以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図4は、本発明の第1実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A1は、第1台材1A、第2台材1B、第1フィルム2A、第2フィルム2Bおよび被包装物3を備えている。図4に示すように、第1台材1A、第2台材1B、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bは、包装体A1の製造に用いられる包装材B1を構成している。
図1は、包装体A1を示す平面図である。図2は、包装体A1を示す底面図である。図3は、図1のIII−III線に示す断面図である。図4は、包装体A1を示す分解斜視図である。なお、図1、図2および図4は、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bを透過して物体を視認可能である場合を例に記載しており、以降の同種の図においても同様である。また、第1台材1Aおよび第2台材1Bの厚さ方向がz方向であり、x方向およびy方向は、いずれもz方向と直角であり且つ互いに直角である方向である。
被包装物3は、包装体A1において包装可能なものであれば種類、大きさ、形状等は特に限定されない。被包装物3としては、例えば化粧品、医薬品、食品、飲料品、日用品等が挙げられる。図示された例においては、被包装物3は、比較的扁平な直方体形状であり、このような物体の例として、たとえば消しゴム等の文房具が挙げられる。
図3に示すように、第1台材1Aおよび第2台材1Bは、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bを挟んでz方向に互いに重ね合わされている。言い換えると、第1フィルム2Aは、第1台材1Aおよび第2台材1Bの間に位置しており、第2フィルム2Bは、第1フィルム2Aと第2台材1Bとの間に位置している。また、第1フィルム2Aと2Bとの間に、被包装物3が配置されている。
第1台材1Aおよび第2台材1Bとしては、一般的な、所謂ノンコート紙と呼ばれる厚紙、普通紙、合成紙等からなる台紙の他に、表面に樹脂層が設けられた所謂コート紙、あるいは合成樹脂シートなどを採用しうる。これらは単層シート、およびこれらの2以上のシートが積層接着された積層シートなどの各種シート材を用いることができる。本実施形態においては、第1台材1Aおよび第2台材1Bとして厚紙からなり、全体としてz方向視(平面視)略長矩形状の台紙を用いる場合を例として説明する。なお、第1台材1Aと第2台材1Bとは、それぞれ別々の部材であることに限定されず、たとえば、互いの端縁同士が折り返し部を介して連結された構成であってもよい。
第1台材1Aは、第1収容孔13Aを有している。第1収容孔13Aは、第1台材1Aをz方向に貫通しており、第1フィルム2Aを露出させている。第1収容孔13Aの位置や大きさおよび形状は特に限定されず、図示された例においては、第1収容孔13Aは、第1台材1Aの略中央に設けられた略矩形状である。
第2台材1Bは、第2収容孔13Bを有している。第2収容孔13Bは、第2台材1Bをz方向に貫通しており、第1フィルム2Aを露出させている。第2収容孔13Bは、z方向視において第1収容孔13Aと重なる構成であれば、その位置や大きさおよび形状は特に限定されない。図示された例においては、第2収容孔13Bは、第2台材1Bの略中央に設けられた略矩形状であり、z方向視において第1収容孔13Aと略一致している。
第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bは、被包装物3に沿って延伸しうる伸縮性を発揮するフィルムであり、被包装物3を包装するためのものである。
第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bとしては、特に限定されず、通常公知の伸縮性を備える単層構成または一種あるいは二種以上の複層構成の合成樹脂製フィルムが用いられる。また、適宜必要に応じて、ガスバリアー性や遮光性等の各種機能を有するフィルムを用いてもよい。第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bの厚みは、通常20μm〜300μm、好ましくは30μm〜200μmである。
第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bの層を構成する材質の種類としては、特に限定されないが、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらは単独で用いられてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂及びポリウレタン系樹脂であり、特に好ましくはポリオレフィン系樹脂である。
ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体などの各種共重合体が挙げられる。
本実施形態においては、図3に示すように、矩形状の第1台材1Aおよび第2台材1Bが重ね合わされた場合を例に説明する。なお、第1フィルム2Aと第2フィルム2Bとは、それぞれ別々の部材であることに限定されず、たとえば、互いの端縁同士が折り返し部を介して連結された構成であってもよい。
包装体A1には、第1台材1Aおよび第2台材1Bの一部ずつ同士が互いに固定された部位である台材固定部40、第1台材1Aと第1フィルム2Aとの一部ずつが相互に固定された部位である第1固定部41および第2台材1Bと第2フィルム2Bとの一部ずつが相互に固定された部位である第2固定部42が設けられている。このような構成により、包装体A1においては、第1台材1A、第2台材1B、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bが全体として一体的に固定されている。
台材固定部40における第1台材1Aと第2台材1Bとの固定手段は特に限定されず、第1台材1Aおよび第2台材1Bを接合する接合層を設けてもよいし、第1台材1Aおよび第2台材1Bがヒートシール性を発揮するコート層を有する場合には、ヒートシールを採用してもよい。また、別の手法として、固定具(テープ、ステープラーなど)を用いてもよい。さらに、第1台材1Aおよび第2台材1Bの端縁同士が折り返し部等によって連結されている場合、この折り返し部が、台材固定部40の一部を構成することとなる。本実施形態においては、第1台材1Aおよび第2台材1Bを固定する手段として、台材接合層50が設けられた場合を例に説明する。台材接合層50としては、通常ホットメルトなどの接着剤や粘着剤が用いられる。
台材固定部40は、第1台材1Aおよび第2台材1Bが相互に固定されることにより、被包装物3がz方向視での全方位において第1収容孔13Aおよび第2収容孔13Bから抜け出ることを阻止するものとして構成される。台材固定部40の具体的な位置や形状および大きさは特に限定されず、本実施形態においては、台材接合層50が、第1収容孔13Aおよび第2収容孔13Bに対して外側に位置する矩形環状に形成されることにより、台材固定部40は、第1収容孔13Aおよび第2収容孔13Bを取り囲むようにして、矩形環状に連続して設けられている。なお、台材固定部40は、第1収容孔13Aおよび第2収容孔13Bを連続して取り囲む構成に限定されず、被包装物3が抜け出ることを阻止しうる構成であれば、例えば一部が途切れた構成であってもよい。
第1固定部41における第1台材1Aと第1フィルム2Aとの固定手段は特に限定されず、第1台材1Aおよび第1フィルム2Aを接合する接合層を設けてもよいし、第1台材1Aがヒートシール性を発揮するコート層を有し、第1フィルム2Aがシーラント層を有する場合、ヒートシールを採用してもよい。本実施形態においては、第1台材1Aおよび第1フィルム2Aを固定する手段として、第1接合層51が設けられた場合を例に説明する。第1接合層51としては、通常ホットメルトなどの接着剤や粘着剤が用いられる。
第1固定部41は、z方向視において第1収容孔13Aと台材固定部40との間に位置するものであれば、具体的な位置や形状および大きさは特に限定されない。本実施形態においては、第1接合層51が、z方向視において第1収容孔13Aと台材固定部40との間に位置する矩形環状に形成されている。これにより、第1固定部41は、台材固定部40の内側において、第1収容孔13Aを取り囲む矩形環状に設けられている。なお、第1固定部41は、第1台材1Aと第1フィルム2Aとを全体として適切に固定可能であれば、第1収容孔13Aを連続して取り囲む構成に限定されず、例えば一部が途切れた構成であってもよい。
第2固定部42における第2台材1Bと第2フィルム2Bとの固定手段は特に限定されず、第2台材1Bおよび第2フィルム2Bを接合する接合層を設けてもよいし、第2台材1Bがヒートシール性を発揮するコート層を有し、第2フィルム2Bがシーラント層を有する場合、ヒートシールを採用してもよい。本実施形態においては、第2台材1Bおよび第2フィルム2Bを固定する手段として、第2接合層52が設けられた場合を例に説明する。第2接合層52としては、通常ホットメルトなどの接着剤や粘着剤が用いられる。
第2固定部42は、z方向視において第2収容孔13Bと台材固定部40との間に位置するものであれば、具体的な位置や形状および大きさは特に限定されない。本実施形態においては、第2接合層52が、z方向視において第2収容孔13Bと台材固定部40との間に位置する矩形環状に形成されている。これにより、第2固定部42は、台材固定部40の内側において、第2収容孔13Bを取り囲む矩形環状に設けられている。なお、第2固定部42は、第2台材1Bと第2フィルム2Bとを全体として適切に固定可能であれば、第2収容孔13Bを連続して取り囲む構成に限定されず、例えば一部が途切れた構成であってもよい。また、本実施形態においては、第1固定部41と第2固定部42とは、z方向視において互いに一致する構成とされている。
なお、第1フィルム2Aと第2フィルム2Bとは、互いに固定されていることは必須ではない。少なくとも、後述する包装体A1の開封において被包装物3の取り出し経路となる部位が、互いに固定されていなければ、他の部位同士が部分的に固定された構成であってもよい。本実施形態においては、第1フィルム2Aと第2フィルム2Bとが全面において互いに接合されていない場合を例に説明する。
第2台材1Bは、第2台材切断起点部11Bおよび一対の第2台材切断予定線12Bを有する。第2台材切断起点部11Bは、第2台材1Bを切断する起点となる部位であり、図示された例においては、コの字状の切断線によって構成されている。一対の第2台材切断予定線12Bは、第2台材1Bを所定の方向および長さで切断することを可能とする線状部位である。本発明においては、第1台材1Aおよび第2台材1Bの少なくともいずれかに、切断予定線が形成される。第2台材切断予定線12Bは、当該切断予定線の一例である。本実施形態とは異なり、第1台材1Aおよび第2台材1Bの双方に、切断予定線が形成された構成であってもよい。第2台材切断予定線12Bの具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、いわゆるミシン目線によって構成されている。第2台材切断予定線12Bの他の例としては、たとえば部分的に厚さが減じられた所謂折り罫線であってもよい。一対の第2台材切断予定線12Bは、第2台材切断起点部11Bの両端から延びており、図示された例においては、y方向に互いに離間し各々がx方向に延びている。また、第2台材切断予定線12Bのx方向長さは、被包装物3のx方向長さよりも大とされている。
第2台材切断起点部11Bおよび一対の第2台材切断予定線12Bは、z方向視において台材固定部40と第2固定部42との間に設けられている。なお、本発明における切断線は、第1台材1Aのうちz方向視において台材固定部40と第1固定部41との間の領域および第2台材1Bのうちz方向視において台材固定部40と第2固定部42との間の領域の少なくともいずれかに位置する部分を有するものであればよい。
図5は、包装体A1の開封を示しており、図6は、図5のVI−VI線に沿う断面図である。包装体A1の開封は、第2台材切断起点部11Bをつまみ上げる等の動作により、一対の第2台材切断予定線12Bに沿って第2台材1Bを切断する。一対の第2台材切断予定線12Bに沿って第2台材1Bが切断されると、第2台材切断起点部11Bおよび一対の第2台材切断予定線12Bによって囲まれていた領域に、開口部15Bが形成される。
図6に示すように、開口部15Bのうち第2収容孔13Bに近い位置に設けられていた第2台材切断予定線12Bによって形成された部位をz方向に持ち上げる。これにより、第2台材1Bが第1台材1Aから離間するとともに、第2台材1Bとともに第2フィルム2Bが第1フィルム2Aから離間する。すると、被包装物3に対してy方向一方側(図中上側)に、被包装物3を挿通可能な取り出し経路が形成される。この取り出し経路を通じて被包装物3を取り出すことにより、包装体A1の開封が完了する。
次に、包装体A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、まず、台材固定部40が設けられていることにより、搬送中や店頭での陳列中等に被包装物3が第1収容孔13Aおよび第2収容孔13Bから意図せず抜け出ることを防止することができる。次に、包装体A1の開封に際しては、台材固定部40と第2固定部42との間に設けられた第2台材切断予定線12Bに沿って第2台材1Bを切断することにより、第1台材1Aと第2台材1Bとをz方向において互いに離間させることができる。また、第1固定部41および第2固定部42が設けられていることにより、第1台材1Aおよび第2台材1Bの離間に伴って、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bが離間する。これにより、第1収容孔13Aおよび第2収容孔13Bに収容されている被包装物3を外部に取り出す取り出し経路を形成可能であり、被包装物3をスムーズに取り出すことができる。したがって、包装体A1によれば、被包装物3を適切に包装しつつ、よりスムーズな開封を実現することができる。
包装体A1には、第2台材切断起点部11Bおよび一対の第2台材切断予定線12Bが設けられている。第2台材切断起点部11Bは、第2台材1Bの切断をスムーズに開始するのに適している。一対の第2台材切断予定線12Bは、第2台材切断起点部11Bに繋がっている。このため、第2台材切断起点部11Bから切断を開始すると、一対の第2台材切断予定線12Bに沿って第2フィルム2Bが切断される。この結果、第2台材切断予定線12Bに挟まれた領域に、相応の面積を有する開口部15Bが形成される。このような開口部15Bは、被包装物3をスムーズに取り出すのに好ましい。また、一対の第2台材切断予定線12Bが互いに平行に配置されていることにより、一対の第2台材切断予定線12Bに沿った切断が容易であるという利点がある。第2台材切断予定線12Bのx方向長さが被包装物3のx方向長さよりも大であることにより、開口部15Bの大きさを被包装物3の取り出しが行い易い大きさとすることができる。
図7〜図18は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図7は、包装体A1の変形例を示している。本変形例においては、台材固定部40が互いに離間した複数の部分に分割された構成とされている。
本変形例においては、上述した例と同様に、台材接合層50が設けられることによって台材固定部40が形成されている。本変形例の台材接合層50は、互いに離間した複数の部分に分割されている。これら複数の部分の形状や大きさおよび間隔は、被包装物3が第1収容孔13Aおよび第2収容孔13Bから抜け出ることを阻止しうるものであればよい。たとえば、隣り合う部分同士の間隔は、被包装物3の当該方向の寸法よりも小であることが好ましい。このような変形例によっても、被包装物3を適切に包装しつつ、よりスムーズな開封を実現することができる。なお、台材固定部40の構成については、以降の実施形態においても当該変形例の構成を適宜採用可能である。
図8は、本発明の第2実施形態を示す平面図であり、図9は、図8のIX−IX線に沿う断面図である。本実施形態の包装体A2は、第1台材1Aおよび第2台材1Bと第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bとの構成が、上述した実施形態と異なっている。
本実施形態においては、第1台材1Aおよび第2台材1Bは、互いの端縁同士が、折り返し部19によって連結されている。折り返し部19は、y方向に延びており、第1台材1Aおよび第2台材1Bのx方向における端縁同士を連結している。すなわち、第1台材1Aおよび第2台材1Bは、同一の材料によって一体的に形成されている。また、本実施形態においては、台材接合層50は、折り返し部19が設けられた領域を概ね除く領域において、z方向視コの字状に形成されている。これにより、本実施形態の第1台材1Aおよび第2台材1Bは、折り返し部19と台材接合層50とによって、被包装物3が抜け出ることを阻止可能に互いに固定されている。したがって、本実施形態においては、台材固定部40は、折り返し部19と台材接合層50とによって構成されている。
また、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bは、互いの端縁同士が、折り返し部29によって連結されている。折り返し部29は、y方向に延びており、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bのx方向における端縁同士を連結している。すなわち、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bは、同一の材料によって一体的に形成されている。
このような実施形態によっても、被包装物3を適切に包装しつつ、よりスムーズな開封を実現することができる。また、以降の実施形態においては、折り返し部19および折り返し部29の有無は、それぞれに特有の構成を阻害しない限り適宜選択かのうである。
図10は、本発明の第3実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A3においては、一対の第2台材切断予定線12Bが、y方向に延びている。また、一対の第2台材切断予定線12Bが繋がる第2台材切断起点部11Bは、y方向下側に設けられている。係る第2台材切断起点部11Bおよび一対の第2台材切断予定線12Bを設ける便宜として、台材固定部40については、一対の第2台材切断起点部11Bが設けられた部分が、上述した折り返し部19によって構成されている。このような実施形態によっても、被包装物3を適切に包装しつつ、よりスムーズな開封を実現することができる。
図11は、本発明の第4実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A4においては、一対の第2台材切断予定線12Bが互いに異なる方向に延びている。より具体的には、一方の第2台材切断予定線12Bは、x方向に沿って延びており、他方の第2台材切断予定線12Bは、y方向にそって延びている。すなわち図示された例においては、一対の第2台材切断予定線12Bは、互いに直角である。本実施形態においても、第2台材切断起点部11Bの両端に一対の第2台材切断予定線12Bが繋げられている。互いに直角である方向に延びる第2台材切断予定線12Bに対応して、第2台材切断起点部11Bは、x方向およびy方向に対して傾いた姿勢で設けられている。このような実施形態によっても、被包装物3を適切に包装しつつ、x方向とy方向の2軸方向に開封することによって開口が大きく確保することが可能であり、よりスムーズな開封を実現することができる。
図12は、本発明の第5実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A5においては、第2固定部42が、x方向に途切れた途絶部分を有している。なお、第1固定部41は、このような途絶部分を有さなくてもよい。また、第2台材切断予定線12Bが、z方向視において台材固定部40と第2固定部42との間に位置する部分に加えて、第2固定部42の途絶部分を通じて、第2固定部42と第1収容孔13Aおよび第2収容孔13Bとの間に位置する部分を有している。そして、一対の第2台材切断予定線12Bは、第2収容孔13Bに繋がっている。一対の第2台材切断予定線12Bは、それぞれy方向に延びている。
包装体A5の開封に際しては、第2収容孔13Bのうち一対の第2台材切断予定線12Bが繋がる部分をつまみ上げる等の動作により、第2台材1Bを一対の第2台材切断予定線12Bに沿って切断する。一対の第2台材切断予定線12Bに沿った切断は、第2固定部42を超えて台材固定部40と第2固定部42との間の領域に達する。このため、一対の第2台材切断予定線12Bの切断によって形成される開口部15Bは、第2収容孔13Bから第2固定部42を超えた外方に渡って設けられる。このような開口部15Bは、被包装物3の取り出し経路を適切に形成する。このような実施形態によっても、被包装物3を適切に包装しつつ、つまみ部が台材のエッジとなるため、つまみやすく、よりスムーズな開封を実現することができる。
図13は、本発明の第6実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A6は、一対の第2台材切断予定線12Bが第2収容孔13Bに繋がっている点において、包装体A5と共通している。ただし、包装体A5とは異なり、一対の第2台材切断予定線12Bは、それぞれがx方向に延びている。このような実施形態によっても、被包装物3を適切に包装しつつ、よりスムーズな開封を実現することができる。
図14は、本発明の第7実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A7においては、一方の第2台材切断予定線12Bは、y方向に沿って延びており、台材固定部40と第2固定部42との間にその全体が配置されている。他方の第2台材切断予定線12Bは、x方向に延びており、第2固定部42の途絶部分を通じて第2収容孔13Bに到達している。第2台材切断起点部11Bは、互いに直角である方向に延びる一対の第2台材切断予定線12Bに対応して、x方向およびy方向に対して傾いた姿勢で設けられている。このような実施形態によっても、被包装物3を適切に包装しつつ、よりスムーズな開封を実現することができる。
図15は、本発明の第8実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A8においては、第2台材1Bに3つの第2台材切断予定線12Bが形成されている。1つめの第2台材切断予定線12Bは、第2台材切断起点部11Bからx方向に延びており、第2固定部42に沿って配置されている。2つめの第2台材切断予定線12Bは、第2台材切断起点部11Bから、図中右斜め上方向に延びている。3つめの第2台材切断予定線12Bは、1つめの第2台材切断予定線12Bと2つめの第2台材切断予定線12Bとに挟まれた領域に設けられている。この第2台材切断予定線12Bは、環状であり、図示された例においては矩形環状である。また、台材固定部40(台材接合層50)は、矩形環状の第2台材切断予定線12Bに囲まれた独立部分を有している。
包装体A8の開封に際しては、第2台材切断起点部11Bをつまみ上げる等の動作により、1つめおよび2つめの第2台材切断予定線12Bに沿って第2台材1Bの切断を開始する。この切断が進行すると、矩形環状の第2台材切断予定線12Bに沿った切断が誘発される。この切断により、第2台材1Bのうち台材接合層50の前記独立部分によって第1台材1Aに固定されていた部位が、第1台材1Aに固定されたままの状態で残存する。そして、この残存部分を除き、1つめおよび2つめの第2台材切断予定線12Bに挟まれた領域に開口部15Bが形成される。このような実施形態によっても、被包装物3を適切に包装しつつ、よりスムーズな開封を実現することができる。
図16は、本発明の第9実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A9は、第2台材切断予定線12Bと第1固定部41との位置関係が異なる点を除き、上述した包装体A1と同様の構成とされている。
本実施形態においては、第1固定部41と第2固定部42とは、z方向視において一部が一致しない構成となっている。より具体的には、第1固定部41のうち図中y方向上側の部分が、z方向視において第2固定部42からはみ出している。なお、同図においては、第1固定部41のうちz方向視において第2固定部42からはみ出す部分に、相対的に薄いトーンのハッチングを付している。また、第2台材切断予定線12Bは、z方向視において台材固定部40と第2固定部42との間に位置するものの、台材固定部40と第1固定部41との間には位置していない。また、第2台材切断起点部11Bも、z方向視において台材固定部40と第2固定部42との間に位置するものの、台材固定部40と第1固定部41との間には位置していない。
このような実施形態によっても、被包装物3を適切に包装しつつ、よりスムーズな開封を実現することができる。また、第2台材切断起点部11Bおよび第2台材切断予定線12Bと、第1固定部41との位置関係については、上述した包装体A2〜A8に適宜適用できることは当然である。
図17は、本発明の第10実施形態に基づく包装体A10を示す平面図であり、図18は、包装体A10を示す底面図である。包装体A10は、第1台材切断起点部11A、第2台材切断起点部11B、第1台材切断予定線12Aおよび第2台材切断予定線12Bの構成を除き、上述した包装体A3と各部の構成を共通している例である。
本実施形態においては、第1台材1Aに、第1台材切断起点部11Aと1つの第1台材切断予定線12Aが形成されている。第1台材切断予定線12Aは、y方向に沿って延びており、第1台材切断起点部11Aは、第1台材切断予定線12Aのy方向図中下端に隣接して設けられている。また、本実施形態においては、第2台材1Bに第2台材切断起点部11Bと1つの第2台材切断予定線12Bが形成されている。第2台材切断予定線12Bは、y方向に沿って延びており、第2台材切断起点部11Bは、第2台材切断予定線12Bのy方向図中下端に隣接して設けられている。すなわち、本実施形態においては、第1台材切断予定線12Aと第2台材切断予定線12Bとが、本発明の一対の切断予定線を構成している。また、図示された例においては、第1台材切断起点部11Aと第2台材切断起点部11Bとが平面視において略一致し、第1台材切断予定線12Aと第2台材切断予定線12Bとが平面視において略一致する構成とされているが、たとえば、第1台材切断起点部11Aと第2台材切断起点部11B、あるいは第1台材切断予定線12Aと第2台材切断予定線12Bが、それぞれ平面視において一致しない構成であってもよい。
このような実施形態によっても、被包装物3を適切に包装しつつ、よりスムーズな開封を実現することができる。また、第1台材切断起点部11Aや第2台材切断起点部11Bをつまみ上げたり押し込んだりすることによって切断を開始することにより、第1台材切断予定線12Aおよび第2台材切断予定線12Bに沿って第1台材1Aおよび第2台材1Bを適切に切断することが可能であり、第1台材1Aおよび第2台材1Bの双方に被包装物3を取り出し可能な開口を設けることができる。
本発明に係る包装体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る包装体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
第2台材1Bのみに一対の第2台材切断予定線12Bの双方が設けられた構成は、一例であり、第2台材切断起点部11Bと同様の第1台材切断予定線12Aが、第1台材1Aのみに設けられた構成であってもよい。あるいは、第1台材1Aおよび第2台材1Bの双方に、第1台材切断予定線12Aおよび第2台材切断予定線12Bが形成された構成であってもよい。