JP2013169117A - ワイヤハーネス用シート及びワイヤハーネス並びにワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents

ワイヤハーネス用シート及びワイヤハーネス並びにワイヤハーネスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歩留まりを改善してコストを低減できるとともに、容易に作業を行えるワイヤハーネス用シート及びワイヤハーネス並びにワイヤハーネスの製造方法を提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス用シート11は、一対の平行な第1辺部19及び第2辺部21とこれらに直交する第3辺部23及び第4辺部25とによって四角形に形成されるとともに、一方の面に粘着層が設けられ折り返しにより貼り合わされ第1辺部19に平行な電線群27を第1辺部19と離間した挟持部31で挟んで粘着固定するシート基材13と、第1辺部側の貼り合わせ端33から挟持部31までの間の貼り合わせ部35に切り込み形成されたスリット17と、挟持部31側のスリット17の終端に形成される円形状の裂け止め部37と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤハーネス用シート及びワイヤハーネス並びにワイヤハーネスの製造方法に関する。
自動車に配索される多数の電線群からなるワイヤハーネスは、これら電線群を集束すると共に保護するためにテープ巻きされている場合が多いが、近年、作業工数のかかるテープ巻きを廃止してシートを一括で貼り付け、電線群の集束保護をするもの提案されている。
この種のワイヤハーネス用シートは、一方の面に粘着層が設けられており、指定位置に電線群をセットし、粘着面を貼り合わすことで電線群を保護する。
図9は電線群の屈曲部に折り返して粘着固定されるワイヤハーネス用シートの要部をワイヤハーネスと共に示した平面図である。
図9に示すワイヤハーネス用シート501は、一枚のシート基材511からなり、一方の面に粘着層が設けられ、破線部503で折り返されて、電線群505の屈曲部507に粘着固定される。
図10は電線群の屈曲部に重ね合わせて粘着固定されるワイヤハーネス用シートの要部をワイヤハーネスと共に示した平面図である。
図10に示すワイヤハーネス用シート509は、二枚のシート基材511からなり、一方の面に粘着層が設けられ、粘着層を対面させる双方が重ね合わせられて、電線群505の屈曲部507に粘着固定される。これら、従来のワイヤハーネス用シート501及びワイヤハーネス用シート509は、電線群505の屈曲形状に合わせた形状に裁断して形成される。
また、特許文献1には、図11(a)に示すように、幹線513から支線515が分岐するT字状の分岐部分517に、裏面に粘着層を有する保護シート519を巻き付け固着するワイヤハーネス分岐部の保護構造が開示されている。
保護シート519は、十字形状として縦方向部分521と横方向部分523との縦横連続部525に両端から切り込み527を入れた形状とされる。そして、図11(b)に示すように、縦横連続部525を分岐側と反対側の幹線513の外周面に巻き付けて、両側の横方向部分523を分岐部両側の幹線513の外周面全面にそれぞれ「の」の字巻きして(渦巻き状に巻き付けて)固着する。一方、縦方向部分521の両側を分岐部分517の幹線513から支線515にかけて、対向する半周の外周面にそれぞれ固着し、支線515の両側で縦方向部分521の両側を貼り合わせ固着して、分岐位置の幹線513及び支線515の全外周面を保護シート519で被覆している。
特開2007−288898号公報
しかしながら、図9及び図10に示したワイヤハーネス用シート501やワイヤハーネス用シート509は、電線群505の屈曲形状に合わせて裁断加工していたため、歩留まりが悪く、コストを増大させる要因となっていた。また、電線群505の屈曲形状に、ワイヤハーネス用シート501やワイヤハーネス用シート509を合わせて粘着固定するのは、位置合わせを行いながらの貼着作業となるため、熟練を要した。そのうえ、粘着剤が電線群505に不用意にくっついてしまうと、剥がす時間がかかったり、シート基材511から接着剤が取れて電線群505に付いたりしてしまうことがあり、作業者は、気遣いをしながら作業をしなければならず、時間がかかっていた。
また、特許文献1に示した保護シート519は、十字形状として形成されるため、保護シート519の製造には型抜きが必要となりコストが増大するとともに、形状が複雑なため、保管や搬送がしにくく、取り扱いが難しいという問題があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、歩留まりを改善してコストを低減できるとともに、容易に作業を行えるワイヤハーネス用シート及びワイヤハーネス並びにワイヤハーネスの製造方法を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 一対の平行な第1辺部及び第2辺部とこれらに直交する第3辺部及び第4辺部とによって四角形に形成されるとともに、一方の面に粘着層が設けられ折り返し又は重ね合わせにより貼り合わされ前記第1辺部に平行な電線群を前記第1辺部と離間した挟持部で挟んで粘着固定するシート基材と、前記第1辺部側の貼り合わせ端から前記挟持部までの間の貼り合わせ部に切り込み形成されたスリットと、前記挟持部側の前記スリットの終端に形成される円形状の裂け止め部と、を備えることを特徴とするワイヤハーネス用シート。
上記(1)の構成のワイヤハーネス用シートによれば、シート基材が折り返し又は重ね合わせにより貼り合わされると、第1辺部と離間した挟持部が第1辺部に平行な電線群を挟んで粘着固定する。第1辺部側の貼り合わせ端から挟持部までの間の貼り合わせ部には、切り込み形成されたスリットが配置される。挟持部に粘着固定された電線群は、貼り合わせ部に形成されたスリットが貼り合わせ端で開かれることによって、スリットと反対側へ屈曲が可能となる。また、シート基材は四角形であるので、歩留まりがよくなり安価に製造でき、保管や搬送といった取り扱いも容易となる。
(2) 上記(1)の構成のワイヤハーネス用シートであって、前記シート基材が、一枚からなり折り返されて粘着固定されることを特徴とするワイヤハーネス用シート。
上記(2)の構成のワイヤハーネス用シートによれば、一枚のシート基材の中央部に載置した電線群に対して、電線群の位置を折り曲げ位置としてシート基材を折り返して二つ折りにより貼り合わせることで、容易且つ短時間の作業で電線群を挟んで覆うことができる。また、電線群を端にして折り返しできるので、二枚を貼り合わせる場合に比べ貼り合わせ代が小さくなり、シート基材全体の面積を小さくできる。
(3) 上記(1)の構成のワイヤハーネス用シートであって、前記シート基材が、二枚からなり重ね合わせて粘着固定されることを特徴とするワイヤハーネス用シート。
上記(3)の構成のワイヤハーネス用シートによれば、二枚のうち一方のシート基材の第1辺部と離間した第2辺部側に電線群を載置し、他方のシート基材を重ね合わせて貼ることで、容易且つ短時間の作業で電線群を挟んで覆うことができる。また、シート基材が二枚からなるので、一枚からなるシート基材に比べて一枚当りのサイズが小さくなり、保管や取り扱いを容易にできる。
(4) 一対の平行な第1辺部及び第2辺部とこれらに直交する第3辺部及び第4辺部とによって四角形に形成されるとともに、一方の面に粘着層が設けられ折り返し又は重ね合わせにより貼り合わされ前記第1辺部に平行な電線群を前記第1辺部と離間した挟持部で挟んで粘着固定するシート基材と、前記第1辺部側の貼り合わせ端から前記挟持部までの間の貼り合わせ部に切り込み形成されたスリットと、前記挟持部側の前記スリットの終端に形成される円形状の裂け止め部と、前記シート基材の一方の面に設けられる前記電線群と、を備え、前記シート基材が折り返し又は重ね合わせにより貼り合わされて前記電線群が前記挟持部に粘着固定されていることを特徴とするワイヤハーネス。
上記(4)の構成のワイヤハーネスによれば、直線状に張った電線群が挟持部に固定される。挟持部に粘着固定された電線群は、貼り合わせ部に設けられたスリットが貼り合わせ端で開かれることによって、スリットと反対側へ屈曲が可能となり、所定の屈曲経路への配索が可能となる。貼り合わせ部で開かれたスリットは、スリットの終端に形成された裂け止め部によって、それ以上の切り裂きが阻止される。また、屈曲後の平面形状でシート基材を型取り裁断しなくてもよいので、歩留まりがよく、材料コストを低減できる。
(5) 一対の平行な第1辺部及び第2辺部とこれらに直交する第3辺部及び第4辺部とによって四角形に形成されるとともに、一方の面に粘着層が設けられ折り返し又は重ね合わせにより貼り合わされ前記第1辺部に平行な電線群を前記第1辺部と離間した挟持部で挟んで粘着固定するシート基材と、前記第1辺部側の貼り合わせ端から前記挟持部までの間の貼り合わせ部に切り込み形成されたスリットと、前記挟持部側の前記スリットの終端に形成される円形状の裂け止め部と、を備えるワイヤハーネス用シートを使用し、前記シート基材を折り返し又は重ね合わせることによりスリット同士及び裂け止め部同士を一致させながら前記電線群を前記挟持部に粘着固定することを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
上記(5)の構成のワイヤハーネスの製造方法によれば、一枚のシート基材の中央部に直線状に載置した電線群に対して、電線群の位置を折り曲げ位置としてシート基材を折り返して二つ折りにより貼り合わせることで、電線群を挟持部に容易に挟んで覆うことができる。または、二枚のうち一方のシート基材の第1辺部と離間した第2辺部側に電線群を直線状に載置し、他方のシート基材を重ね合わせて貼ることで、電線群を容易に挟んで覆うことができる。シート基材が四角形であるので、貼り合わせ作業が簡単になる。従来のように、屈曲形状に形成されたシート基材に沿わせながら電線群を屈曲させて位置決め固定する必要がないので、熟練を必要とせず作業が容易となる。
本発明に係るワイヤハーネス用シート及びワイヤハーネス並びにワイヤハーネスの製造方法によれば、歩留まりを改善してコストを低減できるとともに、容易に作業を行うことができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の第1実施形態に係るワイヤハーネス用シートの平面図である。 図1に示したワイヤハーネス用シートを用いたワイヤハーネスの製造方法を(a)〜(b)の手順で示した工程図である。 図2(b)のA−A断面図である。 図2に示したワイヤハーネスの使用例を示した平面図である。 本発明の第2実施形態に係るワイヤハーネス用シートの平面図である。 図5に示したワイヤハーネス用シートを用いたワイヤハーネスの製造方法を(a)〜(b)の手順で示した工程図である。 図6(b)のB−B断面図である。 ワイヤハーネス用シートまたはワイヤハーネス用シートを使用した変形例に係る支線付ワイヤハーネスの平面図である。 電線群の屈曲部に折り返して粘着固定される従来のワイヤハーネス用シートの要部をワイヤハーネスと共に示した平面図である。 電線群の屈曲部に重ね合わせて粘着固定される従来のワイヤハーネス用シートの要部をワイヤハーネスと共に示した平面図である。 (a)はT字状の分岐部分を有する電線群と十字形状のワイヤハーネス用シートの斜視図、(b)は(a)のワイヤハーネス用シートの固着方法を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るワイヤハーネス用シートの平面図である。
第1実施形態に係るワイヤハーネス用シート11は、シート基材13と、粘着層15(図3参照)と、スリット17と、に大別して構成される。シート基材13は、一対の平行な第1辺部19及び第2辺部21とこれらに直交する第3辺部23及び第4辺部25とによって四角形に形成される。シート基材13には、公知となっているポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック類を使用することができる。
粘着層15は、第1辺部19及び第2辺部21と平行に電線群27(図2参照)が載置されるシート基材13の一方の面に設けられる。電線群27は、複数の被覆電線29(図3参照)が束ねられて直線状となる。粘着層15は、電線群27を設置する面の全体、若しくはその一部分に設けることで形成される。粘着層15の形成には、公知のアクリル系、ゴム系、シリコーン系等の各種粘着剤が使用できる。
本第1実施形態において、シート基材13は、折り返しにより貼り合わされ、第1辺部19に平行な電線群27を第1辺部19と離間した挟持部31(図2参照)で挟んで粘着固定する。シート基材13には、第1辺部19側の貼り合わせ端33から挟持部31までの間の貼り合わせ部35(図2(b)参照)に、電線群27に直交方向でスリット17が切り込み形成されている。本第1実施形態では、シート基材13の中央部に挟持部31が設けられるので、展開されたシート基材13においては、図1に示すように、第1辺部19と第2辺部21との双方からスリット17が切り込み形成されている。尚、本願図面中では、分かり易くする為に間隙を有してスリット17を図示しているが、実際にはシート基材13に切り込み形成するだけなので、間隙は生じない。勿論、図示したような間隙を有するスリットを形成することも可能である。
第1辺部19と第2辺部21とから切り込み形成されるスリット17の数は任意とすることができる。スリット17の数を増やせば、より小径の曲げ半径の円弧、及びより曲線に近い湾曲にワイヤハーネス39を対応させることができる。本第1実施形態では、第1辺部19からと第2辺部21からの双方で一対ずつの合計4本のスリット17が形成されている。挟持部31側のスリット17の終端には、円形状の裂け止め部37が形成されている。裂け止め部37は、開放されたC字状の孔であり、両端がスリット17を形成している両縁部に接続する。
次に、ワイヤハーネス用シート11を用いたワイヤハーネス39の製造方法を説明する。
図2は図1に示したワイヤハーネス用シート11を用いたワイヤハーネス39の製造方法を(a)〜(b)の手順で示した工程図、図3は図2(b)のA−A断面図である。
先ず、図2(a)に示すように、ワイヤハーネス用シート11の粘着層15に直線状の電線群27をセットする。この際、電線群27は、ワイヤハーネス用シート11の中央部(即ち、挟持部31)に載置する。また、電線群27は、弛まないように張っておく。
次いで、図2(b)に示すように、ワイヤハーネス用シート11を折り返して二つ折りにする。この際、対向するスリット17及び裂け止め部37がそれぞれ重なるようにしてワイヤハーネス用シート11を粘着固定する。即ち、スリット17同士及び裂け止め部37同士を一致させながら電線群27を挟持部31に粘着固定する。
即ち、本第1実施形態に係る製造方法では、一枚のシート基材13の中央部に直線状に載置した電線群27に対して、電線群27の位置を折り曲げ位置としてシート基材13を折り返して二つ折りにより貼り合わせることで、電線群27を挟持部31に容易に挟んで覆うことができる。また、シート基材13が四角形であるので、貼り合わせ作業が簡単になる。従来のように、屈曲形状に形成されたシート基材に沿わせながら電線群27を屈曲させて位置決め固定する必要がないので、熟練を必要とせず作業が容易となる。
また、本第1実施形態のワイヤハーネス用シート11では、一枚のシート基材13が折り返しにより貼り合わされると、第1辺部19と離間した挟持部31が第1辺部19に平行な電線群27を挟んで粘着固定する。第1辺部19側の貼り合わせ端33から挟持部31までの間の貼り合わせ部35には、切り込み形成されたスリット17が配置される。挟持部31に粘着固定された電線群27は、貼り合わせ部35に形成されたスリット17が貼り合わせ端33で開かれることによって、スリット17と反対側へ屈曲が可能となる。また、シート基材13は、四角形であるので、歩留まりがよくなり安価に製造でき、保管や搬送といった取り扱いも容易となる。更に、一枚のシート基材13は、電線群27を端にして折り返しできるので、二枚を貼り合わせる場合に比べ貼り合わせ代が小さくなり、シート基材全体の面積を小さくできる(図7参照)。
図4は図2に示したワイヤハーネス39の使用例を示した平面図である。
第1実施形態に係るワイヤハーネス39では、一枚のシート基材13が折り返しにより貼り合わされて電線群27が挟持部31に粘着固定されている。直線状に張った電線群27が挟持部31に固定される。挟持部31に粘着固定された電線群27は、貼り合わせ部35に設けられたスリット17が貼り合わせ端33で開かれることによって、スリット17と反対側へ屈曲が可能となる。これにより、所定の屈曲経路への配索が可能となる。また、貼り合わせ部35で開かれたスリット17は、スリット17の終端に形成された裂け止め部37によって、それ以上の切り裂きが阻止される。また、ワイヤハーネス39は、屈曲後の平面形状でシート基材13を型取り裁断して形成しなくてもよいので、歩留まりがよく、材料コストを低減できる。
図5は本発明の第2実施形態に係るワイヤハーネス用シート41の平面図である。なお、図1〜図4に示した第1実施形態に係るワイヤハーネス用シート11と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第2実施形態に係るワイヤハーネス用シート41は、シート基材43が、二枚からなり重ね合わせて粘着固定される。それぞれのシート基材43は、一対の平行な第1辺部19及び第2辺部21とこれらに直交する第3辺部23及び第4辺部25とによって四角形に形成される。即ち、二枚のシート基材43は、同形状に形成され、双方の貼り合わせ面となる一方の面に粘着層15(図7参照)が設けられる。
本第2実施形態では、第1辺部19と離間した挟持部31が、シート基材43の第2辺部21の近傍に設けられる。この挟持部31に直線状の電線群27(図6参照)が配置されて粘着固定される。スリット17は、それぞれのシート基材43において、第1辺部19から挟持部31までの間の貼り合わせ部35に切り込み形成される。本第2実施形態では、それぞれのシート基材43に一対のスリット17が形成される。挟持部31側のスリット17の終端には、円形状の裂け止め部37が形成されている。
次に、ワイヤハーネス用シート41を用いたワイヤハーネス45の製造方法を説明する。
図6は図5に示したワイヤハーネス用シート41を用いたワイヤハーネス45の製造方法を(a)〜(b)の手順で示した工程図、図7は図6(b)のB−B断面図である。
先ず、図6(a)に示すように、粘着層15を上に向けた一方のシート基材43の挟持部31に直線状の電線群27をセットする。この際、電線群27は、弛まないようにピンと張っておく。
次いで、図6(b)に示すように、他方のシート基材43の粘着層15側を重ね合わせにより貼り合わせる。この際、対向するスリット17及び裂け止め部37がそれぞれ重なるようにして双方のシート基材43を粘着固定する。即ち、スリット同士及び裂け止め部同士を一致させながら電線群27を挟持部31に粘着固定する。
即ち、本第2実施形態に係る製造方法では、二枚のうち一方のシート基材43の第1辺部19と離間した第2辺部21側に電線群27を直線状に載置し、他方のシート基材43を重ね合わせて貼ることで、折り返しを不要にして、容易且つ短時間の作業で電線群27を挟んで覆うことができる。また、シート基材43が四角形であるので、貼り合わせ作業が簡単になる。従来のように、屈曲形状に形成されたシート基材に沿わせながら電線群27を屈曲させて位置決め固定する必要がないので、熟練を必要とせず作業が容易となる。
また、本第1実施形態のワイヤハーネス用シート41は、シート基材43が二枚からなるので、一枚からなるシート基材13に比べて一枚当りのサイズが小さくなり、保管や取り扱いが容易となる。
図8はワイヤハーネス用シート11またはワイヤハーネス用シート41を使用した変形例に係る支線付ワイヤハーネス47の平面図である。
ワイヤハーネス用シート11(41)は、幹線49から支線51を分岐させた例えばT字状の分岐部分53を有する支線付電線群55を保護する場合にも好適に用いることができる。即ち、ワイヤハーネス用シート11(41)は、直線状の電線群27と支線付電線群55との双方に用いることができる。
支線付電線群55は、幹線49が上述した電線群27の場合と同様に挟持部31に粘着固定される。支線51は、貼り合わせ部35に粘着固定され、第1辺部19側から導出される。これにより、ワイヤハーネス用シート11(41)に覆われた支線付ワイヤハーネス47を得ることができる。
従って、上記実施形態に係るワイヤハーネス用シート11(41)及びワイヤハーネス39(45)並びにワイヤハーネス39(45,47)の製造方法によれば、歩留まりを改善してコストを低減できるとともに、容易に作業を行うことができる。
なお、上記各実施形態のワイヤハーネス用シート11,41には、自身の粘着層同士を合わせることによってのみ貼り合わすことができる自己粘着シートを用いることができる。自己粘着シートは、糊や結束テープを不要にして粘着面同士を合わせるだけで簡単に貼ることが可能となる。更に、自己粘着シートは、特殊粘着剤層が電線束や作業者の手指等に貼り付くことがなく、組立作業性を低下させることがない。自己粘着シートは、PP(ポリプロピレン)発泡材からなるシート基材の表面に表面材が積層され、裏面に特殊粘着剤層(粘着層)が積層される。表面材にはクラフト紙、ライナーボード、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PPフィルム、不織布等が使用可能となる。引張強さは、タテ方向が49N/cm幅、ヨコ方向が23N/cm幅(JIS K−6767準拠)、引裂強さは、タテ方向が7.8N、ヨコ方向が6.8N(JIS K−6767準拠)、水蒸気透過率は0.0052g/cm・24hrs(FS−101B)、初期粘着力は2.5N/cm幅(T型剥離試験)等の特性を有する。この片面自己粘着シートとしては例えば米国クロウェル社製のCro−nel(登録商標)等を用いることができる。
なお、本発明の粘着層は、上記特殊粘着剤層に限定されるものではなく、公知の種々の粘着剤層を用いることができることは云うまでもない。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
11、41…ワイヤハーネス用シート
13、43…シート基材
15…粘着層
17…スリット
19…第1辺部
21…第2辺部
23…第3辺部
25…第4辺部
27…電線群
31…挟持部
33…貼り合わせ端
35…貼り合わせ部
37…裂け止め部
39、45…ワイヤハーネス

Claims (5)

  1. 一対の平行な第1辺部及び第2辺部とこれらに直交する第3辺部及び第4辺部とによって四角形に形成されるとともに、一方の面に粘着層が設けられ折り返し又は重ね合わせにより貼り合わされ前記第1辺部に平行な電線群を前記第1辺部と離間した挟持部で挟んで粘着固定するシート基材と、
    前記第1辺部側の貼り合わせ端から前記挟持部までの間の貼り合わせ部に切り込み形成されたスリットと、
    前記挟持部側の前記スリットの終端に形成される円形状の裂け止め部と、
    を備えることを特徴とするワイヤハーネス用シート。
  2. 請求項1記載のワイヤハーネス用シートであって、
    前記シート基材が、一枚からなり折り返されて粘着固定されることを特徴とするワイヤハーネス用シート。
  3. 請求項1記載のワイヤハーネス用シートであって、
    前記シート基材が、二枚からなり重ね合わせて粘着固定されることを特徴とするワイヤハーネス用シート。
  4. 一対の平行な第1辺部及び第2辺部とこれらに直交する第3辺部及び第4辺部とによって四角形に形成されるとともに、一方の面に粘着層が設けられ折り返し又は重ね合わせにより貼り合わされ前記第1辺部に平行な電線群を前記第1辺部と離間した挟持部で挟んで粘着固定するシート基材と、
    前記第1辺部側の貼り合わせ端から前記挟持部までの間の貼り合わせ部に切り込み形成されたスリットと、
    前記挟持部側の前記スリットの終端に形成される円形状の裂け止め部と、
    前記シート基材の一方の面に設けられる前記電線群と、を備え、
    前記シート基材が折り返し又は重ね合わせにより貼り合わされて前記電線群が前記挟持部に粘着固定されていることを特徴とするワイヤハーネス。
  5. 一対の平行な第1辺部及び第2辺部とこれらに直交する第3辺部及び第4辺部とによって四角形に形成されるとともに、一方の面に粘着層が設けられ折り返し又は重ね合わせにより貼り合わされ前記第1辺部に平行な電線群を前記第1辺部と離間した挟持部で挟んで粘着固定するシート基材と、
    前記第1辺部側の貼り合わせ端から前記挟持部までの間の貼り合わせ部に切り込み形成されたスリットと、
    前記挟持部側の前記スリットの終端に形成される円形状の裂け止め部と、を備えるワイヤハーネス用シートを使用し、
    前記シート基材を折り返し又は重ね合わせることによりスリット同士及び裂け止め部同士を一致させながら前記電線群を前記挟持部に粘着固定することを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
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