以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図5は、本発明の第1実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A1は、第1台材1A、第2台材1B、第1フィルム2A、第2フィルム2Bおよび第1被包装物3Aを備えている。
図1は、包装体A1を示す斜視図である。図2は、包装体A1を示す分解斜視図である。図3は、包装体A1を示す平面図である。図4は、包装体A1を示す底面図である。図5は、図3のV−V線に沿う断面図である。なお、図1および図3においては、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bを透過して物体を視認可能である場合を例に記載しており、以降の同種の図においても同様である。また、第1台材1Aおよび第2台材1Bの厚さ方向がz方向であり、x方向およびy方向は、いずれもz方向と直角であり且つ互いに直角である方向である。
第1被包装物3Aは、包装体A1において包装可能なものであれば種類、大きさ、形状等は特に限定されない。第1被包装物3Aとしては、例えば化粧品、医薬品、食品、飲料品、日用品等が挙げられる。図示された例においては、第1被包装物3Aは、扁平な円柱形状であり、このような物体の例として、たとえばボタン型電池が挙げられる。
図2および図5に示すように、第1台材1Aおよび第2台材1Bは、第1フィルム2Aを挟んでz方向に互いに重ね合わされており、図示された例においては、第1フィルム2Aと第2台材1Bとの間にさらに第2フィルム2Bが配置されている。第1台材1Aは、第1フィルム2Aを支持している。第2台材1Bは、図示された例においては、第2フィルム2Bを支持している。第1フィルム2Aと第2フィルム2Bとの間に、第1被包装物3Aが配置されている。
第1台材1Aおよび第2台材1Bとしては、一般的な、所謂ノンコート紙と呼ばれる厚紙、普通紙、合成紙等からなる台紙の他に、表面に樹脂層が設けられた所謂コート紙、あるいは合成樹脂シートなどを採用しうる。これらは単層シート、およびこれらの2以上のシートが積層接着された積層シートなどの各種シート材を用いることができる。本実施形態においては、第1台材1Aおよび第2台材1Bとして厚紙からなり、全体として厚さ方向視(平面視)略長矩形状の台紙を用いる場合を例として説明する。なお、第1台材1Aと第2台材1Bとは、それぞれ別々の部材であることに限定されず、たとえば、互いの端縁同士が折り返し部分を介して連結された構成であってもよい。
第1台材1Aは、2つの第1台材切断起点部11A、2つの第1台材切断予定線12A、第1収容孔13A、第1離間領域14Aおよび第1付随切断容易線18Aを有する。
第1台材切断起点部11Aは、第1台材1Aの切断の起点となる部位であり、本発明で言う第1台材切断予定部の一形態に相当する。第1台材切断起点部11Aの具体的な構成は特に限定されず、第1台材1Aの端縁に設けられた切欠きや切断部位、あるいは部分的に厚さが減じられた部位等を種々に選択することができる。本実施形態においては、第1台材切断起点部11Aは、第1台材切断予定線12Aの端部によって構成されている。また、2つの第1台材切断起点部11Aは、x方向に互いに離間している。
第1台材切断予定線12Aは、第1台材1Aを所定の方向および長さで切断することを可能とする線状部位であり、本発明で言う第1台材切断予定部の一形態に相当する。第1台材切断予定線12Aの具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、いわゆるミシン目線によって構成されている。第1台材切断予定線12Aの他の例としては、たとえば部分的に厚さが減じられた所謂折り罫線であってもよい。本実施形態においては、各々がy方向に沿った2つの第1台材切断予定線12Aが、x方向に互いに離間して配置されている。また、図示された例においては、第1台材切断予定線12Aのy方向図中下端が、第1収容孔13Aに到達しており、この端部が第1台材切断起点部11Aとなっている。第1台材切断予定線12Aの図中上端は、図示された例においては、第1台材1Aの上端には到達していない。
第1収容孔13Aは、第1台材1Aを厚さ方向に貫通している。第1被包装物3Aは、z方向視においてそのすべてが第1収容孔13Aに収容されている。また、第1被包装物3Aは、z方向においてその一部が第1収容孔13Aに収容されており、その他の部分が第1台材1Aから突出している。第1収容孔13Aの大きさおよび形状は特に限定されず、z方向視において第1被包装物3Aを収容可能なものであればよい。図示された例においては、第1収容孔13Aは、z方向視円形状であり、第1台材1Aのx方向における略中央に配置されている。
第1離間領域14Aは、第1台材切断起点部11Aから第1台材1Aが切断されることによって、第1フィルム2Aからz方向に離間可能となる領域である。図示された例においては、第1収容孔13Aの端縁に位置する2つの第1台材切断起点部11Aを起点とした切断が、2つの第1台材切断予定線12Aに沿って進行する。これにより、第1収容孔13Aの端縁のy方向上側部分と2つの第1台材切断予定線12Aとを境界に有する領域が第1離間領域14Aとされる。図3においては、理解の便宜上、第1離間領域14Aに斜線のハッチングを付している。
第1付随切断容易線18Aは、たとえばミシン目線と同様の構成であり、後述する第1フィルム2Aの第1フィルム切断予定線24Aの形成に付随して形成された部位である。本実施形態においては、包装体A1の開封に際しては、第1付随切断容易線18Aに沿った切断を行うことは意図されていない。図示された例においては、第1付随切断容易線18Aは、2つの第1台材切断予定線12Aの間に配置されている。
第2台材1Bは、図3および図5に示すように、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bを挟んでz方向において第1台材1Aとは反対側に配置されている。本実施形態においては、第2台材1Bは、貫通孔や切欠きあるいはミシン目線等が特に設けられていない。第2台材1Bは、たとえば第1被包装物3Aの商品説明を印刷する領域として利用する事ができる。
第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bは、第1被包装物3Aに沿って延伸しうる伸縮性を発揮するフィルムであり、第1被包装物3Aを包装するためのものである。第1フィルム2Aは、外面21Aが第1台材1Aに支持されており、第2フィルム2Bは、外面21Bが第2台材1Bに支持されている。第1台材1Aによる第1フィルム2Aの支持形態および第2台材1Bによる第2フィルム2Bの支持形態は特に限定されない。たとえば、接着剤や接着テープ等を用いて、第1台材1Aおよび第1フィルム2A、第2台材1Bおよび第2フィルム2Bを接合してもよい。あるいは、第1台材1Aおよび第2台材1Bの表面にヒートシール性を発揮するコート層が設けられている場合、第1台材1Aおよび第1フィルム2A、第2台材1Bおよび第2フィルム2Bをヒートシールによって接合してもよい。なお、図示された例においては、第1台材1Aおよび第2台材1Bの接合領域は、第1離間領域14Aを避けた位置に設けられ、たとえば第1台材1Aの四辺に沿って設けられてもよい。
なお、第1フィルム2Aと第2フィルム2Bとは、それぞれ別々の部材であることに限定されず、互いに連結された構成であってもよい。たとえば、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bは、互いの端縁同士が折り返し部分を介して連結された構成であってもよいし、折り畳まれた筒状フィルムによって構成されてもよい。
第1フィルム2Aは、内面22Aが第1被包装物3Aに接するように、第1被包装物3Aを覆っている。また、図示された例においては、第2フィルム2Bは、内面22Bが第1被包装物3Aに接するように、第1被包装物3Aを第1フィルム2Aとは反対側から覆っている。
第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bとしては、特に限定されず、通常公知の伸縮性を備える単層構成または一種あるいは二種以上の複層構成の合成樹脂製フィルムが用いられる。また、適宜必要に応じて、ガスバリアー性や遮光性等の各種機能を有するフィルムを用いてもよい。第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bの厚みは、通常20μm〜300μm、好ましくは30μm〜200μmである。
第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bの層を構成する材質の種類としては、特に限定されないが、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらは単独で用いられてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂及びポリウレタン系樹脂であり、特に好ましくはポリオレフィン系樹脂である。
ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体などの各種共重合体が挙げられる。
第1フィルム2Aは、第1フィルム切断起点部23Aおよび第1フィルム切断予定線24Aを有している。
第1フィルム切断起点部23Aは、第1フィルム2Aに第1被包装物3Aを取り出し可能な開口を生じさせる切断の起点となる部位であり、本発明で言う第1フィルム切断予定部の一形態に相当する。第1フィルム切断起点部23Aの具体的構成は特に限定されず、切欠きや切断部位、あるいは孔等が挙げられる。
第1フィルム切断予定線24Aは、第1フィルム2Aを所定の方向および長さで切断することを可能とする線状部位であり、本発明で言う第1フィルム切断予定部の一形態に相当する。第1フィルム切断予定線24Aの具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、いわゆるミシン目線によって構成されている。図示された第1フィルム切断予定線24Aは、y方向に沿っており、第1フィルム2Aのいずれの端縁にも到達していない。このため、第1フィルム切断予定線24Aに沿った第1フィルム2Aの切断は、たとえば第1フィルム切断予定線24Aのy方向中央付近を起点として開始される。このような場合、第1フィルム切断予定線24Aの中央部分が第1フィルム切断起点部23Aとなっている。また、第1フィルム切断予定線24Aのy方向下方への延長線上に第1被包装物3Aが配置されている。
図1〜図4においては、ミシン目線としての第1フィルム切断予定線24Aと第1付随切断容易線18Aとが一括して形成された場合を例として示している。このため、第1フィルム切断予定線24Aと第1付随切断容易線18Aとは、z方向視における位置や長さが互いに一致している。第1フィルム切断予定線24Aは、第1付随切断容易線18Aと同様に、x方向において2つの第1台材切断予定線12Aの間に配置されている。また、第1フィルム切断予定線24Aは、z方向視においてそのすべてが第1離間領域14Aに覆われている。なお、第1フィルム切断予定線24Aは、z方向視においてそのすべてが第1台材1Aに覆われていればよく、たとえば一部分のみが第1離間領域14Aに覆われた構成であってもよい。
第1フィルム2Aと第2フィルム2Bとは、適所において互いに接合されている。第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bの接合方法は特に限定されず、たとえばヒートシールや接着等を適宜採用可能である。第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bの接合箇所は特に限定されないが、z方向視において第1被包装物3Aおよび第1収容孔13Aを避けた位置であって、第1離間領域14Aの少なくとも一部を避けた領域であることが好ましい。図示された例においては、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bの接合箇所は、第1離間領域14Aの全てを避けた領域に設けられている。
包装体A1の製造手法は特に限定されず、上述した包装体A1の基本構成を実現しうる手法を適宜採用することができる。包装体A1の製造手法の一例においては、たとえば第1収容孔13Aを形成した第1台材1Aと第1フィルム2Aとを接合し、第1台材1Aと第1フィルム2Aとに一括してミシン目線を形成することにより、第1付随切断容易線18Aおよび第1フィルム切断予定線24Aを形成する。また、第2台材1Bと第2フィルム2Bとを接合する。そして、第1台材1Aおよび第1フィルム2Aと第2台材1Bおよび第2フィルム2Bとの間に第1被包装物3Aを配置し、第1フィルム2Aと第2フィルム2Bとを接合する。包装体A1の製造手法の他の例としては、第1台材1Aと第1フィルム2Aとを接合する前に、第1フィルム2Aに第1フィルム切断予定線24Aを形成する手法が挙げられる。この場合、後述する例のように、第1台材1Aには、第1付随切断容易線18Aが形成されない。また、第1台材1Aおよび第1フィルム2Aの接合、第2台材1Bおよび第2フィルム2Bの接合に先立って、第1被包装物3Aを覆う状態で第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bの接合を行う手法であってもよい。また、包装体A1の製造においては、第1台材1Aおよび第2台材1Bとなる大きなサイズの台紙材料と第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bとなる大きなサイズのフィルム材料を用いて、これらを接合した後に一括した切断工程を経ることにより、複数個の包装体A1を製造してもよい。
次に、包装体A1の開封について、図6〜図8を参照しつつ以下に説明する。
まず、図6に示すように、2つの第1台材切断起点部11Aを起点として第1台材1Aの切断を行う。図示された例においては、第1収容孔13Aの端縁のうち2つの第1台材切断起点部11Aに挟まれた部位を持ち上げるような動作によって第1台材1Aの切断を開始することができる。この切断は、2つの第1台材切断予定線12Aに沿ってy方向に進行する。2つの第1台材切断予定線12Aに沿った切断が完了すると、第1台材1Aに2つの第1台材切断線120Aが形成され、第1離間領域14Aがz方向に持ち上げられる。これにより、第1台材1Aは、第1フィルム2Aから離間した部位である第1離間部140Aを有するものとなる。また、第1台材切断予定線12Aに沿った切断によって第1離間領域14Aが第1離間部140Aとされると、第1フィルム2Aのうち第1離間領域14Aによって覆われていた部分が露出する。この部分には、第1フィルム切断予定線24A(第1フィルム切断起点部23A)が含まれており、第1フィルム切断予定線24A(第1フィルム切断起点部23A)が外部に露出した状態となる。
次いで、第1フィルム切断起点部23Aを起点として第1フィルム切断予定線24Aに沿った切断を行う。この切断は、たとえば、第1フィルム2Aのうち第1フィルム切断予定線24Aを挟んでx方向両側に位置する部分を互いに離間させる動作により行うことができる。この動作によって、第1フィルム切断予定線24Aの中央部分である第1フィルム切断起点部23Aを起点として、第1フィルム切断予定線24Aに沿った切断がなされる。この結果、図7に示すように、第1フィルム2Aには、開口240Aが形成される。
次いで、図8に示すように、第1収容孔13Aから開口240Aに向けて、第1被包装物3Aを押し出す動作を行う。これにより、第1被包装物3Aは、第1フィルム2Aと第2フィルム2Bとの間をy方向に移動する。そして、開口240Aから第1被包装物3Aを取り出す。なお、第1フィルム2Aが伸縮性を発揮する材料からなる場合、図7に示す状態における開口240Aは、第1被包装物3Aよりも小さいものであってもよい。図8において、第1被包装物3Aを押し出す動作によって、開口240Aは、第1被包装物3Aを通過させる大きさに伸長される。このように、第1被包装物3Aを取り出し可能な開口240Aとは、第1被包装物3Aよりも大きなサイズのものはもちろん、第1フィルム2Aの材質等に応じて第1被包装物3Aよりも小さなサイズのものを含む概念である。
次に、包装体A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、開封前の状態においては、第1フィルム切断起点部23Aは、第1離間領域14Aに覆われている。また、第1フィルム2Aの切断は、第1台材切断起点部11Aを起点とした第1台材1Aの切断動作とは別に、第1フィルム切断起点部23Aを起点とした切断動作が必要である。このため、店頭における陳列時や購入後の使用前の段階において、誤って第1被包装物3Aが取り出されてしまうことを回避することができる。特に、第1被包装物3Aが、誤飲等によって人体に影響を及ぼしうるものである場合に好ましい。また、第1フィルム切断起点部23Aを起点として第1フィルム2Aを切断する構成であるため、第1フィルム2Aにスムースに開口を形成し、第1被包装物3Aを取り出すことが可能である。したがって、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ適切に包装体A1の開封を行うことができる。
第1台材1Aに第1台材切断予定線12Aを形成することにより、第1台材1Aを所望の位置において所望の方向および長さで切断することができる。互いに離間した2つの第1台材切断予定線12Aを設けることにより、所望の位置に所望の形状および大きさの第1離間領域14Aを設定することができる。
2つの第1台材切断予定線12Aの間に第1フィルム切断起点部23Aを配置することにより、第1台材切断予定線12Aに沿った切断を行った後に、第1フィルム切断起点部23Aを確実に露出させることができる。第1フィルム2Aに第1フィルム切断予定線24Aを設けることにより、第1フィルム2Aを所望の位置において所望の方向および長さで切断することができる。第1フィルム切断予定線24Aの延長線上に第1被包装物3Aが配置された構成は、図8に示すように、第1フィルム切断予定線24Aの切断によって形成された開口240Aに第1被包装物3Aを導きやすいという利点がある。
図1および図3に示すように、第1被包装物3Aは、z方向視においてそのすべてが第1収容孔13Aに収容されており、z方向においてその一部が第1収容孔13Aに収容されている。このため、未開封状態の包装体A1においては、第1被包装物3Aがxy平面に沿って移動することが、第1収容孔13Aの端縁によって阻止される。これにより、未開封の状態において第1被包装物3Aが第1フィルム2Aの第1フィルム切断予定線24Aに意図せず到達してしまうことを防止することができる。一方、図6に示すように、第1台材1Aが第1台材切断予定線12Aに沿って切断されると、本実施形態においては、第1収容孔13Aが第1フィルム切断予定線24A側に開放される。これにより、図8に示すように、第1被包装物3Aを第1フィルム2Aに形成された開口240Aに導くことができる。
図9〜図27は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図9は、包装体A1の変形例を示している。本変形例においては、第1台材1Aに第1付随切断容易線18Aが形成されていない。すなわち、本変形例は、たとえば第1フィルム2Aに第1フィルム切断予定線24Aを形成した後に、第1台材1Aと第1フィルム2Aとが接合される製造手法によって製造された例である。また、本変形例の包装体A1は、係止部19を有している。係止部19は、第1台材1A、第2台材1B、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bを貫通しており、図示された係止部19は、円形の貫通孔である。係止部19は、店頭等において包装体A1をフック等に係止するために用いられる。本変形例によっても、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A1を適切に開封可能である。なお、以降に示す例においては、特に言及する場合を除き、第1台材1Aに第1付随切断容易線18Aが形成された構成であってもよいし、第1付随切断容易線18Aが形成されていない構成であってもよい。
図10は、包装体A1の他の変形例を示す図5と同様の断面図である。本変形例の包装体A1は、第1台材1A、第2台材1B、第1フィルム2Aおよび第1被包装物3Aを備えており、第2フィルム2Bを備えていない。第1被包装物3Aは、第2台材1Bに接しており、第2台材1Bによって保護されている。このような変形例においては、第1フィルム2Aは、第1台材1Aに接合されることに加えて、第2台材1Bにも接合される。第2台材1Bがヒートシール性を発揮するコート層を有する場合、第2台材1Bと第1フィルム2Aとは、ヒートシールによって接合することができる。本変形例によっても、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A1を適切に開封可能である。なお、以降に示す例においては、特に言及する場合を除き、第2フィルム2Bを有する構成であってもよいし、第2フィルム2Bを有さない構成であってもよい。
図11は、本発明の第2実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A1は、2つの第1台材切断予定線12Aが、x方向およびy方向に対して傾斜した方向に沿って設けられている。2つの第1台材切断予定線12Aは、それぞれの一端が第1収容孔13Aに到達しており、これらの部位が2つの第1台材切断起点部11Aを構成している。また、2つの第1台材切断予定線12Aは、それぞれの他端が第1台材1Aの外端縁に到達しており、これらの部位がさらに2つの第1台材切断起点部11Aを構成している。なお、一方の第1台材切断予定線12Aは、第1台材1Aのy方向上端縁に到達しており、他方の第1台材切断予定線12Aは、第1台材1Aのx方向左端縁に到達している。包装体A2の開封に際しては、第1収容孔13Aの端縁に位置する2つの第1台材切断起点部11Aと第1台材1Aの外端縁に位置する2つの第1台材切断起点部11Aとのいずれか一方を選択して第1台材1Aの切断を開始することができる。また、2つの第1台材切断予定線12Aの双方の全長にわたって第1台材1Aを切断すると、第1離間領域14Aは、第1フィルム2Aから完全に離間する第1離間部140Aとなる。ただし、第1被包装物3Aを取り出し可能な程度に第1フィルム切断予定線24Aを露出させることができる範囲において、第1台材切断予定線12Aを部分的に切断する開封形態を選択してもよい。
本実施形態の第1フィルム切断予定線24Aは、第1フィルム2Aのx方向左端寄りに設けられており、第1フィルム2Aをy方向に縦断している。このため、第1フィルム切断予定線24Aは、z方向視においてその一部が第1離間領域14Aに覆われており、他の部分が第1台材1Aの第1離間領域14A以外の部分に覆われている。ただし、第1フィルム切断予定線24Aは、そのすべてが依然として第1台材1Aに覆われている。このような実施形態によっても、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A2を適切に開封可能である。また、第1フィルム切断予定線24Aの延長線上には、第1被包装物3Aは、配置されていない。このため、包装体A2の製造に際しては、第1フィルム2Aとなるフィルム材料に連続した長いサイズのミシン目線を形成し、その一部を第1フィルム切断予定線24Aとして用いるのに適している。
図12は、本発明の第3実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A3においては、2つの接合部41が設けられている。接合部41は、第1フィルム2Aと第2フィルム2Bとがヒートシール等によって部分的に接合された部位である。2つの接合部41は、x方向に離間して配置されており、y方向における位置が略一致している。接合部41の端部同士の距離D1は、第1被包装物3Aのx方向外寸(図示された例においては直径)である距離D2よりも小である。また、2つの第1台材切断予定線12Aは、それぞれがy方向に対して反対側に傾斜している。2つの第1台材切断予定線12A同士のx方向間隔は、第1収容孔13Aから第1フィルム切断予定線24A(あるいは係止部19)に向かうほど小となっている。
このような実施形態によっても、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A3を適切に開封可能である。また、包装体A3の開封においては、第1フィルム切断予定線24Aを切断することによって形成される開口240Aに向けて第1被包装物3Aを押し出す際に、2つの接合部41が第1被包装物3Aの移動を妨げる機能を発揮する。これにより、意図しない動作によって第1台材1Aおよび第1フィルム切断予定線24Aが切断された場合であっても、第1被包装物3Aが誤って取り出されてしまうことを防止することができる。また、第1フィルム切断予定線24A(開口240A)に向かうほど2つの第1台材切断予定線12Aの間隔が小であることは、第1被包装物3Aが誤って取り出されてしまうことの防止効果を高めるのに有利である。
図13は、本発明の第4実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A4においては、第1台材切断予定線12Aおよび第1フィルム切断予定線24Aがx方向に沿った形状とされている。
第1台材1Aには、3つの第1台材切断予定線12Aが形成されている。1つの第1台材切断予定線12Aは、第1収容孔13Aからy方向に離間した位置に設けられており、第1台材1Aをx方向に横断している。他の2つの第1台材切断予定線12Aは、第1収容孔13Aと第1台材1Aのx方向左右端との間にそれぞれ設けられている。これにより、包装体A4の第1離間領域14Aは、3つの第1台材切断予定線12A、第1収容孔13Aの端縁の一部および第1台材1Aのx方向の左右端の一部ずつを境界とする領域となており、全体としてx方向に沿った略帯状である。
第1フィルム切断予定線24Aは、y方向上側の1つの第1台材切断予定線12Aとy方向下側の2つの第1台材切断予定線12Aとの間に配置されており、第1フィルム2Aをx方向に横断している。第1フィルム切断予定線24Aは、第1収容孔13A(第1被包装物3A)に対してy方向上方に位置しており、第1フィルム切断予定線24Aの延長線上には第1被包装物3Aは、配置されていない。このような実施形態においては、上述した包装体A2と同様に、第1フィルム2Aとなるフィルム材料に連続した長いサイズのミシン目線を形成し、その一部を第1フィルム切断予定線24Aとして用いることができる。また、第1台材1Aは、x方向左右両側に2つずつの第1台材切断起点部11Aを有する構成となる。いずれの第1台材切断起点部11Aを用いて第1台材1Aを切断するかは、適宜選択すればよい。このような実施形態によっても、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A4を適切に開封可能である。
図14は、本発明の第5実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A5においては、2つの第1台材切断予定線12Aは、各々が複数の湾曲部を有する曲線形状とされている。そして、2つの第1台材切断予定線12Aのx方向間隔は、相対的に広い部分と相対的に狭い部分とがy方向に並べられた格好となっている。また、包装体A5は、係止部19を有する。本実施形態の係止部19は、全体としてx方向に長く延びており、x方向右方に開いた形状である。また、係止部19は、x方向中央付近にy方向上方に凸である部分を有する。第1離間領域14Aは、2つの第1台材切断予定線12Aおよび係止部19に応じた形状である。
第1フィルム2Aに、複数の第1フィルム切断起点部23Aが形成されている。複数の第1フィルム切断起点部23Aは、各々がy方向に沿う比較的短い切断線からなり、x方向に当ピッチで配列されている。このような実施形態においては、第1フィルム2Aとなるフィルム材料に多数の第1フィルム切断起点部23Aを形成し、その一部を複数の第1フィルム切断起点部23Aとして用いることができる。本実施形態においては、複数の第1フィルム切断起点部23Aのいくつかがz方向視において第1離間領域14Aに覆われている。図示された例においては、3つの第1フィルム切断起点部23Aが第1離間領域14Aに覆われている。包装体A5の開封に際しては、第1台材切断予定線12Aの切断によって露出する3つの第1フィルム切断起点部23Aのいずれかを起点として第1フィルム2Aを切断すればよい。伸縮性に富んだ第1フィルム2Aは、切断しようとしても伸長してしまう場合があるが、第1フィルム切断起点部23Aが設けられていれば、第1フィルム切断起点部23Aを起点として比較的スムーズに切断することができる。このような実施形態によっても、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A5を適切に開封可能である。
図15は、本発明の第6実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A6には、y方向上方への凸部を有する楕円形状の係止部19が形成されている。2つの第1台材切断予定線12Aは、各々が第1収容孔13Aおよび係止部19に到達している。このため、各第1台材切断予定線12Aの両端が第1台材切断起点部11Aを構成している。
また、本実施形態においては、第1フィルム2Aに複数の第1フィルム切断起点部23Aが設けられている。第1フィルム切断起点部23Aは、y方向に沿う比較的短い切断線であり一端が係止部19に到達している。また、複数の第1フィルム切断起点部23Aは、係止部19に到達するもののみが形成されている。このような複数の第1フィルム切断起点部23Aは、たとえば第1台材1Aと第1フィルム2Aとを接合した後に、第1台材1Aと第1フィルム2Aとに一括して切断線を形成することによって設けられる。このため、第1台材1Aには、複数の第1付随切断容易線18Aが形成されている。
このような実施形態によっても、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A6を適切に開封可能である。包装体A6の開封においては、複数の第1フィルム切断起点部23Aのいずれかを起点として第1フィルム2Aを切断すればよい。1つのみの第1フィルム切断起点部23Aを起点として第1フィルム2Aを切断してもよいし、複数の第1フィルム切断予定線24Aを起点としてもよい。
図16は、本発明の第7実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A7は、第1台材1Aに2つの第1台材切断起点部11Aが設けられているものの、第1台材切断予定線12Aが設けられていない点が、上述した実施形態と異なる。本実施形態においては、第1台材切断起点部11Aは、第1収容孔13Aに設けられた切り欠きによって構成されている。2つの第1台材切断起点部11Aは、x方向に離間して配置されている。2つの第1台材切断起点部11Aを起点として第1台材1Aの切断を開始すると、たとえば台紙からなる第1台材1Aは、第1収容孔13Aからy方向上方に向けて比較的容易に切断することが可能である。2つの第1台材切断起点部11Aを起点としてy方向上方に切断を進行すると、第1台材1Aのうち図中においてハッチングを付された領域が第1フィルム2Aから離間可能となる。この領域が、本実施形態における第1離間領域14Aである。なお、第1離間領域14Aは、第1フィルム切断予定線24Aの少なくとも一部を覆うものであればよい。
このような実施形態によっても、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A7を適切に開封可能である。また、本実施形態から理解されるように、第1離間領域14Aは、第1台材切断予定線12Aを境界として有するものに限定されず、第1台材切断起点部11Aを起点とする切断線によって区画される領域を含む概念である。
図17および図18は、本発明の第8実施形態に基づく包装体を示している。図17は、本実施形態の包装体A8を示す平面図である。図18は、図17のXXVIII−XXVIII線に沿う断面図である。
本実施形態においては、第1台材1Aに、図13に示した包装体A4における構成と類似した一対の第1台材切断予定線12Aが形成されている。ただし、第1台材1Aには、包装体A4における第1収容孔13Aは、形成されていない。一方、第2台材1Bには、第2収容孔13Bが形成されている。第2収容孔13Bは、平面視において第1被包装物3Aを収容している。第1被包装物3Aは、第2フィルム2Bに覆われた状態で、第2台材1Bの第2台材切断予定線12Bを通じてz方向に突出している。第1フィルム2Aのうち第1台材1Aの第1離間領域14Aに重なる部分には、第1フィルム切断予定線24Aが形成されている。
図19は、包装体A8の開封を示している。第1台材1Aを一対の第1台材切断予定線12Aに沿って切断することにより、第1離間領域14Aが第1離間部140Aとなって取り除かれる。次いで、第1フィルム切断予定線24Aに沿って第1フィルム2Aを切断することにより、第1フィルム2Aに開口240Aが形成される。そして、たとえば、第2フィルム2Bを介して第1被包装物3Aを押し出す等の動作により、第1被包装物3Aを開口240Aから取り出すことができる。
このような実施形態によっても、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A8を適切に開封可能である。また、本実施形態から理解されるように、第1台材1Aには、第1台材切断予定線12A(第1台材切断起点部11A)および第1収容孔13Aの双方が形成された構成に限定されず、第1台材切断予定線12A(第1台材切断起点部11A)および第1収容孔13Aのいずれかのみが形成された構成であってもよい。
図20は、本発明の第9実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A9は、2つの第1被包装物3Aが包装されている。各々の第1被包装物3Aについて、第1台材1Aに、4つの第1台材切断起点部11A、2つの第1台材切断予定線12A、第1収容孔13A、第1離間領域14Aおよび第1付随切断容易線18Aが設けられており、第1フィルム2Aに、第1フィルム切断起点部23Aおよび第1フィルム切断予定線24Aが設けられている。
2つの第1被包装物3Aは、y方向に離間して配置されている。また、2つの第1被包装物3Aのx方向位置は、異なっている。包装体A9には、接合部41が設けられている。接合部41は、第1フィルム2Aおよび第2フィルム2Bをx方向に横断しており、2つの第1被包装物3Aの間に位置している。図中上方の2つの第1台材切断予定線12Aは、図中上方の第1収容孔13Aから第1台材1Aのx方向左端縁に向かって延びている。図中上方の第1フィルム切断予定線24A(第1フィルム切断起点部23A)および第1付随切断容易線18Aは、2つの第1台材切断予定線12Aの間に配置されている。図中上方の第1離間領域14Aは、第1台材1Aの左端縁と図中上方の第1収容孔13Aとの間に設けられている。接合部41よりも図中下方の4つの第1台材切断起点部11A、2つの第1台材切断予定線12A、第1収容孔13A、第1離間領域14A、第1フィルム切断起点部23Aおよび第1フィルム切断予定線24Aの構成は、図中上方の構成と左右反対の関係となっている。
このような実施形態によっても、第1被包装物3Aの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A9を適切に開封可能である。また、本実施形態から理解されるように本発明の包装体に包装される第1被包装物3Aの個数は特に限定されない。また、互いの種類や大きさおよび形状等が異なる複数の第1被包装物3Aを備えた構成であってもよい。
図21〜図23は、本発明の第10実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A10は、第1台材1A、第2台材1B、第1フィルム2A、第2フィルム2B、第1被包装物3Aおよび第2被包装物3Bを備えている。図21は、包装体A10の平面図であり、図22は、包装体A10の底面図である。図23は、図21のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。
第2被包装物3Bは、第1被包装物3Aと同様に、包装体A10において包装可能なものであれば種類、大きさ、形状等は特に限定されない。図示された例においては、第2被包装物3Bは、第1被包装物3Aと同様に扁平な円柱形状であり、具体例としてはボタン型電池が挙げられる。第1被包装物3Aに対応して、4つの第1台材切断起点部11A、2つの第1台材切断予定線12A、第1収容孔13A、第1離間領域14A、第1付随切断容易線18A、第1フィルム切断起点部23Aおよび第1フィルム切断予定線24Aが形成されており、これらの構成は、図20に示す構成を90度回転させた構成と略同様である。
第2台材1Bは、第2収容孔13Bを有する。第2収容孔13Bは、第2台材1Bをz方向に貫通しており、z方向視において第2被包装物3Bを収容している。第2被包装物3Bは、第2台材1Bからz方向に突出している。第2被包装物3Bは、第2フィルム2Bの内面22Bが接触するようにして第2フィルム2Bによって片側が覆われている。第2被包装物3Bの反対側は、第1フィルム2Aの内面22Aが接するようにして第1フィルム2Aによって覆われている。
第2台材1Bは、4つの第2台材切断起点部11B、2つの第2台材切断予定線12Bおよび第2付随切断容易線18Bが形成されている。第2台材切断起点部11Bは、第2台材1Bを切断する起点となる部位であり、本発明で言う第2台材切断予定部の一形態に相当する。本実施形態においては、2つの第2台材切断予定線12Bの端部によって4つの第2台材切断起点部11Bが構成されている。
2つの第2台材切断予定線12Bは、第2台材1Bを所定の方向および長さで切断することを可能とする線状部位であり、本発明で言う第2台材切断予定部の一形態に相当する。第2台材切断予定線12Bの具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、いわゆるミシン目線によって構成されている。第2台材切断予定線12Bの他の例としては、たとえば部分的に厚さが減じられた所謂折り罫線であってもよい。各第2台材切断予定線12Bは、第2収容孔13Bと第2台材1Bのy方向下端縁とに到達しており、y方向に沿っている。2つの第2台材切断予定線12Bは、x方向に離間して配置されている。第2付随切断容易線18Bは、第2フィルム2Bに第2フィルム切断予定線24Bを形成する際に付随して生じたものであり、第1付随切断容易線18Aと同様である。
第2離間領域14Bは、第2台材切断起点部11Bを起点とした切断によって第2フィルム2Bからz方向に離間可能な領域である。本実施形態においては、第2離間領域14Bは、2つの第1台材切断予定線12A、第1収容孔13Aの端縁の一部および第2台材1Bのy方向下端縁の一部を境界とする領域であり、第1離間領域14Aと同様に斜線のハッチングを付している。
第2フィルム切断予定線24Bは、第2フィルム2Bを所定の方向および長さで切断することを可能とする線状部位である。第2フィルム切断予定線24Bの具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、いわゆるミシン目線によって構成されている。第2フィルム切断起点部23Bは、第2フィルム2Bを切断する起点となる部位であり、本発明で言う第2フィルム切断予定部の一形態に相当する。本実施形態においては、たとえば第2フィルム切断予定線24Bの中央部分である。第2フィルム切断予定線24Bは、本発明で言う第2フィルム切断予定部の一形態に相当する。第2フィルム切断予定線24Bは、z方向視において第2離間領域14Bに覆われている。なお、第2フィルム切断予定線24Bは、少なくもその一部が第2離間領域14Bに覆わており、且つそのすべてが第2台材1Bに覆われていればよい。
包装体A10の開封において、第1被包装物3Aを取り出す場合は、第1台材切断起点部11Aを起点として第1台材切断予定線12Aに沿って第1台材1Aを切断し、第1離間部140Aを第1フィルム2Aから離間させる。次いで、露出した第1フィルム切断予定線24Aに沿って第1フィルム2Aを切断することにより、開口240Aを形成する。そして、第1被包装物3Aを開口240Aへと押し出すことにより、第1被包装物3Aを取り出すことができる。一方、第2被包装物3Bと取り出す場合は、第2台材切断起点部11Bを起点として第2台材切断予定線12Bに沿って第2台材1Bを切断し、露出した第2フィルム切断予定線24Bを切断することによって第2フィルム2Bに開口を生じさせる。そして、第2被包装物3Bを当該開口へと押し出すことによって第2被包装物3Bを取り出すことができる。
このような実施形態によれば、第1被包装物3Aおよび第2被包装物3Bの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A10を適切に開封可能である。
図24〜図26は、本発明の第11実施形態に基づく包装体を示している。本実施形態の包装体A11は、包装体A10と同様に、第1台材1A、第2台材1B、第1フィルム2A、第2フィルム2B、第1被包装物3Aおよび第2被包装物3Bを備えている。図24は、包装体A11の平面図であり、図25は、包装体A11の底面図である。図26は、図24のXXVI−XXVI線に沿う断面図である。
本実施形態においては、第1台材1Aは、2つの第1台材切断起点部11A、2つの第1台材切断予定線12A、第1補助収容孔13A'、第1離間領域14Aおよび第1付随切断容易線18Aを有しており、第2台材1Bは、2つの第2台材切断起点部11B、2つの第2台材切断予定線12B、第2補助収容孔13B'、第2離間領域14Bおよび第2付随切断容易線18Bを有している。第1フィルム2Aは、第1フィルム切断起点部23Aおよび第1フィルム切断予定線24Aを有しており、第2フィルム2Bは、第2フィルム切断起点部23Bおよび第2フィルム切断予定線24Bを有している。
本実施形態においては、図25に示すように、第1被包装物3Aは、z方向視において第2補助収容孔13B’に収容されており、図26に示すように、第2台材1Bからz方向に突出している。第2補助収容孔13B’は、第2台材1Bを貫通しており、図示された例においては、z方向視円形状である。そして、図24に示すように、2つの第1台材切断予定線12Aは、その一部ずつがz方向視において第2補助収容孔13B’と重なっている。2つの第1台材切断予定線12Aは、各々がy方向に沿っており、x方向に離間配置されている。第1台材1Aのy方向上端に位置する第1台材切断予定線12Aの端部が、第1台材切断起点部11Aを構成している。第1台材1Aのうち2つの第1台材切断予定線12Aに挟まれた領域が、第1離間領域14Aとなっている。
第1フィルム切断予定線24A(第1フィルム切断起点部23A)は、y方向視において第1離間領域14Aに覆われており、さらに第2補助収容孔13B’および第1被包装物3Aに重なっている。
本実施形態においては、図24に示すように、第2被包装物3Bは、z方向視において第1補助収容孔13A’に収容されており、図26に示すように、第1台材1Aからz方向に突出している。第1補助収容孔13A’は、第1台材1Aを貫通しており、図示された例においては、z方向視円形状である。そして、図25に示すように、2つの第2台材切断予定線12Bは、その一部ずつがz方向視において第1補助収容孔13A’と重なっている。2つの第2台材切断予定線12Bは、各々がy方向に沿っており、x方向に離間配置されている。第2台材1Bのy方向下端に位置する第2台材切断予定線12Bの端部が、第2台材切断起点部11Bを構成している。第2台材1Bのうち2つの第2台材切断予定線12Bに挟まれた領域が、第2離間領域14Bとなっている。
第1フィルム切断予定線24A(第1フィルム切断起点部23A)は、y方向視において第1離間領域14Aに覆われており、さらに第2補助収容孔13B’および第1被包装物3Aに重なっている。
図27は、包装体A11の開封において、第1被包装物3Aを取り出す場合を示している。この場合、2つの第1台材切断起点部11Aを起点として2つの第1台材切断予定線12Aに沿って第1台材1Aを切断し、2つの第1台材切断線120Aが形成される。これにより、第1離間領域14Aを第1フィルム2Aから離間させ、第1離間部140Aとする。次いで、第1台材1Aから露出した第1フィルム切断予定線24A(第1フィルム切断起点部23A)を用いて第1フィルム2Aを切断する。これにより、z方向視において第1被包装物3Aと重なる開口が第1フィルム2Aに形成される。そして、z方向において第1台材1Aとは反対側の第2台材1B側から第2フィルム2Bを介して第1被包装物3Aをz方向に押し出すことにより、第1フィルム2Aの開口から第1被包装物3Aを取り出すことができる。第2被包装物3Bを取り出す場合は、上記の手順と同様に、第2台材1Bおよび第2フィルム2Bを切断すればよい。
このような実施形態によっても、第1被包装物3Aおよび第2被包装物3Bの意図しない取り出しを抑制しつつ包装体A11を適切に開封可能である。また、z方向視において、第1台材切断起点部11Aおよび第1フィルム切断予定線24Aが第1被包装物3Aと重なる配置とし、第2台材切断起点部11Bおよび第2フィルム切断予定線24Bが第2被包装物3Bと重なる配置とすることにより、包装体A11のz方向視におけるサイズを縮小することができる。
本発明に係る包装体は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る包装体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。