JP2013168506A - フレア計測方法、反射型マスクおよび露光装置 - Google Patents

フレア計測方法、反射型マスクおよび露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フレアを考慮した光学的な補正を実現できるよう露光装置の反射型投影光学系で生じるフレア量を高精度に計測することができるフレア計測方法を提供すること。
【解決手段】実施形態のフレア計測方法では、反射型投影光学系を備えたスキャン露光装置のレチクルステージ上に、1つのスキャン座標が決定するとスリット方向の反射座標が1つに決定する反射型マスクを載置する。また、スリット像面内のスリット方向上の所定位置に照度センサを移動させる。そして、前記照度センサ上にスキャン露光を行うとともに、前記照度センサを用いて前記露光光の光強度を計測する。そして、前記照度センサのスリット方向上の位置に対応するスリット内位置でのフレア量を、前記露光光のうち前記照度センサのスリット方向上の位置に対応しないスリット内位置から受光した露光光の光強度を用いて算出する。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、フレア計測方法、反射型マスクおよび露光装置に関する。
半導体デバイスの微細化に伴い、露光装置で使用する光源の短波長化が進み、波長100nm程度以下の極端紫外光(Extreme Ultraviolet Light:以下、EUV光と略す)を用いる露光装置(EUV露光装置)が半導体デバイスの製造に適用されつつある。このEUV露光装置は、光源の波長が短いので、ほぼ全ての光学部材が反射部材となる。このため、EUV露光装置では、広範囲に渡ってフレアが生じやすくなる。フレアが生じる場合には、フレアを考慮した光学的な補正を正確に行わなければ、所望のパターン寸法を有したパターンを形成することができない。
このため、フレアを考慮した光学的な補正等を実現できるよう、露光装置(例えばEUV露光装置)の反射型投影光学系で生じるフレア量を高精度に計測することが望まれている。
特開2010−205896号公報
本発明が解決しようとする課題は、反射型投影光学系で生じるフレア量を高精度に計測することができるフレア計測方法、反射型マスクおよび露光装置を提供することである。
実施形態によれば、フレア計測方法が提供される。フレア計測方法では、反射型投影光学系を備えたスキャン露光装置のレチクルステージ上に、スキャン露光の際に1つのスキャン座標が決定するとマスク面内におけるスリット方向の反射座標が1つに決定する反射型マスクを載置する。また、スリット内位置に対応するスリット像面内のスリット方向上の所定位置に、露光光の受光強度を計測する照度センサを移動させる。そして、前記反射型マスクと前記照度センサとのスキャン方向への移動を同期させながら、前記照度センサの配置されている領域を含む領域に前記反射型マスクを用いたスキャン露光を行う。また、前記スキャン露光の際に、前記照度センサを用いて前記露光光の光強度を計測する。そして、前記照度センサのスリット方向上の位置に対応するスリット内位置でのフレア量を、前記露光光のうち前記照度センサのスリット方向上の位置に対応しないスリット内位置から受光した露光光の光強度を用いて算出する。
図1は、実施形態に係る露光装置の構成を示すブロック図である。 図2は、フレア計測用のマスクの構成を示す図である。 図3は、実施形態に係るフレア算出処理の処理手順を示すフローチャートである。 図4は、実施形態に係る光強度計測方法を説明するための図である。 図5は、照度センサの位置とスリット内位置との関係を説明するための図である。 図6−1は、各スリット内位置での光強度をスキャン位置毎に示す図(1)である。 図6−2は、各スリット内位置での光強度をスキャン位置毎に示す図(2)である。 図7は、スリット内におけるフレア分布の算出処理を説明するための図である。
以下に添付図面を参照して、実施形態に係るフレア計測方法、反射型マスクおよび露光装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る露光装置の構成を示すブロック図である。露光装置10は、反射型投影光学系31を用いてスキャン露光を行うスキャン露光装置であり、例えばEUV(Extreme Ultraviolet Light)露光装置である。露光装置10は、例えば、波長100nm程度未満の露光光を用いて露光を行う。
露光装置10は、露光部11と、フレア計測制御部12と、フレア量算出部13と、を有している。露光部11は、基板(ウエハなど)への露光を行う。露光部11は、反射型投影光学系31、レチクルステージ(マスクステージ)32、ウエハステージ(基板ステージ)5、照度センサ7、スリット4を備えている。
本実施形態の露光部11において、反射型投影光学系31は、ミラーなどの反射部材を用いて露光光をマスクまで伝播させる機能を有している。レチクルステージ32は、ウエハ露光用のマスクやフレア計測用のマスクを載置する。
また、ウエハステージ5は、ウエハを載置する。照度センサ7は、ウエハステージ5上に配置されており、フレア量を計測する際には、照度センサ7が露光光の光強度を計測する。また、スリット4は、ウエハ上や照度センサ7上へのスキャン露光を行う際に用いられる開口部である。
露光部11は、ウエハ上にスキャン露光を行う際には、ウエハ露光用のマスクと、ウエハ(ウエハステージ5)と、のスキャン方向への移動を同期させながらスキャン露光動作を行う。また、露光部11は、照度センサ7上にスキャン露光を行う際には、フレア計測制御部12からの指示に従って、フレア計測用のマスクと、照度センサ7(ウエハステージ5)と、を同期させながらスキャン露光動作を行う。
フレア計測用のマスク(レチクル)は、反射型マスクであり、概略矩形状のマスクパターン領域を有している。そして、マスクパターン領域内の1本の対角線上に1本のライン状の反射パターンが形成されている。
フレア計測制御部12は、フレア量を計測する際の露光部11の動作を制御する。フレア計測制御部12は、照度センサ7が配設されたウエハステージ5の位置(スリット方向の位置)、フレア計測用のマスクが載置されるレチクルステージ32のスキャン動作、ウエハステージ5のスキャン動作などを露光部11に指示する。
フレア量算出部13は、照度センサ7で計測された光強度に基づいて、露光装置10の反射型投影光学系31で生じるフレア量を算出する。また、フレア量算出部13は、算出したフレア量を用いてフレアマップ(スリット4内におけるスリット方向のフレア量の分布)を算出する。
図2は、フレア計測用のマスクの構成を示す図である。図2では、フレア計測用のマスクの一例であるマスク1の上面図を示している。マスク1は、反射パターン2と、遮光パターン3と、を有している。反射パターン2は、露光光を反射するパターンであり、遮光パターン3は、露光光を遮光するパターンである。したがって、光源から送られてくる露光光は、反射パターン2で反射され、遮光パターン3で遮光される。スリット4は、ライン状に開口しており、開口部に照射される露光光を通過させ、開口部以外に照射される露光光を遮光する。
フレア量を計測する際には、露光部11が有しているスリット4を介して露光光がマスク1に照射される。スキャン露光する際には、マスク1を載置しているレチクルステージ32(ここでは図示せず)が、スキャン方向20に移動させられる。
マスク1のスキャン方向20は、スリット4の短手方向(Y方向)である。換言すると、スリット4の長手方向は、X方向であり、スリット4の短手方向は、スキャン方向20に平行なY方向である。
本実施形態の反射パターン2は、マスク1(マスクパターン形成領域)の対角線上に配置されている。具体的には、反射パターン2は、X方向およびY方向に対して略45度をなすようマスク1の露光領域内に配置されている。そして、マスク1において、反射パターン2以外の領域が、遮光パターン3となる。このように、本実施形態のマスク1は、露光装置10のスキャン座標が決定すると、マスク1のスリット方向の反射座標が1つに決定するようなマスクである。
つぎに、マスク1で反射された露光光の光強度を計測する方法について説明する。図3は、実施形態に係るフレア算出処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図4は、実施形態に係る光強度計測方法を説明するための図である。図4の(a)は、マスク1と照度センサ7の位置関係を示している。また、図4の(b)は、照度センサ7によるスキャン位置毎の受光強度を示し、図4の(c)は、スリット内位置毎の光強度を示している。
図4の(a)に示すように、照度センサ(光強度計測部)7は、ウエハステージ5上のうちウエハ6が配置される領域以外の位置に配置される。また、マスク1で反射された露光光の光強度を計測する際には、マスク1が照度センサ7上に配置されるよう、ウエハステージ5とレチクルステージ32が同期移動させられる。
本実施形態では、照度センサ7が、スリット像面内の長手方向における種々のスリット内位置で光強度を計測する。このため、露光部11は、照度センサ7をスリット内位置に対応するスリット像面内のスリット方向上の所定位置に移動させる(ステップST11)。
例えば、露光部11は、スリット内位置S0における光強度を計測するため、露光部11が、スリット内位置S0と同じX座標上に照度センサ7を移動させる。露光部11は、ウエハステージ5をスリット4の長手方向(X方向)に移動させることにより、照度センサ7を移動させる。
そして、露光部11は、マスク1(レチクルステージ32)と照度センサ7(ウエハステージ5)とを同期させながら、照度センサ7上へのスキャン露光を行う(ステップST12)。具体的には、露光部11は、照度センサ7の配置されている領域を含む領域にマスク1を用いたスキャン露光を行う。スキャン露光を行うことにより、マスク1からの反射光のスリット方向の位置が変化する。
そして、照度センサ7は、スキャン位置毎に露光光の受光強度を計測する(ステップST13)。照度センサ7は、例えば、第1のスキャン位置P1、第2のスキャン位置P2(図示せず)、第m(mは2以上の自然数)のスキャン位置Pmなどの種々のスキャン位置で露光光の受光強度を計測する。これにより、スリット内位置S0における露光光の受光強度が、種々のスキャン位置で計測される。
本実施形態では、マスク1の対角線上に反射パターン2が形成されているので、スキャン位置毎に反射パターン2とスリット4との交差領域が変化する。この交差領域のうち、スリット内位置S0と同じX座標を有している交差領域が、フレアに起因しない本来の露光光が照射される領域である。したがって、スリット内位置S0と同じX座標上に照度センサ7を移動させておいた場合、スリット内位置S0と同じX座標を有した交差領域から照度センサ7に到達する露光光が本来の露光光である。
一方、スリット内位置S0と同じX座標上に照度センサ7を移動させておいた場合、スリット内位置S0とは異なるX座標を有した交差領域から照度センサ7に到達する露光光が、フレアに起因する露光光である。
換言すると、照度センサ7の配置されるスリット内位置(X座標)に照射されて照度センサ7に到達する露光光が本来の露光光である。そして、照度センサ7の配置されるスリット内位置(X座標)とは異なる位置に照射されて照度センサ7に到達する露光光がフレアに起因する露光光である。
フレア量算出部13は、照度センサ7にてスキャン露光時に受光した露光光の光強度のうち、照度センサ7が存在するスリット内位置以外から受光した露光光の光強度をフレアとして算出する。
図4の(b)は、スリット内位置S0で計測されたスキャン位置毎の受光強度を示している。図4の(b)は、横軸が受光強度であり、縦軸がスキャン位置である。例えば、照度センサ7の配置されるX座標において、第1のスキャン位置P1でスリット4と反射パターン2が重なる場合、第1のスキャン位置P1における受光強度が、本来の露光光に対する受光強度である。一方、第1のスキャン位置P1以外の位置(例えば、第mのスキャン位置Pm)における受光強度は、フレアに起因する受光強度である。
フレア量算出部13は、図4の(b)に示した計測結果を用いて、スキャン位置毎の光強度をスリット内位置毎の光強度に変換する。具体的には、フレア量算出部13は、スキャン露光の開始から終了までのスキャン時間毎に、照度センサ7で受光した露光光の光強度を記憶しておく。そして、フレア量算出部13は、マスク1のスキャン方向におけるスキャン座標と、スリット方向における反射座標と、の対応関係に基づいて、記憶しておいたスキャン位置(スキャン時間)毎の光強度を、スリット方向の座標毎(スリット内位置毎)の光強度に変換する(ステップST14)。このとき、フレア量算出部13は、マスク1で反射パターン2が形成されている領域に基づいて、スキャン位置毎の光強度をスリット内位置毎の光強度に変換する。
図4の(c)は、図4の(b)に示した計測結果を用いて算出された露光光の光強度を示している。図4の(c)は、横軸がスリット内位置であり、縦軸が露光光の光強度である。図4の(b)に示した計測結果と同様に、照度センサ7と同じX座標を有したスリット内位置S0でスリット4と反射パターン2が重なる第1のスキャン位置P1における光強度が、本来の露光光に対する光強度である。一方、照度センサ7と同じX座標を有したスリット内位置S0でスリット4と反射パターン2が重ならず、照度センサ7と異なるX座標を有したスリット内位置Snでスリット4と反射パターン2が重なるスキャン位置(例えば、第mのスキャン位置Pm)における光強度は、フレアに起因する光強度である。
フレア量算出部13は、各スリット内位置での光強度に基づいて、フレア量を算出する(ステップST15)。換言すると、フレア量算出部13は、照度センサ7の配置位置に対応するスリット内位置でのフレア量を、露光光のうち照度センサ7の配置位置に対応しないスリット内位置から受光した露光光の光強度を用いて算出する。別言すれば、各照度センサ7の計測位置毎に得られた光強度のうち、照度センサ7のスリット内位置とは異なるスリット内位置から得られた光強度を用いて投影光学系のフレア量を算出する。
そして、露光部11は、スリット像面内の全ての位置に照度センサ7を移動させてフレア量を算出したか否かを判定する(ステップST16)。換言すると、スリット像面内の全位置で光強度が計測されたか否かが判定される。
スリット像面内の全位置でフレア量が算出されていなければ(ステップST16、No)、ステップST11〜ST16までの処理(フレア算出処理)が繰り返される。具体的には、露光装置10は、スリット4内の第n(nは2以上の自然数)のスリット内位置(図示せず)における光強度を計測する。このとき、露光部11は、第nのスリット内位置Snと同じX座標に照度センサ7を移動させる(ステップST11)。そして、露光部11は、マスク1と照度センサ7を同期させながらスキャン露光し(ステップST12)、照度センサ7で露光光の受光強度を計測する。これにより、第nのスリット内位置における露光光の受光強度が計測される(ステップST13)。
そして、第1のスリット内位置S1の場合と同様に、フレア量算出部13は、スキャン位置毎の光強度を、スリット内位置毎の光強度に変換する(ステップST14)。さらに、フレア量算出部13は、各スキャン位置での光強度に基づいて、フレア量を算出する(ステップST15)。
ステップST11〜ST16までの処理(フレア算出処理)が複数回に渡って繰り返されることにより、種々のスリット内位置におけるフレア量が算出される。スリット像面内の全位置でフレア量が算出されると(ステップST16、Yes)、フレア量の算出処理が終了する。この後、フレア量算出部13は、スリット4内におけるフレア量の分布(フレアマップ)を算出する。
図5は、照度センサの位置とスリット内位置との関係を説明するための図である。本実施形態では、マスク1のマスクパターン形成領域(露光領域)が、X方向に27mmの幅を有している場合について説明する。なお、以下では、X方向における照度センサ7の第n番目の位置に対応するスリット内位置を第nのスリット内位置Snとして説明する。
マスクパターン形成領域が、X方向に27mmの長さを有している場合、スリット4は、X方向に約27mmの長さを有するよう設定される。そして、第1のスリット内位置S1は、例えば、スリット4の像面の中心部からX方向に−12mm離れた位置に設定される。換言すると、第1のスリット内位置S1での受光強度を計測するため、スリット4の像面の中心部からX方向に−12mm離れた位置に対応する像面上の位置に照度センサ7が移動する。
この後、露光装置10は、マスク1とウエハステージ5(照度センサ7)とを同期スキャンさせながら、照度センサ7で露光光の受光強度を計測する。このとき、第1のスリット内位置S1と反射パターン2とが重なると、第1のスリット内位置S1(X=−12mm)における本来の露光光51Aの受光強度が計測される。また、第1のスリット内位置S1以外の位置(X≠−12mm)でスリット4と反射パターン2とが重なると、フレア起因の露光光51Bの受光強度が計測される。
X=−12mmにおける本来の露光光51Aとフレア起因の露光光51Bとの受光強度が計測された後、次のスリット内位置における露光光の受光強度が計測される。このため、露光部11は、照度センサ7をスリット4の長手方向に所定距離(例えば現在の位置からプラス方向に3mm)移動させる。これにより、例えば、スリット4の中心部からX方向に−9mm離れた位置に第2のスリット内位置S2(照度センサ7)が設定される。
そして、露光装置10は、マスク1とウエハステージ5とを同期スキャンさせながら、照度センサ7で露光光の受光強度を計測する。これにより、第2のスリット内位置S2(X=−9mm)における本来の露光光52Aの受光強度と、第2のスリット内位置S2以外の位置(X≠−9mm)におけるフレア起因の露光光52Bの受光強度と、が計測される。
この後、さらに次のスリット内位置における露光光の受光強度が計測される。例えば、スリット4の像面の中心部からX方向に−6mm離れた位置に第3のスリット内位置S3が設定される。
そして、露光装置10は、マスク1とウエハステージ5とを同期スキャンさせながら、照度センサ7で露光光の受光強度を計測する。これにより、第3のスリット内位置S3(X=−6mm)における本来の露光光53Aの受光強度と、第3のスリット内位置S3以外の位置(X≠−6mm)におけるフレア起因の露光光53Bの受光強度と、が計測される。
同様に、次のスリット内位置における露光光の受光強度を計測する処理が繰り返される。例えば、スリット4の像面の中心部からX方向に−3mm離れた位置に第4のスリット内位置S4が設定される。
そして、露光装置10は、マスク1とウエハステージ5とを同期スキャンさせながら、照度センサ7で露光光の受光強度を計測する。これにより、第4のスリット内位置S4(X=−3mm)における本来の露光光54Aの受光強度と、第4のスリット内位置S4以外の位置(X≠−3mm)におけるフレア起因の露光光54Bの受光強度と、が計測される。
このように、照度センサ7は、種々のスリット内位置(X方向の一方の短部から他方の短部まで)に移動させられるとともに、各スリット内位置で本来の露光光の受光強度と、フレア起因の露光光の受光強度と、を計測する。そして、フレア量算出部13は、計測された受光強度を用いて、各スリット内位置でのスキャン位置毎の光強度を算出する。具体的には、フレア量算出部13は、スキャン座標に対応する各スリット内位置が照度センサ7の配置位置に対応するスリット内位置に与えるフレア量を、スキャン座標毎の光強度を用いて、スリット内位置毎に算出する。
図6−1および図6−2は、各スリット内位置での光強度をスキャン位置毎に示す図である。図6−1および図6−2は、スリット内位置毎のフレア量と、各フレアが何れのスリット内位置から及ぼされたものであるかを示すイメージ図である。図6−1の(a)〜(g)は、それぞれスリット内位置がX=−13mm,−11mm,−9mm,−7mm,−5mm,−3mm,−1mmの場合の光強度をスキャン位置毎に示している。同様に、図6−2の(h)〜(n)は、それぞれスリット内位置がX=1mm,3mm,5mm,7mm,9mm,11mm,13mmの場合の光強度をスキャン位置毎に示している。
例えば、図6−1の(a)に示すように、スリット内位置がX=−13mmの場合、X=−13mmの位置から本来の露光光の光強度が得られ、X≠−13mmの領域からフレア起因の光強度60Aが得られる。
同様に、図6−1の(b)〜(g)に示すように、スリット内位置がX=−11mm,−9mm,−7mm,−5mm,−3mm,−1mmの場合、これらの位置から本来の露光光の光強度が得られる。そして、X≠−11mm,−9mm,−7mm,−5mm,−3mm,−1mmの領域からフレア起因の光強度60B,60C,60D,60E,60F,60Gが得られる。
また、図6−2の(h)〜(n)に示すように、スリット内位置がX=1mm,5mm,7mm,9mm,13mmの場合、これらの位置から本来の露光光の光強度が得られる。そして、X≠1mm,5mm,7mm,9mm,13mmの領域からフレア起因の光強度60H,60J,60K,60L,60Nが得られる。なお、ここでは、スリット内位置がX=3mm,11mmの場合に、フレア起因の光強度が検出されなかった場合を示している。
図6−1や図6−2に示すように、各スリット内位置での光強度をスキャン位置毎に算出することにより、スリット内位置毎に何れのスリット内位置付近からフレアの影響を受けているかを容易に把握することが可能となる。
各スリット内位置における露光光の光強度を算出した後、フレア量算出部13は、スリット内位置毎のフレア量(スリット4内のフレア分布)を算出する。フレア量は、例えば、フレア起因の光強度の積算値である。
図7は、スリット内におけるフレア分布の算出処理を説明するための図である。フレア量算出部13は、例えば、スリット内位置がX=−13mmの場合のフレア起因の光強度60A(積算値)を算出すると、この光強度60Aを、スリット内位置がX=−13mmでのフレア値とする。
同様に、フレア量算出部13は、例えば、スリット内位置がX=0mmの場合のフレア起因の光強度60P(積算値)を算出すると、この光強度60Pを、スリット内位置がX=0mmでのフレア値とする。
また、フレア量算出部13は、例えば、スリット内位置がX=13mmの場合のフレア起因の光強度60N(積算値)を算出すると、この光強度60Nを、スリット内位置がX=13mmでのフレア値とする。
フレア量算出部13は、各スリット内位置(X=−13mm〜13mm)でのフレア起因の光強度(積算値)を算出し、算出した光強度を、各スリット内位置でのフレア値とする。これにより、フレア量算出部13は、スリット内位置とフレア量とを対応付けしたフレアマップを算出する。
このように、露光装置10は、反射型投影光学系31のスリット内位置(スリット座標)毎のフレア量と、各フレアが何れのスリット座標から影響を受けたものであるかを、計測している。このため、ショートレンジからロングレンジのフレアまでの広範囲のフレアを正確に把握することが可能となり、光学補正等への反映やドーズマップの算出などが可能となる。また、フレア量の多いスリット内位置を把握することが可能となる。
なお、スリット4のX方向の長さは、マスク1の露光領域のサイズによって異なるものである。このため、露光装置10は、マスク1が有している露光領域のサイズ毎にフレアマップを算出してもよい。
また、本実施の形態では、露光光の受光強度を計測した後にフレア量を算出する場合について説明したが、露光光の受光強度を計測しながらフレア量を算出してもよい。この場合、露光光の受光強度が計測されたスリット内位置から順番にフレア量が算出される。
フレアマップの算出処理は、露光装置10毎に行われる。そして、各露光装置10は、フレアマップに基づいた光学補正を行う。半導体デバイス(半導体集積回路)は、露光装置10を用いて製造される。例えば、レジストが塗布された半導体基板(ウエハなど)が露光装置10に搬入される。そして、露光装置10は、フレアマップに基づいた光学補正を行なったうえで、半導体基板への露光を行う。露光された半導体基板は、現像され、これにより、半導体基板上にレジストパターンが形成される。このレジストパターンをマスクとして半導体基板における加工対象が加工(例えば、エッチング)される。半導体デバイスを製造する際には、フレアマップの算出処理、フレアマップに基づいた光学補正を行なったうえでの露光処理、現像処理、加工対象への加工処理などが、ウエハプロセスのレイヤ毎に繰り返される。
このように実施形態によれば、マスク1の対角線上に反射パターン2を配置するとともに、種々のスリット内位置でマスク1と照度センサ7とを同期させながら照度センサ7上へのスキャン露光を行うので、反射型投影光学系31で生じるフレア量を高精度に計測することが可能となる。これにより、フレアに応じた正確な光学補正を行うことが可能となり、この結果、半導体デバイスの歩留まりを向上させることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…マスク、2…反射パターン、4…スリット、5…ウエハステージ、7…照度センサ、10…露光装置、11…露光部、12…フレア計測制御部、13…フレア算出部、31…反射型投影光学系、32…レチクルステージ。

Claims (5)

  1. 反射型投影光学系を備えたスキャン露光装置のレチクルステージ上に、概略矩形状のマスクパターン領域を有し、前記マスクパターン領域の1本の対角線上に1本のライン状の反射パターンが形成されてなる反射型マスクを載置するマスク載置ステップと、
    スキャン露光の際のスリット内位置に対応するスリット像面内のスリット方向上の所定位置に、露光光の受光強度を計測する照度センサを移動させるセンサ移動ステップと、
    前記反射型マスクと前記照度センサとのスキャン方向への移動を同期させながら、前記照度センサの配置されている領域を含む領域に前記反射型マスクを用いたスキャン露光を行う露光ステップと、
    前記スキャン露光の際に、前記照度センサを用いてスキャン座標毎に前記露光光の光強度を計測する計測ステップと、
    前記照度センサのスリット方向上の位置に対応するスリット内位置で前記ライン状の反射パターンとスリットとが交差しない各スキャン座標に対応するスリット内位置毎に、前記照度センサのスリット方向上の位置に対応するスリット内位置でのフレア量を、前記スキャン座標毎に計測した露光光の光強度を用いて算出するフレア量算出ステップと、
    を含み、
    前記照度センサを前記スリット方向上の複数の位置に移動させ、
    前記複数の位置毎に、前記スキャン露光、前記光強度の計測および前記フレア量の算出を行なう
    ことを特徴とするフレア計測方法。
  2. 反射型投影光学系を備えたスキャン露光装置のレチクルステージ上に、スキャン露光の際に1つのスキャン座標が決定するとマスク面内におけるスリット方向の反射座標が1つに決定する反射型マスクを載置するマスク載置ステップと、
    スリット内位置に対応するスリット像面内のスリット方向上の所定位置に、露光光の受光強度を計測する照度センサを移動させるセンサ移動ステップと、
    前記反射型マスクと前記照度センサとのスキャン方向への移動を同期させながら、前記照度センサの配置されている領域を含む領域に前記反射型マスクを用いたスキャン露光を行う露光ステップと、
    前記スキャン露光の際に、前記照度センサを用いて前記露光光の光強度を計測する計測ステップと、
    前記照度センサのスリット方向上の位置に対応するスリット内位置でのフレア量を、前記露光光のうち前記照度センサのスリット方向上の位置に対応しないスリット内位置から受光した露光光の光強度を用いて算出するフレア量算出ステップと、
    を含むことを特徴とするフレア計測方法。
  3. 前記照度センサは、前記スリット方向上の複数の位置に移動させられ、
    前記複数の位置毎に、前記スキャン露光、前記光強度の計測および前記フレア量の算出が行われることを特徴とする請求項2に記載のフレア計測方法。
  4. スキャン露光の際に1つのスキャン座標が決定するとマスク面内におけるスリット方向の反射座標が1つに決定する反射型マスク。
  5. 反射型投影光学系と、
    スキャン露光に用いるスリットと、
    反射型マスクを載置するレチクルステージと、
    露光光の光強度を計測する照度センサが配置されるとともに、スキャン露光する際に基板が載置される基板ステージと、
    前記スリット、前記レチクルステージおよび前記基板ステージの動作を制御する制御部と、
    前記光強度に基づいてフレア量を算出するフレア量算出部と、
    を備え、
    前記光強度を計測する際に、
    前記制御部は、
    スリット内位置に対応するスリット像面内のスリット方向上の所定位置に前記照度センサを移動させ、
    前記反射型マスクと前記照度センサとのスキャン方向への移動を同期させながら、前記照度センサの配置されている領域を含む領域に前記反射型マスクを用いたスキャン露光を行なわせるとともに、前記照度センサに前記光強度を計測させ、
    前記フレア量算出部は、
    前記照度センサのスリット方向上の位置に対応するスリット内位置でのフレア量を、前記露光光のうち前記照度センサのスリット方向上の位置に対応しないスリット内位置から受光した露光光の光強度を用いて算出する、
    ことを特徴とする露光装置。
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