JP2013150971A - 界面活性剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[1]特定のポリグリセリンモノアルキルエーテル(1)と特定のポリグリセリンジアルキルエーテル(2)を含有する界面活性剤組成物であって、質量比〔(1)/(2)〕が65/35〜75/25である界面活性剤組成物、[2]界面活性剤組成物の製造方法、[3]その界面活性剤組成物を含む乳化剤組成物、及び[4]その界面活性剤組成物を含む洗浄剤用組成物である。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、ポリグリセリンアルキルエーテルのモノアルキルエーテル含有量が75重量%以上であり、ジアルキルエーテル含有量が5重量%以下であるポリグリセリンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤が開示されている。
特許文献2には、ポリグリセリン2−エチルヘキシルエーテルを含有し、ポリグリセリンに対する2−エチルヘキシル基の付加数平均が1.5以上である化粧料又は洗浄剤用組成物が開示されている。
また、皮膚に対する作用が温和であり、低温時においても起泡性が良好なことから、頭髪に適用されてから洗い流されるまでの間に泡垂れすることのない二剤式染毛剤として、特許文献3には、アルカリ剤及び過酸化水素剤からなり、それらの少なくとも一方にポリグリセリンアルキルエーテルを含有し、該ポリグリセリンアルキルエーテルに含まれるモノアルキルエーテル(モノアルキル体)量が75重量%以上、ジアルキルエーテル(ジアルキル体)量が5重量%以下、ポリグリセリン量が20重量%以下の特定範囲にある二剤式染毛剤が開示されている。
一方、特許文献3に開示されているポリグリセリンアルキルエーテルのモノアルキルエーテルとジアルキルエーテルを含む界面活性剤組成物は、2剤式染毛剤に用いた例であり、シリコーンオイルに対する乳化に関する記載はない。
本発明は、油脂由来の天然アルコールを原料に用いることで、化粧料、洗浄剤等に配合するシリコーンオイルに対し高い乳化性能を発現するポリグリセリンアルキルエーテルを含む界面活性剤組成物、その効果的な製造方法及び用途を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[5]を提供する。
[1]下記式(1)及び(2)で表される化合物を含有する界面活性剤組成物であって、式(2)で表される化合物に対する式(1)で表される化合物の質量比〔(1)/(2)〕が、65/35〜75/25である、界面活性剤組成物。
工程(I):アルカリ性触媒の存在下で、グリセリンを脱水縮合してグリセリン重合物を得る工程
工程(II):工程(I)で得られたグリセリン重合物からグリセリン、又はグリセリンとジグリセリンを除去し、グリセリン含有量が5質量%以下、又はグリセリン含有量が5質量%以下かつジグリセリン含有量が40質量%以下のポリグリセリンを得る工程
工程(III):工程(II)で得られたポリグリセリンに、600〜5000ppmのチタンを含有するγ−アルミナ触媒の存在下、又はアルカリ性触媒の存在下で、グリシジルエーテルを付加反応させる工程
[3]希土類元素の単純金属塩の存在下で、アルコールとグリシドールを反応させる、前記[1]の界面活性剤組成物の製造方法。
[4]前記[1]の界面活性剤組成物を含む、乳化剤組成物。
[5]前記[1]の界面活性剤組成物を含む、洗浄剤用組成物。
本発明の界面活性剤組成物は、前記式(1)で表される化合物(すなわち、ポリグリセリンモノアルキルエーテル)と前記式(2)で表される化合物(すなわち、ポリグリセリンジアルキルエーテル)を含有する界面活性剤組成物であって、式(2)で表される化合物に対する式(1)で表される化合物の質量比〔(1)/(2)〕が、65/35〜75/25である組成物である。
本発明の界面活性剤組成物においては、後述するように一定の範囲内でポリグリセリンを含んでいてもよい。
本発明の界面活性剤組成物に含有されるポリグリセリンモノアルキルエーテルは、下記式(1)で表される構造を有している。
さらにトリグリセリンモノアルキルエーテル、テトラグリセリンモノアルキルエーテル、及びペンタグリセリンモノアルキルエーテルの合計含有量は75質量%以上であり、好ましくは80質量%であり、より好ましくは85〜98質量%である。
式(1)において、R1で示される炭素数10〜14の直鎖アルキル基としては、乳化力等の観点から、炭素数12〜14の直鎖アルキル基が好ましい。
なお、トリグリセリンモノアルキルエーテル、テトラグリセリンモノアルキルエーテル、及びペンタグリセリンモノアルキルエーテルの合計含有量は、ガスクロマトグラフィー法(GC法)により求めることができる。
本発明の界面活性剤組成物に含有されるポリグリセリンジアルキルエーテルは、下記式(2)で表される構造を有している。
[C3H6O2]mの具体的構造としては、前記[C3H6O2]nの具体的構造と同じものが挙げられる。
式(2)において、R2で示される炭素数10〜14の直鎖アルキル基としては、乳化力等の観点から、12〜14の直鎖アルキル基がより好ましい。
また、式(2)で表されるポリグリセリンジアルキルエーテルにおける、テトラグリセリンジアルキルエーテル、ペンタグリセリンジアルキルエーテル、及びヘキサグリセリンジアルキルエーテルの合計含有量は75質量%以上であり、好ましくは80質量%であり、より好ましくは85〜99質量%である。
本発明の界面活性剤組成物においては、乳化力の観点から、前記式(2)で表されるポリグリセリンジアルキルエーテルに対する、式(1)で表されるポリグリセリンモノアルキルエーテルの質量比〔(1)/(2)〕が65/35〜75/25であることを要し、好ましくは65/35〜73/27、より好ましくは65/35〜70/30である。
本発明の界面活性剤組成物において、一定の範囲内でポリグリセリンを含んでいてもよく、ポリグリセリンを含むことで乳化膜をより安定化し、乳化安定性の向上効果がある。乳化性能の向上効果と生産性の観点から、ポリグリセリン含有量は、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%、更に好ましくは20〜45質量%、より更に好ましくは20〜40質量%である。
このポリグリセリンとしては、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
[C3H6O2]kの具体的構造としては、前記[C3H6O2]nの具体的構造と同じものが挙げられる。
本発明の界面活性剤組成物の製造方法に特に制限はなく、下記の製造方法(1)及び(2)の方法が挙げられる。これらの中では、生産性向上の観点から、製造方法(1)が好ましく、製造方法(1)の中でも、工程(III)でチタンを含有するγ−アルミナ触媒を用いる方法がより好ましい。
製造方法1は、下記工程(I)、(II)及び(III)を有する本発明の界面活性剤組成物の製造方法である。
工程(I):アルカリ性触媒の存在下で、グリセリンを脱水縮合してグリセリン重合物を得る工程
工程(II):工程(I)で得られたグリセリン重合物からグリセリン、又はグリセリンとジグリセリンを除去し、グリセリン含有量が5質量%以下、又はグリセリン含有量が5質量%以下かつジグリセリン含有量が40質量%以下のポリグリセリンを得る工程
工程(III):工程(II)で得られたポリグリセリンに、600〜5000ppmのチタンを含有するγ−アルミナ触媒の存在下、又はアルカリ性触媒の存在下で、グリシジルエーテルを付加反応させる工程
工程(I)は、アルカリ性触媒の存在下で、グリセリンを脱水縮合してグリセリン重合物を得る工程である。
(アルカリ性触媒)
アルカリ性触媒としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルコキサイド及び水素化物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられるが、取り扱いの容易さと反応性の観点から、ナトリウム、カリウムが好ましい。
アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられるが、バリウムが好ましい。
アルカリ性触媒は、反応性及び経済性の観点から、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、及びアルコキサイドから選ばれる少なくとも1種が好ましく、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩及び炭酸水素塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び水酸化バリウムから選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
原料として用いられるグリセリン(以下、「原料グリセリン」ともいう)は、原料グリセリンの精製負荷の低減、及びポリグリセリンの色相改善の観点から、カルボニル価が0.001〜3.5μmol/gであることが好ましく、より好ましくは0.01〜3.5μmol/g、更に好ましくは0.1〜3.5μmol/g、更に好ましくは0.1〜3.0μmol/g、更に好ましくは0.1〜2.0μmol/g、更に好ましくは0.1〜1.5μmol/g、更に好ましくは0.1〜1.0μmol/gである。
これにより色相に優れたポリグリセリンが得られる理由は明らかではないが、カルボニル価が前記範囲内のグリセリンを用いることにより、原料グリセリン中に含まれるカルボニル化合物の分解や重合が抑制されるためと推測される。
ここで、前記カルボニル価は、試料(グリセリン)1g中に含まれるカルボニル化合物(ケトン、アルデヒド)のμmol数を意味し、具体的には、実施例に記載の方法により測定される値である。
原料グリセリンのカルボニル価は、蒸留、水素還元、吸着処理等の精製工程を行うことにより前記範囲内に調整することができる。
原料グリセリンの導電率は、蒸留、水素還元、吸着、脱塩処理等の精製工程を行うことにより前記範囲内に調整することができる。
原料グリセリンは、油脂の加水分解、油脂とアルコールとのエステル交換反応、又は化学合成により製造することができる。経済性、得られるグリセリンのカルボニル価の調整の観点から、前記グリセリンは、油脂とアルコールとをエステル交換反応して得られるものであることが好ましい。
工程(II)は、工程(I)で得られたグリセリン重合物からグリセリン、又はグリセリンとジグリセリンを除去し、グリセリン含有量が5質量%以下、又はグリセリン含有量が5質量%以下かつジグリセリン含有量が40質量%以下のポリグリセリンを得る工程である。
工程(II)において、工程(I)で得られたグリセリン重合物を単蒸留等により、ポリグリセリン全量に対し、グリセリンを5質量%以下(GC area%から換算)まで除去し、又はグリセリンを5質量%以下まで除去し、その後、分子蒸留等によってジグリセリンを40質量%以下(GC area%から換算)まで除去することにより、グリセリン含有量が5質量%以下、又はグリセリン含有量が5質量%以下かつジグリセリン含有量が40質量%以下のポリグリセリンを得ることができる。
工程(III)は、工程(II)で得られたポリグリセリンに、600〜5000ppmのチタンを含有するγ−アルミナ触媒(a)の存在下、又はアルカリ性触媒(b)の存在下で、グリシジルエーテルを付加反応させる工程である。
〔チタンを含有するγ-アルミナ触媒〕
600〜5000ppmのチタンを含有するγ-アルミナ触媒(以下、「チタン含有γ−アルミナ触媒」ともいう)とは、スピネル構造又は欠陥スピネル構造を有する水酸化アルミニウムの脱水物であり、チタンを含有するものをいう。
このチタン含有γ−アルミナ触媒中のチタンの含有量は、生産性向上の点、及び反応性向上の観点から、600〜5000ppm(質量基準)であり、好ましくは600〜1300ppm、より好ましくは1000〜1100ppmである。
チタン含有γ−アルミナ触媒中のアルミニウムの含有量は、反応性向上と生産性向上の観点、及び結晶構造保持の観点から、40〜55質量%が好ましく、45〜53質量%がより好ましく、49〜50質量%が更に好ましい。
チタン含有γ−アルミナ触媒の平均粒径は特に限定されないが、反応速度を高める観点から、好ましくは100〜500μm、より好ましくは100〜300μm、更に好ましくは100〜150μmの平均粒径を有するものを用いる。
ここで平均粒径とは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
チタン含有γ−アルミナ触媒は、従来公知の方法(例えば、特表2007−511343号公報)により製造することができる。
ポリグリセリンとグリシジルエーテルの付加反応温度は、反応性向上の観点、生産性向上の観点から、好ましくは80〜300℃、より好ましくは100〜250℃、更に好ましくは140〜240℃、より更に好ましくは160〜230℃、更に一層好ましくは180〜220℃、最も好ましくは180〜210℃である。
前記付加反応の反応時間は、生産性を向上する観点、生成物中の残存原料を低減する観点から、2〜20時間程度であり、好ましくは2〜10時間、より好ましくは2〜8時間、更に好ましくは2〜6時間である。
前記付加反応において、グリシジルエーテルの加水分解を抑え、生産性を向上させる観点から、反応系内の水の含有量は、好ましくは0〜1.0質量%、より好ましくは0.005〜0.5質量%、更に好ましくは0.01〜0.3質量%である。
すなわち、予め脱水処理を施した原料(ポリグリセリンとグリシジルエーテル)を使用することが好ましく、脱水処理は、反応原料の熱分解回避の観点から、ポリグリセリン、グリシジルエーテル共に温度60〜130℃、圧力0.01〜5kPa、特に0.01〜1.5kPaの条件で行うことが好ましい。
また、反応原料とチタン含有γ−アルミナ触媒を反応装置に入れた後に、温度120℃以上、圧力0.05kPa以下にて脱水操作を行ってもよい。
前記付加反応は、副反応を抑制する観点から、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、アルゴンガス又は窒素ガス雰囲気下において行うことがより好ましい。反応圧力は、生産性向上の観点から、好ましくは0.010〜2.0MPa、より好ましくは0.10〜1.0MPaである。
前記付加反応は、回分式反応方式で反応を行うことができる。ここで回分式反応方式とは、一定容積の反応容器に反応原料を投入し、反応の途中又は終了後に生成物を取り出す反応方法のことをいう。
反応の最初から回分式反応装置にポリグリセリンとチタン含有γ−アルミナ触媒、及びグリシジルエーテルを全て入れて反応させてもよいし、ポリグリセリンとチタン含有γ−アルミナ触媒を先に予め入れた後に、グリシジルエーテルを添加(滴下)して反応させてもよい。
前記付加反応では、グリシジルエーテルの加水分解反応を抑制する観点から、ポリグリセリンとチタン含有γ−アルミナ触媒とを含む溶液を回分式反応装置に入れた後、反応温度に加温し、グリシジルエーテルの全量を一括添加して反応を行うことが好ましい。
なお、一括添加とは、反応に使用するグリシジルエーテルの全量をできるだけ短時間で反応系内に添加することを意味する。添加時間は、好ましくは100分以内、より好ましくは60分以内、更に好ましくは45分以内、より更に好ましくは30分以内である。
付加反応後のチタン含有γ−アルミナ触媒の分離方法は、特に限定されないが、生成物を低粘度化して作業性を向上させる観点から、生成物を80〜120℃に加温して濾過することが好ましい。また、生成物を低粘度化させるために、各種溶媒(水、低級1価アルコール等)や濾過助剤(珪藻土、セルロース系助剤、活性白土等)を添加し、チタン含有γ−アルミナ触媒を濾別してもよい。
(アルカリ性触媒)
工程(III)で用いるアルカリ性触媒の具体例、好適例は、工程(I)で用いるアルカリ性触媒の具体例、好適例と同じである。
(付加反応条件)
当該方法におけるポリグリセリンとグリシジルエーテルとの付加反応は、アルカリ性触媒の使用量をポリグリセリンに対して0.02質量%より大きく0.8質量%以下であることが好ましい。アルカリ性触媒の使用量が上記範囲内であると反応性が低下したり、反応液に着色が生じるおそれも少ない。アルカリ触媒の使用量は、ポリグリセリンに対して0.03〜0.7質量%が好ましく、0.03〜0.6質量%がより好ましく、0.03〜0.5質量%が更に好ましく、0.03〜0.4質量%がより更に好ましく、0.03〜0.3質量%がより一層好ましく、0.04〜0.2質量%が最も好ましい。
反応温度は、生産性の向上、加水分解反応の抑制の観点から、180〜240℃が好ましく、185〜230℃がより好ましく、190〜230℃が更に好ましい。
反応時間は、生産性向上の観点、残存する原料を低減させる観点から、0.1〜20時間が好ましく、1〜10時間がより好ましく、1〜8時間がより好ましく、1〜6時間が更に好ましい。
付加反応は、副反応を抑制する観点から、不活性ガス雰囲気下、特にアルゴンガス、窒素ガス雰囲気下において行うことが好ましい。
また、圧力は、生産性向上の観点から、好ましくは0.010〜2.0MPa、より好ましくは0.10〜1.0MPaである。
前記付加反応では、グリシジルエーテルの加水分解反応を抑制する観点から、ポリグリセリンとアルカリ性触媒とを含む溶液を回分式反応装置に入れた後、反応温度に加温し、グリシジルエーテルの全量を一括添加して反応を行うことが好ましい。添加時間は、(a)チタンを含有するγ-アルミナ触媒を用いる方法における場合と同じく、好ましくは100分以内である。
当該方法においては、反応終了後、酢酸、乳酸、クエン酸等の有機酸や、リン酸、硫酸、塩酸等の無機酸を加えてアルカリ性触媒を中和することが好ましい。また、必要に応じて、イオン交換樹脂、合成吸着剤等による吸着処理により、アルカリ性触媒及び触媒の中和塩を除去することが好ましい。
有機溶媒としては、活性水素を有しないエーテル系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒等が挙げられる。これらのうち、ポリグリセリンアルキルエーテルの生産性、ポリグリセリンとグリシジルエーテルの1:1付加物の選択性向上の観点から、活性水素を有しないエーテル系溶媒が好ましく、下記一般式(4)で表される化合物がより好ましい。
R3−O−〔(PO)p/(EO)q〕−R4 (4)
(式中、R3、R4は、炭素数1〜8のアルキル基であり、POとEOはそれぞれプロピレンオキシ基とエチレンオキシ基であり、pはPOの付加モル数、qはEOの付加モル数を示し、それぞれ0〜10であり、pとqとの合計は2〜20である。POとEOの付加順序は問わない。また、“/”は、POとEOの付加形態がブロックでもランダムでもよいことを意味する。)
なお、前記「活性水素」とは、水酸基(−OH)、カルボキシ基(−COOH)、アミノ基(−NH2)、又はチオール基(−SH)中の水素原子をいい、前記「活性水素を有しない」とは、これらの官能基の水素原子が炭化水素基等で置換されていることをいう。
前記一般式(4)中、pとqとの合計は、ポリグリセリンアルキルエーテルの生産性向上の観点から、2〜20であり、好ましくは2〜10であり、より好ましくは3〜5、更に好ましくは3〜4である。
前記一般式(4)で表される化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、又はペンタエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。このうち、ポリグリセリンアルキルエーテルの生産性向上の観点から、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、又はペンタエチレングリコールジメチルエーテルが好ましく、トリエチレングリコールジメチルエーテル、又はテトラエチレングリコールジメチルエーテルがより好ましい。
活性水素を有しないエーテル系溶媒の沸点は、具体的には設備負荷低減の観点から、好ましくは180℃〜500℃、より好ましくは180℃〜400℃、更に好ましくは180℃〜300℃である。
活性水素を有しないエーテル系溶媒の使用量は、ポリグリセリンアルキルエーテルの生産性向上の観点から、ポリグリセリン100質量%に対して、好ましくは1〜500質量%、より好ましくは20〜200質量%、更に好ましくは30〜150質量%、更に好ましくは50〜150質量%、更に好ましくは60〜140質量%である。
製造方法(2)は、希土類元素の単純金属塩(以下、「希土類系触媒」ともいう)存在下で、アルコールとグリシドールを反応させる、本発明の界面活性剤組成物(ポリグリセリンアルキルエーテル含有)の製造方法である。
ここで、単純金属塩とは複塩や錯塩を除く一次化合物の金属塩をいう。
希土類元素の単純金属塩としては、通常、無機酸塩及び/又は有機酸塩が用いられる。高選択的付加反応の実現及びアルコール類の転化率向上の観点から、無機酸塩としては過塩素酸塩が好適であり、有機酸塩としては有機スルホン酸塩が好適である。
この単純金属塩を構成する希土類元素としては、スカンジウム、イットリウムや、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等のランタノイドが好ましく、スカンジウム、ランタン、サマリウム、ユウロピウム、エルビウム、ルテチウム、イッテルビウムがより好ましく、スカンジウム、ランタン、サマリウム、イッテルビウムが更に好ましく、ランタン及び/又はサマリウムが特に好ましい。
前記有機スルホン酸塩を構成する有機スルホン酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、又はドデシルベンゼンスルホン酸が挙げられ、高選択的付加反応の実現及びアルコール類の転化率向上の観点から、トリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
希土類元素の単純金属塩の量は、反応速度及び経済性のバランス等の面から、アルコールに対して、好ましくは0.001〜0.2モル倍、より好ましくは0.002〜0.1モル倍、更に好ましくは0.005〜0.05モル倍である。
希土類元素の単純金属塩の量は、反応速度及び経済性のバランス等の面から、アルコールに対して、好ましくは0.001〜0.2モル倍、より好ましくは0.002〜0.1モル倍、特に好ましくは0.005〜0.05モル倍である。
アルコールとグリシドールの反応は発熱反応であるので、アルコールを撹拌しながら、グリシドールを連続滴下するか又は分割添加して徐々に反応させることが好ましい。
反応温度は、使用するアルコールの種類等により適宜選択することができるが、反応時間、反応効率、収率、製品の品質等の観点から、0〜200℃であり、好ましくは30〜170℃、より好ましくは50〜150℃、更に好ましくは80〜130℃である。
上記の製造方法(1)及び(2)で得られた本発明の界面活性剤組成物は、化粧品や香粧品に汎用的に使用されるシリコーンオイルに対して極めて高い乳化力を有する。また、化粧品や香粧品に汎用的に使用される炭化水素系の油溶性物質に対しても十分に高い乳化力を発現する。したがって、本発明の界面活性剤組成物は、洗浄剤用組成物、化粧料用組成物、衣料用組成物等の乳化剤組成物として幅広く適用することができる。
本発明の洗浄剤用組成物は、本発明の界面活性剤組成物を含有する。
本発明の洗浄剤用組成物は、本発明の界面活性剤組成物をそのまま洗浄剤用組成物として用いてもよく、必要に応じて、前記式(1)及び(2)で表される化合物以外の他の界面活性剤及び/又は水を混合することで洗浄剤用組成物として用いてもよい。
ここで用いる他の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩脂肪酸塩、脂肪酸塩、リン酸エステル塩、スルホコハク酸系活性剤、スルホサクシナメート系活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、モノグリセライド硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アシル化イセチオン酸塩、アシル化アミノ酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキサイド、脂肪酸多価アルコールエステル等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミドベタイン系界面活性剤、アミドアミノ酸系界面活性剤、カルボベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性剤、アミドスルホベタイン系界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤、ホスホベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
任意成分としては、コンディショニング成分として、炭素数12〜18の高級アルコール、シリコーン及びシリコーン誘導体、ラノリン、スクワレン、炭化水素、蛋白誘導体、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル等の油剤、カチオン化セルロース、カチオン化グアガム、カチオンポリマー、カチオン性基含有共重合体等が挙げられる。
また、洗浄剤用組成物中に通常使用されるその他の成分、例えば、水溶性高分子、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、色素、香料等が挙げられる。
本発明の洗浄剤用組成物は、常法に従って製造できる。また、その剤型も特に制限されず、液体状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等の任意の剤型とすることができるが、液体状、ペースト状、クリーム状とするのが好ましく、液体状とするのがより好ましい。液体状とする場合には、液体媒体としては水を用いるのが好ましい。
本発明の界面活性剤組成物を含有する乳化剤組成物は、皮膚化粧料、毛髪化粧料等の化粧料用組成物、衣料用組成物として幅広く適用することができる。
毛髪化粧料としては、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアクリーム、スタイリングローション、スタイリングムース、コンディショニングムース、ヘアムース、ヘアスプレー、シャンプー、洗い流さないコンディショニング剤、永久又は塩基性ヘアカラー、パーマ剤等が挙げられる。
毛髪化粧料には、油脂類やシリコーン類を単独又は組み合わせて用いることができる。また、必要に応じて従来型のモノ又はジ(長鎖アルキル)第4級アンモニウム塩のようなカチオン性活性剤やノニオン活性剤、グリセリン、尿素等の保湿剤、カチオン性ポリマー、多糖類、ポリペプタイド等の高分子物質、α−ヒドロキシカルボン酸類、芳香族スルホン酸類、色素、香料、噴射剤、溶剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、抗フケ剤等を適宜配合することができる。
衣料用組成物としては、従来の柔軟仕上剤に配合される成分、例えばジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、シリコーンオイル、粘度調整剤、保存安定性向上剤、pH調整剤、ハイドロトロープ剤、顔料、染料、消泡剤、香料等を適宜配合することにより、柔軟性の優れた柔軟仕上剤とすることができる。
使用する溶媒をベンゼンからエタノールに代えた以外は、社団法人日本油化学会の基準油脂分析試験法である4−DNPH法に準じて測定を行った(基準油脂2.5.4に基づき実施)。
グリセリンにイオン交換水を加えて、グリセリンの50%水溶液を調製し、20℃における導電率をTwin Cond B-137(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
試料にトリメチルシリル(ODS)化剤(ジーエルサイエンス株式会社製、TMSI−H)を添加混合し、固形分を濾別後、以下の条件のガスクロマトグラフィー(GC)にて定量分析した。内部標準にはテトラデカン(和光純薬工業株式会社製)を用いた。
・GC装置:HP6850 Series(HEWLETT PACKARD社製)
・カラム:DB−1HT(J&W社製、内径0.25m、長さ15m、膜厚0.1μm)
・キャリアガス:He、1.0mL/min
・注入条件:350℃、スプリット比1/50
・検出条件:FID方式、350℃
・カラム温度条件:100℃(2分保持)→10℃上昇/分→350℃(10分保持)
[C3H6O2]の平均重合度(n又はm)は、下記のNMR装置及び条件で、1H−NMR測定を行い、下記計算式(5)により算出した。
グリセリルエーテルの平均重合度(n又はm)=(グリセリン構造中(3.4−4.0ppm)のプロトンの積分値)/(アルキル基中の1プロトン分の積分値(ラウリル基では0.9ppmにメチル由来のピーク)÷5) (5)
(NMR測定装置及び測定条件)
・NMR装置:Mercury400BB(400MHz、Varian社製)
・観測幅:6410.3Hz
・パルス幅:45マイクロ秒
・積算:16回
・スピン:16倍
・データポイント:64K
・パルス遅延時間:10秒
・測定温度:室温(25℃)
・溶媒:重メタノール又は重クロロホルム
ポリグリセリンの平均重合度(k)は、ポリグリセリンの水酸基価(mgKOH/g)を測定し、下記計算式(6)より算出した。水酸基価は、試料1g中の水酸基を無水酢酸とピリジンを用いてアセチル化した後、過剰の無水酢酸は加水分解し、生成した酢酸を水酸化カリウムで滴定することで求めた。
ポリグリセリンの平均重合度(k)=(112200−18×[水酸基価])/(74.08×[水酸基価]−56100) (6)
反応容器に、グリセリン(カルボニル価0.2μmol/g、導電率3μS/cm、花王株式会社社製)と炭酸カリウム(和光純薬工業株式会社製)を入れ、240℃、真空度66kPaで8.5時間かけて脱水縮合反応を行った。反応の進行をガスクロマトグラフィーで分析したところ、グリセリンの転化率は56%であった。
冷却後にイオン交換水を加えて反応終了物を希釈し、イオン交換樹脂を加えて40℃、5時間撹拌した。ろ過でイオン交換樹脂を取り除いた後、ろ液を467Paの真空度に保ちながら、145℃まで加熱し、単蒸留にて水を留去した。
次に真空度を467Paに保ちながら、230℃まで加熱し、単蒸留にてグリセリンの蒸留除去を行った(グリセリンの残存量は蒸留残渣中1重量%であった)。次に、このグリセリンを除去した蒸留残渣から、分子蒸留装置を用いて、真空度0.13Pa、温度193℃まで加熱してジグリセリンを蒸留留去し、蒸留残渣としてポリグリセリン(平均重合度3.1、水酸基価1153mgKOH/g)を得た。
製造例1で得られた平均重合度3.1のポリグリセリン370g(1.48mol)とチタン含有γ-アルミナ(Strem Chemicals Inc. 社製、アルミニウムの含有量49質量%、チタン含有量1000ppm、平均粒径150μm)18.5g(5質量%、対ポリグリセリン)を120℃、攪拌下混合した後に、0.05kPaの減圧下で脱水処理を2時間行った。脱水処理後(系内水含有量0.05質量%)、200℃に昇温し、ラウリルグリシジルエーテル90g(0.37mol)を加えて、圧力0.1MPaで付加反応を開始した。反応開始4時間後に、原料であるラウリルグリシジルエーテルの消失をGCで確認し、ポリグリセリンラウリルエーテル1を得た。反応終了品の精製はODSシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOH/H2O)を用いて行い、モノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルを単離した。
GCにて組成を確認したところ、モノアルキルエーテルのトリグリセリンモノアルキルエーテル、テトラグリセリンモノアルキルエーテル、及びペンタグリセリンモノアルキルエーテルの合計含有量は95質量%(GC area%から換算)、NMRより算出した[C3H6O2]の平均重合度nは3.8であり、ジアルキルエーテルのテトラグリセリンジアルキルエーテル、ペンタグリセリンジアルキルエーテル、及びヘキサグリセリンジアルキルエーテルの合計含有量は99質量%(GC area%から換算)、NMRより算出した[C3H6O2]の平均重合度mは5.0であった。単離したモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルを65/35(実施例1、実施例4)、70/30(実施例2)、75/25(実施例3)、100/0(比較例1)、0/100(比較例2)、55/45(比較例3)、60/40(比較例4)、80/20(比較例5)の質量比で混合し、下記の乳化性能評価に使用した。
実施例1〜4で使用したモノアルキルエーテルと、テトラグリセリンモノラウリルエーテル(太陽化学株式会社製、商品名:サンイーサーL−4)を50/50の質量比で混合したモノアルキルエーテル(平均重合度nは3.9)と、実施例1〜4で使用したジアルキルエーテル(平均重合度mは5.0)を70/30の質量比で混合したものを、下記の乳化性能評価に使用した。
製造例1で得られた平均重合度3.1のポリグリセリン50.03g(0.20mol)とチタン含有γ−アルミナ(Strem Chemicals Inc. 社製、アルミニウムの含有量49質量%、チタン含有量1000ppm、平均粒径150μm)2.51g(5質量%、対ポリグリセリン)を120℃、攪拌下混合した後に、0.05kPaの減圧下で脱水処理を2時間行った。脱水処理後(系内水含有量0.05質量%)、200℃に昇温し、ミリスチルグリシジルエーテル13.62g(0.05mol)を圧力0.1MPaで3時間かけて滴下して加えた。滴下終了時に、原料であるミリスチルグリシジルエーテルの消失をGCで確認し、ポリグリセリンミリスチルエーテル1を得た。反応終了品の精製はODSシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOH/H2O)を用いて行い、モノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルを単離した。
GCにて組成を確認したところ、モノアルキルエーテルのトリグリセリンモノアルキルエーテル、テトラグリセリンモノアルキルエーテル、及びペンタグリセリンモノアルキルエーテルの合計含有量は97質量%(GC area%から換算)、NMRより算出した[C3H6O2]の平均重合度nは3.9であり、ジアルキルエーテルのテトラグリセリンジアルキルエーテル、ペンタグリセリンジアルキルエーテル、及びヘキサグリセリンジアルキルエーテルの合計含有量は99質量%(GC area%から換算)、NMRより算出した[C3H6O2]の平均重合度mは4.2であった。単離したモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルを75/25の質量比で混合し、下記の乳化性能評価に使用した。
実施例1〜4で使用したモノアルキルエーテルと、テトラグリセリンモノラウリルエーテル(太陽化学株式会社製、商品名:サンイーサーL−4)を30/70の質量比で混合したモノアルキルエーテル(平均重合度nは4.1)と、実施例1〜4で使用したジアルキルエーテル(平均重合度mは5.0)を70/30の質量比で混合したものを、下記の乳化性能評価に使用した。
坂本薬品工業株式会社製のポリグリセリン「#310」80g(0.20mol)とγ-アルミナ(StremChemicals Inc. 社製)4.2g(5質量%、対ポリグリセリン)を120℃、攪拌下混合した後に、0.05kPaの減圧下で脱水処理を2時間行った。脱水処理後、200℃に昇温し、ラウリルグリシジルエーテル12g(0.05mol)を加えて付加反応を開始した。反応開始4時間後に、原料であるラウリルグリシジルエーテルの消失をGCで確認し、グリセリンラウリルエーテル2を得た。反応終了品の精製はODSシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOH/H2O)を用いて行い、モノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルを単離した。
GCにて組成を確認したところ、モノアルキルエーテルのトリグリセリンモノアルキルエーテル、テトラグリセリンモノアルキルエーテル、及びペンタグリセリンモノアルキルエーテルの合計含有量は54質量%(GC area%から換算)、NMRより算出した平均重合度nは2.9であり、ジアルキルエーテルのテトラグリセリンジアルキルエーテル、ペンタグリセリンジアルキルエーテル、及びヘキサグリセリンジアルキルエーテルの合計含有量は51質量%(GC area%から換算)、NMRより算出した平均重合度mは3.1であった。単離したモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルを75/25(比較例7)、80/20(比較例8)の質量比で混合し、下記の乳化性能評価に使用した。
製造例1で得られた平均重合度3.1のポリグリセリン247.8g(0.99mol)とγ−アルミナ(StremChemicals Inc. 社製)12.4g(5質量%、対ポリグリセリン)を120℃、攪拌下混合した後に、0.05kPaの減圧下で脱水処理を2時間行った。脱水処理後、200℃に昇温し、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル92.0g(0.49mol)を加えて付加反応を開始した。反応開始4時間後に、原料であるラウリルグリシジルエーテルの消失をGCで確認し、ポリグリセリン2−エチルへキシルエーテル1を得た。反応終了品の精製はODSシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOH/H2O)を用いて行い、モノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルを単離した。
GCにて組成を確認したところ、モノアルキルエーテルのトリグリセリンモノアルキルエーテル、テトラグリセリンモノアルキルエーテル、及びペンタグリセリンモノアルキルエーテルの合計含有量は94質量%(GC area%から換算)、NMRより算出した平均重合度nは3.5であり、ジアルキルエーテルのテトラグリセリンジアルキルエーテル、ペンタグリセリンジアルキルエーテル、及びヘキサグリセリンジアルキルエーテルの合計含有量は89質量%(GC area%から換算)、NMRより算出した平均重合度mは4.6であった。単離したモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルを75/25の質量比で混合し、下記の乳化性能評価に使用した。
1−オクタデカノール135.24g(0.5mol)とトリフルオロメタンスルホン酸ランタン塩(東京化成工業株式会社製)2.9g(5mmol)を90℃、窒素雰囲気下混合した後、グリシドール(関東化学株式会社製)48.16g(2mol)を3時間かけて滴下し付加反応を開始した。反応開始4時間後に反応を終了し、ポリグリセリンオクタデシルエーテル1を得た。GCにて組成を確認したところ、トリグリセリンモノアルキルエーテル、テトラグリセリンモノアルキルエーテル、及びペンタグリセリンモノアルキルエーテルの合計含有量は39質量%(GC area%から換算)、NMRより算出した平均重合度nは3.9であった。これを、下記の乳化性能評価に使用した。
各例で得られた界面活性剤組成物による乳化試験を以下の操作方法及び条件下で実施して乳化性能を評価した。
界面活性剤組成物0.2gと平均重合度3.1のポリグリセリン0.04g(実施例4は除く。)を10mlの目盛りつき試験管(株式会社イワキ製)にとり、蒸留水を2.8g加えて溶解し、次いで、被乳化油としてシリコーンオイル(「KF‐96A‐6cs」、信越化学工業株式会社製)を2.0g加え、室温でペンシルミキサー(アズワン株式会社製、品番:「1−299−02」、撹拌棒2型使用、回転数:7000 rpm)を用いて1分間撹拌した。実施例5では、さらにシリコーンオイルの代わりに、菜種油(山桂産業株式会社製)及び「エステモール N−01」(日清オイリオグループ株式会社製、ネオペンチルグリコールと中鎖直鎖脂肪酸のジエステル)を用いて同様に測定した。2時間後の乳化物の離水層を測定して、界面活性剤組成物の乳化性能を評価した。
上記条件下、乳化物の2時間後の離水量から乳化力を下記式から求め、乳化力を評価した。
乳化力(%)=[(仕込水量−離水量)(ml)/仕込水量(ml)]×100
シリコーンオイルに対する乳化力の評価結果を表1に示す。
なお、実施例5ではシリコーンオイルの代わりに、菜種油及び前記「エステモール N−01」を被乳化油とし、シリコーンオイルの場合と同様にして乳化性能評価を行った。2時間後の離水量から求めた乳化力は菜種油が79%、「エステモール N−01」が71%であった。
界面活性剤組成物0.5gと、製造例1で得られた平均重合度3.1のポリグリセリン0.02g(ただし、比較例12、13はポリグリセリンを含まない。)を10mlの目盛りつき試験管(株式会社イワキ製)にとり、蒸留水を1.4g加えて溶解した。次いで、被乳化油として、菜種油(山桂産業株式会社製)、又は「コスモール41V(日清オイリオグループ株式会社製、ジグリセリンとメチル分岐型イソステアリン酸からなるモノエステル)」を1.0g加え、室温でペンシルミキサー(アズワン株式会社製、品番:「1−299−02」、撹拌棒2型使用、回転数:7000rpm)を用いて1分間撹拌した。2時間後の乳化物の離水層を測定して、界面活性剤組成物の乳化性能を評価した。なお、乳化力評価は上記(2)と同様の計算式により算出した。また、流動性については、乳化物調製後に試験管の上下を逆さまにし、10秒以内に乳化物が試験管の内壁を伝って流れ落ちてきた場合は「流動性あり」、流れ落ちずにそのままの形状を保った場合は「流動性なし」として評価した。なお、流動性がない場合は、目視での離水状態を判断できないため、乳化力の測定はできなかった。評価結果を表2に示す。
実施例1〜4で使用したモノアルキルエーテルと、テトラグリセリンモノラウリルエーテル(太陽化学株式会社製、商品名:サンイーサーL−4)を70/30の質量比で混合したモノアルキルエーテル(平均重合度nは3.9)と、実施例1〜4で使用したジアルキルエーテル(平均重合度mは5.0)を70/30の質量比で混合したものを、下記の乳化性能評価に使用した。
実施例1〜4で使用したモノアルキルエーテルと、テトラグリセリンモノラウリルエーテル(太陽化学株式会社製、商品名:サンイーサーL−4)を39/61の質量比で混合したモノアルキルエーテル(平均重合度nは4.1)と、実施例1〜4で使用したジアルキルエーテル(平均重合度mは5.0)を70/30の質量比で混合したものを、下記の乳化性能評価に使用した。
Claims (7)
- 下記式(1)及び(2)で表される化合物を含有する界面活性剤組成物であって、式(2)で表される化合物に対する式(1)で表される化合物の質量比〔(1)/(2)〕が、65/35〜75/25である、界面活性剤組成物。
- 下記工程(I)、(II)及び(III)を有する、請求項1又は2に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
工程(I):アルカリ性触媒の存在下で、グリセリンを脱水縮合してグリセリン重合物を得る工程
工程(II):工程(I)で得られたグリセリン重合物からグリセリン、又はグリセリンとジグリセリンを除去し、グリセリン含有量が5質量%以下、又はグリセリン含有量が5質量%以下かつジグリセリン含有量が40質量%以下のポリグリセリンを得る工程
工程(III):工程(II)で得られたポリグリセリンに、600〜5000ppmのチタンを含有するγ−アルミナ触媒の存在下、又はアルカリ性触媒の存在下で、グリシジルエーテルを付加反応させる工程 - 工程(III)において、アルカリ性触媒の使用量がポリグリセリンに対して0.02質量%より大きく0.8質量%以下であり、反応温度が180〜250℃である、請求項3に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
- 希土類元素の単純金属塩の存在下で、アルコールとグリシドールを反応させる、請求項1又は2に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の界面活性剤組成物を含む、乳化剤組成物。
- 請求項1又は2に記載の界面活性剤組成物を含む、洗浄剤用組成物。
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