JP2013149943A - リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コイルを励磁した際の磁束の漏れを効果的に低減でき、かつ生産性に優れるリアクトルを提供する。
【解決手段】リアクトル1は、巻線2wを螺旋状に巻回してなる筒状の一つのコイル2と、コイル2の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3とを具える。磁性コア3のうち、コイル2の外周側に設けられた外側コア部32は、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成される。リアクトル1は、外側コア部32の底部に固定される底部遮蔽板40と、側面に固定される側部遮蔽板41sと、端面に固定される端部遮蔽板41eと、頂面に固定される頂部遮蔽板42とを具える。各遮蔽板は、コイル2を励磁した際に生じる磁束の外側コア部32の外部への漏れを遮蔽する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに用いられるリアクトル、このリアクトルを具えるコンバータ、及びこのコンバータを具える電力変換装置に関するものである。特に、漏れ磁束を低減でき、かつ生産性に優れるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。このリアクトルは、ハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータに利用される。そのリアクトルとして、例えば、特許文献1に示すものがある。
特許文献1のリアクトルは、コイルと磁性コアとの組合体をケースに収納した構成を具える。磁性コアは、コイルの内部に配置される円柱状の内側コア部と、コイルの外周に配置されて、磁性体粉末と樹脂との混合物(複合材料)から構成される連結コア部(外側コア部)とを具える。ケースは、アルミニウムなどの金属から構成される四角箱状体(有底筒状)である。
特開2011−124310号公報
コイルの外周が上記複合材料から構成される外側コア部を具えるリアクトルでは、コイルに交流を通電して励磁した際、外側コア部の外部に磁束が漏れる場合がある。上述のように、コイルと磁性コアとの組合体の外周をアルミニウムからなる有底筒状のケースで覆うことで、その漏れ磁束を低減できる。しかし、有底筒状のケースは、例えば、鋳造工程で成型した後、切削加工などの後加工により所望の形状に整えることが代表的な製造方法であり、作製が煩雑になり易い。そのため、リアクトルの生産性が低下する。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、コイルを励磁した際の磁束の漏れを効果的に低減でき、かつ生産性に優れるリアクトルを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記リアクトルを具えるコンバータ、このコンバータを具える電力変換装置を提供することにある。
本発明のリアクトルは、筒状のコイルと、そのコイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを具え、磁性コアのうち、コイルの外周側に配置される箇所の少なくとも一部が磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成されている。そして、複合材料の外周面におけるコイルの軸方向と平行な平行領域の少なくとも一部に固定された遮蔽板を具える。
本発明のリアクトルは、上記平行領域の少なくとも一部に遮蔽板を具えることで、コイルに交流を通電して励磁した際の磁束の漏れを抑制できる。遮蔽板の固定箇所を磁束が漏れ易い上記平行領域とすることで、漏れ磁束の低減に効果的である。
漏れ磁束を低減するための遮蔽部材が板材なので、遮蔽板を複合材料に固定することで漏れ磁束の低減に効果的なリアクトルを生産できる。また、遮蔽部材を板材とすることで、有底筒状のケースを用意する必要がない。加えて、板材の作製は有底筒状のケースを作製する場合に比べて容易である。ケースの代表的な製造方法は、鋳造工程の後に切削加工などにより所望の形状に整える後工程を具えるからである。そのため、板材の作製にはケース作製のような煩雑さが生じない。従って、本発明のリアクトルは生産性に優れる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記遮蔽板における上記複合材料との接触領域の少なくとも一部に粗面化処理が施されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、粗面化処理を施すことで複合材料との接触面積を増大でき、複合材料と遮蔽板とを密着性よく固定できる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記平行領域において、底部に固定される底部遮蔽板と、側部に固定される側部遮蔽板とを具えることが挙げられる。底部は、リアクトルが設置対象に設置されたときに当該設置対象に対向配置される箇所である。側部は、上記底部に繋がる箇所である。
上記の構成によれば、底部遮蔽板、及び側部遮蔽板を具えることで、上記漏れ磁束をより効果的に低減できる。設置対象に接する底部に底部遮蔽板を固定することで、リアクトルを設置対象に設置したとき、底部遮蔽板を介して設置対象へ放熱できるため、リアクトルの放熱性を高めることができる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記底部遮蔽板及び側部遮蔽板を具える場合、さらに、上記コイルを挟んで上記底部に対向配置される頂部に固定される頂部遮蔽板を具えることが挙げられる。
上記の構成によれば、頂部遮蔽板を具えることで、漏れ磁束をさらに効果的に低減できる。その上、頂部遮蔽板を具えることで上記平行領域の全周に亘って遮蔽板で覆われるので、複合材料を外部環境から保護し易い。
本発明のリアクトルの一形態として、上記頂部遮蔽板を具える場合、複合材料は、頂部遮蔽板を当該複合材料に固定するための取付部材を挿通する筒部材を具えることが挙げられる。
上記の構成によれば、複合材料自体に上記取付部材を挿通する筒部材を具えることで、容易かつ確実に頂部遮蔽板を複合材料に取り付けることができる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記底部遮蔽板及び側部遮蔽板を具える場合、さらに、複合材料の外周面におけるコイルの端面と対向に配置される対向領域に固定される端部遮蔽板を具えることが挙げられる。
上記の構成によれば、上記平行領域に底部遮蔽板と側部遮蔽板を具えることに加えて、上記対向領域に端部遮蔽板を具えることで、上記漏れ磁束を効果的に遮蔽できる。また、複合材料を外部環境から保護し易い。
本発明のリアクトルの一形態として、上記端部遮蔽板を具える場合、さらに、側部遮蔽板と端部遮蔽板との間から複合材料の一部が露出する露出領域を具えることが挙げられる。
上記の構成によれば、上記露出領域を具えることで、複合材料に各遮蔽板を固定する際、側部遮蔽板と端部遮蔽板同士が当接するように位置合わせしなくてもよいため、リアクトルの生産性を向上できる。また、両板同士が当接するような高精度の寸法精度を求めなくてもよいため、複合材料に固定する板材の大きさ・形状の選択肢が広がる。そして、露出領域の分、遮蔽板の材料を低減できる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記底部遮蔽板及び側部遮蔽板を具える場合、さらに、樹脂モールド部を具えることが挙げられる。樹脂モールド部は、コイルの外周の少なくとも一部を覆って、当該コイルの形状を保持すると共に、当該コイルと底部遮蔽板とを一体に保持する。
上記の構成によれば、コイルを樹脂モールド部により一体に保持することで、コイルを扱い易い。その上、底部遮蔽板も樹脂モールド部により一体化することで部品点数が少なく、リアクトルの組立作業性にも優れる。
本発明のリアクトルの一形態として、上記樹脂モールド部を具える場合、磁性コアのうち、コイルの内側に配置される内側コア部は、樹脂モールド部の構成樹脂によってコイルと一体に保持されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、樹脂モールド部により内側コア部とコイルと一体に保持することで、リアクトルを製造する際、内側コア部とコイルとがばらばらにならないので、組立作業性に優れる。加えて、内側コア部とコイルとが樹脂モールド部により位置決めされているため、組立作業を簡略化できる。従って、リアクトルの生産性に優れる。
本発明のリアクトルの一形態として、コイルは、横並びされた一対の筒状のコイル素子を具えることが挙げられる。
上記の構成によれば、巻線を螺旋状に巻回してコイル(コイル素子)を形成した場合、縦並びされた一つのコイル素子で構成されたコイルに比べて、同じ巻数(ターン数)とするとき、コイル(両コイル素子)の一端側から他端側までの長さを短くできる。従って、リアクトルの小型化を図ることができる。
本発明のリアクトルの一形態として、磁性コアは、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料で構成されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、磁性体粉末の種類や含有量によって種々の磁気特性の磁性コアを容易に製造できる上に、磁性コアの形状の自由度も大きい。
本発明のリアクトルの一形態として、コイルの内側に配置される内側コア部は圧粉成形体によって構成されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、圧粉成形体は所望の形状に成形し易く、コイルの内周形状に沿った形状を容易に成形することができる。また、リアクトルの小型化に寄与できる。例えば、内側コア部を、コイルの外周に配置される箇所に比べて飽和磁束密度の高い圧粉成形体によって構成した場合、コイルの内側、外側を含む全体の飽和磁束密度が均一的な磁性コアと同じ磁束を得る場合、圧粉成形体の断面積を小さくできるからである。
本発明のリアクトルは、コンバータの構成部品に好適に利用することができる。本発明のコンバータは、上記した本発明のリアクトルを具える。コンバータとしては、スイッチング素子と、上記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを具え、上記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換する形態が挙げられる。
また、本発明のコンバータは、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明の電力変換装置は、上記した本発明のコンバータを具える。電力変換装置としては、入力電圧を変換するコンバータと、上記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを具え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動する形態が挙げられる。
上記の構成によれば、漏れ磁束を低減でき、かつ生産性に優れる本発明のリアクトルを具えることで、他の電気機器に影響を与え難く、車載部品などに好適に利用できる。
本発明のリアクトルは、コイルを励磁した際の磁束の漏れを効果的に低減でき、かつ生産性に優れる。
本発明のコンバータや電力変換装置は、他の電気機器に漏れ磁束による影響を与え難く、車載部品などに好適に利用できる。
(A)は、実施形態1に係るリアクトルの概略斜視図、(B)は、このリアクトルを(B)-(B)線で切断した概略断面図である。 実施形態1に係るリアクトルの概略分解斜視図である。 実施形態1に係るリアクトルに具わるコイル部品において樹脂モールド部によって保持される構成部材の概略斜視図である。 (A)は、実施形態2に係るリアクトルを示す概略斜視図、(B)は、このリアクトルを(B)-(B)線で切断した概略断面図である。 (A)は、実施形態4に係るリアクトルを示す概略斜視図、(B)は、このリアクトルに具わるコイル部品を示す概略斜視図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明のコンバータを具える本発明の電力変換装置の一例を示す概略回路図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
《実施形態1》
図1〜図3を参照して、実施形態1のリアクトル1Aを説明する。リアクトル1Aは、巻線2wを螺旋状に巻回してなる一つのコイル2と、コイル2の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3とを具える。磁性コア3は、コイル2内に配置された柱状の内側コア部31と、コイル2の外周側に配置された外側コア部32とを具え、外側コア部32は、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成されている。リアクトル1Aの特徴とするところは、外側コア部32の外周面におけるコイル2の軸方向と平行に配置される平行領域の少なくとも一部に固定され、コイル2を励磁した際に生じる磁束の外側コア部32の外部への漏れを遮断する遮蔽板を具える点にある。以下、詳細に説明する。なお、図2では、外側コア部を省略している。
〔リアクトル〕
リアクトル1Aは、代表的には、冷却ベースなどの設置対象に設置されて使用される。リアクトル1Aにおける外側コア部32の上記平行領域において、リアクトル1Aが設置対象に設置されたときに当該設置対象に対向して配置される箇所を底部、この底部に立設するように配置され、上記底部に繋がる箇所を側部、上記底部にコイル2を挟んで対向配置され、上記側部に繋がる箇所を頂部とする。一方、外側コア部32におけるコイル2の端面と対向に配置される対向領域を端部とする。対向領域(端部)は、底部に立設するように配置され、底部、側部、及び頂部に繋がる箇所である。ここでは、外側コア部32の外形が直方体状である。そして、外側コア部32の底部(底面)に固定される底部遮蔽板40が樹脂モールド部21によりコイル2と一体に保持されたコイル部品20Aを具える。以下、まず、リアクトル1Aの特徴の一つである遮蔽板に関して説明する。
[遮蔽板]
遮蔽板は、コイル2を励磁した際に生じる磁束の外側コア部32の外部への漏れを遮断する。
遮蔽板の構成材料は、漏れ磁束を低減できる非磁性材料が挙げられる。加えて、磁性コア3を構成する磁性体粉末よりも熱伝導率が高い材料であることが好ましい。そうすれば、放熱性を向上できる。具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金などの非磁性金属材料が挙げられる。列挙した非磁性金属は、軽量であるため、軽量化が望まれる車載部品の構成材料に適する。このように、金属から構成される板材であることで、鋳造や切削加工、塑性加工などにより、所望の形状に容易に製造できる。
遮蔽板の形状・大きさは、適宜選択することができる。遮蔽板を固定する外側コア部32の各面の外形・大きさなどに対応する形状・大きさとすることが好ましい。そうすれば、固定した外側コア部32の面の全面に亘って漏れ磁束を低減できることに加えて、外部環境から保護できる。
遮蔽板の固定手段は、適宜な手段が挙げられる。例えば、接着剤により固定してもよいし、外側コア部32の構成樹脂により一体に固定してもよいし、別途ボルトなどの締付部材で固定してもよい。
遮蔽板のうち、外側コア部32における巻線2wの各端部が引き出される面に固定される遮蔽板は、巻線2wの各端部を外部に引き出すための貫通孔や切欠などを具えることが好ましい。そうすれば、巻線2wの端部を遮蔽板の貫通孔に挿通させること、若しくは切欠に嵌めることで遮蔽板を所定位置に配置したり外側コア部32に固定したりできる。切欠を具える場合、遮蔽板を外側コア部32に固定する際、貫通孔のように巻線2wの各端部を挿通させる作業が不要なのでリアクトル1Aの組立作業性に優れる。
遮蔽板は、独立した複数枚の平板で構成することが好ましい。特に、矩形の平板を用いることが好適である。具体的には、外側コア部32の上記底部(底面)、及び両側部(側面)にそれぞれ独立した底部遮蔽板40、及び側部遮蔽板41sが固定されることが挙げられる。
(底部遮蔽板)
底部遮蔽板40は、磁束の漏れを遮蔽する遮蔽板の一部を構成すると共に、コイル2を支持しつつ、放熱経路として機能する。リアクトル1Aを冷却ベースといった設置対象に設置したとき、底部遮蔽板40の外底面40o(図1(B))が設置対象に接して配置され、設置対象の反対側面:内底面40iに、コイル2と磁性コア3との組物が配置され、かつその周縁部に後述する側部遮蔽板41sが取り付けられる。底部遮蔽板40は、コイル2の表面の一部を覆うように配置され、この配置状態が樹脂モールド部21によって維持される。この底部遮蔽板40には、板状部材が好適に利用できる。
底部遮蔽板40は、図3に示すように、その表裏面:内底面40i、外底面40o(図1(B))が平面で構成された矩形板状の部材であり、内底面40iにおいてコイル2が配置される箇所に放熱台部401が一体に成形されている。ここでは、断面が三角状の2つの突条の間隔をあけて平行に配置した放熱台部401を具える。各放熱台部401はいずれも、コイル2の全長に亘って、コイル2の外周面に沿って配置され、当該外周面に沿った形状の支持面402を具える。支持面402は、コイル2の外周面の設置側(図3の下方側)の曲面部の一部を覆うことが可能な面積を有する。放熱台部401は、支持面402の他、支持面402に繋がり、コイル2の端面に平行な一対の端面401eと、支持面402及び両端面401eに繋がり、コイル2の軸に平行な側面401sとで構成され、両端面401e及び側面401sはいずれも平面で構成されている。両放熱台部401は、支持面402同士が向き合うように並列されており、その並列間隔はレーストラック状のコイル2の外周平面の長さに対応する。
底部遮蔽板40は、後述する筒部材50(図2)の配置箇所に対応する箇所に、筒受け403が一体に成形されている。筒受け403は、筒部材50の内部に収納されて筒部材50と嵌合することで筒部材50を支持する。筒受け403の中心には、ボルト孔を具える。ボルト孔の内周面は、雌ネジ加工が施されており、ボルト孔にボルト500が挿通されて締結される。筒受け403の外周面に雄ネジ加工が施されていてもよい。筒受け403の高さ及び大きさ(外径)は、適宜選択でき、例えば、外側コア部32を具えていない状態で筒部材50を筒受け403に嵌合させた際、筒部材50が所定の位置で安定して支持できる程度の高さや大きさとすることが好ましい。そうすれば、外側コア部32を成形する際、筒部材50を所定の位置に保つことができ、筒部材50を外側コア部32と一体に成形し易い。筒受け403の取付位置、個数などは、用いるボルト500や筒部材50の数に応じて適宜選択できる。ここでは、4つの筒受け403を底部遮蔽板40の四方の各角部に具える。
底部遮蔽板40は、リアクトル1Aを設置対象に固定するための取付部を具える。ここでは、底部遮蔽板40に、固定用のボルト(図示略)が挿通されるボルト孔(ネジ孔でも、雌ネジ加工の無い貫通孔でもよい)が設けられた取付部400を具える。取付部400は、矩形の各角部から突出した突片であり、その中央部にボルト孔を具える。取付部400を具えることで、リアクトル1Aを設置対象に容易に固定できる。取付部400の取付位置、個数、形状などは適宜選択することができる。取付部400を有しない形態とすることもできる。
コイル2の外周が後述する樹脂モールド部21に覆われることで、コイル2と底部遮蔽板40との間には、樹脂モールド部21の構成樹脂が介在する。そのため、主として金属材料から構成される両者間の絶縁性を高められる。ここでは、放熱台部401の支持面402がコイル2の外周面に沿っていると共に、二つの放熱台部401がコイル2の外周面に沿うように設けられていることで、コイル2と底部遮蔽板40間に樹脂が均一的な厚さで存在する。
底部遮蔽板40において樹脂モールド部21によって覆われる領域が広いほど、底部遮蔽板40と樹脂モールド部21との密着性を高められ、結果として、底部遮蔽板40と共にコイル2も樹脂モールド部21に強固に保持される。ここでは、底部遮蔽板40のうち、放熱台部401(支持面402、端面401e、側面401s)が樹脂モールド部21に覆われ、内底面40iにおける放熱台部401以外の領域、側面、及び外底面40o(図1(B))は、樹脂モールド部21に覆われておらず、露出されている。外底面40oが樹脂モールド部21から露出されていることで、放熱台部401から設置対象にコイル2の熱を伝え易く、放熱性に優れる。その他、端面401eや側面401sの一部又は全部が樹脂モールド部21から露出された形態、内底面40iの全面が樹脂モールド部21に覆われた状態とすることができる。
底部遮蔽板40の内底面40iのうち樹脂モールド部21で覆われていない領域は、外側コア部32の構成樹脂により外側コア部32と一体に固定されている。
底部遮蔽板40において、内底面40iは、コイル2と磁性コア3との組物の載置面、側部遮蔽板41s及び端部遮蔽板41eの載置面若しくは固定面となり、外底面40oは、その少なくとも一部(ここでは全体)が設置対象に接して冷却される冷却面となる。外底面40oの一部に設置対象に接触しない領域(平面でも曲面でもよい)が存在することを許容する。図1では、外底面40oが下方に配置された形態を示すが、側方(図1において左右)や上方に配置される場合がある。
(側部遮蔽板)
磁束の漏れを遮蔽する遮蔽板として、外側コア部32の底面に固定される底部遮蔽板40に加えて、外側コア部32の両側面に固定される側部遮蔽板41sを具える。そうすれば、上記側面において漏れ磁束を低減できる。外側コア部32の平行領域のうち両側面側は、一般に頂面側や底面側に比べて外側コア部32の構成材料(磁性体粉末)が多く磁路となり易いため、磁束が多く通過し易く漏れ磁束も多くなり易い。そのため、両側面に固定される側部遮蔽板41sを具えることで、漏れ磁束の低減に効果的である。加えて、漏れ磁束による他の電気機器への影響も低減できる。例えば、リアクトル1Aを車載部品として用いる場合、上記側面の外側には別の電気機器が配置されていることがあるからである。側部遮蔽板41sは、外側コア部32の構成樹脂により外側コア部32と一体に固定されている。
(頂部遮蔽板)
上記底部遮蔽板40及び側部遮蔽板41sに加えて、磁束の漏れを遮蔽する遮蔽板として、外側コア部32の上記頂部(頂面)に固定される頂部遮蔽板42を具えることが好ましい。上述のように、外側コア部32の頂面側は、外側コア部32の側面側に比べる漏れ磁束が多くならない場合がある。その上、外側コア部32の頂面の外側には別の電気機器が配置されていない場合がある。そのため、頂部遮蔽板42を具えていなくても別の電気機器への影響は少ないが、頂部遮蔽板42を具えることでリアクトル1A自体の漏れ磁束の低減により効果的である。頂部遮蔽板42は、その表面にボルト500が挿通されるボルト孔42bを具えており、このボルト孔42bにボルト500を挿通することで、外側コア部32に固定している。
(端部遮蔽板)
更に、磁束の漏れを遮蔽する遮蔽板として、外側コア部32の両端部(端面)に固定される端部遮蔽板41eを具えることが好ましい。外側コア部32の端面側は、外側コア部32の側面側や頂面側に比べてコイル2に面している領域が少なく、側面側や頂面側に比べて磁路が少ない。磁路が少ないため、漏れ磁束が多くないが、端部遮蔽板41eを具えることで、漏れ磁束の低減により効果的である。端部遮蔽板41eは、巻線2wの端部を外側コア部32の端面から引き出せるようにU字状の切欠41nを具える。端部遮蔽板41eは、外側コア部32の構成樹脂により外側コア部32と一体に固定されている。
各面に固定された複数の遮蔽板が外側コア部32の全ての外周面に対してそれぞれ独立している。このように、外側コア部32(複合材料)の外周面において、全面に遮蔽板を固定することで、漏れ磁束を低減できる上に、外側コア部32を保護できる。
各遮蔽板のうち隣接する遮蔽板同士は、互いが固定されていてもよいし固定されていなくてもよい。遮蔽板同士を固定する場合、「底部遮蔽板40と側部遮蔽板41s」、「底部遮蔽板40と端部遮蔽板41e」、「側部遮蔽板41sと端部遮蔽板41e」、「側部遮蔽板41sと頂部遮蔽板42」、「端部遮蔽板41eと頂部遮蔽板42」の組み合わせのうちいずれかの組み合わせが互いに固定されていてもよい。この固定は、外側コア部32を、成形型を用いて成形する前に行う。例えば、底部遮蔽板40と側部遮蔽板41s(端部遮蔽板41e)とが互いに固定されていれば、側部遮蔽板41s(端部遮蔽板41e)を外側コア部32の構成樹脂により一体に固定する場合、外側コア部32の構成材料を成形型内に充填する際に、側部遮蔽板41s(端部遮蔽板41e)を底部遮蔽板40に対して位置決めできる。その上、側部遮蔽板41s(端部遮蔽板41e)を底部遮蔽板40の内底面40iに支持することができる。遮蔽板同士を固定する場合、種々の固定材、例えば、接着剤などが利用できる。勿論、3種類以上の遮蔽板が固定されていてもよい。
一方、遮蔽板同士を固定しない場合、隣接する遮蔽板同士は、接触していてもよいし接触していなくてもよい。各遮蔽板同士が接触する場合、一方の遮蔽板における他方の遮蔽板の接触箇所に、他方の遮蔽板を位置決めする位置決め部があってもよい。位置決め部は、上記接触箇所に形成した凹部などを好適に利用できる。
ここでは、いずれの隣接する独立した遮蔽板同士も互いに固定しない。側部遮蔽板41s及び端部遮蔽板41eは底部遮蔽板40に接触(載置)し、側部遮蔽板41sと端部遮蔽板41eとは接触せず、側部遮蔽板41s及び端部遮蔽板41eと頂部遮蔽板42とは接触している。隣接する遮蔽板同士が接触していない場合、隣接する遮蔽板同士の間から複合材料の一部が露出する露出領域を具える。ここでは、側部遮蔽板41sと端部遮蔽板41eとの間に外側コア部32の一部が露出する露出領域32o(図1(A))を具えている。外側コア部32の角部からは磁束が漏れ難いため、この角部近傍(角部自体含む)に露出領域32oを具えていてもよい。その場合、各角部において、遮蔽板同士を位置合わせする必要がなくリアクトル1Aの生産性を向上できる。その上、リアクトル1Aの製造の際、用意する遮蔽板の寸法精度が、遮蔽板同士の位置が合うような高精度な寸法精度が求められない。つまり、遮蔽板の形状及び大きさの選択肢が広がる。
各遮蔽板が独立した部材であることで、各構成材料を異ならせることができる。例えば、底部遮蔽板40と側部遮蔽板41sとを異なる非磁性金属材料で構成することもできる。具体的には、底部遮蔽板40の構成材料を側部遮蔽板41sよりも熱伝導率が高い金属材料とすることができる。ここでは、全ての遮蔽板をアルミニウム合金から構成している。
[コイル部品]
コイル部品20Aは、図2、図3を参照して説明する。実施形態1のリアクトル1Aに具えるコイル部品20Aは、コイル2と、上述の底部遮蔽板40と、磁性コア3を構成する内側コア部31と、これらを一体に保持する樹脂モールド部21とを具える。
(コイル)
コイル2は、1本の連続する巻線2wを螺旋状に巻回してなる筒状体であり、一つのコイル素子で構成されている。巻線2wは、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁材料(代表的にはポリアミドイミドといったエナメル材料)からなる絶縁被覆を具える被覆線が好適である。導体は、横断面形状が長方形状である平角線、円形状である丸線、多角形状である異形線などの種々の形状のものを利用できる。ここでは、コイル(コイル素子)2は、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメルからなる被覆平角線をエッジワイズ巻きにして形成されたエッジワイズコイルとしている。エッジワイズコイルは、占積率を高めて小型なコイルとし易く、リアクトル1Aの小型化に寄与する。
コイル2の端面形状は、適宜選択することができる。ここでは、端面形状は、直線と円弧とを組み合わせて構成されるレーストラック状であり、コイル2の外周面の少なくとも一部が平面で構成される。このコイル2は、底部遮蔽板40において平面で構成された外底面40o(図1(B))に対して、コイル2の軸が平行するように底部遮蔽板40に載置されている。そのような横型収納形態では、コイル2の外周面のうち上記平面を底部遮蔽板40の外底面40oに平行に配置することで、コイル2の外周面から外底面40oまでの距離が短い領域を多くすることでき、放熱性を高められる。従って、横型収納形態では、上述のレーストラック状のように外周面の少なくとも一部が平面で構成されたコイルが好ましい。その他の形状として、例えば、端面が多角形(例えば、長方形など)で各角部を丸めた形状のコイルなどを好適に利用できる。一方、コイル2の端面形状を円形や楕円などの実質的に曲線のみからなる形状とすると、巻線に平角線を用いた場合でも巻回し易く、コイルの製造性に優れる。本発明では、円筒状のコイルでも、樹脂モールド部21によって底部遮蔽板40に固定されることで、リアクトル1Aの組立時、底部遮蔽板40に対するコイル2の位置が安定して維持される。
コイル2を形成する巻線2wの各端部は、図3に示すようにターン部分から適宜引き延ばされ、銅やアルミニウムなどの導電性材料からなる端子部材(図示せず)が接続され、端子部材を介して、コイル2に電力が供給される。巻線2wの各端部の引き出し方向は適宜選択することができる。ここでは、巻線2wの両端部がコイル2の一端側に配置された形態としている。具体的には、巻線2wの一端部をコイル2の他端側から一端側に折り返してコイル2の軸方向と平行とし、巻線2wの他端部を、コイル2の他端側と反対側(一端側)に向かって折り曲げて同様に軸方向と平行にしている。このように巻線2wの両端部をコイル2の一端側に配置しているので、端子部材などの取り付けを行い易い。巻線2wの各端部はコイル軸方向の異なる方向に配置してもよい。
コイル2においてターン部分から延ばされた巻線2wの引出箇所には、ターン部分に比較して、高電圧が加わる場合がある。従って、巻線2wの引出箇所のうち、少なくとも磁性コア3(外側コア部32)との接触部分に絶縁物を配置すると、コイル2と外側コア部32との間の絶縁性を高められる。ここでは、図1、図2に示すように、巻線2wの引出箇所を樹脂モールド部21によって覆っている。その他、引出箇所に絶縁紙や絶縁テープ(例えば、ポリイミドテープ)、絶縁フィルム(例えば、ポリイミドフィルム)などを適宜巻き付けたり、絶縁性材料をディップコーティングしたり、絶縁性チューブ(熱収縮チューブ及び常温収縮チューブのいずれでもよい)を配置する形態が挙げられる。巻線2wの引出箇所を樹脂モールド部によって覆わない形態では、樹脂モールド部の外形を単純にできるため、コイル部品を成形し易く、樹脂モールド部によって覆う形態では、別途、絶縁物を配置する必要がなく、工程数を低減できる。
(内側コア部)
コイル2の内部に挿通配置される内側コア部31は、図3に示すようにコイル2の内周形状に沿った外形を有する柱状体であり、軟磁性粉末を利用した圧粉成形体から構成されている。詳細は、後述する。
(樹脂モールド部)
樹脂モールド部21は、コイル2の表面の少なくとも一部を覆って、コイル2を一定の形状に保持する。そのため、コイル2は、樹脂モールド部21によって伸縮せず、組立時などで取り扱い易い。また、樹脂モールド部21は、コイル2を自然長よりも圧縮した状態に保持する機能も有する。そのため、コイル2は、その長さが自然長よりも短く、小型である。更に、樹脂モールド部21は、絶縁性樹脂から構成されて、コイル2の表面を覆うことで、コイル2とその周辺部材(磁性コア3や底板遮蔽板40(放熱台部401))との間の絶縁性を高める機能も有する。そして、樹脂モールド部21は、コイル2と底部遮蔽板40とを一体に保持する部材としても機能する。実施形態1のリアクトル1Aでは、更に、樹脂モールド部21は、コイル2と、底部遮蔽板40と、内側コア部31とを一体に保持する。このようなコイル部品20Aを利用することで、リアクトル1Aは、組立部品の点数が少なく、組立作業性に優れる。
ここでは、樹脂モールド部21は、コイル2と、コイル2内に挿通配置された内側コア部31と、コイル2の外周面の一部を覆うように配置される放熱台部401を具える底部遮蔽板40との組物において、上述した端子部材が接続される巻線2wの両端部、及び底部遮蔽板40の内底面40iにおいて放熱台部401を除いた箇所を覆う。つまり、コイル2は、内周面及び外周面、並びに一対の端面、巻線2wの引出箇所の一部、内側コア部31は、外周面の全体、底部遮蔽板40は、放熱台部401の支持面402及び側面401s並びに端面401eの全体が樹脂モールド部21によって覆われている。
樹脂モールド部21の被覆領域は、適宜選択することができる。例えば、コイル2のターン部分の一部が樹脂モールド部21によって覆われず、露出された形態とすることができる。しかし、本例のように、コイル2の実質的に全部を被覆する形態とすると、コイル2と磁性コア3間、及びコイル2と底部遮蔽板40(放熱台部401)間に樹脂モールド部21の構成樹脂が介在することで、コイル2に対する絶縁性を高められる。
ここでは、内側コア部31の両端面31e及びその近傍が樹脂モールド部21に覆われずに露出され、後述する外側コア部32を構成する複合材料と接触する形態であるが、少なくとも一方の端面31eが樹脂モールド部21に覆われた形態とすることができる。このとき、内側コア部31の端面31e上に存在する樹脂は、ギャップとして利用できる。
樹脂モールド部21の厚さは、適宜選択することができ、例えば、0.1mm〜10mm程度が挙げられる。樹脂モールド部21の厚さが厚いほど、絶縁性を高められ、薄いほど、放熱性を高められる上にコイル部品の小型化を図ることができる。薄くする場合、上記厚さは、0.1mm〜3mm程度が好ましく、所望の絶縁強度を満たす範囲で適宜選択するとよい。被覆箇所の全域に亘って厚さが同じである形態、部分的に厚さが異なる箇所を有する形態のいずれも利用することができる。ここでは、樹脂モールド部21においてコイル2の表面を覆う箇所の厚さ、及び放熱台部401を覆う箇所の厚さを均一的としている。即ち、コイル部品20Aの外形は、コイル2と、内側コア部31と、放熱台部401を具える底部遮蔽板40とを組み合わせた組物と相似形状である。その他、例えば、樹脂モールド部21において、放熱台部401のみを覆う箇所の厚さを比較的薄く、コイル2を覆う箇所の厚さを比較的厚くしてもよい。その場合、コイル2と磁性コア3間の絶縁性、コイル2と放熱台部401間の絶縁性を効果的に高められる。なお、コイル2と内側コア部31間に介在される樹脂モールド部21の構成樹脂によって、コイル2と内側コア部31とは同軸に配置されている。
樹脂モールド部21を構成する絶縁性樹脂は、コイル2と磁性コア3間、コイル2と底部遮蔽板40(放熱台部401)間を十分に絶縁可能な程度の絶縁特性と、リアクトル1Aの使用時における最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性とを有し、トランスファー成形や射出成形などが可能な樹脂が好適に利用できる。例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの熱可塑性樹脂が好適に利用できる。窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスからなるフィラーを上記樹脂に混合したものを樹脂モールド部21に利用すると、絶縁性を向上できる上に、放熱性も高められる。特に、熱伝導率が1W/m・K以上、更に2W/m・K以上を満たすものを樹脂モールド部21に利用すると放熱性に優れて好ましい。ここでは、樹脂モールド部21は、フィラーを含有したエポキシ樹脂(熱伝導率:2W/m・K)を利用している。
コイル部品20Aの製造には、例えば、特開2009-218293号公報に記載される製造方法を利用できる。射出成形やトランスファー成形、注型成形などの種々の成形方法によってコイル部品20Aを製造することができる。より具体的には、コイル2、内側コア部31、及び底部遮蔽板40を成形用金型に収納し、所望の厚さの樹脂で覆われるように適宜な支持部材を配置して樹脂モールド部21を成形することによって、コイル部品20Aを製造できる。
絶縁性接着剤(シート状のものでもよい)によって、底部遮蔽板40にコイル2を接合しておき、この接合物に樹脂モールド部21を形成することができる。この場合、成形用金型に対するコイル2と底部遮蔽板40との位置決め、両者の位置の維持を行う必要が無く、成形性に優れる。この製造方法では、コイル2と底部遮蔽板40との間の少なくとも一部に絶縁性接着剤が介在したコイル部品が得られる。従って、本発明では、コイル2と底部遮蔽板40との間に樹脂モールド部21の構成樹脂が介在せず、絶縁性接着剤のみが介在する形態を許容する。絶縁性接着剤は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などからなるもの、更に、上述した窒化珪素やアルミナなどのセラミックスからなるフィラーを含有するもの(好ましくは熱伝導率が2W/m・K超、更に3W/m・K以上、特に10W/m・K以上、とりわけ20W/m・K以上のもの)が挙げられる。接着剤の厚さは、薄いほど放熱性を高められ、例えば、1mm以下、更に0.5mm以下とすることができる。熱伝導率が大きい場合には、接着剤の厚さを1mm以上としてもよい。スクリーン印刷やシート状接着剤などを利用すると、薄い接着剤層を形成し易い。
コイル部品20Aの製造にあたり、コイル2と内側コア部31間の間隔を保持するための間隔保持部材(図示せず)を配置すると、成形用金型の構成を簡易にし易い。間隔保持部材は、例えば、内側コア部31の外周に配置される筒状部材(短くてもよい。複数の分割片を組み合わせて筒状になるものでもよい)、上記筒状部材と筒状部材の周縁から外方に突出する1つ又は複数の平板状のフランジ部とを具える断面L字状の環状部材、コイル2と内側コア部31間に配置される板部材などが挙げられ、これらを組み合わせて利用してもよい。間隔保持部材は、樹脂モールド部21の構成樹脂によってコイル2などに一体化されることから、上述したPPS樹脂、LCP、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などの絶縁性樹脂によって構成すると、コイル2と内側コア部31間の絶縁性を高められる。上述の筒状部材や環状部材を利用する場合、コイル2と内側コア部31間に樹脂モールド部21の構成樹脂が十分に充填されるように、一部を薄くしたり、切れ込みを設けるなど、形状や厚さなどを調整する。
[磁性コア]
磁性コア3は、主として図1、図2を参照して説明する。上述のように柱状の内側コア部31と、内側コア部31の少なくとも一方の端面31e(ここでは両端面)、及びコイル2の外周側に配置されて、コイル部品20Aの外周面(主としてコイル2の外周面)を覆う外側コア部32とを具え、コイル2を励磁した際に閉磁路を形成する。
(内側コア部)
内側コア部31は、コイル2の軸方向の長さよりも若干長い。つまり、コイル2内に挿通配置された状態において、両端面31e及びその近傍の外周面がコイル2の端面から若干突出している。この状態が樹脂モールド部21によって維持されている。内側コア部31においてコイル2の各端面から突出する長さ(以下、突出長さと呼ぶ)は、適宜選択することができる。突出長さを等しくしているが、異ならせてもよいし、コイル2のいずれか一方の端面からのみ突出部分が存在するように、内側コア部の長さやコイル2に対する内側コア部の配置位置を調整することができる。内側コア部の長さがコイル2の長さと同等以上であると、コイル2がつくる磁束を内側コア部31に十分に通過させられる。
磁性コア3はその全体が一様な材質から構成された形態とすることができるが、ここでは、部分的に材質が異なっており、内側コア部31は、圧粉成形体、外側コア部32は、複合材料から構成されている。
圧粉成形体は、代表的には、原料粉末を加圧成形後、適宜熱処理を施すことで製造され、複雑な立体形状であっても、比較的容易に成形することができる。原料粉末には、鉄基材料(鉄族金属や鉄合金)や希土類金属などの軟磁性材料からなる金属粒子の表面にシリコーン樹脂やリン酸塩などからなる絶縁被覆を具える被覆粉末やフェライト粉末、更に熱可塑性樹脂などの樹脂や高級脂肪酸などの添加剤(代表的には、熱処理によって消失、又は絶縁物に変化するもの)を適宜混合した混合粉末が挙げられる。上述の製造方法によって、軟磁性粒子間に絶縁物が介在する圧粉成形体が得られ、この圧粉成形体は、絶縁性に優れるため、渦電流損を低減できる。圧粉成形体は、原料の軟磁性粉末を多くしたり、成形圧力を高めたりするなど、原料や製造条件を調整することで、外側コア部32を構成する複合材料よりも飽和磁束密度を高め易い。圧粉成形体は、公知のものを利用することができる。
柱状の内側コア部31は、所望の形状の金型を用いて成形した一体物としたり、圧粉成形体からなる複数のコア片を積層した積層体としたりすることができる。積層体は、接着剤や接着テープなどで固定して一体物とすることができる。ここでは、内側コア部31は、ギャップ材やエアギャップが介在していない中実体としている。
(外側コア部)
外側コア部32の形状は、側部遮蔽板41s、端部遮蔽板41e、及び頂部遮蔽板42の内周面と、コイル部品20Aの外周面に囲まれた部分とがつくる空間に沿った形状である。即ち、コイル部品20Aにおいて、各遮蔽板の外表面(遮蔽板の側面及び外周面)、及び巻線2wの両端部を除く領域は、外側コア部32に覆われている。外側コア部32の一部が内側コア部31の両端面31eに連結するように設けられていることで、磁性コア3は閉磁路を形成する。
外側コア部32を構成する複合材料は、代表的には、射出成形、トランスファー成形、MIM(Metal Injection Molding)、注型成形、磁性体粉末と粉末状の固体樹脂とを用いたプレス成形などにより製造することができる。射出成形は、磁性体粉末と樹脂とを含む混合物を所定の圧力をかけて成形型に充填して成形した後、上記樹脂を硬化することで複合材料が得られる。トランスファー成形やMIMも原料を成形型に充填して成形を行う。注型成形では、上記混合物を、圧力をかけることなく成形型に注入して成形・硬化することで複合材料が得られる。
外側コア部32を構成する複合材料中の磁性体粉末は、上述した内側コア部31を構成する軟磁性粉末と同様の組成でも異なる組成でもよい。同じ組成の場合でも、複合材料は、非磁性材料である樹脂を含有することから、圧粉成形体よりも飽和磁束密度が低く、かつ比透磁率も低くなる。従って、外側コア部32を複合材料によって構成することで、圧粉成形体から構成された内側コア部31よりも比透磁率を低くできる。
複合材料中の磁性体粉末は、単一種でも、材質の異なる複数種の粉末を含有していてもよい。外側コア部32を構成する複合材料では、純鉄粉などの鉄基粉末が好ましい。複合材料でも、圧粉成形体の場合と同様に被覆粉末であると、軟磁性粒子間の絶縁性を高められ、渦電流損を低減できる。
複合材料中の磁性体粉末の平均粒径は、1μm以上1000μm以下、特に10μm以上500μm以下が挙げられる。磁性体粉末は、粒径が異なる複数種の粉末(粗大粉末及び微細粉末)を含むと、飽和磁束密度が高く、低損失なリアクトルを得易い。なお、複合材料中の磁性体粉末は、原料の粉末と実質的に同じである(維持されている)。平均粒径が上記範囲を満たす粉末を原料に用いると、流動性に優れ、射出成形などを利用して複合材料を生産性よく製造できる。
外側コア部32を構成する複合材料中の磁性体粉末の含有量は、複合材料を100%とするとき、体積割合では40体積%以上75体積%以下が挙げられる。磁性体粉末が40体積%以上であることで、磁性成分の割合が十分に高いため磁性コア3全体の飽和磁束密度といった磁気特性を高め易い。磁性体粉末が75体積%以下であると、複合材料の製造性に優れる。上記磁性体粉末の含有量は、50体積%以上65体積%以下が特に好ましい。
複合材料中のバインダとなる樹脂は、代表的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。その他、PPS樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、或いは低温硬化性樹脂を利用できる。
磁性体粉末及び樹脂に加えて、アルミナやシリカなどのセラミックスといった非磁性体からなる粉末(フィラー)を含有する複合材料とすることができる。フィラーは、放熱性の向上、磁性体粉末の偏在の抑制(均一的な分散)に寄与する。フィラーが微粒であり、磁性体粒子間に介在することで、フィラーの含有による磁性体粉末の割合の低下を抑制できる。フィラーの含有量は、複合材料を100質量%とするとき、0.2質量%以上20質量%以下、更に0.3質量%以上15質量%以下、特に0.5質量%以上10質量%以下であると、上記効果を十分に得られる。
ここでは、外側コア部32は、平均粒径75μm以下の鉄基材料(純鉄)からなる粒子の表面に絶縁被膜を具える被覆粉末とエポキシ樹脂との複合材料から構成されている(複合材料中の純鉄粉の含有量:40体積%)。また、外側コア部32も、内側コア部31と同様、ギャップ材やエアギャップを介在していない。従って、磁性コア3は、その全体に亘ってギャップを有していない。ギャップを有さないことで、(1)小型化、(2)損失の低減、(3)大電流の通電時におけるインダクタンスの低下の低減、を図ることができる。なお、磁性コア3は、アルミナ板などの非磁性材料からなるギャップ材やエアギャップを介在した形態とすることができる。
外側コア部32は、閉磁路が形成できれば、その形状は特に問わない。この例のように、底部遮蔽板40の外表面を除くコイル部品20Aの概ね全周が複合材料によって覆われた形態は、複合材料(外側コア部32)によって、コイル部品20Aの機械的保護の強化を図ることができる。外側コア部32は、放熱台部401を含む底部遮蔽板40だけでなく、側部遮蔽板41s、端部遮蔽板41e、及び頂部遮蔽板42に接することができるため、外側コア部32からの熱を、これら遮蔽板全体を介して外部に放散できる。
外側コア部32は、リアクトル1Aが頂部遮蔽板42を具える場合、頂部遮蔽板42を外側コア部32に固定するための取付部材(ボルト500)を挿通させる挿通孔を具えることが好ましい。上記挿通孔として筒部材(カラー)50が挙げられる。ここでは、筒部材50が外側コア部32の四方の角にそれぞれに埋設されている。
筒部材50の長さは、適宜選択できる。例えば、外側コア部32の頂面から底面に亘る長さ、即ち、筒部材50の両端面が外側コア部32の頂面と底面に面一となる程度の長さとすることが挙げられる。また、外側コア部32の頂面から、その底面に至る途中までの長さ、即ち、筒部材50における上記底面側の端面が外側コア部32に埋設される程度の長さとしてもよい。前者の場合、ボルト500を底部遮蔽板40(筒受け403)に締結させることで、頂部遮蔽板42を外側コア部32(上記頂面)に固定できる。ボルト500を冷却ベースなどの設置対象に直接締結してもよい。その場合、筒受け403の内周面を雌ネジ溝のない挿通孔とし、設置対象に雌ネジ溝を有するネジ孔を設けておき、リアクトル1Aの高さ(図1(B)の上下方向)よりも長いボルトを用いて締結すればよい。前者および後者のいずれの場合においても、ボルト500を筒部材50内に締結してもよい。その場合、筒部材50の内周面に雌ネジ加工が施されたものを使用するとよい。
筒部材50の厚さ(外形と内径の差)は、筒部材の一端側から他端側(外側コア部32の頂面側から底面側)に亘って均一とすることが好ましい。そうすれば、筒部材50の強度を全長に亘って一定にすることができる。筒部材50の内径及び外径は、筒部材50の一端側から他端側に亘って均一としてもよいし、部分的に異なっていてもよい。ここでは、筒部材50における上記底面側の内径および外径を、それ以外よりも大きくしている。筒部材50は、上記頂面側にボルト500が挿通される挿通部と、上記底面側に筒受け403と連結される連結部とを具える。上記挿通部の内径及び外径は、一様としている。内径を一様とすることで、ボルト500の挿通が容易である。外径を一様とすることで、筒部材50の作製が容易である。一方、上記連結部の内径及び外径は、上記挿通部の内径及び外径よりも大きい。そうして、上記連結部を筒受け403の外側に嵌める構成としている。この構成の他、上記連結部を上記挿通部よりも細い外径として筒受け403の内側に嵌め込む構成としてもよい。いずれの場合でも、両者を接着剤で固定してもよいし、前者(後者)の場合、連結部の内周(外周)に雌ネジ溝(雄ネジ溝)、筒受け403の外周(内周)に雄ネジ溝(雌ネジ溝)をそれぞれ具えておき、締結する構成としてもよい。そうすれば、筒受け403により筒部材50を支持することができ、リアクトル1Aの製造の際、筒部材50を位置合わせし易くなることに加えて、筒部材50を所定の位置に支持し易くなる。
筒部材50の材質は、例えば、非磁性金属材料とすることが挙げられる。具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金が挙げられる。そうすれば、これらの金属は軽量であるため、軽量化が望まれる車載部品の構成材料に適する。また、これらの金属は熱伝導性にも優れるため、筒部材50を底部遮蔽板40に接触させることで、筒部材50を介して放熱も期待できる。その他、筒部材50の材質として、外側コア部32の製造時、或いは使用時の温度に対して耐熱性を有する樹脂、具体的には、PPS樹脂、エポキシ樹脂、BMC(Bulk molding compound)樹脂などを用いることもできる。この点は、筒受け403やボルト500についても該当し、これら部材を上記樹脂で構成することもできる。
(磁気特性)
上述のように構成材料が異なることで、磁性コア3は、部分的に磁気特性が異なっている。具体的には、内側コア部31は、外側コア部32よりも飽和磁束密度が高く、外側コア部32は、内側コア部31よりも比透磁率が低い。より具体的には、圧粉成形体から構成される内側コア部31は、飽和磁束密度:1.6T以上、かつ外側コア部32の飽和磁束密度の1.2倍以上、比透磁率:100以上500以下で、複合材料から構成される外側コア部32は、飽和磁束密度:0.6T以上、かつ内側コア部31の飽和磁束密度未満、比透磁率:5以上50以下、好ましくは10以上35以下で、内側コア部31及び外側コア部32からなる磁性コア3全体の比透磁率は10以上100以下である。内側コア部の飽和磁束密度が高い形態は、全体の飽和磁束密度が均一的な磁性コアと同じ磁束を得る場合、内側コア部の断面積を小さくできるため、リアクトルの小型化に寄与することができる。内側コア部31の飽和磁束密度は、1.8T以上、更に2T以上が好ましく、外側コア部32の飽和磁束密度の1.5倍以上、更に1.8倍以上が好ましい。圧粉成形体に代えて、珪素鋼板に代表される電磁鋼板の積層体を利用すると、内側コア部の飽和磁束密度を更に高め易い。一方、外側コア部32の比透磁率を内側コア部31よりも低くすると、磁気飽和を抑制できるため、例えばギャップレス構造の磁性コア3とすることができる。ギャップレス構造の磁性コア3とすると、漏れ磁束を低減できる。
(粗面化処理)
遮蔽板の表面における外側コア部32との接触領域の少なくとも一部に粗面化処理が施されていることが好ましい。そうすれば、外側コア部32と遮蔽板との密着性を高められる上に、放熱性を向上できる。粗面化処理する領域は、好ましくは50面積%以上、更に80面積%以上とすることが好ましい。
粗面化処理は、例えば、最大高さが1mm以下、好ましくは0.5mm以下となるような微細な凹凸を設ける処理が挙げられる。具体的には、(1)アルマイト処理に代表される陽極酸化処理、(2)公知の手法による針状めっき、(3)公知の手法による分子接合化合物の植え付け、(4)レーザによる微細な溝加工、(5)公知の特殊溶液を用いたナノオーダーのディンプル形成、(6)エッチング処理、(7)サンドブラストやショットブラスト、(8)鑢がけ、(9)水酸化ナトリウムによる艶消し処理、(10)CB(Chemical Bonding)処理、(11)金属ブラシによる研削など、金属と樹脂との密着性を高めるための公知の手法を利用することができる。このような粗面化による表面積の増大によって、放熱性の向上も期待できる。その他、一般的な金属に対する切削加工により、溝(図示せず)や穴(図示せず)を形成したり、鋳造や塑性加工などにより、表面を凹凸形状としたりすることで、表面積を大きくすることでもよい。
底部遮蔽板40の場合、外側コア部32との接触領域の少なくとも一部に加えて、後述する樹脂モールド部21に覆われる領域にも粗面化処理が施されていることが好ましい。そうすれば、底部遮蔽板40と樹脂モールド部21の構成樹脂との密着性をも高められる。特に、コイル2と底部遮蔽板40との密着性を高めるために、底部遮蔽板40においてコイル2の外周面を覆う領域、つまり、支持面402、及び二つの放熱台部401間の平面の少なくとも一部に粗面化処理が施されていることが好ましい。底部遮蔽板40と樹脂モールド部21の構成樹脂や底部遮蔽板40と外側コア部32の構成樹脂との接触面積の増大による密着性の向上や放熱性の向上を期待できる。
〔用途〕
上記構成を具えるリアクトル1Aは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用できる。
〔リアクトルの製造方法〕
リアクトル1Aは、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、図3に示すコイル2と内側コア部31と底部遮蔽板40とをそれぞれ用意し、樹脂モールド部21(図2)によって一体に成形したコイル部品20A(図2)を作製する。
次に、図2に示すように、2枚の側部遮蔽板41s、41sと、2枚の端部遮蔽板41e、41eと、4つの筒部材50を用意し、コイル部品20Aと共に成形型内に配置する。その際、筒部材50を底部遮蔽板40に具わる筒受け403に嵌合させておく。2枚の側部遮蔽板41s、41s及び2枚の端部遮蔽板41e、41eを、成形型と底部遮蔽板40とで挟持させることで、これら遮蔽板が成形型内で傾かないようにしてもよいし、これらの遮蔽板が成形型内で傾かないように支持する支持治具を使用して、これらの遮蔽板を支持しておいてもよい。前者の場合、これら遮蔽板における頂部遮蔽板42との対向面と成形型内とを当接させ、その対向面の反対側と底部遮蔽板40と当接させればよい。後者の場合、後述する混合物を側部遮蔽板41s、41sと端部遮蔽板41e、41eとを支持できる程度まで充填(硬化)した後、上記支持治具を取り外してもよい。その後、混合物をさらに充填すればよい。
一方で、外側コア部32の原料となる磁性体粉末及び樹脂、適宜結合剤や非磁性体粉末を用意して混合物を作製する。成形型内にこの混合物を充填した後、樹脂を硬化する。それにより、2枚の側部遮蔽板41s、41sと、2枚の端部遮蔽板41e、41eとが上記樹脂により外側コア部32と一体に成形(固定)される。
上記樹脂を硬化後、外側コア部32の頂部に頂部遮蔽板42を載置する。頂部遮蔽板42のボルト孔42bと筒部材50にボルト500を挿通してボルト500を底部遮蔽板40に締結することで、頂部遮蔽板42を外側コア部32に固定する。この工程により、リアクトル1A(図1)が得られる。
ここでは、側部遮蔽板41s、41sと端部遮蔽板41e、41eとを上記樹脂により外側コア部32と一体に固定したが、構成樹脂により外側コア部32と一体に固定せず、外側コア部32を作製した後、側部遮蔽板41s、41sと端部遮蔽板41e、41eとを接着剤などで外側コア部32に接着することで固定してもよい。その場合、コイル部品20Aと4つの筒部材50とを成形型内に配置した後、上記混合物を充填して樹脂を硬化すればよい。
〔作用効果〕
上述のリアクトル1Aによれば、以下の効果を奏する。
リアクトル1Aは、外側コア部32の外周面の各面に固定される遮蔽板、底部遮蔽板40と側部遮蔽板41sと端部遮蔽板41eと頂部遮蔽板42とを具えることで、外側コア部32の略外周面全周がそれら遮蔽板で覆われているため、漏れ磁束を低減できる。加えて、コイル2及び磁性コア3の全体に対して、外部環境(粉塵や腐食など)からの保護や機械的保護を図ることができる。
底部遮蔽板40と側部遮蔽板41sと端部遮蔽板41eと頂部遮蔽板42とが独立した板材であるため、外側コア部32に各遮蔽板を固定することで漏れ磁束を低減できるリアクトル1Aを製造できる。また、各遮蔽板が板材であるため、有底筒状のケースを別途用意する必要がない。加えて、板材の作製は有底筒状のケースの作製に比べて容易である。特に、板材が平板であるため作製が容易である。ケースの代表的な製造方法は、鋳造工程の後に切削加工などにより所望の形状に整える後工程を具えるからである。そのため、板材の作製にはケースを作製する際のような作製作業の煩雑さが生じない。従って、リアクトル1Aは、生産性に優れる。
リアクトル1Aは、コイル部品20Aを構成要素とすることで、コイル2を扱い易い上に、組立部品の点数が少なく、組立作業性にも優れる。特に、リアクトル1Aでは、コイル部品20Aが磁性コア3の一部(内側コア部31)をも一体に保持することから、組立作業性に更に優れる。これらの点から、リアクトル1Aは、生産性にも優れる。
コイル2と底部遮蔽板40とが樹脂モールド部21によって一体に保持されることから、底部遮蔽板40に対して、コイル2の配置状態が安定している。特に、リアクトル1Aのように横型収納形態であっても、コイル2が安定している。そのため、コイル2の熱を、底部遮蔽板40を介して効率よく設置対象に伝えられる。従って、リアクトル1Aは、磁性コア3の一部(ここでは外側コア部32)が磁性体粉末と樹脂とを含有する複合材料から構成されており、この複合材料にコイル2が覆われていても、放熱性に優れる。
特に、実施形態1のリアクトル1Aは、上述のように横型配置形態であるため、コイル2の外周面において設置対象までの距離が短い領域が多い。また、リアクトル1Aは、底部遮蔽板40が放熱台部401を一体に具え、この放熱台部401がコイル2の外周面に沿った支持面402を具えることからも、コイル2の熱を底部遮蔽板40に伝え易い。これらの点からもリアクトル1Aは、放熱性に優れる。
放熱台部401は非磁性材料から構成されることで、コイル2に近接配置されていても、磁路に影響を与え難い。更に、絶縁性樹脂から構成される樹脂モールド部21によって、主たる構成材料が金属であるコイル2と放熱台部401(底部遮蔽板40)間の絶縁を確保することができる。
その他、磁性コア3の少なくとも一部(ここでは外側コア部32)が上述の複合材料であることで、以下の効果を奏する。
(1)コイル2・内側コア部31・底部遮蔽板40(放熱台部401)が一体化されたコイル部品20Aを覆うといった複雑な形状であっても、外側コア部32を容易に形成できる。
(2)外側コア部32の磁気特性を容易に変更可能である。
(3)コイル部品20A(コイル2)の外周を覆う材料が磁性体粉末を含有するため、樹脂だけの場合よりも熱伝導率が高く放熱性に優れる。
《変形例1》
実施形態1では、磁束の漏れを遮蔽する複数の遮蔽板が、外側コア部32の各面にそれぞれ独立して固定される場合を説明した。その他、一枚の板材を曲げ加工など塑性加工して作製され、接する2面を覆う一体の遮蔽板を固定してもよいし、同様にして作製され、1つの面に対して隣接する2面の計3面を覆う一体の遮蔽板を固定してもよい。前者の場合、外側コア部32の側面と端面の2面、側面と頂面の2面、端面と頂面の2面を覆うL状の遮蔽板を固定することが挙げられる。これらを組み合わせてもよい。例えば、(1)一方の側面と一方の端面の2面、及び他方の側面と他方の端面の2面、(2)一方の側面と端面の2面、及び他方の側面と頂面の2面、(3)側面と一方の端面の2面、及び他方の端面と頂面の2面にそれぞれL状の遮蔽板を固定してもよい。一方、後者の場合、外側コア部32の側面とその側面に隣接する2つの端面の計3面、端面とその端面に隣接する2つの側面の計3面、または頂面とその頂面に隣接する2つの側面若しくは2つの端面の計3面を覆うΠ状の遮蔽板を固定することが挙げられる。いずれの場合も遮蔽板の固定には、上述と同様に外側コア部32の構成材料で外側コア部32に一体に固定してもよいし、接着剤などで外側コア部32に固定してもよい。
《変形例2》
実施形態1、変形例1では、内側コア部31をも一体に具えるコイル部品を説明した。その他、内側コア部31を有していないコイル部品、つまり、コイルと底部遮蔽板とが樹脂モールド部によって保持され、かつ内側コア部31が挿通配置される中空孔を有するコイル部品とすることができる。このコイル部品の製造には、上述した内側コア部31に代わって中子を利用するとよい。コイル2の内側に設ける樹脂の厚さを調整して中空孔を形成することで、当該樹脂を内側コア部31の位置決めに利用できる。
《実施形態2》
実施形態1、変形例1,2では、横型収納形態を説明したが、図4(B)に示すリアクトル1Bのように、底部遮蔽板40において平面で構成された外底面40oに対して、コイル2の軸が直交するようにコイル2が配置される縦型配置形態とすることができる。縦型配置形態は、横型収納形態と比較して設置対象に対する接触面積を小さくし易く、設置面積の小型化を図ることができる。
図4に示す実施形態2のリアクトル1Bは、実施形態1のリアクトル1Aと比較して、主として、コイル2の収納形態が縦型収納形態である点が異なり、基本構成は同様である。即ち、コイル2と内側コア部31と底部遮蔽板40とが樹脂モールド部21により一体に保持されるコイル部品20Bを具える。このコイル部品20Bにおいて、底部遮蔽板40の側面、外底面40o、及び取付部400と、巻線2wの両端部とを除いた領域が、外側コア部32により覆われている。そして、この外側コア部32の外周面全面(底面・側面・頂面)には遮蔽板(40・41s・42)が固定されている。ここでは、外側コア部32の外周面において、設置対象に設置されたときに当該設置対象に対向して配置される箇所を底面、この底面に立設するように配置され、コイル2のターン部分に対向すると共に、上記底部に繋がる箇所を側面、上記底面にコイル2を挟んで対向配置され、上記側面に繋がる箇所を頂面とする。即ち、本例では、外側コア部32におけるコイル2の端面と対向に配置される対向領域が、底面及び頂面である。上述した実施形態1では、外側コア部32の外周面におけるコイル2の軸方向と平行に配置される平行領域が、底面と2つの側面と頂面とで構成されている(図1参照)のに対して、本例の縦型収納形態では、図4(A)に示すように、外側コア部32の上記平行領域が、4つの側面で構成されている。
コイル2の端面形状は、この例では、円形状である。コイル2における巻線2wの両端部は、外側コア部32の頂面(図4(A)上方)から上方に引き出されている。具体的には、コイル2の一端部側(図4(A)上方)において巻線2wの一端部をコイル2の軸方向に引き伸ばし、巻線2wの他端部側の領域をコイル2の一端部側に向かって折り曲げて、同様に軸方向と平行に引き出している。
内側コア部31の形状は、コイル2の内周形状に沿った円柱状である。内側コア部31は、コイル2内に挿通配置された状態において、コイル2の他端側(図4では下方)の端面から一部が突出しており、その突出部分の端面が底部遮蔽板40の内底面40iと接触するように設置される(図4(B))。外側コア部32は、内側コア部31の一端側の端面31eと他端側の突出部分の外周面とを連結して閉磁路を形成するように設けられる。
頂部遮蔽板42には、ボルト孔(図示略)の他、巻線2wの両端部を挿通させる矩形状の貫通孔42hを具える。この貫通孔42hにより、巻線2wの両端部を外側コア部32の頂面から外部に引き出した際に、巻線2wと頂部遮蔽板42とが干渉しない。そのため、外側コア部32の頂面の略全面を頂部遮蔽板42で覆うことができ、磁束の漏れを効果的に抑制できる。
この例では、内側コア部31をも一体に具えるコイル部品20Bを説明したが、変形例2で説明したコイル部品と同じように、内側コア部を有していないコイル部品とすることができる。また、底部遮蔽板には、例えば、棒状、板状、L字状などの放熱台部を形成し、この放熱台部がコイルの一端面側に配置された状態が樹脂モールド部によって維持されたコイル部品とすることができる。この場合、内側コア部と外側コア部との間で磁束が十分に通過できるように、放熱台部の形状・個数、樹脂モールド部の形状を選択する。
《実施形態3》
実施形態1,2、変形例1,2では、内側コア部31が圧粉成形体から構成され、外側コア部32のみが複合材料から構成された形態を説明した。その他、内側コア部も磁性体粉末と樹脂とを含有する複合材料から構成された形態、つまり、磁性コアの全てが複合材料により構成された形態とすることができる。この場合、内側コア部と外側コア部とを同じ複合材料により構成することができる。各コア部を構成する複合材料の磁性体粉末の含有量は40体積%以上75体積%以下、飽和磁束密度は0.6T以上、好ましくは1.0T以上、比透磁率は5以上50以下、好ましくは10以上35以下とすることができ、磁性コア全体の比透磁率は5以上50以下とすることができる。内側コア部及び外側コア部の双方は、成形型を用いて一体に形成してもよい。例えば、変形例2で説明したコイル部品と同じように、コイルと底部遮蔽板とが樹脂モールド部によって保持され、かつ内側コア部が挿通配置される中空孔を有するコイル部品を用意する。このコイル部品を成形型に収納し、複合材料の原料を成形型内に充填して、コイル部品の中空孔及びコイル部品と成形型との間の空間に原料を流し込み、樹脂を硬化する。そうすれば、内側コア部と外側コア部とが一体になった複合材料からなる磁性コアが得られる。その他、内側コア部と外側コア部とをそれぞれ成形型を用いて所定の形状に別途成形した複合材料の成形体としてもよい。例えば、成形型を用いて成形した複合材料(成形体)からなる内側コア部を用意し、この内側コア部をコイルの内側に配置してコイルと内側コア部とを一体化したコイル部品を作製する。このコイル部品を成形型に収納し、複合材料の原料を成形型に充填して、複合材料からなる外側コア部を成形する。これにより、内側コア部と外側コア部とを同じ複合材料で形成すれば、両コア部を別々に形成しても、両コア部を同じ複合材料により構成することができる。
内側コア部と外側コア部とは、異なる複合材料により構成することもできる。この構成では、例えば、磁性体粉末の材質を両コア部で同じとする場合、磁性体粉末の含有量を変更することで、飽和磁束密度や比透磁率を調整することができ、所望の特性の複合材料を得られ易いという利点もある。具体的な形態としては、内側コア部と外側コア部とが磁性体粉末の材質や含有量が異なる複合材料により構成され、実施形態1,2や変形例1,2と同様に内側コア部の飽和磁束密度が高く、外側コア部の比透磁率が低い形態としたり、或いは逆の形態、つまり内側コア部の比透磁率が低く、外側コア部の飽和磁束密度が高い形態とすることが挙げられる。複合材料における磁性体粉末の配合量を多くすると、飽和磁束密度が高くかつ比透磁率が高い複合材料が得られ易く、上記配合量を少なくすると、飽和磁束密度が低くかつ比透磁率が低い複合材料が得られ易い。所望の組成の原料によって柱状やブロック状の複合材料(成形体)を別途作製し、これら柱状やブロック状の複合材料を内側コア部や外側コア部に利用することができる。内側コア部及び外側コア部を構成する各複合材料はいずれも、磁性体粉末の含有量を40体積%以上75体積%以下、飽和磁束密度を0.6T以上、好ましくは1.0T以上、比透磁率を5以上50以下、好ましくは10以上35以下とすることができ、磁性コア全体の比透磁率は5以上50以下とすることができる。
《実施形態4》
実施形態1〜3、変形例1,2では、コイル2が一つのコイル素子を具える形態を説明した。その他、巻線を螺旋状に巻回してなる一対のコイル素子を具える形態とすることができる。一対のコイル素子は、各素子の軸が平行するように横並び(並列)され、巻線の一部を折り返してなる連結部により連結された形態(図5参照)が挙げられる。各コイル素子を別々の巻線によって形成し、両コイル素子を構成する巻線の一端部同士をTIG溶接などの溶接、圧着、半田付けなどで接合した形態、上記一端部同士を別途用意した連結部材を介して接合した形態とすることもできる。例えば、横型収納形態では、横並びした各コイル素子の設置側面を底板遮蔽板に載置し、この状態で樹脂モールド部によってコイルと底部遮蔽板とを一体に保持するコイル部品を形成する。一対のコイル素子を具える場合には、横型収納形態とすると、放熱性に優れる上に、上記連結部が邪魔にならず、コイル部品などを製造し易い。
図5に示す実施形態4のリアクトル1Cは、実施形態1のリアクトル1Aと比較して、主として、コイル2が横並びされた一対のコイル素子2a,2bを具え、各コイル素子2a,2bの内側に内側コアが配置されている点が異なり、基本構成は同様である。即ち、コイル2と内側コア部31と底部遮蔽板40とが樹脂モールド部21により一体に保持されるコイル部品20Cを具える。このコイル部品20Cにおいて、底部遮蔽板40の側面、外底面40o、及び取付部400と、巻線2wの両端部とを除いて外側コア部32により覆われている。この外側コア部32の外周面全面(底面・側面・端面・頂面)には遮蔽板(40・41s・41e・42)が固定されている。以下、相違点を中心に説明する。
この例では、図5(B)に示すように、コイル2が一対のコイル素子2a,2bで構成され、各コイル素子の軸が平行となるように横並び(並列)に配置されている。このコイル2(コイル素子2a,2b)は、1本の連続する巻線2wにより形成される。具体的には、一方のコイル素子2aを一端側から他端側に向かって形成した後、他端側で巻線2wをU字状に屈曲させて折り返し、他方のコイル素子2bを他端側から一端側に向かって形成している。両コイル素子2a,2bの巻回方向は同一である。両コイル素子2a,2bは電気的には直列に接続されている。コイル2(コイル素子2a,2b)の一端側からは、巻線2wの両端部がコイル2の径方向に引き出されている(図5では上方)。コイル素子2a,2bの端面形状は、角部を丸めた矩形状であるが、上述したようにレーストラック状や円形状など、適宜選択できる。
内側コア部31は、各コイル素子2a,2bの内側にそれぞれ配置され、コイル素子2a,2bの内周形状に沿った角柱状である。一方、外側コア部32は、実施形態1で説明したように、コイル部品20Cを成形型に配置して、コイル部品20Cの外周に複合材料を成形することで形成している。
頂部遮蔽板42には、ボルト孔(図示略)の他、巻線2wの両端部を挿通させる矩形状の貫通孔42hを具える。この貫通孔42hにより、巻線2wの両端部を外側コア部32の頂面から外部に引き出した際に、巻線2wと頂部遮蔽板42とが干渉しない。そのため、外側コア部32の頂面の略全面を頂部遮蔽板42で覆うことができ、磁束の漏れを効果的に抑制できる。
この例では、内側コア部31をも一体に具えるコイル部品20Cを説明したが、変形例2で説明したコイル部品と同じように、内側コア部を有していないコイル部品とすることができる。また、内側コア部31は、圧粉成形体とする他、実施形態3で説明したように、成形型を用いて別途作製した複合材料(成形体)とすることができる。
《実施形態5》
実施形態1〜4や変形例1,2のリアクトルは、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを具える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図6に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを具える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを具える。なお、図6では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを具える形態とすることができる。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図7に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを具え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET、IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、実施形態1〜4や変形例1,2のリアクトルを具える。漏れ磁束を低減でき、放熱性に優れるリアクトル1Aなどを具えることで、電力変換装置1100やコンバータ1110は、漏れ磁束による影響を受け難く、放熱性に優れる。その上、リアクトル1は生産性に優れるので、その電力変換装置1100やコンバータ1110も生産性に優れる。
なお、車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を具える。コンバータ1110は、代表的には、DC-DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC-DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150の中には、DC-DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、実施形態1〜4や変形例1,2のリアクトルなどと同様の構成を具え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、実施形態1〜4や変形例1,2のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能である。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載されるDC-DCコンバータや空調機のコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用することができる。
1A,1B,1C リアクトル
2 コイル 2w 巻線 20A,20B,20C コイル部品 21 樹脂モールド部
2a,2b コイル素子
3 磁性コア 31 内側コア部 31e 端面
32 外側コア部 32o 露出領域
40 底部遮蔽板 40i 内底面 40o 外底面
41s 側部遮蔽板 41e 端部遮蔽板 41n 切欠
42 頂部遮蔽板 42b ボルト孔 42h 貫通孔
400 取付部 401 放熱台部 401e 端面 401s 側面 402 支持面
403 筒受け
50 筒部材(カラー) 500 ボルト
1100 電力変換装置 1110 コンバータ 1111 スイッチング素子
1112 駆動回路 L リアクトル 1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両 1210 メインバッテリ 1220 モータ 1230 サブバッテリ
1240 補機類 1250 車輪

Claims (14)

  1. 筒状のコイルと、そのコイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを具え、その磁性コアのうち、前記コイルの外周側に配置される箇所の少なくとも一部が磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料から構成されるリアクトルであって、
    前記複合材料の外周面における前記コイルの軸方向と平行な平行領域の少なくとも一部に固定された遮蔽板を具えるリアクトル。
  2. 前記遮蔽板における前記複合材料との接触領域の少なくとも一部に粗面化処理が施されている請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記平行領域において、
    前記リアクトルが設置対象に設置されたときに当該設置対象に対向配置される底部に固定される底部遮蔽板と、
    前記底部に繋がる側部に固定される側部遮蔽板とを具える請求項1または2に記載のリアクトル。
  4. さらに、前記コイルを挟んで前記底部に対向配置される頂部に固定される頂部遮蔽板を具える請求項3に記載のリアクトル。
  5. さらに、前記複合材料は、前記頂部遮蔽板を当該複合材料に固定するための取付部材を挿通する筒部材を具える請求項4に記載のリアクトル。
  6. さらに、前記複合材料の外周面における前記コイルの端面と対向に配置される対向領域に固定される端部遮蔽板を具える請求項3〜5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. さらに、前記側部遮蔽板と端部遮蔽板との間から前記複合材料の一部が露出する露出領域を具える請求項6に記載のリアクトル。
  8. さらに、前記コイルの外周の少なくとも一部を覆って、当該コイルの形状を保持すると共に、当該コイルと前記底部遮蔽板とを一体に保持する樹脂モールド部を具える請求項3〜7のいずれか1項に記載のリアクトル。
  9. 前記磁性コアのうち、前記コイルの内側に配置される内側コア部は、前記樹脂モールド部の構成樹脂によって前記コイルと一体に保持されている請求項8に記載のリアクトル。
  10. 前記コイルは、横並びされた一対の筒状のコイル素子を具える請求項1〜9のいずれか1項に記載のリアクトル。
  11. 前記磁性コアは、磁性体粉末と樹脂とを含む複合材料で構成されている請求項1〜10のいずれか1項に記載のリアクトル。
  12. 前記コイルの内側に配置される内側コア部は圧粉成形体によって構成されている請求項1〜10のいずれか1項に記載のリアクトル。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のリアクトルを具えるコンバータ。
  14. 請求項13に記載のコンバータを具える電力変換装置。
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