JP2018042318A - クランプ及びワイヤハーネス - Google Patents

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憲一 堂下
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Maruth Musigchai
マルット ムシッカチャイ
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【課題】シート材からの意図しない分離を出来る限り回避可能なクランプ及びそのクランプが取り付けられたシート材に覆われた電線を含むワイヤハーネスの提供。【解決手段】クランプ15は、シート孔39の周辺にてシート材31の一方の面31aに当接される基板部21と、シート孔に挿通される支軸23と、支軸に形成されて取付対象13の取付孔19に係合される係合部25と、基板部21から延出する固定片20とを備える。固定片20は、シート材の他方の面31bに当接されるように基板部21に沿った方向に延び、固定片20と基板部21とに挟まれる領域において、固定片と基板部との距離がシート材31の厚さよりも小さい第1部分20aと、第1部分20aより固定片の固定端に近い位置にあり且つ距離が第1部分20aの距離よりも大きい第2部分20bと、を有する。ワイヤハーネス51の電線11は、クランプ15が係止されたシート材31に覆われる。【選択図】図3

Description

本発明は、シート材に覆われた電線を取付対象に取り付けるためのクランプ、及び、そのクランプが取り付けられたシート材に覆われた電線を備えたワイヤハーネス、に関する。
従来から、車両のボディパネル及びドアパネル等の薄板状の取付対象に対してシート材に覆われた電線を取り付けるべく、前記シート材と前記ボディパネル等との双方に係止可能なクランプが提案されている。更に、電線を覆うシート材にそのようなクランプを設けたワイヤハーネスが提案されている。
例えば、従来のクランプの一つ(以下「従来クランプ」という。)は、電線を覆う粘着シートに係止されると共に、取付対象(車体パネル等)の取付孔に係合されるようになっている。より具体的には、従来クランプは、電線を覆う粘着シートに係止される平板状の基板部と、基板部に突設されて粘着シートに開口したシート孔に挿通される支軸と、支軸から延びて取付対象(車体パネル等)の取付孔に係合される係止爪と、シート孔の最大開口幅よりも広い突出端間隔を有するように基板部から延出する一対の平板状の固定片と、を備えている。従来クランプは、粘着シートに取り付けられたとき、シート孔の周辺の粘着シートを固定片と基板部とによって挟むようになっている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2016−25740号公報
従来クランプは、シート孔の周辺の粘着シートを固定片と基板部とによって挟むことにより、シート材に固定されている。そのため、通常の使用環境下において、粘着シートから従来クランプが分離する(外れる)ことはない。しかし、過大な外力・衝撃等が従来クランプに及んだ場合、粘着シートから従来クランプが分離する可能性もある。電線を取付対象(例えば、車両のボディパネル等)に確実に固定する観点から、そのような意図しない分離を出来る限り回避することが望ましい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート材からの意図しない分離を出来る限り回避可能なクランプ、及び、そのクランプが取り付けられたシート材に覆われた電線を含むワイヤハーネス、を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るクランプは、下記(1)〜(3)を特徴としている。
(1)
シート材に覆われた電線を取付対象に取り付けるためのクランプであって、
前記シート材に開口するシート孔の周辺において前記シート材の一方の面に当接される基板部と、
前記基板部に突設されると共に前記シート孔に挿通される支軸と、
前記支軸に形成されると共に前記取付対象に開口する取付孔に係合される係合部と、
前記基板部から延出する弾性変形可能な片持ち梁状の固定片であって、前記シート孔の周辺において前記シート材の他方の面に当接されるように前記基板部に沿った方向に延びると共に、該固定片と前記基板部とに挟まれる領域における該固定片と前記基板部との距離が前記シート材の厚さよりも小さい第1部分、及び、前記第1部分よりも該固定片の固定端に近い位置にあり且つ前記距離が前記第1部分における前記距離よりも大きい第2部分、を有する固定片と、を備えた、
クランプであること。
(2)
上記(1)に記載のクランプにおいて、
前記固定片が、
前記第1部分にて、前記基板部に向けて突出するように湾曲した形状を有する、
クランプであること。
(3)
上記(1)に記載のクランプにおいて、
前記固定片が、
前記第1部分にて、該固定片の内側に中空部を有すると共に前記中空部を取り囲む部分が前記基板部に向けて突出した形状を有する、
クランプであること。
上記(1)の構成のクランプによれば、クランプがシート材に取り付けられる際、クランプの固定片と基板部とが、シート材(シート孔の周辺の部分)を挟んで固定する。このとき、固定片の第1部分(シート材の厚さよりも固定片と基板部との距離が小さい部分)がシート材に押し付けられる。更に、第1部分の押し付けによってシート材に変形(凹み)が生じる場合、その変形によって押し出されたシート材を固定片の第2部分(固定片と基板部との距離が第1部分におけるその距離よりも大きい部分)に逃がすことができる。その結果、第1部分の押し付けによってシート材に変形が生じる場合、固定片(第1部分)がシート材をくさび状に固定することになる。また、シート材に変形が生じない場合であっても、単なる平板状の固定片と基板部とによってシート材を挟むだけである従来クランプに比べ、第1部分が集中的にシート材に押し付けられる分、固定片(第1部分)がシート材をより強固に保持することになると考えられる。
このように、上述した第1部分および第2部分による保持構造により、従来クランプに比べ、シート材にクランプがより強固に固定されることになる。したがって、本構成のクランプは、従来クランプに比べ、シート材からの意図しない分離を出来る限り回避可能である。
更に、上記構成のクランプは、他の効果も有する。具体的には、固定片は、固定片と基板部との間の領域にシート材(シート孔の周辺の部分)を挿入するとき、基板部から離れる向きに一時的に弾性変形した後、基板部に近付く向きに弾性回復することになる。これにより、固定片が弾性変形しない場合に比べ、固定片と基板部との間の領域へのシート材の挿入が容易になる。
上記(2)の構成のクランプによれば、固定片が、第1部分において、基板部に向けて突出するように湾曲した形状を有する。この形状により、例えば、固定片(片持ち梁)の固定端、及び/又は、湾曲部分の固定端側の部分を中心に、固定片が撓むように弾性変形することになる。これにより、上述した保持構造を実現できる。
上記(3)の構成のクランプによれば、固定片が、第1部分において、固定片の内側に中空部を有すると共に中空部を取り囲む部分が基板部に向けて突出した形状を有する。この形状により、例えば、中空部を取り囲む部分が中空部の内側に向けて凹むように弾性変形することになる。これにより、上述した保持構造を実現できる。
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、下記(4)を特徴としている。
(4)
電線と、前記電線を覆うシート材と、前記シート材に係止されたクランプと、を備えたワイヤハーネスであって、
前記クランプが、上記(1)〜上記(3)の何れか一つに記載のクランプである、
ワイヤハーネスであること。
上記(4)の構成のワイヤハーネスによれば、上記(1)〜(3)と同様、クランプの固定端(第1部分および第2部分)による保持構造により、従来クランプに比べ、シート材にクランプがより強固に固定されることになる。
したがって、本構成のワイヤハーネスは、従来クランプを用いたワイヤハーネスに比べ、クランプのシート材からの意図しない分離を出来る限り回避可能な状態にて、ワイヤハーネスを構成する電線をクランプが取り付けられたシート材によって覆うことができる。
本発明によれば、シート材からの意図しない分離を出来る限り回避可能なクランプ、及び、そのクランプが取り付けられたシート材に覆われた電線を含むワイヤハーネス、を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係るワイヤハーネスに含まれるクランプ及び粘着シートの分解斜視図である。 図2(a)は、図1に示すクランプが取り付けられた粘着シートが電線を覆う前のワイヤハーネスを示す斜視図であり、図2(b)は、粘着シートが電線を覆うように粘着されて完成した本発明の実施形態に係るワイヤハーネスを示す斜視図である。 図3は、クランプが車体パネルに取り付けられた状態にある本発明の実施形態に係るワイヤハーネスにおける、図2(b)のA−A断面に対応する断面図である。 図4(a)は、図1に示すクランプの図3に対応する断面図、図4(b)は、図4(a)のB−B断面図である。 図5は、図4(a)に示す固定片の周辺の部分拡大図である。 図6(a)は、図1に示すクランプが粘着シートに取り付けられる前の図3に対応する断面図であり、図6(b)は、クランプが粘着シートに取り付けられる途中の図3に対応する断面図であり、図6(c)は、クランプが粘着シートに取り付けられた後の図3に対応する断面図である。 図7(a)は、図1に示すクランプが取り付けられた粘着シートが電線を覆う前のワイヤハーネスの図3に対応する断面図であり、図7(b)は、粘着シートが電線を覆うように粘着されて完成したワイヤハーネスの図3に対応する断面図である。 図8は、本発明の実施形態の変形例に係るクランプにおける図5に対応する部分拡大図である。 図9は、本発明の実施形態の他の変形例に係るクランプにおける図5に対応する部分拡大図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るクランプ15、及び、クランプ15を備えたワイヤハーネス51について説明する。
図1〜図3に示すように、ワイヤハーネス51は、電線11(電線束)と、電線11を覆う粘着シート31と、粘着シート31に係止された樹脂製のクランプ15と、を含んで構成される。
図1に示すように、クランプ15は、粘着シート31に開口する長円形状のシート孔39を介して(シート孔39に挿入されるように)粘着シート31に取り付けられる。これにより、図2(a)に示すように、クランプ15が粘着シート31(具体的には、シート孔39の周辺の部分)に係止される。次いで、図2(b)に示すように、粘着シート31が電線11を覆うように電線11に巻き付けられる。これにより、ワイヤハーネス51が完成する。
その後、図3に示すように、完成したワイヤハーネス51のクランプ15が、取付対象である車体パネル13に開口する取付孔19を介して車体パネル13に取り付けられる。これにより、粘着シート31に覆われた電線11が、所定の配索形態に沿って車体パネル13に取り付けられることになる。
車体パネル13として、例えば、ボディパネル及びドアパネルが挙げられる。車体パネル13の取付孔19は、典型的には、円形状や長円形状の貫通孔である。
図1、図3及び図4に示すように、クランプ15は、基板部21と、支軸23と、一対の係合部25と、一対の固定片20と、押え部29と、を一体的に備えている。
基板部21は、粘着シート31のシート孔39の周辺において粘着シート31の一方の面31a(図3を参照)に当接される長円形状の部分である。支軸23は、基板部21に突設されると共にシート孔39に挿通される軸状部分である。
一対の係合部25は、支軸23の先端部から延出するように形成され、車体パネル13の取付孔19の周縁部分に係合される部分である。一対の係合部25は、基板部21に向かって広がるように構成されている。係合部25は、延出端が互いに近付く向き(支軸23に近付く向き)に弾性変形可能である。一対の係合部25の延出端は、外径寸法が取付孔19の内径寸法よりも大きい寸法であるように形成される。
クランプ15が取付孔19に挿入されている途中、一対の係合部25の延出端が相互に接近する方向に弾性変形される。そして、クランプ15の挿入が完了したとき、係合部25が弾性回復して延出端に設けられた係止段部27(図3を参照)が取付孔19に係止される。これにより、挿入方向と反対向きの抜けが防がれる。なお、一対の係合部25は、上述した延出構造に限らず、車体パネル13の取付孔19に係合可能であれば種々の構造を有し得る。
一対の固定片20は、支軸23の基端部近傍における基板部21からそれぞれ基板部21の長手方向端部に向かって延出されており、突出端が略円弧状の形状を有する。一対の固定片20は、粘着シート31のシート孔39の長手方向幅L1(最大開口幅。図1を参照)よりも広い突出端間隔L2(図4(b)を参照)を有すると共に、シート孔39の短手方向幅W1(図1を参照)と略同じ又は若干広い幅W2(図4(b)を参照)を有している。一対の固定片20は、基板部21との間にシート孔39の周辺の粘着シート31を挟み込むように(挟持するように)固定する。なお、固定片20は、支軸23の基端部を中心に放射状に3つ以上突設されてもよい。
更に、図4(a)に示すように、粘着シート31のシート孔39の周縁部を挟んだ状態となる基板部21と固定片20との間における固定片基部22が、粘着シート31のシート孔39の周縁部に沿った略円弧状に形成されている。
このように、固定片20は、基板部21から延出する弾性変形可能な片持ち梁状の部分であり、粘着シート31のシート孔39の周辺において粘着シート31の他方の面31b(図3を参照)に当接されるように基板部21に沿った方向に延びている。
図5に示すように、固定片20は、基板部21に沿った延在方向の全域に亘って基板部21(下方)に向けて突出するように湾曲した湾曲部を有している。この湾曲部の頂部(以下「第1部分20a」という。)における固定片20と基板部21との距離T1は、粘着シート31の厚さT2よりも小さい。
更に、固定片20において、第1部分20aよりも固定片20の固定端に近い部分(以下「第2部分20b」という。)における固定片20と基板部21との距離は、距離T1よりも大きい。更に、本例において、粘着シート31は固定片20に押圧されて変形している(窪んでいる)。よって、固定片20と基板部21とがシート孔39の周辺にて粘着シート31を挟持した状態では、固定片20の第1部分20aが粘着シート31に押し付けられると共に、第1部分20aが粘着シート31をくさび状に固定している。固定片20の第2部分20bには、第1部分20aの押し付けによって変形した粘着シート31の一部が逃げるように入り込んでいる。
再び図4を参照すると、押え部29は、支軸23の基端部に形成されると共に、一対の係合部25との間に車体パネル13の取付孔19の周縁部を挟み、その周縁部に対して挿通方向の後方から係合する部分である。押え部29は、図3に示すように、粘着シート31のシート孔39よりも若干大きく且つ車体パネル13の取付孔19よりも一回り大きい長円形状を有して上方へ開口する浅皿状に形成されており、先端(開口縁)に向かって薄くなる形状を有する。
更に、押え部29の係合部25側には、長円環状のパッキン部材17が設けられている。クランプ15の一対の係合部25が車体パネル13の取付孔19に固定された際、パッキン部材17が車体パネル13と押え部29との間に挟まれる。クランプ15が車体パネル13に取り付けられた状態では、パッキン部材17が圧縮されて弾性変形した状態になる。
粘着シート31は、クランプ15の基板部21と電線11を覆って粘着される。粘着シート31には、一対の係合部25が形成されたクランプ15の支軸23を挿通させるためのシート孔39が複数設けられている。
粘着シート31は、図3に拡大断面図を示すように、自身の粘着面(一方の面31a)同士を合わせることによって貼り合わすことができる片面自己粘着シートである。よって、糊および結束テープ等を用いることなく、粘着面(一方の面31a)同士を密着させるだけでそれらを簡単に貼り合わせることが可能である。更に、粘着シート31は、特殊粘着剤層33(粘着層)が電線11及び作業者の手指などに貼り付くことがなく、組立作業性を低下させることがない。
粘着シート31は、PP(ポリプロピレン)発泡材からなるシート基材35の表面に表面材37が積層され、裏面に特殊粘着剤層33が積層されており、外力を加えると伸ばすことができる程度の弾性を有している。表面材37として、クラフト紙、ライナーボード、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PPフィルム及び不織布等が使用可能である。粘着シート31は、引張強さとしてタテ方向が49N/cm幅かつヨコ方向が23N/cm幅(JIS K−6767準拠)、引裂強さとしてタテ方向が7.8Nかつヨコ方向が6.8N(JIS K−6767準拠)、水蒸気透過率として0.0052g/cm・24hrs(FS−101B)、初期粘着力として2.5N/cm幅(T型剥離試験)等の特性を有する。
粘着シート31(片面自己粘着シート)として、例えば、米国クロウェル社製のCro−nel(登録商標)等を用いることができる。なお、粘着シート31として、片面自己粘着シートに限らず、シート基材35の少なくとも一方の面の一部分または全部に粘着剤が塗布された片面粘着シート等、種々の粘着シートを用いることができる。
粘着シート31は、電線11に巻き付けられ、電線11を覆っている。図2(a)に示すように、粘着シート31は、電線11の直線状部分に沿う一枚の四角形状に形成されている。電線11を挟んで覆う以前の粘着シート31は、特殊粘着剤層33を下にして、電線11の上方に配置される。次いで、図2(b)に示すように、粘着シート31は、電線11に巻き付けられるように折り畳まれ、特殊粘着剤層33同士が粘着して貼り合わされる。なお、本例とは別に、二枚の粘着シート31を電線11を挟むように貼り合わせてもよい。
次いで、図6及び図7を参照しながら、上記構成を有するクランプ15を備えたワイヤハーネス51の組み付け手順について説明する。
先ず、クランプ15が粘着シート31のシート孔39に取り付けられる際、図6(a)に示すように、一対の係合部25が形成されたクランプ15の支軸23の上にシート孔39が位置する様に粘着シート31が配置され、その状態にて、粘着シート31が下方に移動される。この結果、押え部29に接触したシート孔39の周縁部が弾性変形されて伸ばされて、粘着シート31が押え部29を乗り越えて通過する。
次いで、図6(b)に示すように、更に粘着シート31が下方に移動されると、シート孔39の長手方向幅L1よりも広い突出端間隔L2を有する一対の固定片20に接触したシート孔39の周縁部は、弾性変形されて伸ばされる。このため、粘着シート31のシート孔39は、シート孔39の長手方向幅L1よりも広い突出端間隔L2を有する一対の固定片20を乗り越えて通過することができる。
弾性変形したシート孔39の周縁部は、一対の固定片20を乗り越えた後に弾性回復し、一対の固定片20と基板部21との間の領域に入り込む。このとき、一対の固定片20は、粘着シート31に押されて基板部21から離れる向き(図6における上向き)に弾性変形した後、基板部21に近付く向き(図6における下向き)に弾性回復することになる。これにより、一対の固定片20が粘着シート31に押し付けられる。なお、シート孔39の周縁部が一対の固定片20と基板部21との間の領域に入り込む際、一対の固定片20の先端部に対して上向きの外力を付与してもよい。これにより、一対の固定片20が上向きに更に弾性変形することとなり、シート孔39の周縁部が固定片20と基板部21との間の領域に更に入り込み易くなる。
図6(c)に示すように、シート孔39の周縁部は、基板部21と固定片20との間に挟まれると共に、シート孔39の内面が基板部21と固定片20との間における各固定片基部22に向かい合う。そして、基板部21と一対の固定片20との間にシート孔39の周縁部を挟んだ状態となったクランプ15は、一対の固定片20による粘着シート31への押し付け力と相まって、粘着シート31のシート孔39から不用意に脱落することなく固定される。
以上の手順により、複数のクランプ15が、所定間隔を空けて粘着シート31の対応するシート孔39に順に取り付けられる。複数のクランプ15が取り付けられた粘着シート31は、図7(a)に示すように、電線11に沿う中央部の折曲線を境に折り畳まれ、電線11に巻き付けられるように電線11を覆う(図2も参照)。ここで、基板部21と一対の固定片20との間にシート孔39の周縁部を挟んだ状態となっているクランプ15は、粘着シート31のシート孔39から不用意に脱落することがないため、電線11を粘着シート31で覆う作業が容易となる。
そして、図7(b)に示すように、特殊粘着剤層33同士が粘着して貼り合わされた粘着シート31がクランプ15の基板部21と電線11を覆うと共に、シート孔39からクランプ15における一対の係合部25及び押え部29が突出したワイヤハーネス51が完成する。このようにして完成したワイヤハーネス51は、上述したように、クランプ15が車体パネル13の取付孔19を介して車体パネル13に取り付けられることにより、所定の配索形態に沿って車体パネル13に取り付けられることになる(図3も参照)。
本発明の実施形態に係るクランプ15によれば、図5に示すように、クランプ15の固定片20が、基板部21に向けて突出するように湾曲した湾曲部を有する。このため、クランプ15の固定片20と基板部21とが粘着シート31(シート孔39の周辺の部分)を挟んで固定するとき、固定片20の第1部分20a(粘着シート31の厚さT2よりも固定片20と基板部21との距離T1が小さい)が粘着シート31に押し付けられる。更に、第1部分20aの押し付けによって粘着シート31に変形(凹み)が生じ、その変形によって押し出された粘着シート31を固定片20の第2部分20b(固定片20と基板部21との距離が第1部分20aにおけるその距離よりも大きい部分)に逃がすことができる。その結果、固定片20(第1部分20a)が粘着シート31をくさび状に固定することになる。
これにより、従来クランプ(背景技術の欄を参照)に比べ、クランプ15が粘着シート31により強固に固定されることになる。その結果、クランプ15は、粘着シート31からの意図しない分離を出来る限り回避可能となる。
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、複数のクランプ15が粘着シート31に取り付けられるようになっている。しかし、必ずしも複数のクランプ15が粘着シート31に取り付けられる必要はなく、一つのクランプ15が粘着シート31に取り付けられてもよい。
更に、上記実施形態では、図5に示すように、固定片20は、基板部21に沿った延在方向の全域に亘って基板部21に向けて突出するように湾曲した湾曲部を有している。しかし、図8に示すように、固定片20が、基板部21に沿って直線的に延在すると共に、先端部のみにおいて基板部21に向けて突出するように湾曲した湾曲部を有していてもよい。この態様では、この湾曲部の頂部が「第1部分20a」に対応し、且つ、直線的に延在する部分が「第2部分20b」に対応する。
図8に示す態様においても、上記実施形態と同様、固定片20の第1部分20a(粘着シート31の厚さT2よりも固定片20と基板部21との距離T1が小さい)が粘着シート31に押し付けられると共に、固定片20の第2部分20b(固定片20と基板部21との距離が第1部分20aよりも大きい)に粘着シート31が逃げ得ることになる。
更に、図9に示すように、固定片20が、基板部21に沿って直線的に延在すると共に、先端部において、内側に中空部20c(貫通孔)が設けられることによって中空部20cを取り囲む下側部分が基板部21に向けて突出した形状を有していてもよい。この態様では、この下側部分の頂部が「第1部分20a」に対応し、且つ、直線的に延在する部分が「第2部分20b」に対応する。
図9に示す態様においても、上記実施形態と同様、固定片20の第1部分20aが粘着シート31に押し付けられると共に、固定片20の第2部分20bに粘着シート31が逃げ得ることになる。更に、中空部20cを取り囲む下側部分が他の部分と比べて薄肉で変形し易いため、シート孔39の周縁部が一対の固定片20と基板部21との間の領域に入り込む際、この下側部分が中空部20cの内側に向けて容易に変形する。その結果、シート孔39の周縁部が固定片20と基板部21との間の領域に入り込み易くなる。
ここで、上述した本発明に係るクランプ及びワイヤハーネスの実施形態の特徴をそれぞれ以下(1)〜(4)に簡潔に纏めて列記する。
(1)
シート材(31)に覆われた電線(11)を取付対象(13)に取り付けるためのクランプ(15)であって、
前記シート材に開口するシート孔(39)の周辺において前記シート材の一方の面(31a)に当接される基板部(21)と、
前記基板部に突設されると共に前記シート孔に挿通される支軸(23)と、
前記支軸に形成されると共に前記取付対象に開口する取付孔(19)に係合される係合部(25)と、
前記基板部から延出する弾性変形可能な片持ち梁状の固定片(20)であって、前記シート孔(39)の周辺において前記シート材の他方の面(31b)に当接されるように前記基板部(21)に沿った方向に延びると共に、該固定片(20)と前記基板部(21)とに挟まれる領域における該固定片と前記基板部との距離(T1)が前記シート材の厚さ(T2)よりも小さい第1部分(20a)、及び、前記第1部分よりも該固定片の固定端に近い位置にあり且つ前記距離が前記第1部分(20a)における前記距離よりも大きい第2部分(20b)、を有する固定片(20)と、を備えた、
クランプ。
(2)
上記(1)に記載のクランプにおいて、
前記固定片(20)が、
前記第1部分(20a)にて、前記基板部(21)に向けて突出するように湾曲した形状を有する、
クランプ。
(3)
上記(1)に記載のクランプ(15)において、
前記固定片(20)が、
前記第1部分(20a)にて、該固定片の内側に中空部(20c)を有すると共に前記中空部を取り囲む部分が前記基板部(21)に向けて突出した形状を有する、
クランプ(15)。
(4)
電線(11)と、前記電線を覆うシート材(31)と、前記シート材に係止されたクランプ(15)と、を備えたワイヤハーネス(51)であって、
前記クランプが、上記(1)〜上記(3)の何れか一つに記載のクランプである、
ワイヤハーネス。
11 電線
13 車体パネル(取付対象)
15 クランプ
19 取付孔
20 固定片
20a 第1部分
20b 第2部分
20c 中空部
21 基板部
23 支軸
25 係合部
31 粘着シート(シート材)
31a 一方の面
31b 他方の面
39 シート孔
51 ワイヤハーネス

Claims (4)

  1. シート材に覆われた電線を取付対象に取り付けるためのクランプであって、
    前記シート材に開口するシート孔の周辺において前記シート材の一方の面に当接される基板部と、
    前記基板部に突設されると共に前記シート孔に挿通される支軸と、
    前記支軸に形成されると共に前記取付対象に開口する取付孔に係合される係合部と、
    前記基板部から延出する弾性変形可能な片持ち梁状の固定片であって、前記シート孔の周辺において前記シート材の他方の面に当接されるように前記基板部に沿った方向に延びると共に、該固定片と前記基板部とに挟まれる領域における該固定片と前記基板部との距離が前記シート材の厚さよりも小さい第1部分、及び、前記第1部分よりも該固定片の固定端に近い位置にあり且つ前記距離が前記第1部分における前記距離よりも大きい第2部分、を有する固定片と、を備えた、
    クランプ。
  2. 請求項1に記載のクランプにおいて、
    前記固定片が、
    前記第1部分にて、前記基板部に向けて突出するように湾曲した形状を有する、
    クランプ。
  3. 請求項1に記載のクランプにおいて、
    前記固定片が、
    前記第1部分にて、該固定片の内側に中空部を有すると共に前記中空部を取り囲む部分が前記基板部に向けて突出した形状を有する、
    クランプ。
  4. 電線と、前記電線を覆うシート材と、前記シート材に係止されたクランプと、を備えたワイヤハーネスであって、
    前記クランプが、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のクランプである、
    ワイヤハーネス。
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