JP5027428B2 - 油性クレンジング用組成物 - Google Patents
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本発明は、十分な洗浄力を備えた上で、1回の洗顔でも十分にさっぱりと洗い上げることができ、無臭で、かつ皮膚刺激性の少ない油性クレンジング用組成物を提供することを課題とした。
R1O−(AO)k−R2COOM (1)
高級アルコールとしては、炭素数10〜24のもの、例えばヤシ油アルコール、セチルアルコール、イソステアリルアルコールおよび2−オクチルドデカノールなどが挙げられる。
高級脂肪酸としては、炭素数10〜24のもの、例えば、ヤシ油脂肪酸およびイソステアリン酸などが挙げられる。
合成エステル油としては、炭素数10〜24の高級脂肪酸のアルキル(アルキル基の炭素数は1〜18)エステル(例えばミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸オクチルおよび2‐エチルヘキサン酸セチルなど)、多価カルボン酸のアルキルエステル(例えばリンゴ酸ジイソステアリルなど)、並びに多価アルコールのカルボン酸エステル{例えばトリ(2‐エチルヘキサン酸)グリセリルおよびジネオペンタン酸トリプロピレンポリグリコールなど}が挙げられる。
シリコーン油としては、メチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサンなどが挙げられる。
植物油としては、紅花油、サンフラワー油、ローズマリー油、ホホバ油、マカダミアナッツ油、オリーブ油、ツバキ油およびヒマシ油などが挙げられる。
これらの液状油(A)は単独で又は2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。
R1のうち炭素数8〜24の脂環式炭化水素基としては、単環式炭化水素基(エチルシクロヘキシル、プロピルシクロヘキシル、オクチルシクロヘキシル、ノニルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基)および多環式炭化水素基(アダマンチル基など)が挙げられる。
R1が脂肪族炭化水素基で炭素数が14以下の場合、もしくはR1が脂環式炭化水素基で炭素数が7以下の場合は、エーテルカルボン酸型界面活性剤の臭気があり無臭にはならない、また、洗い上がりがさっぱりとすることが少なく、さらには皮膚刺激性もある。
また、R1の炭素数が24を超えると洗浄力が劣る。
R1のうち好ましいのは、水に対する乳化安定性が良好であること、臭気および皮膚刺激性の観点から、炭素数15〜24の分岐脂肪族炭化水素基、特に炭素数16〜20の分岐脂肪族炭化水素基である。
1価のカチオンには、アルカリ金属カチオン、アンモニウムイオン、有機アミンカチオン、四級アンモニウムカチオン、塩基性アミノ酸カチオンおよびこれらの2種以上の併用が含まれる。
アルカリ金属カチオンを構成するアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムおよびリチウムなどが挙げられる。
有機アミンカチオンを構成する有機アミンとしては、一級、二級および三級の脂肪族アミン(炭素数1〜20のアルキル基および/または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するアミン:例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミンおよびモノプロパノールアミンなど)、脂環式アミン(シクロヘキシルアミンおよびジシクロヘキシルアミンなど)、芳香族アミン(アニリンおよびトルイジンなど)、芳香複素環アミン(ピリジンおよびキノリンなど)、複素環アミン(モルホリン、N−メチルモルホリンおよびピペラジンなど)、およびこれらの環状アミンのN位の炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体(N−ヒドロキシエチルモルホリンなど)が挙げられる。
四級アンモニウムカチオンを構成する四級アンモニウムとしては、脂肪族および脂環族四級アンモニウム、例えばテトラ(シクロ)アルキルアンモニウム[炭素数1〜12のアルキル基(メチル、エチル、プロピルブチル、ヘキシル、オクチルおよびドデシル基など)および/またはシクロアルキル基(シクロヘキシル基など)を有する;4つの(シクロ)アルキル基は同一でも異なっていてもよい。]などが挙げられる。
塩基性アミノ酸カチオンを構成する塩基性アミノ酸としては、リジンおよびアルギニンなどが挙げられる。
なお、(シクロ)アルキル基は、アルキル基および/またはシクロアルキル基を表し、以下同様の表現を用いる。
2価のカチオンとしては、アルカリ土類金属カチオン、例えばマグネシウムカチオンおよびカルシウムカチオンなどが挙げられ、2価のカチオンの場合のMは例えば1/2Mgまたは1/2Caとなる。
なお、本発明におけるエーテルカルボン酸型界面活性剤(B)において、Mが水素原子である場合を酸型のエーテルカルボン酸型界面活性剤と表現し、Mがカチオンである場合を塩型のエーテルカルボン酸型界面活性剤と表現する。
工程(1):一般式R1OH[R1は一般式(1)におけると同じ]で示されるアルコール(a1)に炭素数2〜12のアルキレンオキサイド(b1)を付加してアルキレンオキサイド付加物(a2)を得る工程。
工程(2):(a2)をハロゲン化カルボン酸アルカリ金属塩などによりカルボキシアルキル化する工程。
工程(3):系内を酸性にして、水洗・分液し、副生したハロゲン化アルカリ金属塩を除去し、精製して、酸型のエーテルカルボン酸型界面活性剤を得る工程。
工程(4):アルカリ性物質を用いて中和し、少なくとも一部に塩型のエーテルカルボン酸型界面活性剤を含むエーテルカルボン酸型界面活性剤を得る工程。
なお、酸型のエーテルカルボン酸型界面活性剤のみを得る場合は、工程(4)は不要である。
触媒としては、アルカリ触媒(アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなど、好ましくは水酸化カリウム、水酸化セシウム)、ルイス酸触媒(四塩化スズ、五塩化アンチモン、三塩化鉄、三フッ化ホウ素など)、過ハロゲン酸もしくはその塩、硫酸もしくはその塩、燐酸もしくはその塩、および硝酸もしくはその塩などが挙げられる。
塩を形成する場合の金属は、特に限定されるものではないが、アルカリ金属以外のものが好ましく、2価または3価の金属(Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu、Alであり、より好ましくは、Mg、Zn、Ca、Sr、Ba、Alであり、特に好ましくはMg、Zn、Al)が好ましい。
過ハロゲン酸(塩)のハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、塩素が好ましい。また、アルキレンオキサイド(b1)の付加反応に複数の工程(ブロック付加など)がある場合は、最初の工程で使用した触媒と後の工程で使用する触媒は、異なっていてもよいし、同じでもよい。
触媒の使用量としては、反応速度と経済性の点から、仕上がり量の合計100重量部当たり、0.001〜1重量部が好ましい。さらに好ましくは0.003〜0.8重量部、特に好ましくは0.005〜0.5重量部である。
また触媒、溶媒および触媒の使用量などは、特開平2001−011489号公報に記載のもの、もしくは使用量も適用できる。
R1OHのうち、特に好ましいのはR1が分岐脂肪族炭化水素基であることから、分岐鎖を有するアルコールを含むアルコール、特に合成アルコール、とりわけオキソアルコールおよびセカンダリーアルコールが好ましい。オキソアルコールの市販品としてはドバノール、ダイヤドール(三菱化学株式会社製)、オキソコール(協和油化株式会社製)およびネオドール(シェル化学株式会社製)など、セカンダリーアルコールの市販品としてはアイソフォール(サソールオレフィンズ アンド サーファクタンツ社製)およびソフタノール(株式会社日本触媒製)などが挙げられる。
反応条件としては、(a2)とモノハロゲン化低級カルボン酸アルカリ金属塩のモル比は1.0:0.95〜1.0:1.5、反応温度は通常30〜100℃、好ましくは40〜70℃で、必要に応じてトルエンなどの揮発性溶剤を用い、苛性アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を徐々に加えながら窒素雰囲気中で行うことができる。
酸を加えて酸型のエーテルカルボン酸とすることで、反応中に副生した塩の水溶液との分離がしやすくなる。酸の仕込み当量は、工程(2)における苛性アルカリの当量の1.0〜1.5当量が好ましい。また、水洗・分液がしやすいように、適宜、水を追加してもよい。なお、工程(2)において揮発性溶剤を使用した場合は、工程(3)での分液の後、溶剤を留去してもよい。
その他の成分(C)としては、1価アルコール、多価アルコール剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、他の{(B)以外の}アニオン性界面活性、ゲル化剤、薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色素、香料並びに水等が挙げられる。
ゲル化剤、薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色素または香料のそれぞれの添加量は、本発明の油性クレンジング用組成物の重量に基づいて好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜2%であり、これらの合計の添加量は好ましくは0〜10%である。
また、本発明の油性クレンジング用組成物の重量に基づいて、(C)の合計の添加量は好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0〜15%、特に好ましくは0〜5%である。
(1)予め液状油(A)とエーテルカルボン酸型界面活性剤(B)を混合して均一透明液状物を調製し、必要により、さらにその他の成分(C)を添加して混合する方法。
(2)予め液状油(A)とエーテルカルボン酸型界面活性剤(B)を混合することなく、その他の成分(C)も含めて、各成分を特に順序を限定せずに混合する方法。
エアゾール製剤の場合は、エアゾール化するための揮発性成分としてジメチルエーテルなどを使用することができる。
シート含浸製剤としては、不織布などのシートに上記液状製剤をシートの重量に対して500重量%以下を含浸させることによって得られる。
液状油(A) ・炭化水素(流動パラフィン等) 40〜70%
・合成エステル油(パルミチン酸オクチル等) 10〜30%
・その他の油分(シリコーン油、植物油等) 0.1〜30%
界面活性剤 ・エーテルカルボン酸型界面活性剤(B) 10〜25%
・その他の界面活性剤 0〜5%
保湿成分(多価アルコール等) 0〜10%
香料 0〜2%
色素 0〜2%
防腐剤 0〜2%
水 0〜2%
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を、%は重量%を意味する。
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、「アイソフォール18T」(サソールオレフィンズ アンド サーファクタンツ社製:炭素数16〜20のセカンダリーアルコール)を276部(1モル)およびナトリウムメチラート28%メタノール溶液8部を仕込み、混合した後、系内の気相を窒素で置換した。その後、減圧下(20mmHg)に、120℃にて2時間脱メタノールを行った。次いでEO132部(3モル)を、150℃にてゲージ圧が0.1〜0.3MPaとなるように導入した。EOの付加重合に要した時間は3時間であった。
撹拌および温度調節機能の付いたガラス製反応容器に上記生成物306部(0.75モル)とモノクロル酢酸ナトリウム140部(1.2モル)を仕込み、温度を50℃に保ちながら徐々に減圧度を高め75mmHgとした。その後、減圧下に脱水しながら顆粒状の水酸化ナトリウム54部(1.35モル)を2時間かけて仕込んだ。さらに熟成を6時間行った。水350部を加え、35%の塩酸148部で酸性にし、30分間攪拌した後、3時間静置し、分液して副生塩を含有する下液を廃棄した。60℃にて48.5%の水酸化ナトリウム水溶液62部(0.75モル)を徐々に加えて中和し、その後、水分量が0.5%になるまで減圧下に脱水してポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=3モル)アルキル(炭素数16〜20のセカンダリーアルコールの残基)酢酸ナトリウム(B1)が得られた。
EOの仕込み量を220部(5モル)とし、カルボキシメチル化に使用したEO付加物の仕込み量を372部(0.75モル)としたこと以外は製造例1と同様にしてポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=5モル)アルキル(炭素数16〜20のセカンダリーアルコールの残基)酢酸ナトリウム(B2)を得た。
EOの仕込み量を352部(8モル)とし、カルボキシメチル化に使用したEO付加物の仕込み量を471部(0.75モル)としたこと以外は製造例1と同様にしてポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=8モル)アルキル(炭素数16〜20のセカンダリーアルコールの残基)酢酸ナトリウム(B3)を得た。
「アイソフォール18T」の代わりに「ダイヤドール45」(三菱化学株式会社製:炭素数14、15のオキソアルコール)を218部(1モル)とし、カルボキシメチル化に使用したEO付加物の仕込み量を329部(0.75モル)としたこと以外は製造例2と同様にしてポリオキシエチレン(EOの平均付加モル数=5モル)アルキル(炭素数14、15のオキソアルコールの残基)酢酸ナトリウム(B4)を得た。
アニオン性界面活性剤「ビューライトECA」[ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム(オキシエチレン基の数=3.5):三洋化成工業株式会社製]を比較品1とした。
ノニオン性界面活性剤「EMALEX 600di−ISEX」[ポリオキシエチレンジイソステアリン酸(オキシエチレン基の数=12):日本エマルジョン株式会社製]を比較品2とした。
ノニオン性界面活性剤「レオドール 430V」[テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(オキシエチレン基の数=30):花王株式会社製]を比較品3とした。
上記の製造例で得られた(B1)〜(B4)、および比較品1〜3を表1または表2に示した部数、並びに液状油として流動パラフィンおよびパルミチン酸オクチルを表1または表2に示した部数を配合して、油性クレンジング用組成物を調製した。
各油性クレンジング用組成物を調製し、0℃、25℃でそれぞれ24時間静置後の外観を肉眼で観察し、次の基準で評価した。
評価基準
○; 透明液状
△; 若干濁りがある/若干分離傾向
×; 著しく濁りがある/分離
各油性クレンジング組成物を調製し、男女各5名による人パッチテスト(クローズド、48時間、上腕内側)を行い、次の基準で評価しその合計点で表した。
評価基準
反応(紅斑)無し; 3点
ごく軽度の紅斑; 2点
明瞭な紅斑; 1点
強度の紅斑; 0点
20名のパネラーがファンデーションを顔全体に塗布し約30分間乾燥させた後、各クレンジング用組成物3mLを手にとり、指を使って顔全体に伸ばしてファンデーションと良くなじませた後、約35℃のお湯で洗い流した。このときの臭気、洗い流しやすさおよび洗い上がりのさっぱり感を次の採点基準で表し、20名の平均点で評価した。
臭気の採点基準
無臭; 5点
ほとんど無臭; 4点
やや臭気がある; 3点
臭気がある; 2点
臭気が強い; 1点
洗い流し易さ、洗い上がりのさっぱり感の採点基準
非常に良い; 5点
良い; 4点
普通; 3点
悪い; 2点
非常に悪い; 1点
50mLのスクリュー管に各油性クレンジング用組成物1gと水19gを入れ、30秒間振とう混合し、1時間静置後の外観を肉眼で観察し、次の基準で評価した。
評価基準
○; 均一に全体が乳白色(乳化状態良)
△; 均一であるが、薄い白濁(乳化状態やや悪)
×; 均一になっていない、油滴が分離(乳化状態悪)
前腕部にメイク(リップカラー赤、50mg/4cm2)を均一に塗布し、5分間室温にて乾燥させた。その後、各クレンジング用組成物1.0gを、指を用いて通常のメイク落とし行為と同様に塗布部全体に約30秒間なじませ、その後35℃の水道水でこすらずに洗い流し、乾燥後のメイク残存率を求め、洗浄力を次の基準で評価した。なお、メイク残存率は分光測色計(Spectro Photometer SD5000、日本電色製)を用いてリップカラー塗布前後、クレンジング料用組成物使用後の色を測定し、式(3)から洗浄力を求めた。
洗浄力(%)=100−[(E2−E0)/(E1−E0)}×100
E0; リップカラー塗布前の色
E1; リップカラー塗布後の色
E2; クレンジング料使用後の色
Claims (4)
- 油性クレンジング用組成物の重量に基づいて、常温で非揮発性の液状炭化水素、炭素数10〜24の高級脂肪酸、炭素数10〜24の合成エステル油、シリコーン油及び植物油からなる群から選ばれる25℃で液体である液状油(A)を75〜90重量%および一般式(1)で表されるエーテルカルボン酸型界面活性剤(B)を10〜25重量%含有することを特徴とする油性クレンジング用組成物。
R1O−(AO)k−R2COOM (1)
[式中、R1は炭素数16〜24の分岐脂肪族炭化水素基;R2は炭素数1〜3のアルキレン基;Aは炭素数2〜12のアルキレン基;kは(AO)の平均モル数であり3〜8;Mは水素原子およびカチオンから選ばれる1種以上を表す。] - 一般式(1)においてAがエチレン基であり、R2がメチレン基である請求項1に記載の油性クレンジング用組成物。
- 一般式(1)におけるMのうち、0.1〜40モル%が水素原子であり、60〜99.9モル%がカチオンである請求項1または2に記載の油性クレンジング用組成物。
- さらに、1価アルコール、多価アルコール、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、他のアニオン性界面活性剤、ゲル化剤、薬効剤、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色素、香料および水からなる群から選ばれる1種以上の成分を含有してなる請求項1〜3のいずれか記載の油性クレンジング用組成物。
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