JP2013152824A - 電池ならびに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム - Google Patents

電池ならびに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム Download PDF

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Abstract

【課題】 高温環境下における電解液の分解を抑制する。
【解決手段】 溶媒と、電解質塩と、対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して上記負極上に被膜を形成する添加剤を含む電解液を用いる。この電解液は、負極活物質として、満充電時の電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極活物質を用いた場合に特に有効である。上述の添加剤としては、環状カルボン酸無水物を含むことが好ましく、環状カルボン酸は、電解液中に0.1質量%以上1.0質量%以下含有されることが好ましい。電解液は、高分子材料に保持されて非流動性電解質とされることがより好ましい。このような電解液は、正極、負極および電解液が、ラミネートフィルムで外装された電池に適用した場合に特に有効である。
【選択図】図1

Description

本技術は、電池ならびに電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムに関する。
近年、カメラ一体型VTR(Video Tape Recorder)、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が広く普及しており、その小型化、軽量化および薄型化、ならびに長寿命化が強く求められている。これに伴い、電源として用いられる二次電池についても、軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。
なかでも、負極活物質として炭素材料、正極活物質としてリチウム遷移金属酸化物、電解液として炭酸エステル混合物を使用し、充放電反応にリチウム(Li)の吸蔵および放出を利用する二次電池(いわゆるリチウムイオン二次電池)が広く用いられている。リチウムイオン二次電池は、従来の非水系電解液二次電池である鉛電池やニッケルカドミウム電池よりも高いエネルギー密度が得られるため、広く実用されている。なかでも、軽量化および薄型化のために、ラミネートフィルムで電極体が外装されたラミネートフィルム型電池が広く用いられている。
また、近年、特許文献1に示すような、負極活物質としてスピネル構造のチタン含有リチウム遷移金属酸化物、特にチタン酸リチウム(Li4Ti512)が注目されている。チタン酸リチウムは黒鉛より電位が高く、金属リチウムが析出しにくいため、金属リチウムによる電解液の分解が原因となる抵抗上昇を抑制することができるとの提案がなされている。
特開2008−84689号公報
しかしながら、特許文献1に示すようなチタン酸リチウムを用いた負極は、反応性に乏しいため、充電初期において電解液の分解による保護被膜が形成されにくい。このため、特に高温保存時において、負極近傍で電解液が継続的に分解されてしまい、電池内部でガスが発生するという問題があった。
本技術は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高温環境下における電解液の分解を抑制することが可能な電池を提供することにある。また、本技術の目的とするところは、このような電池を用いた電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システムを提供することにある。
上述の問題点を解消するために、本技術の電池は、正極と、
満充電時の電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極活物質を含む負極と、
溶媒と、電解質塩と、対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して負極上に被膜を形成する添加剤を含む電解液と
を備えることを特徴とする。
上述の問題点を解消するために、本技術の電池は、正極と、
満充電時の電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極活物質を含む負極と、
溶媒と、電解質塩とを含む電解液と
を備え、
負極が、対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解する化合物由来の被膜を有する
ことを特徴とする。
本技術の電池は、負極活物質が、スピネル構造を有するチタン含有リチウム遷移金属酸化物を含むことが好ましい。
本技術の電池は、添加剤が、環状カルボン酸無水物を含むことが好ましい。
本技術の電池では、対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して上記負極上に被膜を形成する添加剤に由来する保護被膜が負極に形成され、高温環境下における電解液の連続的な分解を抑制することができる。
本技術によれば、高温環境下における電池内部でのガス発生を抑制することができる。
本技術の第1の実施の形態にかかる積層電極体を用いたラミネートフィルム型電池の構成を示す外観斜視図および分解斜視図である。 図1に示す電池に収容される積層電極体の一部を拡大して示す断面図である。 図1に示す電池に収容される積層電極体に用いる正極および負極の斜視図である。 本技術の第2の実施の形態にかかる巻回電極体を用いたラミネートフィルム型電池の構成を示す分解斜視図である。 図4に示す電池に収容される巻回電極体の断面図である。 本技術の第3の実施の形態にかかる角型電池の構成を示す模式図である。 本技術の第4の実施の形態にかかる円筒型電池の構成を示す断面図である。 本技術の第5の実施の形態にかかる電池パックの回路構成例を示すブロック図である。 本技術の第6の実施の形態にかかる住宅用の蓄電システムに適用した例を示す概略図である。 本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す概略図である。
以下、本技術を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下のように行う。
1.第1の実施の形態(本技術の電解質を用いたラミネートフィルム型電池の第1の例)
2.第2の実施の形態(本技術の電解質を用いたラミネートフィルム型電池の第2の例)
3.第3の実施の形態(本技術の電解質を用いた角型電池の例)
4.第4の実施の形態(本技術の電解質を用いた円筒型電池の例)
5.第5の実施の形態(本技術の電解質を用いた電池パックの例)
6.第6の実施の形態(電池を用いた蓄電システムなどの例)
1.第1の実施の形態
第1の実施の形態では、本技術の電池の第1の例について説明する。
(1−1)電池の構成
本技術の電池の第1の例は、正極および負極を備える電極体が、例えばラミネートフィルムからなる外装部材で外装されたいわゆるラミネートフィルム型電池である。本技術のラミネートフィルム型電池は、負極活物質として満充電時における電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の材料を用い、電解液に対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して負極上に被膜を形成する添加剤を混合したものである。
以下、第1の実施の形態にかかるラミネートフィルム型電池の電池構成について説明する。上述の満充電時における電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極活物質については、負極の構成の説明時に説明する。対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して負極上に被膜を形成する添加剤については、電解液の構成の説明時に説明する。
[電池構成]
図1A〜図1Cは、第1の実施の形態にかかるラミネートフィルム型電池1の構成を示す図である。ラミネートフィルム型電池1は、正極11および負極12が積層された積層電極体10を収容したものである。図1Aは、本技術の第1の実施の形態にかかるラミネートフィルム型電池1の一主面側からの外観斜視図であり、図1Bはラミネートフィルム型電池1の他方の主面側からの分解斜視図であり、図1Cは、ラミネートフィルム型電池1の他方の主面側からの外観斜視図である。図2は、図1Bに示した積層電極体10のI−I線に沿った積層構造を拡大した断面図である。
この電池は、ラミネートフィルムからなる外装部材5に、正極リード2および負極リード3が取り付けられた積層電極体10が外装されたものである。図1Bに示すように、ラミネートフィルム型電池1に収容される積層電極体10は、セパレータ13を介して矩形状の正極11と矩形状の負極12とが積層されたものであり、その最外周部は、保護テープなどからなる固定部材14によって保護されている。
正極リード2および負極リード3は、外装部材5で外装されたラミネートフィルム型電池1の内部から外部に導出されている。正極リード2は、例えばアルミニウムなどの金属材料によって構成されており、負極リード3は、例えば銅、ニッケルまたはステンレスなどの金属材料によって構成されている。これらの金属材料は、例えば、薄板状または網目状になっている。
[正極]
正極11は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体11Aの両面に正極活物質層11Bが設けられた構造を有している。正極集電体11Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されている。図3Aに示すように、正極集電体11Aからは、正極リード2と接続される正極タブ11Cが連続して延出されている。積層された複数の正極11から延出された複数枚の正極タブ11Cは、互いに固着され、正極集電体11Aが接続される。なお、図3Aでは、正極タブ11Cの構成を明確にするため、正極活物質層11Bを一部形成しない状態で示しているが、実際には、正極タブ11C部分以外は正極活物質層11Bが形成される。
正極活物質層11Bは、例えば正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。正極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物またはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、(化I)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩、(化II)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物などが挙げられる。リチウム含有化合物としては、遷移金属元素として、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、(化III)に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩、(化IV)、(化V)もしくは(化VI)に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム複合酸化物、または(化VII)に示したスピネル型の構造を有するリチウム複合酸化物などが挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiaCoO2(a≒1)、LibNiO2(b≒1)、Lic1Nic2Co1-c22(c1≒1,0<c2<1)、LidMn24(d≒1)またはLieFePO4(e≒1)などがある。
(化I)
LiaM1bPO4
(式中、M1は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは、0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。)
(化II)
LicNi(1-d-e)MndM2e(1-f)g
(式中、M2は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)を除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。Xは、酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。c、d、e、fおよびgは、0≦c≦1.5、0≦d≦1.0、0≦e≦1.0、−0.10≦f≦0.20、0≦g≦0.2の範囲内の値である。)
(化III)
LihM3PO4
(式中、M3は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、タングステン(W)およびジルコニウム(Zr)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。hは、0.9≦h≦1.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、zの値は完全放電状態における値を表している。)
(化IV)
LiiMn(1-j-k)NijM4k(1-m)n
(式中、M4は、コバルト(Co)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。i、j、k、mおよびnは、0.8≦i≦1.2、0<j<0.5、0≦k≦0.5、j+k<1、−0.1≦m≦0.2、0≦n≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、iの値は完全放電状態における値を表している。)
(化V)
LioNi(1-p)M5p(1-q)r
(式中、M5は、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。o、p、qおよびrは、0.8≦o≦1.2、0.005≦p≦0.5、−0.1≦q≦0.2、0≦r≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、oの値は完全放電状態における値を表している。)
(化VI)
LisCo(1-t)M6t(1-u)v
(式中、M6は、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。s、t、uおよびvは、0.8≦s≦1.2、0≦t<0.5、−0.1≦u≦0.2、0≦v≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、sの値は完全放電状態における値を表している。)
(化VII)
LiwMn(1-x)M7xyz
(式中、M7は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。w、x、yおよびzは、0.9≦w≦1.1、0≦x≦0.6、3.7≦y≦4.1、0≦g≦0.1の範囲内の値である。なお、リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、wの値は完全放電状態における値を表している。)
さらにまた、より高い電極充填性とサイクル特性が得られるという観点から、上記リチウム含有化合物のいずれかよりなる芯粒子の表面を、他のリチウム含有化合物のいずれかよりなる微粒子や炭素材料で被覆した複合粒子としてもよい。
この他、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、酸化物、二硫化物、カルコゲン化物または導電性高分子などが挙げられる。酸化物は、例えば、酸化バナジウム(V25)、二酸化チタン(TiO2)または二酸化マンガン(MnO2)などである。二硫化物は、例えば、二硫化鉄(FeS2)、二硫化チタン(TiS2)または二硫化モリブデン(MoS2)などである。カルコゲン化物は、特に層状化合物やスピネル型化合物が好ましく、例えば、セレン化ニオブ(NbSe2)などである。導電性高分子は、例えば、硫黄、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレンあるいはポリピロールなどである。もちろん、正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記した一連の正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
また、導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料などが用いられる。結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)などの樹脂材料、ならびにこれら樹脂材料を主体とする共重合体などから選択される少なくとも1種が用いられる。
[負極]
負極12は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bが設けられた構造を有している。負極集電体12Aは、例えば、銅箔などの金属箔により構成されている。図3Cに示すように、負極集電体12Aからは、負極リード3と接続される負極タブ12Cが連続して延出されている。積層された複数の負極12から延出された複数枚の負極タブ12Cは、互いに固着され、負極集電体12Aが接続される。なお、図3Bでは、負極タブ12Cの構成を明確にするため、負極活物質層12Bを一部形成しない状態で示しているが、実際には、負極タブ12C部分以外は負極活物質層12Bが形成される。
負極活物質層12Bは、負極活物質として、満充電時における電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて正極活物質層11Bと同様の導電剤および結着剤などの他の材料を含んで構成されていてもよい。
なお、このラミネートフィルム型電池1では、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の電気化学当量が、正極11の電気化学当量よりも大きくなっており、理論上、充電の途中において負極12にリチウム金属が析出しないようになっている。
満充電時における電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極材料としては、例えば、スピネル構造を有するリチウム遷移金属複合化合物が挙げられる。スピネル構造を有するリチウム遷移金属複合化合物としては、下記の式(1)のうちの少なくとも一種が用いられる。
式(1)
A[B2]X4
(式中、AおよびBは、リチウム(Li)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ストロンチウム(Sr)、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)およびイットリウム(Y)から選択される金属カチオンの少なくとも一種であり、Xは、酸素(O)または硫黄(S)である。)
なかでも、スピネル構造を有するリチウム遷移金属複合化合物として、チタン含有リチウム遷移金属複合酸化物を用いることが好ましい。スピネル構造を有するチタン含有リチウム遷移金属複合酸化物としては、下記の式(1−1)〜式(1−3)で示すチタン含有リチウム遷移金属複合酸化物のうちの少なくとも一種が用いられる。
式(1−1)
Li[LixM1(1-3x)/2Ti(3+x)/2]O4
(式中、M1はマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)およびストロンチウム(Sr)の2価イオンのうちの少なくとも一種であり、0≦x≦1/3である。)
式(1−2)
Li[LiyM21-3yTi1+2y]O4
(式中、M2はアルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)およびイットリウム(Y)の3価イオンのうちの少なくとも一種であり、0≦y≦1/3である。)
式(1−3)
Li[Li1/3M3zTi(5/3)-z]O4
(式中、M3はバナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)およびニオブ(Nb)の4価イオンのうちの少なくとも一種であり、0≦z≦2/3である。)
式(1−1)〜式(1−3)について、チタン(Ti)以外の遷移金属を含まないチタン含有リチウム複合酸化物としては、チタン酸リチウム(Li4Ti512)が挙げられる。そして、チタン(Ti)以外の遷移金属を含むチタン含有リチウム遷移金属複合酸化物について、式(1−1)で示すチタン含有リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、リチウム・チタン・マグネシウム複合酸化物(Li3.75Ti4.875Mg0.37512)などが、式(1−2)で示すチタン含有リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、リチウム・チタン・アルミニウム複合酸化物(Li3.75Ti4.50Al0.7512)などが、式(1−3)で示すチタン含有リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、リチウム・チタン・ニオブ複合酸化物(Li4Ti4.95Nb0.0512)などが挙げられる。
負極活物質としては、上述の負極材料の表面が炭素材料などの電子導電性物質で被覆された材料を用いてもよい。表面が炭素材料で被覆された負極活物質は、リチウム(Li)源と、チタン(Ti)源と、必要な遷移金属源との混合物と、電子導電性物質または電子導電性物質の前駆体とを含む溶液または懸濁液を空気中に噴霧して、加熱することにより得られる。また、表面が炭素材料で被覆された負極活物質は、上述の式(1−1)〜式(1−3)のいずれかで示されるチタン含有リチウム遷移金属複合酸化物と、電子導電性物質または電子導電性物質の前駆体とを含む溶液または懸濁液を空気中に噴霧してチタン含有リチウム遷移金属複合酸化物に電子導電性物質等を被着させ、乾燥または加熱することによっても得られる。さらに、上述の式(1−1)〜式(1−3)のいずれかで示されるチタン含有リチウム遷移金属複合酸化物と、電子導電性物質または電子導電性物質の前駆体とを含む負極合剤を負極集電体に塗布して乾燥または加熱してもよい。
これらの材料は、黒鉛よりも電位が高く、金属リチウムが析出しにくいため、金属リチウムによる電解液の分解に起因する抵抗上昇を抑制することができる。
[電解液]
電解液は、溶媒と電解質塩とともに、対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して負極上に被膜を形成する添加剤を含む。また、この電解液が、高分子材料に保持されて非流動化された非流動性電解質、例えばゲル電解質とされていてもよい。
本技術の添加剤は、満充電時の負極電位よりも高い対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して負極上に被膜を形成することにより、反応性に乏しい上述の負極活物質の表面であっても被膜を形成することができる。このため、高温保存時に電解液が継続的に分解されることを抑制することができる。そして、ガス発生を抑制することにより、変形しやすい外装部材を用いた場合であっても電池膨れを抑制することができる。
対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して負極上に被膜を形成する添加剤としては、例えば、式(A)で示す環状カルボン酸無水物を用いることができる。環状カルボン酸無水物は、負極表面で分解し、環状カルボン酸無水物に由来する保護被膜を形成する。この保護被膜は、環状カルボン酸リチウムを主成分とし、電解液の分解を抑制する。
Figure 2013152824
(式中、Rは下記の式(R1)、式(R2)または2価の芳香族炭化水素基で示され、R11〜R14はそれぞれ独立してCn2n+1であり、0≦n≦4、2≦m≦3であり、またはR11同士、R12同士もしくはR11およびR12、またはR13およびR14が互いに連結して環を形成していてもよい。)
Figure 2013152824
なお、本技術の添加剤としては環状のカルボン酸無水物であることが重要である。鎖状カルボン酸無水物では、反応生成物がカルボン酸リチウムとなるが、カルボン酸リチウムは電解液に溶解しやすく保護被膜とはならない。このため、添加剤として鎖状カルボン酸無水物を用いた場合には、環状カルボン酸無水物を用いた場合のような顕著なガス発生抑制効果が得られない。
このような環状カルボン酸無水物としては、コハク酸無水物およびグルタル酸無水物などの環状脂肪族飽和ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物などの環状脂肪族不飽和ジカルボン酸無水物、およびフタル酸無水物、イソフタル酸無水物およびテレフタル酸無水物などの芳香族ジカルボン酸無水物などのうちの少なくとも一種を用いることができる。なかでも、式(A−1)で示すコハク酸無水物、式(A−2)で示すグルタル酸無水物または式(A−3)で示すフタル酸無水物を用いることが好ましい。
Figure 2013152824
環状カルボン酸無水物は、電解液中に0.1質量%以上1.0質量%以下含有されることが好ましい。環状カルボン酸無水物の添加によるガス発生抑制効果を十分に得ることができるとともに、被膜による抵抗上昇を抑制することができるためである。
電解質塩としては、無機リチウム塩などの軽金属塩の1種あるいは2種以上を含有してもよい。この無機リチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C654)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4)、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)などが挙げられる。なかでも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムおよび六フッ化ヒ酸リチウムからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウムがより好ましい。
また、電解質塩としては、下記の式(B)で示すイミド塩化合物または式(C)で示すメチド塩化合物を用いてもよい。
式(B)
+[(ZY)2N]-
(式中、M+は1価のカチオンであり、YはSO2またはCOであり、各置換基Zは、それぞれ独立してフッ素原子、または重合可能な官能基である。)
式(C)
+[(ZY)3C]-
(式中、M+は1価のカチオンであり、YはSO2またはCOであり、各置換基Zは、それぞれ独立してフッ素原子、または重合可能な官能基である。)
式(B)および式(C)において、M+を構成するカチオンとしては、例えば、リチウムイオン(Li+)、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)などのアルカリ金属イオン、その他の金属元素イオンの他、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。なかでも、リチウムイオンが好ましい。
なかでも、式(B)で示すイミド塩化合物として、下記の式(B−1)で示すスルホンイミドリチウム塩を用いることが好ましい。
式(B−1)
LiN(Cm2m+1SO2)(Cn2n+1SO2
(式中、mおよびnは1以上の整数である。)
式(B−1)で示すイミド塩化合物としては、例えば、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメタンスルホニル)イミドおよびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどが挙げられ、これらを単独でもしくは2種類以上混合して用いることができる。
また、式(C)で示すメチド塩化合物として、下記の式(C−1)で示すスルホンメチドリチウム塩を用いることが好ましい。
式(C−1)
LiC(CP2P+1SO2)(Cq2q+1SO2)(Cr2r+1SO2
(式中、p、qおよびrは1以上の整数である。)
式(C−1)で示すメチド塩化合物としては、例えば、リチウムトリス(ペンタフルオロエタンスルホニル)メチドおよびリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3SO23)などが挙げられる。
ここで、式(B)のイミド塩化合物および式(C)のメチド塩化合物はこれらに限定されるものではない。
溶媒としては、例えば非水溶媒を用いることができる。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラメチレンスルホン、3−メチル−2−オキサゾリドン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルカルバミン酸メチル、N,N−ジエチルカルバミン酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、リン酸トリメチルまたはジメチルスルホキシドなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
なかでも、非水溶媒として、高誘電率溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)であるプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートおよびγ−ブチロラクトンの少なくとも一種と、低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)であるジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートの少なくとも一種を混合して用いることが好ましい。この場合には、特に、高誘電率溶媒としてプロピレンカーボネートと、低粘度溶媒としてジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートの双方とを混合して含むことが好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するため、より高い効果が得られるからである。
なお、負極活物質として満充電時における電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極材料を用いる場合は、下記の式(D)で示す環状カーボネートのうちの少なくとも一種を用いることができる。
Figure 2013152824
(式中、R21〜R26はそれぞれ独立してCn2n+1であり、0≦n≦4である。)
式(D)で示す環状カーボネートには、エチレンカーボネート(EC)を含まない。従来の炭素系負極活物質を用いた電池の溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)を含むことがほぼ必須であったものの、例えばプロピレンカーボネート(PC)と比較して反応性が高く、比較的ガス発生が生じ易かった。本技術では、従来の炭素系負極活物質を用いた電池と異なり、溶媒中におけるエチレンカーボネート(EC)の含有を必須としないため、ガス発生抑制効果が向上するため好ましい。
また、電解液中に、下記の式(E)で示すカルボン酸エステルを含んでもよい。カルボン酸エステルはエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などの炭酸エステルよりも低粘度であり、これを混入した電解液のイオンの移動度もより大きくなるからである。特に、式(E−1)で示す酢酸エチル、式(E−2)で示すプロピオン酸メチルなどを含むことが好ましい。
Figure 2013152824
(式中、R31〜R36はそれぞれ独立してCn2n+1であり、0≦n≦4である。)
Figure 2013152824
さらに、電解液中に、式(F)で示す不飽和環状カーボネートや、式(G)で示すハロゲン化エチレンカーボネートを含有してもよい。これらも電極表面で保護被膜を形成するため、環状カルボン酸無水物とともに電解液に含むことでより高いガス発生抑制効果が得られる。
Figure 2013152824
(式(F)および式(G)中、R41〜R45はそれぞれ独立してCm2m+1-nnであり、Xはハロゲン原子であり、0≦m≦4かつ0≦n≦2m+1である。)
式(F)で示す不飽和環状カーボネートとしては、例えばビニレンカーボネート系化合物を用いることができる。ビニレンカーボネート系化合物としては、例えば、ビニレンカーボネート(1,3−ジオキソール−2−オン)、メチルビニレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、エチルビニレンカーボネート(4−エチル−1,3−ジオキソール−2−オン)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4,5−ジエチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソール−2−オン、または4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソール−2−オンなどが挙げられる。これらは単独でも良いし、複数種が混合されてもよい。なかでも、式(F−1)で示すビニレンカーボネートが好ましい。容易に入手可能であると共に、保護被膜形成による高いガス発生抑制効果が得られるからである。
Figure 2013152824
式(G)で示すハロゲン化エチレンカーボネートとしては、フルオロエチレンカーボネート(4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、DFEC)、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジクロロ−1,3−オキソラン−2−オン、テトラクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ビストリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジフルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−5−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−5−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−(1,1−ジフルオロエチル)−4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジクロロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−4,5,5−トリフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどを用いることができる。これらは単独でもよく、複数種が混合されてもよい。
なかでも、式(G−1)で示すフルオロエチレンカーボネートまたは式(G−2)で示すジフルオロエチレンカーボネートが好ましく、式(G−1)で示すフルオロエチレンカーボネートがより好ましい。特に、ジフルオロエチレンカーボネートとしては、シス異性体よりもトランス異性体が好ましい。容易に入手可能であると共に、保護被膜形成による高いガス発生抑制効果が得られるからである。
Figure 2013152824
ゲル電解質を用いる場合には、電解液が高分子材料に保持される。高分子材料は、非水溶媒を吸収してゲル化するものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)あるいはビニリデンフルオライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とを繰り返し単位に含む共重合体などのフッ素系高分子材料、ポリエチレンオキサイド(PEO)あるいはポリエチレンオキサイド(PEO)を含む架橋体などのエーテル系高分子材料、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)あるいはポリメチルメタクリレート(PMMA)を繰返し単位として含むものなどが挙げられる。高分子材料には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子材料が望ましく、なかでも、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)またはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとを成分として含む共重合体が好ましい。さらに、この共重合体は、マレイン酸モノメチルエステル(MMM)などの不飽和二塩基酸のモノエステル、三フッ化塩化エチレン(PCTFE)などのハロゲン化エチレン、またはエポキシ基含有アクリルビニルモノマーなどを成分として含んでいてもよい。より高い特性を得ることができるからである。
高分子材料としては、重合性ゲル化剤を電解液に含むようにし、紫外線硬化や熱硬化などの重合処理を施してゲル電解質層を形成してもよい。重合性ゲル化剤としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基またはアリル基などの不飽和二重結合を有するものが挙げられる。具体的には、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレートなどが使用でき、さらにトリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレートまたはペンタエリスリトールアルコキシレートトリアクリレートなどの3官能モノマー、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレートまたはジトリメチロールプロパンアルコキシレートテトラアクリレートなどの4官能以上のモノマーなども使用することができる。なかでも、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するオキシアルキレングリコール系化合物を用いることが好ましい。重合性ゲル化剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、セパレータ13を用いず、ゲル電解質層を、正極11および負極12を絶縁し、かつ正極11および負極12の物理的な接触を防止するセパレータ13の代わりとして用いてもよい。この場合、ゲル電解質層は、正極11および負極12の間に設けられる。
[セパレータ]
セパレータ13は、正極11と負極12とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ13は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)あるいはポリエチレン(PE)またはポリフッ化ビニリデン(PVdF)などよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を混合または積層した構造とされていてもよい。特に、ポリオレフィン製の多孔質膜はショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。セパレータ13には、電解液の一部が含浸している。
さらに、セパレータ13は、多孔質膜の表面に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などの高分子材料を塗布もしくは被着させてもよい。この場合には、セパレータ13表面の高分子材料に電解液が保持されて、ゲル電解質が形成される。なお、セパレータ13表面の高分子材料に、アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)などの無機酸化物などを混合してもよい。
[外装部材]
外装部材5は、例えば、金属層の両面に樹脂層が形成されたラミネートフィルムからなる。ラミネートフィルムは、金属層のうち電池外側に露出する面に外側樹脂層が形成され、積層電極体10などの発電要素に対向する電池内側面に内側樹脂層が形成される。
金属層は、水分、酸素、光の進入を防ぎ内容物を守る最も重要な役割を担っており、軽さ、伸び性、価格、加工のしやすさからアルミニウム(Al)が最もよく使われる。外側樹脂層は、外観の美しさや強靱さ、柔軟性などを有し、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂材料が用いられる。内側樹脂層は、熱や超音波で溶け、互いに融着する部分であるため、ポリオレフィンが適切であり、無延伸ポリプロピレン(CPP)が多用される。内側樹脂層を構成する樹脂材料は、外側樹脂層よりも融点が低い樹脂材料が用いられる。内側樹脂層を構成する樹脂材料の融点と、外側樹脂層を構成する樹脂材料の融点との間の温度で熱融着することにより、内側樹脂層のみを溶融させることができるためである。金属層と外側樹脂層および内側樹脂層との間には、必要に応じて接着剤層を設けてもよい。
外装部材5は、例えば深絞りにより内側樹脂層側から外側樹脂層の方向に向けて形成された、積層電極体10を収容する凹部5aが設けられており、内側樹脂層が積層電極体10と対向するように配設されている。外装部材5の対向する内側樹脂層同士は、凹部5aの外縁部において融着などにより互いに密着されている。外装部材5と正極リード2および負極リード3との間には、外装部材5の内側樹脂層と、金属材料からなる正極リード2および負極リード3との接着性を向上させるための密着フィルム4が配置されている。密着フィルム4は、金属材料との接着性の高い樹脂材料からなり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンや、これら材料が変性された変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材5は、金属層がアルミニウム(Al)からなるアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
外装部材5と正極リード2および負極リード3との間には、外気の侵入や水分の浸入を防止するための密着フィルム4が挿入されている。この密着フィルム4は、正極リード2および負極リード3に対して密着性を有する材料によって構成されている。このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂が挙げられる。
(1−2)電池の製造方法
第1の実施の形態のラミネートフィルム型電池1は、例えば、下記の製造方法によって製造される。
(1−2−1)第1の製造方法
[正極の製造]
まず、正極11を作製する。例えば、正極材料と、結着剤と、導電剤とを混合して正極合剤としたのち、有機溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。次に、ドクターブレードまたはバーコータなどによって帯状の正極集電体11Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。このとき、正極集電体11Aの長辺の端部を除いて正極合剤スラリーを塗布する。続いて、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などによって塗膜を圧縮成型して正極活物質層11Bを形成する。この場合には、圧縮成型を複数回に渡って繰り返してもよい。最後に、正極活物質層11Bが形成された帯状の正極集電体11Aを矩形状に切断するとともに、正極集電体11Aが露出した部分を正極タブ11Cを形成するように切断し、正極11を形成する。
[負極の製造]
次に、負極12を作製する。例えば、本技術のスピネル構造を有するチタン含有リチウム遷移金属複合酸化物からなる負極材料と、結着剤と、必要に応じて導電剤とを混合して負極合剤としたのち、これを有機溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。次に、ドクターブレードまたはバーコータなどによって帯状の負極集電体12Aの両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。このとき、負極集電体12Aの長辺の端部を除いて負極合剤スラリーを塗布する。続いて、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などによって塗膜を圧縮成型して負極活物質層12Bを形成する。最後に、負極活物質層12Bが形成された帯状の負極集電体12Aを矩形状に切断するとともに、負極集電体12Aが露出した部分を負極タブ12Cを形成するように切断し、負極12を形成する。
[電解液の調製]
溶媒と、電解質塩と、(1−1)に記載した環状カルボン酸無水物とを混合して、電解液を調製する。
[電池の組み立て]
セパレータ13を介して正極11と負極12とを積層したのち、固定部材14を貼着して積層構造を固定して積層電極体10を作製する。続いて、正極11から延出された複数の正極集電体11Aを超音波用着などによって互いに固着した部分に正極リード2を取り付ける。同様に、負極12から延出された複数の負極集電体12Aを超音波用着などによって互いに固着した部分に負極リード3を取り付ける。
続いて、積層電極体10を外装部材5に設けた凹部5aに収容した後、外装部材5を袋状となるように熱融着する。続いて、袋状の外装部材5の内部に本技術の電解液を注入した後、例えば減圧環境下にて外装部材5の開口部を熱融着などで密封する。これにより、本技術のラミネートフィルム型電池1が得られる。
(1−2−2)第2の製造方法
第2の製造方法では、ゲル電解質層が形成されたラミネートフィルム型電池1の製造方法について説明する。
[電池の組み立て]
正極11および負極12のそれぞれの両面、もしくはセパレータ13の両面に、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などの高分子材料をそれぞれ被着させる。高分子材料は、溶剤に混合して正極11および負極12、またはセパレータ13の両面に塗布し、または吹きつけ、溶剤を揮発させることにより被着させる。
次に、上述のセパレータ13を用いて積層電極体10を作製し、正極11から延出された複数の正極集電体11Aを互いに固着して正極リード2を取り付けるとともに、負極12から延出された複数の負極集電体12Aを互いに固着して負極リード3を取り付ける。
続いて、積層電極体10を袋状の外装部材5に収容し、袋状の外装部材5の内部に本技術の電解液を注入した後、例えば減圧環境下にて外装部材5の開口部を熱融着などで密封する。最後に、積層電極体10と電解液とが収容された密封状態の外装部材5を加圧および加熱し、電解液を高分子材料に含浸させてゲル電解質層を形成することにより、本技術のラミネートフィルム型電池1が得られる。
(1−2−3)第3の製造方法
第3の実施の形態では、第1の製造方法の電解液に重合性ゲル化剤を添加して、外装部材5の開口部を熱融着などで密封する。この後、積層電極体10と電解液とが収容された密封状態の外装部材5を加圧および加熱してゲル電解質層を形成し、本技術のラミネートフィルム型電池1が得られる。
<効果>
第1の実施の形態の電池では、高温環境下で保存した後であっても、電池内部でのガス発生を抑制し、外装部材としてラミネートフィルムを用いたラミネートフィルム型電池においても電池膨れを抑制することができる。
2.第2の実施の形態
第2の実施の形態では、本技術の電池の第2の例について説明する。本技術の電池の第2の例は、電極体が、帯状の正極および帯状の負極が積層された後、さらに扁平状に巻回された巻回電極体であるラミネートフィルム型電池である。
(2−1)ラミネートフィルム型電池の構成
第2の実施の形態の電池は、第1の実施の形態における積層電極体10の代わりに、帯状の電極が積層され、さらに扁平状に巻回された巻回電極体がラミネートフィルムで外装されたラミネートフィルム型電池である。
図4は、本技術の第2の実施の形態にかかる、巻回電極体20を収容するラミネートフィルム型電池1の分解斜視図であり、図5は、図4に示した巻回電極体20のII−II線に沿った断面構造を表すものである。第2の実施の形態にかかるラミネートフィルム型電池1は、積層電極体10の代わりに巻回電極体20を備える以外は、第1の実施の形態と同様であるため、共通の部分については同一の符号を付する。
巻回電極体20は、帯状の正極21と帯状の負極22とが、帯状のセパレータ23介して積層、巻回されたものであり、巻回終端部は必要に応じて固定部材14により固定される。また、正極21および負極22と、セパレータ23との間には、ゲル電解質層25が形成されている。
正極21は、一対の面を有する正極集電体21Aの例えば両面に、正極活物質層21Bが設けられたものである。正極集電体21Aの一部には、正極活物質層21Bが形成されない正極集電体露出部が設けられ、正極集電体露出部に正極リード2が接続される。
負極22は、一対の面を有する負極集電体22Aの例えば両面に、負極活物質層22Bが設けられたものである。負極集電体22Aの一部には、負極活物質層22Bが形成されない負極集電体露出部が設けられ、負極集電体露出部に負極リード3が接続される。
(2−2)ラミネートフィルム型電池の製造方法
第2の実施の形態のラミネートフィルム型電池1は、例えば、以下の4種類の製造方法(第1〜第4の製造方法)によって製造される。
(2−2−1)第1の製造方法〜第3の製造方法
第2の実施の形態のラミネートフィルム型電池1は、第1の実施の形態における第1の製造方法〜第3の製造方法と同様の方法により製造することができる。
(2−2−2)第4の製造方法
第4の製造方法では、最初に、本技術の電解液と、第2の製造方法で用いた高分子材料または第3の製造方法で用いた重合性ゲル化剤とを混合した前駆溶液を帯状の正極21および帯状の負極22の表面に塗布し、加熱処理することによりゲル電解質層25を形成する。紫外線硬化性の重合性ゲル化剤を用いた場合には、加熱処理の代わりに紫外線硬化処理を行う。
このあと、セパレータ23を介して正極21と負極22とを積層して扁平状に巻回し、その巻回終端部に固定部材14を接着させて巻回電極体20を作製する。
続いて、巻回電極体20を袋状の外装部材5に収容し、例えば減圧環境下にて外装部材5の開口部を熱融着などで密封する。これにより、本技術のラミネートフィルム型電池1が得られる。
<効果>
第2の実施の形態のラミネートフィルム型電池1は、第1の実施の形態のラミネートフィルム型電池1と同様の効果を有する。
3.第3の実施の形態
第3の実施の形態では、本技術の電池の第3の例について説明する。本技術の電池の第3の例は、正極および負極を備える電極体が、角型の外装缶内に収容された角型電池である。
(3−1)角型電池の構成
図6は、本技術の第3の実施の形態にかかる角型電池30の構成を表すものであり、積層電極体40を角型の外装缶31内に収容したものである。なお、積層電極体40の代わりに、巻回電極体を用いて角型電池30を組み立ててもよい。
角型電池30は、角筒状の外装缶31と、この外装缶31内に収納される発電要素である積層電極体40と、外装缶31の開口部を閉じる電池蓋32と、電池蓋32の略中央部に設けられた電極ピン33などによって構成されている。
外装缶31は、例えば、鉄(Fe)などの導電性を有する金属によって、中空で有底の角筒体として形成されている。この外装缶31の内面は、例えば、ニッケルめっきを施したり導電性塗料を塗布するなどして、外装缶31の導電性を高める構成とすることが好ましい。また、外装缶31の外周面は、例えば、プラスチックシートや紙などによって形成される外装ラベルで覆われたり、絶縁性塗料が塗布されて保護されてもよい。電池蓋32は、外装缶31と同じく、例えば、鉄(Fe)などの導電性を有する金属により形成されている。
積層電極体40は、第1の実施の形態と同様の構成であり、正極および負極をセパレータを介して積層することによって得られる。正極、負極およびセパレータは、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
このような構成を有する積層電極体40には、複数の正極に接続された正極端子41と、複数の負極集電体に接続された負極端子とが設けられている。正極端子41および負極端子は、積層電極体40の軸方向の一端に導出されている。そして、正極端子41は、電極ピン33の下端に溶接などの固着手段によって接続されている。また、負極端子は外装缶31の内面に溶接などの固着手段によって接続されている。
電極ピン33は導電性の軸部材からなり、その頭部を上端に突出させた状態で絶縁体34によって保持されている。この絶縁体34を介して電極ピン33が電池蓋32の略中央部に固定されている。絶縁体34は絶縁性の高い材料で形成されていて、電池蓋32の表面側に設けた貫通孔35に嵌合されている。また、貫通孔35には電極ピン33が貫通され、その下端面に正極端子41の先端部が固定されている。
このような電極ピン33などが設けられた電池蓋32が、外装缶31の開口部に嵌合されており、外装缶31と電池蓋32との接触面が溶接などの固着手段で接合されている。これにより、外装缶31の開口部が電池蓋32により密封されて、気密および液密に構成されている。この電池蓋32には、外装缶31内の圧力が所定値以上に上昇したときに当該電池蓋32の一部を破断させて内部圧力を外部に逃がす(放出させる)内圧解放機構36が設けられている。
内圧解放機構36は、電池蓋32の内面において長手方向に直線的に延在された2本の第1の開口溝36a(1本の第1の開口溝36aは図示せず)と、同じく電池蓋32の内面において長手方向と直交する幅方向に延在されて両端が2本の第1の開口溝36aに連通される第2の開口溝36bとから構成されている。2本の第1の開口溝36aは、電池蓋32の幅方向に対向するように位置する長辺側2辺の内側近傍において電池蓋32の長辺側外縁に沿うように互いに平行に設けられている。また、第2の開口溝36bは、電極ピン33の長手方向の一側において一方の短辺側外縁と電極ピン33との略中央部に位置するように設けられている。
第1の開口溝36aおよび第2の開口溝36bは、例えばともに断面形状が下面側に開口したV字形状とされている。なお、第1の開口溝36aおよび第2の開口溝36bの形状は、この実施の形態に示すV字形に限定されるものではない。例えば、第1の開口溝36aおよび第2の開口溝36bの形状をU字形や半円形としてもよい。
電解液注入口37は、電池蓋32を貫通するように設けられている。電解液注入口37は、電池蓋32と外装缶31とをかしめた後、電解液を注液するために用いるものであり、電解液注液後は封止部材38によって密封される。予めゲル電解質層を形成し、電解液の注液を行わない場合には、電解液注入口37は設けなくてもよい。
(3−2)角型電池の製造方法
第3の実施の形態の積層電極体40は、第1の実施の形態で説明した各製造方法によって製造される。巻回電極体を用いる場合にも、第2の実施の形態と同様の方法で製造することができる。
[角型電池の組み立て]
正極および負極の表面に予めゲル電解質層を形成して作製した積層電極体40を、例えばアルミニウム(Al)、鉄(Fe)などの金属よりなる角型缶である外装缶31内に収容する。
そして、電池蓋32に設けられた電極ピン33と、積層電極体40と接続された正極端子41とを接続した後、電池蓋32にて封口し、例えば減圧下において電解液注入口37から電解液を注入する。最後に、電解液注入口37を封止部材38にて封止する。以上により、図6に示した本技術の角型電池30が得られる。
<効果>
第3の実施の形態の角型電池30は、第1の実施の形態のラミネートフィルム型電池1および第2の実施の形態のラミネートフィルム型電池1と同様の効果を有する。
4.第4の実施の形態
第4の実施の形態では、本技術の電池の第4の例について説明する。本技術の電池の第4の例は、正極および負極を備える電極体が、円筒型の外装缶内に収容された円筒型電池である。円筒型電池は、第1の実施の形態または第2の実施の形態のラミネートフィルム型電池1のように、電池内部でのガス発生により電池外形が大きく変化することはない。しかしながら、電池内部でのガス発生により電池内部圧力が上昇し、ガスが電池外部に噴出して安全性が低下するおそれがある。このため、本技術の電解質を円筒型電池に適用して、ガス発生を抑制することによって、安全性向上効果が得られる点で有効である。
(4−1)円筒型電池の構成
[電池の構造]
図7は、第4の実施の形態にかかる円筒型電池50の一例を示す断面図である。円筒型電池50は、ほぼ中空円柱状の電池缶51の内部に、帯状の正極61と帯状の負極62とが帯状のセパレータ63を介して巻回された巻回電極体60と、図示しない本技術の電解質とを有している。電解質は、電解液またはゲル電解質である。
電池缶51は、例えばニッケルめっきが施された鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶51の内部には、巻回電極体60を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板52a、52bがそれぞれ配置されている。
電池缶51の材料としては、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ステンレス(SUS)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などが挙げられる。この電池缶51には、円筒型電池50の充放電に伴う電気化学的な電解液による腐食を防止するために、例えばニッケルなどのメッキが施されていてもよい。電池缶51の開放端部には、正極リード板である電池蓋53と、この電池蓋53の内側に設けられた安全弁機構および熱感抵抗素子(PTC素子:Positive Temperature Coefficient)57が、絶縁封口のためのガスケット58を介してかしめられることにより取り付けられている。
電池蓋53は、例えば電池缶51と同様の材料により構成されており、電池内部で発生したガスを排出するための開口部が設けられている。安全弁機構は、安全弁54とディスクホルダ55と遮断ディスク56とが順に重ねられている。安全弁54の突出部54aは遮断ディスク56の中心部に設けられた孔部56aを覆うように配置されたサブディスク59を介して巻回電極体60から導出された正極リード65と接続されている。サブディスク59を介して安全弁54と正極リード65とが接続されることにより、安全弁54の反転時に正極リード65が孔部56aから引き込まれることを防止する。また、安全弁機構は、熱感抵抗素子57を介して電池蓋53と電気的に接続されている。
安全弁機構は、電池内部短絡あるいは電池外部からの加熱などにより円筒型電池50の内圧が一定以上となった場合に、安全弁54が反転し、突出部54aと電池蓋53と巻回電極体60との電気的接続を切断するものである。すなわち、安全弁54が反転した際には遮断ディスク56により正極リード65が押さえられて安全弁54と正極リード65との接続が解除される。ディスクホルダ55は絶縁性材料からなり、安全弁54が反転した場合には安全弁54と遮断ディスク56とが絶縁される。
また、電池内部でさらにガスが発生し、電池内圧がさらに上昇した場合には、安全弁54の一部が裂壊してガスを電池蓋53側に排出可能としている。
また、遮断ディスク56の孔部56aの周囲には例えば複数のガス抜き孔(図示せず)が設けられており、巻回電極体60からガスが発生した場合にはガスを効果的に電池蓋53側に排出可能な構成としている。
熱感抵抗素子57は、温度が上昇した際に抵抗値が増大し、電池蓋53と巻回電極体60との電気的接続を切断することによって電流を遮断し、過大電流による異常な発熱を防止する。ガスケット58は、例えば絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
円筒型電池50内に収容される巻回電極体60は、センターピン64を中心に巻回されている。巻回電極体60は、第2の実施の形態と同様の構成であり、正極61および負極62をセパレータ63を介して順に積層し、長手方向に巻回することによって得られる。正極61、負極62およびセパレータ63、ならびに電解液は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
正極61には正極リード65が接続されており、負極62には負極リード66が接続されている。正極リード65は、上述のように、安全弁54に溶接されて電池蓋53と電気的に接続されており、負極リード66は電池缶51に溶接されて電気的に接続されている。
(4−2)電池の製造方法
[正極および負極の製造方法]
正極および負極は、第1の実施の形態と同様にして製造することができる。
[電池の組み立て]
正極61に正極リード65を溶接などにより取り付けると共に、負極62に負極リード66を溶接などにより取り付ける。その後、正極61と負極62とをセパレータ63を介して巻回し巻回電極体60とする。
続いて、正極リード65の先端部を安全弁機構に溶接すると共に、負極リード66の先端部を電池缶51に溶接する。この後、巻回電極体60の巻回面を一対の絶縁板52a,52bで挟み、電池缶51の内部に収納する。巻回電極体60を電池缶51の内部に収納したのち、電解液を電池缶51の内部に注入する。
ゲル電解質層を形成する場合には、巻回電極体60が、第2の実施の形態の第4の製造方法によって製造される。すなわち、予めゲル電解質層を形成した正極61および負極62を用いて巻回電極体60を形成する。円筒型電池50では、第1の実施の形態におけるラミネートフィルム型電池1と異なり、密封後に電池外部から加圧・加熱してゲル電解質層を形成することが困難である。このため、予め正極61および負極62の表面にゲル電解質層を形成してから巻回電極体60を作製し、円筒型電池50を組み立てる必要がある。そして、正極リード65の先端部を安全弁機構に溶接すると共に、負極リード66の先端部を電池缶51に溶接する。この後、巻回電極体60の巻回面を一対の絶縁板52a,52bで挟み、電池缶51の内部に収納する。巻回電極体60を電池缶51の内部に収納する。必要に応じて、さらに電解液を電池缶51の内部に注入してもよい。
続いて、電池缶51の開口端部に電池蓋53、安全弁54などからなる安全弁機構および熱感抵抗素子57をガスケット58を介してかしめることにより固定する。これにより、図7に示した本技術の円筒型電池50が得られる。
<効果>
第4の実施の形態の円筒型電池50は、第1の実施の形態および第2の実施の形態のラミネートフィルム型電池1および第3の実施の形態の角型電池30と同様に電池内部でのガス発生を抑制する効果を有する。
5.第5の実施の形態
第5の実施の形態では、本技術の電解質を用いた電池(ラミネートフィルム型電池1、角型電池30または円筒型電池50)が備えられた電池パックについて説明する。
図8は、本技術の電池(ラミネートフィルム型電池1、角型電池30または円筒型電池50)を電池パックに適用した場合の回路構成例を示すブロック図である。電池パックは、組電池101、外装、充電制御スイッチ102aと、放電制御スイッチ103aとを備えるスイッチ部104、電流検出抵抗107、温度検出素子108、制御部110を備えている。
また、電池パックは、正極端子121および負極端子122を備え、充電時には正極端子121および負極端子122がそれぞれ充電器の正極端子、負極端子に接続され、充電が行われる。また、電子機器使用時には、正極端子121および負極端子122がそれぞれ電子機器の正極端子、負極端子に接続され、放電が行われる。
組電池101は、複数の電池101aを直列および/または並列に接続してなる。この電池101aは本技術の電池である。なお、図8では、6つの電池101aが、2並列3直列(2P3S)に接続された場合が例として示されているが、その他、n並列m直列(n,mは整数)のように、どのような接続方法でもよい。
スイッチ部104は、充電制御スイッチ102aおよびダイオード102b、ならびに放電制御スイッチ103aおよびダイオード103bを備え、制御部110によって制御される。ダイオード102bは、正極端子121から組電池101の方向に流れる充電電流に対して逆方向で、負極端子122から組電池101の方向に流れる放電電流に対して順方向の極性を有する。ダイオード103bは、充電電流に対して順方向で、放電電流に対して逆方向の極性を有する。なお、例では+側にスイッチ部を設けているが、−側に設けてもよい。
充電制御スイッチ102aは、電池電圧が過充電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池101の電流経路に充電電流が流れないように充放電制御部によって制御される。充電制御スイッチのOFF後は、ダイオード102bを介することによって放電のみが可能となる。また、充電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池101の電流経路に流れる充電電流を遮断するように、制御部110によって制御される。
放電制御スイッチ103aは、電池電圧が過放電検出電圧となった場合にOFFされて、組電池101の電流経路に放電電流が流れないように制御部110によって制御される。放電制御スイッチ103aのOFF後は、ダイオード103bを介することによって充電のみが可能となる。また、放電時に大電流が流れた場合にOFFされて、組電池101の電流経路に流れる放電電流を遮断するように、制御部110によって制御される。
温度検出素子108は例えばサーミスタであり、組電池101の近傍に設けられ、組電池101の温度を測定して測定温度を制御部110に供給する。電圧検出部111は、組電池101およびそれを構成する各電池101aの電圧を測定し、この測定電圧をA/D変換して、制御部110に供給する。電流測定部113は、電流検出抵抗107を用いて電流を測定し、この測定電流を制御部110に供給する。
スイッチ制御部114は、電圧検出部111および電流測定部113から入力された電圧および電流を基に、スイッチ部104の充電制御スイッチ102aおよび放電制御スイッチ103aを制御する。スイッチ制御部114は、電池101aのいずれかの電圧が過充電検出電圧もしくは過放電検出電圧以下になったとき、また、大電流が急激に流れたときに、スイッチ部104に制御信号を送ることにより、過充電および過放電、過電流充放電を防止する。
充放電スイッチは、例えばMOSFETなどの半導体スイッチを使用できる。この場合MOSFETの寄生ダイオードがダイオード102bおよび103bとして機能する。充放電スイッチとして、Pチャンネル型FETを使用した場合は、スイッチ制御部114は、充電制御スイッチ102aおよび放電制御スイッチ103aのそれぞれのゲートに対して、制御信号DOおよびCOをそれぞれ供給する。充電制御スイッチ102aおよび放電制御スイッチ103aはPチャンネル型である場合、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号COおよびDOをローレベルとし、充電制御スイッチ102aおよび放電制御スイッチ103aをON状態とする。
そして、例えば過充電もしくは過放電の際には、制御信号COおよびDOをハイレベルとし、充電制御スイッチ102aおよび放電制御スイッチ103aをOFF状態とする。
メモリ117は、RAMやROMからなり例えば不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などからなる。メモリ117では、制御部110で演算された数値や 、製造工程の段階で測定された各電池101aの初期状態における電池の内部抵抗値などが予め記憶され、また適宜、書き換えも可能である。 (また、電池101aの満充電容量を記憶させておくことで、制御部110とともに例えば残容量を算出することができる。
温度検出部118では、温度検出素子108を用いて温度を測定し、異常発熱時に充放電制御を行ったり、残容量の算出における補正を行う。
6.第6の実施の形態
第6の実施の形態では、第2〜第4の実施の形態にかかる電池または第5の実施の形態にかかる電池パックを搭載した電子機器、電動車両および蓄電装置などの機器について説明する。第2〜第5の実施の形態で説明した電池および電池パックは、電子機器や電動車両、蓄電装置などの機器に電力を供給するために使用することができる。
電子機器として、例えばノート型パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、コードレスフォン子機、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、電子書籍、電子辞書、音楽プレイヤー、ラジオ、ヘッドホン、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、 エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナー、信号機などが挙げられる。
また、電動車両としては鉄道車両、ゴルフカート、電動カート、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などが挙げられ、これらの駆動用電源または補助用電源として用いられる。
蓄電装置としては、住宅をはじめとする建築物用または発電設備用の電力貯蔵用電源などが挙げられる。
以下では、上述した適用例のうち、本技術の電池を適用した蓄電装置を用いた蓄電システムの具体例を説明する。
この蓄電システムは、例えば下記の様な構成が挙げられる。第1の蓄電システムは、再生可能エネルギーから発電を行う発電装置によって蓄電装置が充電される蓄電システムである。第2の蓄電システムは、蓄電装置を有し、蓄電装置に接続される電子機器に電力を供給する蓄電システムである。第3の蓄電システムは、蓄電装置から、電力の供給を受ける電子機器である。これらの蓄電システムは、外部の電力供給網と協働して電力の効率的な供給を図るシステムとして実施される。
さらに、第4の蓄電システムは、蓄電装置から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、蓄電装置に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行なう制御装置とを有する電動車両である。第5の蓄電システムは、他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報送受信部とを備え、送受信部が受信した情報に基づき、上述した蓄電装置の充放電制御を行う電力システムである。第6の蓄電システムは、上述した蓄電装置から、電力の供給を受け、または発電装置または電力網から蓄電装置に電力を供給する電力システムである。以下、蓄電システムについて説明する。
(6−1)応用例としての住宅における蓄電システム
本技術の電池を用いた蓄電装置を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図9を参照して説明する。例えば住宅201用の蓄電システム200においては、火力発電202a、原子力発電202b、水力発電202cなどの集中型電力系統202から電力網209、情報網212、スマートメータ207、パワーハブ208などを介し、電力が蓄電装置203に供給される。これと共に、家庭内発電装置204などの独立電源から電力が蓄電装置203に供給される。蓄電装置203に供給された電力が蓄電される。蓄電装置203を使用して、住宅201で使用する電力が給電される。住宅201に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
住宅201には、家庭内発電装置204、電力消費装置205、蓄電装置203、各装置を制御する制御装置210、スマートメータ207、各種情報を取得するセンサ211が設けられている。各装置は、電力網209および情報網212によって接続されている。家庭内発電装置204として、太陽電池、燃料電池などが利用され、発電した電力が電力消費装置205および/または蓄電装置203に供給される。電力消費装置205は、冷蔵庫205a、空調装置205b、テレビジョン受信機205c、風呂205dなどである。さらに、電力消費装置205には、電動車両206が含まれる。電動車両206は、電気自動車206a、ハイブリッドカー206b、電気バイク206cである。
蓄電装置203に対して、本技術の電池が適用される。本技術の電池は、例えば上述したリチウムイオン二次電池によって構成されていてもよい。スマートメータ207は、商用電力の使用量を測定し、測定された使用量を、電力会社に送信する機能を備えている。電力網209は、直流給電、交流給電、非接触給電の何れか一つまたは複数を組み合わせてもよい。
各種のセンサ211は、例えば人感センサ、照度センサ、物体検知センサ、消費電力センサ、振動センサ、接触センサ、温度センサ、赤外線センサなどである。各種のセンサ211により取得された情報は、制御装置210に送信される。センサ211からの情報によって、気象の状態、人の状態などが把握されて電力消費装置205を自動的に制御してエネルギー消費を最小とすることができる。さらに、制御装置210は、住宅201に関する情報をインターネットを介して外部の電力会社などに送信することができる。
パワーハブ208によって、電力線の分岐、直流交流変換などの処理がなされる。制御装置210と接続される情報網212の通信方式としては、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transceiver:非同期シリアル通信用送受信回路)などの通信インターフェースを使う方法、Bluetooth(Bluetooth SIGの登録商標)、ZigBee、Wi−Fiなどの無線通信規格によるセンサーネットワークを利用する方法がある。Bluetooth方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。ZigBeeは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.4の物理層を使用するものである。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network)またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク規格の名称である。
制御装置210は、外部のサーバ213と接続されている。このサーバ213は、住宅201、電力会社、サービスプロバイダーの何れかによって管理されていてもよい。サーバ213が送受信する情報は、たとえば、消費電力情報、生活パターン情報、電力料金、天気情報、天災情報、電力取引に関する情報である。これらの情報は、家庭内の電力消費装置(たとえばテレビジョン受信機)から送受信してもよいが、家庭外の装置(たとえば、携帯電話機など)から送受信してもよい。これらの情報は、表示機能を持つ機器、たとえば、テレビジョン受信機、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)などに、表示されてもよい。
各部を制御する制御装置210は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成され、この例では、蓄電装置203に格納されている。制御装置210は、蓄電装置203、家庭内発電装置204、電力消費装置205、各種のセンサ211、サーバ213と情報網212により接続され、例えば、商用電力の使用量と、発電量とを調整する機能を有している。なお、その他にも、電力市場で電力取引を行う機能などを備えていてもよい。
以上のように、電力が火力202a、原子力202b、水力202cなどの集中型電力系統202のみならず、家庭内発電装置204(太陽光発電、風力発電)の発電電力を蓄電装置203に蓄えることができる。したがって、家庭内発電装置204の発電電力が変動しても、外部に送出する電力量を一定にしたり、または、必要なだけ放電するといった制御を行うことができる。例えば、太陽光発電で得られた電力を蓄電装置203に蓄えると共に、夜間は料金が安い深夜電力を蓄電装置203に蓄え、昼間の料金が高い時間帯に蓄電装置203によって蓄電した電力を放電して利用するといった使い方もできる。
なお、この例では、制御装置210が蓄電装置203内に格納される例を説明したが、スマートメータ207内に格納されてもよいし、単独で構成されていてもよい。さらに、蓄電システム200は、集合住宅における複数の家庭を対象として用いられてもよいし、複数の戸建て住宅を対象として用いられてもよい。
(6−2)応用例としての車両における蓄電システム
本技術を車両用の蓄電システムに適用した例について、図10を参照して説明する。図10に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
このハイブリッド車両300には、エンジン301、発電機302、電力駆動力変換装置303、駆動輪304a、駆動輪304b、車輪305a、車輪305b、バッテリー308、車両制御装置309、各種センサ310、充電口311が搭載されている。バッテリー308に対して、上述した本技術の電池が適用される。
ハイブリッド車両300は、電力駆動力変換装置303を動力源として走行する。電力駆動力変換装置303の一例は、モータである。バッテリー308の電力によって電力駆動力変換装置303が作動し、この電力駆動力変換装置303の回転力が駆動輪304a、304bに伝達される。なお、必要な個所に直流−交流(DC−AC)あるいは逆変換(AC−DC変換)を用いることによって、電力駆動力変換装置303が交流モータでも直流モータでも適用可能である。各種センサ310は、車両制御装置309を介してエンジン回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御したりする。各種センサ310には、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどが含まれる。
エンジン301の回転力は発電機302に伝えられ、その回転力によって発電機302により生成された電力をバッテリー308に蓄積することが可能である。
図示しない制動機構によりハイブリッド車両300が減速すると、その減速時の抵抗力が電力駆動力変換装置303に回転力として加わり、この回転力によって電力駆動力変換装置303により生成された回生電力がバッテリー308に蓄積される。
バッテリー308は、ハイブリッド車両300の外部の電源に接続されることで、その外部電源から充電口311を入力口として電力供給を受け、受けた電力を蓄積することも可能である。
図示しないが、電池に関する情報に基いて車両制御に関する情報処理を行う情報処理装置を備えていてもよい。このような情報処理装置としては、例えば、電池の残量に関する情報に基づき、電池残量表示を行う情報処理装置などがある。
なお、以上は、エンジンで動かす発電機で発電された電力、或いはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、モータで走行するシリーズハイブリッド車を例として説明した。しかしながら、エンジンとモータの出力がいずれも駆動源とし、エンジンのみで走行、モータのみで走行、エンジンとモータ走行という3つの方式を適宜切り替えて使用するパラレルハイブリッド車に対しても本技術は有効に適用可能である。さらに、エンジンを用いず駆動モータのみによる駆動で走行する所謂、電動車両に対しても本技術は有効に適用可能である。
以下、実施例により本技術の電池を具体的に説明するが、本技術の電池はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、下記の実施例1−1〜実施例1−19および比較例1−1〜比較例1−6、ならびに実施例2−1〜実施例2−19および比較例2−1〜比較例2−6において用いる添加剤Aおよび添加剤B、ならびに溶媒は以下の通りである。
添加剤A
SCAH:コハク酸無水物
GLAH:グルタル酸無水物
PHAH:フタル酸無水物
ACAH:酢酸無水物
Figure 2013152824
添加剤B
VC:ビニレンカーボネート
FEC:フルオロエチレンカーボネート
Figure 2013152824
溶媒
PC:プロピレンカーボネート
EC:エチレンカーボネート
BC:ブチレンカーボネート
GBL:γ−ブチロラクトン
DMC:ジメチルカーボネート
EMC:エチルメチルカーボネート
EA:酢酸エチル
MP:プロピオン酸メチル
Figure 2013152824
<実施例1−1>〜<実施例1−19>、<比較例1−1>〜<比較例1−6>
実施例1−1〜実施例1−19および比較例1−1〜比較例1−6では、環状カルボン酸無水物または鎖状カルボン酸無水物のいずれかである添加剤Aと、必要に応じてハロゲン化エチレンカーボネートまたは不飽和環状カーボネートのいずれかである添加剤Bとを添加した電解液を用い、正極活物質、負極活物質および溶媒組成を変化させて電池特性の評価を行った。
<実施例1−1>
[正極の作製]
先ず、正極活物質としてリチウム・マンガン複合酸化物(LiMn24)94質量部と、導電剤として非晶質炭素3質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)3質量部とを均質に混合してN−メチルピロリドンを添加し正極合剤塗液を得た。次に、得られた正極合剤塗液を、厚み15μmのアルミニウム箔上の両面に均一に塗布、乾燥して片面当たり45μmの正極活物質層を形成した。これを幅60mm、長さ80mmの形状に切断して矩形状の正極を作製した。
[負極の作製]
負極活物質としてリチウム・チタン複合酸化物(Li4Ti512)92質量部と、導電剤として非晶質炭素3質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量部とを均質に混合してN−メチルピロリドンを添加し負極合剤塗液を得た。次に、得られた負極合剤塗液を、負極集電体となる厚み15μmのアルミニウム箔上の両面に均一に塗布、乾燥して片面当たり50μmの負極活物質層を形成した。これを幅60mm、長さ80mmの形状に切断して矩形状の負極を作製した。
なお、負極活物質として用いたリチウム・チタン複合酸化物(Li4Ti512)の満充電時における電位は、対極リチウム電位で1.55V程度である。
[電解液の調製]
溶媒は、プロピレンカーボネート(PC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを質量比で4:3:3となるように混合した。この溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)と、添加剤Aとしてコハク酸無水物(SCAH)とを混合して電解液とした。電解液中、六フッ化リン酸リチウムの濃度は16.5質量%、コハク酸無水物の濃度は0.5質量%となるようにそれぞれ添加した。すなわち、電解液中の組成は、プロピレンカーボネート33.2質量%、ジメチルカーボネート24.9質量%、エチルメチルカーボネート24.9質量%、コハク酸無水物0.5質量%、六フッ化リン酸リチウム16.5質量%とした。
[電池の組み立て]
この正極と負極を、厚さ16μmの微多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して、5層の正極と6層の負極とを、正極、負極、正極・・・負極の順に積層して固定部材で固定し、積層電極体を作製した。続いて、積層電極体を一辺を除いて熱融着して袋状としたアルミニウムラミネートフィルムに挿入した。最後に、袋状のアルミラミネートフィルム内に電解液を4g注液後、減圧環境下で袋状のアルミラミネートフィルムの一辺を熱融着して封止し、ラミネートフィルム型電池を作製した。このラミネートフィルム型電池は、電池容量が600mAhとなった。
<実施例1−2>〜<実施例1−4>
電解液に用いる溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)の代わりにエチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)またはγ−ブチロラクトン(GBL)をそれぞれ用いた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2〜実施例1−4のラミネートフィルム型電池を作製した。
<実施例1−5>〜<実施例1−6>
電解液中におけるコハク酸無水物(SCAH)の濃度がそれぞれ0.1質量%、1.0質量%となるようにした以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−5〜実施例1−6のラミネートフィルム型電池を作製した。このとき、コハク酸無水物(SCAH)の添加量に応じて、ジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)をそれぞれ等量ずつ増減させて電解液を調製した。
<実施例1−7>〜<実施例1−8>
電解液中に添加する添加剤Aとして、コハク酸無水物(SCAH)の代わりにグルタル酸無水物(GLAH)またはフタル酸無水物(PHAH)をそれぞれ用いた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−7〜実施例1−8のラミネートフィルム型電池を作製した。
<実施例1−9>〜<実施例1−11>
電解液中に、添加剤Bとして不飽和環状カーボネートであるビニレンカーボネート(VC)を添加し、電解液中におけるビニレンカーボネート(VC)の濃度がそれぞれ1.0質量%、0.1質量%、5.0質量%となるように調製した以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−9〜実施例1−11のラミネートフィルム型電池を作製した。このとき、ビニレンカーボネート(VC)の添加量に応じて、プロピレンカーボネート(PC)を減量させて電解液を調製した。
<実施例1−12>
電解液中に、添加剤Bとしてハロゲン化エチレンカーボネートであるフルオロエチレンカーボネート(FEC)を添加し、電解液中におけるフルオロエチレンカーボネート(FEC)の濃度が1.0質量%となるように調製した以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。このとき、フルオロエチレンカーボネート(FEC)の添加量に応じて、プロピレンカーボネート(PC)を減量させて電解液を調製した。
<実施例1−13>
正極活物質として、リチウム・マンガン複合酸化物(LiMn24)の代わりにリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン複合酸化物(LiNi0.5Co0.2Mn0.32)を用いた以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。なお、このラミネートフィルム型電池は、電池容量が700mAhとなった。
<実施例1−14>
正極活物質として、リチウム・マンガン複合酸化物(LiMn24)の代わりにリチウム・ニッケル・コバルト・アルミニウム複合酸化物(LiNi0.77Co0.20Al0.032)を用いた以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。なお、このラミネートフィルム型電池は、電池容量が750mAhとなった。
<実施例1−15>
負極活物質として、リチウム・チタン複合酸化物(Li4Ti512)の代わりにリチウム・チタン・ニオブ複合酸化物(Li4Ti4.95Nb0.0512)を用いた以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。
<実施例1−16>
負極活物質として、リチウム・チタン複合酸化物(Li4Ti512)の代わりにリチウム・チタン・マグネシウム複合酸化物(Li3.75Ti4.875Mg0.37512)を用いた以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。
<実施例1−17>
負極活物質として、リチウム・チタン複合酸化物(Li4Ti512)の代わりに炭素被覆したリチウム・チタン複合酸化物(Li4Ti512)を用いた以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。負極活物質は、リチウム・チタン複合酸化物(Li4Ti512)と炭素材料とを含む負極合剤を負極集電体に塗布して乾燥することによって得た。
<実施例1−18>〜<実施例1−19>
電解液に用いる溶媒として、エチルメチルカーボネート(EMC)の代わりに酢酸エチル(EA)またはプロピオン酸メチル(MP)をそれぞれ用いた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−18〜実施例1−19のラミネートフィルム型電池を作製した。
<比較例1−1>
電解液に対して添加剤Aを混合しない以外は実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。
<比較例1−2>
負極活物質として、リチウム・チタン複合酸化物(Li4Ti512)の代わりにアモルファスカーボンを用いた以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。
<比較例1−3>
電解液中に添加する添加剤Aとして、コハク酸無水物(SCAH)の代わりに酢酸無水物(ACAH)を用いた以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。
<比較例1−4>
正極活物質として、リチウム・マンガン複合酸化物(LiMn24)の代わりにリチウム・ニッケル・コバルト・マンガン複合酸化物(LiNi0.5Co0.2Mn0.32)を用い、電解液に対して添加剤Aを混合しない以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。なお、このラミネートフィルム型電池は、電池容量が700mAhとなった。
<比較例1−5>
正極活物質として、リチウム・マンガン複合酸化物(LiMn24)の代わりにリチウム・ニッケル・コバルト・アルミニウム複合酸化物(LiNi0.77Co0.20Al0.032)を用い、電解液に対して添加剤Aを混合しない以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。なお、このラミネートフィルム型電池は、電池容量が750mAhとなった。
<比較例1−6>
負極活物質として、リチウム・チタン複合酸化物(Li4Ti512)の代わりにリチウム・チタン・ニオブ複合酸化物(Li4Ti4.95Nb0.0512)を用い、電解液に対して添加剤Aを混合しない以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。
[電池の評価]
各実施例および比較例のラミネートフィルム型電池を、23℃環境下において120mA(実施例1−13においては140mA、実施例1−14においては150mA)の定電流で電池電圧が2.7Vに達するまで定電流充電を行ったのち、2.7Vの定電圧で5時間充電した後、電池厚み(初期厚み)を測定した。続いて、60℃の環境下で1週間保存した。高温保存後における電池厚み(保存後厚み)を測定し、下記の式から高温保存後の電池厚みの増加率を算出した。
高温保存後電池厚み増加率[%]={(保存後厚み−初期厚み)/初期厚み}×100
評価結果を表1に示す。
Figure 2013152824
表1に示すように、電解液にコハク酸無水物を添加した実施例1−1と、電解液にコハク酸無水物を添加しない比較例1−1とを比較すると、高温保存後の電池厚みの増加率が半分以下となった。また、溶媒中のプロピレンカーボネートをエチレンカーボネート、ブチレンカーボネートまたはγ−ブチロラクトンに変更した実施例1−2〜実施例1−4についても、実施例1−1よりやや劣るものの、比較例1−1に対して顕著な電池膨れの抑制を確認することができた。特に、ブチレンカーボネートまたはγ−ブチロラクトンに変更した実施例1−3および実施例1−4は、実施例1−1と略同等の効果が得られ、環状カーボネートとしてプロピレンカーボネート(PC)またはブチレンカーボネート(BC)を用いることが特に好ましいことが分かった。
コハク酸無水物の添加量を0.1質量%とした実施例1−5は、実施例1−1より劣るものの、比較例1−1に対して顕著な電池膨れの抑制を確認することができた。また、コハク酸無水物の添加量を1.0質量%とした実施例1−6は、実施例1−1よりもさらに高い電池膨れの抑制を確認することができ、より好ましいことが分かった。
コハク酸無水物に代えて、他の環状カルボン酸無水物であるグルタル酸無水物またはフタル酸無水物を電解液に混合した実施例1−7および実施例1−8は、実施例1−1よりややや劣るものの、比較例1−1に対して顕著な電池膨れの抑制を確認することができた。特に、グルタル酸無水物を用いた実施例1−7は、実施例1−1と略同等の効果が得られた。
さらに、電解液に添加剤Bとして不飽和環状カーボネートであるビニレンカーボネート(VC)またはハロゲン化エチレンカーボネートであるフルオロエチレンカーボネート(FEC)をさらに混合した実施例1−9〜実施例1−12は、実施例1−1と同等かそれ以上の膨れ抑制効果が得られた。なかでも、添加剤Bの添加量を1.0質量%とした実施例1−9および実施例1−12では、実施例1−1よりも高い電池膨れの抑制を確認することができ、添加剤Bの添加量を0.1質量%とした実施例1−10はさらに高い電池膨れの抑制を確認することができた。
正極活物質としてリチウム・ニッケル・コバルト・アルミニウム複合酸化物を用いた場合においても同様に、実施例1−13および比較例1−4、実施例1−14および比較例1−5の比較から、電池膨れの抑制を確認することができた。
負極活物質としてリチウム・チタン・ニオブ複合酸化物を用いた場合においても、実施例1−15および比較例1−6の比較から、電池膨れの抑制を確認することができた。また、負極活物質としてリチウム・チタン・マグネシウム複合酸化物を用いた実施例1−16や、炭素被覆したリチウム・チタン複合酸化物を用いた実施例1−17の場合においても、実施例1−15と同等の電池膨れの抑制を確認することができた。
さらに、溶媒中のエチルメチルカーボネートを酢酸エチルまたはプロピオン酸メチルに変更した実施例1−18〜実施例1−19についても、実施例1−1と略同等の膨れ抑制効果が確認できた。
一方、比較例1−2より、コハク酸無水物を添加した場合であっても、負極活物質が炭素材料である場合には膨れ抑制効果が得られなかった。また、比較例1−3から、鎖状カルボン酸無水物である酢酸無水物を添加した場合には、負極活物質としてリチウム・チタン複合酸化物を用いた比較例1−3は、コハク酸無水物を添加しない比較例1−1と比較して微小な電池膨れ抑制効果が得られるものの、コハク酸無水物を同量添加した実施例1−6と比較すると顕著に電池膨れが大きく、膨れ抑制効果がほぼ得られなかった。
以上の結果から、負極活物質として満充電時における電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の材料を用い、電解液に対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して負極上に被膜を形成する添加剤を混合することにより、高温保存後でも電池膨れの抑制を確認することができた。
<実施例2−1>〜<実施例2−19>、<比較例2−1>〜<比較例2−6>
実施例2−1〜実施例2−19および比較例2−1〜比較例2−6では、実施例1−1などと同様の電解質を高分子材料に保持させてゲル電解質とした電池における電池特性の評価を行った。
厚さ16μmの微多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータの代わりに、厚さを12μmの微多孔性ポリエチレンフィルムの両面にポリフッ化ビニリデン(PVdF)を2μmずつ塗布したセパレータを用いた以外は、実施例1−1〜実施例1−19、比較例1−1〜比較例1−6とそれぞれ同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。
このとき、袋状のアルミラミネートフィルム内に電解液を4g注液後、袋状のアルミラミネートフィルムの一辺を熱融着する際に、減圧環境下で加圧および加熱しながら封止を行った。これにより、電解液をセパレータ表面のポリフッ化ビニリデンに保持させて、ゲル化させ、ゲル電解質層が形成されたラミネートフィルム型電池を作製した。このラミネートフィルム型電池は、電池容量が600mAhとなった。
[電池の評価]
各実施例および比較例のラミネートフィルム型電池について、実施例1−1と同様の充電条件および保存条件(充電電流については、実施例2−13においては140mA、実施例2−14においては150mA)にて高温保存後の電池厚みの増加率を算出した。
評価結果を表2に示す。
Figure 2013152824
表2に示すように、電解質をゲル状にすることにより、全体的に高温保存後の電池厚み増加率が小さくなった。この場合においても、負極活物質として満充電時における電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下のリチウム・チタン複合酸化物などを用い、ゲル電解質に対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して負極上に被膜を形成する環状カルボン酸無水物などの添加剤を混合することにより、高温保存後でも電池膨れの抑制を確認することができた。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。
なお、本技術の電池は、以下のような構成とすることもできる。
[1]
正極と、
満充電時の電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極活物質を含む負極と、
溶媒と、電解質塩と、対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して上記負極上に被膜を形成する添加剤を含む電解液とを備える電池。
[2]
上記負極活物質が、式(1)で示すスピネル構造を有するリチウム遷移金属化合物を含む[1]に記載の電池。
式(1)
A[B2]X4
(式中、AおよびBは、リチウム(Li)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ストロンチウム(Sr)、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)およびイットリウム(Y)から選択される金属カチオンの少なくとも一種であり、Xは、酸素(O)または硫黄(S)である。)
[3]
上記式(1)で示すスピネル構造を有するリチウム遷移金属化合物が、チタン含有リチウム遷移金属酸化物を含む[2]に記載の電池。
[4]
上記チタン含有リチウム遷移金属酸化物が、リチウム・チタン複合酸化物、リチウム・チタン・ニオブ複合酸化物、またはリチウム・チタン・マグネシウム複合酸化物、もしくは表面が炭素被覆されたリチウム・チタン複合酸化物のいずれかを含む[3]に記載の電池。
[5]
上記添加剤が、環状カルボン酸無水物を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の電池。
[6]
上記環状カルボン酸無水物が、上記電解液中に0.1質量%以上1.0質量%以下含有される[5]に記載の電池。
[7]
上記環状カルボン酸無水物が、式(A)のうちの少なくとも一種を含む[5]または[6]に記載の電池。
Figure 2013152824
(式中、Rは下記の式(R1)、式(R2)または2価の芳香族炭化水素基で示され、R11〜R14はそれぞれ独立してCn2n+1であり、0≦n≦4、2≦m≦3であり、またはR11同士、R12同士もしくはR11およびR12、またはR13およびR14が互いに連結して環を形成していてもよい。)
Figure 2013152824
[8]
上記環状カルボン酸無水物が、コハク酸無水物、グルタル酸無水物およびフタル酸無水物の少なくとも一種を含む[7]に記載の電池。
[9]
上記電解液が、式(D)で示す環状カーボネートのうちの少なくとも一種を含む[1]に記載の電池。
Figure 2013152824
(式中、R21〜R26はそれぞれ独立してCn2n+1であり、0≦n≦4である。)
[10]
上記電解液が、ハロゲン化エチレンカーボネートまたは不飽和環状カーボネートを含む[1]〜[9]のいずれかに記載の電池。
[11]
上記電解液が、高分子材料に保持されて非流動性電解質とされた[1]に記載の電池。
[12]
上記高分子材料が、ポリフッ化ビニリデンを含む[11]に記載の電池。
[13]
上記正極、上記負極および上記電解液が、ラミネートフィルムで外装された[1]〜[12]のいずれかに記載の電池。
[14]
正極と、
満充電時の電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極活物質を含む負極と、
溶媒と、電解質塩とを含む電解液と
を備え、
上記負極が、対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解する化合物由来の被膜を有する電池。
[15]
[1]に記載の電池と、
上記電池を制御する制御部と、
上記電池を内包する外装とを有する電池パック。
[16]
[1]に記載の電池を備え、
上記電池から電力の供給を受ける電子機器。
[17]
[1]に記載の電池と、
上記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
上記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する電動車両。
[18]
[1]に記載の電池を備え、
上記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
[19]
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え、
上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記電池の充放電制御を行う[18]に記載の蓄電装置。
[20]
[1]に記載の電池から電力の供給を受け、または、発電装置もしくは電力網から上記電池に電力が供給される電力システム。
1…ラミネートフィルム型電池、2…正極リード、3…負極リード、4…密着フィルム、5…外装部材、5a…凹部、10…積層電極体、11…正極、11A…正極集電体、11B…正極活物質層、11C…正極タブ、12…負極、12A…負極集電体、12B…負極活物質層、12C…負極タブ、13…セパレータ、14…固定部材、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、25…ゲル電解質層、30…角型電池、31…外装缶、32…電池蓋、33…電極ピン、34…絶縁体、35…貫通孔、36…内圧解放機構、36a…第1の開口溝、36b…第2の開口溝、37…電解液注入口、38…封止部材、40…積層電極体、41…正極端子、50…円筒型電池、51…電池缶、52a,52b…絶縁板、53…電池蓋、54…安全弁、54a…突出部、55…ディスクホルダ、56…遮断ディスク、56a…孔部、57…熱感抵抗素子、58…ガスケット、59…サブディスク、60…巻回電極体、61…正極、62…負極、63…セパレータ、64…センターピン、65…正極リード、66…負極リード、101…組電池、101a…各電池、101a…電池、102a…充電制御スイッチ、102b…ダイオード、103a…放電制御スイッチ、103b…ダイオード、104…スイッチ部、107…電流検出抵抗、108…温度検出素子、110…制御部、111…電圧検出部、113…電流測定部、114…スイッチ制御部、117…メモリ、118…温度検出部、121…正極端子、122…負極端子、200…蓄電システム、201…住宅、202…集中型電力系統、202a…火力発電、202b…原子力発電、202c…水力発電、203…蓄電装置、204…家庭内発電装置、205…電力消費装置、205a…冷蔵庫、205b…空調装置、205c…テレビジョン受信機、205d…風呂、206…電動車両、206a…電気自動車、206b…ハイブリッドカー、206c…電気バイク、207…スマートメータ、208…パワーハブ、209…電力網、210…制御装置、211…センサ、212…情報網、213…サーバ、300…ハイブリッド車両、301…エンジン、302…発電機、303…電力駆動力変換装置、304a…駆動輪、304b…駆動輪、305a…車輪、305b…車輪、308…バッテリー、309…車両制御装置、310…各種センサ、311…充電口

Claims (20)

  1. 正極と、
    満充電時の電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極活物質を含む負極と、
    溶媒と、電解質塩と、対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解して上記負極上に被膜を形成する添加剤を含む電解液と
    を備える
    電池。
  2. 上記負極活物質が、式(1)で示すスピネル構造を有するリチウム遷移金属化合物を含む
    請求項1に記載の電池。
    式(1)
    A[B2]X4
    (式中、AおよびBは、リチウム(Li)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ストロンチウム(Sr)、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)およびイットリウム(Y)から選択される金属カチオンの少なくとも一種であり、Xは、酸素(O)または硫黄(S)である。)
  3. 上記式(1)で示すスピネル構造を有するリチウム遷移金属化合物が、チタン含有リチウム遷移金属酸化物を含む
    請求項2に記載の電池。
  4. 上記チタン含有リチウム遷移金属酸化物が、リチウム・チタン複合酸化物、リチウム・チタン・ニオブ複合酸化物、またはリチウム・チタン・マグネシウム複合酸化物、もしくは表面が炭素被覆されたリチウム・チタン複合酸化物のいずれかを含む
    請求項3に記載の電池。
  5. 上記添加剤が、環状カルボン酸無水物を含む
    請求項1に記載の電池。
  6. 上記環状カルボン酸無水物が、上記電解液中に0.1質量%以上1.0質量%以下含有される
    請求項5に記載の電池。
  7. 上記環状カルボン酸無水物が、式(A)のうちの少なくとも一種を含む
    請求項5に記載の電池。
    Figure 2013152824
    (式中、Rは下記の式(R1)、式(R2)または2価の芳香族炭化水素基で示され、R11〜R14はそれぞれ独立してCn2n+1であり、0≦n≦4、2≦m≦3であり、またはR11同士、R12同士もしくはR11およびR12、またはR13およびR14が互いに連結して環を形成していてもよい。)
    Figure 2013152824
  8. 上記環状カルボン酸無水物が、コハク酸無水物、グルタル酸無水物およびフタル酸無水物の少なくとも一種を含む
    請求項7に記載の電池。
  9. 上記電解液が、式(D)で示す環状カーボネートのうちの少なくとも一種を含む
    請求項1に記載の電池。
    Figure 2013152824
    (式中、R21〜R26はそれぞれ独立してCn2n+1であり、0≦n≦4である。)
  10. 上記電解液が、ハロゲン化エチレンカーボネートまたは不飽和環状カーボネートを含む
    請求項1に記載の電池。
  11. 上記電解液が、高分子材料に保持されて非流動性電解質とされた
    請求項1に記載の電池。
  12. 上記高分子材料が、ポリフッ化ビニリデンを含む
    請求項11に記載の電池。
  13. 上記正極、上記負極および上記電解液が、ラミネートフィルムで外装された
    請求項1に記載の電池。
  14. 正極と、
    満充電時の電位が対極リチウム電位で1.0V以上1.6V以下の負極活物質を含む負極と、
    溶媒と、電解質塩とを含む電解液と
    を備え、
    上記負極が、対極リチウム電位で1.6V以上2.5V以下の範囲で分解する化合物由来の被膜を有する
    電池。
  15. 請求項1に記載の電池と、
    上記電池を制御する制御部と、
    上記電池を内包する外装とを有する
    電池パック。
  16. 請求項1に記載の電池を備え、
    上記電池から電力の供給を受ける
    電子機器。
  17. 請求項1に記載の電池と、
    上記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
    上記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置とを有する
    電動車両。
  18. 請求項1に記載の電池を備え、
    上記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
  19. 他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え、
    上記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、上記電池の充放電制御を行う
    請求項18に記載の蓄電装置。
  20. 請求項1に記載の電池から電力の供給を受け、または、発電装置もしくは電力網から上記電池に電力が供給される
    電力システム。
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