JP2013150234A - 音響信号処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 スナップショットがリコールされる時に、ミキサー1からマーカーセットおよびマーカー名セットのコマンドを送信する。このコマンドを受信したPC(DAW)6で動作するDAWは、レコーディング時に作成したプロジェクトに、受信したタイミングでマーカーをセットし、同時にマーカーにマーカー名をセットする。
【選択図】 図1
Description
ところで、汎用のコンピューターを用いる音響信号処理装置において、ディジタル信号処理により演奏データの録音や編集、ミキシング等の音響処理作業を行うことが知られている。このような音響信号処理装置は、コンピューターに「DAWソフト」と云われるアプリケーションプログラムをインストールすることにより実現されており、デジタルオーディオワークステーション(Digital Audio Workstation:DAW)と呼ばれている。DAWの機能が進歩してリアルタイムレコーディングが可能になったこと、DAWが動作するコンピューターは可搬性に優れていることから、MTRに替えてPA/SRの現場においてDAWを用いてミキサーの各チャンネルの音響信号をリアルタイムレコーディングするようになってきている。
また、ミキサーとDAWを接続した後においても、それぞれ個別にコントロールしている。例えば、ミキサー側のパラメーター変更と、DAW側のパラメーター変更は基本的に独立して操作されている。ただし、外部コントローラーからDAWソフトのパラメータ値、例えば再生、停止、レベル、Muteなどのチャンネルごとのパラメーターを個別に変更することは可能とされている。
そこで、本発明はリアルタイムレコーディング時にパラメーターの設定を容易に行える音響信号処理システムを提供することを目的としている。
図1に示す本発明の音響信号処理システムは、PA/SRシステムと、PA/SRシステムに接続されたレコーディングシステムとから構成されている。PA/SRシステムは、会場等に設置された複数本のマイク3a,・・・,3hからのアナログの音響信号と、シンセサイザー2からのディジタルの音響信号が入力されるミキサー1と、ミキサー1から出力されるミキシングされた音響信号を増幅するアンプ4と、アンプ4から出力される増幅された音響信号を放音する複数のスピーカ5a,・・・,5kとを備えている。また、レコーディングシステムはDAWソフトがインストールされ、DAWが動作して音響信号処理装置とされているパーソナルコンピュータ(PC)6から構成されている。
図2に示す本発明の他の音響信号処理システムは、イーサネット(登録商標)などのオーディオネットワーク7を備えており、オーディオネットワーク7にAD/DA部1aと信号処理部(DSP部)1bとコンソール部1cとPC(DAW)6とが接続されて構成されている。また、オーディオネットワーク7には音響信号処理装置であるPC(DAW)6が接続されている。AD/DA部1aは、マイクやシンセサイザが接続される入力端子である物理的な入力ポートや、アンプ等が接続される出力端子である物理的な出力ポート、および、オーディオネットワーク7に接続される通信I/O端子を備えている。さらに、アナログ入力ポートに入力された複数のアナログ信号をディジタル信号に変換して入力ポートから出力するAD変換器と、アナログ出力ポート部に供給された複数のディジタル出力信号を、アナログ出力信号に変換してアナログ出力ポートから出力するDA変換器とを備えている。また、DSP部1bは、多数のDSP(Digital Signal Processor)を用いて構成されており、ミキシング処理やエフェクト処理などを行っており、オーディオネットワーク7に接続される通信I/O端子を備えている。
AD/DA部1aとDSP部1bとコンソール部1cとがオーディオネットワーク7により論理的に接続されることにより、図1に示すミキサー1と同等のミキサーが実現される。この実現されたミキサーにおける各チャンネルの音響信号のリアルタイムレコーディングをPC(DAW)6で動作しているDAWで行う際に、当該ミキサーにPC(DAW)6がオーディオネットワーク7により論理的に接続されていることから、DAWはAD/DA部1aとDSP部1bとコンソール部1cとで構成されるミキサーの任意の位置に論理的接続して、任意の位置の信号を取り出すことができるようになる。すなわち、上記した他の音響信号処理システムでは、入力チャンネルのダイレクトアウト信号やポストフェーダー信号などを、PC(DAW)6側で設定してDAWに録音することができるようになる。
図3に示すミキサー1は、CPU(Central Processing Unit)10が管理プログラム(OS:Operating System)を実行しており、ミキサー1の全体の動作をOS上で制御している。ミキサー1は、CPU10が実行する制御プログラム等の動作ソフトウェアが格納されている不揮発性のROM(Read Only Member)11と、CPU10のワークエリアや各種データ等が記憶されるRAM(Random Access Memory)12を備えている。CPU10は、制御プログラムを実行することにより、入力された複数の音響信号に音響信号処理をDSP20により施して混合処理を行っている。なお、ROM11をフラッシュメモリ等の書き換え可能なROMとすることで、動作ソフトウェアの書き換えを可能とすることができ、動作ソフトウェアのバージョンアップを容易に行うことができる。DSP20はCPU10の制御の基で、入力された音響信号の音量レベルや周波数特性を設定されたパラメータに基づいて調整してミキシングし、音量、パン、効果などの音響特性をそのパラメータに基づいて制御する音響信号処理を行っている。エフェクタ(EFX)19はCPU10の制御の基で、ミキシングされたオーディオ信号にリバーブ、エコーやコーラス等のエフェクトを付加している。
図4において、複数の入力ポート30を介して供給されるディジタルの音響信号は入力パッチ(Input Patch)31に入力される。この入力ポート30は、AD22およびDD24が備えている物理的な入力端子である。入力パッチ31では、音響信号の入力元である複数の物理的な入力ポートのそれぞれを、Nch(Nは1以上の整数:例えば96ch)とされる入力ch部32が備える論理的な各入力ch(Input Channel)32−1,32−2,32−3,・・・・,32−Nに選択的にパッチ(結線)している。この場合、入力ポートは複数の入力chにパッチすることができるが、入力chには一つの入力ポートしかパッチすることができない。各入力ch32−1〜32−Nには、入力パッチ31でパッチされた入力ポート30からの音響信号In.1,In.2,In.3,・・・,In.Nがそれぞれ供給される。各入力ch32−1〜32−Nでは、各入力chに入力された音響信号In.1,In.2,In.3,・・・,In.Nの音響特性等が調整される。すなわち、入力ch部32における各入力ch32−1〜32−Nに入力された各入力ch信号は、入力ch毎にイコライザやコンプレッサにより音響信号の特性が調整されると共に送り出しレベルが制御されてM本(Mは1以上の整数)の混合バス(Mix Bus)33およびL,Rのステレオのキューバス(Cue Bus)34へ送出される。この場合、入力ch部32から出力されるN入力ch信号は、M本の混合バス33の1ないし複数に選択的に出力される。
なお、図示していないが入力ch32−1〜32−Nの所定の位置を出力パッチ37で出力ポート38にパッチすることにより、ダイレクトアウトが実現されている。
図5(a)に示す入力ch32−iには、入力パッチ31において入力ポートのいずれかがパッチされるにようになる。入力ch32−iは、アッテネータ(Att)41、ヘッドアンプ(H/A)42、ハイパスフィルタ(HPF)43、イコライザ(EQ)44、ノイズゲート(Gate)45、コンプレッサ(Comp)46、ディレイ(Delay)47、フェーダー(Level)48、パン(Pan)49を縦続接続して構成されている。アッテネータ41は、入力されたディジタルの音響信号の減衰量を調整しており、ヘッドアンプ42は、入力されたディジタルの音響信号を増幅しているアンプである。ハイパスフィルタ43は、特定の周波数より低い入力されたディジタルの音響信号の帯域をカットするフィルタであり、イコライザ44は、入力されたディジタルの音響信号の周波数特性を調整するイコライザとされており、例えば、HI,MID HI,LOW MID,LOWの4バンドの各バンド毎の周波数特性を可変できるようにされている。
入力ch32−iから出力されるディジタルの音響信号は、任意の複数本の混合バス33に供給することができると共に、キューバス34にも供給される。
なお、ミキサーから出力されてPC(DAW)6に送ることのできるダイレクトアウトの位置は、アッテネータ41の直前、HPF43の直前、フェーダー48の直前などから選択することができる。
図5(b)に示す出力ch35−jには混合バス33におけるj本目からの混合出力が入力されている。出力ch35−jは、イコライザ(EQ)51、コンプレッサ(Comp)52、フェーダー(Level)53、バランス(Bal)54、ディレイ(Delay)55、アッテネータ(Att)56を縦続接続して構成されている。イコライザ51は、出力されるディジタルの音響信号の周波数特性を調整するイコライザとされており、例えば、HI,MID HI,MID,LOW MID,LOW,SUB MIDの6バンドの各バンド毎に電気的特性を可変することができる。コンプレッサ52は、出力されるディジタルの音響信号のダイナミックレンジを狭くして、出力されるディジタルの音響信号が飽和することを防止している。フェーダー53は、出力チャンネル35−jから出力パッチ37への出力レベルを制御する電動フェーダ等のレベル可変手段であり、バランス54は、出力チャンネル35−jがステレオに設定されている場合に、左右の音量バランスを調節している。ディレイ55は、スピーカの距離補正や定位の補正等を行うように、出力されるディジタルの音響信号の時間遅延を行っており、アッテネータ56は、出力パッチ37へ出力されるディジタルの音響信号の減衰量を調整している。
図7に示すスナップショットリコール処理は、ミキサーにおいてスナップショットチェンジが検出された際に起動される。例えば、オープニングの曲、1曲目の曲、2曲目の曲、・・・が開始されるタイミング毎のスナップショットチェンジがされる時に起動される。スナップショットリコール処理が起動されると、ステップS10にてスナップショットをリコールするイベントで指定されたSnapshotデータが読み出されて、ステップS11にて読み出されたSnapshotのパラメータセットがRAM12上のカレントメモリに設定される。これにより、ミキサーのフェーダー、ノブやスイッチ等の信号処理用のパラメーター値が、読み出されたSnapshotのパラメーター値に設定されて、指定された音響の設定状態となる。次いで、ステップS12にてPC(DAW)6に送信するコマンドの設定情報が取得される。このコマンドの設定を、図8に示すパラメータ設定ウィンドウ60により設定することができる。パラメーター設定ウィンドウ60ではマーカー(Marker)とマーカー名(Marker Name)とのパラメーターをコマンドで送る設定をすることができる。コマンドで送るパラメーターは、パラメーターの横に並んで配列された「Enable」のラジオボタンをオンとすることで設定され、コマンドで送らないパラメーターは横に並んで配列された「Disable」のラジオボタンをオンとすることで設定される。図8に示すパラメーター設定ウィンドウ60では、マーカー(Marker)とマーカ名(Marker Name)とのパラメーターをコマンドで送る設定とされている。ここで、画面下部の「Ok」ボタン60bをクリックするとパラメーター設定ウィンドウ60で示す設定に更新され、画面下部の「Cancel」ボタン60aをクリックすると画面の設定状態はキャンセルされてそれまでの設定が維持される。
なお、マーカーとは編集点のことであり、編集時にマーカーをたどることで、特定のポイントに飛ぶことができる。マーカーの種類には、ポジションマーカーとサイクルマーカー の2種類がある。通常マーカーと呼ぶ場合は特定のポイントを示すポジションマーカーのことを指しており、サイクルマーカーとは特定の範囲を設定して、この間でループ(リピート)させるマーカーを指している。
図10に示すようにプロジェクトウィンドウ70には、トラック番号1,2,・・・8の8トラックが表示されており、このプロジェクトは8トラックからなることが示されている。各トラックは横方向に配列された、トラック番号欄71、ミュート/ソロ欄72、トラック名欄73とイベント欄74とから構成されている。トラック番号欄71には1から順番に付けられた当該トラックのトラック番号が示されており、ミュート/ソロ欄72には当該トラックのミュートのオン/オフ状態とソロに設定されているかが示され、トラック名欄73では当該トラックのトラック名が示され、イベント欄74には当該トラックにレコーディングされた波形データや曲データが示されている。イベント欄74の上部には上記したルーラー77が設けられている。さらに上部にはトランスポートコントロール用の5つのボタンが設けられている。ボタン76aは前のマーカーに戻るボタン、ボタン76bは後のマーカーに進むボタン、ボタン76cは再生や録音を停止するボタン、ボタン76dは再生や録音を開始するボタン、ボタン76eは録音ボタンである。
本発明においては、ミキサー側でスナップショットチェンジするだけで、スナップショットチェンジの時刻でDAW側に自動的にマーカーがセットされるため、後の編集時にマーカーセットの手間が省けるようになる。さらに、セットされたマーカーはイベントの進行と同期しているため、後の編集が楽になる。
なお、ミキサー側ではマーカーセットのコマンドとマーカー名セットのコマンドを、スナップショットがチェンジされる時に送信しているが、マーカーセットのコマンドとマーカー名セットのコマンドは別のコマンドとして用意しても良いし、1つのコマンドでマーカーとマーカー名を同時にセットするコマンドとしても良い。
Claims (2)
- ミキサーから出力される1以上のチャンネルの音響信号を、前記ミキサーに接続され録音機能を有している音響信号処理装置でリアルタイムレコーディングする音響信号処理システムであって、
前記ミキサーにおいてスナップショットチェンジがされた時に、前記ミキサーからパラメーターをセットするコマンドを送信し、前記音響信号処理装置は該コマンドを受信した時に、受信したコマンドで指示されたパラメーターを、1以上のチャンネルの音響信号をリアルタイムレコーディングしているプロジェクトにセットするようにしたことを特徴とする音響信号処理システム。 - ミキサーから出力される1以上のチャンネルの音響信号を、前記ミキサーに接続され録音機能を有している音響信号処理装置でリアルタイムレコーディングする音響信号処理システムであって、
前記ミキサーにおいてスナップショットチェンジがされた時に、前記ミキサーの設定情報に基づいて前記ミキサーからマーカーをセットするコマンドおよび/またはマーカー名をセットするコマンドを送信し、前記音響信号処理装置は該コマンドを受信した時に、受信した前記コマンドで指示されたマーカーおよび/またはマーカー名を、1以上のチャンネルの音響信号をリアルタイムレコーディングしているプロジェクトにセットするようにしたことを特徴とする音響信号処理システム。
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