JP6834063B2 - クレンジング化粧料用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、クレンジング化粧料用組成物、及び該組成物を含有する化粧料に関する。
化粧品分野において、化粧落としのためのクレンジング化粧料は、形状的にクリーム状、乳液状、液状のものがあり、又、タイプ別には、油中水型乳化物タイプ、オイルタイプ、水性タイプがあって、それぞれ使用性に応じて利用されている。
しかしながら、油中水型乳化物であるクレンジングクリームやオイルジェルは、連続相が油でありメイクとのなじみがよくクレンジング性に優れているが、拭き取り後又は洗い流した後でも油性成分が残存しベタツキ感が生じ、再度、洗顔剤で洗浄しなければならないといった問題があった。
また、オイルを全く含まないか微量に配合した水性タイプのものは、クレンジングの油性感が少なく使用感に優れており、一定の需要がある。近年では、ノニオン界面活性剤を配合した水性タイプのクレンジング化粧料が提案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)しかし、これら水性タイプのものは使用感が優れているもののクレンジング力が弱いという問題があった。
特開2011−37782号公報 特開2011−126805号公報
本発明の課題は、メイクなじみがよく、クレンジング力に優れ、かつ安定性にも優れるクレンジング化粧料用組成物、及び該組成物を含有する化粧料を提供することである。
本発明は、下記[1]〜[2]に関する。
[1]下記成分(A)、(B)、及び(C)を含有し、成分(A):(B)の質量比が4:1〜1:4であり、成分(A)及び成分(B)の合計量が3〜20質量%であり、成分(C)の含有量が1〜30質量%である、クレンジング化粧料用組成物。
成分(A):炭素数が8の脂肪酸とグリセリンの重合度が3〜14のポリグリセリンからなるエステルであって、脂肪酸のエステル化率が10〜30%であるポリグリセリン脂肪酸エステル
成分(B):炭素数が10〜12の脂肪酸とグリセリンの重合度が3〜14のポリグリセリンからなるエステルであって、脂肪酸のエステル化率が20〜40%であるポリグリセリン脂肪酸エステル
成分(C):多価アルコール
[2][1]に記載のクレンジング化粧料用組成物を含有する、化粧料。
本発明は、メイクなじみがよく、クレンジング力に優れ、かつ安定性にも優れるクレンジング化粧料用組成物、及び該組成物を含有する化粧料を提供するものである。
本発明者らが上記課題について検討したところ、メイクなじみをよくするために多価アルコールを配合したり、クレンジング力を高めるためにエステル化率の高いポリグリセリン脂肪酸エステルを配合すると、分離や沈殿が生じるなど安定性が悪くなる場合があった。しかしながら、特定の2種のポリグリセリン脂肪酸エステルを併用することで、高いクレンジング力を持ち、多価アルコールを配合しても安定性に問題のないクレンジング化粧料用組成物が得られることを新たに見出した。
本発明のクレンジング化粧料用組成物は、成分(A)、(B)として、特定の2種のポリグリセリン脂肪酸エステルと、成分(C)として多価アルコールを含む。
成分(A)は、炭素数が8の脂肪酸とグリセリンの重合度が3〜14、好ましくは6〜14のポリグリセリンからなるエステルであって、脂肪酸のエステル化率が10〜30%、好ましくは10〜20%であるポリグリセリン脂肪酸エステルである。
成分(B)は、炭素数が10〜12の脂肪酸とグリセリンの重合度が3〜14、好ましくは3〜6のポリグリセリンからなるエステルであって、脂肪酸のエステル化率が20〜40%、好ましくは25〜40%であるポリグリセリン脂肪酸エステルである。
成分(A)、(B)を併用することで、優れたクレンジング力と安定性を得ることができる。
成分(A)、(B)におけるポリグリセリンの平均重合度の算出方法は、以下の式に基づいて、水酸基価より決定される。また、ポリグリセリンのモル数の決定方法は、平均重合度から分子量を求め、モル数を算出する。
OHV=56110(n+2)/(74n+18)
OHV:ポリグリセリンの水酸基価
n:ポリグリセリンの平均重合度
また、成分(A)、(B)におけるエステル化率とは、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)、このポリグリセリンが有する水酸基数(n+2)、ポリグリセリンに付加している脂肪酸のモル数(M)としたとき、以下の式から算出される値である。
エステル化率(%)=(M/(n+2))×100
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とを常法によるエステル化や、脂肪酸とグリシドールを付加重合することにより容易に得られる。ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化は、特に限定されないが、例えば、ポリグリセリンと脂肪酸を、酸触媒(リン酸、p−トルエンスルホン酸等)もしくはアルカリ触媒(苛性ソーダ等)存在下、または無触媒で水を除去しながら、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜260℃の範囲で加熱することにより行うことができる。また、反応は不活性ガスの存在下で行ってもよい。このようにして得られたエステルは目的に応じて精製しても良い。精製には減圧下での蒸留、分子蒸留、水蒸気蒸留といった蒸留技術の他、有機溶剤による抽出、分画や合成吸着剤、ゲル濾過剤を充填したカラムによるクロマト分離も利用できる。なお、脂肪酸のかわりに、脂肪酸のエステルを用い、ポリグリセリンとエステル交換を行うことにより、目的のポリグリセリン脂肪酸エステルを得ても良い。
本発明のクレンジング化粧料用組成物中、クレンジング力及び安定性の観点から、成分(A):(B)の質量比は4:1〜1:4であり、好ましくは1:1〜1:4である。また、本発明のクレンジング化粧料用組成物中、成分(A)及び成分(B)の合計量は、クレンジング力及び安定性の観点から、3〜20質量%であり、好ましくは3〜10質量%であり、より好ましくは7〜10質量%である。
成分(C)は多価アルコールである。多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、二価アルコールである1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、イソプレングリコール、糖アルコールであるソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトールなどが挙げられ、保湿の観点から、好ましくはグリセリンである。成分(C)を配合することで、メイクなじみをよくすることができる。
本発明のクレンジング化粧料用組成物中、成分(C)の含有量は1〜30質量%であり、クレンジング力及び安定性の観点から、好ましくは1〜20質量%である。成分(C)を2種以上使用する場合の含有量は、その合計量を指す。
本発明のクレンジング化粧料用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、通常化粧料に用いられる成分を適宜、その用途、目的に応じて配合することができる。例えば、上記成分(A)、(B)以外の界面活性剤、油剤、水性ゲル化剤、油性ゲル化剤、紫外線吸収剤、粉体、抗酸化剤、防腐剤、香料、着色剤、キレート剤、清涼剤、増粘剤、植物抽出液、ビタミン類、中和剤、保湿剤、抗炎症剤、pH調整剤、アミノ酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のクレンジング化粧料用組成物の調製方法は、特に限定されない。例えば、70℃で全成分を溶解した後、室温まで冷却する方法により調製することができる。
本発明のクレンジング化粧料用組成物は、水性クレンジング化粧料、水中油型クレンジング化粧料などの化粧料に好適に使用することができる。即ち、本発明は、本発明のクレンジング化粧料用組成物を含む化粧料についても提供するものである。
本発明の化粧料は、クレンジング化粧料用組成物に対し、通常化粧料に用いられる各種の成分を適宜、その用途、目的に応じて配合して、化粧料として調製することができる。例えば、上記成分(A)、(B)以外の界面活性剤、油剤、多価アルコール、水性ゲル化剤、油性ゲル化剤、紫外線吸収剤、粉体、抗酸化剤、防腐剤、香料、着色剤、キレート剤、清涼剤、増粘剤、植物抽出液、ビタミン類、中和剤、保湿剤、抗炎症剤、pH調整剤、アミノ酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のクレンジング化粧料用組成物の化粧料中の含有割合は、限定されるものではないが、クレンジング力の観点から、好ましくは10〜100質量%であり、より好ましくは20〜100質量%であり、さらに好ましくは50〜100質量%である。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、特に記載のない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
化粧料用組成物の調製
実施例1〜26及び比較例1〜12
表1〜6に示す成分を表に示す組成で70℃において加熱溶解した後、攪拌を行いながら室温まで冷却して、クレンジング化粧料組成物からなる化粧料を100g製造した。
表1〜6で用いた成分の詳細を以下に示す。
グリセリン(花王社製)
ジグリセリン(阪本薬品工業社製)
1,3BG(1,3−ブチレングリコール:ダイセル社製)
ソルビトール(花王社製)
プロピレングリコール(旭硝子社製)
ジプロピレングリコール(ADEKA社製)
<安定性の評価>
各実施例・比較例で得られた化粧料について、表1〜5に記載の温度で調製から24時間静置した後の安定性について、下記の評価基準に基づき評価した。結果を表1〜6に示す。
(評価基準)
4:透明かつ安定である
3:わずかな濁りがあるが安定である
2:濁りがあるが安定である
1:分離、沈殿が確認される
<クレンジング力の評価>
マスカラ(ウォータープルーフタイプ)、及びファンデーションをそれぞれ個別にバイオスキンに塗布し、10分間放置した後、塗布した部分に各実施例・比較例で得られた化粧料を0.1g塗布した後、10回往復し、マスカラ及びファンデーションの落ち具合を目視により観察した結果を以下の評価基準に従って評価した。結果を表1〜6に示す。
(評価基準)
4:良く落ちた
3:落ちた
2:あまり落ちない
1:全く落ちない
<メイクなじみの評価>
マスカラ(ウォータープルーフタイプ)を前腕に塗布し、10分間放置した後、塗
布した部分に各実施例・比較例で得られた化粧料を0.1g塗布し、10秒マッサージした。マスカラへのなじみ具合を目視により観察した結果を、以下の評価基準に従って評価した。なお、評価は5名のパネラーの評価を平均した。結果を表1〜6に示す。
(評価基準)
4:伸ばしやすく、良くなじむ
3:なじむ
2:あまりなじまない
1:なじまない、上滑りする
Figure 0006834063
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表1〜6から分かるように、各実施例のクレンジング化粧料はいずれも安定性、クレンジング力、メイクなじみに優れるものであった。一方、成分(C)を含まない比較例4や、成分(C)の量が多すぎる比較例5、6では、メイクなじみが悪いものであった。また、エステル化率が本発明の範囲外である比較例1〜3、成分(A)及び(B)を併用しない比較例7、10、成分(A):(B)の質量比が本発明の範囲外である比較例8、9、成分(A)及び成分(B)の合計量が本発明の範囲外である比較例11、12では、安定性及びクレンジング力の少なくとも一方が悪いものであった。
(処方例)
以下に、本発明の化粧料の処方例を挙げる。本発明はこの処方例によって何ら限定されるものではない。なお、配合量は全て製品全量に対する質量%で表している。本処方例は、クレンジング化粧料用組成物(表7〜10中の成分1〜3及び水)に対し、通常化粧料に用いられる各種の成分を適宜、その用途、目的に応じて配合し、70℃で全成分を溶解した後、室温まで冷却する方法により調製することができる。
Figure 0006834063
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本発明のクレンジング化粧料用組成物は、メイクなじみがよく、クレンジング力に優れ、かつ安定性にも優れており、水性クレンジング化粧料、水中油型クレンジング化粧料などの化粧料に好適に利用することができる。

Claims (6)

  1. 下記成分(A)、(B)、及び(C)を含有し、成分(A):(B)の質量比が4:1〜1:4であり、成分(A)及び成分(B)の合計量が3〜20質量%であり、成分(C)の含有量が1〜30質量%である、水性クレンジング化粧料用組成物(但し、水中油型クレンジング化粧料用組成物を除く)
    成分(A):炭素数が8の脂肪酸とグリセリンの重合度が3〜14のポリグリセリンからなるエステルであって、脂肪酸のエステル化率が10〜30%であるポリグリセリン脂肪酸エステル
    成分(B):炭素数が10〜12の脂肪酸とグリセリンの重合度が3〜14のポリグリセリンからなるエステルであって、脂肪酸のエステル化率が20〜40%であるポリグリセリン脂肪酸エステル
    成分(C):多価アルコール
  2. 成分(C)がグリセリンである、請求項1に記載の水性クレンジング化粧料用組成物。
  3. 油剤を含まない、請求項1又は2に記載の水性クレンジング化粧料用組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の水性クレンジング化粧料用組成物を含有する、水性クレンジング化粧料(但し、水中油型クレンジング化粧料を除く)
  5. 前記水性クレンジング化粧料用組成物の含有量が10〜100質量%である、請求項4に記載の水性クレンジング化粧料。
  6. 油剤を含まない、請求項4又は5に記載の水性クレンジング化粧料。
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