JP4154475B2 - 基板の表面に形成されたエピタキシャル薄膜及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフカットされた基板の表面に形成された基板上に形成されたエピタキシャル薄膜、オフカットされたアルミナ単結晶基板の表面に形成されたエピタキシャル薄膜、
オフカットされた基板の表面へのエピタキシャル薄膜の形成方法及びオフカットしたアルミナ単結晶基板の表面にエピタキシャル薄膜への製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペロブスカイト型構造および層状ペロブスカイト構造をもつ化合物は、磁性体、強誘電体、高温超伝導体など多種多様な機能をもつものが存在する。これらの単結晶配向薄膜のデバイスへの応用が期待されている。
一方、これらの単結晶薄膜を形成するために用いられる基板では前記単結晶薄膜と基板の格子定数が相違することにより、配向膜を形成することが困難な場合がある。例えば、
高温超伝導体膜を利用した移動体通信用マイクロ波フイルターや、限流器への応用には、大面積で安価な基板が要求され、具体的な基板としては、アルミナが期待されている。ところで、アルミナは基本的に六方晶であり、立方晶あるいは正方晶型のペロブスカイトおよび層状ペロブスカイト型構造の化合物の配向膜を得ることは、困難である。この原因は、格子定数が相違することによるものである。又、高温超伝導体のひとつであるYBCOの場合には、基板であるアルミナと高温で反応してしまうという問題点もある。
この問題点を克服するためには、単結晶薄膜と基板の各々の格子定数の相違を緩和し、又、反応を抑制する手段を講ずることが必要となる。具体的には、このために基板と超伝導膜の間に中間層を設けることが考えられる。この場合に、中間層として同じペロブスカイト型構造をもつ希土類金属とアルミニウムが1:1の酸化物希土類アルミネート(REAlO3)を用いると、格子定数の相違を緩和することが期待できる。
しかしながら、REAlO3はアルミナと格子定数の相違が大きいために、基板表面に対して傾いたツインができやすいという問題点がある。その結果、このことは、単結晶薄膜との界面に粒界が生じ、又、単結晶薄膜の性能を著しく低下させる原因となり、目的とする性能の単結晶配向膜を得ることができないこととなる。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】
本発明の課題は、金属化合物を、溶媒に溶解させ、均一な溶液とした混合溶液を用いて薄膜を基板上に形成する際に、基板上に形成しようとする薄膜が格子定数の相違が存在することにより、基板表面に薄膜を形成することが困難であるにもかかわらず、基板上に酸化物エピタキシャル薄膜が形成されている、エピタキシャル配向膜及びその製造方法を提供することである。
又、本発明の課題は、希土類金属化合物を、溶媒に溶解させ、均一な溶液とした混合溶液を用いて薄膜をアルミナ基板上に形成する際に、アルミナ基板と形成しようとする薄膜が格子定数の相違が存在することにより、基板表面に薄膜を形成することが困難であるにもかかわらず、アルミナ単結晶基板上に形成された希土類金属、アルミニウム及び酸素からなるエピタキシャル配向膜及びその製造方法を提供することである。
又、本発明の課題は、希土類金属化合物及びアルミニウム化合物を、溶媒に溶解させ、均一な溶液とした混合溶液を用いて薄膜をアルミナ基板上に形成する際に、アルミナ基板と形成しようとする薄膜が格子定数の相違が存在することにより、基板表面に薄膜を形成することが困難であるにもかかわらず、アルミナ単結晶基板上に形成された希土類金属、アルミニウム及び酸素からなるエピタキシャル配向膜及びその製造方法を提供することである。
又、このようにして形成された、アルミナ単結晶基板上に形成された希土類金属、アルミニウム及び酸素からなるエピタキシャル配向膜及びその表面に、ペロブスカイト型構造および層状ペロブスカイト構造の化合物の単結晶薄膜を形成することにより、アルミナ単結晶基板上に、安定した状態でペロブスカイト型構造および層状ペロブスカイト構造の化合物の単結晶薄膜を含む積層体及びその製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、最終的に製造しようとしている、ペロブスカイト型構造、スピネル型構造および層状ペロブスカイト構造の化合物と基板の格子定数の差を考慮して、基板に関し、通常の低指数面から傾いた面で研磨した、すなわち、オフカットした基板を用いることにより、その表面に、希土類及び金属の酸化物を形成するに際し、希土類、並びに希土類及び金属含有化合物溶液を塗布乾燥させ、薄膜を形成後、加熱焼成すると、希土類及び金属の酸化物からなる、目的とする配向面により強く配向したエピタキシャルペロブスカイト、エピタキシャルスピネル配向膜を形成することができること、更にこのエピタキシャルの配向膜の表面に、安定した状態で最終的にペロブスカイト型構造、スピネル型構造および層状ペロブスカイト構造の化合物の薄膜を最終的に形成することができることを見いだし、本発明を完成させた。
【0005】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)あらかじめオフカットされていない単結晶基板上に金属酸化物のエピタキシャル薄膜を形成してその成長したエピタキシャル薄膜の成長角度の傾きを測定しておき、前記測定して得られた成長角度の傾き角度と等しい角度に単結晶基板を傾けてオフカットし、該オフカットされた単結晶基板上に、前記金属酸化物のエピタキシャル薄膜を形成することを特徴とする単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
(2)前記単結晶基板が、アルミナ単結晶基板であることを特徴とする前記(1)記載の単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
(3)前記金属酸化物が、希土類金属含有複合酸化物であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
(4)前記希土類金属含有複合酸化物が、希土類金属、アルミニウム及び酸素からなる複合酸化物であることを特徴とする前記(3)記載の単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
(5)アルミナ単結晶基板を、そのR面(012)に対して4〜5°の範囲の角度で傾けて研磨し、その上に、希土類金属、アルミニウム及び酸素からなる複合酸化物のモル比が1:1:3である希土類金属複合酸化物からなるエピタキシャル薄膜を形成することを特徴とするアルミナ単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
(6)希土類金属含化合物、あるいは希土類金属含化合物及びアルミニウム金属含有化合物を、溶媒に溶解させて均一な溶液とし、該溶液を前記オフカットされたアルミナ単結晶基板表面上に塗布乾燥させることにより薄膜を形成し、加熱焼成することを特徴とする前記(4)又は(5)に記載された単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
(7)前記(3)〜(6)のいずれかに記載の方法でアルミナ単結晶基板上に希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜を形成し、その上に超伝導膜を形成することを特徴とする超伝導体の形成方法。
(8)単結晶基板上に形成された金属酸化物のエピタキシャル薄膜において、該エピタキシャル薄膜は、オフカットされていない単結晶基板表面上に形成した際にはその成長角度が傾いて成長するエピタキシャル薄膜であり、前記基板は、前記傾いた成長角度と等しい角度にあらかじめ傾けてオフカットされた単結晶基板であることを特徴とする単結晶基板上に形成された金属酸化物のエピタキシャル薄膜。
(9)前記単結晶基板が、アルミナ単結晶基板であることを特徴とする前記(8)記載の単結晶基板上に形成されたエピタキシャル薄膜。
(10)前記金属酸化物が、希土類金属含有複合酸化物であることを特徴とする前記(8)又は(9)記載の単結晶基板上に形成された希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜。
(11)前記希土類金属含有複合酸化物が、希土類金属、アルミニウム及び酸素からなる複合酸化物であることを特徴とする前記(10)記載の単結晶基板上に形成された希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜。
(12)アルミナ単結晶基板のR面(012)に対して4〜5°の範囲の角度で傾けて研磨したアルミナ単結晶基板上に、希土類金属、アルミニウム及び酸素からなる複合酸化物のモル比が1:1:3である希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜が形成されていることを特徴とするアルミナ単結晶基板上に形成された希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜。
(13)希土類金属が、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムから選ばれた金属であることを特徴とする前記(10)〜(12)のいずれかに記載の単結晶基板上に形成された希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜。
(14)前記(10)〜(13)のいずれかに記載の単結晶基板上に形成された希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜上に、超伝導膜が形成されていることを特徴とする超伝導体。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明では、各種の単結晶基板が用いられる。具体的には、MgO、サフアイア、SrTiO3 などの単結晶基板を挙げることができる。従来、この種の基板は、基板と基板の
表面に最終的に形成しようとする酸化物、例えば、ペロブスカイト型構造、スピネル型構造および層状ペロブスカイト構造の化合物に関し、これら化合物と基板の格子定数の差を考慮して、その差が前記酸化物の形成に支障がないものが選択されている。そして、その差が酸化物の形成に支障が存在する場合には、そのような基板を採用しないということが行われてきた。しかしながら、本発明では、従来では採用することがない、或いは使用しても十分な効果が得られないとされていた前記の基板であっても、後に述べる手段を講ずることにより、基板として採用することができることができるようになったものである。このような意味から、この具体的に挙げられていない基板であっても後に述べる手段によって、解決するものであれば、当然に用いることができるものである。
【0007】
又、前記単結晶基板を用いる場合に、用いられる基板の面は適宜選択して用いることができる。具体的には、MgOの場合には、(100)を用いることができるし、アルミナ単結晶基板の場合には、A面(110)、C面(001)、R面(012)、M面(100)などの低指数面が用いられる。
【0008】
ペロブスカイト型構造、スピネル型構造および層状ペロブスカイト構造の化合物に関し、これら化合物からなる酸化物からなる膜と前記基板の格子定数の差が存在する場合であっても、本発明では、オフカットされた基板上に形成された酸化物のエピタキシャル薄膜が積層して形成し、このエピタキシャル膜を介して、ペロブスカイト型構造、スピネル型構造および層状ペロブスカイト構造の化合物を積層するものである。すなわち、オフカットされた基板上に形成された酸化物のエピタキシャル薄膜は、ペロブスカイト型構造、スピネル型構造および層状ペロブスカイト構造の化合物と、基板の間に存在する、格子定数の差を緩和する役割を果たすものである。
【0009】
前記のオフカットされた面とは、基板を特定の角度傾けた状態に研磨したものである。例えば、その表面に、希土類及びアルミニウムの酸化物が、目的とする配向面により強く配向したエピタキシャルペロブスカイト型REAlO3薄膜を形成する場合のアルミナ単結晶の面は以下のとおりである。
アルミナ単結晶の傾いた面の角度は、アルミナ基板のA面(110)、C面(001)、R面(012)、M面(100)を用いて、これらの面に対して1−8°、好ましくは、3−6°の角度傾けて研磨したものである。この角度の決定は、あらかじめ、A面(110)、C面(001)、R面(012)、M面(100)が水平面である、すなわち傾けて研磨していない基板上に目的とするエピタキシャル薄膜を作製し、得られたエピタキシャル薄膜の成長角度が何度であるかを実験により確認して決定する。同様に、R面(012)基板上のペロブスカイト型REAlO3の場合は4−5°傾いて成長する。この角度は、D.Hesse(Solid State Ionics 95,1-15(1997))の考えを用いて、基板と目的とする化合物薄膜の格子定数の差からも予想できる。
このようにして製造される基板の厚みは、目的に応じて適宜定められる。一般的には、0.3〜1mmのものが用いられる。
このようにオフカットされたアルミナ単結晶基板の上に強く配向したエピタキシャルペロブスカイト型REAlO3薄膜が形成する。
【0010】
このように傾斜した角度を有する基板(MgO、アルミナ 、 サフアイア、SrTiO3 など)を形成するには、通常の研磨手段を適宜採用することができる。具体的には、角度調整可能な研磨装置に、目的の角度になるようにアルミナ、MgO 、 サフアイア、又はSrTiO3単結晶を固定して研磨する等の方法が採用される。
このようにして、作成されたアルミナ基板の表面に、以下に述べる希土類金属及びアルミニウム金属からなる酸化物、又はMgO単結晶基板上にインジウム等金属含有スピネル型の酸化物(例えば、MgIn2O4)や、鉛等金属含有ペロブスカイト型の酸化物(例えば、PbTiO3)を付着させる。又はSrTiO3 単結晶基板上にNiOを付着させる。
【0011】
次に、前記オフカットされたこの単結晶の表面に、希土類金属及びアルミニウムやマグネシウムなどの金属からなる酸化物膜を形成するための、希土類金属含有化合物の溶液調製は、以下のようにして行う。
希土類金属には、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの希土類元素中から目的に応じて適宜選択して用いることができる。
用いられる希土類金属含有化合物は、使用する有機溶媒に均一に溶解させることができ、基板の上に均一な膜が形成されるものであれば、何でも用いることができる。このような条件を満たす希土類金属含有化合物は、比較的大きな有機基を有する有機化合物を用いることが有効であり、このような化合物であれば、製膜も容易に行うことができる。好ましい具体例を挙げれば、希土類ナフテン酸塩や希土類2−エチルヘキサン酸塩などの希土類金属有機酸塩あるいは希土類金属アセチルアセトナートを挙げることができる。
前記希土類金属含有化合物に対して、アルミニウム含有化合物を添加することができる。
アルミナ基板を用いるので、アルミニウム化合物を用いなくても、得られる酸化物膜にはアルミニウム金属酸化物を含有した状態の酸化物を得ることができる。又、希土類金属含有化合物を過剰量に用いることによっても製造することができる。
前記希土類金属の他に、場合によって用いられるアルミニウムについては、使用する有機溶媒に均一に溶解させることができ、基板の上に均一な膜を形成することができるものであれば、化合物としては何でも用いることができる。具体的な、アルミニウム化合物には、ラウリン酸塩、アルコキシドなどの金属有機化合物が用いられる.
希土類金属含有化合物及びアルミニウム化合物の割合は、酸化生成物の希土類金属とアルミニウムのモル比に応じて、定められる。例えば、1:1:3のペロブスカイトでは、 1 対 1 〜 1 対 0である。
【0012】
溶媒の使用量は、希土類金属含有化合物及び場合によって用いられるアルミニウム金属含有化合物を溶解させることができる量が使用される。
この溶媒を用いて均一な溶液とする。
希土類含有化合物を溶解させる際に用いられる溶媒は、前記のように、これらの化合物を均一な状態に溶解させることができることが必要であるが、この他に、単結晶アルミナ基板の表面に対する濡れ特性が優れたものであり、且つ、乾燥、加熱処理により溶媒を容易に揮発除去できるものであることが必要である。
希土類金属含有化合物に希土類金属有機酸塩を用いるときには、溶媒にはトルエンなど無極性溶媒が好ましい。又、希土類金属含有化合物として希土類金属アセチルアセトナートをもちいるときには、その溶媒としては、トリフルオロ酢酸を含むメタノールなどからなる極性溶媒であることが好ましい。
トリフルオロ酢酸の含有量はメタノールに対し0.1−10モル%である。また、必要に応じて、プロピオン酸やアビエチン酸などを0.1−30モル%添加し、塗れ性、均一性などの製膜性を調節することができる。
【0013】
希土類含有化合物を、溶媒に混合、溶解させる際の濃度は、単結晶アルミナの表面に塗布する場合に、希薄すぎると期待する膜の生成は得られない。又、濃厚すぎると、膜を均一に付着させることができず、期待する膜の生成は得ることができない。
このようなことを考慮して、その濃度は0.05−1.0mol/l(リットル)の範囲であり、好ましくは0.1−0.5mol/l(リットル) である。
【0014】
マグネシウム、インジウム含有スピネル化合物膜を作製する場合には、マグネシウム金属化合物とインジウム金属化合物を含有する溶液ものが用いられる。これらについても、2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩などの高級脂肪酸塩が用いられる。溶媒にはトルエンなど無極性溶媒が好ましい。又、マグネシウム金属含有化合物としてアセチルアセトナートをもちいるときには、その溶媒としては、トリフルオロ酢酸を含むメタノールなどからなる極性溶媒であることもできる。
【0015】
鉛、チタン含有ペロブスカイト型化合物膜を作製する場合には、鉛金属化合物とチタン金属化合物を含有する溶液が用いられる。これらについても、2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩などの高級脂肪酸塩用いられる。溶媒にはトルエンなど無極性溶媒が好ましい。又、鉛金属含有化合物としてアセチルアセトナートをもちいるときには、その溶媒としては、トリフルオロ酢酸を含むメタノールなどからなる極性溶媒であることもできる。
【0016】
次に、単結晶アルミナやMgO表面に、前記希土類含有化合物、インジウム含有化合物、鉛含有化合物を含有する溶液を塗布する。
塗布の方法としては、浸漬法、スプレー法、刷毛塗り法、スピンコート法などの公知の方法が適宜用いられる。
塗布後に、乾燥処理を施す。乾燥処理には、50〜150℃の条件下に加熱処置を行う。この乾燥処理により、単結晶アルミナ表面上に希土類含有化合物を付着させる。乾燥処理の圧力は、常圧又は減圧下に行う。空気が存在していても差し支えない。乾燥のための加熱手段には、加熱乾燥炉の中で行うことができる。加熱乾燥終了後、単結晶アルミナ表面に薄膜状の乾燥生成物が形成される。乾燥工程は次の加熱焼成工程と連続的に行うこともできる。
【0017】
次に、前記の希土類含有化合物等を乾燥処理した、基板上の薄膜層を加熱焼成する。加熱処理には、酸素、空気、アルゴンなどの雰囲気が採用される。加熱焼成はアルゴンなど不活性ガスの存在下に行うことができる。この場合にも、微量の酸素が存在するので、これ以上の過剰の酸素を存在させる必要はない。
この加熱焼成過程において、希土類含有化合物は熱分解され希土類酸化物に変化し、更に希土類酸化物は基板のアルミナと化学反応を生じ、目的生成物である希土類金属アルミニウム複合酸化物が生成する。
本格的加熱焼成を行う前に、仮焼成を行うことが有効である。仮焼成の条件は、空気中、加熱焼成温度以下の温度が採用される。具体的には、150℃を超え、1000℃未満の温度範囲の条件が採用される。具体的には、500℃程度の温度下に30分間処理を行うことにより、仮焼成を行ない、有機成分を分解除去した。この後、以下の本格的熱処理を行った。
複合酸化物を製造するための加熱焼成の条件は、空気中、800−1600℃の温度で、30分−10時間にわたり処理を行う。目的生成物である希土類金属:アルミニウム:酸素の割合が1:1:3である複合酸化物(REAlO3)を生成させるためには、前記条件の中でも、好ましくは、1100−1300℃、より好ましくは、1150−1250℃で30分−10時間の条件が採用される。
前記の温度範囲に至らない温度或いは加熱時間が少ないなどの加熱条件が不充分なときには、目的とする、ペロブスカイト構造のREAlO3を得ることができない。
一方、加熱条件がこの温度範囲を超えていたり、時間が長かったりすると、希土類金属:アルミニウム:酸素の組成比が3:5:12となるガーネット構造、あるいは1:11:18あるいは1:12:19となる六方晶などが出現してしまう場合もあり、目的とするペロブスカイトを得ることができない。
圧力は、加圧、常圧、及び減圧のいずれの条件においても行うことができる。空気、或いは酸素が存在しても、又存在しない条件下でも行うことができる。
加熱焼成には焼成炉が用いられる。焼成炉はトンネル式の連続炉或いはバッチ式の焼成炉を用いることができる。 なお、800−1600℃における加熱焼成に至る前段階として、500℃前後での仮焼成を適宜組み合わせることができる。
【0018】
加熱焼成により得られる希土類とアルミニウムが1:1の複合酸化物からなるエピタキシャル薄膜は、例えば、以下の通りである。
希土類金属として、Laを用いた場合には、LaAlO3、Gdを用いた場合には、
GdAlO3、Smを用いた場合には、SmAlO3を、各々得ることができる。
これらの複合酸化物の膜の配向性については、X線解析によって確認することができる。
【0019】
このようにして得られた表面は、配向性および格子定数の点で、ペロブスカイト型および層状ペロブスカイト型構造の機能性エピタキシャル薄膜を形成する点で良好な状態となるので、これらの薄膜を種々の方法で作成できる。大面積かつ安価な方法で作成するのであれば、同様に金属有機化合物を原料とした溶液を塗布乾燥、加熱処理して得ることが望ましい。
【0020】
このようにして得られた単結晶基板のサファイア表面に(100)面が配向したエピタキシャルEuAlO3、NdAlO3薄膜の上に、超伝導(YBCO)薄膜を作製することができる。例えば、Y、Ba、Cuのアセチルアセトナ−トを用い、金属の比が1:2:3となるように調整した溶液を原料とし、溶液を塗布後、空気中500℃で30分−1時間保持することにより有機成分を除去する行程を適宜繰り返す。その後、酸素分圧100PPMの雰囲気で750℃で2h加熱焼成後、酸素中で冷却することにより、c軸が垂直なエピタキシャルYBCO超伝導膜を得ることができる。
【0021】
【実施例】
以下に実施例により具体的に本発明の内容を説明する。本発明は、これに限定されるものではない。
実施例 1
ユウロピウムアセチルアセトナートをメタノールに溶解し、トリフルオロ酢酸を加え、約0.2mol/lの原料溶液を得た。また、ナフテン酸ネオジムをトルエンに溶解し、約0.1mol/lの原料溶液を得た。
アルミナ単結晶基板は、R面(012)面の法線が[010]方向に4.5°傾くように研磨した基板を用いた。この基板に約0.04mlの原料溶液を滴下したのち、スピンコート法により、2000rpmで5s(秒間)行った。次に、空気中、500℃にて30分間、仮焼成を行ない、有機成分を分解除去した。この後、空気中、急速昇温して、1200℃で2時間保持、その後、急速に降温させた。この後、生成物をX線回折により同定した。その結果、アルミナ単結晶基板表面にエピタキシャルEuAlO3薄膜およびエピタキシャルNdAlO3薄膜が成長していることが確認された。また、どちらもその配向性は擬立方晶で指数付けしたときの(100)面が基板表面と平行に配向していることがわかった。また、(100)面が10度ほど傾いた成分も存在したがその量は前者の1/10ほどであった。
【0022】
実施例 2
実施例1で作製したサファイア表面に(100)面が配向したエピタキシャルEuAlO3、NdAlO3薄膜の上に、超伝導(YBCO)薄膜を作製した。Y、Ba、Cuのアセチルアセトナトを用い、金属の比が1:2:3となるように調整した溶液を用いた。溶液を塗布後、空気中500℃で30分−1時間保持することにより有機成分を除去する行程を3回繰り返した。その後、酸素分圧100PPMの雰囲気で750℃で2h保持後、酸素中で冷却した。これにより、得られた薄膜の配向性を評価したところ、c軸が垂直なエピタキシャルYBCO超伝導膜が得られたことを確認した。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、オフカットした単結晶アルミナ基板表面に湿式法により希土類とアルミニウムからなるペロブスカイト構造の複合酸化物のエピタキシャル膜を形成することができる。このペロブスカイト構造の複合酸化物を中間層として用いれば、その表面にイットリウム系の超伝導薄膜からなる超伝導体をはじめ、ペロブスカイト構造および層状ペロブスカイト構造をもつ強誘電体、磁性体など各種機能性酸化物のエピタキシャル薄膜を得ることができる。この方法を用いれば、目的に合わせた配向性の高機能膜を簡便な安価な方法で得られ、しかも大直径の単結晶アルミナを用いることで大面積化、量産化も容易となる。
Claims (14)
- あらかじめオフカットされていない単結晶基板上に金属酸化物のエピタキシャル薄膜を形成してその成長したエピタキシャル薄膜の成長角度の傾きを測定しておき、前記測定して得られた成長角度の傾き角度と等しい角度に単結晶基板を傾けてオフカットし、該オフカットされた単結晶基板上に、前記金属酸化物のエピタキシャル薄膜を形成することを特徴とする単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
- 前記単結晶基板が、アルミナ単結晶基板であることを特徴とする請求項1に記載の単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
- 前記金属酸化物が、希土類金属含有複合酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
- 前記希土類金属含有複合酸化物が、希土類金属、アルミニウム及び酸素からなる複合酸化物であることを特徴とする請求項3記載の単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
- アルミナ単結晶基板を、そのR面(012)に対して4〜5°の範囲の角度で傾けて研磨し、その上に、希土類金属、アルミニウム及び酸素からなる複合酸化物のモル比が1:1:3である希土類金属複合酸化物からなるエピタキシャル薄膜を形成することを特徴とするアルミナ単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
- 希土類金属含化合物、あるいは希土類金属含化合物及びアルミニウム金属含有化合物を、溶媒に溶解させて均一な溶液とし、該溶液を前記オフカットされたアルミナ単結晶基板表面上に塗布乾燥させることにより薄膜を形成し、加熱焼成することを特徴とする請求項4又は5に記載された単結晶基板上へのエピタキシャル薄膜形成方法。
- 請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法でアルミナ単結晶基板上に希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜を形成し、その上に超伝導膜を形成することを特徴とする超伝導体の形成方法。
- 単結晶基板上に形成された金属酸化物のエピタキシャル薄膜において、該エピタキシャル薄膜は、オフカットされていない単結晶基板表面上に形成した際にはその成長角度が傾いて成長するエピタキシャル薄膜であり、前記基板は、前記傾いた成長角度と等しい角度にあらかじめ傾けてオフカットされた単結晶基板であることを特徴とする単結晶基板上に形成された金属酸化物のエピタキシャル薄膜。
- 前記単結晶基板が、アルミナ単結晶基板であることを特徴とする請求項8に記載の単結晶基板上に形成されたエピタキシャル薄膜。
- 前記金属酸化物が、希土類金属含有複合酸化物であることを特徴とする請求項8又は9に記載の単結晶基板上に形成された希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜。
- 前記希土類金属含有複合酸化物が、希土類金属、アルミニウム及び酸素からなる複合酸化物であることを特徴とする請求項10記載の単結晶基板上に形成された希土類複合酸化物のエピタキシャル薄膜。
- アルミナ単結晶基板のR面(012)に対して4〜5°の範囲の角度で傾けて研磨したアルミナ単結晶基板上に、希土類金属、アルミニウム及び酸素からなる複合酸化物のモル比が1:1:3である希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜が形成されていることを特徴とするアルミナ単結晶基板上に形成された希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜。
- 希土類金属が、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムから選ばれた金属であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の単結晶基板上に形成された希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜。
- 請求項10〜13のいずれか1項に記載の単結晶基板上に形成された希土類金属含有複合酸化物のエピタキシャル薄膜上に、超伝導膜が形成されていることを特徴とする超伝導体。
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