JP2007127773A - 電子楽器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シンセサイザ100において、鍵盤101の操作に応じた音源部103への演奏イベントの出力オンオフの設定と、MIDIシーケンサ102から外部への演奏イベントの出力オンオフの設定と、MIDIシーケンサ102から音源部103への演奏イベントの出力オンオフの設定と、アルペジエータ104から外部への演奏イベントの出力のオンオフの設定と、外部からのMIDIシーケンサ102の制御を受け付けるか否かを定める設定と、内部で生成したMIDIクロックと外部から受信したMIDIクロックのいずれを使用するかを定める設定とを、ユーザによる1つの実行操作に応じて、予め記憶している組み合わせに一括して設定できるようにした。
【選択図】 図1
Description
一方で、上記のような電子楽器は、外部機器と接続せずに単独でも使用できるようにすることが求められる。
このような電子楽器については、例えば非特許文献1に記載がある。
「MOTIF ES 取扱説明書」,ヤマハ株式会社,2003年,特にP.31−41,221−222,260−265
従って、設定が難しい上、操作性が悪いという問題があった。
さらに、上記別の一部に、上記外部機器に上記シーケンサを制御させて上記外部機器と同期させ、さらに上記シーケンサが出力する楽曲を上記外部機器によりリアルタイム録音させる場合に適した設定内容の組み合わせと、上記シーケンサが上記外部機器により制御されないようにする設定内容の組み合わせとを含めるとよい。
まず、図1に、この発明の電子楽器の実施形態であるシンセサイザ及び、そのシンセサイザに接続する外部機器の一例であるPCの機能構成を示す。
このシンセサイザ100は、図1に示す通り、鍵盤101,MIDI(Musical Instruments Digital Interface:登録商標)シーケンサ102,音源部103,アルペジエータ104,MIDIクロック生成部105,第1〜4のスイッチ111〜114,結合部121〜124,MIDII/O(入出力部)131,WAVE(波形データ)I/O132を備えた電子鍵盤楽器である。そして、これらの各部を結ぶラインは、MIDI形式のイベントデータ(以下「MIDIイベント」という)あるいはオーディオ波形データ(以下単に「波形データ」という)が伝達される経路を示す。また、その伝達経路も含め、鍵盤101,MIDII/O131,WAVEI/O132以外の各部の機能は、ハードウェアによって実現しても、図示しないCPUに必要なソフトウェアを実行させることにより実現してもよい。
そして、鍵盤101から出力される演奏イベントは、結合部121を介してMIDIシーケンサ102に入力し、結合部122,123を介して音源部103に入力し、結合部122を介してアルペジエータに入力すると共に、結合部124及びMIDII/O131を介して外部に出力される。
なお、アルペジエータ104も、この設定項目の設定に従ったMIDIクロックに従ってタイミング制御を行う。
また、制御イベントは、MIDIイベントのうち、ソングセレクト、ポジションポインタ、スタート、ストップ等、MIDIシーケンサやWAVEレコーダなどの動作を(外部機器から)MIDIを通じてリモート制御するためのイベントである。制御イベントは、これに限らず、エクスクルーシブイベントに含まれるMIDIマシン・コントロール(MMC)などのイベントであってもよい。
そして、例えばノートオンイベントが検出された場合に、そのイベントに係る音を基音として、設定されているシーケンスに従った演奏イベントの出力を開始するようにすればよい。
具体的には、シーケンスに従って生成されたノートオンやノートオフの音高を、さらに、検出されたコード乃至コード種類に応じてシフトして出力するようにしてもよいし、各コード乃至コード種類毎にシーケンスを用意しておき、検出されたコード乃至コード種類に応じたシーケンスに従った演奏イベントを生成して出力するようにしてもよい。このシーケンスに従った演奏イベントの生成は、全てのノートオンがオフされたとき、すなわち、過去に発生した全てのノートオンイベントに対応するノートオフイベントが検出された場合に停止される。
また、上述のように、アルペジエータ104がタイミング制御に使用するMIDIクロックは、「MIDI sync」の設定により定められる。
なお、これらの第1乃至第4のスイッチは、演奏イベントの送信経路を遮断するものでなく、単に送信元から送信先にイベントを送信しないようにするものであってもよい。
WAVEI/O132は、外部装置との間で波形データを送受信するためのインタフェースである。また、サウンドシステムを備え、外部装置から受信した波形データは、そのサウンドシステムに入力して発音を行なわせる等の用途に使用できる。
これらのI/Oとしては、USB(Universal Serial Bus)方式やIEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)方式の通信を行うためのインタフェースを採用し、mLAN等のプロトコルを利用して通信するようにすることができる。また、これらのI/Oを兼ねるようなインタフェースを設けることもできるし、送受信の相手はPC200には限らず、単体のMIDIシーケンサ装置や、MIDIシーケンサを備えたWAVEレコーダ装置であってもよい。
このうち、MIDII/O201は、外部装置との間でMIDIイベントの送受信を行うためのインタフェースである。
WAVEI/O202は、外部装置との間で波形データの送受信を行うためのインタフェースであり、サウンドシステムも有する。
これらのI/Oの構成は、シンセサイザ100側のものと同じでよい。
なお、MIDIシーケンサ211も、MIDIクロックに従ってタイミング制御を行うが、このMIDIクロックとして、内部のMIDIクロック生成部217が生成したものを使用することも、MIDII/O201を介して外部から受信したものを使用することも可能である。また、MIDIシーケンサ211とWAVEレコーダ216とは互いに同期して動作する。
また、処理後の演奏イベントは、MIDIシーケンサ211に出力して記録させる他、MIDII/O201を介して外部に出力したり、音源プラグイン213に出力し、出力した演奏イベントに従った発音処理を行わせることもできる。
また、処理後の波形データは、WAVEレコーダ216に出力して記録させる他、WAVEI/O202を介して外部に出力することも可能であり、処理中又は処理後の波形データを効果プラグイン215に入力して音響効果を付与させることも可能である。また、処理後の波形データを、WAVEI/O202が備えるサウンドシステムに入力して発音を行わせることもできる。
WAVEレコーダ216は、複数トラックで波形データの記録及び再生を行う機能を有する。そして、記録する波形データは、WAVEミキサ214から入力されるデータであり、再生した波形データは、WAVEミキサ214に対して出力する。複数トラックの記録と再生を同時に行うことも可能である。
以上のようなPC200は、ハードウェアとしては、CPU,ROM,RAM,HDD(ハードディスクドライブ)等を備えた公知のPCを利用可能である。
図2に示す楽曲編集画面150は、MIDIシーケンサ211及びWAVEレコーダ216の動作に関する設定を受け付けるためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)画面であり、1曲分のデータの編集操作を受け付けるための画面である。
そして、この画面には、同時に動作可能なトラック数分だけ、トラックタイプ表示部151,トラック名入力部152,SOLOボタン153,MUTEボタン154,RECボタン155を設けている。ここでは計6トラック分しか示していないが、これに限られないことはもちろんである。
トラック名入力部152は、トラック名の指定を受け付ける部分である。
MUTEボタン154は、対応するトラックをミュートし、再生しないようにする指示を受け付けるためのボタンである。
RECボタン155は、対応するトラックに録音する指示を受け付けるためのボタンである。
なお、これらのボタン153〜155は、録音や再生を行うトラックの指定を受け付けるだけであり、録音や再生の開始/停止指示は、図3に示す録再操作画面で受け付ける。
このうち録音待機ボタン161は、録音待機の指示を受け付けるためのボタンであり、DAWアプリ210の停止状態で押下することにより、録音待機状態に移行させることができる。
開始ボタン162は、録音又は再生の開始指示を受け付けるためのボタンであり、録音待機状態で押下することにより録音の開始を、停止状態で押下することにより再生の開始を指示することができる。
早送りボタン164及び巻き戻しボタン165は、再生状態で、再生の早送り又は巻き戻しの指示を受け付けるためのボタンである。停止状態では、再生位置の調整指示(頭出し指示)を受け付けるためのボタンである。
時間表示部166は、再生又は録音を行っている位置の、楽曲開始からの時間を表示する表示部である。
また、図示は省略したが、シンセサイザ100の操作パネルにも、録音待機ボタン161,開始ボタン162,停止ボタン163,早送りボタン164,巻き戻しボタン165と同様な機能のボタンを設け、同様な指示を可能としている。そして、設定内容によっては、シンセサイザ100側からPC200のDAWアプリ210の動作を制御することも可能である。
シンセサイザ100単体でも一通りの音楽製作を行うことができるが、PC200は、大型ディスプレイやマウスなどのより優れたヒューマンインタフェースを備えており、また、一般的に処理能力も高く、柔軟性、拡張性に優れているので、PC200のDAWアプリ210を利用して音楽製作を行う方が、その作業をより効率的に行うことができる。
その場合、PC200のMIDIシーケンサ211で再生した演奏データをシンセサイザ100に送信してシンセサイザ100の音源部103を駆動すれば、高性能の音源を用いて質の高い波形データが生成できる。
あるいは、シンセサイザ100における鍵盤101の操作に応じたアルペジエータ104の出力を、PC200のMIDIシーケンサ211に記録させれば、アルペジエータ104の出力する演奏データを音楽製作の素材として使うことができる。
例えば、シンセサイザ100とPC200とを接続して使用する場合には、PC200にMIDIイベントをエコーバックさせることが考えられるが、この場合、第1のスイッチ111(KBD local)をONにしておくと、鍵盤101が出力するMIDIイベントと、PC200からエコーバックされてくるMIDIイベントとが、タブって音源部103やアルペジエータ104に供給されてしまう。
そこで、シンセサイザ100においては、必要な設定項目につき、想定されるいくつかの用途に適した設定内容の組み合わせを予め記憶させておき、ユーザによる1つの実行操作に応じて、その記憶している設定内容に設定できるようにしている。
この例では、図1の説明で述べた「KBD local」,「SEQ out」,「SEQ local」,「ARP out」,「SEQ ctr」,「MIDI sync」の、第1乃至第6の設定項目について、設定1〜設定4の4つの組み合わせを記憶させている。
そして、「KBD local」,「SEQ out」,「SEQ local」,「ARP out」は、オンオフの設定を行うのみであるから、図にも「on」と「off」でその設定内容を示している。「SEQ out」,「SEQ local」については、MIDIシーケンサ102のトラック毎に設定項目があるが、「all on」,「all off」は、全ての設定の設定項目についてオンあるいはオフであることを示す。
また、「PC側echo back」は、シンセサイザ100側の設定を行う場合に、PC200等、シンセサイザ100と接続する外部機器において、「echo back」がどのように設定されていることを想定しているかを示し、シンセサイザ100から外部装置の設定を変更する必要はないが、変更できるようにしても差し支えない。
この設定は、素材となるデータをシンセサイザ100から外部装置に移す場合に最適である。
この設定は、アルペジエータ104の出力する演奏データを外部装置での音楽製作の素材として使う場合に最適である。
なお、図4に示したような設定内容は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに記憶させておけばよい。また、ユーザがその内容を変更できるようにしてもよいが、変更できなくてよい場合には、ROMに記憶させてもよい。
シンセサイザ100においては、図5に示すようなクイックセットアップ画面を用意し、図4に示した設定1〜設定4の組み合わせを設定できるようにしている。図6は、シンセサイザ100の操作パネルのうち、クイックセットアップ画面の操作に使用する部分の構成を示す図である。
図5に示すクイックセットアップ画面140は、シンセサイザ100の操作パネルに設けた液晶ディスプレイ(LCD)301に表示させる画面である。
そして、「SEQ」と対応する下段左から3番目のファンクションキー321を押下してMIDIシーケンサ102に関する設定を行うための画面を表示させた後、その画面中の「QUIKSET」と対応する上段左から4番目のサブファンクションキー322を押下することにより、クイックセットアップ画面140を表示させることができる。
そして、ユーザが好みの組み合わせを選択してエンタボタン333を押下すると、これが設定の実行指示となり、シンセサイザ100は、図4に示した各パラメータの値を、選択された組み合わせと対応する値に設定する。
また、クイックセットアップ画面140において、ボタン等により、図4に示した必須でない設定に関するユーザの選択指示を受け付けることができるようにしてもよい。
また、予め用意して記憶させておく設定の内容は、図4を用いて説明したようなものとすると、シンセサイザを始めとする電子楽器において一般的に想定される用途に適合し、好ましい。特に、設定1と設定3は、有用性が高い。
例えば、クイックセットアップ画面140において、表示されている番号と対応する設定の用途に関する表示を行うことは必須ではない。また、クイックセットアップ画面40で設定するパラメータの種類は、図4に示したものに限られないし、予め記憶させておく設定内容の組み合わせやその用途も、図4を用いて説明したものに限られない。
また、シンセサイザ100における設定1〜設定4の設定実行を、PC200からリモートで制御できるようにしてもよい。さらに、PC200のDAWアプリ210が受け付けたユーザによる設定1〜設定4の一つの実行指示に応じて、図4に示したような、PC200側のDAWアプリ210の「echo back」の設定と、シンセサイザ100側の第1〜第6の設定項目の設定とを、連動して実行できるようにすることも考えられる。
さらに、この発明の電子楽器も、シンセサイザに限らず、キーボード、電子ピアノ、電子オルガン等、任意の電子楽器で構わない。鍵盤を有しない電子楽器に適用できることももちろんである。その場合、パッド、ペダル、弦、ブレスコントローラ等の演奏操作子を、上述した鍵盤の場合と同様に取り扱えばよい。
また、これらの変形及び実施例の説明において述べた変形は、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて適用可能である。
従って、この発明を適用することにより、電子楽器の操作性を向上させることができる。
Claims (4)
- 演奏操作子と、シーケンサと、アルペジエータと、音源部とを備える電子楽器であって、
前記演奏操作子の操作に応じた前記音源部への演奏イベントの出力オンオフを定める第1の設定項目と、
前記シーケンサから外部への演奏イベントの出力オンオフを定める第2の設定項目と、
前記シーケンサから前記音源部への演奏イベントの出力オンオフを定める第3の設定項目と、
前記アルペジエータから外部への演奏イベントの出力のオンオフを定める第4の設定項目と、
外部からのシーケンサの制御を受け付けるか否かを定める第5の設定項目と、
当該電子楽器の動作タイミングを規定するテンポクロックとして、内部で生成したテンポクロックと外部から受信したテンポクロックのいずれを使用するかを定める第6の設定項目とを、
ユーザによる1つの実行操作に応じて、予め記憶している組み合わせに一括して設定する設定手段を設けたことを特徴とする電子楽器。 - 請求項1記載の電子楽器であって、
前記組み合わせを複数記憶しており、
その組み合わせの一部は、外部機器との接続なしで当該電子楽器を動作させる場合に適した設定内容の組み合わせであり、
別の一部は、出力した演奏データをエコーバックしてくる外部機器と接続して当該電子楽器を動作させる場合に適した設定内容の組み合わせであることを特徴とする電子楽器。 - 請求項2記載の電子楽器であって、
前記別の一部には、
前記外部機器に前記シーケンサを制御させて前記外部機器と同期させ、さらに前記シーケンサが出力する楽曲を前記外部機器によりリアルタイム録音させる場合に適した設定内容の組み合わせと、
前記シーケンサが前記外部機器により制御されないようにする設定内容の組み合わせとを含むことを特徴とする電子楽器。 - 請求項2又は3記載の電子楽器であって、
前記組み合わせに、
当該電子楽器を、出力した演奏データをエコーバックしてこない外部機器と接続し、前記アルペジエータが生成する演奏データを前記外部装置に出力する場合に適した設定内容の組み合わせを含むことを特徴とする電子楽器。
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