JP2013154731A - 車両の下部車体構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トンネル部2と、このトンネル部2の左右側部分から車幅方向外側に夫々延びる左右1対のフロアクロスメンバ3と、トンネル部2と協働して鞍型の閉断面を形成するトンネルクロスメンバ10と、プロペラシャフト4とを備えた車両の下部車体構造において、トンネルクロスメンバ10が、左右1対のフロアクロスメンバ3の車幅方向内側端部に連結されたトンネルクロスメンバ本体部11と、このトンネルクロスメンバ本体部11から車体前後方向に延びる延長部12とを備え、延長部にプロペラシャフト4をベアリングサポート20を介して支持すると共に左右1対のフロアクロスメンバ3の上壁3aと同じ高さ位置に形成された左右1対のベアリングサポート支持部5を設けている。
【選択図】 図2
Description
これにより、一方のフロアクロスメンバに入力された衝撃荷重を他方のフロアクロスメンバに最短経路で伝達し、衝撃荷重を効率的に分散することができる。
また、トンネルクロスメンバの下端部にベアリングサポートを装着するためには、トンネルクロスメンバの下端部に装着部を形成するための取付部分(取付座面積)を確保する必要があり、トンネル部が小さな底床車両の場合、ベアリングサポートを装着可能な閉断面を構成するトンネルクロスメンバを、車体構造上、採用できない虞もある。
しかし、本発明者が構造解析のシミュレーションを行った結果、前述したような車体構造では、ベアリングサポートによる車体剛性向上の効果が十分に発揮できないことが判明した。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記トンネルクロスメンバ本体部は、前記左右1対のベアリングサポート支持部よりも下方において車幅方向内側へ膨出する左右1対の膨出部を有することを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記延長部に前記左右1対のフロアクロスメンバの前側の縦壁に対応して湾曲状に延びる段差部を形成したことを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項4の発明において、前記左右1対の膨出部の車幅方向内側部分に車体前後方向に延びるビードを夫々形成し、これらのビードにエンジンの排気管を支持する排気管支持部材を固定したことを特徴としている。
請求項3の発明によれば、ベアリングサポート支持部のレイアウト性を高めつつ、フロアクロスメンバとトンネルクロスメンバとの接続部分の閉断面面積を大きくすることができる。
請求項5の発明によれば、簡単な構造でトンネルクロスメンバの車幅方向や捩り方向の変形を抑制できる。
請求項7の発明によれば、排気管支持部材のレイアウト性と車体剛性とを両立することができる。
図1に示すように、本実施例の車両Vは、フロアパネル1に形成されたトンネル部2と、左右1対のフロアクロスメンバ3と、トンネルクロスメンバ10と、トンネル部2の下側内部に車体前後方向に延びるプロペラシャフト4と、プロペラシャフト4をベアリングサポート20を介して支持する左右1対のベアリングサポート支持部5等を備えている。
この車両Vは、車体前部にエンジン(図示略)と前輪(図示略)に駆動力を伝達するトランスミッション(図示略)が配設され、車体後部に後輪(図示略)に駆動力を伝達するデファレンシャル(図示略)が配設され、エンジンとデファレンシャルとがプロペラシャフト4によって駆動力を伝達可能に連結されている。
図1〜図4に示すように、トンネル部2は、フロアパネル1の車幅方向中央部分に車体前後方向に延設されている。このトンネル部2は、上方に膨出するように形成され、下側に開口するストレート状の溝部を構成している。トンネル部2と左右1対のサイドシル6との間には、前後に延びる断面ハット状の左右1対のサイドフレーム7が夫々設けられている。これら左右1対のサイドフレーム7は、ダッシュパネルの下部とフロアパネル1の下面に連結され、フロアパネル1と協働して前後方向に延びる閉断面を構成している。
トンネル部2と左右1対のサイドフレーム7との間には、前後に延びる断面ハット状の左右1対のトンネルロアフレーム9が夫々設けられている。これら左右1対のトンネルロアフレーム9は、フロアパネル1の下面に連結され、フロアパネル1と協働して前後方向に延びる閉断面を構成している。
図2,図3に示すように、左右1対のフロアクロスメンバ3の上壁(上部)3aは、車幅方向内側端に上壁3aから車体内側へ延長された接続フランジによってトンネル部2の中段部に連結されている。これらフロアクロスメンバ3は、フロアパネル1の上部に沿って車幅方向外側に夫々ストレート状に延設され、フロアパネル1と協働して車幅方向に延びる閉断面を構成している。
トンネルクロスメンバ10は、トンネル部2の下面に連結され、トンネル部2と協働して正面視にて鞍型の閉断面を構成している。トンネルクロスメンバ10は、左右1対のフロアクロスメンバ3の車幅方向内側端部に左右端部分が連結されたトンネルクロスメンバ本体部11と、このトンネルクロスメンバ本体部11の前端から前方に延びる正面視にて湾曲状の延長部12と、左右1対のベアリングサポート支持部5とを一体的に備えている。
トンネルクロスメンバ本体部11は、左右1対の下側膨出部11aと、左右1対の絞り部11bと、左右1対の上側膨出部11c等を備えている。尚、トンネルクロスメンバ本体部11は、左右対称に構成されているため、以下、右側部分を主に説明する。
下側膨出部11aの上部には、車体前後方向に延びるビード11dが形成されている。このビード11dは、下側膨出部11aの車幅方向内側部分を凹入し、プロペラシャフト4の下方に配置されたエンジンの排気管8をマウント15を介して支持するクランク状の排気管ハンガ(排気管支持部材)14が溶接されている。
左右1対のベアリングサポート支持部5は、前側段差部12bを避けてトンネルクロスメンバ10に連結されているため、荷重によるトンネルクロスメンバ10の稜線や閉断面の変形を防止することができる。これらベアリングサポート支持部5の後側壁部は、トンネルクロスメンバ本体部11を介して最も前側の節部13cと対向配置されているため、補強部材13が車幅方向の荷重伝達に直接的に寄与し、延長部12の変形を防止しつつ車幅方向の荷重伝達効率を増加できる。
ベアリングサポート本体21は、複数のベアリングを内蔵し、中心部分に挿通されたプロペラシャフト4を回転自在に枢支している。固定金具22は、ベアリングサポート本体21をベアリングサポートメンバ23と協働して挟持する取付金具であって、ベアリングサポート本体21の上部を保持している。固定金具22の左右端部には、ねじ部5aを挿通可能なストレート状のスリット22aが夫々形成されている。
左右1対の装着部23bには、固定金具22と同様に、ねじ部5aを挿通可能なストレート状のスリット23cが夫々形成されている。装着部23bの前後長は、トンネルクロスメンバ本体部11の前後長よりも短く設定され、本実施例では、装着部23bの前後長とスリット23cの前後長の和がトンネルクロスメンバ本体部11の前後長よりも短く形成されている。ここで、スリット23cとねじ部5aとが本発明の変位許容手段に相当する。
この車両Vの下部車体構造によれば、トンネル部2と協働して閉断面を形成したトンネルクロスメンバ10の左側部分と右側部分とをベアリングサポートメンバ23がストレート状に連結するため、トンネルクロスメンバ10の左側部分と右側部分による接近・離隔動作を抑制でき、車幅方向や捩りに対する車体剛性を確保することができる。フロアクロスメンバ3の上壁3aに集中した衝撃荷重を分散するための伝達経路をベアリングサポートメンバ23によって短縮化するため、片方のフロアクロスメンバ3に作用した側方からの衝撃荷重を他側のフロアクロスメンバ3に効率的に分散することができる。これにより、トンネルクロスメンバ10の車幅方向や捩り方向の変形を抑制し、車体剛性を向上できる。
トンネルクロスメンバ本体部11は、左右1対のベアリングサポート支持部5よりも下方において車幅方向内側へ膨出する左右1対の下側膨出部11aを有しているため、ベアリングサポート支持部5のレイアウト性を高めつつ、フロアクロスメンバ3とトンネルクロスメンバ10との接続部分の閉断面面積を大きくすることができる。
これにより、フロアクロスメンバ3とトンネルクロスメンバ10との接続部分の閉断面面積を大きくしつつ、プロペラシャフト4とトンネルクロスメンバ10とのクリアランスを確保でき、前方から衝撃荷重が作用したとき、乗員の衝撃緩和を図ることができる。
延長部12に左右1対のフロアクロスメンバ3の前側の縦壁3bに対応して湾曲状に延びる後側段差部12aを形成したため、トンネルクロスメンバ10の車幅方向や捩り方向の変形を一層抑制することができる。
1〕前記実施例においては、ベアリングサポート支持部をトンネルクロスメンバと別部材の金属製取付ブラケットによって構成した例を説明したが、トンネルクロスメンバの延長部をプレス加工してベアリングサポート支持部とトンネルクロスメンバとを一体成形することも可能である。
3〕前記実施例においては、絞り部の上下に上側膨出部と下側膨出部を設けた例を説明したが、上側膨出部を省略して下側膨出部のみを設けることも可能である。
2 トンネル部
3 フロアクロスメンバ
3a 上壁
3b 縦壁
4 プロペラシャフト
5 ベアリングサポート支持部
5a ねじ部
8 排気管
10 トンネルクロスメンバ
11 トンネルクロスメンバ本体部
11a 下側膨出部
11d ビード
12 延長部
13 補強部材
13c 節部
14 排気管ハンガ
20 ベアリングサポート
23 ベアリングサポートメンバ
23c スリット
V 車両
Claims (7)
- フロアパネルの車幅方向中央部分に車体前後方向に延びるように上方に膨出するトンネル部と、このトンネル部の左右側部分からフロアパネル上部に沿って車幅方向外側に夫々延びる左右1対のフロアクロスメンバと、前記トンネル部と協働して鞍型の閉断面を形成するトンネルクロスメンバと、前記トンネル部の下側内部に車体前後方向に延びるプロペラシャフトとを備えた車両の下部車体構造において、
前記トンネルクロスメンバが、前記左右1対のフロアクロスメンバの車幅方向内側端部に連結されたトンネルクロスメンバ本体部と、このトンネルクロスメンバ本体部から車体前後方向に延びる延長部とを備え、
前記延長部に前記プロペラシャフトをベアリングサポートを介して支持すると共に前記左右1対のフロアクロスメンバの上部と同じ高さ位置に形成された左右1対のベアリングサポート支持部を設けたことを特徴とする車両の下部車体構造。 - 前記左右1対のフロアクロスメンバとトンネルクロスメンバとの連結部において、前記閉断面を前後に仕切る複数の節部を有する補強部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両の下部車体構造。
- 前記トンネルクロスメンバ本体部は、前記左右1対のベアリングサポート支持部よりも下方において車幅方向内側へ膨出する左右1対の膨出部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の下部車体構造。
- 前記延長部が前記トンネルクロスメンバ本体部よりも前側に設けられ、
前記トンネルクロスメンバ本体部は、前記左右1対のベアリングサポート支持部の高さ位置の前記閉断面の車幅方向幅よりもそれ以外の高さ位置の前記閉断面の車幅方向幅が大きくなるように形成され且つ前記ベアリングサポートの前後長よりも大きな前後長に形成され、
前記プロペラシャフトに前方から衝撃荷重が作用したとき、前記ベアリングサポートを前記左右1対のベアリングサポート支持部から離脱させて前記プロペラシャフトの前後方向変位を許容する変位許容手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の下部車体構造。 - 前記左右1対のベアリングサポート支持部は前記延長部に接合された左右1対のベアリングサポートブラケットで構成されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の下部車体構造。
- 前記延長部に前記左右1対のフロアクロスメンバの前側の縦壁に対応して湾曲状に延びる段差部を形成したことを特徴とする請求項4に記載の車両の下部車体構造。
- 前記左右1対の膨出部の車幅方向内側部分に車体前後方向に延びるビードを夫々形成し、
これらのビードにエンジンの排気管を支持する排気管支持部材を固定したことを特徴とする請求項4に記載の車両の下部車体構造。
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