JP2013146213A - 植物原料液及び飲料並びにこれらに関する方法 - Google Patents

植物原料液及び飲料並びにこれらに関する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】香味が効果的に向上した植物原料液及び飲料並びにこれらに関する方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る方法は、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、飲料の製造に使用される第二の植物原料液を製造することを含む。また、前記方法は、前記第二の植物原料液を使用して前記飲料を製造することをさらに含むこととしてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物原料液及び飲料並びにこれらに関する方法に関し、特に、酵母を使用した植物原料液及び飲料の製造に関する。
従来、特許文献1には、麦汁を、ラクトバチルス・アミロリティカス又はその近縁種により発酵させることを含む麦芽飲料の製造方法が記載されている。また、特許文献2には、麦汁を、ラクトバチルス・ペントーサス YIT10313株(FERM AP−21755)により発酵させることを特徴とする麦汁発酵物の製造方法が記載されている。
特開2011−041562号公報 特開2010−155790号公報
しかしながら、上記従来技術においては、麦汁の香味改善は必ずしも十分ではなかった。すなわち、例えば、アルコール発酵を行うことなく麦汁を使用して飲料を製造する場合には、当該麦汁のオフフレーバーが当該飲料の香味を損ねるといった問題や、当該麦汁に当該アルコール発酵に特有の好ましい香味が付与されないといった問題が十分に解決されていなかった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、香味が効果的に向上した植物原料液及び飲料並びにこれらに関する方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、飲料の製造に使用される第二の植物原料液を製造することを含むことを特徴とする。本発明によれば、香味が効果的に向上した植物原料液を製造する方法を提供することができる。
また、前記方法において、前記アルコール非産生酵母は、好気性であり、前記第一の植物原料液と前記アルコール非産生酵母との接触において、まず前記アルコール非産生酵母の好気培養を行い、次いで前記アルコール非産生酵母の嫌気培養を行うこととしてもよい。
また、前記方法は、前記第二の植物原料液を使用して前記飲料を製造することをさらに含むこととしてもよい。この場合、本発明によれば、香味が効果的に向上した飲料を製造する方法を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る植物原料液は、前記方法により製造されたことを特徴とする。本発明によれば、香味が効果的に向上した植物原料液を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る飲料は、前記方法により製造されたことを特徴とする。本発明によれば、香味が効果的に向上した飲料を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、飲料の製造に使用される植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、前記植物原料液のオフフレーバーを低減することを特徴とする。本発明によれば、植物原料液の香味を効果的に向上させる方法を提供することができる。
本発明によれば、香味が効果的に向上した植物原料液及び飲料並びにこれらに関する方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る実施例において、発泡性ノンアルコール飲料の泡特性を評価した結果の一例を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
本発明の発明者らは、植物原料液及び当該植物原料液を使用して製造される飲料の香味を向上させる技術的手段について鋭意検討を行った結果、意外にも、当該植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、当該植物原料液及び飲料の香味を効果的に向上させることができることを独自に見出し、本発明を完成するに至った。
このような発明者ら独自の知見に基づく本実施形態に係る方法(以下、「本方法」という。)は、例えば、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、飲料の製造に使用される第二の植物原料液を製造することを含む方法である。この場合、本方法は、飲料の製造に使用される植物原料液を製造する方法であることとしてもよい。
第一の植物原料液は、植物原料由来成分を含む溶液であれば特に限られない。すなわち、第一の植物原料液は、植物原料を使用して調製される。具体的に、第一の植物原料液は、例えば、植物原料と水(好ましくは湯)とを混合し、当該植物原料に含まれる成分を抽出することにより調製される。
植物原料は、飲料の製造に使用できるものであれば特に限られないが、例えば、穀類、豆類及びいも類からなる群より選択される1種以上及び/又は当該群より選択される1種以上を発芽させたものであることとしてもよい。
穀類は、例えば、大麦、小麦、米類及びとうもろこしからなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。すなわち、植物原料は、例えば、大麦、小麦、米類、とうもろこし、豆類及びいも類からなる群より選択される1種以上及び/又は当該群より選択される1種以上を発芽させたものであることとしてもよい。
具体的に、第一の植物原料液は、例えば、麦芽由来成分を含む麦芽液である。麦芽液は、例えば、麦芽及び/又は麦芽エキスを使用して調製される。
麦芽としては、大麦麦芽及び/又は小麦麦芽が好ましく使用される。大麦麦芽及び小麦麦芽は、それぞれ大麦及び小麦を発芽させることにより得られる。麦芽を使用する場合、麦芽液は、少なくとも当該麦芽と水(好ましくは湯)とを混合し、当該麦芽に含まれる成分を抽出することにより調製される。
麦芽液は、糖化を行うことにより調製されることとしてもよい。この場合、麦芽液は、麦芽と水(好ましくは湯)とを混合し、得られた混合液の糖化を行うことにより調製される。糖化は、例えば、麦芽及び水を含む混合液を、当該麦芽に含まれる消化酵素(例えば、デンプン分解酵素、タンパク質分解酵素)が働く温度(例えば、30〜80℃)に維持することにより行う。
麦芽エキスは、麦芽由来成分を含む組成物である。すなわち、麦芽エキスは、麦芽から、糖分及び窒素分等を含むエキス分を抽出することにより得られる麦芽抽出物である。この場合、麦芽エキスは、麦芽からエキス分を水(冷水又は湯)で抽出することにより調製される。麦芽エキスを使用する場合、麦芽液は、少なくとも当該麦芽エキスと水(好ましくは湯)とを混合することにより調製される。
麦芽エキスは、麦芽からエキス分を抽出し、次いで糖化を行うことにより調製されることとしてもよい。麦芽エキスは、麦芽の抽出後又は糖化後に、濃縮して調製されることとしてもよい。麦芽エキスとしては、市販の麦芽エキスを使用することとしてもよい。
第一の植物原料液は、ホップをさらに使用して調製されることとしてもよい。この場合、第一の植物原料液は、例えば、穀類、豆類及びいも類からなる群より選択される1種以上及び/又は当該群より選択される1種以上を発芽させたものと、ホップとを使用して調製される。
具体的に、第一の植物原料液が麦芽液である場合、当該麦芽液は、少なくとも麦芽及び/又は麦芽エキスと水(好ましくは湯)とを混合し、得られた混合液にホップを添加し、煮沸することにより調製される。この場合、ホップの添加前に糖化を行うこととしてもよい。
また、第一の植物原料液は、麦芽及び麦芽エキスを使用することなく調製されることとしてもよい。この場合も、第一の植物原料液は、ホップをさらに使用して調製されることとしてもよい。
上述のとおり、第一の植物原料液は、アルコール発酵を行うことなく製造される。したがって、第一の植物原料液は、エタノールを実質的に含有しない。すなわち、第一の植物原料液のエタノール含有量は、例えば、1体積%未満であり、好ましくは0.005体積%未満である。
本方法は、第一の植物原料液を調製する工程を含むこととしてもよく、第一の植物原料液を調製する工程を含まないこととしてもよい。本方法が第一の植物原料液を調製する工程を含まない場合、本方法においては、上述のようにして予め調製された第一の植物原料液を使用する。
本方法において特徴的なことの一つは、上述したような第一の植物原料液を、アルコール非産生酵母と接触させることである。すなわち、本方法においては、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、最終的に製造される植物原料液及び/又は飲料の香味を効果的に向上させる。この香味を向上させる効果は、例えば、後述のとおり、第一の植物原料液のオフフレーバー(例えば、麦汁臭、穀物臭、草木臭、カラメル臭)の低減及び/又は当該第一の植物原料液に対する好ましい香味(例えば、アルコール非産生酵母の代謝により生成される成分に由来する香味)の付与を含む。
アルコール非産生酵母は、アルコール発酵を実質的に行わない酵母である。すなわち、アルコール非産生酵母は、例えば、グルコースを含む培養液中においてアルコール発酵を実質的に行わない酵母である。
また、アルコール非産生酵母は、エタノールを実質的に産生しない酵母である。すなわち、アルコール非産生酵母は、例えば、グルコースを含む培養液中においてエタノールを実質的に産生しない酵母である。
アルコール非産生酵母は、好気性であることとしてもよい。この場合、アルコール非産生酵母は、偏性好気性(絶対好気性)であることとしてもよい。好気性のアルコール非産生酵母を使用することにより、エタノールの産生を効果的に回避することができる。
アルコール非産生酵母は、具体的には、例えば、Acaromyces属、Agaricostilbum属、Ambrosiozyma属、Ascobotryozyma属、Ascoidea属、Aureobasidium属、Auriculibuller属、Babjeviella属、Bannoa属、Barnettozyma属、Blastobotrys属、Botryozyma属、Bullera属、Bulleribasidium属、Bulleromyces属、Candida属、Cephaloascus属、Chionosphaera属、Colacogloea属、Cryptococcus属、Cryptotrichosporon属、Cuniculitrema属、Curvibasidium属、Cyrenella属、Cystobasidium属、Cystofilobasidium属、Debaryomyces属、Dioszegia属、Dipodascopsis属、Dipodascus属、Eremothecium属、Erythrobasidium属、Fellomyces属、Fibulobasidium属、Filobasidiella属、Filobasidium属、Galactomyces属、Geotrichum属、Guehomyces属、Holtermannia属、Itersonilia属、Kluyveromyces属、Kockovaella属、Kondoa属、Kregervanrija属、Kriegeria属、Kurtzmanomyces属、Kwoniella属、Lalaria属、Leucosporidiella属、Leucosporidium属、Lipomyces属、Magnusiomyces属、Mastigobasidium属、Metschnikowia属、Mixia属、Mrakia属、Mrakiella属、Myxozyma属、Nadsonia属、Naohidea属、Occultifur属、Ogataea属、Papilotrema属、Peterozyma属、Phaffomyces属、Pichia属、Priceomyces属、Protomyces属、Prototheca属、Pseudozyma属、Reniforma属、Rhodosporidium属、Rhodotorula属、Saccharomycopsis属、Saitoella属、Sakaguchia属、Saprochaete属、Saturnispora属、Schizoblastosporion属、Schwanniomyces属、Sirobasidium属、Sporidiobolus属、Sporobolomyces属、Sporopachydermia属、Starmera属、Sterigmatomyces属、Sugiyamaella属、Sympodiomycopsis属、Taphrina属、Tausonia属、Tilletiaria属、Tilletiopsis属、Tremella属、Trichosporon属、Trigonopsis属、Trimorphomyces属、Udeniomyces属、Ustilago属、Wicherhamiella属、Wickerhamomyces属及びYarrowia属からなる群より選択される1種以上であることとしてもよく、好ましくはCryptococcus属、Debaryomyces属、Galactomyces属、Guehomyces属、Pichia属、Priceomyces属、Rhodotorula属、Wickerhamiella属及びYarrowia属からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
第一の植物原料液とアルコール非産生酵母とを接触させる方法は、特に限られず、例えば、当該第一の植物原料液中で当該アルコール非産生酵母を培養することが好ましい。
また、本発明の発明者らは、第一の植物原料液とアルコール非産生酵母との接触に関する技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、接触時間が所定時間(酵母の種類により異なり得る時間)より長くなることにより、最終的に製造される植物原料液及び/又は飲料に好ましくない香味が付与され得ること、さらに、当該接触の途中から、当該酵母の増殖及び/又は代謝の活性を低下させることにより、当該好ましくない香味の付与を効果的に回避できることを独自に見出した。
そこで、本方法においては、例えば、アルコール非産生酵母が好気性である場合、第一の植物原料液と当該アルコール非産生酵母との接触において、まず当該アルコール非産生酵母の好気培養を行い、次いで当該アルコール非産生酵母の嫌気培養を行うこととしてもよい。
具体的に、例えば、培養容器内に、好気性アルコール非産生酵母が添加された第一の植物原料液を収容し、まずは当該培養容器内の気相に酸素を供給しながら(例えば、当該気相に酸素を含む気体を間欠的又は連続的に供給しながら)当該酵母の好気培養を行い、次いで、当該気相への酸素の供給を停止して(例えば、当該培養容器内を密閉状態にして)当該酵母の嫌気培養を行うこととしてもよい。
また、例えば、まず、培養容器内で、酸素を溶解させた第一の植物原料液に好気性アルコール非産生酵母を添加して培養を開始し、その後、当該第一の植物原料液の溶存酸素濃度を低下させながら当該酵母の培養を行うこととしてもよい。この場合も、培養の初期は好気培養を行い、培養の後期には嫌気培養を行うこととなる。
第一の植物原料液に対する酸素の溶解は、例えば、当該第一の植物原料液に酸素を含む気体を吹き込むことにより行う。培養開始時の第一の植物原料液における溶存酸素濃度は、アルコール非産生酵母の好気培養を可能にする範囲(例えば、3ppm以上、好ましくは5ppm以上)であれば特に限られないが、例えば、酸素を飽和させた(例えば、溶存酸素濃度が8ppm)第一の植物原料液を使用することとしてもよい。
また、培養開始後に第一の植物原料液の溶存酸素濃度を低下させる方法は、特に限られないが、例えば、培養開始後は培養容器内の気相に新たに酸素を供給することなく培養を行う(例えば、密閉された培養容器内で培養を行う)こととしてもよい。
また、本方法においては、例えば、第一の植物原料液とアルコール非産生酵母との接触において、まず、当該酵母が増殖できる第一の温度で培養を行い、次いで、培養温度を当該酵母が増殖できない第二の温度に低下させて、そのまま当該第二の温度で培養を行うこととしてもよい。この場合、第一の温度は、例えば、5〜35℃である。また、第二の温度は、例えば、20℃以下(例えば、−2℃〜20℃)であって第一の温度より低い温度である。
また、本方法においては、例えば、第一の植物原料液とアルコール非産生酵母との接触において、当該第一の植物原料液中で当該酵母を増殖させながら培養を開始し、当該酵母の増殖が対数期(Log phase)から定常期(stationary phase)に入る前に当該酵母の代謝及び/又は増殖の活性を低下させることとしてもよい。
この場合、アルコール非産生酵母の増殖が対数期(Log phase)の間に当該酵母の代謝及び/又は増殖の活性を低下させることとしてもよい。アルコール非産生酵母の代謝及び/又は増殖の活性を低下させる方法は、特に限られないが、例えば、上述したように、当該酵母の環境を嫌気的にすること、及び/又は培養温度を当該酵母が増殖できない温度まで低下させることを採用することとしてもよい。
そして、本方法においては、上述のような第一の植物原料液とアルコール非産生酵母との接触を行うことにより、第二の植物原料液を得る。第二の植物原料液は、上述のように第一の植物原料液中でアルコール非産生酵母を培養した後、当該酵母を除去することにより得られる。
このように、本法においては、アルコール発酵を行うことなく第二の植物原料液を製造する。したがって、第二の植物原料液は、エタノールを実質的に含有しない。すなわち、第二の植物原料液のエタノール含有量は、例えば、1体積%未満であり、好ましくは0.005体積%未満である。
本方法によれば、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、当該第一の植物原料液に比べて、香味が効果的に向上した第二の植物原料液を製造することができる。
したがって、本方法は、例えば、飲料の製造に使用される植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、当該植物原料液のオフフレーバー(好ましくないフレーバー)を低減する方法であることとしてもよい。
すなわち、本方法においては、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、当該第一の植物原料液のオフフレーバーを、当該酵母との接触前に比べて低減する。この結果、第一の植物原料液に比べてオフフレーバーが効果的に低減された第二の植物原料液が得られる。
本方法におけるオフフレーバーの低減は、例えば、植物原料液に含まれる穀物臭及び/又は草木臭を低減することであることとしてもよい。
すなわち、この場合、本方法においては、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、当該第一の植物原料液に含まれる穀物臭及び/又は草木臭を、当該酵母との接触前に比べて低減する。この結果、第一の植物原料液に比べて穀物臭及び/又は草木臭が効果的に低減された第二の植物原料液が得られる。
また、本方法は、第二の植物原料液を使用して飲料を製造することをさらに含むこととしてもよい。この場合、本方法は、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより得られた第二の植物原料液を使用して、飲料を製造する方法である。そして、本実施形態に係る飲料(以下、「本飲料」という。)は、本方法により製造される。
具体的に、本方法においては、例えば、第二の植物原料と、他の原料(例えば、糖類、食物繊維、色素、香料、酸味料及び甘味料からなる群より選択される1種以上)とを混合することにより本飲料を製造する。このように、本方法においては、アルコール発酵を行うことなく本飲料を製造する。
したがって、本方法により製造される本飲料は、例えば、ノンアルコール飲料である。ノンアルコール飲料は、エタノールの含有量が1体積%未満の飲料である。ノンアルコール飲料のエタノール含有量は、1体積%未満であれば特に限られないが、例えば、0.5体積%未満であることとしてもよく、0.05体積%未満であることとしてもよく、0.005体積%以下であることとしてもよい。
また、本飲料は、アルコール飲料であることとしてもよい。アルコール飲料は、エタノールの含有量が1体積%以上(アルコール分1度以上)の飲料である。アルコール飲料のエタノール含有量は、1体積%以上であれば特に限られないが、例えば、1〜20体積%であることとしてもよい。
本方法において、アルコール飲料である本飲料を製造する場合、例えば、第二の植物原料液と、エタノール又はエタノールを含有する水溶液とを混合することにより、当該アルコール飲料を製造する。より具体的に、例えば、第二の植物原料液と、上述した他の原料と、エタノール又はエタノール水溶液とを混合することにより、アルコール発酵を行うことなく、アルコール飲料を製造する。
また、本飲料は、発泡性飲料であることとしてもよく、非発泡性飲料であることとしてもよい。発泡性飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を含む泡特性を有する飲料である。すなわち、発泡性飲料は、例えば、炭酸ガスを含有する飲料であって、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料である。本飲料に発泡性を付与する方法は、特に限られず、例えば、炭酸水の使用及び/又は炭酸ガスの吹き込みが好ましい。発泡性飲料は、発泡性アルコール飲料であることとしてもよく、発泡性ノンアルコール飲料であることとしてもよい。
非発泡性飲料は、上述のような泡特性を有しない飲料である。非発泡性飲料は、非発泡性アルコール飲料であることとしてもよく、非発泡性ノンアルコール飲料であることとしてもよい。
本方法によれば、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させて得られた第二の植物原料液を使用することにより、当該第一の植物原料液を当該酵母と接触させることなく使用して製造される飲料に比べて、香味が効果的に向上した本飲料を製造することができる。
すなわち、本方法においては、例えば、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることなく使用して製造される飲料に比べて、オフフレーバーが効果的に低減された本飲料を製造することができる。
この場合、例えば、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることなく使用して製造される飲料に比べて、穀物臭及び/又は草木臭が効果的に低減された本飲料を製造することとしてもよい。
また、本方法においては、例えば、第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることなく使用して製造される飲料に比べて、当該第一の植物原料液と当該酵母との接触に特有の好ましい香味(例えば、アルコール非産生酵母の代謝により生成される成分に由来する香味)が付与された本飲料を製造することができる。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[アルコール非産生酵母]
37株のアルコール非産生酵母を使用した。すなわち、Cryptococcus属(1種1株/Cryptococcus humicola:JCM 1459)、Debaryomyces属(4種6株/Debaryomyces carsonii:NBRC 1989/Debaryomyces coudertii:NBRC 1817T/Debaryomyces maramus:NBRC 0668T、10687/Debaryomyces hansenii:NBRC 0728、1751)、Galactomyces属(3種5株/Galactomyces citri-aurantii:NBRC 10821T、10822T/Galactomyces reessii:NBRC 10823T/Galactomyces candidum:NBRC 4597、21810)、Guehomyces属(1種1株/Guehomyces pullulans:NBRC 0114)、Pichia属(1種1株/Pichia pseudocactophila:NBRC10730)Priceomyces属(1種2株/Priceomyces melissophilus:NBRC1900T、1901T)、Rhodotorula属(1種7株/Rhodotorula glutinis:NBRC 0395、0697、1099、1240、1241、1501、1503)、Wickerhamiella属(1種1株/Wickerhamiella domercqiae:NBRC 1857T)及びYarrowia属(1種13株/Yarrowia lipolytica:NBRC 0746、1209、1457、1542、1550、1551、1631、1632、1658、1659、1741、1742、10073)を使用した。なお、これら37株のうちDebaryomyces maramus及びDebaryomyces hanseniiを除く35株は偏性好気性酵母(絶対好気性酵母)であった。
[植物原料液の調製]
植物原料液として、ビールの製造における麦汁に相当する麦芽液を2種類(以下、「麦芽液A」及び「麦芽液B」という。)調製した。すなわち、大麦麦芽及び副原料(米、コーンスターチ、コーングリッツ)に湯を加え、糖化を行い、その後、ホップを添加して煮沸を行い、煮沸後の混合液を麦芽液Aとして得た。麦芽液Bは、麦芽液Aをエキス濃度が5%となるように希釈し、さらに液糖(0.85%)及び酵母エキス(0.1%)を添加することにより得た。
[植物原料液とアルコール非産生酵母との接触]
容積500mLのバッフル付き三角フラスコ中で、200mLの麦芽液A又は麦芽液Bに、上述した37株のうちいずれか1株のアルコール非産生酵母を、添加後の濁度が所定値(660nm吸光度=0.015)となる濃度で添加した。そして、三角フラスコを振とう器に載せて、空気雰囲気下、12℃で、振とう培養(回転120rpm)を行った。また、麦芽液Bを使用し、培養温度が20℃であったこと以外は同様にして、振とう培養を行った。
これら3種類の振とう培養系の各々において、培養を開始してから18時間、42時間、66時間及び138時間の時点で麦芽液の一部を採取した。採取した麦芽液を遠心分離(3000rpm、4℃、10分)し、その上清を回収した。
また、対照として、アルコール非産生酵母と接触させていない麦芽液を同様に遠心分離して、その上清を回収した。
[官能評価]
熟練したパネリスト2名により、回収された上清を使用して製造された飲料の官能評価を行った。すなわち、各上清と、大麦麦芽及びホップを使用して製造された市販の発泡性ノンアルコール飲料とを、当該上清の添加割合が9体積%又は50体積%となるように混合して発泡性ノンアルコール飲料を調製し、当該調製された発泡性ノンアルコール飲料の官能評価を行った。また、各上清そのもの(上清100体積%)の官能評価も行った。
その結果、アルコール非産生酵母と接触させた麦芽液において、当該酵母と接触させていない麦芽液に比べて、オフフレーバーが低減されているとの評価が得られた。
さらに、Galactomyces属を使用した場合には、当該酵母と接触させていない麦芽液にはない、エステル成分に由来するようなフルーティ感が得られた。また、Yarrowia属を使用した場合には、当該酵母と接触させていない麦芽液にはない、ミントのような香味及びチョコレートのような香味が得られた。
このように、麦芽液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、当該麦芽液及び当該麦芽液を使用して製造される飲料の香味を効果的に向上することが確認された。
また、このような香味の向上は、特に、培養の初期(例えば、培養開始から1〜72時間)に回収された麦芽液において特に顕著であった。一方、培養後期(例えば、培養開始から168時間以上)に回収された麦芽液においては、好ましくない香味が付与される傾向があった。なお、香味の向上が得られる培養時間は、使用されるアルコール非産生酵母の種類によって異なっていた。
[アルコール非産生酵母]
上述の実施例1において特に好ましい効果が得られた7株を使用した。
すなわち、NBRC 1631株(Yarrowia lipolytica)、NBRC 1901T株(Priceomyces melissophilus)、NBRC 1857T株(Wickerhamiella domercqiae)、NBRC 10821T株(Galactomyces citri-aurantii)、NBRC 10823T株(Galactomyces reessii)、NBRC 1240株(Rhodotorula glutinis)及びNBRC 1241株(Rhodotorula glutinis)を使用した。
[植物原料液の調製]
植物原料液として、上述の実施例1と同様に、麦芽液Aを調製した。さらに、得られた麦芽液Aに空気を十分に吹き込んで、酸素飽和した麦芽液Aを調製した。
[植物原料液とアルコール非産生酵母との接触]
容積500mLのメスシリンダー中で、酸素飽和させた500mLの麦芽液Aに、上述した7株のうちいずれか1株のアルコール非産生酵母を2.4体積%の濃度で添加した。そして、メスシリンダーに綿栓を付けて、空気雰囲気下、20℃で、静置培養を行った。
この静置培養系において、培養を開始してから1日、2日、3日、4日、5日、6日又は7日の時点で麦芽液の一部を採取した。採取した麦芽液を遠心分離(3000rpm、4℃、10分)し、その上清を回収した。
また、対照として、アルコール非産生酵母と接触させていない麦芽液を同様に遠心分離して、その上清を回収した。
[官能評価]
熟練したパネリスト2名により、回収された上清を使用して製造された飲料の官能評価を行った。すなわち、各上清と、市販のミネラルウォーターとを、当該上清の添加割合が9体積%又は50体積%となるように混合して非発泡性ノンアルコール飲料を調製した。
さらに、この非発泡性ノンアルコール飲料を、0.25Paの二酸化炭素雰囲気中に24時間置くことにより、当該非発泡性ノンアルコール飲料に炭酸ガスを溶解させ、発泡性ノンアルコール飲料を得た。また、各上清そのもの(上清100体積%)に、同様に炭酸ガスを溶解させることにより、発泡性ノンアルコール飲料を得た。そして、これら発泡性ノンアルコール飲料の官能評価を行った。
その結果、アルコール非産生酵母と接触させた麦芽液を使用して製造された全ての発泡性ノンアルコール飲料において、当該酵母と接触させていない麦芽液を使用して製造された発泡性ノンアルコール飲料に比べて、オフフレーバーが効果的に低減されているとの評価が得られた。
中でも、NBRC 1857T株(Wickerhamiella domercqiae)、NBRC 10821T株(Galactomyces citri-aurantii)、NBRC 10823T株(Galactomyces reessii)、NBRC 1240株(Rhodotorula glutinis)及びNBRC 1241株(Rhodotorula glutinis)の5株を使用した場合には、オフフレーバー低減効果が顕著であった。
また、これら5株を使用した場合には、顕著なオフフレーバー低減効果に加えて、当該酵母と接触させていない麦芽液にはない好ましい香味が得られた。
すなわち、NBRC 1857T株(Wickerhamiella domercqiae)を使用した場合には、当該酵母と接触させていない麦芽液にはない、マイルド感及び適度な麦芽感が付与された。また、NBRC 10821T株(Galactomyces citri-aurantii)を使用した場合及びNBRC 10823T株(Galactomyces reessii)を使用した場合には、当該酵母と接触させていない麦芽液にはない、フルーティー感が付与された。また、NBRC 1240株(Rhodotorula glutinis)を使用した場合及びNBRC 1241株(Rhodotorula glutinis)を使用した場合には、当該酵母と接触させていない麦芽液にはない、スパイシー感及びスッキリ感が付与された。
また、本実施例においては、静置培養を行うことにより、上述した実施例1とは異なり、比較的長い培養時間(例えば、培養開始から1〜168時間)で回収された麦芽液を使用して製造された発泡性ノンアルコール飲料においても、香味が向上していた。
この効果は、酸素を飽和させた麦芽液に好気性アルコール非産生酵母を添加して静置培養を行うことにより、当該麦芽液の溶存酸素濃度を低下させながら当該酵母の培養を行ったことによるものと考えられた。
比較例
アルコール非産生酵母に代えて、乳酸菌を使用して、上述の実施例2と同様の試験を行った。乳酸菌としては、Lactobacillus delbrueckii subsp delbrueckii (L. delbrueckii )(4株)及びLactobacillus delbrueckii subsp lactis (L. lactis)(4株)を使用した。
その結果、官能評価において、麦芽液を乳酸菌と接触させることによる効果は、上述した麦芽液をアルコール非産生酵母と接触させることによる効果に及ばなかった。
すなわち、麦芽液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、当該アルコール非産生酵母に代えて乳酸菌を使用した場合には得られない、好ましい香味の付与という効果が得られることが確認された。
[アルコール非産生酵母]
アルコール非産生酵母として、上述の実施例2において特に好ましい効果が得られた5株のうち3株を使用した。すなわち、NBRC 1857T株(Wickerhamiella domercqiae)、NBRC 10823T株(Galactomyces reessii)及びNBRC 1241株(Rhodotorula glutinis)を使用した。
[植物原料液の調製]
植物原料液として、副原料を使用しないこと以外は上述の麦芽液Aと同様にして、麦芽100%麦芽液(以下、「麦芽液C」という。)を調製した。さらに、得られた麦芽液Cに空気を十分に吹き込んで、酸素飽和した麦汁を調製した。
[植物原料液とアルコール非産生酵母との接触]
容積10Lのポリタンク中で、酸素飽和させた8Lの麦芽液Cに、上述した3株のうちいずれか1株のアルコール非産生酵母を0.7体積%の濃度で添加した。そして、ポリタンクを密閉し、空気雰囲気下、20℃で、静置培養を行った。
この静置培養系において、培養を開始してから4日の時点で麦芽液を採取した。採取した麦芽液を遠心分離(3000rpm、4℃、10分)し、その上清を回収した。
また、対照として、アルコール非産生酵母と接触させていない麦芽液を同様に遠心分離して、その上清を回収した。
[官能評価]
上述の実施例2と同様にして、パネリスト8名により、回収された上清を使用して製造された飲料の官能評価を行った。すなわち、上述の実施例2と同様にして、4種類の上清のいずれかを使用して複数の発泡性ノンアルコール飲料を製造し、各発泡性ノンアルコール飲料の官能評価を行った。
その結果、アルコール非産生酵母と接触させた麦芽液を使用して製造された全ての発泡性ノンアルコール飲料において、当該酵母と接触させていない麦芽液を使用して製造された発泡性ノンアルコール飲料に比べて、オフフレーバーが効果的に低減されているとの評価が得られた。
また、アルコール非産生酵母と接触させた麦芽液を使用して製造された全ての発泡性ノンアルコール飲料において、上述の実施例2と同様、顕著なオフフレーバー低減効果に加えて、当該酵母と接触させていない麦芽液を使用した場合には得られない好ましい香味が得られた。
[泡特性の評価]
さらに、発泡性ノンアルコール飲料の泡特性を評価した。すなわち、上述のように4種類の上清のいずれかと、市販のミネラルウォーターとを、当該上清の添加割合が33体積%となるように混合し、さらに炭酸ガスを溶解させて4種類の発泡性ノンアルコール飲料を調製し、各発泡性ノンアルコール飲料のNIBEM値を測定した。
ここで、NIBEM値は、ビール等の発泡性飲料の泡持ち特性を示す指標値として使用されている。NIBEM値は、発泡性飲料を所定の容器に注いだ際に形成された泡の高さが所定量減少するまでの時間(秒)として評価される。NIBEM値が大きいほど、発泡性飲料の泡持ち特性が優れていることになる。
図1には、NIBEM値を測定した結果を示す。図1において、横軸は麦芽液と接触させたアルコール非産生酵母の種類(「1857T」、「10823T」又は「1241」。「非接触」は麦芽液をアルコール非産生酵母と接触させなかったことを示す。)を示し、縦軸はNIBEM値(秒)を示す。
図1に示すように、アルコール非産生酵母と接触させた麦芽液を使用して製造された3種類の発泡性ノンアルコール飲料の全てにおいて、当該酵母と接触させていない麦芽液を使用して製造された発泡性ノンアルコール飲料(「非接触」)に比べて、NIBEM値が増加していた。
すなわち、アルコール非産生酵母と接触させた麦芽液を使用することにより、当該酵母と接触させていない麦芽液を使用する場合に比べて、発泡性ノンアルコール飲料の泡特性が向上することが確認された。
[アルコール非産生酵母]
アルコール非産生酵母として、NBRC 10823T株(Galactomyces reessii)を使用した。
[植物原料液の調製]
植物原料液として、上述の実施例3と同様に、麦芽液Cを調製した。
[植物原料液とアルコール非産生酵母との接触]
まず好気培養を行い、次いで嫌気培養を行った。すなわち、培養初期に振とう培養を行い、次いで、培養の途中で振とうを停止し、続けて培養後期に静置培養を行った。
具体的に、まず、容積500mLのバッフル付き三角フラスコ中で、麦芽液200mLに、アルコール非産生酵母を、添加後の濁度が所定値(660nm吸光度=0.015)となる濃度で添加した。そして、三角フラスコを振とう器に載せて、空気雰囲気下、20℃で、振とう培養(回転120rpm)を開始した。次に、振とう培養を開始してから24時間又は48時間が経過した時点で、三角フラスコの振とうを停止し、その後、静置培養を行った。
そして、培養24時間で振とうを停止した培養系、及び培養48時間で振とうを停止した培養系の各々において、培養を開始してから81時間の時点で麦芽液を採取した。採取した麦芽液を遠心分離(3000rpm、4℃、10分)し、その上清を回収した。
また、対照として、アルコール非産生酵母と接触させていない麦芽液を同様に遠心分離して、その上清を回収した。
[官能評価]
上述の実施例2と同様にして、パネリスト2名により、回収された上清を使用して製造された飲料の官能評価を行った。すなわち、上述の実施例2と同様にして、3種類の上清のいずれかを使用して複数の発泡性ノンアルコール飲料を製造し、各発泡性ノンアルコール飲料の官能評価を行った。
その結果、アルコール非産生酵母と接触させた麦芽液を使用して製造された全ての発泡性ノンアルコール飲料において、当該酵母と接触させていない麦芽液を使用して製造された発泡性ノンアルコール飲料に比べて、オフフレーバーが効果的に低減されているとの評価が得られた。
また、アルコール非産生酵母と接触させた麦芽液を使用して製造された全ての発泡性ノンアルコール飲料において、上述の実施例2と同様、顕著なオフフレーバー低減効果に加えて、当該酵母と接触させていない麦芽液を使用した場合には得られない好ましい香味が付与されるという効果も得られた。
また、培養81時間の時点における培養液中のアルコール非産生酵母の数は、振とう培養を48時間で停止した場合の方が、振とう培養を24時間で停止した場合に比べて多かった。そして、上述したオフフレーバーの低減及び好ましい香味の付与という効果は、振とう培養を24時間で停止した場合の方が、振とう培養を48時間で停止した場合に比べて顕著であった。したがって、好気培養の時間が長すぎないこと、及び/又はアルコール非産生酵母が増殖しすぎないことが好ましいと考えられた。

Claims (6)

  1. 第一の植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、飲料の製造に使用される第二の植物原料液を製造すること
    を含む
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記アルコール非産生酵母は、好気性であり、
    前記第一の植物原料液と前記アルコール非産生酵母との接触において、まず前記アルコール非産生酵母の好気培養を行い、次いで前記アルコール非産生酵母の嫌気培養を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第二の植物原料液を使用して前記飲料を製造することをさらに含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1又は2に記載された方法により製造された
    ことを特徴とする植物原料液。
  5. 請求項3に記載された方法により製造された
    ことを特徴とする飲料。
  6. 飲料の製造に使用される植物原料液をアルコール非産生酵母と接触させることにより、前記植物原料液のオフフレーバーを低減する
    ことを特徴とする方法。
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