JP2016096519A - 音信号処理装置 - Google Patents

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Migaku Nishigori
琢 錦織
田中 匠
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Abstract

【課題】 パッチ部の設定を容易に行えるようにする。【解決手段】 各入力chごとに入力ポート部31の1つの入力ポートが対応付けされる入力パッチ部32と、各入力chごとに入力ポート部41の1つの入力ポートが対応付けされるサブ入力パッチ部42と、各出力ポート毎に1つの入力chが対応付けされるサブ出力パッチ部43とを備える。サブ入力パッチ部42で、1の入力チャンネルに、1の入力ポートが対応付けされたとき、サブ出力パッチ部43では、当該入力ポートに対応する出力ポートに、当該入力chが自動的に対応付けされる。【選択図】 図3

Description

この発明は、複数の入力ポートから入力する音信号を複数の入力チャンネルで処理する音信号処理装置であって、本番の録音を利用して仮想サウンドチェック(VIRTUAL SOUNDCHECK(登録商標))を行うのに適した音信号処理装置に関する。
従来、施設内や校内の放送などの多数の人に音声情報を伝達する放送設備であるPA(Public Addressing)や、コンサート会場などの大規模会場であっても隅々まで音質を均一にして演奏音やボーカル音などを伝達する放送設備であるSR(Sound Reinforcement)が知られている。PA/SRの現場においては、楽器の演奏音やボーカル音をマイクで収音し、ミキシングしてパワーアンプ、各種録音機器、エフェクタや演奏しているプレーヤに送り出すミキサーが用いられている。従来のミキサーは、マイクで収音された音信号やシンセサイザー等からの音信号が入力される入力ポートと、ディジタルおよびアナログの音信号を出力する出力ポートとを備えるI/Oユニットと、ディジタルの音信号のミキシング処理やエフェクト処理を行う音信号処理ユニットと、ユーザの操作に応じて音信号処理ユニットおよびI/Oユニットを制御する各種パネル操作子が設けられたコンソールとを備えている。このようなミキサーでは、複数の入力ポートから入力する音信号を、各入力ポートに対応付けられた入力チャンネル(以下、チャンネルを「ch」と表す)でそれぞれ特性調整してミキシング等の処理を行い、処理された音信号を出力ポートに接続されたアンプに出力して、アンプで電力増幅された音信号で会場内等に設置された複数のスピーカを駆動している。本出願人は、この調整作業そのもの、および、関連するミキサー機能を、「仮想サウンドチェック」と呼んでいる。
また、従来のPA/SRの現場においては、ある会場での本番時に、ミキサーの各入力チャンネルに入力された音信号を、特性調整を行わずにレコーダに出力して録音しておき、同じ会場または別の会場での音響調整時に、レコーダに録音しておいた音信号を、本番を模した入力として各入力チャンネルに入力してミキサーに本番同様の信号処理を行わせ、その会場でスピーカから出力される音を聴きながらミキサー各部の設定調整を行っている。このような設定調整を行うことにより、その場に出演者がいなくても会場の音響調整を行うことができる。
非特許文献1および特許文献1に記載されているデジタルミキサーでは、予め、入力ポートの入替設定画面において、本番用の各入力ポートを、仮想サウンドチェック用の別の入力ポートに入れ替える設定を行うことができる。会場の音響調整時に、ユーザが「仮想サウンドチェック」のボタンをオンすると、その入替設定に従って、入力パッチにおける、本番用の入力ポートが、仮想サウンドチェック用の別の入力ポートに入れ替わる。各入力chには、入力パッチに従って、入れ替わった入力ポートから本番時に録音されたレコーダからのプレイバック音が供給され、各入力chにおいて、音信号の特性調整を行うことができるようになる。そして、特性調整の終了後の本番では、「仮想サウンドチェック」のボタンをオフすることで、入力パッチの入替設定が戻されて、ステージからの音信号が本番用の入力ポートから各入力chに供給されて、特性調整の終了した各入力chにおいて信号処理が行われるようになる。
なお、レコーダは、複数トラックを同時録音再生できるMTR(Multi Track Recorder)である。近年は「DAWソフト」を実行させることによりDAW(Digital Audio Workstation)システムとして動作しているコンピュータを、MTRとして使用することが多い。DAWではマルチトラックレコーディングだけでなく、音信号に対して、波形編集、サウンドエフェクトの付与、ミックスダウン等の様々な処理を施すことができる。
ヤマハ株式会社 PM5D/PM5D-RH V2 DSP5D 取扱説明書,P.216-217,[online], [平成26年10月20日検索],インターネット<http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/pa/japan/mixers/pm5dv2_dsp5d_ja_om_g0.pdf?_ga=1.178356588.97661248.1413680008>
特許第4924101号公報
上記した従来のデジタルミキサーでは、仮想サウンドチェックの設定を、各入力ポート毎に置き換える入力ポートを割り当てる入替設定画面で行うようになっており、仮想サウンドチェック時に、どの入力ポートの音信号がどの入力chに供給されているか、直接見て確認することができなかった。
また、従来の入替設定画面では、仮想サウンドチェック時にその場にいる出演者に合わせて、複数の入力chのうち、一部の入力chで本番用の入力ポートを使いたければ、その入力ポートに対して、本番と同じ入力ポートへの置き換えを設定する必要があった。このように、その場にいる出演者に応じて、仮想サウンドチェックの設定を変更することが容易ではなかった。
さらに、従来の入替設定画面では、全ての入力ポートについて置き換え設定行うようになっており、仮想サウンドチェックに関与しない入力ポートについても、全部設定しなければならなかった。そのため、仮想サウンドチェックに関与する入力ポートの設定だけに絞って、設定を容易化したいという要望があった。
さらにまた、従来は、「仮想サウンドチェック」がオンのとき、入力パッチの設定そのものが変化する。このとき、各入力chに関連して接続先の入力ポートを表示させていると、「仮想サウンドチェック」のオンオフに応じて、表示される入力ポート名が変わってしまう。入力ポート名を変わらないようにするには、各入れ替わる2つの入力ポートに、同じポート名を設定しなければならなかった。
さらにまた、従来の仮想サウンドチェック機能は、入力パッチの設定を一時的に変更するものであって、外部のDAWへ録音するための設定は、それとは別途に行う必要があった。すると、ある入力chについて、その入力chの音信号をDAWへ送る伝送チャンネル(出力ポート)を変更すると、それに応じて、再生時にその音信号がDAWから戻ってくる伝送チャンネルも変化するので、それに応じて入力ポートの入替設定を変更しなければならなかった。
従来においては、サウンドチェック時に、各入力chについて、本番で録音したトラックの音信号が供給されるよう入力ポートを接続するパッチ設定と、それに先だって、本番の演奏時に、そのトラックにその入力chの音信号を録音するための出力ポートのパッチ設定とを、ユーザは、それぞれ別のパッチ設定画面を用いて個別に行わなければならず、容易に設定することができないという問題点があった。
従来のデジタルミキサーのパッチ設定画面では、仮想サウンドチェックに用いるポートとそれ以外のポートとが区別されず、一絡げ表示されており、ポート数が多すぎで選択が難しくなったり、仮想サウンドチェック用の設定を操作ミスで壊す虞があった。
そこで、本発明は、仮想サウンドチェックに関連する一連のパッチ設定を容易に行うことができる音信号処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の音信号処理装置は、仮想サウンドチェックを行う際に、各入力チャンネルごとに何れか1つの入力ポートが対応付けるサブ入力パッチ部と、各出力ポートごとに何れか1つの入力チャンネルが対応付けるサブ出力パッチ部とを備え、前記サブ入力パッチ部で、1の入力チャンネルに、1の入力ポートが対応付けされたとき、前記サブ出力パッチ部では、当該入力ポートに対応する出力ポートに、当該入力チャンネルが自動的に対応付けされ、当該出力ポートには、前記サブ出力パッチ部で対応付けられた当該入力チャンネルで処理される音信号と同じ音信号が供給されることを最も主要な特徴としている。
このような音信号処理装置において、さらに、各入力チャンネルごとに何れか1つの入力ポートが対応付ける入力パッチ部と、通常モードまたは仮想サウンドチェックを行うチェックモードのいずれかを指定するモード指定手段とを備え、前記入力パッチ部と前記サブ入力パッチ部とは独立しており、同じ入力チャンネルに対して、前記入力パッチ部と前記サブ入力パッチ部とで相互に異なる入力ポートを対応付けることができ、前記モード指定手段で前記通常モードが指定された場合は、各入力チャンネルには、前記入力パッチ部で対応付けされた入力ポートの音信号が供給され、前記モード指定手段で前記チェックモードが指定された場合は、前記入力パッチ部の対応付けに優先して、前記サブ入力パッチ部で対応付けされた入力ポートの音信号が供給されるようにしてもよい。
さらに、このような音信号処理装置において、前記入力ポートは、第1群の入力ポートと、第2群の入力ポートとに分けられており、前記入力パッチ部では、各入力チャンネルに、前記第1群の入力ポートの何れか1つが対応付けされ、前記サブ入力パッチ部では、各入力チャンネルに、前記第2群の入力ポートの何れか1つが対応付けされるようにしてもよい。
上記した本発明の音信号処理装置によれば、サブ入力パッチ部で、1の入力チャンネルに、1の入力ポートが対応付けされたとき、サブ出力パッチ部では、当該入力ポートに対応する出力ポートに、当該入力チャンネルが自動的に対応付けされることから、仮想サウンドチェックのための設定を容易に行うことができるようになる。
また、本番用の第1群の入力ポートは入力パッチ部で対応付けし、仮想サウンドチェック用の第2群の入力ポートはサブ入力パッチ部で対応付けするよう分離されたため、仮想サウンドチェックのための設定を操作ミスなく容易に行うことができる。
本発明の音信号処理装置の実施例にかかるミキサーを備える音信号処理システムの構成を示す図である。 本発明の実施例にかかるミキサーを備える音信号処理システムの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施例にかかるミキサーとDAWにおける信号処理の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例にかかるミキサーにおける1つの入力chと出力chの詳細構成を示すブロック図である。 本発明の実施例にかかるミキサーにおける入力パッチ設定画面を示す図である。 本発明の実施例にかかるミキサーにおけるレコーダパッチ設定画面を示す図である。 本発明の実施例にかかるミキサーにおいてレコーダパッチ設定画面におけるサブ入力パッチのグリッドのクリック操作があった時の設定処理のフローチャートである。 本発明の実施例にかかるミキサーにおいて「仮想サウンドチェック」ボタンの操作があった時の通常モード/チェックモード処理のフローチャートである。 本発明の実施例にかかるミキサーにおいて「EN」ボタンの操作があった時のEN処理のフローチャートである。
本発明の音信号処理装置の実施例にかかるミキサー1を備える音信号処理システムの構成を図1に示す。
図1に示す音信号処理システムは、PA/SRシステムと、PA/SRシステムに接続されたDAWシステムとから構成されている。PA/SRシステム側は、本発明の音信号処理装置の実施例にかかるミキサー1を備え、ミキサー1には、会場等に設置された複数本のマイク3a,・・・,3hからの音信号と、シンセサイザー2等からの音信号が入力されてミキシングされる。ミキサー1から出力されるミキシングされた音信号は、アンプ4に供給されて電力増幅され、その増幅された音信号により、会場に設置された複数のスピーカ5a,・・・,5kから音が放音される。
また、DAW側は、DAWソフトがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)6を備え、PC6においてDAWソフトが起動されることにより、PC6がDAWシステムとして動作する。このDAWは、音楽処理装置として機能し、楽曲の演奏や、供給された音信号のマルチトラックレコーディング、編集、ミキシングなどの音楽処理を実行することができるようになる。
本発明の音信号処理装置の実施例にかかるミキサー1を備える音信号処理システムの構成を示す機能ブロック図を図2に示す。
図2に示すように、本発明にかかるミキサー1は、CPU(Central Processing Unit)10,ROM・RAM11,P(Panel)操作子12,P(Panel)表示部13,電動F(Fader)14,AIO(Audio Interface)15,DSP(Digital Signal Processor)16,NIO(Network Interface)17を備え、これらがCPUバス19によって接続されている。また、AIO15,DSP16,NIO17はオーディオバス18によって接続されている。そして、ミキサー1は、複数の入力チャンネル(以下、「チャンネル」を「ch」と表記する)から入力する音信号に対して種々の信号処理を施して複数の出力chから出力する機能を有する。
CPU10は、ミキサー1の動作を統括制御する制御手段であり、ROM・RAM11のROM(Read Only Memory)に記憶された動作ソフトウェアを実行することにより、P表示部13における表示処理、AIO15及びNIO17における入出力処理、DSP16における信号処理の制御や、P操作子12の操作を検出してその操作に従ってパラメータの値の設定/変更や各部の動作を制御するなどの処理を行う。
また、ROM・RAM11のRAM(Random Access Memory)には、データを一時的に記憶するワークメモリ領域が設定されており、CPU10のワークメモリとして使用することができる記憶手段である。ROM・RAM11は独立した記憶手段とする構成の他、フラッシュメモリ等により一部をROM領域とし他部をRAM領域として用いる等種々の構成を採用することができる。
P操作子12は、ミキサー1に対するユーザの操作を受け付けるためのものであり、種々のキー、ボタン、ダイヤル、スライダ、マウス、ホイール、トラックボール、あるいはタッチパネル等によって構成される。例えば、1つのchのパラメータを制御する操作子として、回転ノブ、ボタン、フェーダ等を備えた複数のchストリップを、例えばch数分備えていてもよい。
P表示部13は、CPU10による制御に従って種々の情報を表示する表示手段であり、例えば液晶パネル(LCD)等によって構成することができる。そして、パラメータの値の参照や設定の受付はGUI(Graphical User Interface)により行うことが多いことから、P表示部13はGUI画面を表示できる大きさとされている。P表示部13には、後述する入力パッチ設定画面やレコーダパッチ設定画面が表示される。
電動F14は、ミキシング用のバスへ送り出される信号の出力レベルや、それらのバスから出力された信号の出力レベルを調整するフェーダであり、ユーザが手動および電動により調整することができる。
AIO(Audio Interface)15は、アナログの入出力ポート、ディジタルの入出力ポートを備えており、外部からアナログまたはディジタルの複数chの音信号を入力ポートで受け取り、対応する複数chのディジタルの音信号をオーディオバス18を介してDSP16に供給すると共に、DSP16からの信号処理された複数chのディジタルの音信号をオーディオバス18を介して受け取り、ディジタル信号のまま、あるいは、アナログ信号に変換して出力ポートから外部へ出力する。アナログの入力ポートには、主にマイクロフォンやモノラルのラインレベル機器が接続され、アナログの出力ポートには、ミキサー1からのミキシングされた音信号を増幅してスピーカに供給するアンプなどが接続される。本実施例における入出力ポートの実体は、拡張スロットに装着されたI/Oカードであって、このミキサー1は、SLOT1〜SLOT6の計6つの拡張スロットを有する。SLOT1〜SLOT6に装着されたI/Oカードの入出力ポートに、マイクロフォン、ラインレベル機器、アンプなどが接続される。
NIO17はオーディオネットワークのインタフェースであり、拡張スロットSLOT8を備えており、そのSLOT8には、音信号を送信する出力ポートと音信号を受信する入力ポートをそれぞれ複数備えたネットワークアダプタが装着されている。NIO17は、前記ネットワークアダプタの複数の入力ポートにより、接続されているオーディオネットワーク20を介して他の機器(例えば、PC6)からディジタルの複数chの音信号を受信して、受信した複数chの音信号をオーディオバス18を介してDSP16に供給すると共に、DSP16からの信号処理された複数chのディジタルの音信号をオーディオバス18を介して受け取り、前記ネットワークアダプタの複数の出力ポートにより、オーディオネットワーク20を介して他の機器(例えば、PC6)へ送信する。
DSP16は1ないし複数のDSP(半導体チップ)から構成され、CPU10により設定されたマイクロプログラムを実行することにより、AIO15やNIO17から供給された音信号に対し、CPU10により設定された各種制御データの値に従って、イコライジング、ミキシング等の各種信号処理を施し、処理後の音信号をAIO15やNIO17に供給する信号処理部である。
図2に示すPC6は汎用のコンピュータであり、Windows(登録商標)等のOSを実行するCPU21と、電源投入時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)等のソフトウェアが格納されている不揮発性のROMと、CPU21のワークメモリとして使用すると共に各種データ等が記憶されるRAMからなるROM・RAM22を備えている。また、HDD23は、CPU40が実行する管理ソフトやDAWソフト等のアプリケーションソフトウェアが格納されている書き換え可能な大容量記憶装置(ハードディスク装置)である。CPU21が、DAWソフトを実行することによりPC6は少なくとも36トラックのマルチトラックレコーダ機能(MTR機能)を有するDAWシステムとして動作する。また、UI(User Interface)24は、キーボード、マウス等の操作子や、液晶パネル(LCD)等の表示器である。さらに、AIO25は、DAWシステムの入力部として、外部からアナログまたはディジタルの複数chの音信号を受け取ると共に、DAWシステムの出力部として、処理後の複数chのディジタルの音信号を、ディジタル信号のまま、あるいは、アナログ信号に変換して外部へ出力する。さらに、NIO26は、オーディオネットワークのインタフェースであり、DAWシステムの受信部として、接続されているオーディオネットワーク20を介して他の機器(例えば、ミキサー1)から複数chのディジタルの音信号を受信すると共に、DAWシステムの送信部として、処理済みの複数chの音信号をオーディオネットワークを介して他の機器(例えば、ミキサー1)へ送信する。このDAWの1つの機能であるMTR機能を利用すると、他の機器から入力された複数chの音信号をレコーディングすることができると共に、このDAWで再生された複数chの音信号を他の機器へ出力することができる。
ここでは、ミキサー1のNIO17と、PC6のNIO26とがオーディオネットワーク20により接続されており、このDAWシステムでは、ミキサー1のNIO17の複数の出力ポートから送信される複数chの音信号を、NIO26により、オーディオネットワーク20を介して受信して、受信した複数chの音信号を複数のトラックにそれぞれレコーディングすることができる。また、このDAWシステムの複数のトラックで再生された複数chの音信号を、NIO26によりオーディオネットワーク20を介してミキサー1に送信し、ミキサー1では、NIO17の複数の入力ポートでその複数chの音信号を受信して、受信した各chの音信号の信号処理を行うことができる。NIO17の複数の各出力ポートおよび複数の各入力ポートは、それぞれ出力ポートの番号および入力ポートの番号で特定される。ここでは、説明を簡単にするため、ミキサー1のNIO17のある番号nの出力ポートでDAWシステムに送信され録音された音信号は、その音信号がDAWシステムで再生されミキサー1に送信されたとき、ミキサー1のNIO17の同じ番号nの入力ポートで受信されるよう、ミキサー1ないしPC6が設定されているものとする。
この構成により、音信号処理システムでは、本番時に、ミキサー1の各入力chに供給された音信号を、特性調整を行わずにミキサー1から出力して、PC6のDAWで録音しておく仮想サウンドチェックの準備作業、および、会場の音響調整時に、そのDAWに録音しておいた音信号を再生して、再生した音信号を本番を模した入力として用いてミキサー1に本番同様の信号処理を行わせ、その処理結果を試聴しながらミキサー1において信号処理部の設定調整を行う仮想サウンドチェック(以下、「VSC」という)の作業を行えるようになる。VSCでは、本番時に別々にレコーディングされたドラムやベース、ギター、ピアノなどの楽器音やボーカル音などを用いて、本番さながらに、その会場における各楽器音やボーカル音などの聴こえ具合を調節することができる。
本発明にかかるミキサー1は、VSC機能がオフのときのモードである「通常モード」と、VSC機能がオンのときのモードである「チェックモード」とを有しており、ユーザが指定したいずれかのモードで動作する。ここで、本発明にかかるミキサー1とPC6のDAWにおける信号処理の構成を図3に示す。
図3に示すように、ミキサー1は、通常作業用の第1群の入力ポートで構成された入力ポート部31と、入力パッチ部32と、VSC用の第2群の入力ポートで構成された入力ポート部41と、VSC用の入力パッチ(以下、「サブ入力パッチ」という)42とを備えている。第1群の入力ポートは、この実施例では各16ポートのSLOT1〜SLOT6の96ポートとされ、第2群の入力ポートは、この実施例ではSLOT8の36の入力ポートとされる。入力パッチ部32は、入力ポート部31と、例えば32chの入力ch部33との間に設けられ、ユーザにより、各入力chごとに、入力ポート部31の何れか1つの入力ポートが対応付け(結線)されている。サブ入力パッチ部42は、入力ポート部41と、入力ch部33との間に設けられ、ユーザにより、各入力chごとに、入力ポート部41の何れか1つの入力ポートが対応付け(結線)されている。そして、通常モードでは、全入力ch(32ch)のうちの各入力chには、入力パッチ部32で対応付けされた入力ポート部31の1つの入力ポートからの音信号が供給される。また、チェックモードでは、各入力チャンネルごとに置換の有効または無効を設定することができ、全入力ch(例えば、32ch)のうちの「有効」に設定された各入力chには、サブ入力パッチ部42で対応付けされた入力ポート部41の1つの入力ポートからの音信号が供給され、「無効」に設定された各入力chには、入力パッチ部32で対応付けされた入力ポート部31の1つの入力ポートからの音信号が供給される。
入力ch部33では、32の各入力chにおいて、対応付けされた入力ポートから入力された音信号の音響特性等が調整される。すなわち、各入力chに入力された音信号は、入力ch毎にイコライザやダイナミクスにより音信号の周波数特性やレベルが調整されて、例えば12本のバス34の1ないし複数に送出される。バス34においては、各バスにおいて、任意の入力chから選択的に入力された1ないし複数の入力chからの音信号がミキシングされて、それぞれからミキシング出力が出力される。出力ch部35には、例えばバス34の12本のバスに対応する12出力chが設けられており、各バスから出力されるミキシングされた音信号は、出力ch部35の対応する出力chに供給される。各出力chでは、イコライザやコンプレッサにより周波数バランス等の音響信号の特性が調整されて、出力パッチ部36に出力される。
本発明にかかるミキサー1では、出力パッチ部36と、VSC準備用の出力パッチ(以下、「サブ出力パッチ」という)43とを備えており、出力パッチ部36は、例えば12chの出力ch部35と、例えば32ポートの出力ポート部37との間に設けられ、ユーザにより、各出力ポートごとに、何れか1つの出力chが対応付け(結線)されている。サブ出力パッチ部43は、出力ch部35または入力ch部33と、出力ポート部44との間に設けられ、ユーザにより、各出力ポートごとに、何れか1つの出力chまたは1つの入力chから直接出力されるダイレクトアウト信号が対応付け(結線)されている。なお、出力ポート部44は、この実施例ではSLOT8の36の出力ポートで構成される。
例えば出力ポート部37の32の各出力ポートには、出力パッチ部36で対応付けされた1つの出力chからの音信号が供給される。出力ポートにおいて、ディジタルの出力ch信号はアナログ信号に変換され、その出力ポートに接続されているアンプにより増幅されて会場に配置された複数のスピーカに供給され、それらスピーカから放音される。さらに、この出力ポートからのアナログ信号を、ステージ上のミュージシャン等が耳に装着するインイヤーモニタに供給したり、その近傍に置かれたステージモニタスピーカで再生するようにしてもよい。
また、例えば出力ポート部44の36の各出力ポートには、サブ出力パッチ部43で対応付けされた1つの出力chまたは1つの入力chからの音信号が供給される。出力ポート部44からの、例えば36ch分のディジタルの音信号は、上記したオーディオネットワーク20を介してPC6の受信ポート部51で受信される。受信ポート部51で受信された音信号は、PC6で動作しているDAW7に供給される。DAW7は、PC6においてDAWソフトが実行されることにより実現されたDAWである。DAW7では、録音/再生機能を利用して受信ポート部51の各受信ポートに接続されたトラックに、ミキサー1の出力ポート部44の各出力ポートから出力される音信号がマルチトラックレコーディングされる。このレコーディングされたトラックを再生すると、各トラックで再生された音信号がDAW7から出力されて、送信ポート部52のそのトラックに接続された各出力ポートから送信される。送信ポート部52から送信された、例えば36ch分の音信号は上記したオーディオネットワーク20を介してミキサー1の入力ポート部41に供給される。これにより、上記したVSCを行えるようになる。PC6の受信ポート部51、DAW7、および送信ポート部52は、ミキサー1の出力ポート部44のある番号の出力ポートで送信されDAW7のあるトラックで録音された音信号は、その音信号がそのトラックで再生されPC6から送信されたとき、ミキサー1の入力ポート部41の同じ番号の入力ポートで受信されるよう、予め設定されている。この場合、ミキサー1の出力ポート部44および入力ポート部41のポートの各番号毎に、DAW7に、対応する1つのトラックが存在することになる。
ところで、VSC時に、入力ch部33のある入力chにDAW7のあるトラックの音信号が供給されるよう、サブ入力パッチ部42において、ある入力chにある入力ポートを対応付ける設定をした場合は、そのVSCに先だって、本番の演奏時に、そのトラックにその入力chの音信号を供給して録音しておく必要がある。そのためには、本番時にその入力chで処理される音信号がその同じトラックにも供給されるように、その入力chのダイレクトアウトを、そのトラックに音信号を送る出力ポート部44の出力ポートを対応付けるように、サブ出力パッチ部43を設定してから、本番の録音を行えばよい。この実施例では、サブ入力パッチ部42である番号の入力ポートに対応付けられた入力chを、サブ出力パッチ部43で同じ番号の出力ポートに対応付けるようにすればよい。
本発明の実施例のミキサーにおける1つの入力chiと出力chjの詳細構成を図4に示す。なお、全ての入力chの構成は入力chiと同じ構成とされていると共に、全ての出力chの構成は出力chjと同じ構成とされている。
図4に示すように、入力chiは、VSC(i),Att61,EQ62,Dyna63,Level64,PAN65が縦続接続されて構成されている。VSC(i)は、各入力chに個別に設けられた、仮想サウンドチェック用のスイッチであり、VSC(i)=0のとき、スイッチは下側に切り替えられて入力パッチ部32からの音信号が入力chiの処理対象となり、VSC(i)=1のとき、スイッチは上側に切り替えられてサブ入力パッチ部42からの音信号が入力chiの処理対象となる。Att61は、入力された音信号の減衰量を調整するアッテネータであり、EQ62は、その音信号の周波数特性を調整するイコライザであり、Dyna63は、その音信号のダイナミックレンジを変えるダイナミクスであり、Level64は、その音信号をバス34の各バスへ送り出すレベルを個別に調整するフェーダであり、PAN65は、ステレオ構成のバスへ送出する際の音像の定位を設定するパンである。なお、フェーダの調整は、ユーザが電動F14を操作することにより行われる。また、入力chiで信号処理された音信号は、バス34に供給される。
出力chjは、EQ71,Dyna72,Level73が縦続接続されて構成されている。出力chjには、バス34の対応するバスからミキシングされた音信号が入力され、出力chjで信号処理された音信号は出力パッチ部36およびスイッチRout(i)に供給される。出力chjのEQ71は、バス34から出力された音信号の周波数特性を調整するイコライザであり、Dyna72は、バス34から出力された音信号のダイナミックレンジを変えるダイナミクスであり、Level73は、その音信号の出力レベルを調整するフェーダである。Rout(j)は、レコーディング用のスイッチであり、Rout(j)=1のとき、出力chjで処理され出力パッチ部36に供給される音信号と同じ音信号がサブ出力パッチ部43に供給され、出力ポート部44に接続してDAW7に送れば、その音信号をレコーディングすることができる。Rout(j)=0のときは、出力chjで処理された音信号はサブ出力パッチ部43に供給されない。
また、Att61の前側に接続されたスイッチDout(i)は、ダイレクトアウト用のスイッチであり、Dout(i)=1のとき、入力chiで処理される音信号と同じ音信号がサブ出力パッチ部43に供給され、Dout(i)=0のときは、その音信号はサブ出力パッチ部43に供給されない。
入力パッチ部32において、入力ch部33の各入力chごとに、入力ポート部31の何れか1つの入力ポートを対応付けさせる設定を行う入力パッチ設定画面を図5に示す。この入力パッチ設定画面は、ユーザの画面選択に応じて、P表示部13に表示される。
図5に示す入力パッチ設定画面は、入力パッチ部32の設定を行う画面であって、横方向に複数並んで表示されたパッチ元となる「入力ポート」の列と、縦方向に複数並んで表示されたパッチ先となる「入力チャンネル」の行からなる行列の画面とされ、行の項目は、入力ch部33の入力chの名称、列の項目は、入力ポート部31の入力ポートの名称とされている。画面の左側の行の項目(入力chの名称)欄には、入力ch部33の全入力ch(例えば、32ch分)の名称が縦方向に順番で表示され、図示する例では、「IN CH01」〜「IN CH12」が順番に表示されている。この場合は、「IN CH01」が1番目の入力chに設定された名称となり、以降の入力chに末尾の2桁の数値が1ずつインクリメントされた名称が設定されている。なお、スクロールバーSC2を下方向に移動操作することにより、「IN CH13」以降の入力chの名称が行の項目欄に表示されるようになる。
また、第1群の入力ポートからなる入力ポート部31はSLOT1〜SLOT6(各16ポート)の96ポートからなり、その全入力ポートの名称が列の項目欄に横方向に順番で表示され、図示する例では、16ポートのSLOT1に設定された16ポート分の名称である「VO MIC 1」〜「VO MIC 4」、「GUITAR 1」、「GUITAR 2」、「BASS 1」、「Kick」、「Snare」、「port 11」〜「port 16」と、16ポートのSLOT2に設定された4ポート分の名称である「port 17」〜「port 20」が順番に表示されている。図示する例では、入力ポートの名称は、その入力ポートに接続されたボーカルマイク、ギター、ベース、ドラムなどのマイクや楽器の名称が設定されている。なお、スクロールバーSC1を右方向に移動操作することにより、SLOT2の「port 21」以降の12ポートと、SLOT3〜SLOT6のそれぞれ16ポート分の入力ポートの名称が列の項目欄に表示されるようになる。
そして、入力パッチ部32の設定において、入力chに何れか1つの入力ポートを対応付けようとする場合は、ユーザは、パッチ先の入力chの行と対応付けるパッチ元の入力ポートの列とが交差するグリッドにポインタを置いてクリック操作する。これにより、パッチ先のその入力chにパッチ元のその入力ポートが対応付けされ、当該グリッドには対応付けされたことを示す「○」のマークが表示される。例えば、図示する例では、入力ch「IN CH01」にSLOT2の入力ポート「port 17」が対応付けされ、入力ch「IN CH02」にSLOT2の入力ポート「port 18」が対応付けされ、入力ch「IN CH03」にSLOT1の入力ポート「VO MIC 1」が対応付けされ、入力ch「IN CH04」にSLOT1の入力ポート「VO MIC 2」が対応付けされ、入力ch「IN CH05」にSLOT1の入力ポート「GUITAR 1」が対応付けされている。入力ch「IN CH09」〜「IN CH12」には、表示されている入力ポートの何れも対応付けされていないが、隠れている入力ポートと対応付けされている可能性がある。
各入力chには1つの入力ポートしか対応付けさせることができないので、既に対応付けが設定されている入力chにおいて他のポートを対応付けさせるよう、対応するグリッドをクリックすると、既存の対応付けが解除されて新たな対応付けが設定される。この場合、既存の対応付けに相当するグリッドの「○」のマークが消去され、新たな対応付けに相当するグリッドに「○」のマークが表示される。さらに、「○」のマークが表示されているグリッドにポインタを合わせてクリックすると、その入力chへのその入力ポートの対応付けが解除され、そのグリッドの「○」のマークは消去される。ここで、対応付けることにより、パッチ先の入力chには、対応付けされたパッチ元の入力ポートの音信号が供給される。
ここで、パッチ先の入力chに対する何れか1つのパッチ元の入力ポートの対応付けを示す情報であるパッチデータIPDは、パッチ先である入力ch毎に記録される。具体的には、iを入力chの識別情報(ID)、pを入力ポートの識別情報(ID)とすると、グリッド位置を座標(i,p)で表すことができる。ユーザが、あるグリッド(i,p)をオン操作すると、入力パッチ部32の入力chiのパッチデータIPD(i)に入力ポートのIDであるpが記録される。パッチデータIPDは、パッチ先である入力ch毎に記録されるようになり、入力パッチ部32における、パッチ先の入力chに何れか1つのパッチ元の入力ポートを対応付けさせた情報である。また、あるグリッド(i,p)をオフ操作すると、入力パッチ部32のパッチデータIPD(i)には接続がないことを示す”null”が記録される。なお、入力chのIDを入力ch番号、入力ポートのIDを入力ポート番号とできる。
図5に示す入力パッチ設定画面では、ユーザは、ある入力chの行と、ある入力ポートの列とが交差するグリッドにおける「○」のマーク表示の有無で、その入力chにその入力ポートが対応付けられているか否かを、容易に視認することができる。
サブ入力パッチ部42において、入力ch部33の各入力chを、入力ポート部41の何れか1つの入力ポートを対応付ける設定、および、サブ出力パッチ部43において、出力ポート部44の各ポートを、入力ch部33の何れか1つの入力chのダイレクトアウト、または、出力ch部35の何れか1つの出力chを対応付ける設定を行う際に、ユーザの画面選択に応じて、P表示部13に表示されるレコーダパッチ設定画面を図6に示す。
図6に示すレコーダパッチ設定画面は、左部のサブ入力パッチ設定画面と、右部のサブ出力パッチ設定画面とからなり、左部のサブ入力パッチ設定画面は、横方向に複数並んで表示されたパッチ元となる「入力ポート」の列と、縦方向に複数並んで表示されたパッチ先となる「入力/出力チャンネル」の行からなる行列の画面とされ、行の項目は入力ch部33の入力chまたは出力ch部35の出力chの名称、列の項目は入力ポート部41の入力ポートの名称とされている。また、右部のサブ出力パッチ設定画面は、サブ入力パッチ設定画面と共通の縦方向に複数並んで表示されたパッチ元となる「入力/出力チャンネル」の行と、横方向に複数並んで表示されたパッチ先となる「出力ポート」の列からなる行列の画面とされ、行の項目は入力ch部33の入力chまたは出力ch部35の出力chの名称、列の項目は出力ポート部44の出力ポートの名称とされている。サブ入力設定画面とサブ出力パッチ設定画面とで共通の画面の左側の行の項目欄では、スクロールバーSC3を下に移動操作していくと、入力ch(例えば、32ch分)に続いて出力ch(例えば、12ch分)の名称が行の項目欄に順次表示されるようになる。図3に示すように出力ch部35とサブ入力パッチ部42との接続は無いことから、出力chのエリアには、サブ出力パッチ設定画面のグリッドが表示されるのみであり、サブ入力パッチ設定画面のグリッドは表示されず、そこは空白領域(ブランク)となる。
また、行の項目欄の右側に「EN」と「ON」のボタンが設けられており、「EN」は、各入力chごとに上記した置換の有効または無効を設定するボタンであり、有効状態を「○」で表し、無効状態を「 」(空白)で表している。「ON」は、入力chのエリアでは入力chからサブ出力パッチ部43への経路にあるDoutスイッチをオンオフするボタン、出力chのエリアでは、出力chからサブ出力パッチ部43への経路にあるRoutスイッチをオンオフするボタンであり、オン状態を「○」で表し、オフ状態を「 」(空白)で表している。さらに、レコーダパッチ設定画面の左側の上部にVSCボタン80が設けられている。VSCボタン80は、VSCをオンオフするボタンであり、四角の枠内に「Virtual Sound Check On」が表示されているボタンとして示されている。VSCをオンするとチェックモードとなり、VSCをオフすると通常モードに切り替わる。図示する例ではVSCボタン80が点灯されてVSCがオン(チェックモード)であることが示されている。VSCがオフ(通常モード)の場合は、VSCボタン80は消灯する。
また、第2群の入力ポートからなる入力ポート部41はSLOT8(in)の36の入力ポートからなり、その全入力ポートに設定された名称がサブ入力パッチ設定画面の列の項目欄に横方向に順番で表示され、図示する例では、36ポートのSLOT8(in)の10ポート分の名称である「port 1」〜「port 10」が順番に表示されている。なお、スクロールバーSC4を右方向に移動操作することにより、SLOT8(in)の「port 11」以降の26ポート分の入力ポートの名称が列の項目欄に表示されるようになる。
さらにまた、出力ポート部44はSLOT8(Dout)の36の出力ポートからなり、その全出力ポートの名称がサブ出力パッチ設定画面の項目欄に横方向に順番で表示され、図示する例では、36ポートのSLOT8(Dout)の10出力ポート分の名称である「port 1」〜「port 10」が順番に表示されている。なお、スクロールバーSC5を横方向に移動操作することにより、SLOT8(Dout)の「port 11」以降の26ポート分の出力ポートの名称が列の項目欄に表示されるようになる。
そして、サブ入力パッチ部42において、入力chに何れか1つの入力ポートを対応付けようとする場合は、ユーザは、サブ入力パッチ設定画面の、パッチ先の入力chの行と対応付けるパッチ元の入力ポートの列とが交差するグリッドにポインタを置いてクリック操作する。これにより、対象とする入力chにその入力ポートが対応付けされ、当該グリッドには対応付けされたことを示す「○」のマークが表示される。図示する例では、入力ch「IN CH01」にSLOT8(in)の入力ポート「port 5」が対応付けされ、入力ch「IN CH02」にSLOT8(in)の入力ポート「port 6」が対応付けされ、入力ch「IN CH03」にSLOT8(in)の入力ポート「port 7」が対応付けされ、入力ch「IN CH04」にSLOT8(in)の入力ポート「port 8」が対応付けされている。入力ch「IN CH07」,「IN CH08」,「IN CH10」〜「IN CH12」は、表示されている入力ポートと対応付けされていないが、横方向スクロールで隠れている入力ポートと対応付けされている可能性がある。
また、サブ出力パッチ部43において、何れか1つの出力ポートに入力chあるいは出力chを対応付けさせる場合は、サブ出力パッチ設定画面において、パッチ元の入力chあるいは出力chの行と対応付けるパッチ先の出力ポートの列とが交差するグリッドにポインタを置いてクリック操作する。これにより、パッチ先のその出力ポートにパッチ元のその入力chあるいはその出力chが対応付けされ、当該グリッドには対応付けされたことを示す「○」のマークが表示される。図示する例では、入力ch「IN CH01」にSLOT8(Dout)の出力ポート「port 5」が対応付けされ、入力ch「IN CH02」にSLOT8(Dout)の出力ポート「port 6」が対応付けされ、入力ch「IN CH03」にSLOT8(Dout)の出力ポート「port 7」が対応付けされ、入力ch「IN CH04」にSLOT8(Dout)の出力ポート「port 8」が対応付けされている。そして、入力ch「IN CH09」〜「IN CH12」は、表示されている出力ポートの何れにも対応付けされていないが、隠れている出力ポートと対応付けされている可能性がある。
レコーダパッチ設定画面においては、既存の対応付けを解除して新たな対応付けを設定したり、既存の対応付けを解除することができ、その設定態様は上記した入力パッチ設定画面と同様とされる。なお、レコーダパッチ設定画面で、対応付けることにより、パッチ先の入力chには、対応付けされた入力ポートの音信号が供給され、また、パッチ先の出力ポートには、対応付けされたパッチ元の入力chまたは出力chの音信号が供給される。
ところで、ユーザがサブ入力パッチ設定画面で操作を行い、ある入力chに対して(あるトラックからの音信号を受信する)1つの入力ポートが対応付けされたとき、サブ出力パッチ設定画面では、それに連動して、その入力chに対して、その入力ポートに対応する(その同じトラックへ音信号を送信する)出力ポートを対応付ける設定が自動的に行われる。また、ユーザがサブ出力パッチ設定画面で操作を行い、(あるトラックへ音信号を送信する)ある出力ポートに対して1つの入力chが対応付けされたとき、サブ入力パッチ設定画面では、それに連動して、その入力chに対してその出力ポートに対応する(その同じトラックからの音信号を受信する)入力ポートを対応付ける設定が自動的に行われる。この自動的な設定を行わないようにしたい場合には、ユーザが設定操作を行う際に、P操作子12の内のシフトボタンを押しながらその設定操作を行うようにすればよい。なお、シフトボタンは、それを押しながら他のボタンを押すことにより、該他のボタンの機能を別の機能に変更する(シフトする)ボタンである。
既に説明したように、本発明の実施例では、入力ポート部41におけるSLOT8(in)の入力ポートのport 1〜port 36で受信される音信号の供給元のDAW7の36トラックは、出力ポート部44におけるSLOT8(Dout)の出力ポートのport 1〜port 36で送信した音信号が供給されるDAW7の36トラックと同じトラックである。この意味で、SLOT8(in)の入力ポートのport 1〜port 36とSLOT8(Dout)の出力ポートのport 1〜port 36とは一対一で対応する。例えば、未設定のサブ入力パッチ設定画面において、ユーザが入力ch「IN CH01」,「IN CH02」,「IN CH03」にSLOT8(in)の入力ポート「port 5」,「port 6」,「port 7」をそれぞれ対応付けさせる設定操作を行うと、その際に、シフトボタンが押されていなければ、SLOT8(Dout)の出力ポート「port 5」」,「port 6」,「port 7」に入力ch「IN CH01」,「IN CH02」,「IN CH03の対応付けが連動して自動的に行われる。
逆に、サブ出力パッチ設定画面において、ユーザが、シフトボタンを押さずに、SLOT8(Dout)の出力ポート「port 1」を入力ch「IN CH05」に対応付ける設定操作を行うと、当該入力ch「IN CH05」をSLOT8(in)の入力ポート「port 1」に対応付ける設定が連動して自動的に行われる。
上記したように、パッチ先のある入力chに、パッチ元の入力ポートを対応付ける設定と、パッチ先のその入力ポートに対応する出力ポートに、パッチ元のその入力chを対応付ける設定とは、双方向に連動して自動的に行われることから、仮想サウンドチェックを目的としたパッチの設定は、サブ入力パッチ設定画面あるいはサブ出力パッチ設定画面の何れか一方で行えば良い。
ここで、サブ入力パッチ部42において、パッチ先の入力chに対する何れか1つのパッチ元の入力ポートの対応付けを示す情報であるパッチデータSIPDは、パッチ先である入力ch毎に記録される。具体的には、iを入力chのID、pを入力ポートのIDとすると、サブ入力パッチ設定画面のグリッド位置を座標(i,p)で表すことができる。サブ入力パッチ設定画面において、ユーザが、あるグリッド(i,p)をオン操作すると、サブ入力パッチ部42の入力chiのパッチデータSIPD(i)に入力ポートのIDであるpが記録され、当該グリッド(i,p)に「○」が表示される。そのオン操作の際、シフトボタンが押されていなければ、その入力chiを、入力ポートpに対応する出力ポートに連動して対応付ける上記した設定が自動的に行われる。ここで、その入力ポートpに対応する出力ポートのIDをpxとすると、サブ出力パッチ部43の出力ポートpxのパッチデータSOPD(px)に入力chのIDであるiが記録され、対応するグリッド(i,px)に「○」が表示される。また、あるグリッド(i,p)をオフ操作すると、サブ入力パッチ部42の入力chiのパッチデータSIPD(i)には接続がないことを示す”null”が記録され、当該グリッド(i,p)の「○」が消去される。そのオフ操作の際、シフトボタンが押されていなければ、対応する出力ポートpxのパッチデータSOPD(px)にも“null”が記録され、出力ポートpxのグリッドの「○」が消去される 。
また、サブ出力パッチ部43において、パッチ先の出力ポートに対する何れか1つのパッチ元の入力chあるいは出力chの対応付けを示す情報であるパッチデータSOPDは、パッチ先である出力ポート毎に記録される。すなわち、iを入力chのID、pを出力ポートのIDとすると、サブ出力パッチ設定画面のグリッド位置を座標(i,p)で表すことができる。サブ出力パッチ設定画面において、ユーザが、あるグリッド(i,p)をオン操作すると、サブ出力パッチ部43の出力ポートpのパッチデータSOPD(p)に入力chのIDであるiが記録され、当該グリッド(i,p)に「○」が表示される。そのオン操作の際、シフトボタンが押されていなければ、その入力chiに出力ポートpに対応する入力ポートを連動して対応付けさせる上記した設定が自動的に行われる。ここで、その出力ポートpに対応する入力ポートのIDをpxとすると、サブ入力パッチ部42の入力chiのパッチデータSIPD(i)にpxが記録され、対応するグリッド(i,px)に「○」が表示される。なお、出力chエリアのグリッド(i,p)をオン操作した場合は、iは出力chのIDとなり、サブ出力パッチ部43の出力ポートpのパッチデータSOPD(p)に出力chのIDであるiが記録され、当該グリッド(i,p)に「○」が表示される。また、あるグリッド(i,p)をオフ操作すると、サブ出力パッチ部43の出力ポートpのパッチデータSOPD(p)には接続がないことを示す”null”が記録され、当該グリッド(i,p)の「○」が消去される。そのオフ操作の際、シフトボタンが押されていなければ、入力chiのパッチデータSIPD(i)にも“null”が記録され、入力chiのグリッドの「○」が消去される 。
上述したように、実施例においては、音信号を録音/再生するDAW7のトラックに関して、入力ポート部41におけるSLOT8(in)の入力ポートのport 1〜port 36が、出力ポート部44におけるSLOT8(Dout)の出力ポートのport 1〜port 36に、一対一で対応する。従って、入力ポートと対応する出力ポートとで、IDは異なるが、スロット内の番号は同じになり、サブ入力パッチ設定画面とサブ出力パッチ設定画面では、対応するポート同士が、パッチ平面内の同じグリッド位置(XY座標)に位置するため、ユーザは、上述した連動機能なしでも、VSCのためのパッチ設定を容易に確認したり変更したりできる。
ところで、図6のレコーダパッチ設定画面では、仮想サウンドチェックに関連するポートと入力chとが交差するグリッドだけが表示され、それらグリッドの操作だけを行えば良いことから、仮想サウンドチェックに関与しないその他のポートについての設定を気にすることなく、設定を行える。サブ入力パッチは、入力パッチでの設定された入力chのパッチに置き換えるパッチを設定するものなので、本来的に、入力パッチとは独立に設定できる。サブ出力パッチは、出力パッチでは扱わない出力ポートのパッチなので、出力パッチとは独立に設定できる。
また、VSCボタン80が、レコーダパッチ画面に配置されているため、VSCボタン80をオンしてチェックモードに入る時に、ユーザはこれから入るチェックモードで、DAW7で再生された音信号がどの入力chに入力されるかを容易に認識できる。また、チェックモードに入った後で、ユーザが、DAW7からの音信号の供給先を別の入力chに簡単に変更できる。なお、レコーダパッチ画面におけるサブ入力パッチ部42およびサブ出力パッチ部43の設定は、チェックモード(VSC=1)でも変更でき、その変更は、ただちに反映される。このため、仮想サウンドチェックをしている時に、その場にいる出演者に応じて、設定を変更するのも容易である。
サブ入力パッチ設定画面において、ユーザ操作に応じて、入力chに入力ポートを対応付けさせる設定を行う設定処理のフローチャートを図7に示す。この設定処理は、図6のサブ入力パッチ設定画面で、ユーザがグリッド(i,p)にポインタを置いてクリックした時にCPU10が実行する。ここで、「i」は入力chiのIDであり、「p」は入力ポート部41の入力ポートpのIDである。
グリッド(i,p)が操作されて設定処理が起動されると、ステップS10にてCPU10は操作されたグリッド(i,p)に既存の設定があるか否かを判断する。この場合、サブ入力パッチ部42の入力chiのパッチデータSIPD(i)にp(入力ポートpのID)が記録されておらず、CPU10がグリッド(i,p)に既存の設定はなくグリッド(i,p)のオン操作と判断(NO)した場合はステップS11に進み、CPU10は、サブ入力パッチ部42のグリッド(i,p)のパッチデータSIPD(i)にpを記録して、入力chiに入力ポートpを対応付けさせる。そして、当該グリッドに「○」のマークを表示してレコーダパッチ設定画面にその旨を反映させる。なお、入力chiに入力ポートp以外の入力ポートが対応付けされていた場合もステップS11に進み、既存の対応付けをCPU10が解除すると共に、その対応付けに相当するグリッドの「○」のマークを消去して、上記したステップS11の処理を行う。次いで、ステップS12にてVSCがオン(VSC=1)か否かをCPU10が判断し、ここで、VSC=1(チェックモード)とCPU10が判断(YES)するとステップS14に分岐して、入力chiの置換が有効(EN(i)=1)になっているか否かをCPU10が判断する。ここで、EN(i)=1とCPUが判断(YES)した場合は、ステップS15に進んで、DSP16に、入力ポート部41の入力ポートpからの音信号の入力chiへの供給をCPU10が設定する。これは、図4において、VSC(i)スイッチが上側に切り替えられた状態(VSC(i)=1)に相当する。なお、VSC(i)は、チェックモードで(VSC=1)、かつ、入力chiの置換が有効なとき(EN(i)=1)に「1」となり、それ以外のときは「0」となる。これにより、DSP16は、入力chiにおいて入力ポートpからの音信号の周波数特性やレベルなどの信号処理を行えるようになる。
ステップS11でVSC=0(通常モード)とCPU10が判断(NO)した場合、ステップS14でEN(i)=0(置換が無効)とCPUが判断(NO)した場合、ステップS15の処理が終了した場合は、ステップS13にてシフトボタンがオンされているかオフされているかをCPU10が判断する。シフトボタンはP操作子12の1つであり、オフされているとCPU10が判断した場合は、ステップS16に進み、CPU10は、入力ポート部41の入力ポートpに対応する、出力ポート部44の出力ポートのIDを変数pxに格納する。この出力ポートを出力ポートpxと表す。入力ポートに対応する出力ポートとは、前述したように、ある出力ポートpxから送り出した音信号をDAW7に録音した後、その音信号を再生したときに、再生されたその音信号がDAW7から入力ポートpに入力するとき、その出力ポートpxが入力ポートpに対応する出力ポートとなる。ステップS16の処理が終了すると、ステップS17にてCPU10は、サブ出力パッチ部43の出力ポートpxにかかるパッチデータSOPD(px)にi(入力ポートpに対応付けされた入力chiのID)を記録して、入力chiに出力ポートpxを対応付けさせる。そして、当該グリッドに「○」のマークを表示してレコーダパッチ設定画面にその旨を反映させる。なお、出力ポートpxに入力ポートp以外の入力ポートが対応付けされていた場合は、その対応付けがステップS17で解除されると共に、その対応付けに相当するグリッドの「○」のマークが消去される。ステップS17の処理が終了すると、ステップS18にてCPU10は、ダイレクトアウト用のスイッチがオン(Dout(i)=1)か否かを判断する。ここで、Dout(i)=1とCPU10が判断(YES)するとステップS19に進み、DSP16に、入力chiのダイレクトアウトの音信号の出力ポートpxへの供給をCPU10が設定する。これは、図4において、Dout(i)スイッチがオンされた状態に相当する。
また、ステップS10において、パッチデータSIPD(i)にp(入力ポートのID)が記録されており、CPU10がグリッド(i,p)の既存の設定のオフ操作と判断(YES)した場合はステップS20に分岐して、サブ入力パッチ部42のパッチデータSIPD(i)に”null”を記録して、入力chiへの入力ポートpの対応付けを解除させる。そして、当該グリッドに表示された「○」のマークを消去して、サブ入力パッチ設定画面にその旨を反映させる。次いで、ステップS21にてVSCがオン(VSC=1)か否かをCPU10が判断し、VSC=1(チェックモード)とCPU10が判断(YES)するとステップS23に分岐して、入力chiの置換が有効(EN(i)=1)になっているか否かをCPU10が判断する。ここで、EN(i)=1とCPU10が判断(YES)した場合は、ステップS24に進んで、入力chiには対応付けされた入力ポートがないことから、DSP16に、無音の音信号の入力chiへの供給をCPU10が設定する。
ステップS21でVSC=0(通常モード)とCPU10が判断(NO)した場合、ステップS23でEN(i)=0(置換が無効)とCPUが判断(NO)した場合、ステップS24の処理が終了した場合は、ステップS22にてシフトボタンがオンされているかオフされているかをCPU10が判断する。ここで、CPU10がシフトボタンはオフされていると判断した場合は、ステップS25に進み、CPU10は入力ポートpに対応する出力ポートのIDを変数pxに格納する。そして、ステップS26にてCPU10は、サブ出力パッチ部43の出力ポートpxにかかるパッチデータSOPD(px)に”null”を記録して、出力ポートpxを対応付けさせた入力chiを解除する。そして、当該グリッドに表示されていた「○」のマークを消去してレコーダパッチ設定画面にその旨を反映させる。ステップS26の処理が終了すると、ステップS27にてCPU10は、ダイレクトアウト用のスイッチがオン(Dout(i)=1)か否かを判断する。ここで、Dout(i)=1とCPU10が判断(YES)するとステップS28に進み、出力ポートpxに対応付けされた入力chがないことから、DSP16に、無音の音信号の出力ポートpxへの供給をCPU10が設定する。
ステップS13あるいはステップS22でCPU10がシフトボタンがオンされていると判断した場合、ステップS18あるいはステップS27でCPU10がDout(i)=0と判断(NO)した場合、ステップS19あるいはステップS28の処理が終了した場合は、設定処理が終了する。
上記した設定処理により、サブ入力パッチ設定画面のグリッド(i,p)をオン操作した時に、サブ入力パッチ部42で、入力chiに入力ポートpが対応付けられ、チェックモード(VSC=1)でかつその入力chiの置換が有効(EN(i)=1)とされていた時は、入力ポートpが受信したDAW7からの音信号が直ちに入力chiに供給される。このとき、シフトボタンが押されていなければ、その対応付けに連動して、サブ出力パッチ部43で、入力chiにその入力ポートpに対応する出力ポートpxが対応付けられ、入力chiのダイレクトアウトがオン(Dout(i)=1)とされていた時は、入力chiで処理される(処理前の)音信号が出力ポートpxからDAW7に送信される。この出力ポートpxから送り出した音信号を、どこかの会場で本番が行われた時に、DAW7に録音しておけば、それ以降、任意の会場の音響調整時に、DAW7でその音信号を再生し、再生されたその音信号を入力ポートpで受信することができる。そして、ユーザが、入力chiの置換を有効に設定すれば、入力ポートpからの音信号が入力chiに供給され、入力chiにおいてDSP16は本番で録音された音信号に対して周波数特性やレベルなどの信号処理を行う。また、入力chiの置換を無効に設定すれば、入力パッチ部32で対応付けされた本番の入力ポートからの音信号が入力chiに供給され、入力chiにおいてDSP16はその入力ポートからの音信号に対して周波数特性やレベルなどの信号処理を行うようになる。また、上記したようにグリッドのオン操作とオフ操作はトグル動作となる。サブ入力パッチ設定画面でのオフ操作により、サブ入力パッチ部42で、入力chiへの入力ポートpの対応付けが解除されとき、シフトボタンが押されていなければ、その解除に連動して、サブ出力パッチ部43で、その入力ポートpに対応する出力ポートpxの対応付けが解除される。なお、ステップS26では、その出力ポートpxが何れの入力chに対応付けられているかに関わらず解除されるようになっているが、入力chiに接続されている場合のみ解除されるようにしてもよい。また、「解除」まで連動させることは必須ではなく、「対応付け」だけを連動させるようにしてもよい。
なお、サブ出力パッチ設定画面において、グリッド(i,p)を操作した時は、図7に示す設定処理において入力ポートを出力ポートに置き換えたのとほぼ同様の処理が行われ、グリッド(i,p)をオン操作した時に、サブ出力パッチ部43で、入力chiに出力ポートpが対応付けられ、入力chiのダイレクトアウトがオン(Dout(i)=1)であれば、入力chiで処理される音信号が直ちに出力ポートpに供給される。このとき、シフトボタンが押されていなければ、その対応付けに連動して、サブ入力パッチ部42で、入力chiにその出力ポートpに対応する入力ポートpxが対応付けられる。そして、この出力ポートpから送り出した音信号を、どこかの会場で本番が行われた時にDAW7に録音しておけば、それ以降、任意の会場の音響調整時に、DAW7でその音信号を再生し、再生されたその音信号を入力ポートpxで受信することができる。そして、ユーザが、入力chiの置換を有効に設定すれば、入力ポートpxからの音信号が入力chiに供給され、入力chiにおいてDSP16は本番で録音された音信号対して周波数特性やレベルなどの信号処理を行う。また、入力chiの置換を無効に設定すれば、入力パッチ部32で対応付けされた本番の入力ポートからの音信号が供給され、入力chiにおいてDSP16はその入力ポートからの音信号に対して周波数特性やレベルなどの信号処理を行うようになる。
次に、通常モード/チェックモード処理のフローチャートを図8に示す。通常モード/チェックモード処理は、レコーダパッチ設定画面において、ユーザが「仮想サウンドチェック」ボタン(VSCボタン80)を操作した時にCPU10が実行する。VSCボタン80は、図6のレコーダパッチ設定画面では、「Virtual Sound Check On」が表示されている四角の枠として示され、ユーザがVSCボタン80にポインターを置いてクリックすることでVSCのオンオフを反転できる。
VSCボタン80が操作されて、通常モード/チェックモード処理が起動されると、ステップS30にてCPU10は、VSCのオンオフ状態を反転し、レコーダパッチ設定画面の画面表示に反映させる。例えば、VSCがオン(VSC=1)になると図6に示すようにVSCボタン80が点灯されてチェックモードであることが示され、VSCがオフ(VSC=0)になると、VSCボタン80の表示は消灯あるいはグレー表示の通常モードを示す表示となる。ステップS30の処理が終了すると、ステップS31にてCPU10は、VSC=1となったか否かを判断する。ここで、VSCがオフ(VSC=0)とCPU10が判断(NO)した場合は、通常モードであって、ステップS32に進み最初の入力chのIDを変数iに格納する。この入力chを入力chiと表す。そして、ステップS33にてDSP16に、入力パッチ部32のパッチデータIPD(i)が示す入力chiに対応付けされた入力ポート部31の入力ポートからの音信号の入力chiへの供給をCPU10が設定する。これにより、DSP16は、入力chiにおいて入力パッチ部32で接続された入力ポートからの音信号の周波数特性やレベルなどの信号処理を行えるようになる。ステップS33の処理が終了すると、ステップS34にてCPU10は、iは最後の入力chのIDか否かを判断する。ここで、iは最後の入力chのIDではないとCPU10が判断(NO)した場合は、ステップS35に分岐して次の入力chのIDが変数iに格納されてステップS33に戻り、次の入力chiについて上記したステップS33ないしステップS35の処理が繰り返し行われる。ステップS33ないしステップS35の処理が繰り返し行われた結果、ステップS34にて、iは最後の入力chのIDとCPU10が判断(YES)した場合は、通常モード/チェックモード処理は終了する。
ステップS31で、VSCがオン(VSC=1)とCPU10が判断(YES)した場合は、チェックモードであって、ステップS36に分岐して最初の入力chのIDを変数iに格納する。そして、ステップS37にて入力chiの置換が有効(EN(i)=1)になっているか否かをCPU10が判断する。ここで、EN(i)=0とCPU10が判断(NO)した場合はステップS38に進み、DSP16に、入力パッチ部32のパッチデータIPD(i)が示す入力chiに対応付けされた入力ポート部31の入力ポートからの音信号の入力chiへの供給をCPU10が設定する。これにより、DSP16は、入力chiにおいて入力パッチ部32で接続された入力ポートからの音信号の周波数特性やレベルなどの信号処理を行えるようになる。また、ステップS37でEN(i)=1とCPUが判断(YES)した場合は、ステップS39に進んで、DSP16に、サブ入力パッチ部42のパッチデータSIPD(i)が示す入力chiに対応付けされた入力ポート部41の入力ポートからの音信号の入力chiへの供給をCPU10が設定する。これにより、DSP16は、入力chiにおいてサブ入力パッチ部42で接続された入力ポートからの音信号の周波数特性やレベルなどの信号処理を行えるようになる。ステップS38あるいはステップS39の処理が終了すると、ステップS40にてCPU10は、iは最後の入力chのIDか否かを判断する。ここで、iは最後の入力chのIDではないとCPU10が判断(NO)した場合は、ステップS41に分岐して次の入力chのIDが変数iに格納されてステップS37に戻り、次の入力chiについて上記したステップS37ないしステップS41の処理が繰り返し行われる。ステップS37ないしステップS41の処理が繰り返し行われた結果、ステップS40にて、iは最後の入力chのIDとCPU10が判断(YES)した場合は、通常モード/チェックモード処理は終了する。
上記したように、チェックモード時(VSC=1)においては、置換が有効である入力chiでは、サブ入力パッチ部42のパッチ設定が、入力パッチ部32のパッチ設定に優先してDSP16の信号処理に適用され、置換が無効の入力chiでは、入力パッチ部32のパッチ設定がそのままDSP16の信号処理に適用されるようになる。また、通常モード時(VSC=0)においては、入力パッチ部32のパッチ設定がそのままDSP16の信号処理に適用される。
次に、EN処理のフローチャートを図9に示す。EN処理は、ユーザが、入力chiの「EN」ボタンを操作したときにCPU10が実行する。
入力chiの「EN」ボタンが操作されてEN処理が起動されると、ステップS50にてCPU10は、入力chiのEN(i)の状態を反転すると共に、レコーダパッチ設定画面に反映させて入力chiのマーク表示を反転させる。次いで、ステップS51にてVSC=1か否かをCPU10が判断し、VSC=1(チェックモード)とCPU10が判断(YES)した場合は、ステップS52に分岐する。ステップS52では、入力chiの置換が有効(EN(i)=1)になっているか否かをCPU10が判断する。ここで、EN(i)=0(置換が無効)とCPUが判断(NO)した場合はステップS53に進み、DSP16に、入力パッチ部32のパッチデータIPD(i)が示す入力chiに対応付けされた入力ポート部31の入力ポートからの音信号の入力chiへの供給をCPU10が設定する。これにより、DSP16は、入力chiにおいて入力パッチ部32で接続された入力ポートからの音信号に対して周波数特性やレベルなどの信号処理を行えるようになる。また、ステップS52でEN(i)=1(置換が有効)とCPUが判断(YES)した場合は、ステップS54に進んで、DSP16に、サブ入力パッチ部42のパッチデータSIPD(i)が示す入力chiに対応付けされた入力ポート部41の入力ポートからの音信号の入力chiへの供給をCPU10が設定する。これにより、DSP16は、入力chiにおいてサブ入力パッチ部42で接続された入力ポートからの音信号に対して周波数特性やレベルなどの信号処理を行えるようになる。ステップS51でVSC=0(通常モード)とCPU10が判断(NO)した場合、ステップS53あるいはステップS54の処理が終了した場合は、EN処理は終了する。
上記したように、仮想サウンドチェックがオンされると(チェックモード)、置換が有効にされた入力chiではサブ入力パッチ部42の設定が入力パッチ部32の設定に優先してDSP16の信号処理に適用され、置換が無効にされた入力chiでは、入力パッチ部32の設定がそのままDSP16の信号処理に適用されるようになる。
以上説明した本発明の実施例では、全入力ポートのうち、一部の入力ポートをサブ入力パッチに接続し、残りの入力ポートを入力パッチに接続することにより、仮想サウンドチェック用の入力ポートを明確化し、ユーザの操作ミスを防ぐようになっていた。しかしながら、このような区別を行わず、全ての入力ポートを、サブ入力パッチと入力パッチの両方に接続するようにしてもよい。或いは、両方のパッチに接続される入力ポートと片方のパッチだけに接続される入力ポートとを含むようにしてもよい。
また、以上説明した本発明の実施例では、サブ入力パッチに接続される入力ポートとサブ出力パッチに接続される出力ポートとが予め固定的に決まっていたが、ユーザが、全ポートのうちの所望のポートを仮想サウンドチェック用として指定できるようにしてもよい。その場合、指定された入力ポートが、サブ入力パッチに、指定されなかった入力ポートが入力パッチに接続され、指定された出力ポートが、サブ出力パッチに、指定されなかった出力ポートが出力パッチに接続されるようにすればよい。さらに、以上説明した本発明の実施例では、入力チャンネルのダイレクトアウトの取出口が、アッテネータの前だけであったが、取出口を、アッテネータの前、イコライザの前、ダイナミクスの前、プリフェーダ、ポストフェーダ等から選択できるようにしてもよい。
さらにまた、以上説明した本発明の実施例では、入力チャンネルからサブ出力パッチへのダイレクトアウト経路のみを示していたが、さらに、入力チャンネルから出力パッチへのダイレクトアウト経路を備えていてもよい。さらにまた、以上説明した本発明の実施例では、外部のレコーダをPCのOS上で動作するDAWアプリで実現していたが、それには限らず、マルチトラックの録音/再生ができる機材であればなんでも良い。さらにまた、以上説明した本発明の実施例では、レコーダパッチ設定の説明を簡単にするために、同じ番号の入力ポートと出力ポートとを「対応するポート」としていたが、必ずしもそう対応付ける必要は無い。DAWのあるトラックの音信号をPCから受信する入力ポートと、同じトラックに録音する音信号をPCに送信する出力ポートとが「対応するポート」であり、レコーダ(DAW)側の設定に応じて任意に変更することができる。
さらにまた、以上説明した本発明の実施例では、入力パッチ設定画面、レコーダパッチ設定画面において、縦方向に入力chの名称を表示するようにしたが、横方向に入力chの名称を表示するようにしても良い。この場合、横方向に表示していた入力ポートの名称あるいは出力ポートの名称を、縦方向に表示するようにする。また、レコーダパッチ設定画面では、サブ入力パッチとサブ出力パッチとを、「入力/出力チャンネル」の列を共通にして、上下に並べるとよい。
さらにまた、以上に説明した実施例のレコーダパッチ設定画面では、入力ポートに関するサブ入力パッチ設定画面と出力ポートに関するサブ出力パッチ設定画面とを左右に分けて表示していたが、入力ポートの列と出力ポートの列を同じ番号のポートが隣り合うように交互に並べ、サブ入力パッチ設定画面とサブ出力パッチ設定画面が合体した1つのサブパッチ設定画面として表示するようにしてもよい。
以上説明した本発明においては、ミキサーに接続されるMTR(DAW)のトラック数は、ミキサーの入力チャンネル数より多い数とされているが、MTRのトラック数は任意であって、更に多い数でもよく、或いは、入力チャンネルより少ない数であってもよい。
1 ミキサー、2 シンセサイザー、3a〜3h マイク、4 アンプ、5a〜5k スピーカ、6 PC、7 DAW、10 CPU、11 ROM・RAM、12 P操作子、13 P表示部、14 電動フェーダ、15 AIO、16 DSP、17 NIO、18 オーディオバス、19 CPUバス、20 オーディオネットワーク、21 CPU、22 ROM・RAM、23 HDD、24 UI、25 AIO、26 NIO、31 入力ポート部、32 入力パッチ部、33 入力ch部、34 バス、35 出力ch部、36 出力パッチ部、37 出力ポート部、41 入力ポート部、42 サブ入力パッチ部、43 サブ出力パッチ部、44 出力ポート部、50 DAWアプリ部、51 受信ポート部、52 送信ポート部、61 Att、62 EQ、63 Dyna、64 Level、65 PAN、71 EQ、72 Dyna、73 Level、80 VSCボタン、SC1〜SC5 スクロールバー

Claims (3)

  1. 仮想サウンドチェックを行う際に、各入力チャンネルごとに何れか1つの入力ポートが対応付けるサブ入力パッチ部と、
    各出力ポートごとに何れか1つの入力チャンネルが対応付けるサブ出力パッチ部とを備え、
    前記サブ入力パッチ部で、1の入力チャンネルに、1の入力ポートが対応付けされたとき、前記サブ出力パッチ部では、当該入力ポートに対応する出力ポートに、当該入力チャンネルが自動的に対応付けされ、当該出力ポートには、前記サブ出力パッチ部で対応付けられた当該入力チャンネルで処理される音信号と同じ音信号が供給されることを特徴とする音信号処理装置。
  2. さらに、
    各入力チャンネルごとに何れか1つの入力ポートが対応付ける入力パッチ部と、
    通常モードまたは仮想サウンドチェックを行うチェックモードのいずれかを指定するモード指定手段とを備え、
    前記入力パッチ部と前記サブ入力パッチ部とは独立しており、同じ入力チャンネルに対して、前記入力パッチ部と前記サブ入力パッチ部とで相互に異なる入力ポートを対応付けることができ、
    前記モード指定手段で前記通常モードが指定された場合は、各入力チャンネルには、前記入力パッチ部で対応付けされた入力ポートの音信号が供給され、前記モード指定手段で前記チェックモードが指定された場合は、前記入力パッチ部の対応付けに優先して、前記サブ入力パッチ部で対応付けされた入力ポートの音信号が供給されることを特徴とする請求項1に記載の音信号処理装置。
  3. 前記入力ポートは、第1群の入力ポートと、第2群の入力ポートとに分けられており、
    前記入力パッチ部では、各入力チャンネルに、前記第1群の入力ポートの何れか1つが対応付けされ、前記サブ入力パッチ部では、各入力チャンネルに、前記第2群の入力ポートの何れか1つが対応付けされることを特徴とする請求項2に記載の音信号処理装置。
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