JP4501639B2 - 音響信号読出装置及びプログラム - Google Patents
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Description
「AW16G PROFESSIONAL AUDIO WORKSTATION 取扱説明書」,ヤマハ株式会社,2002年
また、デジタルミキサ本体には複数の物理的な入力端子を設け、各入力端子から入力される信号をそれぞれ1つの入力ch(チャンネル)の信号として取り扱うようにしている。さらに、処理後の音響信号を出力する物理的な出力端子も設け、各出力端子に出力する信号をそれぞれ1つの出力chの信号として取り扱うようにしている。
この発明は、このような問題を解決し、記録されている音響信号を読み出して音響信号処理に供する場合において、ユーザが自身の用途に合った適切な音響信号処理を行うことができるようにすることを目的とする。
さらに、上記処理手段の間の少なくとも1つの位置には、上記付加ポイントと上記記録ポイントとの両方を設けるようにするとよい。
また、この発明のプログラムによれば、コンピュータを音響信号読出装置として機能させ、同様な効果を得ることができる。
まず、図1を用いて、この発明の音響信号読出装置の実施形態である電子楽器の構成について説明する。図1はその電子楽器の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、電子楽器10は、CPU11,ROM12,RAM13,検出回路14,表示回路15,演奏データメモリ16,鍵盤インタフェース(I/F)17,MIDI(Musical Instruments Digital Interface:登録商標)I/F18,パーソナルコンピュータ(PC)I/F19,アナログ−デジタル(A/D)コンバータ20,音源部21,HDD22,音響信号処理部(Digital Signal Processor:DSP)30を備え、これらがシステムバス29によって接続されている。
また、電子楽器10には、操作子23が検出回路14に、表示部24が表示回路15に、鍵盤25が鍵盤I/F17に、アナログ入力端子26がA/Dコンバータ20にそれぞれ接続して設けられると共に、DSP30で処理した信号を出力するためのデジタル−アナログ(D/A)コンバータ27とサウンドシステム28も設けている。
RAM13は、CPU11のワークメモリとして使用したり、一時的に使用するパラメータの値を記憶させたりする書き換え可能な記憶手段である。
鍵盤I/F17は、鍵盤25においてなされた操作内容を検出し、その内容に従った信号をCPU11に伝達するための回路である。鍵盤25は、ユーザが電子楽器10を演奏する際に使用する演奏操作子であり、複数段の鍵や足で操作する鍵を設けてもよい。
PCI/F19は、PCを接続し通信を行うためのインタフェースであり、例えばUSB(Universal Serial Bus)方式、RS232C方式、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394方式、Ethernet(登録商標)方式などの通信を行うためのインタフェースとすることが考えられる。
また、DSP30は、処理後の音響信号をD/Aコンバータ27に送出してアナログ信号に変換させ、スピーカ等によるサウンドシステム28によって処理後の音響信号に基づく音声を出力させる機能も有する。
まず、図2に、DSP30の構成をより詳細に示す。
DSP30に入力する音響信号としては、大きく分けて、アナログ入力端子26から電子楽器10に入力され、A/Dコンバータ20を介してDSP30に入力する信号と、音源部21で生成されてDSP30に入力する信号とがある。すなわち、電子楽器10においては、A/Dコンバータ20と音源部21及びこれらを制御するCPU11が入力手段として機能する。そこで、DSP30においては、これらの各入力手段に対応する入力chを設けている。
なお、これら全ての効果を付与可能である必要はないし、設定によっては効果を全く付与しないようにすることも可能である。また、DSP30の構成によっては、入力ch処理部33とエフェクト処理部34の厳密な境界を定めることが難しい場合も考えられるが、このような場合には、例えば入力ch31においてイコライザやコンプレッサの後段に設けた一連の処理部がエフェクト処理部34であると考えることができる。
このうち、エフェクト処理部37は、エフェクト処理部34,35と同趣旨の効果付与手段であり、ミキシング後の音響信号に対してエフェクト処理を行うために設けたものである。スイッチの切り替え等により、エフェクト処理部34,35を構成するハードウェア資源の一部をエフェクト処理部37として機能させることができるようにしてもよい。
そして、マスタイコライザ39による処理後の音響信号は、D/Aコンバータ27によってアナログ信号に変換し、サウンドシステム28によってその音響信号に基づく音を出力させるようにしている。すなわち、DSP30は、入力する音響信号に対し、それぞれ処理手段である各処理部33〜39における信号処理を図2に示した工程で順次行って、その処理後の音響信号をD/Aコンバータ27に出力する音響信号処理手段であると言える。なお、以上のような各処理部33〜39や入力ch及び出力chの機能は、ハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
なおここでは、音源部21からの信号を単独でHDD22に記録するケースがほとんどないことを踏まえ、構成を複雑にしないようにするため、入力ch41の部分には記録ポイントや付加ポイントは設けていない。
上述したように、HDD22には、音響信号の記録時に用いる録音トラック51と、再生時に用いる再生トラック52とを対応させて設けている。これらのトラックとしては、所定容量の記憶領域を確保しておけばよい。
このようにすれば、DSP30による処理中の信号と、HDD22に記録してある信号とをミキシングした結果の音響信号をHDD22に新たに記録することが可能になる。従って、ある音源からの音に係る音響信号を一旦HDD22に記録した後、別の音源からの音に係る音響信号を初めに記録した音響信号に加算して記録することができ、実質的に入力chを増加させることができる。
また、図3に示した各構成要素は、ハードウェアによって実現してもソフトウェアによって実現してもよい。例えば切替スイッチ62の機能は、ハードウェアの場合にはスイッチやゲート等により実現できるし、ソフトウェアの場合には音響信号の取得先とするレジスタの選択等により実現することができる。
まず、図4に、記録ポイントの選択に係る処理のフローチャートを示す。
CPU11は、操作子23の操作等により、記録ポイント選択画面の表示が指示された場合、図4に示す処理を開始する。そして、表示部24に記録ポイント選択画面を表示させ、選択可能な全ての記録ポイントをユーザに提示する(S11)。ここでは、上述した位置A〜Dが選択可能であるので、これらを提示すればよい。この提示は、例えば、図2に示したようにブロック形式でDSP30内の信号処理の構成を示し、その中で記録ポイントとして選択可能な位置を表示して行うようにすることが考えられる。
なお、一度に使用できる記録ポイントは、録音トラック1つにつき1箇所だけであるので、ステップS14では新たな選択に係る情報を以前の情報に上書きする。
以上の処理により、複数の記録ポイントの候補の中から使用する記録ポイントの選択を受け付けることができる。
CPU11は、操作子23を構成する録音開始スイッチの押下等により、HDD22への録音開始が指示された場合、図5に示す処理を開始する。そして、まずHDD22内の録音トラック51をデータの記録先として設定する(S21)。特に、録音トラック51を複数設けている場合には、録音に使用する録音トラックの指定を予め受け付けておき、ここではその録音トラックをデータの記録先として設定するようにする。
この処理において、ステップS23で記録する情報が記録位置情報に該当する。
CPU11は、図5のステップS24で録音処理が起動されると、これが停止されるまで、所定時間毎、例えばサンプリング周期毎に図6のフローチャートに示す処理を開始する。そしてまず、DSP30から、録音に使用する記録ポイントにおける処理時点の音響信号を取得する(S31)。
このフローチャートに示す処理においては、CPU11が記録手段として機能する。
CPU11は、操作子23を構成する録音終了スイッチの押下等により、録音終了が指示された場合、図7に示す処理を開始する。そして、まず録音処理を停止すると共に(S41)、録音トラックに録音終了のデータを記録する(S42)。このようにすることにより、1回の録音開始から終了までに記録した音響信号を1単位のデータとして取り扱うことができる。
なお、録音終了と再生終了とをリンクさせ、録音終了の指示があった場合に直ちに対応する再生トラックの再生も終了させるようにしてもよい。また、1回の録音開始から終了までに記録したデータを1ファイルとして管理するようにしてもよい。
CPU11は、操作子23を構成する再生開始スイッチの押下等により、HDD22からの再生開始が指示された場合、図8に示す処理を開始する。そして、まずHDD22内の再生トラック52をデータの読出元として設定する(S51)。特に、再生トラック52を複数設けている場合には、再生に使用する再生トラックの指定を予め受け付けておき、ここではその再生トラックをデータの読出元として設定するようにする。
CPU11は、図8のステップS53で再生処理が起動されると、これが停止されるまで、所定時間毎、例えばサンプリング周期毎に図9のフローチャートに示す処理を開始する。そしてこの処理においては、処理時点において再生すべき音響信号を、データの読出元として設定されている再生トラックから読み出し(S61)、読み出した音響信号を、図8のステップS52で指示された、DSP30内の使用する付加ポイントの位置の信号に加算し(S62)、以後の信号処理に供して処理を終了する。
このフローチャートに示す処理においては、CPU11が読出手段として機能する。
なお、ステップS61で読み出した音響信号は、図6のステップS33で使用する可能性があるので、適当なメモリにバッファしておくようにしてもよい。
CPU11は、操作子23を構成する再生終了スイッチの押下等により、再生終了が指示された場合、図10に示す処理を行い、再生処理を停止する(S71)。なお、再生停止の場合には、録音停止の場合と異なり、特にデータの書き込みやコピーは行わない。
ただし、読み出した音響信号を供給する位置を、記録時の取得位置とは無関係にユーザが指定できるようにすることも考えられるし、自動指定と手動指定を切り替えられるようにしてもよい。
これらの場合でも、読み出した音響信号を供給する位置を複数の候補から選択できるようにすることにより、音響信号の再生時に、音響信号をユーザの意図に応じてDSP30の適切な位置に供給することができ、ユーザの用途に応じた適切な音響信号処理を可能とすることができる。
例えば、録音トラックを複数設け、録音トラック毎に記録ポイントを選択し、選択した各記録ポイントの音響信号を、対応する録音トラックに記録するようにすることも考えられる。すなわち、DSP30における処理工程の複数箇所の音響信号を、同時に記録できるようにすることも考えられる。
さらに、この発明の適用対象も、電子楽器に限られることはなく、例えば、処理中の音響信号を記録する機能を有するデジタルミキサのような音響信号処理装置に適用することも可能である。
Claims (5)
- 入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、該音響信号処理手段に信号を入力する入力手段と、前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段と、前記記録手段が記録した音響信号を読み出して前記音響信号処理手段による処理に供する読出手段とを備えた音響信号読出装置であって、
前記音響信号処理手段は、前記入力手段から入力された音響信号に対して複数段の音響信号処理を順次行って出力するための複数の処理手段を有し、
前記記録手段が、前記処理手段の間の位置に設けた記録ポイントにおいて、該記録ポイントの前段に位置する前記処理手段から後段の処理手段に伝送される音響信号を取得して記録する手段であり、
前記処理手段の間の、複数の異なる位置に付加ポイントを設け、
前記読出手段が読み出した音響信号を、任意の前記付加ポイントの後段に位置する処理手段に供することができるようにしたことを特徴とする音響信号読出装置。 - 請求項1記載の音響信号読出装置であって、
前記処理手段の間の、複数の異なる位置に記録ポイントを設け、
前記記録手段が記録対象の音響信号を取得する位置を、前記記録ポイントの中から選択できるようにしたことを特徴とする音響信号読出装置。 - 請求項2記載の音響信号読出装置であって、
前記処理手段の間の少なくとも1つの位置には、前記付加ポイントと前記記録ポイントとの両方を設けるようにしたことを特徴とする音響信号読出装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項記載の音響信号読出装置であって、
少なくとも前記記録ポイントを設けた位置には前記付加ポイントも設け、
前記記録手段に、音響信号を記録する場合に、前記音響信号処理手段中でその音響信号を取得した位置を示す記録位置情報も共に記録する手段を設け、
前記読出手段が読み出した音響信号を、該音響信号と共に記録されている記録位置情報が示す位置の付加ポイントの後段に位置する処理手段に供するようにしたことを特徴とする音響信号読出装置。 - コンピュータを、
入力する音響信号を処理して出力する音響信号処理手段と、
該音響信号処理手段に信号を入力する入力手段と、
前記音響信号処理手段における処理対象の音響信号を記録する記録手段と、
前記記録手段が記録した音響信号を読み出して前記音響信号処理手段による処理に供する読出手段として機能させるためのプログラムであって、
前記音響信号処理手段は、前記入力手段から入力された音響信号に対して複数段の音響信号処理を順次行って出力するための複数の処理手段を有するものであり、
前記記録手段を、前記処理手段の間の位置に設けた記録ポイントにおいて、該記録ポイントの前段に位置する前記処理手段から後段の処理手段に伝送される音響信号を取得して記録する手段とし、
前記読出手段は、読み出した音響信号を、前記処理手段の間の複数の異なる位置に設けられた付加ポイントのうちから任意に選択された付加ポイントの後段に位置する処理手段に供するようにしたことを特徴とするプログラム。
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