害な影響を与えない任意の原子または原子団を表し、Nは窒素を表し、Oは酸素を表し、Hは水素を表し、Cは炭素を表し、そしてYは対イオンを表し、対イオンは、基が修飾剤に取り込まれた後に存在してもよく、または存在しなくてもよい。イミドは、修飾剤に含まれ得る基の別の例である。
カップリング剤の場合、nは2以上である。カップリング剤の場合、Rは、好ましくは、非置換または不活性置換のヒドロカルビル基、ヒドロカルビルエーテル基またはケイ素含有基を表す。Rの長さに対する制限は重要ではなく、各Rは、好ましくは、標的ポリマー(1つまたは複数)とスルホニルアジドとの容易な反応を可能にするために十分であるように十分な炭素原子、イオウ原子、酸素原子またはケイ素原子を反応基間に有し、より好ましくは少なくとも1個、より好ましくは少なくとも2個、さらにより好ましくは少なくとも3個の炭素原子、酸素原子、イオウ原子またはケイ素原子を反応基間に有する。好ましくは、炭素原子により、反応基は隔てられる。Rは、好ましくは、合計で50個未満の炭素原子、イオウ原子、酸素原子またはケイ素原子を、反応基を隔てる骨格内に有し、より好ましくは20個未満、最も好ましくは15個未満の合計した炭素原子、イオウ原子、酸素原子またはケイ素原子を有する。しかし、いくつかの態様では、より長い骨格、従って、標的ポリマーにおけるカップリング剤の溶解性を増大させる骨格を使用することが好ましい場合がある。この態様では、骨格が少なくとも10個の合計した炭素原子、イオウ原子、酸素原子またはケイ素原子を有すること、より好ましくは少なくとも20個の合計した炭素原子、イオウ原子、酸素原子またはケイ素原子を有すること、最も好ましくは少なくとも30個の合計した炭素原子、イオウ原子、酸素原子またはケイ素原子を有することが好ましい。いくつかの実施形態において、Rが側鎖基として長い脂肪族鎖または置換された脂肪族鎖を含有すること、好ましくは、その鎖が少なくとも10個の合計した炭素原子、イオウ原子、酸素原子またはケイ素原子を有すること、より好ましくは少なくとも20個の合計した炭素原子、イオウ原子、酸素原子またはケイ素原子を有すること、最も好ましくは少なくとも30個の合計した炭素原子、イオウ原子、酸素原子またはケイ素原子を有することが好ましい。この側鎖基は標的ポリマーにおけるカップリング剤の分散を増大させると考えられる。
カップリング剤の製造コストを低下させるために、所与のカップリング剤に対する反応基(X)が同じであることは好都合であり得る。他の状況では、カップリング剤が2つ以上の異なるタイプの反応基(X)を含有することが望ましい場合がある。例えば、異なる溶融温度を有する2つの標的ポリマーをカップリングしようとする場合、異なる温度で活性化される2つの異なる反応基を含有するカップリング剤を使用することが望ましいと考えられる。
本発明の好ましい実施形態において、標的ポリマーはポリオレフィンであり、カップリング剤はポリ(スルホニルアジド)である。ポリ(スルホニルアジド)は、ポリオレフィンと反応し得る少なくとも2つの反応基(スルホニルアジド基(−SO))を有する任意の化合物である。好ましくは、ポリ(スルホニルアジド)は構造X−R−Xを有する(式中、各XはSOであり、Rは非置換または不活性置換のヒドロカルビル基、ヒドロカルビルエーテル基またはケイ素含有基を表し、好ましくは、ポリオレフィンとスルホニルアジドとの容易な反応を可能にするために十分であるようにスルホニルアジド基を隔てる十分な炭素原子、酸素原子またはケイ素原子(好ましくは炭素原子)を有する)。Rに不活性置換され得る原子または基の例には、3つ以上のポリオレフィン鎖を連結しようとする場合、スルホニルアジド基だけでなく、フッ素、脂肪族エーテルまたは芳香族エーテル、シロキサンなどの基が挙げられる。Rは、好適には、記載されるように、不活性であり、かつスルホニルアジド基を隔てるアリール基、アルキル基、アリールアルキル基、アリールアルキルシラン基、シロキサン基または複素環基および他の基である。より好ましくは、Rは、少なくとも1つのアリール基をスルホニル基間に含み、最も好ましくは少なくとも2つのアリール基を含む(Rが4,4’ジフェニルエーテルまたは4,4’−ビフェニルである場合)。Rが1つのアリール基であるとき、ナフタレンビス(スルホニルアジド)の場合のように、基が2つ以上の環を有することが好ましい。ポリ(スルホニル)アジドには、1,5−ペンタンビス(スルホニルアジド)、1,8−オクタンビス(スルホニルアジド)、1,10−デカンビス(スルホニルアジド)、1,10−オクタデカンビス(スルホニルアジド)、1−オクチル−2,4,6,−ベンゼントリス(スルホニルアジド)、4,4’−ジフェニルエーテルビス(スルホニルアジド)、1,6−ビス(4’−スルホンアジドフェニル)ヘキサン、2,7−ナフタレンビス(スルホニルアジド)、および平均して1個〜8個の塩素原子および2個〜5個のスルホニルアジド基を1分子について含有する塩素化された脂肪族炭化水素の混合型スルホニルアジドのような化合物、ならびにそれらの混合物が含まれる。好ましいポリ(スルホニルアジド)には、オキシビス(4−スルホニルアジドベンゼン)、2,7−ナフタレンビス(スルホニルアジド)、4,4’−ビス(スルホニルアジド)ビフェニル、4,4’−ジフェニルエーテルビス(スルホニルアジド)およびビス(4−スルホニルアジドフェニル)メタン、ならびにそれらの混合物が含まれる。
スルホニルアジドは、アジ化ナトリウムを対応する塩化スルホニルと反応することによって都合よく調製されるが、様々な試薬(亜硝酸、四酸化二窒素、テトラフルオロホウ酸ニトロソニウム)を用いたスルホニルヒドラジンのニトロソ化および脱水反応が使用されている。
カップリング反応機構に関する下記の議論は本発明者らの最近の理論を示しているが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。スルホニルアジドはいくつかの方法で分解するが、本発明を実施するためには、C−H結合への挿入が所望されることによって明らかであるように、反応性の化学種は一重項のニトレンであると考えられる。熱分解は、炭素−水素結合への挿入によって容易に反応する中間体の一重項スルホニルニトレンをもたらすことが報告されている。スルホニルニトレンを効率的に生成させるために必要な温度は、通常、150℃よりも高い。米国特許出願第09/133,576号(1998年8月13日出願)には、スルホニルアジドおよびポリオレフィンを修飾するためのその使用に関するさらなる教示が含まれる。米国特許出願第09/133,576号はその全体が参照して本明細書中に組み込まれる。
標的ポリマーを高度に架橋しようとする場合、例えば、熱硬化性または熱可塑性の加硫剤(TPV)を生成させることが望ましい場合、ニトレン基および/またはカルベン基を生成し得る反応基を3つ以上含有するカップリング剤を利用することが好ましいと考えられる。
抗酸化剤:
本発明の抗酸化剤には、ポリマーに対する抗酸化剤およびそのような抗酸化剤の化学的誘導体として有用な化学薬品が挙げられ、これにはヒドロカルビルが含まれる。好ましくは、抗酸化剤は、ホスファイトを含有する化合物、または+3の酸化状態のリンを含有する化合物ではない。これらの化合物は、本発明において利用される典型的なカップリング剤との反応性が大きいからである。ホスファイト系抗酸化剤の例には、チバ・スペシャリティ・ケミカルズからIrgafos168の商品名で得られるトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが挙げられる。
本発明において利用され得る抗酸化剤にはまた、カップリング剤または修飾剤との複合体を形成し得る化学化合物であって、ポリマーを修飾するためにカップリング剤または修飾剤の利用に悪影響を与えず、そして複合体のニトレン基生成基に関連するラマンスペクトルが、カップリング剤単独または修飾剤単独のニトレン生成基によって示されるラマンスペクトルと比較して変化している化学化合物が挙げられる。
本発明の抗酸化剤のために利用される化学化合物は、分子溶融物が標的ポリマーに添加されるときに抗酸化剤として作用し得ることが好ましいが、これは必ずしも必要ではない。
利用される抗酸化剤は、好ましくは、非晶質状態で存在する能力を有する。抗酸化剤は、好ましくは、標的ポリマーの修飾時に存在する典型的な処理条件において、標的ポリマーにおける溶解性がカップリング剤よりも大きい。また、カップリング剤は、抗酸化剤との化学的および立体的な適合性を有しなければならず、従って、部分的に非晶質の分子溶融物が形成される。この場合、カップリング剤の反応基は、抗酸化剤と認められるほど有害に反応しない。
分子溶融物を製造しているとき、カップリング剤が衝撃感受性である場合、乾燥した結晶性のカップリング剤が精製された形態で存在する機会を最小限にすることが重要である。
減感は、カップリング剤を非衝撃感受性物質で希釈することによって達成することができる。減感は、DSCにおいて分子溶融物によって放出される全エネルギー(分子溶融物の重量あたり)が、ヨシダのコウギョウカヤク(第48巻(第5号)、1987、311頁〜316頁)によって教示されるように、分子溶融物が衝撃感受性でないために十分に低いときに達成される。好ましくは、DSCにおいて放出される全エネルギーは、同じ参考文献に記載されるヨシダ相関(Yoshida Correlation)に示されるような衝撃感受性限界よりも小さい。図10には、分子溶融物サンプルBから放出されたピーク分解エネルギーに対する実験値がプロットされているヨシダ相関のプロットが示されている。サンプルbに由来するプロットされたデータは衝撃感受性限界よりも十分に小さいことが図10から理解され得る。
分子溶融物の非晶質性は、分子溶融物の運搬時および取扱い時にカップリング剤および抗酸化剤が分離することを最小限にし、および/または防止する。
本発明において利用され得る抗酸化剤のクラスの例には、フェノール性化合物およびその誘導体、ヒンダードアミン、アミン水酸化物、チオエステル化合物、およびヒンダードフェノール性化合物などの炭素ラジカル捕捉剤および/または酸素ラジカル捕捉剤のいずれかとして作用し得る化合物が含まれる。さらに、ラクトンは、炭素ラジカル捕捉剤および酸素ラジカル捕捉剤の両方として機能し得ると考えられるので、ラクトンもまた、本発明において利用され得る抗酸化剤に含まれる。場合により、分子溶融物が抗酸化物の混合物を含有することが好ましいと考えられる。本発明において使用される好適なラクトンの一例には、o−キシレンとの5,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−3(3H)−ベンゾフラノン反応生成物(Chemical Abstract#181314−48−7)があり、これは、チバ・スペシャリティ・ケミカルズによってIRGANOX HP−136の商品名で販売されている。
フェノール系抗酸化剤およびその誘導体ならびにラクトンが好ましい。フェノール系抗酸化剤および置換されたフェノール系抗酸化剤の例には、2,2’−メチレンビス(6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾールおよび2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる。これらのクラスの抗酸化剤は、非常に非晶質(10%未満の結晶性)の分子溶融物を形成させることができ、そしてまた、(1:1よりも大きい)カップリング剤対抗酸化剤のモル比を有する分子溶融物を形成させることができると考えられる。より好ましくは、ヒンダードフェノール性化合物が、分子溶融物を形成させるために利用される。本発明における使用に好適なヒンダードフェノール性化合物の一例には、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]があり、これは、チバ・スペシャリティ・ケミカルズからIrganox1010(これは「I−1010」として示されることがある)の商品名で得られる。
反応からのアジドの保護:
分子溶融物における抗酸化剤は、カップリング剤自身および他の化学化合物(カップリング剤と有害に反応し得る、+3の酸化状態のリンを含有する化合物など)との反応からカップリング剤を少なくとも部分的に保護する。カップリング剤を保護することによって、抗酸化剤は、標的ポリマーとの反応のために利用され得るカップリング剤の割合が増大する。これはカップリング剤のカップリング効率を増大させる(すなわち、副反応により無駄になるカップリング剤が少なくなる)。
表1には、Thermo Analysis Instrumentsソフトウエアを使用するThermo Analysis Instruments2920変調型示差走査熱量計を使用して得られたいくつかのサンプルから放出された分解ピークエネルギーが(ジュール/グラム・サンプル(J/g)の単位で)示されている。サンプルは、窒素雰囲気下で維持されるアルミニウム皿に保持された。温度走査速度は10℃/分であった。
Figure 2013173936
すべてのサンプルは、ほぼ等しいサイズであり、DPO−BSA単独(表1のベースラインDSC走査)または添加剤を伴うDPO−BSAのいずれかを含有した。使用されたサンプルはすべて、乾燥した成分が物理的に混合された、BSAと指定された添加剤との物理的混合物であった。使用された最後のサンプル組はすべて、DPO−BSAとIrganox1010との分子溶融物であった。これらの走査のいくつかについては、2つ以上のサンプルを分析して、サンプルから得られた平均値が記録された。
表1にはまた、それぞれのサンプルについて、その特定のサンプルに存在するDPO−BSAの1グラムあたりの放出されたジュール数に正規化された、サンプルから放出された分解ピークエネルギーの値が示されている。これは、サンプルの1グラムあたりの分解ピークエネルギーに、1/[その特定のサンプルに存在するDPO−BSAの重量割合]を乗ずることによって計算された。これにより、100%のDPO−BSAを含有するサンプルから放出された分解ピークエネルギーと直接的に比較することができる、放出された分解ピークエネルギーの値が得られる。放出された分解ピークエネルギーに対するこれらの正規化された値が図2にプロットされている。
図2から理解され得るように、DPO−BSAおよびIrganox1010を含有する分子溶融物のサンプルによる放出された正規化分解ピークエネルギーは、等しい割合のDPO−BSAおよびIrganox1010を含有するDPO−BSAとIrganox1010との物理的混合物から作製されたサンプルによる放出された正規化分解ピークエネルギーよりも大きい。分子溶融物に対する分解ピークエネルギーがより大きいことは、DPO−BSAとIrganox1010との物理的混合物であるサンプルと比較して、分子溶融物により、DPO−BSAの自己反応および/またはDPO−BSAとIrganox1010との反応が最小限に抑えられていることを示していると考えられる。分子溶融物を使用して標的ポリマーを修飾するときには、この保護作用により、標的ポリマーを修飾するためのカップリング剤のカップリング効率が増大する。
さらに、DPO−BSAとIrgafos168との物理的混合物から得られたデータは、+3の酸化状態のリンを含有する化合物の存在は、DPO−BSAによる放出された分解ピークエネルギーを低下させ、従って、この作用を低下させるために別の処置が取られない限り、カップリング剤のカップリング効率を低下させることを明瞭に示している。カップリング剤を標的ポリマーに抗酸化剤とともに添加することにより、たとえ分子溶融物として添加されない場合でも、カップリング剤自身および他の化学化合物(カップリング剤と有害に反応し得る、+3の酸化状態のリンを含有する化合物など)との反応からカップリング剤が少なくとも部分的に保護されると考えられる。
分子溶融物で修飾されたポリマー
分子溶融物は、任意の標的ポリマーを修飾するために使用することができる。好ましくは、標的ポリマーは、スチレン性ポリマーまたはポリオレフィン(エチレンを含む)に基づくポリマーである。ポリオレフィンは、この分野の技術に含まれる手段によって形成される。α−オレフィンモノマーおよび必要な場合には他の付加重合性モノマーが、例えば、ガリ(Galli)ら、Angew.Macromol.Chem.、第120巻、73頁(1984)によって、またはイー・ピー・モア(E.P.More)ら、Polypropylen Handbook(Hanser Publishers、ニューヨーク(New York)、1996、特に、11頁〜98頁)によって開示されるように、この分野の技術に含まれる様々な条件のもとで重合させられる。
好ましい標的ポリマーの例には、スチレン、置換スチレンだけでなく、エチレン、プロピレンおよび他のオレフィン基づくポリマー、ならびに/または、米国特許第5,703,187号(1997年12月30日発行、エチレンスチレンインターポリマーおよびそのようなインターポリマーの製造方法に関するその教示は参照して本明細書中に組み込まれる)に開示されるようなエチレンスチレンインターポリマーが挙げられる。最も好ましい標的ポリマーはポリオレフィン系ポリマーであり、これには、プロピレンホモポリマー、ならびにプロピレンのランダムコポリマーおよびインパクトコポリマー、そして高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)および低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリエチレンポリマーが含まれる。そのようなポリマーには、プロピレン、エチレンおよび他のオレフィン、必要な場合にはジエンおよび/またはトリエンのターポリマー、テトラポリマーおよびより高次のポリマーが含まれる。
インパクトプロピレンコポリマーは市販されており、そして、イー・ピー・モーア・ジュニア(E.P.Moore,Jr)、Polypropylen Handbook(Hanser Publishers、1996、220頁〜221頁)ならびに米国特許第3,893,989号および第4,113,802号によって記載されるように、この分野の技術に十分に含まれる。用語「インパクトコポリマー」は、ポリプロピレンが連続相であり、かつエラストマー相がその中に均一に分散されている異相性の(heterophasic)プロピレンコポリマーを示すために本明細書中では使用される。インパクトコポリマーは、物理的な混合からではなく、むしろ反応糟内のプロセスからもたらされる。通常、インパクトコポリマーは、少なくとも2つのプロセスがその中で行われる単一反応糟を必要な場合には含む二段階プロセスまたは多段階プロセスにおいて、あるいは必要な場合には多数の反応糟において形成される。好都合には、インパクトコポリマーは、少なくとも5重量パーセント(好ましくは少なくとも10重量パーセント)で、好ましくは40重量パーセント(より好ましくは25重量パーセント、最も好ましくは20重量パーセント)までのエチレン由来のポリマーユニットを有する。例示的なインパクトコポリマープロピレンポリマーには、メルトフローレイトが、230℃の温度で2.16kgの加重のもとで、それぞれ、1g/10分、2g/10分、4g/10分および0.8g/10分であるDow C104−01PP、Dow C105−02PP、Dow C107−04PPおよびDow DC−111PPのプロピレンインパクトコポリマーの商品名称で、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)から得られるものが挙げられる。
分子溶融物は、混合物中に存在する2つ以上のポリマーが標的ポリマーとして作用し得る混合物を含む、ポリマー混合物を修飾するために利用することができる。カップリング剤は、混合物中の1つのポリマーを混合物の別のポリマーに少なくとも部分的にカップリングさせると考えられる。これにより、混合物のポリマーの相互の適合性を改善する相溶化剤が形成される。
下記の議論は特にカップリング剤とポリオレフィンとの反応に関しているが、本明細書中の教示はまた、カップリング剤および/または修飾剤と目的とする他の標的ポリマーとの反応にも当てはまることを当業者は認識する。
カップリング剤の反応基は、典型的には、標的ポリマーと反応し得るニトレン基および/またはカルベン基を生じさせるために、熱、音波エネルギー、放射線または他の化学的な活性化エネルギーによって活性化される。カップリング剤がポリオレフィンと反応するとき、少なくとも2つの異なるポリオレフィン鎖が都合よく連結され、ポリマー鎖の分子量が増大する。カップリング剤がビス(スルホニルアジド)である本発明の好ましい実施形態では、2つのポリオレフィン鎖が都合よく連結される。
カップリング剤を活性化させるためのより好ましい方法は、カルベンおよび/またはニトレンを生成させるために、反応基の分解が生じるようにカップリング剤を加熱することである。それぞれのカップリング剤は、その分解が生じる特徴的な温度プロフィルを有する。この温度プロフィルは示差走査熱量測定分析によって明らかにすることができる。それぞれのカップリング剤は、特定の反応基の分解に対応するピークおよび一連のピーク分解温度を有する。例えば、ジフェニルオキシドのビス(スルホニルアジド)の示差走査熱量計(DSC)サーモグラムは、130℃から始まり、185℃(本明細書中ではピーク分解温度と呼ばれる)で最大になり、そして220℃までに終わる幅広い発熱ピークを示す。DPO−BSAにおけるスルホニルアジド基の分解により放出される総エネルギー量は1500ジュール/グラムである。
しかし、ほとんどのカップリング剤はまた、ピーク分解温度よりも低い温度で分解する。好ましくは、標的ポリマーおよび分子溶融物は、カップリング剤と標的ポリマーとの反応が生じるように十分に混合される。本発明のいくつかの実施形態においては、カップリング反応が生じることが所望されるまでは、分子溶融物と標的ポリマーとの混合物をピーク分解温度よりも十分に低く維持することが好ましい。
任意の装置が、標的ポリマーを修飾するために好適に使用される。好ましくは、十分な混合および温度制御を同じ装置においてもたらす装置が使用されるが、好都合には、本発明の実施は、押出し機、溶融混合機、ポンプコンベアーなどのような装置、またはBrabender溶融混合機などのポリマー混合装置において行われる。押出し機の用語は、その最も広い意味が、ストランドまたはペレットを含む様々な物品を押出し成形する装置のような装置を包含するように使用される。好ましくは、このような装置は、異なる温度を有する一連の温度または帯域を可能にする。反応は押出し機に特に好適である。本発明の実施を1つの容器(すなわち、ポリマーを含有し得る装置の任意の1つの構成部分)において行うことができるからである。都合よいことに、溶融押出し工程が標的ポリマーの製造とその使用との間に存在する場合、本発明の方法の少なくとも1つの工程が溶融押出し工程において行われる。反応が溶媒中または他の媒体中で行われることは本発明の範囲内であるが、溶媒または他の媒体を除くための後工程を避けるために、反応がバルク相中であることが好ましい。この目的のために、軟化温度よりも高い温度にあるポリマーは、混合するためにさえ、そして(カップリング剤についてDSCによって測定されるピーク分解温度よりも十分に低くてもよい)反応温度に到達させるためには好都合である。
好ましい実施形態において、本発明の方法は単一の容器で行われる。すなわち、分子溶融物および標的ポリマーの混合が、カップリング剤の分解温度に加熱されるのと同じ容器において行われる。容器は、最も好ましくは二軸押出し機であるが、単軸押出し機または好都合には溶融混合機(バッチ混合機を含む)も好ましい。反応容器は、より好ましくは、反応混合物が通過する温度が異なる少なくとも2つの帯域を有する。この場合、第1の帯域は、好都合には、カップリング剤と標的ポリマーとの何らかの反応を最小限に抑えるために十分に低い温度にある。好ましい実施において、この第1の帯域は分子溶融物および標的ポリマーを機械的に混合し、その一方で同時にそれらを第2の帯域に移す。好ましくは、標的ポリマーはこの第1の帯域において大きく反応しない。プロピレンポリマーの場合、標的ポリマーは、好ましくは、この第1の帯域において著しく融解されない。第2の帯域は、好ましくは、カップリング剤を標的ポリマーと反応させるために十分な熱を同時に加えながら分子溶融物および標的ポリマーを迅速に混合にするように構成されている。
典型的には、押出し機は、ある温度プロフィルが押出し機全体に生じるような様式で構成され、そして操作される。用語「温度プロフィル」は、ポリマーがさらされる一連の温度を意味するために本明細書中では使用される。それぞれの温度は、一般には押出し機の1つの帯域に関連する。前記に議論されているように、温度系列は、好ましくは、標的ポリマーおよび分子溶融物が押出し機に入れられる帯域における第1の温度を含む。この帯域において、分子溶融物および標的ポリマーは、好ましくは物理的に混合されるが、熱の付加および温度は、好ましくは、カップリング剤と標的ポリマーとの反応が生じないように、またはカップリング剤と標的ポリマーとの反応が最小限に抑えられるように十分に低い。標的ポリマーとしてのポリプロピレンおよびカップリング剤としてのDPO−BSAからなる系の場合、この第1の温度は、好ましくは170℃以下であり、より好ましくは140℃以下であり、最も好ましくは130℃以下であり、そして場合により120℃以下であり得ることが見出された。
温度プロフィルはまた、好ましくは、押出し機の第2の帯域に典型的には関連する第2の温度を含む。第2の帯域において、十分な熱が、カップリング剤と標的ポリマーとの有意な反応を生じさせるために加えられる。この第2の帯域は、好ましくは、カップリング剤のピーク分解温度以上の温度にある。この第2の帯域の後には、好ましくは、ポリマーが混合され、かつ温度が制御される1つのさらなる帯域(より好ましくは4つのさらなる帯域、最も好ましくは少なくとも5つのさらなる帯域)が続く。第2および後続の帯域内では、好ましくは、少なくとも1つの温度が、カップリング剤のピーク分解温度よりも少なくとも5℃高く、最も好ましくは少なくとも20℃高く、さらにより好ましくは35℃高い。標的ポリマーとしてのポリプロピレンおよびカップリング剤としてのDPO−BSAからなる系の場合、著しい未反応のDPO−BSAが反応混合物中に存在するが、250℃よりも高い流れ温度(stream temperature)は、好ましくは避けられる。
本発明に対する押出し機の温度プロフィルの説明では、別途言及されていない限り、温度は、ポリマー流またはポリマー溶融物の内部の温度である流れ温度であり、ポリマー内への不完全な熱移動またはポリマーの誘導された剪断加熱のために流れ温度よりも低くなり得るか、または高くなり得ることが当業者によって理解される装置の温度ではない。当業者は、過度な実験を行うことなく、流れ温度と特定装置の装置温度またはゲージ温度との関係を決定することができる。ポリマーの流れ温度は、都合よいことに、押出し機の初めの帯域における装置設定温度に近いことがこの分野では知られているが、機械的に誘導された剪断加熱のために、ポリマーが押出し機の出口金型に近づくに従い、ポリマーの流れ温度は、多くの場合、押出し機の後方の帯域における装置設定温度よりも高くなり得る。
レオロジー改変のためのカップリング剤:
当業者は、カップリング剤の反応性、カップリング剤、および所望するレオロジーもしくは所定のレオロジー、または鎖カップリングの量により、カップリング剤の使用量が決定されることを認識する。この量を決定することはこの分野の技術の範囲内である。本発明のこの態様では、実質的に架橋した網目構造の形成は避けるべきである。これは、得られる物質が加工しにくくなるからである。従って、ポリ(スルホニルアジド)は、鎖がカップリングされたか、またはレオロジーが変化した(しかし、実質的には架橋されていない)ポリオレフィンが得られるそのような量に好ましくは制限される。しかし、いくつかの適用(フォーム適用など)では、ある量の架橋は許容される。一般に、使用されるアジドのレベルは、好ましくは、標的ポリマーの1モルあたり1.6モル未満のカップリング剤である。フィルムについては、好ましいカップリング剤のポリ(スルホニルアジド)は、ポリオレフィン(好ましくはポリプロピレンまたはポリプロピレン/エチレンコポリマー混合物)の総重量に基づいて、好ましくは0.5重量パーセント未満であり、より好ましくは0.20重量パーセント未満であり、最も好ましくは0.10重量パーセント未満である。
架橋は、ポリプロピレンの場合には、キャストフィルムにおけるゲルの量を目視またはカメラのいずれかで測定することにより測定されるゲル形成によって明らかにされる。
ポリ(スルホニルアジド)が本発明の実施において使用される場合、少なくとも0.005重量パーセントのポリ(スルホニルアジド)が、測定可能な結果を達成するために都合よく使用されるが、好ましくは少なくとも0.01重量パーセントが使用され、より好ましくは少なくとも0.02重量パーセントが使用される。場合により、ポリマーの総重量に基づいて少なくとも0.05重量パーセントのポリ(スルホニルアジド)を使用することが好ましい。
架橋のためのカップリング剤:
レオロジー改変の場合のように、当業者は、反応性、使用されるカップリング剤、および所望する架橋度により、カップリング剤の使用量が決定されることを認識する。しかし、レオロジー改変とは異なり、架橋を適用する場合には、架橋された網目構造を形成させるために十分なカップリング剤を添加することが必要である。これは、カルベン基またはニトレン基を生成し得る反応基のより高い濃度がそれぞれのポリマー分子のために使用されることを必要としている。典型的には、反応基対標的ポリマーのモル比は0.9〜6.0でなければならない。いくつかの実施形態においては、カップリング剤分子あたり3つ以上の反応基を有するカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、使用しなければならないカップリング剤の量が少なくなる。また、架橋された適用の場合には、典型的には、標的ポリマーに添加される抗酸化剤の量を最小限にすることが望ましい。従って、用いられる分子溶融物は、レオロジー改変のために典型的に用いられる分子溶融物よりも比較的大きいカップリング剤対抗酸化剤のモル比を有することが、これらの適用では好ましい。
(実施例)
実施例1: 4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の製造方法
DPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素パッドを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで製造する。再使用に由来するトルエン(186.83g)(DPO−BSA生成物結晶の洗浄からの回収)および配合プロセスからの回収トルエン(66.9g)を反応装置に仕込む。反応装置を50℃に加熱して、96.1gの4,4’−オキシジベンゼンスルホニルクロリド(DPO−BSC)を撹拌下で加える。その後、反応装置に、直前の反応物の水洗に由来する再使用水の87.78gを加え、撹拌機を150rpmで設定する。その後、0.24gのNaHCOを加え、溶液中の酸を中和する。pH試験紙により、水相が中性であることが確認されたとき、0.24gのテトラn−ブチルアンモニウム塩化物(PTC)を加える。これに35gのアジ化ナトリウムを15分かけて加える。攪拌機の回転数を、相の適切な混合を確保するために300に上げることができる。反応装置の温度を50℃から65℃に30分かけて上げる。反応は、液体クロマトグラフィー分析により確認されるように、75分後に100%の変換である。攪拌機を停止させ、相を10分間かけて分離させる。一番下の水/塩相を、底の排出バルブを使用して除き、付帯する燃焼炉に送る。さらに29.33gの55℃の湯を加え、攪拌機を250rpmで5分間設定し、その後、停止させて、相を分離させる(10分)。一番下の相を再び除き、水による抽出工程をさらに2回繰り返す(29.33gの55℃の湯で2回)。その後の抽出については、持続性のエマルション(permanent emulsion)を生じさせないことを確実にするために、攪拌機の回転数を200に下げる。3回の洗浄液のすべてを一緒にして、次回の回分処理に再使用するために取っておく。水相を除いたとき、温度を10℃に冷却し、その温度で60分間保ち、その後、底のバルブを開けて、沈殿したDPO−BSAのスラリーをフィルターに移す。フィルターにおいて、沈殿したDPO−BSAを集め、窒素下で40%トルエンの湿ったケークに乾燥する。約101.4gのDPO−BSAが回収され、さらに5.60gがトルエンろ液中に存在する。このトルエンろ液は次回の反応に再使用される。40%トルエンの湿ったケークは、直接、配合プロセスにおいて使用される。図3はDPO−BSAのDSCである。
実施例2: 1:3.3重量比(1.0:1.066モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−1010を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法(分子溶融物サンプルA)
実施例1から得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(101.4g)を、湿ったケーク(湿ったケークの総重量は168.2gであり、40%のトルエンを含有する)のまま、反応装置に仕込み、撹拌を開始して、温度を88℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。IRGANOX(登録商標)1010(I−1010)(334.6g)を混合物に加えて、透明な溶液が94℃に達するまで撹拌する。反応装置を密封して、温度が97℃に上昇したときに排気し、その一方で、トルエン(66.7g)が上部から集められ(2時間)、DPO−BSA製造プロセスに再使用するために回収される。表面下の窒素スパージャーは、トルエンを除くことを助けるために最後の1時間で使用される。回分処理物が乾燥したとき、配合されたポリマー添加剤配合物を97℃で保ち、3000gの迅速に撹拌されている水の中に滴下して、25℃に冷却し、そして粗いフリットでろ過する。その後、生成物を、500mlの水を使用して洗浄し、40℃/10mmHgで回転乾燥機において乾燥する。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)による分析は、この分子溶融物の組成が23.7wt%のDPO−BSAおよび76.3wt%のIRGANOX(登録商標)I−1010であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:Irganox−1010分子溶融物が0.42加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。加重平均重量パーセントは、積分された溶融物の吸熱(J/g単位)を、分子溶融物全体の純成分の個々の重量パーセント割合が乗された純成分の溶融物吸熱の積の和で除することによって計算される。図4には、分子溶融物サンプルAに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
実施例3: 1:3.3重量比(1.0:1.066モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−1010を製造するためのDPO−BSAの共沈殿方法(分子溶融物サンプルB)
実施例1のようにして得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(25.6g)を反応装置に仕込み、その後、100gのアセトニトリルを加え、撹拌を開始して、温度を60℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。IRGANOX(登録商標)I−1010(84.37g)を混合物に加えて、透明な溶液が60℃に達するまで撹拌する。反応装置を密封して、温度が67℃で維持されたときに排気し、その一方で、アセトニトリル(90g)が上部から集められ(2時間)、再使用のために回収される。表面下の窒素スパージャーは、アセトニトリルを除くことを助けるために最後の1時間で使用される。このとき、溶融した配合ポリマー添加剤配合物を57℃で保ち、3000gの迅速に撹拌されている水の中に滴下して、25℃に冷却し、そして粗いフリットでろ過する。その後、生成物を、500mlの水を使用して洗浄し、40℃/10mmHgで回転乾燥機において乾燥する。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が23.7wt%のDPO−BSAおよび76.3wt%のIRGANOX(登録商標)I−1010であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:Irganox−1010分子溶融物が43.7加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図5には、分子溶融物サンプルBに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
実施例4: 1:1.7重量比(1.82:1モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−1010を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法(分子溶融物サンプルC)
実施例1のようにして得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。塩化メチレン(3664g)を反応装置に仕込み、その後、4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(567.84g)およびIRGANOX(登録商標)I−1010(965.32g)を加え、撹拌を開始して、温度を88℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。透明な溶融物が94℃に達するまで、塩化メチレンを混合物から上部で回収する。反応装置を密封して、温度が97℃に上昇したときに排気し、その一方で、塩化メチレン(3600g)が上部から集められ(1.5時間)、DPO−BSA配合プロセスに再使用するために回収される。表面下の窒素スパージャーは、塩化メチレンを除くことを助けるために最後の1時間で使用される。回分処理物が乾燥したとき、配合されたポリマー添加剤配合物を97℃で保ち、皿(32×18×4インチ)の中に注ぎ、25℃に冷却し、そしてFranklin Miller破砕機で破砕して、200ミクロンから2000ミクロンの範囲の粒子を得る。その後、生成物を40℃/10mmHgで回転乾燥機において乾燥した。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が37.04wt%のDPO−BSAおよび62.96wt%のIRGANOX(登録商標)I−1010であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:Irganox−1010分子溶融物が48.15加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図6には、分子溶融物サンプルCに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
実施例5: 1:0.825重量比(3.75:1モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−1010を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法(分子溶融物サンプルD)
実施例1のようにして得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。塩化メチレン(4130g)を反応装置に仕込み、その後、4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(640.14g)およびIRGANOX(登録商標)I−1010(528.10g)を加え、撹拌を開始して、温度を88℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。透明な溶融物が94℃に達するまで、塩化メチレンを混合物から上部で回収する。反応装置を密封して、温度が97℃に上昇したときに排気し、その一方で、塩化メチレン(4022g)が上部から集められ(1.5時間)、DPO−BSA配合プロセスに再使用するために回収される。表面下の窒素スパージャーは、塩化メチレンを除くことを助けるために最後の1時間で使用される。回分処理物が乾燥したとき、配合されたポリマー添加剤配合物を97℃で保ち、皿(32×18×4インチ)の中に注ぎ、25℃に冷却し、そしてFranklin Miller破砕機で破砕して、200ミクロンから2000ミクロンの範囲の粒子を得る。その後、生成物を40℃/10mmHgで回転乾燥機において乾燥した。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が54.79wt%のDPO−BSAおよび45.21wt%のIRGANOX(登録商標)I−1010であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:Irganox−1010分子溶融物が51.09加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図7には、分子溶融物サンプルDに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
実施例6: 1:6.6重量比(1:2.13モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−1010を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法(分子溶融物サンプルE)
実施例1のようにして得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。塩化メチレン(2580g)を反応装置に仕込み、その後、4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(400.00g)およびIRGANOX(登録商標)I−1010(2640.00g)を加え、撹拌を開始して、温度を88℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。透明な溶融物が94℃に達するまで、塩化メチレンを混合物から上部で回収する。反応装置を密封して、温度が97℃に上昇したときに排気し、その一方で、塩化メチレン(2376g)が上部から集められ(1.5時間)、DPO−BSA配合プロセスに再使用するために回収される。表面下の窒素スパージャーは、塩化メチレンを除くことを助けるために最後の1時間で使用される。回分処理物が乾燥したとき、配合されたポリマー添加剤配合物を97℃で保ち、皿(32×18×4インチ)の中に注ぎ、25℃に冷却し、そしてFranklin Miller破砕機で破砕して、200ミクロンから2000ミクロンの範囲の粒子を得る。その後、生成物を40℃/10mmHgで回転乾燥機において乾燥した。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が13.16wt%のDPO−BSAおよび86.84wt%のIRGANOX(登録商標)I−1010であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:Irganox−1010分子溶融物が0.82加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図8には、分子溶融物サンプルEに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
実施例7: 1:3.3重量比(1:1.066モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−1010を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法、大規模例(分子溶融物サンプルF)
実施例1のようにして得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。塩化メチレン(129.42kg)を反応装置に仕込み、その後、4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(20.06kg)およびIRGANOX(登録商標)I−1010(66.20kg)を加え、撹拌を開始して、温度を38℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。透明な溶融物が94℃に達するまで、塩化メチレンを混合物から上部で回収する。反応装置を密封して、温度が97℃に上昇したときに排気し、その一方で、塩化メチレン(128.2kg)が上部から集められ(1.5時間)、DPO−BSA配合プロセスに再使用するために回収される。表面下の窒素スパージャーは、塩化メチレンを除くことを助けるために最後の1時間で使用される。回分処理物が乾燥したとき、配合されたポリマー添加剤配合物を97℃で保ち、10個の皿(32×18×4インチ)の中に注ぎ、25℃に冷却し、そしてFranklin Miller破砕機で破砕して、200ミクロンから2000ミクロンの範囲の粒子を得る。その後、生成物を40℃/10mmHgで回転乾燥機において乾燥した。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が23.26wt%のDPO−BSAおよび76.74wt%のIRGANOX(登録商標)I−1010であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:Irganox−1010分子溶融物が0.00加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図9には、分子溶融物サンプルFに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
下記の実施例は、分子溶融物組成物の抗酸化物部分として機能し得るさらなる化合物を記載する。
実施例8: 1:6.575重量比(1:1モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:Chimassorb944を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法(分子溶融物サンプルG)
下記の実施例は、典型的には抗酸化剤として示され得ない化学化合物が、分子溶融物において使用される抗酸化剤と見なされることを明らかにする。
実施例1のようにして得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。トルエン(20.00g)を反応装置に仕込み、その後、4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(2.00g)および(ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−s−トリアジン−2,4−ジイル][2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ])(13.15g)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズからChimassorb(登録商標)944の商品名で得られるヒンダードアミンライト安定化剤)を加え、撹拌を開始して、温度を80℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。透明な溶融物が85℃に達するまで、トルエンを混合物から真空下で上部で回収する。回分処理物が乾燥したとき、配合されたポリマー添加剤配合物を85℃で保ち、時計皿の中に注ぎ、25℃に冷却する。その後、生成物を40℃/1.0mmHgで真空オーブンにおいて乾燥した。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が13.16wt%のDPO−BSAおよび86.84wt%のChimassorb(登録商標)944であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:Chimassorb(登録商標)944分子溶融物が13.3%加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図11には、分子溶融物サンプルGに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
図12のラマンスペクトルから理解される得るように、サンプルGの分子溶融物組成物は約2100に二重線を示している。この二重線の左側のピークはDPO−BSAによるものであり、二重線の右側のピークは、DPO−BSAとChimassorb944との相互作用によるものである。
実施例9: 1:0.925重量比(1:1モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:ラクトン(HP136)を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法(分子溶融物サンプルH)
実施例1のようにして得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。トルエン(20.00g)を反応装置に仕込み、その後、4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(2.00g)および(o−キシレンとの5,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2(3H)−ベンゾフラノン反応生成物)(1.85g)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズからIRGANOX HP136(登録商標)の商品名で得られるラクトン系抗酸化剤)を加え、撹拌を開始して、温度を80℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。透明な溶融物が85℃に達するまで、トルエンを混合物から真空下で上部で回収する。回分処理物が乾燥したとき、配合されたポリマー添加剤配合物を85℃で保ち、100mlビンの中に注ぎ、25℃に冷却する。その後、生成物を40℃/1.0mmHgで真空オーブンにおいて乾燥した。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が52.0wt%のDPO−BSAおよび48.0wt%のHP136(登録商標)であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:HP136(登録商標)分子溶融物が0.0%加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図13には、分子溶融物サンプルHに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
図14のラマンスペクトルから理解される得るように、サンプルHの分子溶融物組成物は約2100cm−1に二重線を示している。この二重線の左側のピークはDPO−BSAによるものであり、二重線の右側のピークは、DPO−BSAとHP136との相互作用によるものである。
実施例10: 1:1.543重量比(1:1モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−245を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法(分子溶融物サンプルI)
実施例1のようにして得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。トルエン(20.00g)を反応装置に仕込み、その後、4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(3.00g)および(エチレンビス(オキシエチレン)ビス−(3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート))(1.85g)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズからIRGANOX(登録商標)I−245の商品名で得られる抗酸化剤)を加え、撹拌を開始して、温度を80℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。透明な溶融物が85℃に達するまで、トルエンを混合物から真空下で上部で回収する。回分処理物が乾燥したとき、配合されたポリマー添加剤配合物を85℃で保ち、100mlビンの中に注ぎ、25℃に冷却する。その後、生成物を40℃/1.0mmHgで真空オーブンにおいて乾燥した。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が39.3wt%のDPO−BSAおよび60.6wt%のIrganox(登録商標)I−245であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:I−245分子溶融物が0.0%加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図15には、分子溶融物サンプルIに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
図16のラマンスペクトルから理解される得るように、サンプルIの分子溶融物組成物は約2100cm−1に二重線を示している。この二重線の左側のピークはDPO−BSAによるものであり、二重線の右側のピークは、DPO−BSAとIrganox I−245との相互作用によるものである。
実施例11: 1:0.55重量比(1:1モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−1425を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法(分子溶融物サンプルJ)
実施例1のようにして得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。トルエン(20.00g)を反応装置に仕込み、その後、4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(3.00g)および(カルシウムジエチルビス(((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスホナート)(5.48g)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズからIRGANOX(登録商標)I−1425の商品名で得られる抗酸化剤)を加え、撹拌を開始して、温度を80℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。透明な溶融物が85℃に達するまで、トルエンを混合物から真空下で上部で回収する。回分処理物が乾燥したとき、配合されたポリマー添加剤配合物を85℃で保ち、100mlビンの中に注ぎ、25℃に冷却する。その後、生成物を40℃/1.0mmHgで真空オーブンにおいて乾燥した。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が35.37wt%のDPO−BSAおよび64.63wt%のIRGANOX(登録商標)I−1425であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:I−1425分子溶融物が68.76%加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図17には、分子溶融物サンプルJに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
図18のラマンスペクトルから理解される得るように、サンプルJの分子溶融物組成物は約2100cm−1に二重線を示している。この二重線の左側のピークはDPO−BSAによるものであり、二重線の右側のピークは、DPO−BSAとIrganox I−1425との相互作用によるものである。
実施例12: 1:3.3重量比(1:1.066モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−1010を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法(分子溶融物サンプルK)
下記は、前記の実施例において得られた分子溶融物よりも大きい結晶性割合を有する分子溶融物を製造するために利用することができる方法である。本実施例はまた、DPO−BSAが精製形態で決して単離されないこと、そしてDPO−BSAを減感するために、DPO−BSAがトルエン中に懸濁されながら、I−1010がDPO−BSAに添加され、その結果、DPO−BSAがトルエンから容易かつ安全に回収され得ることを明らかにしている。
DPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素パッドを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで製造する。再使用に由来するトルエン(186.83kg)および新しいトルエン(66.9kg)を反応装置に仕込む。反応装置を50℃に加熱して、96.1kgの4,4’−オキシジベンゼンスルホニルクロリド(DPO−BSC)を撹拌下で加える。その後、反応装置に、直前の反応物の水洗に由来する再使用水の87.78kgを加え、撹拌機を150rpmで設定する。その後、0.24kgのNaHCOを加え、溶液中の酸を中和する。pH試験紙により、水相が中性であることが確認されたとき、0.24kgのテトラn−ブチルアンモニウム塩化物(PTC)を加える。これに、35kgのアジ化ナトリウムを15分かけて加える。攪拌機の回転数を、相の適切な混合を確保するために300に上げる。反応装置の温度を50℃から65℃に30分かけて上げる。反応は、液体クロマトグラフィー分析により確認されるように、75分後に100%の変換である。攪拌機を停止させ、相を10分間かけて分離させる。一番下の水/塩相を、底の排出バルブを使用して除き、付帯する燃焼炉に送る。さらに29.33kgの55℃の湯を加え、攪拌機を250rpmで5分間設定し、その後、停止させて、相を分離させる(10分)。一番下の相を再び除き、水による抽出工程をさらに2回繰り返す(29.33kgの55℃の湯で2回)。その後の抽出については、持続性のエマルションを生じさせないことを確実にするために、攪拌機の回転数を200に下げる。3回の洗浄液のすべてを一緒にして、次回の回分処理に再使用するために取っておく。
IRGANOX(登録商標)I−1010(334.6kg)を混合物に加えて、透明な溶液が94℃に達するまで撹拌する。反応装置の温度を97℃に上げ、その一方で、トルエン(186.83kg)が上部から集められ(2時間)、DPO−BSA製造プロセスに再使用するために回収される。メタノール(600kg)を加え、残留するトルエンをメタノールとの共沸蒸留によって除く。回分処理物からトルエンがなくなったとき、配合物を5℃に冷却して、結晶を生成させ、その後、結晶を遠心分離により集める。その後、生成物を40℃/1.0mmHgで回転式乾燥機において乾燥する。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が23.26wt%のDPO−BSAおよび76.74wt%のIRGANOX(登録商標)I−1010であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:I−1010分子溶融物が76.87%加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図19には、この分子溶融物に対する示差走査熱量測定の結果が示されている。
実施例13: 1:3.3重量比(1:1.066モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−1010を使用するレオロジー改変ポリマーの製造
ベースポリプロピレン樹脂
下記の実施例のすべてにおいて使用されるサンプルを作製するために使用されたベースポリプロピレンは、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーからDow H700−12PPおよびDow C105−02PPの名称で得られるアイソタクチックポリプロピレンペレットである。Dow H700−12PPはプロピレンのホモポリマーであり、メルトフローレイト(MFR)=12dg/分(230℃)/2.16kgである。Dow C105−02PPは、16重量パーセント〜22重量パーセントのエチレンを伴うプロピレンのインパクトコポリマーであり、メルトフローレイト(MFR)=1.7dg/分(230℃)/2.16kgである。
修飾ポリプロピレンの調製
ポリマーサンプル(A1、B1およびCA)を下記のように調製する。1500グラムのポリマーを重量測定して容器に入れた。1.5グラムのオイルを加えて、容器を30分間にわたって回転させた。そのとき、所望する量の分子溶融物(1:3.3重量比のDPO−BSA:Irganox1010)および添加剤(表2参照)を加え、容器をさらに30分間にわたって回転させた。回転混合された混合物を、単一の振動式供給装置を使用して20mmの押出し機に直接供給した。供給速度は、80%のトルクが達成されるように調節された。
ポリマーサンプル(A2、B2およびCB)を、粉末マスターバッチ法を下記のように使用して製造する。2つの供給装置を用いた:1つは、添加剤を押出し機に送達するために粉末マスターバッチを送達するためであり、もう1つは、ベースポリマーを送達するためである。これらの供給装置は、95対5のベースポリマー対粉末マスターバッチの重量比で供給するように調節された。ベースポリマーは振動式供給装置に入れられ、押出し機に直接的に供給された。粉末マスターバッチは、100グラムのアイソタクチックホモポリマーポリプロピレン粉末(例A2についてはProfax6301、B2およびCBの例についてはProfax6501、これらはBasselから入手可能である)を重量測定して容器に入れることによって作製された。所望する量の分子溶融物(1:3.3重量比のDPO−BSA:Irganox1010)および添加剤(表2参照)を、生成物の最終濃度が達成されるように加えて、容器を30分間にわたって回転させた。ベースポリマーおよび粉末マスターバッチの供給装置は、95対5のベースポリマー対粉末マスターバッチの重量比で押出し機に供給するように、そして80%のトルクが達成されるように調節された。
すべての場合において使用された押出し機は、20mmのWelding Engineers二軸押出し機であった。押出し機を200rpmで運転した。入口から出口までの二軸押出し機全体の温度プロフィルは、170、180、190、200、210、220および230であった。示された温度は押出し機のバレル温度である。最後の帯域の出口に配置された金型は、BSAとプロピレンポリマーとの完全な反応を確保するために、温度が240℃であった。得られた溶融押出しポリマーは金型を通り抜け、その後、ペレットにされた。
表2を参照すると、得られた修飾ポリマー(A1、A2、B1およびB2のポリマーサンプル)のメルトフローレイト(MFR)が、ASTM法D1238に従って2.16kgの加重を用いて230℃で測定されたときに、非修飾ポリマーのサンプルと比較して低下している。このことは、これらのポリマーサンプルは、DPO−BSAとベースポリプロピレンポリマーとの反応によってレオロジーの改変に成功したことを示している。分子溶融物は、等量のBSA単独よりも効率的にベースポリマーをカップリングすると考えられる。
Figure 2013173936
実施例14: 1:3.3:1.4重量比(1:1:1モル比)の分子溶融物におけるDPO−BSA:I−1010:I−1076を製造するための4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)の溶融混合物配合方法(分子溶融物サンプルL)
実施例1のようにして得られたDPO−BSAを、冷却/加熱用ジャケット、底の排出バルブ、凝縮器、温度計保護管および窒素スパージャーを備えるガラス内張りの撹拌型反応装置を使用する回分プロセスで配合する。塩化メチレン(2500g)を反応装置に仕込み、その後、4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジド(DPO−BSA)(250.00g)、IRGANOX(登録商標)I−1010(テトラキス−(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)))(825.0g)およびIRGANOX(登録商標)I−1076(オクタセシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(349.02g)を加え、撹拌を開始して、温度を81℃に上げる。これにより透明な溶液が得られる。透明な溶融物が93℃に達するまで、塩化メチレンを混合物から真空下で上部で回収する。回分処理物が乾燥したとき、配合されたポリマー添加剤配合物を96℃で保ち、ステンレススチール製皿(32×18×4インチ)の中に注ぎ、25℃に冷却し、その後、Frankline Miller粉砕器で粉砕して、200ミクロンから2000ミクロンの範囲の粒子を得る。その後、生成物を40℃/1.0mmHgで真空オーブンにおいて乾燥した。生成物は自由に流れる粉末であり、これは衝撃感受性ではなく、特別な予防処置を何ら取ることなく取り扱うことができる。HPLCによる分析は、この分子溶融物の組成が17.56wt%のDPO−BSA、57.93wt%のIRGANOX(登録商標)I−1010および24.51wt%のIRGANOX(登録商標)I−1076であることを示している。示差走査熱量測定分析により、この手法により形成されたDPO−BSA:I−1010:I−1076分子溶融物が24.7%加重平均重量パーセントの全体的な結晶性を示すことが明らかにされた。図20には、分子溶融物サンプルLに対する示差走査熱量測定の結果が示されている。当業者は、I−1076の塊が結晶性であり、これに対してDPO−BSAおよびI−1010が分子溶融物において非晶質であることを図20から確認することができる。
DPO−BSA、I−1010およびI−1076からなる分子溶融物は、標的ポリマーと反応した場合、キャストフィルムにされたときにゲルカウント(gel count)がより低い、より均一なカップリング生成物をもたらすと考えられる。さらに、この分子溶融物は、都合よいことに、典型的な高非晶質のDPO−BSA:I−1010分子溶融物の大きい非晶質性を示すが、凝集に対する増大した抵抗性もまた示し、従って、典型的な高非晶質のDPO−BSA:I−1010分子溶融物と比較して、分子溶融物のブロッキングを低下させる。

Claims (83)

  1. a)抗酸化剤、およびb)カップリング剤を含む分子溶融物組成物。
  2. カップリング剤の少なくとも1つの反応基が、ニトレンを生成し得る基、カルベンを生成し得る基、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. カップリング剤が、スルホニルアジド、ポリ(スルホニルアジド)、ホスファゼンアジド、ポリ(ホスファゼンアジド)、シリルアジド、ポリ(シリルアジド)、ホルミルアジド、ポリ(ホルミルアジド)、アジド、ポリ(アジド)、N−クロロスルホンアミドの塩、N,N−ジクロロスルホンアミド、2−トリアルキル−1−スルホニルヒドラジドの内部塩、ジアゾアルカン、ポリ(ジアゾアルカン)、ジェミナル置換されたメチレン基、ケテン、メタロカルベン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  4. カップリング剤がポリ(スルホニルアジド)を含む、請求項1に記載の組成物。
  5. カップリング剤がビススルホニルアジドを含む、請求項4に記載の組成物。
  6. カップリング剤が4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジドまたはその誘導体である、請求項5に記載の組成物。
  7. 抗酸化剤が、フェノール性化合物およびその誘導体、ヒンダードアミンおよびその誘導体、アミン水酸化物およびその誘導体、チオエステル化合物およびその誘導体、ヒンダードフェノール性化合物およびその誘導体、ラクトンおよびその誘導体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  8. 抗酸化剤がフェノール性化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
  9. 抗酸化剤がヒンダードフェノール性化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 抗酸化剤がテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]またはその誘導体である、請求項1に記載の組成物。
  11. カップリング剤がビススルホニルアジドを含む、請求項10に記載の組成物。
  12. カップリング剤が4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジドまたはその誘導体である、請求項11に記載の組成物。
  13. 分子溶融物が、DSCによって測定されたときに、95加重平均重量パーセント未満の全体的な結晶性を示す、請求項1に記載の組成物。
  14. 分子溶融物が、DSCによって測定されたときに、60加重平均重量パーセント未満の全体的な結晶性を示す、請求項1に記載の組成物。
  15. 分子溶融物が、DSCによって測定されたときに、20加重平均重量パーセント未満の全体的な結晶性を示す、請求項1に記載の組成物。
  16. 分子溶融物が、DSCによって測定されたときに、10加重平均重量パーセント未満の全体的な結晶性を示す、請求項1に記載の組成物。
  17. 分子溶融物が、DSCによって測定されたときに、5加重平均重量パーセント未満の全体的な結晶性を示す、請求項1に記載の組成物。
  18. 分子溶融物が、DSCによって測定されたときに、1加重平均重量パーセント未満の全体的な結晶性を示す、請求項1に記載の組成物。
  19. 抗酸化剤がテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]またはその誘導体であり、カップリング剤がビススルホニルアジドを含む、請求項1に記載の組成物。
  20. 抗酸化剤がラクトンまたはその誘導体である、請求項1に記載の組成物。
  21. 第2の抗酸化剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  22. 第2の抗酸化剤がオクタセシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートである、請求項21に記載の組成物。
  23. さらなるポリマー添加剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  24. さらなるポリマー添加剤が、内部滑剤、相溶性剤、剥離剤、可塑剤、紫外線安定化剤、触媒中和剤およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項23に記載の組成物。
  25. さらなるポリマー添加剤が内部滑剤を含む、請求項23に記載の組成物。
  26. 内部滑剤がPEGである、請求項25に記載の組成物。
  27. 内部滑剤がPPGである、請求項25に記載の組成物。
  28. 内部滑剤がGMSである、請求項25に記載の組成物。
  29. 抗酸化剤およびカップリング剤が1:1またはそれ以上のモル比で存在する、請求項1に記載の組成物。
  30. a)抗酸化剤、および
    b)修飾剤
    を含む分子溶融物組成物。
  31. 修飾剤の反応基が、ニトレンおよびカルベンからなる群から選択される、請求項30に記載の組成物。
  32. 修飾剤が、スルホニルアジド、ホスファゼンアジド、シリルアジド、ホルミルアジド、アジド、N−クロロスルホンアミドの塩、N,N−ジクロロスルホンアミド、2−トリアルキル−1−スルホニルヒドラジドの内部塩、ジアゾアルカン、ジェミナル置換されたメチレン基、ケテン、メタロカルベン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30に記載の組成物。
  33. 修飾剤がスルホニルアジドを含む、請求項30に記載の組成物。
  34. 抗酸化剤が、フェノール性化合物およびその誘導体、ヒンダードアミンおよびその誘導体、アミン水酸化物およびその誘導体、チオエステル化合物およびその誘導体、ヒンダードフェノール性化合物およびその誘導体、ラクトンおよびその誘導体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30に記載の組成物。
  35. 抗酸化剤がフェノール性化合物を含む、請求項30に記載の組成物。
  36. 抗酸化剤がヒンダードフェノール性化合物を含む、請求項30に記載の組成物。
  37. 抗酸化剤がテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]またはその誘導体である、請求項30に記載の組成物。
  38. 修飾剤が、カルベン基またはニトレン基を生成する基に存在するヘテロ原子に加えて機能的なヘテロ原子を含有する、請求項30に記載の組成物。
  39. 修飾剤が、カルベン基またはニトレン基を生成する基に加えて官能基を含有する、請求項30に記載の組成物。
  40. 官能基が、アミド、イミド、エポキシ、エステル、カルボン酸、ヒドロキシ基、アンヒドリド、アミノ基およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項39に記載の組成物。
  41. 液体に含有されるカップリング剤を減感するための方法であって、抗酸化剤を液体に導入する工程を含む方法。
  42. カップリング剤が液体に懸濁される、請求項41に記載の方法。
  43. カップリング剤が液体に溶解される、請求項41に記載の方法。
  44. 液体が、カップリング剤が生成する反応混合物の一部である、請求項41に記載の方法。
  45. 抗酸化剤が、カップリング剤が生成する前の反応混合物に導入される、請求項44に記載の方法。
  46. 抗酸化剤が、カップリング剤が生成した後の液体に導入される、請求項44に記載の方法。
  47. カップリング剤がポリ(スルホニルアジド)である、請求項41に記載の方法。
  48. 抗酸化剤が、フェノール性化合物およびその誘導体、ヒンダードアミンおよびその誘導体、アミン水酸化物およびその誘導体、チオエステル化合物およびその誘導体、ヒンダードフェノール性化合物およびその誘導体、ラクトンおよびその誘導体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
  49. 抗酸化剤がテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]またはその誘導体であり、そして抗酸化剤が、カップリング剤が生成した後の液体に導入される、請求項48に記載の方法。
  50. 液体に含有される修飾剤を減感するための方法であって、抗酸化剤を液体に導入する工程を含む方法。
  51. 修飾剤が液体に懸濁される、請求項50に記載の方法。
  52. 修飾剤が液体に溶解される、請求項50に記載の方法。
  53. 液体が、修飾剤が生成する反応混合物の一部である、請求項50に記載の方法。
  54. 抗酸化剤が、修飾剤が生成する前の反応混合物に導入される、請求項53に記載の方法。
  55. 抗酸化剤が、修飾剤が生成した後の液体に導入される、請求項53に記載の方法。
  56. 修飾剤がスルホニルアジドである、請求項50に記載の方法。
  57. 抗酸化剤が、フェノール性化合物およびその誘導体、ヒンダードアミンおよびその誘導体、アミン水酸化物およびその誘導体、チオエステル化合物およびその誘導体、ヒンダードフェノール性化合物およびその誘導体、ラクトンおよびその誘導体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項50に記載の方法。
  58. 修飾剤が、カルベン基またはニトレン基を生成する基に加えて官能基を含有する、請求項50に記載の方法。
  59. 官能基が、アミド、イミド、エポキシ、エステル、カルボン酸、ヒドロキシ基、アンヒドリド、アミノ基およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項50に記載の方法。
  60. 分子溶融物を作製するための方法であって、カップリング剤を含有する液体に抗酸化剤を導入する工程、および分子溶融物を回収する工程を含む方法。
  61. カップリング剤が液体に懸濁される、請求項60に記載の方法。
  62. カップリング剤が液体に溶解される、請求項60に記載の方法。
  63. 液体が、カップリング剤が生成する反応混合物の一部である、請求項60に記載の方法。
  64. 抗酸化剤が、カップリング剤が生成する前の反応混合物に導入される、請求項63に記載の方法。
  65. 抗酸化剤が、カップリング剤が生成した後の液体に導入される、請求項63に記載の方法。
  66. カップリング剤がポリ(スルホニルアジド)である、請求項60に記載の方法。
  67. 抗酸化剤が、フェノール性化合物およびその誘導体、ヒンダードアミンおよびその誘導体、アミン水酸化物およびその誘導体、チオエステル化合物およびその誘導体、ヒンダードフェノール性化合物およびその誘導体、ラクトンおよびその誘導体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項60に記載の方法。
  68. 抗酸化剤がテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]またはその誘導体であり、そして抗酸化剤が、カップリング剤が生成した後の液体に導入される、請求項67に記載の方法。
  69. 分子溶融物が、液体から分子溶融物を沈殿させることによって液体から回収される、請求項60に記載の方法。
  70. 分子溶融物が、抗酸化剤およびカップリング剤を同時に結晶化させることによって液体から回収される、請求項60に記載の方法。
  71. カップリングされたポリマーを製造するための方法であって、
    (a)分子溶融物をポリマーと混合する工程、および
    (b)分子溶融物をポリマーと反応させる工程
    を含む方法。
  72. 反応が、分子溶融物およびポリマーを加熱することによって生じる、請求項71に記載の方法。
  73. 分子溶融物およびポリマーを混合し、そして分子溶融物のカップリング剤とポリマーとの反応を生じさせるために十分な熱を供給する混合装置において行われる、請求項72に記載の方法。
  74. ポリマー押出し機において行われる、請求項73に記載の方法。
  75. カップリング剤がポリ(スルホニルアジド)である、請求項73に記載の方法。
  76. 分子溶融物が、フェノール性化合物およびその誘導体、ヒンダードアミンおよびその誘導体、アミン水酸化物およびその誘導体、チオエステル化合物およびその誘導体、ヒンダードフェノール性化合物およびその誘導体、ラクトンおよびその誘導体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される抗酸化剤からなる、請求項73に記載の方法。
  77. カップリング剤が、スルホニルアジド、ポリ(スルホニルアジド)、ホスファゼンアジド、ポリ(ホスファゼンアジド)、シリルアジド、ポリ(シリルアジド)、ホルミルアジド、ポリ(ホルミルアジド)、アジド、ポリ(アジド)、N−クロロスルホンアミドの塩、N,N−ジクロロスルホンアミド、2−トリアルキル−1−スルホニルヒドラジドの内部塩、ジアゾアルカン、ポリ(ジアゾアルカン)、ジェミナル置換されたメチレン基、ケテン、メタロカルベン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項73に記載の方法。
  78. 抗酸化剤がテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]またはその誘導体であり、カップリング剤が4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジドまたはその誘導体である、請求項76に記載の方法。
  79. カップリングされるポリマーがポリオレフィンである、請求項71に記載の方法。
  80. カップリングされるポリマーがプロピレン系ポリマーである、請求項73に記載の方法。
  81. 十分なカップリング剤が、レオロジー的に改変されたプロピレン系ポリマーを製造するために利用される、請求項80に記載の方法。
  82. 十分なカップリング剤が、架橋された網目構造を有するカップリングされたプロピレン系ポリマーを製造するために利用される、請求項80に記載の方法。
  83. 抗酸化剤がテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]またはその誘導体であり、カップリング剤が4,4’−オキシジベンゼンスルホニルアジドまたはその誘導体である、請求項81に記載の方法。
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