JP2009088007A - リアクトル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】通電により磁束を発生するコイル11と該コイル11の内側及び外周に形成された磁性粉末混合樹脂を硬化してなるコア12とを一体化させてなるコイル一体型コア10を有するリアクトル1。コイル一体型コア10は、一面に開口面21を有するケース2の内側に収容してなる。該ケース2の内側面20には、溝部200が形成されている。コイル一体型コア10とケース2との間には、樹脂3が充填されている。
【選択図】図1
Description
また、リアクトルは、例えば特許文献1に開示されているように内側にコイルを収納したケースに液状の磁性粉末混合樹脂を流し込み、次いで、磁性粉末混合樹脂を硬化してコアとすることにより形成する。
これに対して、あらかじめコイルと一体化したコアを作製した後かかるコアをケースに収納する場合には、ケースとコアとの間に隙間が生じてしまう。それゆえ、コイルやコアの熱をケースへと充分に伝えることができず、放熱を充分に行うことが困難となるおそれがある。
上記コイル一体型コアは、一面が開口面であるケースの内側に収容されており、
該ケースの内側面には、溝部が形成されており、
上記コイル一体型コアと上記ケースとの間には、樹脂が充填されていることを特徴とするリアクトルにある(請求項1)。
上記コイル一体型コアと上記ケースとの間には、樹脂が充填されている。すなわち、本発明のリアクトルは、例えば、あらかじめ作製したコイル一体型コアをケースに収容した後、コイル一体型コアとケースとの間に樹脂を流し込むことにより形成することができる。つまり、磁性粉末混合樹脂を硬化するに当たって、磁性粉末混合樹脂をケースごと加熱する必要がない。それゆえ、コアを形成する際に磁性粉末混合樹脂が硬化収縮することに起因して、ケースとコアとが両者の界面において剥離したり、コアが割れたりしてしまうという不具合が生じることもない。
そして、そのため、ケースの内側面とコイル一体型コアとの間への樹脂の充填性を低下させることなく、溝部以外の部分におけるケースとコイル一体型コアとの隙間を小さくすることができる。これにより、熱伝導率が比較的小さい樹脂の厚みを充分に小さくすることができるため、コイル一体型コアの放熱を充分に行うことができる。
上記コイル一体型コアと上記ケースとの間に充填する上記樹脂として、例えば、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等がある。
この場合には、ケースの側面部とコイル一体型コアとの間に容易に樹脂を流し込むことができる。
この場合には、開口面に対して略直交する方向に沿って、ケースの側面部とコイル一体型コアとの間に容易に樹脂を流し込むことができる。
この場合には、開口面に対して斜めに形成された溝部を伝わらせて、ケースの側面部とコイル一体型コアとの間にまんべんなく、かつ、容易に樹脂を行き渡らせることができる。
この場合には、側面部に形成された溝部に容易に樹脂を流し込むことができるため、ケースの側面部とコイル一体型コアとの間に容易に樹脂を流し込むことができる。
この場合には、ケースの底面部とコイル一体型コアとの間にまで、容易に樹脂を導くことができる。
この場合には、開口面に対して略平行な方向に沿って、ケースの側面部とコイル一体型コアとの間にまんべんなく、かつ、容易に樹脂を流し込むことができる。
この場合には、溝部を伝わらせて、ケースの側面部とコイル一体型コアとの間に、全周にわたって一層まんべんなく樹脂を行き渡らせることができる。
この場合には、ケースの底面部とコイル一体型コアとの間にも充分に樹脂を行き渡らせることができる。
この場合には、側面部に形成された溝部を伝わらせて、底面部に形成された溝部に容易に樹脂を供給することができる。それゆえ、コイル一体型コアの側面部及び底面部とケースとの間の全体に、容易に樹脂を行き渡らせることができる。
本発明の実施例に係るリアクトルにつき、図1〜図5を用いて説明する。
本例のリアクトル1は、図1に示すごとく、通電により磁束を発生するコイル11と該コイル11の内側及び外周に形成された磁性粉末混合樹脂を硬化してなるコア12とを一体化してなるコイル一体型コア10を有する。
また、ケース2の内側面20には、溝部200が形成されている。
そして、溝部200は、例えば、該溝部200の軸方向に直交する方向の断面が、深さ
0.1〜5mm、幅0.05〜2.5mmの略半円形状とすることができる。
また、溝部200は、ケース2の側面部22の幅方向の略中央において、開口面21に対して略直交するよう形成されている。
コイル一体型コア10とケース2との間には、樹脂3が充填されている。
本例のリアクトル1は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の動力源である交流モータに通電する駆動電流の生成に用いられるインバータ等の電力変換装置内に設置することができる。
そして、上記磁性粉末としては、例えば、フェライト粉末、鉄粉、珪素合金鉄粉等がある。
また、磁性粉末混合樹脂に用いる樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることもできる。なお、例えば、PPS樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂等を用いる場合には、射出成形によって磁性粉末混合樹脂を成形してコアとすることができる。
また、ケース2は、図1、図2に示すごとく、略四角形状の底面部23と、その各辺から垂直に立ち上がる四つの側面部22とにより形成されている。そして、底面部23と対向する面は開口面21となるよう構成されている。
まず、ケース2とは異なる成形型の内側にコイル11を配設するとともに液状の磁性粉末混合樹脂を流し込む(図示略)。
次いで、コイル11と磁性粉末混合樹脂とを、上記成形型ごと加熱炉に入れて100〜200℃で加熱する。これにより、磁性粉末混合樹脂が硬化してコア12となり、コイル11とコア12とが一体化されてなるコイル一体型コア10が形成される。
ここで、図3に示すごとく、ケース2内におけるコイル一体型コア10の高さ位置を位置決めするためのスペーサ4を、あらかじめケース2の底面部23に配設しておく。そして、コイル一体型コア10を、スペーサ4に載置した状態でケース2内に収容する。
その後、樹脂3を、例えば、常温で固化したり、コア12を形成する場合よりも小さな熱量で加熱して固化したりする。これによって、本例のリアクトル1を形成することができる。
コイル一体型コア10とケース2との間には、樹脂3が充填されている。すなわち、本例のリアクトル1は、あらかじめ作製したコイル一体型コア10をケース2に収容した後、コイル一体型コア10とケース2との間に樹脂3を流し込むことにより形成されるものである。つまり、磁性粉末混合樹脂を硬化するに当たって、磁性粉末混合樹脂をケース2ごと加熱する必要がない。それゆえ、コア12が形成される際に磁性粉末混合樹脂が硬化収縮することに起因して、ケース2とコア12とが両者の界面において剥離したり、コア12が割れたりしてしまうという不具合が生じることもない。
そして、そのため、ケース2の内側面20とコイル一体型コア10との間への樹脂3の充填性を低下させることなく、溝部200以外の部分におけるケース2とコイル一体型コア10との隙間を小さくすることができる。これにより、熱伝導率が比較的小さい樹脂3の厚みを充分に小さくすることができるため、コイル一体型コア10の放熱を充分に行うことができる。
また、リアクトル1は、ケース2の側面部22に、開口面21に対して略直交するよう溝部200が形成されているため、開口面21に対して略直交する方向に沿って、ケース2の側面部22とコイル一体型コア10との間に容易に樹脂3を流し込むことができる。
また、溝部200は、ケース2の側面部22の底部220にまで連続して形成されているため、ケース2の底面部23とコイル一体型コア10との間にまで、容易に樹脂3を導くことができる。
本例は、図6に示すごとく、溝部200が、ケース2の側面部22において開口面21に対して略直交するよう形成されているとともに、ケース2の底面部23においても形成されているケース2の例である。
また、底面部23に形成された溝部200と側面部22に形成された溝部200とは、側面部22の底部220において連続している。
底面部23に形成された二本の溝部200は、略十字状に交差している。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
本例は、図7に示すごとく、溝部200が、ケース2の側面部22において開口面21に対して斜めに形成されているケース2の例である。具体的には、溝部200は、側面部22の開口部221から底部220における内側面200において略螺旋状に形成されている。
その他、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
本例は、図8に示すごとく、溝部200が、ケース2の側面部22において開口面21に略平行に形成されているケース2の例である。具体的には、溝部200は、側面部22の高さ方向における略中央において、ケース2の側面部22の全周にわたって連続して形成されている。
その他、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
10 コイル一体型コア
11 コイル
12 コア
2 ケース
20 内側面
200 溝部
21 開口面
3 樹脂
Claims (10)
- 通電により磁束を発生するコイルと該コイルの内側及び外周に形成された磁性粉末混合樹脂を硬化してなるコアとを一体化させてなるコイル一体型コアを有するリアクトルであって、
上記コイル一体型コアは、一面が開口面であるケースの内側に収容されており、
該ケースの内側面には、溝部が形成されており、
上記コイル一体型コアと上記ケースとの間には、樹脂が充填されていることを特徴とするリアクトル。 - 請求項1において、上記ケースの側面部に上記溝部が形成されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項2において、上記ケースの側面部に、上記開口面に対して略直交するよう上記溝部が形成されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項2において、上記ケースの側面部に、上記開口面に対して斜めに上記溝部が形成されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項2〜4のいずれか一項において、上記開口面と面する上記コアの開口側端面よりも上記開口面側から上記ケースの底面部に向かって、上記溝部が形成されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項2〜5のいずれか一項において、上記溝部は、上記ケースの側面部の底部にまで連続して形成されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、上記ケースの側面部に、上記開口面に略平行に上記溝部が形成されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項7において、上記開口面に略平行に形成された上記溝部は、上記ケースの側面部の全周にわたって連続して形成されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項1〜8のいずれか一項において、上記ケースの底面部に、上記溝部が形成されていることを特徴とするリアクトル。
- 請求項9において、上記底面部に形成された上記溝部は、上記側面部に形成された上記溝部と連続していることを特徴とするリアクトル。
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