JPH10274985A - 自動アルペジオ演奏装置およびアルペジオ演奏システム - Google Patents

自動アルペジオ演奏装置およびアルペジオ演奏システム

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JPH10274985A
JPH10274985A JP9096763A JP9676397A JPH10274985A JP H10274985 A JPH10274985 A JP H10274985A JP 9096763 A JP9096763 A JP 9096763A JP 9676397 A JP9676397 A JP 9676397A JP H10274985 A JPH10274985 A JP H10274985A
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JP
Japan
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arpeggio
midi
performance
musical instrument
electronic musical
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Application number
JP9096763A
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English (en)
Inventor
Yoshibumi Kira
義文 吉良
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のアルペジオ演奏を組み合わせる場合
に、リアルタイム性と偶発性に富んだアルペジオ演奏を
演奏者の意図どおりに簡単に行えるようにする。 【解決手段】 鍵盤部1の押鍵によって得られる演奏情
報をMIDIアウトするか、アルペジオ部3で生成され
たアルペジオ演奏情報をMIDIアウトするかを切り換
えるアウトプットスイッチ8を設け、押鍵情報をMID
Iアウトするように切り換えることにより、本発明の自
動アルペジオ演奏装置を備えた電子楽器を複数MIDI
接続してアルペジオ演奏を行う場合に、スレーブ楽器で
も元の押鍵情報に基づいてアルペジオ演奏が行われるよ
うにして、演奏者にとって好ましくない演奏音を発生さ
せることなく、複数台の電子楽器で複数のアルペジオパ
ターンを組み合わせたアルペジオ演奏を簡単に行うこと
ができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押鍵によって自動
的にアルペジオを演奏する自動アルペジオ演奏装置およ
びこれを用いたアルペジオ演奏システムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、電子ピアノ、電子キーボード、シ
ンセサイザ等の電子楽器の中には、鍵盤の押鍵によって
自動的にアルペジオを演奏する自動アルペジオ演奏装置
(アルペジエーター)を備えたものがある。アルペジオ
とは、コードの構成音が分散して配置される型の分散和
音およびその奏法のことを言う。例えば、鍵盤でドミソ
と同時に押さえた場合、アルペジエーターは、鍵盤が押
さえられている間ドミソドミソ・・・と1音ずつ順に発
音するように演奏を制御する。
【0003】通常、アルペジエーターが持つ演奏パター
ンには、アップ、ダウン、ランダムなどがあり、音域、
スピードなどもコントロールできるようになっている。
例えば、アップパターンの指定中に鍵盤でドミソと同時
に押さえると、ドミソドミソ・・・の順に発音され、ダ
ウンパターンの指定中に鍵盤でドミソと同時に押さえる
と、ソミドソミド・・・の順に発音される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際にアル
ペジオ演奏を用いて楽曲を作成する場合は、1つのアル
ペジオ演奏を単体で行うことは少なく、複数種類のアル
ペジオ演奏を組み合わせていくことが多い。そのような
場合、従来はオーバーダビングを行って作成していた。
オーバーダビングとは、MTR(マルチトラックレコー
ダ)などで多重録音を行うときのテクニックであり、既
に録音されたアルペジオ演奏を再生しながら新たに別の
トラックに別のアルペジオ演奏を録音することを言う。
【0005】しかしながら、このようなオーバーダビン
グによる方法では、複数のアルペジオ演奏を1つ演奏し
ては録音し、1つ演奏しては録音するといった面倒な作
業を行わなければならなかった。そのため、アルペジオ
演奏を組み合わせていく作業は、リアルタイム性の乏し
いものとなってしまっていた。また、既に録音してある
アルペジオ演奏を利用せざるを得ず、その場でアルペジ
オ演奏の組み合わせを自由に変えることができないの
で、アルペジオ演奏の組み合わせを様々に変えて変化に
富んだ演奏音を得るという偶発性にも欠けていた。
【0006】一方、電子楽器の分野では、演奏情報を相
互に伝達するために決められたデータ転送規格であるM
IDIが存在し、複数の電子楽器をMIDI接続してそ
れぞれから楽音を発生させることも可能である。そこ
で、複数のアルペジオ演奏の組み合わせ作業にリアルタ
イム性を持たせるために、このMIDI規格を利用して
複数の電子楽器を接続し、アルペジオ演奏情報を相互に
伝達して演奏する方法も考えられる。
【0007】しかしながら、従来のMIDI電子楽器を
用いて複数のアルペジオ演奏をリアルタイムで行おうと
すると、マスター楽器では通常通り、その鍵盤操作に応
じてアルペジオ情報が生成され、これによってアルペジ
オ演奏が行われることとなる。これに対してスレーブ楽
器では、マスター楽器で生成されたアルペジオ情報がM
IDI端子から入力され、その入力されたアルペジオ情
報に基づいてアルペジオ演奏が行われることとなる。
【0008】すなわち、スレーブ楽器の側では、入力し
たアルペジオ情報(各演奏パターンに従ってドミソドミ
ソ・・・の順あるいはソミドソミド・・・の順などに発
音するためのキーナンバやベロシティ等)をもとに内部
で更にアルペジオ情報が生成され、これによってアルペ
ジオ演奏が行われることとなる。そのため、演奏者の意
図しないアルペジオ演奏音となってしまう。
【0009】本発明はこのような実情に鑑みて成された
ものであり、複数のアルペジオ演奏を組み合わせていく
場合に、リアルタイム性と偶発性に富んだアルペジオ演
奏を演奏者の意図どおりに簡単に行えるようにすること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の自動アルペジオ
演奏装置は、鍵盤の押鍵によって自動的にアルペジオを
演奏する自動アルペジオ演奏装置において、上記鍵盤の
押鍵によって得られる演奏情報をMIDIアウトする
か、アルペジオ演奏手段により生成されたアルペジオ演
奏情報をMIDIアウトするかを切り換える切換え手段
を設けたことを特徴とする。
【0011】本発明の他の特徴とするところは、上記鍵
盤の押鍵によって得られる演奏情報を上記アルペジオ演
奏手段に供給するか、外部より入力されたMIDI情報
を上記アルペジオ演奏手段に供給するかを切り換える第
2の切換え手段を更に設けたことを特徴とする。
【0012】本発明のその他の特徴とするところは、複
数存在するMIDIチャンネルの中からMIDIアウト
を行うためのチャンネルを設定する出力チャンネル制御
手段と、上記複数存在するMIDIチャンネルの中から
指定されたベーシックチャンネルのオン/オフを制御す
るベーシックチャンネル制御手段とを更に設けるととも
に、上記ベーシックチャンネルがオンとされた場合には
上記鍵盤の押鍵によって得られる演奏情報または外部よ
り入力されるMIDI情報の上記アルペジオ演奏手段へ
の供給を行い、上記ベーシックチャンネルがオフとされ
た場合には上記アルペジオ演奏手段への供給を行わない
ように上記第2の切換え手段を構成したことを特徴とす
る。
【0013】ここで、上記ベーシックチャンネルがオフ
とされた場合には、上記アルペジオ演奏手段は、上記ア
ルペジオ演奏手段に蓄えられているアルペジオ演奏情報
に基づいて演奏を行うようにしても良い。
【0014】また、本発明のアルペジオ演奏システム
は、上記のように構成した自動アルペジオ演奏装置を備
えた電子楽器と他の電子楽器とがMIDIアウト端子お
よびMIDIイン端子を介して接続されていることを特
徴とする。上記他の電子楽器に対して更に少なくとも1
個以上の電子楽器を、MIDIスルー端子およびMID
Iイン端子を介して従属接続するようにしても良い。ま
た、外部よりMIDI入力されたアルペジオ演奏情報が
上記アルペジオ演奏手段に供給されるように上記切換え
手段および第2の切換え手段の設定が行われているとき
に警告を発する警告手段を備えても良い。
【0015】上記のように構成した本発明によれば、ア
ルペジオ演奏手段により生成されたアルペジオ演奏情報
ではなく、鍵盤の押鍵によって得られる演奏情報をMI
DIアウトするように切換え手段を切り換えれば、本発
明の自動アルペジオ演奏装置を備えた電子楽器を2台M
IDI接続してアルペジオ演奏を行う場合でも、スレー
ブ楽器にマスター楽器からの押鍵情報が入力され、スレ
ーブ楽器においても押鍵情報に基づいてアルペジオ演奏
情報が生成されることとなる。
【0016】また、本発明の他の特徴によれば、本発明
の自動アルペジオ演奏装置を備えた電子楽器をMIDI
接続してアルペジオ演奏を行う場合に、マスター楽器に
備えられた第2の切換え手段を、鍵盤の押鍵によって得
られる演奏情報をアルペジオ演奏手段に供給するように
切り換えるとともに、スレーブ楽器に備えられた第2の
切換え手段を、MIDI入力された情報をアルペジオ演
奏手段に供給するように切り換えることによって、スレ
ーブとなる複数の電子楽器にマスターとなる電子楽器か
らの押鍵情報が順次入力され、これらのスレーブ楽器に
おいても押鍵情報に基づいてアルペジオ演奏情報が生成
されることとなる。
【0017】また、本発明のその他の特徴によれば、出
力チャンネル制御手段を用いて任意の出力チャンネルを
設定するとともに、ベーシックチャンネル制御手段を用
いてベーシックチャンネルのオン/オフを制御すること
により、複数存在するMIDIチャンネルの中から使用
するチャンネルを制御して、接続中の電子楽器を任意に
選択してアルペジオ演奏を行うことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態であ
る自動アルペジオ演奏装置を実施した電子楽器の主要構
成を示すブロック図である。本実施形態の自動アルペジ
オ演奏装置では、アルペジオ演奏が図示しないCPU、
ROM、RAMなどから構成されるマイクロコンピュー
タによって成される。
【0019】図1において、1は鍵盤部であり、複数の
鍵とその鍵の各々に対応して設けられた鍵スイッチとを
含む1つまたは複数の鍵盤から成っている。上記鍵スイ
ッチは、押鍵、離鍵を検出するとともに、鍵の動作スピ
ードも検出することができるように構成されている。2
はMIDI信号入力回路であり、MIDI規格に準拠し
た演奏情報(キーナンバやベロシティなど)を外部から
MIDIイン端子を介して入力する。
【0020】3はアルペジオ部であり、上記鍵盤部1ま
たはMIDI信号入力回路2より得られる演奏情報と、
アルペジオ部3内の図示しないROM等にあらかじめ用
意されているアップ、ダウン、ランダムなどの演奏パタ
ーンデータとに基づいて、ドミソドミソ・・・あるいは
ソミドソミド・・・などのアルペジオ演奏情報を発生す
る。このアルペジオ部3は、主に図示しないCPU、R
OM、RAMなどにより構成され、RAM上には、生成
したアルペジオ演奏情報を保持しておくためのバッファ
領域が備えられている。
【0021】4はMIDI信号出力回路であり、上記鍵
盤部1の押鍵によって得られた演奏情報または上記アル
ペジオ部3で生成されたアルペジオ演奏情報を、MID
I規格に準拠させてMIDIアウト端子から外部に出力
する。5は楽音信号発生回路であり、上記アルペジオ部
3に備えられた図示しないRAM内のバッファ領域の内
容に従ってアルペジオ演奏を実行する。
【0022】上記アルペジオ部3は、自動アルペジオ演
奏のテンポを制御するためのタイミング・クロックを発
生するタイマを備えている。操作者が図示しないパター
ン選択用操作子を操作して任意のアルペジオパターンを
選択するとともに、図示しないテンポ操作子を操作して
当該選択したパターンに対応するテンポを設定すると、
鍵盤部1またはMIDI信号入力回路2からの音名情報
を用いて当該選択されたパターンに従ってアルペジオ演
奏情報が生成され、設定されたテンポで楽音信号発生回
路5に順次供給される。
【0023】楽音信号発生回路5は、複数の楽音発生チ
ャンネルを備え、複数の楽音を同時に発生できるように
構成されている。この楽音信号発生回路5では、アルペ
ジオ部3から送られてくる各鍵を表すキーナンバ情報
や、各操作子の操作などにより設定された楽音パラメー
タ情報等に基づいて、図示しないROMからPCM楽音
波形データを読み出し、その振幅やエンベロープを加工
してディジタル形式の楽音データを形成し、それをD/
A変換してアナログの楽音信号を形成する。この楽音信
号発生回路5で形成されたアナログの楽音信号は、増幅
器6で増幅された後、スピーカ7に与えられて放音され
る。
【0024】8はアウトプットスイッチであり、上記M
IDI信号出力回路4から外部に出力するMIDI信号
として、鍵盤部1からの押鍵情報(key )を選択する
か、あるいはアルペジオ部3からのアルペジオ演奏情報
(arpeggio)を選択するかを切り換えるものである。こ
のアウトプットスイッチ8は、ハードウェア的には電子
楽器の操作パネル上に設けられた切り換えを行うための
操作子であり、ソフトウェア的にはCPUによって切り
換えが行われるフラグである。
【0025】9はインプットスイッチであり、上記アル
ペジオ部3に供給する音名情報として、鍵盤部1からの
押鍵情報(key )を選択するか、MIDI信号入力回路
2に入力された外部からのMIDI信号(midi)を選択
するか、それともそのどちらも選択しないか(off )を
切り換えるものである。このインプットスイッチ9も、
ハードウェア的には電子楽器の操作パネル上に設けられ
た切り換えを行うための操作子であり、ソフトウェア的
にはCPUによって切り換えが行われるフラグである。
【0026】上記のように構成した本実施形態の自動ア
ルペジオ演奏装置を備えた電子楽器を用いて例えば2つ
のアルペジオ演奏を組み合わせる場合は、図1と同じ構
成を持つ2つの電子楽器(ただし、鍵盤部1は少なくと
もマスター楽器に存在すれば良い)をMIDI接続して
演奏すれば良い。このとき、マスター楽器となる電子楽
器のアウトプットスイッチ8およびインプットスイッチ
9は共にkey 側に設定する。また、スレーブ楽器となる
電子楽器のインプットスイッチ9はmidi側に設定する。
スレーブ楽器のアウトプットスイッチ8はどちらに設定
しても良い。
【0027】このようにすれば、マスター楽器の側で
は、鍵盤部1の操作によって発生した押鍵情報がアルペ
ジオ部3に供給され、アルペジオ演奏の音名を指定する
バッファへの書き込みが上記押鍵情報によって行われ
る。すなわち、鍵盤部1からの押鍵情報に従ってアルペ
ジオ演奏情報が生成され、これによってアルペジオ演奏
が行われる。そして、上記鍵盤部1の操作によって発生
した押鍵情報は、MIDI信号出力回路4を介してMI
DIアウト端子からスレーブ楽器へと送られる。
【0028】また、スレーブ楽器の側では、マスター楽
器から出力された押鍵情報がMIDIイン端子からMI
DI信号入力回路2に入力され、それがインプットスイ
ッチ9を介してアルペジオ部3に供給される。これによ
り、マスター楽器側の鍵盤部1の操作によって発生した
押鍵情報に従ってスレーブ楽器のアルペジオ演奏情報が
生成される。このとき、マスター楽器とスレーブ楽器と
で発生するアルペジオ演奏のパートなどを変えておけ
ば、1つの押鍵状態で複数の異なるアルペジオパターン
をリアルタイムに演奏することができる。
【0029】また、本実施形態では、アウトプットスイ
ッチ8を設け、アルペジオ演奏情報ではなく押鍵情報そ
のものを外部に出力することができるようにしているの
で、スレーブ楽器において、受信したアルペジオ演奏情
報に基づいて更にアルペジオ演奏情報を生成するという
不都合を防止することができ、演奏者にとって好ましく
ないアルペジオ演奏音が発生しないようにすることがで
きる。もちろん、より一層偶発性および変化に富んだア
ルペジオ演奏を望む場合には、アウトプットスイッチ8
をarpeggio側に切り換えることにより、従来と同様にア
ルペジオ演奏情報を外部に出力することも可能である。
【0030】なお、以上のように2つの電子楽器をMI
DI接続して2つのアルペジオ演奏を組み合わせる場合
は、スレーブ楽器のインプットスイッチ9はmidi側に固
定され、アウトプットスイッチ8はドントケアである。
したがって、スレーブ楽器としては、アウトプットスイ
ッチ8もインプットスイッチ9もなく、単にMIDIイ
ン情報に基づいてアルペジオ演奏を行うようになされた
従来の電子楽器(例えば音源モジュール)を用いても良
い。また、マスター楽器としても、少なくともアウトプ
ットスイッチ8を備えていれば良く、インプットスイッ
チ9は必須の構成ではない(key 側に固定されたもので
も良い)。
【0031】また、3つ以上のアルペジオ演奏を組み合
わせる場合は、図1と同じ構成を持つ複数の電子楽器
(ただし、鍵盤部1は少なくともマスター楽器に存在す
れば良い)を図2のようにMIDI接続して演奏すれば
良い。すなわち、マスター楽器となる電子楽器Aとスレ
ーブ楽器となる電子楽器Bとの間では、電子楽器AのM
IDIアウト端子と電子楽器BのMIDIイン端子とを
結ぶ。また、スレーブ楽器となる電子楽器B,C,D,
…同士では、MIDIスルー端子(図1上には図示して
いない)から出力されたものがMIDIイン端子に入力
されるように接続する。
【0032】このとき、マスター楽器となる電子楽器A
のアウトプットスイッチ8およびインプットスイッチ9
は共にkey 側に設定する。また、スレーブ楽器となる電
子楽器B,C,D,…のインプットスイッチ9はmidi側
に設定する。図2から明らかなように、スレーブ楽器
B,C,D,…ではMIDIアウト端子を利用していな
いので、アウトプットスイッチ8はどちらに設定しても
良い。なお、スレーブ楽器としての電子楽器B,C,
D,…は、上述したように従来の音源モジュールであっ
ても良い。
【0033】このようにすれば、マスター楽器である電
子楽器Aの側では、鍵盤部1の操作によって発生した押
鍵情報がアルペジオ部3に供給され、その押鍵情報に従
ってアルペジオ演奏が行われる。そして、上記鍵盤部1
の操作によって発生した押鍵情報は、MIDI信号出力
回路4を介してMIDIアウト端子からスレーブ楽器で
ある電子楽器Bへと送られる。
【0034】上記スレーブ楽器Bでは、マスター楽器A
から出力された押鍵情報がMIDIイン端子からMID
I信号入力回路2に入力され、それがインプットスイッ
チ9を介してアルペジオ部3に供給される。これによ
り、マスター楽器A側の鍵盤部1の操作によって発生し
た押鍵情報に従ってスレーブ楽器Bのアルペジオ演奏情
報が生成され、アルペジオ演奏が行われる。
【0035】マスター楽器Aからスレーブ楽器Bに入力
された押鍵情報はまた、MIDIスルー端子を介して次
段のスレーブ楽器C,D,…へと順次送られる。これに
より、これらのスレーブ楽器C,D,…においても、マ
スター楽器A側の鍵盤部1の操作によって発生した押鍵
情報に従ってアルペジオ演奏情報が生成され、アルペジ
オ演奏が行われる。このとき、各電子楽器A,B,C,
D,…で発生するアルペジオ演奏のパートなどを変えて
おけば、マスター楽器Aでの1つの押鍵状態で複数の異
なるアルペジオパターンをリアルタイムに演奏すること
ができる。
【0036】以上の例は、各電子楽器A,B,C,D,
…間でMIDI情報を送受信するためのMIDIチャン
ネルが全て一致している場合の例であった。本実施形態
ではさらに、以下に示す例のように、使用するMIDI
チャンネルを制御することもできるようにしている。
【0037】すなわち、現在のほとんどのMIDI機器
ではMIDIチャンネルを複数持てるようになっている
が、本実施形態の各電子楽器A,B,C,D,…もその
ように構成している。そして、それぞれで使用するMI
DIチャンネルとMIDI出力を行うチャンネルとを制
御できるようにしている。そのために本実施形態では、
図1に示したように、出力チャンネルオン/オフ制御操
作子10およびベーシックチャンネルオン/オフ制御操
作子11を設けている。
【0038】上記出力チャンネルオン/オフ制御操作子
10は、複数のMIDIチャンネル毎にMIDI信号出
力回路4における出力チャンネルのON/OFFを制御
するための操作子であり、例えば、電子楽器の図示しな
い操作パネル上に設けられる。ONに設定された全ての
MIDIチャンネルが出力チャンネルとなり、そのON
にされたMIDIチャンネルにおいてのみMIDI信号
の出力が行われる。
【0039】また、ベーシックチャンネルオン/オフ制
御操作子11は、複数のMIDIチャンネル毎にベーシ
ックチャンネルのON/OFFを制御するための操作子
であり、例えば、電子楽器の図示しない操作パネル上に
設けられる。なお、MIDI情報の送受信をするために
は、送信側と受信側とでチャンネルを一致させる必要が
あるが、そのために各楽器に指定されるMIDIチャン
ネルをベーシックチャンネルという。
【0040】図2の例の場合、各電子楽器A,B,C,
Dのベーシックチャンネルはそれぞれ1ch,2ch,3c
h,4chに設定されている。また、出力チャンネルは、
1ch〜4chの4つのチャンネルに設定されているものと
する。そのため、各電子楽器A,B,C,Dでは、1ch
〜4chにて送られてくる演奏情報のうち、それぞれに設
定されたベーシックチャンネルと一致するチャンネルの
演奏情報のみを用いてアルペジオ演奏が行われる。
【0041】ベーシックチャンネルがONの場合は、イ
ンプットスイッチ9はkey またはmidiの何れかに設定可
能であるが、ベーシックチャンネルがOFFにされた場
合はインプットスイッチ9はoff とする。インプットス
イッチ9がoff に設定されたときは、アルペジオ部3に
は鍵盤部1からの鍵盤情報もMIDI信号入力回路2か
らのMIDI信号も与えられない。ただし、アルペジオ
部3に備えられた図示しないRAM内のバッファ領域
に、既に生成されたアルペジオ演奏情報が蓄えられてい
るので、それに基づいてアルペジオ演奏を行うことがで
きる。
【0042】上記のように構成した本実施形態によれ
ば、演奏者は、ベーシックチャンネルオン/オフ制御操
作子11を用いて受信側の電子楽器を任意のベーシック
チャンネルに設定するとともに、出力チャンネルオン/
オフ制御操作子10を用いて出力チャンネルを制御する
ことによって、接続中の電子楽器を任意に選択してアル
ペジオ演奏を行うことが可能である。
【0043】例えば、電子楽器Aで1chを用いてリズム
パート的なアルペジオパターンを作成し、満足するパタ
ーンができたらその1chをOFFにしてインプットスイ
ッチ9をoff とすることにより、作成したリズムパート
のアルペジオパターンを電子楽器Aで1chに固定して発
音させる。つまり、インプットスイッチ9がoff となっ
ている間は、アルペジオ部3は図示しないRAMに記憶
されたアルペジオ演奏情報に基づいて、作成したリズム
パートのアルペジオ演奏を行い続ける。
【0044】次に、この作成したリズムパートのアルペ
ジオパターンを電子楽器Aで発音させながら、2chを用
いて例えばピアノパートのアルペジオパターンを電子楽
器Bで作成する。そして、満足するパターンができたら
その2chもOFFとすることにより、作成したピアノパ
ートのアルペジオパターンを電子楽器Bで2chに固定し
て発音させる。更にその後、他のONとなっている3c
h,4chを変化させてアルペジオ演奏を行っていくとい
うことができる。
【0045】以上詳しく説明したように、本実施形態の
自動アルペジオ演奏装置およびこれを用いたアルペジオ
演奏システムによれば、オーバーダビングなどの面倒な
操作を行うことなく、様々なパターンのアルペジオ演奏
をその場で簡単に組み合わせていくことができ、リアル
タイム性と偶発性とを高めたアルペジオ演奏を行うこと
ができる。
【0046】その際、1つの電子楽器で生成されたアル
ペジオ演奏情報ではなく、鍵盤情報そのものをMIDI
アウトすることができるので、1つの押鍵状態で複数の
異なるアルペジオパターンを演奏することができ、従来
のようにアルペジオ演奏情報をMIDIアウトすること
によって演奏者の意図しない演奏音となってしまう不都
合をなくすこともできる。
【0047】なお、マスター楽器のアウトプットスイッ
チ8をarpeggio側に設定するとともに、スレーブ楽器の
インプットスイッチ9をmidi側に設定した状態で複数の
電子楽器をMIDI接続すると、スレーブ楽器の側では
従来と同様に好ましくない演奏音となってしまうことが
ある(もちろん、このように設定することは演奏者の好
みによって自由である)。そこで、このような設定とな
る場合にはその旨を図示しない操作パネル上の表示器な
どに警告表示するように構成しても良い。なお、アウト
プットスイッチ8やインプットスイッチ9がどのように
切り換えられているかは、MIDI信号の送受信によっ
て確認することが可能である。
【0048】
【発明の効果】本発明は上述したように、鍵盤の押鍵に
より得られる演奏情報をMIDIアウトするか、アルペ
ジオ演奏手段により生成されたアルペジオ演奏情報をM
IDIアウトするかを切り換える切換え手段を設けたの
で、押鍵情報をMIDIアウトするように切り換えれ
ば、本発明の自動アルペジオ演奏装置を備えた電子楽器
を2台MIDI接続してアルペジオ演奏を行う場合で
も、スレーブ楽器においても元の押鍵情報に基づいてア
ルペジオ演奏が行われることとなり、演奏者にとって好
ましくない演奏音を発生させることなく、2台の電子楽
器で2つのアルペジオパターンを組み合わせた演奏を行
うことができる。このように、オーバーダビングの方法
によらず複数のアルペジオ演奏を組み合わせられるの
で、リアルタイム性と偶発性とを高めたアルペジオ演奏
を簡単に行うことができる。
【0049】また、本発明の他の特徴によれば、鍵盤の
押鍵によって得られる演奏情報をアルペジオ演奏手段に
供給するか、外部より入力されたMIDI情報をアルペ
ジオ演奏手段に供給するかを切り換える第2の切換え手
段を更に設けたので、本発明の自動アルペジオ演奏装置
を備えた電子楽器をMIDI接続してアルペジオ演奏を
行う場合に、各電子楽器に備えられた切換え手段および
第2の切換え手段を適当に切り換えることによって、演
奏者にとって好ましくない演奏音を発生させることな
く、3台以上の電子楽器をMIDI接続して複数のアル
ペジオパターンを組み合わせた演奏をリアルタイムに行
うことができる。
【0050】また、本発明のその他の特徴によれば、M
IDIアウトを行うためのチャンネルを設定する手段
と、ベーシックチャンネルのオン/オフを制御する手段
とを更に設け、ベーシックチャンネルがオフとされた場
合にはアルペジオ演奏手段への供給を行わないように第
2の切換え手段を構成したので、複数存在するMIDI
チャンネルの中から使用するチャンネルを制御して、接
続中の電子楽器を任意に選択してアルペジオ演奏を行う
ことができる。よって、より好みに合った組み合わせの
アルペジオパターンなどを簡単に生成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である自動アルペジオ演奏
装置を実施した電子楽器の主要構成を示すブロック図で
ある。
【図2】本発明の一実施形態であるアルペジオ演奏シス
テムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 鍵盤部 2 MIDI信号入力回路 3 アルペジオ部 4 MIDI信号出力回路 5 楽音信号発生回路 6 増幅器 7 スピーカ 8 アウトプットスイッチ 9 インプットスイッチ 10 出力チャンネルオン/オフ制御操作子 11 ベーシックチャンネルオン/オフ制御操作子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵盤の押鍵によって自動的にアルペジオ
    を演奏する自動アルペジオ演奏装置において、 上記鍵盤の押鍵によって得られる演奏情報をMIDIア
    ウトするか、アルペジオ演奏手段により生成されたアル
    ペジオ演奏情報をMIDIアウトするかを切り換える切
    換え手段を設けたことを特徴とする自動アルペジオ演奏
    装置。
  2. 【請求項2】 上記鍵盤の押鍵によって得られる演奏情
    報を上記アルペジオ演奏手段に供給するか、外部より入
    力されたMIDI情報を上記アルペジオ演奏手段に供給
    するかを切り換える第2の切換え手段を更に設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の自動アルペジオ演奏装
    置。
  3. 【請求項3】 複数存在するMIDIチャンネルの中か
    らMIDIアウトを行うためのチャンネルを設定する出
    力チャンネル制御手段と、 上記複数存在するMIDIチャンネルの中から指定され
    たベーシックチャンネルのオン/オフを制御するベーシ
    ックチャンネル制御手段とを更に設けるとともに、 上記ベーシックチャンネルがオンとされた場合には上記
    鍵盤の押鍵によって得られる演奏情報または外部より入
    力されるMIDI情報の上記アルペジオ演奏手段への供
    給を行い、上記ベーシックチャンネルがオフとされた場
    合には上記アルペジオ演奏手段への供給を行わないよう
    に上記第2の切換え手段を構成したことを特徴とする請
    求項2に記載の自動アルペジオ演奏装置。
  4. 【請求項4】 上記ベーシックチャンネルがオフとされ
    た場合には、上記アルペジオ演奏手段は、上記アルペジ
    オ演奏手段に蓄えられているアルペジオ演奏情報に基づ
    いて演奏を行うことを特徴とする請求項3に記載の自動
    アルペジオ演奏装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載の自動
    アルペジオ演奏装置を備えた電子楽器と他の電子楽器と
    がMIDIアウト端子およびMIDIイン端子を介して
    接続されていることを特徴とするアルペジオ演奏システ
    ム。
  6. 【請求項6】 上記他の電子楽器に対して更に少なくと
    も1個以上の電子楽器が、MIDIスルー端子およびM
    IDIイン端子を介して従属接続されていることを特徴
    とする請求項5に記載のアルペジオ演奏システム。
  7. 【請求項7】 外部よりMIDI入力されたアルペジオ
    演奏情報が上記アルペジオ演奏手段に供給されるように
    上記切換え手段および第2の切換え手段の設定が行われ
    ているときに警告を発する警告手段を備えたことを特徴
    とする請求項5または6に記載のアルペジオ演奏システ
    ム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007264157A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Yamaha Corp 電子楽器およびプログラム
JP2007264158A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Yamaha Corp 電子楽器およびプログラム
JP2008076779A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Yamaha Corp アルペジオ演奏装置及びプログラム
US10147408B2 (en) 2015-11-02 2018-12-04 Yamaha Corporation Connection setting of tone processing module

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