JP2013136816A - 超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法、超電導薄膜作製用ターゲット、酸化物超電導導体の製造方法 - Google Patents
超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法、超電導薄膜作製用ターゲット、酸化物超電導導体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】少ない工程で、割れが生じることなく、超電導薄膜作製用ターゲットを作製することが可能な超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法、その製造方法によって製造された超電導薄膜作製用ターゲット、および、その超電導薄膜作製用ターゲットを用いた酸化物超電導導体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法は、一般式RE1Ba2Cu3Oyで表されるRE系酸化物超電導焼結体を含む超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法であって、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を含む混合物を、密度が40〜81%の成型体に成型する成型工程と、前記成型体を、800〜900℃の温度範囲で加熱する第一の加熱工程と、前記第一の加熱工程の後、前記成型体を900〜1200℃の温度範囲で加熱する第二の加熱工程と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法は、一般式RE1Ba2Cu3Oyで表されるRE系酸化物超電導焼結体を含む超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法であって、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を含む混合物を、密度が40〜81%の成型体に成型する成型工程と、前記成型体を、800〜900℃の温度範囲で加熱する第一の加熱工程と、前記第一の加熱工程の後、前記成型体を900〜1200℃の温度範囲で加熱する第二の加熱工程と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、超電導線材および様々な電子デバイスに応用される超電動薄膜を作製するために用いられる超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法、その製造方法によって製造された超電導薄膜作製用ターゲット、および、その超電導薄膜作製用ターゲットを用いた酸化物超電導導体の製造方法に関する。
高品質な薄膜(特に、超電導のように不純物や組成のずれに厳しい薄膜)を作製する際、一般的に、そのターゲットである焼結体としては、不純物が少なく、異相のないものが用いられる。
例えば、Y系超電導体のターゲットの場合、(1)原料(Y2O3、BaCO3、CuO)から超電導粉末を作製する際、原料の混合→混合物の仮焼成→仮焼成物の粉砕→粉砕物の混合→混合物の仮焼成という、仮焼成を2回以上行う工程を経ることにより、脱炭を行い、極限まで異相を減らした単相の仮焼粉末を作製する。もしくは、最低限の脱炭を行うために、原料の混合→混合物の仮焼成という、仮焼成を少なくとも1回行う工程を経ることにより、仮焼粉末を作製する。次に、(2)この単相の仮焼粉末を成型し、その成型体を焼成することにより、焼成体ターゲットを作製する(例えば、特許文献1、2参照)。
例えば、Y系超電導体のターゲットの場合、(1)原料(Y2O3、BaCO3、CuO)から超電導粉末を作製する際、原料の混合→混合物の仮焼成→仮焼成物の粉砕→粉砕物の混合→混合物の仮焼成という、仮焼成を2回以上行う工程を経ることにより、脱炭を行い、極限まで異相を減らした単相の仮焼粉末を作製する。もしくは、最低限の脱炭を行うために、原料の混合→混合物の仮焼成という、仮焼成を少なくとも1回行う工程を経ることにより、仮焼粉末を作製する。次に、(2)この単相の仮焼粉末を成型し、その成型体を焼成することにより、焼成体ターゲットを作製する(例えば、特許文献1、2参照)。
従来、超電導体のターゲットの原料を一度、仮焼成しただけでは、単相の仮焼粉末を作製することができず、また、仮焼粉末に異相が含まれると、PLD法(パルスレーザー蒸着法)やスパッタリングによる、特性の優れた超電導薄膜の成膜は不可能であった。
また、原料粉末を2回以上仮焼成して単相の仮焼粉末を作製することなく、原料の混合粉末をそのまま成型して、その成型体を焼成すると、脱炭時に成型体が割れてしまい、割れのない焼結体ターゲットを作製することが不可能であった。
そのため、仮焼粉末中の異相を無くすために、数多くの工程を経る必要があり、超電導薄膜の材料となる焼結体ターゲットを作製するための時間と手間、費用が嵩むことにより、超電導製品の普及に対して大きな障害となっていた。
また、原料粉末を2回以上仮焼成して単相の仮焼粉末を作製することなく、原料の混合粉末をそのまま成型して、その成型体を焼成すると、脱炭時に成型体が割れてしまい、割れのない焼結体ターゲットを作製することが不可能であった。
そのため、仮焼粉末中の異相を無くすために、数多くの工程を経る必要があり、超電導薄膜の材料となる焼結体ターゲットを作製するための時間と手間、費用が嵩むことにより、超電導製品の普及に対して大きな障害となっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、少ない工程で、割れが生じることなく、超電導薄膜作製用ターゲットを作製することが可能な超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法、その製造方法によって製造された超電導薄膜作製用ターゲット、および、その超電導薄膜作製用ターゲットを用いた酸化物超電導導体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法は、一般式RE1Ba2Cu3Oyで表されるRE系酸化物超電導焼結体を含む超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法であって、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を含む混合物を、密度が40〜81%の成型体に成型する成型工程と、前記成型体を、800〜900℃の温度範囲で加熱する第一の加熱工程と、前記第一の加熱工程の後、前記成型体を900〜1200℃の温度範囲で加熱する第二の加熱工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法において、前記第一の加熱工程における前記成型体の加熱時間を1〜48時間とし、前記第二の加熱工程における前記成型体の加熱時間を0.5〜24時間とすることが好ましい。
本発明の超電導薄膜作製用ターゲットは、本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明の酸化物超電導導体の製造方法は、本発明の超電導薄膜作製用ターゲットを用いて、レーザー蒸着法により、基板の上方に酸化物超電導薄膜を形成する工程を備えたことを特徴とする。
本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法によれば、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を含む混合物を、密度が40〜81%の成型体に成型する成型工程と、その成型体を、800〜900℃の温度範囲で加熱する第一の加熱工程と、第一の加熱工程の後、成型体を900〜1200℃の温度範囲で加熱する第二の加熱工程と、を経ることにより、第一の加熱工程において、成形体からの脱炭酸を完全に行い、次いで、第二の加熱工程において、固相反応を促進するとともに、成型体を完全に焼結するので、割れが生じることなく超電導薄膜作製用ターゲットを作製することができる。
本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法、その製造方法によって製造された超電導薄膜作製用ターゲット、および、その超電導薄膜作製用ターゲットを用いた酸化物超電導導体の製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法は、一般式RE1Ba2Cu3Oyで表されるRE系酸化物超電導焼結体を含む超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法であって、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を含む混合物を、密度が40〜81%の成型体に成型する成型工程と、前記成型体を、800〜900℃の温度範囲で加熱する第一の加熱工程と、前記第一の加熱工程の後、前記成型体を900〜1200℃の温度範囲で加熱する第二の加熱工程と、を備えた製造方法である。
(成型工程)
成型工程では、RE化合物、Ba(バリウム)化合物およびCu(銅)化合物を含む混合物を、密度が40〜81%の成型体に成型する。
RE化合物としては、RE2O3(但し、REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素を表す。)などが挙げられる。
Ba化合物としては、BaCO3などが挙げられる。
Cu化合物としては、CuOなどが挙げられる。
成型工程では、RE化合物、Ba(バリウム)化合物およびCu(銅)化合物を含む混合物を、密度が40〜81%の成型体に成型する。
RE化合物としては、RE2O3(但し、REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素を表す。)などが挙げられる。
Ba化合物としては、BaCO3などが挙げられる。
Cu化合物としては、CuOなどが挙げられる。
RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を含む混合物を、所望のモル比となるように秤量し、混合する。
具体的には、RE1±αBa2±βCu3±γOx(α≦0.8、Ba≦0.8、γ≦0.8)を満たす範囲で、上記の化合物を秤量し、混合する。
ここでα、β、γの範囲を、上記の範囲とすることにより、後段の加熱工程によって得られる焼結体が酸化物超電導体の特性を発揮することができる。
具体的には、RE1±αBa2±βCu3±γOx(α≦0.8、Ba≦0.8、γ≦0.8)を満たす範囲で、上記の化合物を秤量し、混合する。
ここでα、β、γの範囲を、上記の範囲とすることにより、後段の加熱工程によって得られる焼結体が酸化物超電導体の特性を発揮することができる。
上記の各化合物の原料粉末を混合するには、各原料粉末を湿式ボールミルに投入し、ボールを加えて、ヘキサン、トルエンなどの有機溶媒中にて混合し、原料粉末を含むスラリーを調製する。あるいは、循環式のビーズミルに、各原料粉末を投入し、ビーズを加えて、ヘキサンなどの有機溶媒中にて混合し、原料粉末を含むスラリーを調製する。
原料粉末を混合する時間は、特に限定されず、原料粉末の量などに応じて適宜調整されるが、例えば、12〜48時間とする。
そして、得られたスラリーを乾燥機にいれ、有機溶媒を十分に揮発させて、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を含む混合物を得る。
原料粉末を混合する時間は、特に限定されず、原料粉末の量などに応じて適宜調整されるが、例えば、12〜48時間とする。
そして、得られたスラリーを乾燥機にいれ、有機溶媒を十分に揮発させて、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を含む混合物を得る。
次に、得られた混合物を所定の形状の金型に充填し、所定の圧力で成型し、密度が40〜81%の成型体に成型する。すなわち、得られた成型体は多孔質体である。
ここで、成型体を成型するときに混合物に加える圧力は、500kgf/cm2〜2500kgf/cm2であることが好ましく、より好ましくは1000kgf/cm2〜2000kgf/cm2である。
なお、この圧力成型は、一軸成形で行うことが望ましい。
また、成型体の密度は、開気孔や閉気孔を材料の一部として得られる密度、すなわち、嵩密度で表される。嵩密度=(試料の質量/試料の体積)である。
ここで、成型体を成型するときに混合物に加える圧力は、500kgf/cm2〜2500kgf/cm2であることが好ましく、より好ましくは1000kgf/cm2〜2000kgf/cm2である。
なお、この圧力成型は、一軸成形で行うことが望ましい。
また、成型体の密度は、開気孔や閉気孔を材料の一部として得られる密度、すなわち、嵩密度で表される。嵩密度=(試料の質量/試料の体積)である。
ここで、仮焼成をすることなしに、焼結体ターゲットを作製する場合、原料粉末の混合物を加圧し、加熱して成型体を作製すると、その成型体に割れが生じるのは、成型体中における固相反応時に、二酸化炭素が発生し、その二酸化炭素が空気中に放出される際に、成型体が割れてしまうことが原因である。そこで、本発明では、成形体の密度を40〜81%とすることにより、成形体を多孔質体とし、加熱(焼結)時に発生する二酸化炭素を空気中に放出するための出口(多数の微細孔、二酸化炭素の通り道)を形成しておく。
(第一の加熱工程)
次に、成型工程にて得られた成型体を、800〜900℃、好ましくは860〜900℃の温度範囲で加熱する。
第一の加熱工程における加熱の温度範囲は、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物のいずれか1つの化合物の分解温度以上である。
例えば、Ba化合物であるBaCO3の融点(811℃)より少し高い温度に加熱することにより、BaCO3の少なくとも一部を溶融して、他の化合物(RE化合物、Cu化合物)との固相反応性を高めることにより、ある程度、不均一に混ざった混合物であっても、BaCO3の溶融物の粘性と微量な揮発を利用して、一度に、単相の超電導薄膜作製用粉末を得ることができる。
また、第一の加熱工程により、成型体が多孔質のうちに、脱炭酸(二酸化炭素の除去)を促進する。
次に、成型工程にて得られた成型体を、800〜900℃、好ましくは860〜900℃の温度範囲で加熱する。
第一の加熱工程における加熱の温度範囲は、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物のいずれか1つの化合物の分解温度以上である。
例えば、Ba化合物であるBaCO3の融点(811℃)より少し高い温度に加熱することにより、BaCO3の少なくとも一部を溶融して、他の化合物(RE化合物、Cu化合物)との固相反応性を高めることにより、ある程度、不均一に混ざった混合物であっても、BaCO3の溶融物の粘性と微量な揮発を利用して、一度に、単相の超電導薄膜作製用粉末を得ることができる。
また、第一の加熱工程により、成型体が多孔質のうちに、脱炭酸(二酸化炭素の除去)を促進する。
第一の加熱工程における成型体の加熱時間、すなわち、上記の温度範囲に保持する時間は1〜48時間であることが好ましく、より好ましくは10〜48時間である。
成型体の加熱時間が、1時間未満では、例えば、BaCO3の溶融が十分ではなく、他の化合物(RE化合物、Cu化合物)との固相反応が十分に進行しないことがある。一方、成型体の加熱時間が、48時間を超えても、それまで以上の効果が得られない。
成型体の加熱時間が、1時間未満では、例えば、BaCO3の溶融が十分ではなく、他の化合物(RE化合物、Cu化合物)との固相反応が十分に進行しないことがある。一方、成型体の加熱時間が、48時間を超えても、それまで以上の効果が得られない。
また、第一の加熱工程における成型体の加熱は、800〜950℃までの温度範囲で、20〜30分間かけて昇温しながら行ってもよい。
また、第一の加熱工程における成型体の加熱は、酸素を含む雰囲気中で行われる。
(第二の加熱工程)
次に、第一の加熱工程にて、上記の温度範囲に加熱れた成型体を、900〜1200℃、好ましくは940〜1100℃の温度範囲で加熱する。
第二の加熱工程における加熱の温度範囲は、BaCO3の脱炭酸温度、RE化合物やCu化合物の融点以上の温度である。
上記の温度範囲で成型体を加熱することにより、RE化合物とBa化合物とCu化合物の固相反応を促進し、成型体の割れを防止して、焼結体ターゲットを作製することができる。
次に、第一の加熱工程にて、上記の温度範囲に加熱れた成型体を、900〜1200℃、好ましくは940〜1100℃の温度範囲で加熱する。
第二の加熱工程における加熱の温度範囲は、BaCO3の脱炭酸温度、RE化合物やCu化合物の融点以上の温度である。
上記の温度範囲で成型体を加熱することにより、RE化合物とBa化合物とCu化合物の固相反応を促進し、成型体の割れを防止して、焼結体ターゲットを作製することができる。
第二の加熱工程における成型体の加熱時間、すなわち、上記の温度範囲に保持する時間は0.5〜24時間であることが好ましく、より好ましくは0.5〜12時間である。
また、第二の加熱工程における成型体の加熱は、酸素を含む雰囲気中で行われる。
得られた焼結体ターゲットは、一般式RE1Ba2Cu3Oyで表されるRE系酸化物超電導焼結体であり、所望の大きさに切断加工するだけで、単体でレーザー蒸着法に使用可能なターゲットである。
本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法によれば、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を含む混合物を、密度が40〜81%の成型体に成型する成型工程と、その成型体を、800〜900℃の温度範囲で加熱する第一の加熱工程と、第一の加熱工程の後、成型体を900〜1200℃の温度範囲で加熱する第二の加熱工程と、を経ることにより、第一の加熱工程(低温の加熱工程)において、成形体からの脱炭酸を完全に行い、次いで、第二の加熱工程(高温の加熱工程)において、固相反応を促進するとともに、成型体を完全に焼結するので、割れが生じることなく焼結体ターゲット(超電導薄膜作製用ターゲット)を作製することができる。
次に、本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法によって製造された超電導薄膜作製用ターゲットを用いた酸化物超電導導体の製造方法を説明する。
図1にレーザー蒸着法を用いて製造しようとする酸化物超電導線材1の一構造例を示す。
この例の酸化物超電導線材1は、テープ状の基材2の上方に、中間層4と酸化物超電導薄膜6と第1の安定化層7と第2の安定化層8をこの順に積層してなる。この酸化物超電導線材1は、その周面を図示略の絶縁被覆層などで覆って酸化物超電導導体として利用される。
図1にレーザー蒸着法を用いて製造しようとする酸化物超電導線材1の一構造例を示す。
この例の酸化物超電導線材1は、テープ状の基材2の上方に、中間層4と酸化物超電導薄膜6と第1の安定化層7と第2の安定化層8をこの順に積層してなる。この酸化物超電導線材1は、その周面を図示略の絶縁被覆層などで覆って酸化物超電導導体として利用される。
前記基材2は、可撓性を有する酸化物超電導線材1とするためにテープ状であることが好ましく、耐熱性の金属からなるものが好ましい。各種耐熱性金属の中でも、ニッケル合金からなることが好ましい。なかでも、市販品であれば、ハステロイ(米国ヘインズ社製商品名)が好適である。基材2の厚さは、通常は、10〜500μmである。また、基材2として、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金テープ基材等を適用することもできる。
中間層4は、以下に説明する下地層と配向層とキャップ層からなる構造を一例として適用できる。
下地層を設ける場合は、以下に説明する拡散防止層とベッド層の複層構造あるいは、これらのうちどちらか1層からなる構造とすることができる。
下地層として拡散防止層を設ける場合、窒化ケイ素(Si3N4)、酸化アルミニウム(Al2O3、「アルミナ」とも呼ぶ)、あるいは、GZO(Gd2Zr2O7)等から構成される単層構造あるいは複層構造の層が望ましく、厚さは例えば10〜400nmである。
下地層としてベッド層を設ける場合、ベッド層は、耐熱性が高く、界面反応性を低減し、その上に配される膜の配向性を得るために用いる。このようなベッド層は、例えば、イットリア(Y2O3)などの希土類酸化物であり、より具体的には、Er2O3、CeO2、Dy2O3、Er2O3、Eu2O3、Ho2O3、La2O3等を例示することができ、これらの材料からなる単層構造あるいは複層構造を採用できる。ベッド層の厚さは例えば10〜100nmである。また、拡散防止層とベッド層の結晶性は特に問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すればよい。
下地層を設ける場合は、以下に説明する拡散防止層とベッド層の複層構造あるいは、これらのうちどちらか1層からなる構造とすることができる。
下地層として拡散防止層を設ける場合、窒化ケイ素(Si3N4)、酸化アルミニウム(Al2O3、「アルミナ」とも呼ぶ)、あるいは、GZO(Gd2Zr2O7)等から構成される単層構造あるいは複層構造の層が望ましく、厚さは例えば10〜400nmである。
下地層としてベッド層を設ける場合、ベッド層は、耐熱性が高く、界面反応性を低減し、その上に配される膜の配向性を得るために用いる。このようなベッド層は、例えば、イットリア(Y2O3)などの希土類酸化物であり、より具体的には、Er2O3、CeO2、Dy2O3、Er2O3、Eu2O3、Ho2O3、La2O3等を例示することができ、これらの材料からなる単層構造あるいは複層構造を採用できる。ベッド層の厚さは例えば10〜100nmである。また、拡散防止層とベッド層の結晶性は特に問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すればよい。
配向層は、その上に形成する酸化物超電導薄膜6の結晶配向性を制御するバッファー層として機能し、酸化物超電導薄膜6と格子整合性の良い金属酸化物からなることが好ましい。配向層の好ましい材質として具体的には、Gd2Zr2O7、MgO、ZrO2−Y2O3(YSZ)、SrTiO3、CeO2、Y2O3、Al2O3、Gd2O3、Zr2O3、Ho2O3、Nd2O3等の金属酸化物を例示できる。配向層は、単層でも良いし、複層構造でも良い。
配向層は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザー蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法(以下、IBAD法と略記する。)等の物理的蒸着法;化学気相成長法(CVD法);有機金属塗布熱分解法(MOD法);溶射等、酸化物薄膜を形成する公知の方法で積層できる。これらの方法の中でも特に、IBAD法で形成された前記金属酸化物層は、結晶配向性が高く、酸化物超電導薄膜6やキャップ層の結晶配向性を制御する効果が高い点で好ましい。IBAD法とは、蒸着時に、結晶の蒸着面に対して所定の角度でイオンビームを照射することにより、結晶軸を配向させる方法である。通常は、イオンビームとして、アルゴン(Ar)イオンビームを使用する。例えば、Gd2Zr2O7、MgOまたはZrO2−Y2O3(YSZ)からなる配向層は、IBAD法における配向度を示す指標であるΔΦ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、特に好適である。
配向層は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザー蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法(以下、IBAD法と略記する。)等の物理的蒸着法;化学気相成長法(CVD法);有機金属塗布熱分解法(MOD法);溶射等、酸化物薄膜を形成する公知の方法で積層できる。これらの方法の中でも特に、IBAD法で形成された前記金属酸化物層は、結晶配向性が高く、酸化物超電導薄膜6やキャップ層の結晶配向性を制御する効果が高い点で好ましい。IBAD法とは、蒸着時に、結晶の蒸着面に対して所定の角度でイオンビームを照射することにより、結晶軸を配向させる方法である。通常は、イオンビームとして、アルゴン(Ar)イオンビームを使用する。例えば、Gd2Zr2O7、MgOまたはZrO2−Y2O3(YSZ)からなる配向層は、IBAD法における配向度を示す指標であるΔΦ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、特に好適である。
キャップ層は、前記中間層4の表面に対してエピタキシャル成長し、その後、横方向(面方向)に粒成長(オーバーグロース)して、結晶粒が面内方向に選択成長するという過程を経て形成されたものが好ましい。このようなキャップ層は、前記中間層4よりも高い面内配向度が得られる可能性がある。
キャップ層の材質は、前記機能を発現し得るものであれば特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、CeO2、LMO(LaMnO3)、Y2O3、Al2O3、Gd2O3、Zr2O3等が例示できる。キャップ層の材質がCeO2である場合、キャップ層は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
キャップ層の材質は、前記機能を発現し得るものであれば特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、CeO2、LMO(LaMnO3)、Y2O3、Al2O3、Gd2O3、Zr2O3等が例示できる。キャップ層の材質がCeO2である場合、キャップ層は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
キャップ層は、PLD法(パルスレーザ蒸着法)、スパッタリング法等で成膜することができるが、大きな成膜速度を得られる点でPLD法を用いることが好ましい。PLD法によるCeO2層の成膜条件としては、基材温度約500〜1000℃、約0.6〜100Paの酸素ガス雰囲気中で行うことができる。キャップ層を成膜するために本実施形態では後に説明する構成の成膜装置Aを用いて後述するPLD法により形成することができる。勿論、キャップ層をPLD法以外の成膜法で形成しても良い。
CeO2のキャップ層の膜厚は、50nm以上であればよいが、十分な配向性を得るには100nm以上が好ましい。但し、厚すぎると結晶配向性が悪くなるので、50〜5000nmの範囲、より好ましくは100〜5000nmの範囲とすることができる。
CeO2のキャップ層の膜厚は、50nm以上であればよいが、十分な配向性を得るには100nm以上が好ましい。但し、厚すぎると結晶配向性が悪くなるので、50〜5000nmの範囲、より好ましくは100〜5000nmの範囲とすることができる。
酸化物超電導薄膜6は通常知られている組成の酸化物超電導体を広く適用することができ、REBa2Cu3Oy(REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素を表す)なる材質のもの、具体的には、Y123(YBa2Cu3Oy)又はGd123(GdBa2Cu3Oy)を例示することができる。
酸化物超電導薄膜6は、本実施形態では後に説明する構成の成膜装置を用い、後述するPLD法により形成できる。酸化物超電導薄膜6の厚みは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
酸化物超電導薄膜6は、本実施形態では後に説明する構成の成膜装置を用い、後述するPLD法により形成できる。酸化物超電導薄膜6の厚みは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
酸化物超電導薄膜6の上面を覆うように形成されている安定化層7は、AgあるいはAg合金からなり、スパッタ法などの気相法により成膜されており、その厚さを1〜30μm程度とされる。また、第1の安定化層7の上に第2の安定化層8が設けられていることが好ましい。第2の安定化層8は、良導電性の金属材料からなり、酸化物超電導薄膜6が超電導状態から常電導状態に転移した時に、第1の安定化層7とともに、電流を転流するバイパスとして機能する。第2の安定化層8を構成する金属材料としては、良導電性を有するものであればよく、特に限定されないが、銅、黄銅(Cu−Zn合金)、Cu−Ni合金等の銅合金、ステンレス等の比較的安価な材質からなるものを用いることが好ましく、中でも高い導電性を有し、安価であることから銅からなることが好ましい。なお、酸化物超電導線材1を超電導限流器に使用する場合は、第2の安定化層8は高抵抗金属材料より構成され、例えば、Ni−Cr等のNi系合金などを使用できる。第2の安定化層8の厚さは特に限定されず、適宜調整可能であるが、10〜300μmとすることが好ましい。
本発明のターゲットを適用するレーザー蒸着装置は、レーザー光によってターゲットから叩き出され若しくは蒸発した構成粒子の噴流(プルーム)を基材上に向け、構成粒子の堆積による酸化物超電導薄膜を基材の上方に形成するレーザー蒸着法(PLD法)を実施する装置である。
レーザー蒸着装置の一例として、図2に示すように、ターゲット20を減圧容器の内部に備え、減圧容器の内部に設けた基材2を供給リール40から巻取リール41にレーンを1つ構成して巻き取るシングルレーン方式のレーザー蒸着装置を挙げることができる。
図2では減圧容器は略しているが、減圧容器の外部に設けたレーザー光源からレーザー光Bをターゲット20に照射できるようになっている。レーザー光Bがターゲット20に照射されると、プルームF1が生成され、走行中の基材2上のキャップ層上に酸化物超電導薄膜6が形成される。
レーザー蒸着装置の一例として、図2に示すように、ターゲット20を減圧容器の内部に備え、減圧容器の内部に設けた基材2を供給リール40から巻取リール41にレーンを1つ構成して巻き取るシングルレーン方式のレーザー蒸着装置を挙げることができる。
図2では減圧容器は略しているが、減圧容器の外部に設けたレーザー光源からレーザー光Bをターゲット20に照射できるようになっている。レーザー光Bがターゲット20に照射されると、プルームF1が生成され、走行中の基材2上のキャップ層上に酸化物超電導薄膜6が形成される。
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
「実験例1」
原子比でY:Ba:Cu=1:2:3となるように、Y2O3、BaCO3、CuOの各種粉末を秤量した。
この原料を、湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で24時間混合した。
この混合物を、50℃で乾燥した後、一軸成形により、金型に充填し、密度42%の成型体を成型した。
次に、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で900℃、10時間加熱した。
次に、成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で940℃、1時間加熱し、焼結体ターゲットを得た。得られた焼結体ターゲットには異相がなく、その密度は、44%であった。
原子比でY:Ba:Cu=1:2:3となるように、Y2O3、BaCO3、CuOの各種粉末を秤量した。
この原料を、湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で24時間混合した。
この混合物を、50℃で乾燥した後、一軸成形により、金型に充填し、密度42%の成型体を成型した。
次に、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で900℃、10時間加熱した。
次に、成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で940℃、1時間加熱し、焼結体ターゲットを得た。得られた焼結体ターゲットには異相がなく、その密度は、44%であった。
次に、以下の通り、得られた焼結体ターゲットを用いて、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製した。
ハステロイC−276(米国ヘインズ社商品名)からなる幅10mm、厚さ0.1mm、長さ200mmのテープ状の基材本体上に、アモルファスAl2O3の拡散防止層(厚さ80nm)と、アモルファスY2O3のベッド層(厚さ30nm)と、イオンビームアシスト蒸着法によるMgOの中間層(厚さ10nm)と、PLD法によるCeO2のキャップ層(厚さ300nm)を成膜したテープ状の基材を用意した。
次いで、前記キャップ層上にYBa2Cu3O7−x膜(膜厚200nm)を成膜した。
レーザー光源として、エキシマレーザー(KrF:248nm)を用いた。エネルギー密度3.0J/cm2(300mJ)、T−S(ターゲット基材間距離):7cm、テープ基材の移動時の線速20m/h、パルスレーザーの繰り返し周波数200Hz、処理容器の酸素分圧PO2=80mTorr、熱板によるテープ状基材本体の加熱温度970℃の条件で行った。成膜装置としては、1つの供給リール装置から他の1つの巻取リール装置までシングルレーンを構成するように基材本体を搬送しつつ成膜する装置を用いた。
次いで、酸素雰囲気中で400℃に2時間加熱し、YBCO超電導薄膜を構成するRE系酸化物超電導体の結晶に酸素ドーピングを行ない、Agの保護層(膜厚10μm)とCuの安定化層(膜厚30μm)を形成して、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は4.2MA/cm2であった。結果を表1に示す。
ハステロイC−276(米国ヘインズ社商品名)からなる幅10mm、厚さ0.1mm、長さ200mmのテープ状の基材本体上に、アモルファスAl2O3の拡散防止層(厚さ80nm)と、アモルファスY2O3のベッド層(厚さ30nm)と、イオンビームアシスト蒸着法によるMgOの中間層(厚さ10nm)と、PLD法によるCeO2のキャップ層(厚さ300nm)を成膜したテープ状の基材を用意した。
次いで、前記キャップ層上にYBa2Cu3O7−x膜(膜厚200nm)を成膜した。
レーザー光源として、エキシマレーザー(KrF:248nm)を用いた。エネルギー密度3.0J/cm2(300mJ)、T−S(ターゲット基材間距離):7cm、テープ基材の移動時の線速20m/h、パルスレーザーの繰り返し周波数200Hz、処理容器の酸素分圧PO2=80mTorr、熱板によるテープ状基材本体の加熱温度970℃の条件で行った。成膜装置としては、1つの供給リール装置から他の1つの巻取リール装置までシングルレーンを構成するように基材本体を搬送しつつ成膜する装置を用いた。
次いで、酸素雰囲気中で400℃に2時間加熱し、YBCO超電導薄膜を構成するRE系酸化物超電導体の結晶に酸素ドーピングを行ない、Agの保護層(膜厚10μm)とCuの安定化層(膜厚30μm)を形成して、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は4.2MA/cm2であった。結果を表1に示す。
「実験例2」
密度51%の成型体を成型した以外は、実験例1と同様にして、異相がなく、密度59%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は4.0MA/cm2であった。結果を表1に示す。
密度51%の成型体を成型した以外は、実験例1と同様にして、異相がなく、密度59%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は4.0MA/cm2であった。結果を表1に示す。
「実験例3」
密度63%の成型体を成型した以外は、実験例1と同様にして、異相がなく、密度69%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.9MA/cm2であった。結果を表1に示す。
密度63%の成型体を成型した以外は、実験例1と同様にして、異相がなく、密度69%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.9MA/cm2であった。結果を表1に示す。
「実験例4」
密度70%の成型体を成型した以外は、実験例1と同様にして、異相がなく、密度76%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は4.0MA/cm2であった。結果を表1に示す。
密度70%の成型体を成型した以外は、実験例1と同様にして、異相がなく、密度76%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は4.0MA/cm2であった。結果を表1に示す。
「実験例5」
密度81%の成型体を成型した以外は、実験例1と同様にして、異相がなく、密度87%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は4.1MA/cm2であった。結果を表1に示す。
密度81%の成型体を成型した以外は、実験例1と同様にして、異相がなく、密度87%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は4.1MA/cm2であった。結果を表1に示す。
「実験例6」
実験例1と同様にして、密度30%の成型体を成型しようとしたが、原料粉末が固まらず、成型体を成型することができなかった。結果を表1に示す。
実験例1と同様にして、密度30%の成型体を成型しようとしたが、原料粉末が固まらず、成型体を成型することができなかった。結果を表1に示す。
「実験例7」
実験例1と同様にして、密度90%の成型体を成型し、その成型体を加熱したところ、成型体に割れが生じてしまった。結果を表1に示す。
実験例1と同様にして、密度90%の成型体を成型し、その成型体を加熱したところ、成型体に割れが生じてしまった。結果を表1に示す。
「実験例8」
原子比でY:Ba:Cu=1:2:3となるように、Y2O3、BaCO3、CuOの各種粉末を秤量した。
この原料を、湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で48時間混合した。
この混合物を、50℃で乾燥した後、酸素雰囲気下、焼成炉で920℃、48時間仮焼成し、仮焼成物を得た。
次に、仮焼成物を粉砕し、その粉砕物を湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で48時間混合した。
この混合物を、50℃で乾燥した後、酸素雰囲気下、焼成炉で920℃、48時間仮焼成し、仮焼成物を得た。
次に、仮焼成物を粉砕し、その粉砕物を湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で48時間混合した。
この仮焼成物を、50℃で乾燥した後、一軸成形により、金型に充填し、密度41%の成型体を成型した。
次に、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で940℃、48時間加熱し、焼結体ターゲットを得た。得られた焼結体ターゲットには異相がなく、その密度は、47%であった。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.2MA/cm2であった。結果を表2に示す。
原子比でY:Ba:Cu=1:2:3となるように、Y2O3、BaCO3、CuOの各種粉末を秤量した。
この原料を、湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で48時間混合した。
この混合物を、50℃で乾燥した後、酸素雰囲気下、焼成炉で920℃、48時間仮焼成し、仮焼成物を得た。
次に、仮焼成物を粉砕し、その粉砕物を湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で48時間混合した。
この混合物を、50℃で乾燥した後、酸素雰囲気下、焼成炉で920℃、48時間仮焼成し、仮焼成物を得た。
次に、仮焼成物を粉砕し、その粉砕物を湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で48時間混合した。
この仮焼成物を、50℃で乾燥した後、一軸成形により、金型に充填し、密度41%の成型体を成型した。
次に、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で940℃、48時間加熱し、焼結体ターゲットを得た。得られた焼結体ターゲットには異相がなく、その密度は、47%であった。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.2MA/cm2であった。結果を表2に示す。
「実験例9」
密度53%の成型体を成型した以外は、実験例8と同様にして、異相がなく、密度59%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.3MA/cm2であった。結果を表2に示す。
密度53%の成型体を成型した以外は、実験例8と同様にして、異相がなく、密度59%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.3MA/cm2であった。結果を表2に示す。
「実験例10」
密度64%の成型体を成型した以外は、実験例8と同様にして、異相がなく、密度67%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.2MA/cm2であった。結果を表2に示す。
密度64%の成型体を成型した以外は、実験例8と同様にして、異相がなく、密度67%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.2MA/cm2であった。結果を表2に示す。
「実験例11」
密度70%の成型体を成型した以外は、実験例8と同様にして、異相がなく、密度76%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.2MA/cm2であった。結果を表2に示す。
密度70%の成型体を成型した以外は、実験例8と同様にして、異相がなく、密度76%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.2MA/cm2であった。結果を表2に示す。
「実験例12」
密度81%の成型体を成型した以外は、実験例8と同様にして、異相がなく、密度87%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.3MA/cm2であった。結果を表2に示す。
密度81%の成型体を成型した以外は、実験例8と同様にして、異相がなく、密度87%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.3MA/cm2であった。結果を表2に示す。
「実験例13」
実験例8と同様にして、密度30%の成型体を成型しようとしたが、原料粉末が固まらず、成型体を成型することができなかった。結果を表2に示す。
実験例8と同様にして、密度30%の成型体を成型しようとしたが、原料粉末が固まらず、成型体を成型することができなかった。結果を表2に示す。
「実験例14」
実験例8と同様にして、密度90%の成型体を成型し、その成型体を加熱したところ、成型体に割れが生じてしまった。結果を表2に示す。
実験例8と同様にして、密度90%の成型体を成型し、その成型体を加熱したところ、成型体に割れが生じてしまった。結果を表2に示す。
「実験例15」
原子比でY:Ba:Cu=1:2:3となるように、Y2O3、BaCO3、CuOの各種粉末を秤量した。
この原料を、湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で48時間混合した。
この混合物を、50℃で乾燥した後、一軸成形により、金型に充填し、密度40%の成型体を成型した。
次に、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で940℃、48時間加熱し、焼結体ターゲットを得た。得られた焼結体ターゲットの密度は、46%であり、異相が4%存在した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は0.5MA/cm2であった。結果を表3に示す。
原子比でY:Ba:Cu=1:2:3となるように、Y2O3、BaCO3、CuOの各種粉末を秤量した。
この原料を、湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で48時間混合した。
この混合物を、50℃で乾燥した後、一軸成形により、金型に充填し、密度40%の成型体を成型した。
次に、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で940℃、48時間加熱し、焼結体ターゲットを得た。得られた焼結体ターゲットの密度は、46%であり、異相が4%存在した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は0.5MA/cm2であった。結果を表3に示す。
「実験例16」
実験例15と同様にして、密度51%の成型体を成型した場合、異相が2%存在し、密度59%の焼結体ターゲットを得た。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は0.9MA/cm2であった。結果を表3に示す。
実験例15と同様にして、密度51%の成型体を成型した場合、異相が2%存在し、密度59%の焼結体ターゲットを得た。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は0.9MA/cm2であった。結果を表3に示す。
「実験例17」
実験例15と同様にして、密度64%の成型体を成型した場合、異相が3%存在し、密度69%の焼結体ターゲットを得た。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は1.2MA/cm2であった。結果を表3に示す。
実験例15と同様にして、密度64%の成型体を成型した場合、異相が3%存在し、密度69%の焼結体ターゲットを得た。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は1.2MA/cm2であった。結果を表3に示す。
「実験例18」
実験例15と同様にして、密度30%の成型体を成型しようとしたが、原料粉末が固まらず、成型体を成型することができなかった。結果を表3に示す。
実験例15と同様にして、密度30%の成型体を成型しようとしたが、原料粉末が固まらず、成型体を成型することができなかった。結果を表3に示す。
「実験例19」
実験例15と同様にして、密度72%の成型体を成型し、その成型体を加熱したところ、異相が2%存在し、成型体に割れが生じてしまった。結果を表3に示す。
実験例15と同様にして、密度72%の成型体を成型し、その成型体を加熱したところ、異相が2%存在し、成型体に割れが生じてしまった。結果を表3に示す。
「実験例20」
実験例15と同様にして、密度82%の成型体を成型し、その成型体を加熱したところ、異相が2%存在し、成型体に割れが生じてしまった。結果を表3に示す。
実験例15と同様にして、密度82%の成型体を成型し、その成型体を加熱したところ、異相が2%存在し、成型体に割れが生じてしまった。結果を表3に示す。
「実験例21」
実験例15と同様にして、密度90%の成型体を成型し、その成型体を加熱したところ、異相が3%存在し、成型体に割れが生じてしまった。結果を表3に示す。
実験例15と同様にして、密度90%の成型体を成型し、その成型体を加熱したところ、異相が3%存在し、成型体に割れが生じてしまった。結果を表3に示す。
「実験例22」
原子比でY:Ba:Cu=1:2:3となるように、Y2O3、BaCO3、CuOの各種粉末を秤量した。
この原料を、湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で48時間混合した。
この混合物を、一軸成形により、金型に充填し、密度70%の成型体を成型した。
次に、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で800〜940℃まで20分間かけて昇温しながら加熱した。
次に、成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で940℃、1時間加熱し、焼結体ターゲットを得た。得られた焼結体ターゲットには異相がなく、その密度は、76%であった。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.9MA/cm2であった。結果を表4に示す。
原子比でY:Ba:Cu=1:2:3となるように、Y2O3、BaCO3、CuOの各種粉末を秤量した。
この原料を、湿式ボールミルに投入し、直径10mmのアルミナボールを用いて、ヘキサン中で48時間混合した。
この混合物を、一軸成形により、金型に充填し、密度70%の成型体を成型した。
次に、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で800〜940℃まで20分間かけて昇温しながら加熱した。
次に、成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で940℃、1時間加熱し、焼結体ターゲットを得た。得られた焼結体ターゲットには異相がなく、その密度は、76%であった。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は3.9MA/cm2であった。結果を表4に示す。
「実験例23」
密度71%の成型体を成型し、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で800〜940℃まで30分間かけて昇温しながら加熱した以外は、実験例22と同様にして、異相がなく、密度75%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は4.0MA/cm2であった。結果を表4に示す。
密度71%の成型体を成型し、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で800〜940℃まで30分間かけて昇温しながら加熱した以外は、実験例22と同様にして、異相がなく、密度75%の焼結体ターゲットを作製した。
得られた焼結体ターゲットを用いて、実験例1と同様にして、超電導線材用のテープ状の基材上に、YBCO超電導薄膜を作製し、その後、酸素ドーピングを行ない、RE系酸化物超電導体を得た。
そのRE系酸化物超電導体の臨界電流密度(Jc)を77K中において測定したところ、臨界電流密度(Jc)は4.0MA/cm2であった。結果を表4に示す。
「実験例24」
密度70%の成型体を成型し、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で800〜940℃まで10分間かけて昇温しながら加熱したところ、成型体に割れが生じてしまった。結果を表4に示す。
密度70%の成型体を成型し、この成型体を、酸素雰囲気下、焼成炉で800〜940℃まで10分間かけて昇温しながら加熱したところ、成型体に割れが生じてしまった。結果を表4に示す。
上記の試験例の比較から、本発明の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法により、原料を成型する際の成型体の密度を40%〜81%とし、高温で焼成する前に、低温で焼成することで、成形前に仮焼成を行わなくとも、優れた臨界電流密度を示す酸化物超電導薄膜を形成できる良質の焼結体ターゲットを得ることができた。
Claims (4)
- 一般式RE1Ba2Cu3Oyで表されるRE系酸化物超電導焼結体を含む超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法であって、
RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を含む混合物を、密度が40〜81%の成型体に成型する成型工程と、
前記成型体を、800〜900℃の温度範囲で加熱する第一の加熱工程と、
前記第一の加熱工程の後、前記成型体を900〜1200℃の温度範囲で加熱する第二の加熱工程と、を備えたことを特徴とする超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法。 - 前記第一の加熱工程における前記成型体の加熱時間を1〜48時間とし、前記第二の加熱工程における前記成型体の加熱時間を0.5〜24時間とすることを特徴とする請求項1に記載の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法。
- 請求項1または2に記載の超電導薄膜作製用ターゲットの製造方法によって製造されたことを特徴とする超電導薄膜作製用ターゲット。
- 請求項3に記載の超電導薄膜作製用ターゲットを用いて、レーザー蒸着法により、基板の上方に酸化物超電導薄膜を形成する工程を備えたことを特徴とする酸化物超電導導体の製造方法。
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