JP2007231098A - 界面活性剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤を含有する香粧品や洗浄剤を製造するにあたり、容易に短時間で配合できる低粘度のエーテルカルボン酸型界面活性剤組成物を提供する。
【解決手段】 界面活性剤組成物の重量に基づいて、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤(A)を50〜99重量%、および40℃で1〜100mPa・sの粘度を有する流動パラフィン(B)を1〜50重量%含有することを特徴とする界面活性剤組成物である。
1O−(AO)k−R2COOM (1)
式中、R1は炭素数8〜24の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数8〜24の脂環式炭化水素基;R2は炭素数1〜3のアルキレン基;Aは炭素数2〜12のアルキレン基;kは(AO)の平均モル数であり1〜20;Mは水素原子およびカチオンから選ばれる1種以上を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は界面活性剤組成物に関する。さらに詳しくは流動パラフィンとエーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤組成物に関する。
従来、エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤は、各種の洗浄剤や香粧品に配合されて使用されている。しかし、これらのエーテルカルボン酸は粘度が非常に高い液体またはペースト状であり、他の成分と混合する場合にハンドリング性が悪く配合しにくいという欠点があった。
特に、低粘度の液体や水の配合割合が少なくてエーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤の配合割合が多い場合は、均一に溶解または分散させるためには、高動力の攪拌混合装置が必要で、かつ長時間を要していた。
エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤の配合例としては、例えば、油性クレンジング組成物用界面活性剤として、特許文献−1の実施例のようにポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウムが配合されている例があり、その粘度は特に記載されていないが、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム自身の粘度は20℃で8,000mPa・s以上であって、他の成分との混合には高動力の攪拌混合装置で長時間の作業が必要であった。
特開2005−239616号公報
エーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤を含有する香粧品や洗浄剤を製造するにあたり、高動力の攪拌混合装置が不要で、容易に短時間で配合できる低粘度のエーテルカルボン酸型界面活性剤組成物を見いだすことを課題とした。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、粘度が低くハンドリング性の向上したエーテルカルボン酸型界面活性剤組成物を見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤(A)[以下において、単に「エーテルカルボン酸型界面活性剤(A)」または「(A)」と表記する場合がある]を50〜99重量%、および40℃で1〜100mPa・sの粘度を有する流動パラフィン(B)[以下において、単に「流動パラフィン(B)」または「(B)」と表記する場合がある]を1〜50重量%含有することを特徴とする界面活性剤組成物、並びに該界面活性剤組成物を基剤として、(A)以外のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、炭素数1〜6の低級アルコール類、液状油、保湿剤、薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、コンディショニング剤、キレート剤、着色料、パール化剤、香料、防腐剤および水からなる群から選ばれる1種以上を配合してなる香粧品組成物である。
1O−(AO)k−R2COOM (1)
式中、R1は炭素数8〜24の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数8〜24の脂環式炭化水素基;R2は炭素数1〜3のアルキレン基;Aは炭素数2〜12のアルキレン基kは(AO)の平均モル数であり、1〜20;Mは水素原子およびカチオンから選ばれる1種以上を表す。
本発明の界面活性剤組成物は、粘度が低くハンドリング性に優れるため、香粧品組成物や洗浄剤組成物を製造するにあたり、水などの希釈溶剤に配合・溶解するときの溶解速度が速く、香粧品組成物の製造工程の短縮が図れるという効果がある。
本発明におけるエーテルカルボン酸型界面活性剤(A)は一般式(1)で表され、R1は、炭素数8〜24、好ましくは12〜20の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基など)または炭素数8〜24、好ましくは12〜20の脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、多環炭化水素基など)を表す。R1は炭素数8未満では界面活性能が低いため、これを配合して得られる香粧品組成物や洗浄剤組成物の各性能(洗浄力、可溶化力など)が低下し、炭素数が24を超えた場合の界面活性剤組成物はハンドリング性が劣る。
1のうち特に好ましいのは流動パラフィン(B)との相溶性の観点から分岐の脂肪族炭化水素基である。
一般式(1)中のR1のうち、炭素数8〜24の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、直鎖もしくは分岐のアルキル基(オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、2−エチルヘキシル、2−エチルオクチル、2−エチルデシル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルデシル、2−ヘキシルドデシルおよび2−オクチルドデシル基など);直鎖もしくは分岐のアルケニル基(オクテニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、2−エチルデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニルオレイルおよびガドレイル基など);および直鎖もしくは分岐のアルカジエニル基(リノレイル基など)が挙げられる。
R1のうち、炭素数8〜24の脂環式炭化水素基としては、単環式炭化水素基(エチルシクロヘキシル、プロピルシクロヘキシル、オクチルシクロヘキシルおよっびノニルシクロヘキシル基など)および多環式炭化水素基(アダマンチル基など)が挙げられる。
一般式(1)中、R2は炭素数1〜3のアルキレン基を表す。R2は炭素数3を超えると界面活性剤組成物の粘度が低下しにくい。R2の具体例としては、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレンおよび1,3−プロピレン基が挙げられる。
一般式(1)中、Aは炭素数2〜12、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜4、特に好ましくは炭素数2または3のアルキレン基を表し、(AO)の部分は炭素数2〜12のアルキレンオキサイド(b1)の付加により形成される。このようなアルキレンオキサイド(b1)としては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−または2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイドなどが挙げられる。好ましくはEOおよび/またはPOである。これらは単独で付加されていても、ブロック付加またはランダム付加されていてもよい。
本発明におけるエーテルカルボン酸型界面活性剤(A)は、(AO)kの部分がポリオキシアルキレン鎖であり、その分子量は通常は分布を有する。 従って、一般式(1)におけるkは、複数のポリオキシアルキレン鎖のそれぞれの付加モル数の平均値であり、通常1〜20、好ましくは1〜12である。kが20を超えると、流動パラフィン(B)との相溶性が劣る。なお、kは平均値であるので、整数であるとは限らない。
一般式(1)中、Mは水素原子およびカチオンから選ばれる1種以上を表す。カチオンには1価と2価のカチオンが挙げられる。
1価のカチオンには、アルカリ金属カチオン、アンモニウムイオン、有機アミンカチオン、四級アンモニウムカチオン、塩基性アミノ酸カチオンおよびこれらの2種以上の併用が含まれる。
アルカリ金属カチオンを構成するアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムおよびリチウムなどが挙げられる。
有機アミンカチオンを構成する有機アミンとしては、一級、二級および三級の脂肪族アミン(炭素数1〜20のアルキル基および/または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するアミン:例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミンおよびモノプロパノールアミンなど)、脂環式アミン(シクロヘキシルアミンおよびジシクロヘキシルアミンなど)、芳香族アミン(アニリンおよびトルイジンなど)、芳香複素環アミン(ピリジンおよびキノリンなど)、複素環アミン(モルホリン、N−メチルモルホリンおよびピペラジンなど)、およびこれらの環状アミンのN位の炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体(N−ヒドロキシエチルモルホリンなど)が挙げられる。
四級アンモニウムカチオンを構成する四級アンモニウムとしては、脂肪族および脂環族四級アンモニウム、例えばテトラ(シクロ)アルキルアンモニウム[炭素数1〜12のアルキル基(メチル、エチル、プロピルブチル、ヘキシル、オクチルおよびドデシル基など)および/またはシクロアルキル基(シクロヘキシル基など)を有する;4つの(シクロ)アルキル基は同一でも異なっていてもよい。]などが挙げられる。
塩基性アミノ酸カチオンを構成する塩基性アミノ酸としては、リジンおよびアルギニンなどが挙げられる。
なお、(シクロ)アルキル基は、アルキル基および/またはシクロアルキル基を表し、以下同様の表現を用いる。
2価のカチオンとしては、アルカリ土類金属カチオン、例えばマグネシウムカチオンおよびカルシウムカチオンなどが挙げられ、2価のカチオンの場合のMは例えば1/2Mgまたは1/2Caとなる。
Mは水素原子およびカチオンから任意に1種以上が選ばれることができるが、香粧品組成物や洗浄剤組成物の各性能(例えば、洗浄力または可溶化力など)の観点から、好ましくはMのうちの40モル%未満、さらに好ましくは20モル%未満が水素原子であり、好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上がカチオンである。
なお、本発明におけるエーテルカルボン酸型界面活性剤(A)において、Mが水素原子である場合を酸型のエーテルカルボン酸型界面活性剤と表現し、Mがカチオンである場合を塩型のエーテルカルボン酸型界面活性剤と表現する。
本発明におけるエーテルカルボン酸型界面活性剤(A)の製造は、通常、主として下記の工程を経て行われる。
工程(1):一般式ROH[Rは一般式(1)におけると同じ]で示されるアルコール(a1)に炭素数2〜12のアルキレンオキサイド(b1)を付加するアルキレンオキサイド付加物(a2)を得る工程。
工程(2):(a2)をハロゲン化カルボン酸アルカリ金属塩などによりカルボキシアルキル化する工程。
工程(3):系内を酸性にして、水洗・分液し、副生したハロゲン化アルカリ金属塩を除去し、精製して、酸型のエーテルカルボン酸型界面活性剤を得る工程。
工程(4):アルカリ性物質を用いて中和し、少なくとも一部に塩型のエーテルカルボン酸型界面活性剤を含むエーテルカルボン酸型界面活性剤を得る工程。
なお、酸型のエーテルカルボン酸型界面活性剤のみを得る場合は、工程(4)は不要である。
工程(1)の反応方法としては、(a1)に触媒および必要により溶媒を仕込み、窒素置換を行った後、−0.8〜5MPaで、80〜200℃で(b1)を導入し、所定量の(b1)を圧入後、80〜200℃で反応系内の圧力が平衡になるまで熟成を行う方法などが挙げられる。
触媒としては、アルカリ触媒(アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなど、好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム)、ルイス酸触媒(四塩化スズ、五塩化アンチモン、三塩化鉄、三フッ化ホウ素など)、過ハロゲン酸もしくはその塩、硫酸もしくはその塩、燐酸もしくはその塩、および硝酸もしくはその塩などが挙げられる。塩を形成する場合の金属は、特に限定されるものではないが、アルカリ金属以外のものが好ましく、2価または3価の金属(Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu、Alであり、より好ましくは、Mg、Zn、Ca、Sr、Ba、Alであり、特に好ましくはMg、Zn、Al)が好ましい。
過ハロゲン酸(塩)のハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、塩素が好ましい。また、アルキレンオキサイド(b1)の付加反応に複数の工程(ブロック付加など)がある場合は、最初の工程で使用した触媒と後の工程で使用する触媒は、異なっていてもよいし、同じでもよい。
触媒の使用量としては、反応速度と経済性の点から、仕上がり量の合計100重量部当たり、0.001〜1重量部が好ましい。さらに好ましくは0.003〜0.8重量部、特に好ましくは0.005〜0.5重量部である。
また触媒、溶媒および触媒の使用量などは、特開平2001−011489号公報に記載のもの、もしくは使用量も適用できる。
工程(1)において使用するアルコール(a1)は、天然アルコールでも合成アルコール(チーグラーアルコール、オキソアルコールおよびセカンダリーアルコールなど)でもよく、1級アルコールでも2級アルコールでもよい。
OHのうち、特に好ましいのはRが分岐脂肪族炭化水素基であることから、分岐鎖を有するアルコールを含むアルコール、特に合成アルコール、とりわけオキソアルコールおよびセカンダリーアルコールが好ましい。オキソアルコールの市販品としてはドバノール、ダイヤドール(三菱化学株式会社製)、オキソコール(協和油化株式会社製)およびネオドール(シェル化学株式会社製)など、セカンダリーアルコールの市販品としてはアイソフォール(サソールオレフィンズ アンド サーファクタンツ社製)およびソフタノール(株式会社日本触媒製)などが挙げられる。
アルキレンオキサイド(b1)としては、上記のEOおよびPOなどが挙げられる。
工程(2)のカルボキシアルキル化する工程におけるモノハロゲン化低級カルボン酸アルカリ金属塩としては、モノクロル酢酸ナトリウム、モノクロル酢酸カリウム、モノブロム酢酸ナトリウムおよびモノブロム酢酸カリウムなどが挙げられる。
(a2)とモノハロゲン化低級カルボン酸アルカリ金属塩のモル比は1.0:0.95〜1.0:1.5、反応温度は通常30〜100℃、好ましくは40〜70℃で、必要に応じてトルエンなどの揮発性溶剤を用い、苛性アルカリを徐々に加えながら窒素雰囲気中で反応を行うことができる。
反応の終点を決定するためのカルボキシアルキル化反応率の測定は、下記の条件にて液体クロマトグラフィーを用いて行うことができる。
液体クロマトグラフィー測定条件
カラム :ODS系、6mmΦ×15cm
カラム温度 :40℃
溶離液 :メタノール/水=90/10
流量 :1ml/min
試料濃度 :10%
注入量 :10μl
反応の終点はカルボキシアルキル化反応率が90%以上となるところであり、好ましくは、95%以上となるところである。
工程(3)の精製工程において使用できる酸は、塩酸および硫酸などの鉱酸が好ましい。
酸を加えて酸型のエーテルカルボン酸とすることで、反応中に副生した塩の水溶液との分離がしやすくなる。酸の仕込み当量は、工程(2)における苛性アルカリの当量の1.0〜1.5当量が好ましい。また、水洗・分液がしやすいように、適宜、水を追加してもよい。なお、工程(2)において揮発性溶剤を使用した場合は、工程(3)での分液の後、溶剤を留去してもよい。
工程(4)の少なくとも一部に塩型のエーテルカルボン酸型界面活性剤を含むエーテルカルボン酸型界面活性剤を得る工程において使用できるアルカリ性物質は、一般式(1)におけるカチオンMを形成するアルカリ性物質であり、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア、有機アミン、塩基性アミノ酸および四級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
アルカリ性物質の仕込み量は、前述のように、一般式(1)におけるMのうちの、好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上がカチオンとなるような量である。
本発明におけるエーテルカルボン酸型界面活性剤(A)の具体例としては、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=3)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、およびポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=4〜5)ラウリルエーテル酢酸などが挙げられる。
本発明におけるエーテルカルボン酸型界面活性剤(A)は単独で又は2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。
本発明の界面活性剤組成物における必須成分である流動パラフィン(B)は40℃で1〜100mPa・s、好ましくは1〜70mPa・sの粘度を示す。粘度が100mPa・sを超える流動パラフィンを使用すると界面活性剤組成物の粘度の低下が少なくなる。本発明における粘度はB型回転粘度計により測定することができる。
流動パラフィン(B)の市販品としては「Carnation」(Witco Performance Chemicals社製、40℃での粘度=12mPa・sなどが挙げられる。
本発明の界面活性剤組成物は、上記のエーテルカルボン酸型界面活性剤(A)および流動パラフィン(B)を必須成分とし、それぞれの含有量は以下の通りである。
エーテルカルボン酸型界面活性剤(A)は、界面活性剤組成物の重量に基づいて50〜99重量%、好ましくは60〜95%(以下において、%は特に限定しない限り重量%を表す)、さらに好ましくは70〜90%含有する。
(A)が50%未満では、界面活性剤組成物にさらにその他の成分を配合して香粧品組成物や洗浄剤組成物とした場合に、さらに(A)が希釈されるので、(A)が高濃度の香粧品組成物や洗浄剤組成物を調製することができなくなり、(A)を含有する製品の配合比率の選択性が狭くなる。また、(A)が99%を超えると、粘度の低下の効果が低い。
流動パラフィン(B)は、界面活性剤組成物の重量に基づいて1〜50%、好ましくは5〜40%、さらに好ましくは10〜30%含有する。
1%未満では粘度の低下の効果が低く、50%を超えて配合されると香粧品組成物や洗浄剤組成物の(B)を含有する製品の配合比率の選択性が低くなる。
本発明の界面活性剤組成物は低粘度であり、20℃において通常2,000mPa・s以下、好ましくは100〜1,500mPa・sの粘度を有する。
本発明の界面活性剤組成物の製造は、以下の方法が挙げられる。
製造方法(1):精製された塩型を含むエーテルカルボン酸型界面活性剤を製造した後、すなわち前記の工程(4)の後で流動パラフィン(B)を混合する方法。
製造方法(2):エーテルカルボン酸型界面活性剤の製造工程の途中で流動パラフィン(B)を混合する方法。
これらのうち、混合時の粘度が低く、配合しやすいという観点から、好ましいのは製造方法(2)である。
製造方法(2)において、流動パラフィン(B)を混合する工程としては、前記の工程(1)〜工程(4)の間であれば特に限定されないが、好ましいのは、30モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは100モル%が酸型のエーテルカルボン酸型界面活性剤の状態である工程が好ましい。すなわち、一般式(1)におけるMのうちの30モル%以上が水素原子である工程において(B)を混合して得られる界面活性剤組成物が好ましい。酸型のエーテルカルボン酸型界面活性剤であれば粘度が低いので、流動パラフィン(B)が配合しやすくなる。そのような工程としては、例えば、前記の工程(3)の後、すなわち工程(4)の前が挙げられる。
本発明の界面活性剤組成物は、エーテルカルボン酸型界面活性剤と流動パラフィンを含む各種の組成物を調製するに当たり容易に配合できるので基剤としてのハンドリング性に優れている。
本発明の界面活性剤組成物は、各種の組成物に配合する基剤として使用することができる。各種の組成物としては、香粧品組成物および住居用洗浄剤組成物などが挙げられる。香粧品組成物としては、メーク落とし用クレンジング組成物、洗顔料、ボディソープ、ヘアーシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、皮膚保湿剤、パック剤、日焼け止め化粧料、整髪料、マッサージクリーム、ひげそり用化粧料等が挙げられる。住居用洗浄剤組成物としては、床みがき用洗浄剤、レンジまわり用洗浄剤などが挙げられる。
これらのうち、本発明の界面活性剤組成物はエーテルカルボン酸型界面活性剤を高濃度に含むという観点から、香粧品用基剤に適しており、特に、メーク落とし用油性クレンジング組成物に適している。
本発明の香粧品組成物は、上記の香粧品基剤、並びにノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、他のアニオン界面活性剤、炭素数1〜6の低級アルコール類、他の液状油、保湿剤、薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、コンディショニング剤、キレート剤、着色料、パール化剤、香料、防腐剤および水からなる群から選ばれる1種以上を配合してなる香粧品組成物である。
ノニオン界面活性剤としては、脂肪族系アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)脂肪族系炭化水素(炭素数8〜24)ジエーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=20)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=30)等]、多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8,重合度=1〜100)多価(2価〜10価またはそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノラウリン酸ポリオキシエチレン(重合度=10)ソルビタン、ポリオキシエチレン(重合度=50)ジオレイン酸メチルグルコシド等]、脂肪酸アルカノールアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数1〜22)フェニルエーテル、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)アルキル(炭素数8〜24)アミノエーテルおよびアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオキシド等]等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[塩化トリメチルアルキルアンモニウム等]、アルキル(炭素数1〜4)硫酸高級脂肪酸アミノアルキル(炭素数2〜4)トリアルキル(炭素数1〜4)アンモニウム塩[エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]、アミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩、オレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。
他の[(A)以外の]アニオン界面活性剤としては、炭素数8〜24の炭化水素系硫酸エステル塩[ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム]、炭素数8〜24の炭化水素系スルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]及び炭素数8〜24の炭化水素系リン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン等]、アシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]が挙げられる。
炭素数1〜6の低級アルコールとしては、1価アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなど)および2〜4価の多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリンおよびジグリセリンなど)が挙げられる。
他の[(B)以外の]液状油としては、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ(2−エチルヘキサン酸)グリセリル、ジネオペンタン酸トリプロピレンポリグリコールなどの合成エステル油、スクワランなどの炭化水素油、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油、紅花油、サンフラワー油、ローズマリー油、ホホバ油、マカデミアナッツ油などの植物油などを用いることができる。
保湿剤としては、上記炭素数1〜6のアルコールの他、ソルビトール、乳酸ナトリウム、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどが挙げられる。抗炎症剤としては、β−グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、ヒドロコルチゾンなどが挙げられる。
殺菌剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバンなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体等が挙げられる。
酸化防止剤としては、トコフェロール類、BHT、没食子酸エステル類等が挙げられる。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のナトリウム塩、クエン酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
着色料としては、特には限定されないが、青色1号、青色2号、緑色3号、赤色1号等が挙げられ、化粧品に使用することができるものは、全て使用可能である。
香料としては、d−リモネン、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、リナロール、ファルネソール、β−フェニルエチルアルコール,2,6−ノナジエナール、シトラール、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、β−イオノン、l−カルボン、シクロペンタデカノン、リナリルアセテート、ベンジルベンゾエート、γ−ウンデカラクトン、オイゲノール、ローズオキサイド等が挙げられる。
防腐剤としては安息香酸、安息香酸塩類、サリチル酸、サリチル酸塩類、フェノール、ソルビン酸、ソルビン酸塩類、パラオキシ安息香酸エステル、クロルクレゾール、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸塩などが挙げられる。
本発明の香粧品組成物における上記の基剤の含有量は、香粧品組成物中に基剤として通常5〜80%、好ましくは10〜70%含有することが好ましい。
また、水、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、他のアニオン界面活性剤、炭素数1〜6の低級アルコール類、他の液状油および保湿剤のそれぞれの添加量は、本発明の香粧品組成物の重量に基づいて、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%であり、これらの合計の添加量は好ましくは0〜20%である。
薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、コンディショニング剤、キレート剤、着色料、パール化剤、香料および防腐剤のそれぞれの添加量は、本発明の香粧品組成物の重量に基づいて、好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜2%であり、これらの合計の添加量は好ましくは0〜10%である。
また本発明の香粧品組成物の形態は、油性液状製剤、ゲル状製剤、クリーム状製剤、エアゾール製剤、シート含浸製剤または固状製剤など特に限定されないが、好ましくは油性液状製剤である。
本発明の香粧品組成物の製造方法は、特に限定されず、その形態により異なる。例えば、油性液状製剤の場合は、本発明の基剤に必要によりその他の成分を均一に混合して得ることができる。
ゲル状製剤およびクリーム状製剤の場合は、水に基剤以外の成分のうちの水溶性成分を加えて70℃に加熱したものに、70℃に加熱した本発明の基剤とその他の油溶性成分の混合物を徐々に添加し、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、必要により、脱気、ろ過して得ることができる。
エアゾール製剤の場合は、エアゾール化するための揮発性成分としてジメチルエーテルなどを使用することができる。
シート含浸製剤としては、不織布などのシートに上記液状製剤をシートの重量に対して500重量%以下を含浸させることによって得られる。
本発明の香粧品組成物は特にクレンジング用であることが好ましい。
メーク落としのための油性クレンジング組成物の代表的な配合組成は例えば以下の通りである。
・本発明の基剤 10〜50%
内訳は、 エーテルカルボン酸型界面活性剤(A) 6〜49.5% 流動パラフィン(B) 0.5〜24.7%
・(A)以外の界面活性剤 0.1〜5%
・(B)以外の液状油 45.1〜89.9%
・保湿剤 0〜10%
・香料 0〜2%
・着色料 0〜2%
・防腐剤 0〜2%
・水 0〜2%
<実施例>
以下、実施例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
実施例1
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、「アイソフォール18T」(サソールオレフィンズ アンド サーファクタンツ社製:炭素数16〜20のセカンダリーアルコール)を276部(1モル)およびナトリウムメチラート28%メタノール溶液8部を仕込み、混合した後、系内の気相を窒素で置換した。その後、減圧下(20mmHg)に、120℃にて2時間脱メタノールを行った。次いでEO220部(5モル)を、150℃にてゲージ圧が0.1〜0.3MPaとなるように導入した。EOの付加重合に要した時間は3時間であった。
撹拌および温度調節機能の付いたガラス製反応容器に上記生成物372部(0.75モル)とモノクロル酢酸ナトリウム87部(0.83モル)を仕込み、温度を50℃に保ちながら徐々に減圧度を高め75mmHgとした。その後、減圧下に脱水しながら顆粒状の水酸化ナトリウム34部(0.84モル)を2時間かけて仕込んだ。さらに熟成を6時間行った。液体クロマトグラフィーを用い測定したカルボキシアルキル化反応率は93%であった。水250部を加え、35%の塩酸92部で酸性にし、30分間攪拌した後、3時間静置し、分液して副生塩を含有する下液を廃棄した。流動パラフィン(40℃での粘度:12mPa・s、「Carnation」:Witco Performance Chemicals社製)113部を加えて均一になるまで攪拌後、60℃にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液57部(0.69モル)を徐々に加えて中和し、その後、水分量が0.5%になるまで減圧下に脱水して界面活性剤組成物(A1)が得られた。
(A1)は、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=5モル)アルキル(炭素数16〜20のセカンダリーアルコールの残基)酢酸ナトリウムを74%、未反応物を6%、および流動パラフィン「Carnation」を20%含有する。
実施例2
EOの仕込み量を352部(8モル)とし、カルボキシアルキル化に使用したEO付加物の仕込み量を471部(0.75モル)とし、流動パラフィンの仕込み量を138部としたこと以外は実施例1と同様にして界面活性剤組成物(A2)を得た。カルボキシアルキル化反応率は94%であった。
(A2)は、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=8モル)アルキル(炭素数16〜20のセカンダリーアルコールの残基)酢酸ナトリウムを75%、未反応物を5%、および流動パラフィン「Carnation」を20%含有する。
実施例3
「アイソフォール18T」の代わりに「ダイヤドール45」(三菱化学株式会社製:炭素数14、15のオキソアルコール)を218部(1モル)とし、カルボキシアルキル化に使用したEO付加物の仕込み量を329部(0.75モル)とし、流動パラフィンの仕込み量を102部としたこと以外は実施例1と同様にして界面活性剤組成物(A3)を得た。カルボキシアルキル化反応率は93%であった。
(A3)は、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=5モル)アルキル(炭素数14、15のオキソアルコールの残基)酢酸ナトリウムを74%、未反応物を6%、および流動パラフィン「Carnation」を20%含有する。
実施例4
「アイソフォール18T」の代わりに「オキソコールC−13」(協和発酵ケミカル株式会社製:炭素数13のオキソアルコール)を197部(1モル)とし、EOの仕込み量を154部(3.5モル)とし、カルボキシアルキル化に使用したEO付加物の仕込み量を263部(0.75モル)とし、流動パラフィンの仕込み量を86部としたこと以外は実施例1と同様にして界面活性剤組成物(A4)を得た。カルボキシアルキル化反応率は95%であった。
(A4)は、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=3.5モル)アルキル(炭素数13のオキソアルコールの残基)酢酸ナトリウムを76%、未反応物を4%、および流動パラフィン「Carnation」を20%含有する。
比較例1
中和の前に流動パラフィンを加えなかったこと以外は実施例1と同様にしてエーテルカルボン酸型界面活性剤(B1)を得た。
(B1)は、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=5モル)アルキル(炭素数16〜20のセカンダリーアルコールの残基)酢酸ナトリウムを93%含有し、その他の成分は未反応物である。
比較例2
中和の前に流動パラフィンを加えなかったこと以外は実施例2と同様にしてエーテルカルボン酸型界面活性剤(B2)を得た。
(B2)は、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=8モル)アルキル(炭素数16〜20のセカンダリーアルコールの残基)酢酸ナトリウムを94%含有し、その他の成分は未反応物である。
比較例3
中和の前に流動パラフィンを加えなかったこと以外は実施例3と同様にしてエーテルカルボン酸型界面活性剤(B3)を得た。
(B3)は、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=5モル)アルキル(炭素数14、15のオキソアルコールの残基)酢酸ナトリウムを93%含有し、その他の成分は未反応物である。
比較例4
中和の前に流動パラフィンを加えなかったこと以外は実施例4と同様にしてエーテルカルボン酸型界面活性剤(B4)を得た。
(B4)は、ポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=3.5モル)アルキル(炭素数13のオキソアルコールの残基)酢酸ナトリウムを95%含有し、その他の成分は未反応物である。
上記の実施例で得られた界面活性剤組成物(A1)〜(A4)、および比較例で得られたエーテルカルボン酸型界面活性剤(B1)〜(B4)の粘度を測定した結果を表1に示す。
粘度の測定法は、前述の方法、すなわちB型粘度計(20℃:ローターNo.3、回転数12または30rpm)で測定した。
上記の(A1)〜(A4)および(B1)〜(B4)を用いて、クレンジング用香粧品組成物を調製し、調製しやすさを評価した。
調製方法および評価方法は以下の通りである。
(1)200mL三角フラスコに(A1)〜(A4)および(B1)〜(B4)以外の成分を下記の仕込み量で入れて25℃に温調する。
(2)マグネティックスターラーにより150rpmで攪拌しながら、(A1)〜(A4)または(B1)〜(B4)を下記の仕込み量で加えて、透明均一に溶解するまでの時間(分)を測定した。
クレンジング用香粧品組成物の配合組成は以下の通りであり、いずれも香粧品組成物中のエーテルカルボン酸型界面活性剤の含有量がほぼ同等量になるようにした。
実施例5〜8:
(A1)〜(A4)のうちのいずれか1種 12.5部
合成エステル油(パルミチン酸オクチル) 82.3部
低級アルコール(グリセリン) 5.0部
香料(リナロール) 0.2部
比較例5〜8:
(B1)〜(B4)のうちのいずれか1種 10.0部
流動パラフィン「Carnation」 2.5部
合成エステル油(パルミチン酸オクチル) 82.3部
低級アルコール(グリセリン) 5.0部
香料(リナロール) 0.2部
表1および表2から分かるように本発明の組成物である実施例1〜4では比較例1〜4に比べ、粘度が低いためハンドリング性に優れ、他の成分に対する溶解速度が速い。
本発明の界面活性剤組成物は、粘度が低くハンドリング性に優れるため、該界面活性剤組成物を基剤とする香粧品組成物および各種の洗浄剤組成物の製造時に効率よく製造できる。香粧品組成物としては、メーク落とし用クレンジング組成物、洗顔料、ボディソープ、ヘアーシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、皮膚保湿剤、パック剤、日焼け止め化粧料、整髪料、マッサージクリーム、ひげそり用化粧料等が挙げられる。洗浄剤組成物としては、住居用洗浄剤組成物などが挙げられ、例えば床みがき用洗浄剤、レンジまわり用洗浄剤などが挙げられる。
これらのうち、本発明の界面活性剤組成物はエーテルカルボン酸型界面活性剤を高濃度に含むという観点から、特に香粧品用基剤、とりわけメーク落とし用油性クレンジング組成物の基剤として適している。

Claims (9)

  1. 界面活性剤組成物の重量に基づいて、一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸型アニオン性界面活性剤(A)を50〜99重量%、および40℃で1〜100mPa・sの粘度を有する流動パラフィン(B)を1〜50重量%含有することを特徴とする界面活性剤組成物。
    1O−(AO)k−R2COOM (1)
    [式中、R1は炭素数8〜24の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数8〜24の脂環式炭化水素基;R2は炭素数1〜3のアルキレン基;Aは炭素数2〜12のアルキレン基;kは(AO)の平均モル数であり1〜20;Mは水素原子およびカチオンから選ばれる1種以上を表す。]
  2. 一般式(1)においてR1が炭素数8〜24の分岐の脂肪族炭化水素基である請求項1記載の界面活性剤組成物。
  3. 一般式(1)におけるMのうちの40モル%未満が水素原子であり、60モル%以上がカチオンである請求項1または2記載の界面活性剤組成物。
  4. 該エーテルカルボン酸型界面活性剤(A)の製造工程の途中で該流動パラフィン(B)を混合して得られる請求項1〜3のいずれか記載の界面活性剤組成物。
  5. 該エーテルカルボン酸型界面活性剤(A)の製造工程のうちの、一般式(1)におけるMのうちの30モル%以上が水素原子である工程において、該流動パラフィン(B)を混合して得られる請求項4記載の界面活性剤組成物。
  6. 20℃において2,000mPa・s以下の粘度を有する請求項1〜5のいずれか記載の界面活性剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の界面活性剤組成物からなる香粧品用基剤。
  8. 請求項7記載の香粧品用基剤、並びにノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、他のアニオン界面活性剤、炭素数1〜6の低級アルコール類、他の液状油、保湿剤、薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、コンディショニング剤、キレート剤、着色料、パール化剤、香料、防腐剤および水からなる群から選ばれる1種以上を配合してなる香粧品組成物。
  9. クレンジング用である請求項8記載の香粧品組成物。
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