JP2016046826A - ワイヤハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、幹線から分岐する支線の束がばらけることを防止することができ、支線の束径を一定の範囲に維持することができる安定した品質のワイヤハーネスを提供すること。
【解決手段】幹線5と、幹線5を挟んで覆い幹線5に沿う一対の縁部を重ね合わせて貼り合わされる片面自己粘着シート6と、幹線5の途中から分岐されると共に、片面自己粘着シート6に挟まれて覆われて一対の縁部の間から引き出される支線7と、幹線5における支線7の分岐部4aよりも幹線5の延在方向外側で幹線5を束ねる仮止め部材8と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤハーネスに関する。
図2及び図3に示したワイヤハーネス200は、下記特許文献1に開示されたワイヤハーネスである。
このワイヤハーネス200は、幹線210と、幹線210から分岐する支線220と、分岐部230を覆う一枚の粘着テープ240と、を備えている。
粘着テープ240は、片面が粘着面となっているテープで、図3に示すように、略矩形の一枚の母材テープ241に、該母材テープ241に載置された幹線210の支線220が分岐する側の一側に沿って形成された一対の切れ込み242と、母材テープ241に載置された幹線210の分岐側とは逆の領域で支線220の延在方向に沿って形成された一対の切れ込み243とを備えている。
そして、粘着テープ240は、前述の4本の切れ込みによって、幹線210を載置する帯状の幹線載置部244と、支線220を載置する支線載置部245と、支線載置部245に載置された支線220の上に折り重ねられる支線挟み部246と、幹線載置部244の上に載置された幹線210に巻き着けられる幹線巻き付け部247と、支線220の上に折り重ねられた支線挟み部246の上から支線220に巻き着けられる支線巻き付け部248と、を形成している。
特許文献1におけるワイヤハーネス200の場合、分岐部230の全体が粘着テープ240で覆われるため、幹線210の分岐部230の両側に位置する電線の束、及び分岐部230から延出する支線220の電線の束のいずれにおいても、束を構成している電線がばらけることを防止することができ、電線がばらけることによる配索性の低下を防止することができる。
しかし、特許文献1のワイヤハーネス200の場合、分岐部230に使用する粘着テープ240は、大きく、しかも多数の切れ込み242,243を有している。そのため、分岐部230に貼り付ける作業の途中で、図3に示した形状が皺がよって崩れたり、一部が他の部位に折れ重なって剥がれず、分岐部230に貼り付けることができなくなるおそれがあった。また、粘着テープ240が手指から剥がれにくく、手指から剥がすのに手間がかかる場合があった。
そのため、粘着テープ240を分岐部230に貼り付ける際には、慎重で、且つ、丁寧な作業必要となり、生産性の向上が難しい。
そこで、図4に示すように、分岐部230の両側の幹線210の束を、帯状の粘着テープ260で結束しただけの簡易な構成にして、生産性を高めることが考えられる。この構成では、幹線210を束ねている各粘着テープ260の内側縁261を、分岐部230に近接させることで、支線220を構成する複数の電線を束状にすることができる。
実開平3−3116号公報
しかし、図4に示した構成では、粘着テープ260を装着する位置は、治具等で装着位置を決めないと、粘着テープ260の装着位置がずれて、品質のバラツキを招くおそれがあった。
そして、粘着テープ260の内側縁261の位置が分岐部230から離れていると、当初は支線220の電線が束状になっていても、図5に示すように、支線220に作用する外力によって支線220を構成している各電線がばらけて、束径が大きくなったり、ばらけた電線が周囲の器物に引っかかり易くなり、当該ワイヤハーネス200の配索性が低下するおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、簡単な構成で、幹線から分岐する支線の束がばらけることを防止することができ、支線の束径を一定の範囲に維持することができる安定した品質のワイヤハーネスを提供することにある。
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1) 幹線と、
前記幹線を挟んで覆い前記幹線に沿う一対の縁部を重ね合わせて貼り合わされる自己粘着シートと、
前記幹線の途中から分岐されると共に、前記自己粘着シートに挟まれて覆われて前記一対の縁部の間から引き出される支線と、
前記幹線における前記支線の分岐部よりも前記幹線の延在方向外側で前記幹線を束ねる仮止め部材と、
を備えることを特徴とするワイヤハーネス。
(2) 前記仮止め部材は、粘着テープであることを特徴とする上記(1)に記載のワイヤハーネス。
上記(1)の構成によれば、分岐部の両側の幹線を仮止め部材により束ねることで、分岐部から延出する支線を、略束状にまとめることができる。そして、分岐部の両側の幹線を仮止め部材により束ねた後、分岐部の幹線と支線を自己粘着シートで挟んで覆う。
自己粘着シートは、自己の粘着面同士が重なったときに、重なった面同士を所定の接着力で接着し、当該自己粘着シートの粘着面に接触するものがワイヤハーネスや手指などの自己の粘着面以外の場合には接着性を発揮しない。そのため、自己粘着シートを分岐部に装着する際には、不用意に自己粘着シートが他の部位に接着して作業が行い難くなることがなく、自己粘着シートを簡単に分岐部に添えて、分岐部における幹線や支線を挟んで覆った状態にすることができる。
そして、分岐部を覆った自己粘着シートは、例えば、周囲から内方に向かって、重なり合っている自己粘着シート同士を押圧して接着させていくと、幹線の周囲及び支線の周囲が自己粘着シート同士の接着域で囲われ、幹線や支線を構成している電線の移動が規制され、各電線がばらけることが防止される。
従って、仮止め部材による結束位置が分岐部から離れていても、仮止め部材による結束直後で、支線を構成している電線が略束状になっているうちに、自己粘着シートで分岐部を挟み、分岐部の幹線及び支線の周囲で重なる自己粘着シート同士を接着させれば、幹線や支線を形成している各電線の移動が規制される。そのため、支線を構成している各電線が支線に作用する外力によってばらけることを防止することができ、電線がばらけることによって支線の束径が徐々に増大するような不都合を防止することができる。
従って、簡単な構成で、幹線から分岐する支線の束がばらけることを防止することができ、また、仮止め部材の装着位置を厳密に規制せずとも、支線の束径を一定の範囲に維持した安定した品質のワイヤハーネスを提供することができる。
上記(2)の構成によれば、仮止め部材は、比較的に低コストで流通する粘着テープであるため、幹線の周囲に緊張状態で巻き着けるだけで、簡単に幹線を結束することができ、低コスト化と、生産性の向上とを図ることができる。
本発明によるワイヤハーネスによれば、簡単な構成で、幹線から分岐する支線の束がばらけることを防止することができ、支線の束径を一定の範囲に維持することができる安定した品質のワイヤハーネスを提供することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は本発明に係るワイヤハーネスの一実施形態の斜視図である。 図2は従来のワイヤハーネスの斜視図である。 図3は図2に示したワイヤハーネスの分岐部を覆う粘着テープの展開図である。 図4は粘着テープによる結束構造を簡易化した従来のワイヤハーネスの斜視図である。 図5は図4に示したワイヤハーネスにおいて発生する不都合の説明図である。
以下、本発明に係るワイヤハーネスの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るワイヤハーネスの一実施形態の斜視図である。
この一実施形態のワイヤハーネス4は、幹線5と、片面自己粘着シート6と、支線7と、仮止め部材8と、を備えている。
幹線5は、複数の被覆電線51から構成された電線の束である。この幹線5は、途中に、支線7が分岐する分岐部4aが設定される。
片面自己粘着シート6は、矩形のシート状で、分岐部4aにおける幹線5と支線7とを挟んで覆っている。また、片面自己粘着シート6は、幹線5に沿う一対の縁部61,61を重ね合わせて張り合わされる。
この片面自己粘着シート6は、重ね合わされる面(片面)が自己粘着面である。この片面自己粘着シート6は、自己粘着面同士が合わされることによってのみ、接着性を発揮し、貼り合わせた面同士が接着される。片面自己粘着シート6の自己粘着面は、自己粘着面以外には接着性を発揮せず、作業者の指や、接触する幹線5や支線7には、接着することがない。
本実施形態で用いられる片面自己粘着シート6は、自身の粘着面(裏面)同士を自己粘着によって貼り合わすことができる。つまり、糊や結束テープを不要にして粘着面(裏面)同士を合わせるだけで簡単に貼ることが可能となる。片面自己粘着シート6は、PP(ポリプロピレン)発泡材からなるシート基材の表面に表面材が積層され、裏面に特殊粘着剤層が積層される。表面材にはクラフト紙、ライナーボード、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PPフィルム、不織布等が使用可能となる。引張強さは、タテ方向が49N/cm幅、ヨコ方向が23N/cm幅(JIS K−6767準拠)、引裂強さは、タテ方向が7.8N、ヨコ方向が6.8N(JIS K−6767準拠)、水蒸気透過率は0.0052g/cm・24hrs(FS−101B)、初期粘着力は2.5N/cm幅(T型剥離試験)等の特性を有する。この片面自己粘着シートとしては例えば米国クロウェル社製のCro−nel(登録商標)等を用いることができる。
支線7は、幹線5の途中から分岐した複数の被覆電線51で構成される電線の束である。この支線7は、分岐部4aにおいて、幹線5と一緒に片面自己粘着シート6に挟まれると共に、片面自己粘着シート6により覆われる。また、支線7は、張り合わされた一対の縁部61,61の間から引き出されている。
仮止め部材8は、本実施形態の場合、片面に粘着層を有した粘着テープである。この仮止め部材8は、幹線5における支線7の分岐部4aよりも幹線5の延在方向(図1では、矢印X方向)外側で、幹線5を束ねる。
以上に説明したワイヤハーネス4では、分岐部4aの両側の幹線5を仮止め部材8により束ねることで、分岐部4aから延出する支線7を、略束状にまとめることができる。そして、分岐部4aの両側の幹線5を仮止め部材8により束ねた後、分岐部4aの幹線5と支線7を片面自己粘着シート6で挟んで覆う。
片面自己粘着シート6は、自己の粘着面同士が重なったときに、重なった面同士を所定の接着力で接着し、当該片面自己粘着シート6の粘着面に接触するものがワイヤハーネス4や作業者の手指などの自己の粘着面以外の場合には接着性を発揮しない。
そのため、片面自己粘着シート6を分岐部4aに装着する際には、不用意に片面自己粘着シート6が他の部位に接着して作業が行い難くなることがなく、片面自己粘着シート6を簡単に分岐部4aに添えて、分岐部4aにおける幹線5や支線7を挟んで覆った状態にすることができる。
そして、分岐部4aを覆った片面自己粘着シート6は、例えば、周囲から内方に向かって、重なり合っている片面自己粘着シート6同士を押圧して接着させていくと、幹線5の周囲及び支線7の周囲が片面自己粘着シート6同士の接着域で囲われ、幹線5や支線7を構成している電線の移動が規制され、各電線がばらけることが防止される。
従って、仮止め部材8による結束位置が分岐部4aから離れていても、仮止め部材8による結束直後で、支線7を構成している電線が略束状になっているうちに、片面自己粘着シート6で分岐部4aを挟み、分岐部4aの幹線5及び支線7の周囲で重なる片面自己粘着シート6同士を接着させれば、幹線5や支線7を形成している各電線の移動が規制される。そのため、支線7を構成している各電線が支線7に作用する外力によってばらけることを防止することができ、電線がばらけることによって支線7の束径が徐々に増大するような不都合を防止することができる。
従って、簡単な構成で、幹線5から分岐する支線7の束がばらけることを防止することができ、また、仮止め部材8の装着位置を厳密に規制せずとも、支線7の束径を一定の範囲に維持した安定した品質のワイヤハーネス4を提供することができる。
また、一実施形態のワイヤハーネス4の場合、仮止め部材8は、比較的に低コストで流通する粘着テープであるため、幹線5の周囲に緊張状態で巻き着けるだけで、簡単に幹線5を結束することができ、ワイヤハーネス4の低コスト化と、生産性の向上とを図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、仮止め部材は、粘着テープに限るものではなく、片面に複数の係止用凹凸が形成されたバンド部の一端に、前記バンド部を挿通可能で挿通したバンド部の係止用凹凸に係合するバンド係止部を備えた結束バンドを使用することもできる。更に、仮止め部材は、C字形状のリング状部材、ひも、接着剤でもよい。
また、自己粘着シートは、両面が自己粘着性を有する両面自己粘着シートであってもよい。
ここで、上述した本発明に係るワイヤハーネスの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[2]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 幹線(5)と、
前記幹線(5)を挟んで覆い前記幹線(5)に沿う一対の縁部を重ね合わせて貼り合わされる自己粘着シート(6)と、
前記幹線(5)の途中から分岐されると共に、前記自己粘着シート(6)に挟まれて覆われて前記一対の縁部の間から引き出される支線(7)と、
前記幹線(5)における前記支線(7)の分岐部(4a)よりも前記幹線(5)の延在方向外側で前記幹線(5)を束ねる仮止め部材(8)と、
を備えることを特徴とするワイヤハーネス(4)。
[2] 前記仮止め部材(8)は、粘着テープであることを特徴とする上記[2]に記載のワイヤハーネス(4)。
4 ワイヤハーネス
4a 分岐部
5 幹線
6 片面自己粘着シート
7 支線
8 仮止め部材

Claims (2)

  1. 幹線と、
    前記幹線を挟んで覆い前記幹線に沿う一対の縁部を重ね合わせて貼り合わされる自己粘着シートと、
    前記幹線の途中から分岐されると共に、前記自己粘着シートに挟まれて覆われて前記一対の縁部の間から引き出される支線と、
    前記幹線における前記支線の分岐部よりも前記幹線の延在方向外側で前記幹線を束ねる仮止め部材と、
    を備えることを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 前記仮止め部材は、粘着テープであることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
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