JP2013170088A - 防汚膜付き基体 - Google Patents

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Abstract

【課題】撥水性等の防汚性に優れるとともに、繰り返しの拭き取り操作等に対して防汚性の低下が抑制された耐摩耗性に優れる、含フッ素有機ケイ素化合物被膜を有する防汚膜付き基体を提供する。
【解決手段】第1の主面と、第1の主面に対向する第2の主面とを有する透明基体と、第1の主面を被覆する含フッ素有機ケイ素化合物被膜とを有し、第1の主面を被覆した状態の含フッ素有機ケイ素化合物膜の表面粗さが、中心線平均粗さ(Ra)で10nm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、防汚膜付き基体に関する。
スマートフォンやタブレットPC等の携帯機器に用いられるタッチパネルは使用時に人間の指が触れるため、指紋、皮脂、汗等による汚れが付着しやすい。そして、これらの汚れは付着すると落ちにくく、また、光の加減等によっては目立つため、視認性や美観を損ねるという問題があった。さらに、ディスプレイガラス、光学素子、衛生機器等においても同様の問題が指摘されていた。
このような問題を解消するために、これらの部品や機器の人間の指が触れる部分に含フッ素有機ケイ素化合物からなる防汚膜を形成した基板を用いる方法が知られている。基板上に形成された防汚膜には、汚れが付着するのを抑制するために高い撥水・撥油性が求められるとともに、付着した汚れの払拭に対する耐摩耗性が求められている。
例えば、特許文献1には、撥水性あるいは防汚性の機能性被膜被覆物品を提供するため、ガラス基板を、微小凹凸を有した珪素酸化物を主成分とする下地層で被覆し、さらに、この下地層を機能性層で被覆するが提案されている。特許文献1では、下地層及び機能性層からなる機能性被膜の表面粗さが、中心線平均粗さ(Ra)で少なくとも10nmであることが開示されている。
しかしながら、特許文献1で提案される手法では、特許文献1の方法では実使用において求められる耐摩耗性を十分満たしているとは言えず、さらに耐摩耗性が改善された防汚膜が求められている。
国際公開WO2004/052264号公報
本発明は、撥水性等の防汚性に優れるとともに、繰り返しの拭き取り操作等に対して防汚性の低下が抑制された耐摩耗性に優れる、含フッ素有機ケイ素化合物被膜を有する防汚膜付き基体の提供を目的とする。
本発明の防汚膜付き基体は、第1の主面と、第1の主面に対向する第2の主面とを有する透明基体と、第1の主面を被覆する含フッ素有機ケイ素化合物被膜とを有し、第1の主面を被覆した状態の含フッ素有機ケイ素化合物膜の表面粗さが、中心線平均粗さ(Ra)で10nm以下である。
本発明によれば、撥水性等の防汚性に優れるとともに、繰り返しの拭き取り操作等に対して防汚性の低下が抑制された耐摩耗性に優れる、含フッ素有機ケイ素化合物被膜を有する防汚膜付き基体を提供できる。
本発明の防汚膜付き基体の一実施形態の断面図である。 本発明の防汚膜付き基体の一実施形態の製造に使用する真空蒸着装置の模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[防汚膜付き基体]
本発明の防汚膜付き基体は、第1の主面と、第1の主面に対向する第2の主面とを有する透明基体と、第1の主面を被覆する含フッ素有機ケイ素化合物被膜とを有し、第1の主面を被覆した状態の含フッ素有機ケイ素化合物膜の表面粗さが、中心線平均粗さ(Ra)で10nm以下となっている。
本発明の防汚膜付き基体が有する含フッ素有機ケイ素化合物被膜は、後述の含フッ素加水分解性ケイ素化合物が基体の表面で以下のように加水分解縮合反応して形成される被膜であり、該被膜が撥水性や撥油性を有することで防汚膜として機能する。なお、本明細書において、含フッ素加水分解性ケイ素化合物とは、加水分解可能な基または原子がケイ素原子に結合した加水分解性シリル基を有し、さらにそのケイ素原子に結合する含フッ素有機基を有する化合物をいう。なお、本明細書において、上記ケイ素原子に結合して加水分解性シリル基を構成する加水分解可能な基または原子を併せて「加水分解性基」という。
本発明の防汚膜付き基体において、防汚膜となる含フッ素有機ケイ素化合物の被膜は、上記含フッ素加水分解性ケイ素化合物の加水分解性シリル基が、加水分解によりシラノール基となり、さらにこれらが分子間で脱水縮合して−Si−O−Si−で表されるシロキサン結合を生成することで形成される。得られる被膜において、シロキサン結合のケイ素原子に結合する上記含フッ素有機基は、殆どが基体と反対側の被膜表面付近に存在する。この含フッ素有機基の作用により該被膜は、撥水性や撥油性の発現が可能となる。また、上記で生成したシラノール基は、基体の表面の水酸基(基体−OH)と脱水縮合反応により化学結合して、密着点(基体−O−Si)を形成する。
ここで、上記過程を経て基体表面に形成される含フッ素有機ケイ素化合物被膜を有する防汚膜付き基体においては、用いる基体表面の水酸基密度を上げることにより、防汚膜と基体と間の密着性が向上し、繰り返しの払拭操作等にも耐えうる高い耐摩耗性を有する防汚膜付き基体が得られるとされている。
本発明は、上記構成の防汚膜付き基体において、基体表面を被覆した状態の防汚膜の表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で10nm以下とすることで、得られる防汚膜付き基体の耐摩耗性を高いレベルに引き上げることを可能としたものである。これは、基体表面を被覆した状態の防汚膜の表面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で10nm以下とすることで、防汚膜表面の凹凸が小さくなるために汚れの払拭に対する耐摩耗性が向上するものと考えられる。
[実施形態]
図1は、本発明の防汚膜付き基体の一実施形態の断面図を示す。図1に示す本発明実施形態の防汚膜付き基体10は、第1の主面と、この第1の主面に対向する第2の主面とを有する透明基体11と、第1の主面を被覆する含フッ素有機ケイ素化合物被膜12とを有する。透明基体11の第1の主面を被覆した状態の含フッ素有機ケイ素化合物被膜12の表面粗さ、つまり、防汚膜付き基体の防汚膜を有する面の表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)で10nm以下である。以下、本発明の防汚膜付き基体を構成する各構成要素について説明する。
<透明基体11>
本発明に用いる透明基体11は、一般に防汚性被膜による防汚性の付与が求められている透明な材質からなる基体であれば特に限定されず、ガラス、樹脂またはその組み合わせ(複合材料、積層材料等)からなる基体が好ましく使用される。ガラスとしては、通常のソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられ、なかでもソーダライムガラスが特に好ましい。樹脂としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂やビスフェノールAのカーボネート等の芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられ、なかでもPETが好ましい。なお、樹脂に比べてガラス基体は本発明による効果が顕著であり、透明基体としてはガラス基体が好ましく用いられる。
透明基体11の形状は平板でもよく、全面または一部が曲率を有していてもよい。また、透明基体11の厚さは防汚性基板の用途により適宜選択できるが、一般的には0.5〜10mmであることが好ましい。
本発明に用いる透明基体11としては、含フッ素有機ケイ素化合物被膜が形成される表面(第1の主面)を酸処理(希釈したフッ酸、硫酸、塩酸等を用いた処理)、アルカリ処理(水酸化ナトリウム水溶液等を用いた処理)により数μmほどエッチングしたものを用いることが好ましい。エッチングすることにより、このエッチング面上に形成された防汚膜付き基体の防汚膜を有する面の表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra))を低くすることができるためである。なお、透明基体11の第1の主面のRaは、10nm以下であることが好ましい。より好ましいRaは、5nm以下である。前記Raの値とすることで、防汚膜付き基体の防汚膜を有する面のRaを10nm以下とさせやすいため好ましい。また、エッチング後には、超純水や有機溶媒で超音波洗浄等を施すことがより好ましい。なお、透明基体11は、必要に応じて、その表面に蒸着膜、スパッタ膜、湿式法等により形成された各種の中間膜が設けられたものでもよい。中間膜としては、通常、密着性や耐久性等の向上の目的で設けられる4官能の加水分解性ケイ素化合物やパーヒドロポリシラザンを用いて形成される酸化ケイ素を主体とする中間膜が挙げられる。
透明基体11がソーダライムガラス板である場合は、Naイオンの溶出を防止する膜を設けることが耐久性の点で好ましい。透明基体11がフロート法で製造されたガラス板である場合は、表面錫量の少ないトップ面に含フッ素有機ケイ素化合物被膜12を設けることが耐久性の点で好ましい。
<含フッ素有機ケイ素化合物被膜12>
本発明の実施形態の防汚膜付き基体10において、含フッ素有機ケイ素化合物被膜12は、蒸着法により形成される。なお、含フッ素有機ケイ素化合物被膜12の形成は、含フッ素加水分解性ケイ素化合物を含有する被膜形成用組成物を用いて行われる。
本発明に用いる被膜形成用組成物は、含フッ素加水分解性ケイ素化合物を含有する組成物であって、蒸着法による被膜形成が可能な組成物であれば、特に制限されない。被膜形成用組成物は含フッ素加水分解性ケイ素化合物以外の任意成分を含有してもよく、含フッ素加水分解性ケイ素化合物のみで構成されてもよい。任意成分としては、本発明の効果を阻害しない範囲で用いられる、フッ素原子を有しない加水分解性ケイ素化合物(以下、「非フッ素水分解性ケイ素化合物」という)、触媒、等が挙げられる。
なお、含フッ素加水分解性ケイ素化合物、および、任意に非フッ素加水分解性ケイ素化合物を被膜形成用組成物に配合するにあたって、各化合物はそのままの状態で配合されてもよく、その部分加水分解縮合物として配合されてもよい。また、該化合物とその部分加水分解縮合物の混合物として被膜形成用組成物に配合されてもよい。
また、2種以上の加水分解性ケイ素化合物を組み合わせて用いる場合には、各化合物はそのままの状態で被膜形成用組成物に配合されてもよく、それぞれが部分加水分解縮合物として配合されてもよく、さらには2種以上の化合物の部分加水分解共縮合物として配合されてもよい。また、これらの化合物、部分加水分解縮合物、部分加水分解共縮合物の混合物であってもよい。ただし、用いる部分加水分解縮合物、部分加水分解共縮合物は、蒸着が可能な程度の重合度のものとする。以下、加水分解性ケイ素化合物の用語は、化合物自体に加えてこのような部分加水分解縮合物、部分加水分解共縮合物を含む意味で用いられる。
(含フッ素加水分解性ケイ素化合物)
本発明に用いる含フッ素加水分解性ケイ素化合物は、得られる含フッ素有機ケイ素化合物被膜が、撥水性、撥油性等の防汚性を有するものであれば特に限定されない。
具体的には、パーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有する含フッ素加水分解性ケイ素化合物が挙げられる。これらの基は加水分解性シリル基のケイ素原子に連結基を介してまたは直接結合する含フッ素有機基として存在する。なお、パーフルオロポリエーテル基とは、パーフルオロアルキレン基とエーテル性酸素原子とが交互に結合した構造を有する2価の基をいう。なお本発明における含フッ素加水分解性ケイ素化合物の数平均分子量(Mn)は、2000〜10000であることが好ましく、3000〜5000であることがより好ましい。数平均分子量(Mn)が前記範囲内であることで防汚性能が十分に発現され、耐摩耗性にも優れた膜とすることができる。なお、本明細書における数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより測定されたものをいう。
上に説明したように、含フッ素加水分解性ケイ素化合物が透明基体1の表面で反応して得られる被膜においては、上記含フッ素有機基が被膜の表面付近に存在することで、撥水性、撥油性等の防汚性を有する被膜となる。これらの基を有する含フッ素加水分解性ケイ素化合物の具体例としては、下記一般式(I)〜(V)で表される化合物等が挙げられる。本明細書において、一般式(I)で示される化合物を、化合物(I)ということもある。他の一般式で示される化合物も同様である。
Figure 2013170088
式(I)中、Rf1は炭素数1〜16の直鎖状のパーフルオロアルキル基(アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)、Rは水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)、Xは加水分解可能な基(例えば、アミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルケニルオキシ基、イソシアネート基等)またはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、mは1〜50、好ましくは1〜30の整数、nは0〜2、好ましくは1〜2の整数、pは1〜10、好ましくは1〜8の整数である。
化合物(I)において、Rf1の炭素数は1〜4が好ましい。また、Rはメチル基が好ましい。Xで示される加水分解性基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
2q+1CHCHSi(NH) …(II)
式(II)中、qは1以上、好ましくは2〜20の整数である。
一般式(II)で表される化合物としては例えば、n−トリフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)プロピルシラザン(n−CFCHCHSi(NH)、n−ヘプタフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ペンチルシラザン(n−CCHCHSi(NH)等を例示することができる。
2r+1CHCHSi(OCH …(III)
式(III)中、rは1以上、好ましくは1〜20の整数である。
一般式(III)で表される化合物としては、2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン(n−C17CHCHSi(OCH)等を例示することができる。
Figure 2013170088
式(IV)中、Rf2は、−(OC−(OC−(OCF−(s、t、uはそれぞれ独立に0〜200の整数)で表される2価の直鎖状パーフルオロポリエーテル基であり、R、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜8の一価炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等)である。X、Xは独立に加水分解可能な基(例えば、アミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルケニルオキシ基、イソシアネート基等)またはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、d、eは独立に1または2であり、c、fは独立に1〜5(好ましくは1〜2)の整数であり、aおよびbは独立に2または3である。
化合物(IV)が有するRf2において、s+t+uは、20〜300であることが好ましく、25〜100であることがより好ましい。また、R、Rはメチル基、エチル基、ブチル基が好ましい。X、Xで示される加水分解性基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。また、aおよびbはそれぞれ3が好ましい。
F−(CF−(OC−(OC−(OCF(CHO(CH−Si(X3−k(R …(V)
式(V)中、vは1〜3の整数であり、w、y、zはそれぞれ独立に0〜200の整数であり、hは1または2であり、iは2〜20の整数であり、Xは加水分解性基であり、Rは炭素数1〜22の直鎖または分岐の炭化水素基であり、kは0〜2の整数である。w+y+zは、20〜300であることが好ましく、25〜100であることがより好ましい。また、iは2〜10であることが好ましい。Xは、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。Rは、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
また、市販されているパーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基およびパーフルオロアルキル基からなる群から選ばれる1つ以上の基を有するフッ素含有有機ケイ素化合物として、KP−801(商品名、信越化学工業社製)、X−71(商品名、信越化学工業社製)、KY−130(商品名、信越化学工業社製)、KY−178(商品名、信越化学工業社製)、オプツ−ル(登録商標)DSX(商品名、ダイキン工業社製)などが好ましく使用できる。
なお、市販品の含フッ素加水分解性ケイ素化合物について、これが溶剤とともに供給される場合には、溶剤を除去して使用される。本発明に用いる、被膜形成用組成物は、上記含フッ素加水分解性ケイ素化合物と必要に応じて添加される任意成分を混合することで調製され、乾式法による被膜形成に供される。
このような含フッ素加水分解性ケイ素化合物を含む被膜形成用組成物を透明基体1のプラズマ処理面に付着させ反応させて成膜することで含フッ素有機ケイ素化合物被膜が得られる。なお、乾式法による具体的な被膜形成方法、反応条件については従来公知の方法、条件等が適用可能である。また、例えば、以下に説明する本発明の含フッ素有機ケイ素化合物被膜を有する防汚膜付き基体の製造方法により製造できる。
含フッ素有機ケイ素化合物被膜の膜厚は外観およびコストの観点から50nm以下が好ましく、その下限は単分子層の厚さである。被膜の膜厚は2〜30nmがより好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
[防汚膜付き基体10の製造方法]
本発明の製造方法は、透明基体11上に形成された含フッ素有機ケイ素化合物被膜12を有する防汚膜付き基体10を製造する方法であり、透明基体11の表面上に含フッ素加水分解性ケイ素化合物を含有する組成物を蒸着し反応させて前記含フッ素有機ケイ素化合物被膜12を形成する。
図2は、本発明の防汚膜付き基体の一実施形態の製造に使用する真空蒸着装置20の模式図である。以下、図2を参照して、防汚膜付き基体10の製造方法について説明する。真空蒸着装置20は、加熱容器21、配管22、マニホールド23、可変バルブ24及び膜厚計25から構成される蒸着手段と、前室26、搬送手段27、真空チャンバ28、基体取り出し室29から構成される真空搬送手段とを備える。
図2に示す真空蒸着装置20を用いた場合、透明基体11は、図2の左側から右側に向かって搬送手段27により搬送されながら、真空チャンバ28内に配置された蒸着手段により、含フッ素有機ケイ素化合物被膜が蒸着された防汚膜付き基体10となる。
図2に示す装置を用いた本発明の製造方法における実施形態では、透明基体11は、真空チャンバ28に導入される前に、真空チャンバ28に連結され、独立に給排気可能に構成された前室26に搬送される。前室26は、大気圧下にある透明基体11を真空下(低圧下)にある真空チャンバ28に搬入するためのロードロック(Load lock)である。透明基体11の搬送後、前室26を密閉し真空状態にした上で、前室26と真空チャンバ28の間の扉であるゲートバルブ(図示せず)を開けて真空チャンバ28へ透明基体11を搬送する。
真空状態を保ったまま真空チャンバ28から蒸着後の透明基体11を取り出すために、真空チャンバ28の前室26と連結する側の反対側は、独立に給排気可能に構成された基体取り出し室29に連結されている。基体取り出し室29は、真空下(低圧下)にある蒸着後の透明基体11、すなわち防汚膜付き基体10を大気圧下に搬出するためのロードロック(Load lock)である。真空チャンバ28から基体取り出し室29に蒸着後の透明基体11を搬送する際には、基体取り出し室29を真空状態とする。その後、基体取り出し室29から蒸着後の透明基体11を取り出す際には、基体取り出し室29と真空チャンバ28の間の扉であるゲートバルブ(図示せず)を閉めることで、真空チャンバ28内の真空状態は保持される。なお、真空チャンバ28内の真空度は、生産安定性の観点から、1Pa以下に維持されることが好ましく、0.1Pa以下がより好ましい。
上記蒸着手段を用いて、透明基体11の表面(第1の主面)に、含フッ素加水分解性ケイ素化合物を含有する組成物を蒸着し反応させる。含フッ素加水分解性ケイ素化合物を含有する組成物を、上記と同様に、被膜形成用組成物という。
被膜形成用組成物を透明基体11の表面に蒸着する方法としては、含フッ素加水分解性ケイ素化合物を蒸着するのに通常用いられる方法であれば特に制限されず、例えば、真空蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、PVD(Physical Vapor Deposition)法等が挙げられる。なお、用いる含フッ素加水分解性ケイ素化合物の分解を抑える点、および、装置の簡便さの観点からは、真空蒸着法を用いることが好ましい。
真空蒸着法としては、抵抗加熱法、電子ビーム加熱法、高周波誘導加熱法、反応性蒸着、分子線エピタキシー法、ホットウォール蒸着法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法等に細分することができるが、いずれの方法も適用することができる。用いる含フッ素加水分解性ケイ素化合物の分解を抑制する点、および、装置の簡便さより、抵抗加熱法が好適に利用できる。真空蒸着装置は特に制限なく、公知の装置が利用できる。以下、図2に示す真空チャンバ28内で真空蒸着法、特に抵抗加熱法により、被膜形成用組成物を透明基体の表面に蒸着する方法について説明する。
真空チャンバ28内の真空度は、1Pa以下に維持されることが好ましく、0.1Pa以下がより好ましい。この真空度であれば、抵抗加熱法による真空蒸着を問題なく行うことができる。
加熱容器21は、蒸着源である被膜形成用組成物が十分な蒸気圧を有する温度にまで加熱できる加熱手段を有する。被膜形成用組成物の種類によるが加熱温度は、具体的には30℃〜400℃が好ましく、50℃〜300℃が特に好ましい。加熱温度が上記範囲の下限値以上であると、成膜速度が良好になる。上記範囲の上限値以下であると、含フッ素加水分解性ケイ素化合物の分解が生じることなく、透明基材11の表面に防汚性を有する被膜を形成できる。
ここで、本発明においては、真空蒸着の際に、加熱容器21内の含フッ素加水分解性ケイ素化合物を含有する被膜形成用組成物を蒸着開始温度まで昇温した後、その蒸気を所定の時間、系外に排出する前処理を設けることが好ましい。この前処理により、含フッ素加水分解性ケイ素化合物が通常含有する、得られる被膜の耐久性に影響を与える低分子量成分等を除去でき、さらには、蒸着源から供給する原料蒸気の組成を安定化が可能となる。これにより、耐久性の高い含フッ素有機ケイ素化合物被膜を安定して形成することが可能となる。
具体的には、加熱容器21の上部に、マニホールド23へと接続される配管22とは別に、初期蒸気を系外に排出するための開閉自在な排気口に接続する配管(図示せず)を設け、系外でトラップする等の方法をとればよい。
また、真空蒸着時における、透明基体11の温度は室温(20〜25℃)から200℃までの範囲であることが好ましい。透明基体11の温度が200℃以下であると、成膜速度が良好になる。透明基体11の温度の上限値は150℃がより好ましく、100℃が特に好ましい。
なお、マニホールド23は加熱容器21から供給される蒸気が凝縮するのを防止するため、加熱できるようにヒーターを備えていることが好ましい。配管22については、その途中で加熱容器21からの蒸気が凝縮するのを防ぐために、加熱容器21と共に加熱されるように設計することが好ましい。
また、成膜速度を制御するために、上記配管22上に可変バルブ24を設け、真空チャンバ28内に設けられた膜厚計25での検出値に基づいて上記可変バルブ24の開度を制御することが好ましい。このような構成を設けることで、透明基体11の処理面に供給する含フッ素加水分解性ケイ素化合物を含有する組成物の蒸気の量を制御することが可能となる。これにより、透明基体11の処理面に精度よく目的とする厚さの被膜を形成できる。なお、膜厚計25としては、水晶振動子モニタ等を用いることができる。さらに、膜厚の測定は、例えば、膜厚計25として、薄膜解析用X線回折計ATX−G(RIGAKU社製)を用いた場合には、X線反射率法により反射X線の干渉パターンを得て、該干渉パターンの振動周期から算出することができる。
このようにして、含フッ素加水分解性ケイ素化合物を含む被膜形成用組成物が透明基体11の表面に蒸着する。さらに蒸着と同時にまたは蒸着後、含フッ素加水分解性ケイ素化合物が加水分解縮合反応することにより、上記処理により水酸基の密度が増した透明基体の表面に化学結合するとともに、分子間でシロキサン結合することで含フッ素有機ケイ素化合物被膜となる。
この含フッ素加水分解性ケイ素化合物の加水分解縮合反応は、蒸着と同時に上記透明基体11の表面で進行するが、さらにこの反応を十分に促進させるために、必要に応じて、含フッ素有機ケイ素化合物被膜が形成された透明基体11を、真空チャンバ28から取り出した後、ホットプレートや恒温恒湿槽を使用した加熱処理を行ってもよい。加熱処理の条件としては、例えば、80〜200℃の温度で10〜60分間の加熱処理が挙げられる。
なお、上記真空蒸着を行う前に、透明基体11の含フッ素有機ケイ素化合物被膜が形成される表面(第1の主面)を、酸処理(希釈したフッ酸、硫酸、塩酸等を用いた処理)又はアルカリ処理(水酸化ナトリウム水溶液等を用いた処理)により数μmほどエッチングしておくことが好ましい。このエッチングにより、防汚膜付き基体10の防汚膜(含フッ素有機ケイ素化合物被膜11)を有する面の表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra))が低くなるためである。また、エッチング後には、超純水や有機溶媒で超音波洗浄等を施すことがより好ましい。
本発明の製造方法により上記のようにして得られる含フッ素有機ケイ素化合物被膜を有する防汚膜付き基体10は、撥水性や撥油性等の防汚性に優れるとともに、繰り返しの払拭操作等にも耐えうる高い耐摩耗性を有するものである。これは、防汚膜付き基体10の防汚膜を有する面の表面粗さを中心線表面粗さ(Ra)が10nm以下とすることで、含フッ素有機ケイ素化合物被膜11の凹凸が小さくなり、汚れの払拭に対する耐摩耗性が向上するものと考えられる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、図2を参照して説明した真空蒸着装置20、すなわち真空チャンバ28内で連続して透明基体11の真空蒸着処理が行える装置を用いて、以下の手順により透明基体11であるガラス基板上に含フッ素有機ケイ素化合物被膜を形成して、防汚膜付き基体1〜3を得た。得られた防汚膜付き基体1〜3について撥水性の耐摩耗試験を行い評価した。なお、得られた防汚膜付き基体1〜3のうち、防汚膜付き基体1が実施例であり、防汚膜付き基体2及び3が比較例である。
(装置、防汚膜付き基体の構成材料、原料)
上記防汚膜付き基体1〜3を製造した真空蒸着装置として、基体を搬送する搬送手段27、前室26、真空チャンバ28、基体取り出し室29を有する縦型インライン成膜装置(装置名:SDP−850VT(アルバック社製))の真空チャンバ28内に、縦型蒸着源(日立造船株式会社製)を設置した装置を用いた。
透明基体11として、厚さが1.1mm、1辺の長さが100mmの正方形のガラス基板A〜C(Dragontrail(商品名:旭硝子社製))を用意した。なお、ガラス基板A,Bは、上記真空蒸着装置による蒸着を行う前に、フッ化水素酸を用いてガラス基板A,Bの表面を数μmエッチングした後、アルカリ洗剤、サンウォッシュTL2%液(商品名、ライオン社製)による洗浄と、それに続いて超純水での超音波洗浄を実施した。また、ガラス基板Cは、上記真空蒸着装置による蒸着を行う前に、ガラス基板Cの表面にフロスト加工を施した後、アルカリ洗剤、サンウォッシュTL2%液(商品名、ライオン社製)による洗浄と、それに続いて超純水での超音波洗浄を実施した。
含フッ素有機ケイ素化合物被膜形成用の組成物として、オプツール(登録商標)DSX(商品名、ダイキン工業社製)剤(含フッ素有機基を有する加水分解性ケイ素化合物の20質量%パーフルオロヘキサン溶液)から以下の方法で溶剤を除去したものを用いた。
(防汚膜付き基体の作成)
上記のようにして用意した透明基体11であるガラス基板A〜Cについて、前室26でガラス基板A〜Cを順次縦型インライン成膜装置に設置し、ガラス基板A〜Cの搬送速度900mm/分(=15mm/秒)で、真空蒸着装置20を用いた被膜形成用組成物(含フッ素加水分解性ケイ素化合物)の真空蒸着による含フッ素有機ケイ素化合物被膜10nmの形成を真空チャンバ28内で連続して行った。なお、蒸着中の真空チャンバ28内の真空度は、0.07Paであった。
ガラス基板A〜Cの処理表面への真空蒸着装置20を用いた被膜形成用組成物(含フッ素加水分解性ケイ素化合物)の真空蒸着による含フッ素有機ケイ素化合物被膜形成は、ガラス基板A〜Cに対して、全て同一の以下の条件で、膜厚が10nmとなるように行った。膜厚の管理は、具体的には水晶振動子モニタで膜厚を測定しながら成膜速度を調整しつつ蒸着することで行った。なお、最終的な膜厚は、成膜後、分光エリプソメトータ(UVISEL:堀場製作所社製)にて測定した。
蒸着材料であるオプツールDSX剤を加熱容器21内に導入した。その後、加熱容器内を真空ポンプで10時間以上脱気して溶液中の溶媒除去を行って含フッ素有機ケイ素化合物被膜形成用の組成物とした。
次いで、上記含フッ素有機ケイ素化合物被膜形成用の組成物が入った加熱容器21を270℃まで加熱した。270℃に到達した後、温度が安定するまで10分間その状態を保持した。その後、表面処理されたガラス基板A〜Cを移動して、膜厚が10nmとなるように上記水晶振動子モニタで膜厚を測定しながら成膜工程を行った。膜厚が10nmになった時点で成膜工程を終え、真空チャンバ28から基体取り出し室29を経て蒸着膜付きのガラス基板A〜Cを取り出した。
取り出された蒸着膜付きのガラス基板A〜Cは、ホットプレートに膜面を上向きにして設置し、大気中で150℃、60分間熱処理を行い防汚膜付き基体1〜3とした。
(表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra))の測定)
次に、上記蒸着により得られた防汚膜付き基体1〜3について、防汚膜を有する面の表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra))を測定した。各防汚膜付き基体1〜3の防汚膜を有する面の表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra))の測定には、光干渉計Newview(商標)6200(Zygo社)を用いた。測定領域の大きさは、1.1mm×1.4mmである。なお、測定は、対物レンズの倍率を10倍とし、「remove factor」の項目を「cylinder」に設定してデータ解析を行った。なお、「remove factor」とは、基板自重などによるマクロな基板の反り成分を除去するための設定項目である。
なお、防汚膜付き基体1〜3の防汚膜を有する面の表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra))は、以下のとおりである。
防汚膜付き基体1(ガラス基板A):2.9nm。
防汚膜付き基体2(ガラス基板B):10.1nm。
防汚膜付き基体3(ガラス基板C):385.9nm。
また、ガラス基板A〜Cの表面粗さは、前記の対応する防汚膜付き基体の防汚膜を有する面の表面粗さと同じと考えられる。これは、透明基体11上に形成された防汚膜の表面粗さが、透明基体11の表面粗さを略そのまま反映するためである。
(擦り耐久性(耐摩耗性)試験)
次に、以下の方法で擦り試験を実施し、所定の擦り回数(3万回、10万回)終了後ごとに防汚膜表面の水の接触角を測定した。防汚膜表面の水接触角の測定は、自動接触角計DM−501(協和界面科学製)を用いて、純水1μLを滴下して行った。防汚膜表面における水接触角の測定箇所は10箇所として、その平均を算出して評価に用いた。
具体的な擦り試験の方法は、以下の手順で実施した。すなわち、まず底面が10mm×10mmである平面金属圧子の表面に、平織り綿布金巾3号を装着して、サンプルを擦る摩擦子とした。
次に、上記摩擦子を用い、平面摩耗試験機3連式(大栄科学精器製作所製)にて摩耗試験を行った。具体的には、まず上記圧子の底面がサンプルの防汚膜面に接触するよう摩耗試験機に取り付け、摩擦子への加重が1000gとなるように重りを載せ、平均速さ6400mm/min、片道40mmで往復摺動した。往復1回で擦り回数1回として試験を行った。
以下の表1に、防汚膜付き基体1〜3の防汚膜を有する面の表面粗さと、擦り試験における水接触角の測定結果及び製品としての可否を示す。なお、可否は、擦り回数10万回において、水接触角(deg)が100(deg)以上を可とし、その他を否とした。これは、水接触角が100(deg)未満になると、指紋、皮脂、汗等による汚れが目立つようになり、かつ、ふき取りにくくなるためである。
Figure 2013170088
表1に示すように、防汚膜を有する面の表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra))が2.9nmである防汚膜付き基体1(実施例)は、擦り回数0回、3万回、10万回における防汚膜表面の水の接触角(deg)が、それぞれ117.0(deg)、103.0(deg)、101.4(deg)であり、擦り回数10万回後においても、防汚膜表面の水の接触角(deg)が100(deg)以上であった。
これに対して、防汚膜を有する面の表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra))が10.1nmである防汚膜付き基体2(比較例)は、擦り回数0回、3万回、10万回における防汚膜表面の水の接触角(deg)が、それぞれ117.4(deg)、106.4(deg)、79.5(deg)であり、擦り回数3万回後では、防汚膜表面の水の接触角(deg)が100(deg)以上であったが、擦り回数10万回後において防汚膜表面の水の接触角(deg)が79.5と100(deg)未満であった。
また、防汚膜を有する面の表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra))が385.9.1nmである防汚膜付き基体3(比較例)は、擦り回数0回、3万回における防汚膜表面の水の接触角(deg)が、それぞれ118.2(deg)、68.4(deg)であり、擦り回数3万回後において防汚膜表面の水の接触角(deg)が68.4(deg)と100(deg)未満であった。なお、防汚膜付き基体3については、3万回における防汚膜表面の水の接触角(deg)は測定しなかった。
以上のように、防汚膜を有する面の表面粗さ(中心線平均粗さ(Ra))が10nm以下である防汚膜付き基体1(実施例)は、擦り回数が10万回の後においても防汚膜表面の水の接触角(deg)が100(deg)以上であり、繰り返しの拭き取り操作等に対する耐摩耗性に優れることがわかった。すなわち、上記結果から、防汚膜を有する面の表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で10nm以下であることが、撥水性等の防汚性に優れるとともに、繰り返しの拭き取り操作等に対して防汚性の低下が抑制された耐摩耗性に優れる、含フッ素有機ケイ素化合物被膜を有する防汚膜付き基体を提供するために必要であることがわかる。
本発明の防汚膜付き基体は、撥水性等の防汚性に優れるとともに、繰り返しの拭き取り操作等に対して防汚性の低下が抑制され耐摩耗性に優れるので、スマートフォンやタブレットPC等の携帯機器に用いられるカバーガラス板、タッチパネル、ディスプレイガラス基板、光学素子、衛生機器等に好適である。
10…防汚膜付き基体、11…透明基体、12…防汚膜、20…真空蒸着装置、21…加熱容器、22…配管、23…マニホールド、24…可変バルブ、25…膜厚計、26…前室、27…搬送手段、28…真空チャンバ、29…基体取り出し室。

Claims (3)

  1. 第1の主面と、前記第1の主面に対向する第2の主面とを有する透明基体と、
    前記第1の主面を被覆する含フッ素有機ケイ素化合物被膜とを有し、
    前記第1の主面を被覆した状態の前記含フッ素有機ケイ素化合物膜の表面粗さが、中心線平均粗さ(Ra)で10nm以下である防汚膜付き基体。
  2. 前記透明基体の少なくとも前記第1の主面は、酸処理されている請求項1に記載の防汚膜付き基体。
  3. 前記透明基体がガラス基板である請求項1又は2に記載の防汚膜付き基体。
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