JP2013136733A - 冷感剤及びtrpm8活性化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】メントール及び冷刺激に応答性を示す受容体であるTRPM8の活性化作用に優れる冷感剤、TRPM8活性化剤及び冷感付与方法、並びに冷感付与に有用な新規化合物の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物を有効成分とする冷感剤。
Figure 2013136733

【選択図】なし

Description

本発明は、冷感剤、TRPM8活性化剤、冷感付与方法及び冷感付与に有用な新規化合物に関する。
使用中や使用後における清涼感を付与することを目的として、化粧品、ヘアケア製品、トイレタリー製品、入浴剤、医薬品等の各種製品に、冷感物質がしばしば配合されており、斯様な冷感物質として、メントールが広く用いられている。
メントールによる冷感付与は、皮膚や粘膜組織中に存在する知覚神経終末にメントールが直接作用することにより生じると考えられており、この冷感付与に関するメカニズムの検討が進められてきた。
まず、ラットの感覚神経のうち、弱い冷却刺激に応答して内向きのイオン電流を生じるニューロンが、メントールに対しても同様の応答性を示すことが発見された(非特許文献1)。この発見により、メントールの刺激による冷感が内向きのカルシウム電流により引き起こされるものであることが明らかとなった。
そして、メントール及び冷刺激に応答性を示す受容体として、三叉神経ニューロンからCMR−1(cold and menthol sensitive receptor)が同定された(非特許文献2)。この受容体はTRPM8と呼ばれており(非特許文献3)、TRPイオンチャネルファミリーに属する興奮性のイオンチャネルであるこの受容体が、前述のカルシウム電流を引き起こすと考えられる。
これらの報告によって、感覚神経に存在するTRPM8にメントールが結合して内向き電流が発生することにより、メントールによる冷感が生じることが明らかとなっている。
REID,G.&FLONTA,M.L.(2002),Neurosci.Lett.,324,p164−168 MCKEMY,D.D.,NEUHAUSSER,W.M.&JULIUS,D.(2002),Nature,416,p52−56 PEIER,A.M.,MOQRICH,A.,HERGARDEN,A.C.,REEVE,A.J.,ANDERSSON,D.A.,STORY,G.M.,EARLEY,T.J.,DRAGONI,I.,MCINTYRE,P.,BEVAN,S.&PATAPOUTIAN,A.(2002),Cell,108,p705−715 BEHRENDT,H.−J.,GERMANN,T.,GILLEN,C.,HATT,H.&JOSTOCK,R.(2004),Br.J.Pharmacol.,141,p737−745
しかしながら、メントールは、多量に使用した場合に、皮膚や粘膜への刺激や特有の不快な刺激臭等が問題となるため、使用量が制限されることがある。
また、メントールの他に、リナロール、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネラール等もTRPM8を活性化することが知られているが(非特許文献4)、近年では強い清涼感やその持続性が要求される傾向があり、メントールや非特許文献4に記載の化合物によるTRPM8活性化作用では斯かる要求を充分には満足できない。
したがって、本発明は、TRPM8活性化作用に優れる冷感剤、TRPM8活性化剤及び冷感付与方法、並びに冷感付与に有用な新規化合物に関する。
本発明者らは、8,4'−オキシネオリグナン骨格を有する特定の化合物が、優れたTRPM8活性化作用を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 2013136733
〔式(1)中、R1は、水素原子を示し、R2は、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R3は、水素原子又はヒドロキシ基を示し、R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R5は、水素原子又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R6は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、又は総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基を示す。〕
で表される化合物(以下、化合物(1)とも称する)を有効成分とする冷感剤を提供するものである。
また、本発明は、化合物(1)を有効成分とするTRPM8活性化剤を提供するものである。
更に、本発明は、化合物(1)を用いる冷感付与方法を提供するものである。
更に、本発明は、化合物(1)を用いるTRPM8活性化方法を提供するものである。
更に、本発明は、冷感剤を製造するための、化合物(1)の使用を提供するものである。
更に、本発明は、TRPM8活性化剤を製造するための、化合物(1)の使用を提供するものである。
更に、本発明は、冷感付与に使用するための、化合物(1)を提供するものである。
更に、本発明は、TRPM8活性化に使用するための、化合物(1)を提供するものである。
更に、本発明は、下記式(2)
Figure 2013136733
〔式(2)中、R7は、炭素数3〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、又は総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基を示し、R1、R2、R3、R4及びR5は前記と同義である。〕
で表される化合物(以下、化合物(2)とも称する)を提供するものである。
化合物(1)は、優れたTRPM8活性化作用を有し冷感を付与することができ、冷感持続性に優れる。したがって、本発明の冷感剤、TRPM8活性化剤及び冷感付与方法は、TRPM8活性化作用に優れ、これらによれば持続的に冷感を付与できる。
本発明の冷感剤の持続的な冷感を示す図である。
本発明の冷感剤及びTRPM8活性化剤は、前記化合物(1)を有効成分とするものである。
ここで、本発明において、TRPM8活性化とは、TRPM8受容体にリガンドが結合することで、細胞外陽イオンの流入量が上昇することをいい、冷感とは、TRPM8が活性化されることによって温度感覚閾値温度が上昇し、実際の温度低下を伴っていないにも拘わらず冷たいと感じることをいう。
次に、化合物(1)について詳細に説明する。
1は水素原子を示す。
2は、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示すが、水素原子、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは水素原子である。上記アルコキシ基は直鎖状でも分枝状でもよく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基が挙げられる。
3は、水素原子又はヒドロキシ基を示すが、水素原子が好ましい。
4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示すが、水素原子、炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、TRPM8活性化作用の観点から、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。
また、上記アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜3である。一方、アルケニル基の炭素数は、好ましくは2〜4であり、より好ましくは2又は3であり、更に好ましくは3である。
また、上記R4で示されるアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基は直鎖状でも分枝状でもよく、アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
また、上記アルケニル基としては例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基等が挙げられる。斯様なアルケニル基の中でも、TRPM8活性化作用の観点から、末端二重結合を有するアルケニル基が好ましい。
また、上記アルコキシ基としては例えば、R2で示されるアルコキシ基として例示したものが挙げられる。
5は、水素原子又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示すが、TRPM8活性化作用の観点から、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。斯かるアルコキシ基としては、R2で示されるものと同様のものが挙げられ、メトキシ基が好ましい。
6は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、又は総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基を示す。
これらの中でも、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基が好ましく、水素原子、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基がより好ましく、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基が更に好ましく、TRPM8活性化作用の観点から、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基が更に好ましい。
6で示されるアルコキシ基の炭素数としては、TRPM8活性化作用の観点から、2〜14が好ましく、3〜14がより好ましく、3〜12が更に好ましく、3〜10が更に好ましい。該アルコキシ基は直鎖状でも分枝状でもよく、R2で示されるアルコキシ基として例示したものの他、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デカニルオキシ基等が挙げられる。
6で示されるアルコキシアルコキシ基の総炭素数としては、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましく、5〜7が更に好ましく、6又は7が更に好ましい。該アルコキシアルコキシ基は直鎖状でも分枝状でもよく、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、プロポキシメトキシ基、メトキシイソプロポキシ基、イソプロポキシメトキシ基、メトキシブトキシ基、ブトキシメトキシ基、エトキシプロポキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシペントキシ基、ペントキシメトキシ基、エトキシブトキシ基、ブトキシエトキシ基、プロポキシプロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも、C24アルコキシC24アルコキシ基が好ましい。
6で示されるシクロアルコキシ基の炭素数としては、5〜10が好ましく、6〜8がより好ましい。例えば、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
6で示されるアリールオキシ基の炭素数としては、6〜8が好ましく、6がより好ましい。例えば、フェニルオキシ基等が挙げられる。
6で示されるアラルキルオキシ基の総炭素数としては、7〜12が好ましく、7〜10がより好ましく、7又は8が更に好ましい。例えば、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
6で示されるアルカノイルオキシ基の総炭素数としては、2〜8が好ましく、2〜4がより好ましく、2が更に好ましい。例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。
なお、R1〜R6の組み合わせとしては、TRPM8活性化作用の観点から、R1〜R3が水素原子であり、R4が水素原子又は炭素数2〜6のアルケニル基であり、R5が水素原子又は炭素数1〜3のアルコキシ基であり、R6が水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基である組み合わせが好ましく、R1〜R3が水素原子であり、R4が炭素数2〜6のアルケニル基であり、R5が炭素数1〜3のアルコキシ基であり、R6が水素原子、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基である組み合わせがより好ましく、R1〜R3が水素原子であり、R4が炭素数2〜6のアルケニル基であり、R5が炭素数1〜3のアルコキシ基であり、R6が炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基である組み合わせが更に好ましく、R1〜R3が水素原子であり、R4が炭素数2〜6のアルケニル基であり、R5が炭素数1〜3のアルコキシ基であり、R6が炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基である組み合わせが更に好ましい。
また、式(1)から明らかなように、化合物(1)は少なくとも2つの不斉炭素原子を有し、斯かる不斉炭素原子に由来して、化合物(1)には、下記式(1−1)〜(1−4)
Figure 2013136733
〔式中、各記号は前記と同義である。〕
で表される立体異性体が存在する。化合物(1)は、これら立体異性体のいずれでもよく、これら異性体の混合物であってもよいが、TRPM8活性化作用の観点から、式(1−1)若しくは式(1−2)で表される立体異性体又はこれらの混合物が好ましく、式(1−1)で表される立体異性体がより好ましい。
また、化合物(1)のうち、下記式(2)
Figure 2013136733
〔式(2)中、R7は、炭素数3〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、又は総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基を示し、R1、R2、R3、R4及びR5は前記と同義である。〕
で表されるものは新規化合物である。なお、式(2)中、R7で示される炭素数3〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基としては、R6で示されるものと同様のものが挙げられる。斯様なR7の中でも、炭素数3〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基が好ましい。
次に、化合物(1)の合成方法について説明する。
化合物(1)は、K.Konya,Zs.Valga&S.Antus,Phytomedicine,2001,8(6),454−459に記載の方法に準じ常法を組み合わせれば合成できる。また、A.Isogai,S.Murakoshi,A.Suzuki&S.Tamura,Agr.Biol.Chem.,1973,37(4),889−895などに記載の方法に準じ、天然物から単離、或いは単離したネオリグナン類の7位炭素に結合している基−OHを常法に従い基−R6に変換することによっても調製できる。
斯様な方法として、例えば、以下の合成方法が挙げられる。なお、斯かる方法においては、後述する工程(i)〜(vi)に、保護反応や脱保護反応、光学分割を必要に応じて適宜組み合わせて行ってもよい。
Figure 2013136733
(式中、各記号は前記と同義である。)
工程(i)は、原料化合物(a)とグリニャール試薬(b)を反応させ、中間体(c)を得る工程である。
原料化合物(a)としては、バニリン、5−ヒドロキシバニリン、シリンガアルデヒド等が挙げられる。
また、グリニャール試薬(b)としては、エチルマグネシウムブロマイド等が挙げられる。
工程(ii)は、酸化剤を用いて、中間体(c)の基−OHを基=Oに変換し、中間体(d)を得る工程である。酸化剤としては、二酸化マンガン等が挙げられる。
工程(iii)は、中間体(d)をα臭素化し、中間体(e)を得る工程である。
工程(iv)は、中間体(e)と化合物(f)を塩基存在下で反応させ、中間体(g)を得る工程である。
化合物(f)としては、例えば、6−メトキシオイゲノール、4−(1−プロペニル)シリンゴール、オイゲノール、イソオイゲノール等が挙げられる。
また、塩基としては、炭酸カリウム等が挙げられる。
工程(v)は、中間体(g)の7位炭素に結合している基=Oを、基−OHに変換し、中間体(h)を得る工程である。
なお、本反応を水素化アルミニウムリチウム等の強い還元剤存在下で行えば、中間体(h)のエリトロ体が得られ、一方、水素化ホウ素ナトリウム等の弱い還元剤とクラウンエーテルの存在下で行えば、中間体(h)のトレオ体が得られる。
工程(vi)は、C14アルキルヨージドやC114アルコール等を用いて、中間体(h)の7位炭素に結合している基−OHを基−R6に変換し、化合物(1)を得る工程である。
本反応に使用するC14アルキルヨージドとしては、メチルヨージド、エチルヨージド、プロピルヨージド、ブチルヨージド等が挙げられる。
なお、前記各工程において、各反応生成物の単離は、必要に応じて、ろ過、洗浄、乾燥、再結晶、再沈殿、遠心分離、各種溶媒による抽出、中和、クロマトグラフィー等の通常の手段を適宜組み合わせて行えばよい。
前記のようにして得られる化合物(1)は、後記実施例に示すように、優れたTRPM8活性化作用を有し冷感を付与することができ、冷感持続性に優れる。
したがって、化合物(1)は、冷感剤及びTRPM8活性化剤(以下、冷感剤等とも称する)としてそのまま用いることができ、また、冷感剤等を製造するための素材として使用することができる。また、化合物(1)を用いることにより冷感を付与することができる。なお、仮にメントールを使用しなくても上記効果を得ることが可能である。
また、上記使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する検体における使用であり得、また治療的な使用であっても非治療的な使用であってもよい。ここで、「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には、医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。斯様な非治療的使用としては、エステティシャンによる施術が挙げられる。
次に、本発明の冷感剤及びTRPM8活性化剤の態様について説明する。
前記冷感剤等は、ヒト又は動物用の医薬品、化粧料、飲食品、口腔用組成物、ペットフード、他の嗜好品(タバコ等)等として使用できる。
前記冷感剤等を医薬品として使用する場合、任意の投与形態で投与され得る。投与形態は、経粘膜、経皮等の非経口投与と経口投与とに大別される。
また、前記医薬品の剤型は特に限定されない。非経口投与用の医薬品の剤型としては、例えば、液剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、パップ剤、エアゾール剤、ローション剤、ファンデーション等の皮膚外用剤の他、点眼剤、点鼻剤等が挙げられる。
一方、経口投与用の医薬品の剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、丸剤、糖衣錠、内服液、懸濁液、シロップ剤等が挙げられる。
また、前記医薬品は、消炎鎮痛剤、殺菌消毒剤、収斂剤、抗生物質等の他の薬効成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。
また、前記冷感剤等を化粧料として使用する場合、その形態は特に限定されない。例えば、皮膚外用剤(虫除けスプレー等)、洗浄剤、化粧水、乳液、スキンクリーム、ファンデーション、口紅、頭皮用化粧料、毛髪化粧料(シャンプー、ヘアトニック等)、入浴剤等とすることができる。
また、前記化粧料は、化合物(1)の他に、油剤、セラミド類、擬似セラミド類、ステロール類、保湿剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、美白剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤等を1種又は2種以上含んでいてもよい。
また、前記冷感剤等を飲食品として使用する場合、その形態は特に限定されない。例えば、キャンディ、ガム、タブレット、カプセル、飲料水等が挙げられる。
また、前記冷感剤等を口腔用組成物として使用する場合、その形態は特に限定されず、例えば、歯磨剤、洗口液、歯肉マッサージクリーム等が挙げられる。
また、前記冷感剤等に含まれる化合物(1)の含有量は特に限定されないが、経口投与のための医薬品、飲食品、口腔用組成物又はペットフードである場合、TRPM8活性化作用の観点から、下限として、0.1ppm以上が好ましく、1ppm以上がより好ましく、10ppm以上が更に好ましく、50ppm以上が更に好ましい。一方、その上限としては、下限と同様の観点から、10000ppm以下が好ましく、1000ppm以下が更に好ましく、750ppm以下が更に好ましい。具体的には、TRPM8活性化作用の観点から、0.1ppm以上が好ましく、1〜10000ppmがより好ましく、10〜1000ppmが更に好ましく、50〜750ppmが特に好ましい。
一方、非経口投与のための医薬品、化粧料又は他の嗜好品である場合は、TRPM8活性化作用の観点から、下限として、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましい。一方、その上限としては、下限と同様の観点から、10質量%以下が好ましい。具体的には、TRPM8活性化作用の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。
なお、前記冷感剤等の投与又は摂取対象者としては、それを必要としている者であれば特に限定されない。
次に、本発明の冷感付与方法、TRPM8活性化方法の態様について説明する。
斯かる冷感付与、TRPM8活性化方法の態様としては、化合物(1)の塗布・服用等が挙げられる。また、前記化合物(1)を用いるに際し、該化合物(1)として前記冷感剤等を用いてもよい。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の冷感剤等を開示する。
<1>上記式(1)で表される化合物を有効成分とする冷感剤。
<2>上記式(1)で表される化合物を有効成分とするTRPM8活性化剤。
<3>上記式(1)で表される化合物を用いる冷感付与方法。
<4>上記式(1)で表される化合物を投与又は摂取する冷感付与方法。
<5>上記式(1)で表される化合物を用いるTRPM8活性化方法。
<6>上記式(1)で表される化合物を投与又は摂取するTRPM8活性化方法。
<7>非治療的な方法である<3>〜<6>のいずれか1に記載の方法。
<8>冷感剤を製造するための、上記式(1)で表される化合物の使用。
<9>TRPM8活性化剤を製造するための、上記式(1)で表される化合物の使用。
<10>冷感付与に使用するための、上記式(1)で表される化合物。
<11>TRPM8活性化に使用するための、上記式(1)で表される化合物。
<12>上記式(2)で表される化合物。
<13>前記<1>〜<12>において、R2は、好ましくは水素原子、炭素数1〜3のアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子である。
<14>前記<1>〜<12>において、R3は、好ましくは水素原子である。
<15>前記<1>〜<12>において、R4は、好ましくは水素原子、炭素数2〜6のアルケニル基、より好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、更に好ましくは末端二重結合を有する炭素数2〜6のアルケニル基である。
<16>前記<1>〜<12>において、R5は、好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基である。
<17>前記<1>〜<11>において、R6は、好ましくは水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基、より好ましくは水素原子、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基、更に好ましくは炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基、更に好ましくは炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基である。
<18>前記<12>において、R7は、好ましくは炭素数3〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基である。
後述する実施例で得られた化合物の分析条件は以下の通りである。
<NMRスペクトル>
1H−NMRスペクトルは、CHCl3(7.24)を内部標準物質として用いて、Bruker社製Avance−600により測定した。
13C−NMRスペクトルは、CHCl3(77.0)を内部標準物質として用いて、B
ruker社製Avance−600により測定した。
<比旋光度>
比旋光度は、日本分光社製JASCO P−1020 Polarimeterにより測定した。
合成例1
下記の合成経路に従い、縮合体(4)を合成した。
Figure 2013136733
バニリン(3)(7.61g)をN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)に溶解し、イミダゾール(9.02g)及びtert−ブチルジメチルクロロシラン(4.43g)を加え、室温・窒素雰囲気下、1.5時間撹拌した。反応液に水と酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、TBS保護体(5)(12.6g)を得た。
得られたTBS保護体(5)のうち12.5gをテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、エチルマグネシウムブロマイド(3Mジエチルエーテル溶液、17.2mL)を加え、0℃・窒素雰囲気下、0.5時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を減圧乾燥し、粗生成物(6)を得た。これをジクロロメタン(100mL)に溶解し、二酸化マンガン(52.1g)を加え、室温で27時間撹拌した後、セライト濾過した。濾液を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、エチルケトン(7)(9.09g)を得た。
得られたエチルケトン(7)のうち9.05gをクロロホルム(60mL)に溶解し、臭素(5.40g)をクロロホルム(37.8mL)に溶解したものを加え、1日撹拌した。反応液にチオ硫酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を減圧乾燥し、粗臭素体を得た。これをメタノール(99mL)及びクロロホルム(99mL)に溶解し、6N HCl(2mL)を加え、室温・窒素雰囲気下、15時間撹拌した。反応液に
水と酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、脱TBS体(8)(7.20g)を得た。
得られた脱TBS体(8)をジクロロメタン(60mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(6.29mL)及びクロロメチルメチルエーテル(2.53mL)を加え、室温・窒素雰囲気下、2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、MOM保護体(9)(6.23g)を得た。
得られたMOM保護体(9)のうち711mgをアセトン(20mL)に溶解し、6−メトキシオイゲノール(10)(0.46mL)及び炭酸カリウム(1.62g)を加え、室温・窒素雰囲気下、2日間撹拌し、反応液を濾過した。濾液を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、縮合体(4)(691mg)を得た。
実施例1
以下の合成経路に従い、エリトロ−Δ8'−7−エトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、エリトロ体(1)とも称する)を合成した。
Figure 2013136733
LiAlH4(149mg)をテトラヒドロフラン(6mL)に懸濁し、合成例1で得た縮合体(4)(326mg)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解したものを加え、室温・窒素雰囲気下、2時間撹拌した。反応液に水(0.2mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(0.2mL)、水(0.6mL)の順番で加え、1日撹拌し、セライト濾過した。濾液を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、エリトロ−ヒドロキシ体(11)(253mg)を得た。
得られたエリトロ−ヒドロキシ体(11)のうち122mgをテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化ナトリウム(純度55%、63.6mg)及びヨウ化エチル(0.075mL)を加え、0℃で0.5時間、室温で12時間、窒素雰囲気下で撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、エリトロ−エトキシ体(12)(99.8mg)を得た。
得られたエリトロ−エトキシ体(12)のうち28.0mgをテトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、6N HCl(0.1mL)を加え、室温・窒素雰囲気下、20時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、エリトロ体(1)(15.4mg)をラセミ体として得た。
エリトロ体(1)のNMRスペクトルを以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.87 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.74 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1H), 6.34 (s, 2H), 5.93 (ddt, J =17.0, 10.1, 6.8 Hz, 1H), 5.51 (s, 1H), 5.06 (m, 2H), 4.43 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 4.19 (qd, J =6.4, 4.2 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.73 (s, 6H), 3.47 (m, 2H), 3.30 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 1. 25 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.22 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.4, 146.2, 144.6, 137.3, 135.2, 134.5, 132.5, 120.4, 115.9, 113.6, 109.5, 105.5, 83.3, 82.4, 64.7, 55.9×2, 40.5, 15.4, 14.4.
実施例2
以下の合成経路に従い、トレオ−Δ8'−7−エトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、トレオ体(2)とも称する)を合成した。
Figure 2013136733
水素化ホウ素ナトリウム(136mg)をイソプロパノール(8mL)に懸濁し、15−crown−5(0.857mL)を加え、室温・窒素雰囲気下、15時間撹拌した。反応液に、合成例1で得た縮合体(4)(500mg)をメタノール(4mL)に溶解したものを加え、さらに7時間撹拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、トレオ−ヒドロキシ体(13)(338mg)を得た。
得られたトレオ−ヒドロキシ体(13)のうち125mgをテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、水素化ナトリウム(純度55%、65.1mg)及びヨウ化エチル(0.077mL)を加え、0℃で0.5時間、室温で12時間、窒素雰囲気下で撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、トレオ−エトキシ体(14)(85.8mg)を得た。
得られたトレオ−エトキシ体(14)のうち29.0mgをテトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、6N HCl(0.1mL)を加え、室温・窒素雰囲気下、20時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を減圧乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、トレオ体(2)(18.8mg)をラセミ体として得た。
トレオ体(2)のNMRスペクトルを以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.94 (s, 1H), 6.85 (m, 2H), 6.37 (s, 2H), 5.94 (ddt, J = 16.9, 10.1, 6.8 Hz, 1H), 5.57 (s, 1H), 5.07 (m, 2H), 4.43 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 4.32 (qd, J = 6.4, 6.1 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.79 (s, 6H), 3.35 (m, 2H), 3. 31 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 1.03 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 6.4 Hz, 3H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.1, 146.3, 144.8, 137.4, 135.6, 134.8, 131.8, 120.9, 115.8, 113.6, 109.8, 105.4, 85.5, 81.5, 64.5, 55.9×2, 40.5, 16.8, 15.2.
実施例3
実施例1で得たエリトロ体(1)をキラルカラム(ダイセル社製CHIRALPAK IC 10×250mm)によって光学分割し、(7R,8S)−Δ8'−7−エトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、7R8S体(1a)とも称する)(5.1mg)及び(7S,8R)−Δ8'−7−エトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、7S8R体(1b)とも称する)(4.4mg)を得た。なお、移動相には、ヘキサン/EtOH/AcOH=95/5/0.1の混合溶媒を用いた。
また、実施例2で得たトレオ体(2)も同様の条件で光学分割し、(7R,8R)−Δ8'−7−エトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、7R8R体(2a)とも称する)(3.9mg)及び(7S,8S)−Δ8'−7−エトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、7S8S体(2b)とも称する)(5.4mg)を得た。
得られた各異性体の比旋光度と化学構造を以下に示す。
7R8S体(1a):[α]D27 +6.6 (c 0.25, CHCl3)
7S8R体(1b):[α]D27 -2.5 (c 0.22, CHCl3)
7R8R体(2a):[α]D27 -13.9 (c 0.19, CHCl3)
7S8S体(2b):[α]D27 +18.6 (c 0.27, CHCl3)
Figure 2013136733
実施例4
実施例1で得たエリトロ体(1)と実施例2で得たトレオ体(2)とを1:1の比率で混合し、Δ8'−7−エトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナンの4種異性体混合物(以下、混合物(15)とも称する)を得た。
実施例5
ヨウ化エチルをヨウ化メチルに換えた以外は実施例1と同様にして縮合体(4)からエリトロ−Δ8'−4−ヒドロキシ−3,3',5',7−テトラメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、エリトロ体(16)とも称する)を合成した。
得られたエリトロ体(16)のNMRスペクトルを以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.86-6.82 (m, 2H), 6.71 (dd, J = 8.1, 1.7 Hz, 1H), 6.36 (s, 2H), 5.94 (m, 1H), 5.56 (br, 1H), 5.07 (m, 2H), 4.37 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.14 (qd, J = 6.4, 3.6 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.76 (s, 6H), 3.35 (s, 3H), 3.31 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 1.23 (d, J = 6.4 Hz, 3H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.4, 146.3, 144.7, 137.3, 135.3, 134.4, 131.4, 120.4, 115.9, 113.7, 109.3, 105.4, 85.0, 82.5, 57.4, 55.9, 40.5, 13.8.
一方、ヨウ化エチルをヨウ化メチルに換えた以外は実施例2と同様にして縮合体(4)からトレオ−Δ8'−4−ヒドロキシ−3,3',5',7−テトラメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、トレオ体(17)とも称する)を合成した。
得られたトレオ体(17)のNMRスペクトルを以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.91 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 6.87-6.82 (m, 2H), 6.37 (s, 2H), 5.95 (m, 1H), 5.60 (br, 1H), 5.07 (m, 2H), 4.35-4.30 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.79 (s, 6H), 3.31 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 3.19 (s, 3H), 0.95 (d, J = 6.1 Hz, 3H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.2, 146.4, 145.0, 137.3, 135.0, 134.9, 131.2, 121.1, 115.8, 113.7, 109.7, 105.3, 87.7, 81.1, 56.8, 55.9, 40.5, 16.7.
上述のようにして得られたエリトロ体(16)とトレオ体(17)を60:40の比率で混合し、Δ8'−4−ヒドロキシ−3,3',5',7−テトラメトキシ−8−O−4
'−ネオリグナンの4種異性体混合物(以下、混合物(18)とも称する)を得た。得られた混合物(18)の化学構造を以下に示す。
Figure 2013136733
実施例6
ヨウ化エチルをヨウ化ブチルに換えた以外は実施例1と同様にして縮合体(4)からエリトロ−Δ8'−7−ブトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、エリトロ体(19)とも称する)を合成した。得られたエリトロ体(19)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.87 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.74 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1H), 6.33 (s, 2H), 5.94 (m, 1H), 5.12-5.02 (m, 2H), 4.39 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 4.20 (qd, J = 6.4, 4.3 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.72 (s, 6H), 3.38 (m, 2H), 3.29 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 1.60 (m, 2H), 1.40 (m, 2H), 1.25 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 7.3 Hz, 3H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.4, 146.1, 144.5, 137.3, 135.2, 134.5, 132.6, 120.5, 115.8, 113.5, 109.5, 105.6, 83.5, 82.4, 69.2, 56.0, 55.8, 40.5, 32.1, 19.5, 14.5, 14.0.
Figure 2013136733
実施例7
ヨウ化エチルをヨウ化ブチルに換えた以外は実施例2と同様にして縮合体(4)からトレオ−Δ8'−7−ブトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、トレオ体(20)とも称する)を合成した。
得られたトレオ体(20)のNMRスペクトルを以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.96 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.87 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.37 (s, 2H), 5.94 (m, 1H), 5.12-5.02 (m, 2H), 4.43 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 4.32 (qd, J = 6.4, 5.9 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.78 (s, 6H), 3.31 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 3.28 (m, 2H), 1.40 (m, 2H), 1.24 (m, 2H), 0.98 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.81 (t, J = 7.3 Hz, 3H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.2, 146.2, 144.8, 137.4, 135.6, 134.8, 131.9, 120.9, 115.8, 113.5, 109.9, 105.5, 85.2, 81.4, 69.0, 56.0, 55.9, 40.5, 32.0, 19.3, 16.7, 14.0.
実施例8(単離例1)
下記の単離スキームに従い、エリトロ−Δ8'−4,7−ジヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、エリトロ体(21)とも称する)、エリトロ−Δ8'−4,7−ジヒドロキシ−3,3'−ジメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、エリトロ体(22)とも称する)、及びエリトロ−Δ8'−7−アセチル−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、エリトロ体(23)とも称する)をニクズクより単離した。
ニクズク(Myristica fragrans Houtt.)の種子400gに、50vol%エタノール水溶液を4L添加し、室温で2日間浸漬して抽出した後、濾過して粗抽出液を得た。これを減圧濃縮後、エタノール2Lを添加し、不溶物を濾過した。濾液を減圧濃縮後、水と酢酸エチルを各2L添加して分液を行い、酢酸エチル層を減圧乾燥して固形分13.15gを得た。このうち5.00gをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、エリトロ体(21)〜(23)を含む画分1.10gを得た。これを更に逆相HPLC(Inertsil ODS−3)によって精製し、エリトロ体(21)〜(23)を得た。エリトロ体(23)はそのまま溶媒で希釈し、試験例1に用いた。
エリトロ体(23)のNMRスペクトルと、エリトロ体(21)〜(23)の化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.84 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.76 (dd, J = 8.2, 1.4 Hz, 1H), 6.36 (s, 2H), 5.94 (ddt, J = 16.9, 10.1, 6.8 Hz, 1H), 5.81 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 5.57 (s, 1H), 5.11-5.05 (m, 2H), 4.38 (qd, J = 6.4, 3.3 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.75 (s, 6H), 3.31 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.15 (s, 3H), 1.26 (d, J = 6.4 Hz, 3H);
13CNMR (600 MHz, CDCl3) δ 170.3, 153.3, 146.2, 145.1, 137.2, 135.7, 133.6, 129.9, 119.9, 116.0, 114.0, 109.5, 105.4, 80.1, 76.6, 55.9, 55.8, 40.5, 21.3, 14.4.
Figure 2013136733
実施例9
単離例1で得られたエリトロ体(21)(5.9mg)をイソプロピルアルコール(0.2mL)に溶解後、濃塩酸(2μL)を添加して60℃で5時間反応させた。冷却後、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル層を減圧濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、Δ8'−7−イソプロポキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(24)とも称する)(4.4mg)を、ジアステレオマー比60:40で得た。
得られた混合物(24)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.04 (d, J = 1.7 Hz, 0.4H), 6.93 (dd, J = 8.0, 1.7 Hz, 0.4H), 6.91 (s, 0.6H), 6.85 (d, J = 8.0 Hz, 0.4H), 6.81 (d, J = 1.1 Hz, 1.2H), 6.36 (s, 0.8H), 6.30 (s, 1.2H), 5.97-5.88 (m, 1H), 5.53 (s, 0.4H), 5.50 (s, 0.6H), 5.10-5.02 (m, 2H), 4.63 (d, J = 4.9 Hz, 0.4H), 4.51 (d, J = 5.3 Hz, 0.6H), 4.29 (qd, J = 6.4, 4.9 Hz, 0.4H), 4.23 (qd, J = 6.2, 5.3 Hz, 0.6H), 3.87 (s, 1.2H), 3.83 (s, 1.8H), 3.76 (s, 2.4H), 3.69 (s, 3.6H), 3.62 (m, 0.6H), 3.57 (m, 0.4H), 3.30 (d, J = 6.7 Hz, 0.8H), 3.27 (d, J = 6.8 Hz, 1.2H), 1.26 (d, J = 6.2 Hz, 1.8H), 1.18 (d, J = 6.0 Hz, 1.8H), 1.07 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.03 (d, J = 6.3 Hz, 1.2H), 0.97 (d, J = 6.4 Hz, 1.8H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.2 (2C), 146.0 (2C), 144.6, 144.5, 137.4 (2C), 135.4, 135.0, 134.9, 134.6, 133.5, 132.4, 120.8, 120.6, 115.8 (2C), 113.4 (2C), 110.3, 109.8, 105.6, 105.5, 82.2, 81.7, 81.3, 81.2, 69.7, 69.4, 56.0, 55.9 (2C), 55.8, 40.5, 40.4, 23.3 (2C), 21.4 (2C), 16.1, 15.3.
Figure 2013136733
実施例10
イソプロピルアルコールをイソブチルアルコールに換えた以外は実施例9と同様にして、エリトロ体(21)からΔ8'−7−イソブトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(25)とも称する)を、ジアステレオマー比60:40で得た。
得られた混合物(25)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.97 (d, J = 1.6 Hz, 0.4H), 6.88 (m, 1H), 6.85 (d, J = 8.1 Hz, 0.4H), 6.81 (d, J = 8.1 Hz, 0.6H), 6.74 (dd, J = 8.1, 1.7 Hz, 0.6H), 6.36 (s, 0.8H), 6.33 (s, 1.2H), 5.97-5.89 (m, 1H), 5.53 (s, 0.4H), 5.50 (s, 0.6H), 5.10-5.03 (m, 2H), 4.44 (d, J = 5.6 Hz, 0.4H), 4.38 (d, J = 4.4 Hz, 0.6H), 4.32 (qd, J = 6.4, 5.6 Hz, 0.4H), 4.21 (qd, J = 6.3, 4.4 Hz, 0.6H), 3.86 (s, 1.2H), 3.83 (s, 1.8H), 3.78 (s, 2.4H), 3.72 (s, 3.6H), 3.30 (d, J = 6.9 Hz, 0.8H), 3.29 (d, J = 6.9 Hz, 1.2H), 3.20 (dd, J = 8.9, 6.0 Hz, 0.6H), 3.11 (dd, J = 8.9, 7.5 Hz, 0.6H), 3.08 (dd, J = 8.8, 6.2 Hz, 0.4H), 3.04 (dd, J = 8.8, 7.3 Hz, 0.4H), 1.93 (m, 0.6H), 1.71 (m, 0.4H), 1.26 (d, J = 6.3 Hz, 1.8H), 0.98 (d, J = 6.4 Hz, 1.2H), 0.93 (d, J = 6.7 Hz, 1.8H), 0.89 (d, J = 6.7 Hz, 1.8H), 0.79 (d, J = 6.6 Hz, 1.2H), 0.76 (J = 6.7 Hz, 1.2H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.4, 153.2, 146.2, 146.1, 144.7, 144.5, 137.4, 137.3, 135.5, 135.2, 134.8, 134.5, 132.6, 131.8, 120.9, 120.5, 115.8 (2C), 113.5 (2C), 110.1, 109.6, 105.6 (2C), 84.7, 83.5, 82.4, 81.4, 76.2, 75.8, 56.0 (2C), 55.9, 55.8, 40.5 (2C), 28.7, 28.6, 19.7, 19.5, 19.4, 19.3, 16.5, 14.6.
Figure 2013136733
実施例11
イソプロピルアルコールを1−ヘキサノールに換えた以外は実施例9と同様にして、エリトロ体(21)からΔ8'−7−ヘキソキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(26)とも称する)を、ジアステレオマー比60:40で得た。
得られた混合物(26)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.95 (d, J = 1.4 Hz, 0.4H), 6.88-6.85 (m, 1.4H), 6.81 (d, J = 8.1 Hz, 0.6H), 6.74 (dd, J = 8.1, 1.7 Hz, 0.6H), 6.36 (s, 0.8H), 6.33 (s, 1.2H), 5.98-5.89 (m, 1H), 5.54 (s, 0.4H), 5.50 (s, 0.6H), 5.10-5.04 (m, 2H), 4.42 (d, J = 5.9 Hz, 0.4H), 4.39 (d, J = 4.5 Hz, 0.6H), 4.31 (qd, J = 6.4, 5.9 Hz, 0.4H), 4.20 (qd, J = 6.4, 4.5 Hz, 0.6H), 3.86 (s, 1.2H), 3.83 (s, 1.8H), 3.78 (s, 2.4H), 3.72 (s, 3.6H), 3.42-3.24 (m, 4H), 1.66-1.52 (m, 2H), 1.44-1.14 (m, 6H), 1.25 (d, J = 6.4 Hz, 1.8H), 0.98 (d, J = 6.4 Hz, 1.2H), 0.85 (t, J = 7.2 Hz, 1.8H), 0.82 (t, J = 7.2 Hz, 1.2H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.4, 153.2, 146.3, 146.2, 144.8, 144.6, 137.5, 137.4, 135.6, 135.2, 134.8, 134.5, 132.6, 131.9, 120.9, 120.5, 115.9, 115.8, 113.6 (2C), 110.0, 109.6, 105.6, 105.5, 85.3, 83.5, 82.4, 81.5, 69.6, 69.4, 56.0 (2C), 55.9 (2C), 40.5 (2C), 31.8 (2C), 30.0, 29.8, 26.1, 25.9, 22.7 (2C), 16.7, 14.6, 14.1 (2C).
Figure 2013136733
実施例12
イソプロピルアルコールを1−オクタノールに換えた以外は実施例9と同様にして、エリトロ体(21)からΔ8'−7−オクトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(27)とも称する)を、ジアステレオマー比60:40で得た。
得られた混合物(27)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.95 (d, J = 1.5 Hz, 0.4H), 6.88-6.85 (m, 1.4H), 6.81 (d, J = 8.1 Hz, 0.6H), 6.74 (dd, J = 8.1, 1.7 Hz, 0.6H), 6.36 (s, 0.8H), 6.33 (s, 1.2H), 5.98-5.89 (m, 1H), 5.54 (s, 0.4H), 5.50 (s, 0.6H), 5.10-5.04 (m, 2H), 4.42 (d, J = 5.7 Hz, 0.4H), 4.39 (d, J = 4.5 Hz, 0.6H), 4.31 (qd, J = 6.4, 5.7 Hz, 0.4H), 4.20 (qd, J = 6.4, 4.5 Hz, 0.6H), 3.86 (s, 1.2H), 3.83 (s, 1.8H), 3.78 (s, 2.4H), 3.72 (s, 3.6H), 3.42-3.24 (m, 4H), 1.66-1.52 (m, 2H), 1.44-1.14 (m, 10H), 1.25 (d, J = 6.4 Hz, 1.8H), 0.98 (d, J = 6.4 Hz, 1.2H), 0.85 (t, J = 7.2 Hz, 1.8H), 0.84 (t, J = 7.2 Hz, 1.2H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.4, 153.1, 146.2, 146.1, 144.8, 144.6, 137.4, 137.3, 135.6, 135.2, 134.8, 134.5, 132.6, 131.9, 120.9, 120.5, 115.9, 115.8, 113.5 (2C), 109.9, 109.5, 105.5 (2C), 85.2, 83.5, 82.3, 81.4, 69.5, 69.3, 56.0 (2C), 55.9, 55.8, 40.5 (2C), 31.8 (2C), 30.0, 29.8, 29.5 (2C), 29.3 (2C), 26.3, 26.2, 22.7 (2C), 16.7, 14.6, 14.1 (2C).
Figure 2013136733
実施例13
イソプロピルアルコールを1−デカノールに換えた以外は実施例9と同様にして、エリトロ体(21)からΔ8'−7−デコキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(28)とも称する)を、ジアステレオマー比60:40で得た。
得られた混合物(28)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.95 (d, J = 1.4 Hz, 0.4H), 6.88-6.85 (m, 1.4H), 6.81 (d, J = 8.0 Hz, 0.6H), 6.74 (dd, J = 8.0, 1.7 Hz, 0.6H), 6.36 (s, 0.8H), 6.33 (s, 1.2H), 5.98-5.89 (m, 1H), 5.54 (s, 0.4H), 5.50 (s, 0.6H), 5.10-5.04 (m, 2H), 4.42 (d, J = 5.8 Hz, 0.4H), 4.39 (d, J = 4.3 Hz, 0.6H), 4.31 (qd, J = 6.4, 5.8 Hz, 0.4H), 4.20 (qd, J = 6.4, 4.3 Hz, 0.6H), 3.86 (s, 1.2H), 3.83 (s, 1.8H), 3.78 (s, 2.4H), 3.72 (s, 3.6H), 3.42-3.24 (m, 4H), 1.66-1.52 (m, 2H), 1.44-1.14 (m, 14H), 1.25 (d, J = 6.4 Hz, 1.8H), 0.98 (d, J = 6.4 Hz, 1.2H), 0.85 (t, J = 7.2 Hz, 3H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.4, 153.1, 146.2, 146.1, 144.8, 144.6, 137.4, 137.3, 135.6, 135.2, 134.8, 134.5, 132.6, 131.9, 120.9, 120.5, 115.9, 115.8, 113.6, 113.5, 109.9, 109.5, 105.5 (2C), 85.2, 83.5, 82.3, 81.4, 69.5, 69.3, 56.0 (2C), 55.9, 55.8, 40.5 (2C), 31.9 (2C), 30.0, 29.8, 29.7, 29.6 (5C), 29.3 (2C), 26.3, 26.2, 22.7 (2C), 16.9, 14.6, 14.1 (2C).
Figure 2013136733
実施例14
イソプロピルアルコールをシクロヘキサノールに換えた以外は実施例9と同様にして、エリトロ体(21)からΔ8'−7−シクロヘキソキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(29)とも称する)を、ジアステレオマー比60:40で得た。
得られた混合物(29)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.06 (d, J = 1.8 Hz, 0.4H), 6.93 (dd, J = 8.0, 1.8 Hz, 0.4H), 6.92 (d, J = 1.4 Hz, 0.6H), 6.85 (d, J = 8.0 Hz, 0.4H), 6.81 (m, 1.2H), 6.36 (s, 0.8H), 6.30 (s, 1.2H), 5.97-5.89 (m, 1H), 5.53 (s, 0.4H), 5.49 (s, 0.6H), 5.10-5.02 (m, 2H), 4.68 (d, J = 4.9 Hz, 0.4H), 4.55 (d, J = 5.5 Hz, 0.6H), 4.29 (qd, J = 6.4, 4.9 Hz, 0.4H), 4.24 (qd, J = 6.3, 5.5 Hz, 0.6H), 3.87 (s, 1.2H), 3.83 (s, 1.8H), 3.76 (s, 2.4H), 3.68 (s, 3.6H), 3.33-3.21 (m, 3H), 1.76-1.08 (m, 10H), 1.26 (d, J = 6.3 Hz, 1.8H), 0.97 (d, J = 6.4 Hz, 1.2H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.3 (2C), 146.0 (2C), 144.5, 144.4, 137.4 (2C), 135.4, 135.0, 134.9, 134.5, 132.6 (2C), 120.7, 120.6, 115.8 (2C), 113.3 (2C), 110.4, 109.8, 105.7, 105.5, 82.2, 81.8, 80.9, 80.8, 75.9, 75.4, 56.0, 55.9 (3C), 40.5, 40.4, 33.5, 33.4, 31.7, 31.5, 25.9, 25.8, 24.3, 24.2 (2C), 24.1, 16.1, 15.5.
Figure 2013136733
実施例15
イソプロピルアルコールをベンジルアルコールに換えた以外は実施例9と同様にして、エリトロ体(21)からΔ8'−7−ベンジロキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(30)とも称する)を、ジアステレオマー比60:40で得た。
得られた混合物(30)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.39-7.10 (m, 5H), 6.97 (d, J = 1.8 Hz, 0.4H), 6.92 (d, J = 1.8 Hz, 0.6H), 6.90 (dd, J = 8.0, 1.8 Hz, 0.4H), 6.87 (d, J = 8.0 Hz, 0.4H), 6.84 (d, J = 8.1 Hz, 0.6H), 6.80 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 0.6H), 6.35 (s, 0.8H), 6.33 (s, 1.2H), 5.99-5.89 (m, 1H), 5.56 (s, 0.4H), 5.53 (s, 0.6H), 5.12-5.04 (m, 2H), 4.59 (d, J = 5.8 Hz, 0.4H), 4.55 (d, J = 4.5 Hz, 0.6H), 4.52 (d, J = 11.8 Hz, 0.6H), 4.48 (d, J = 11.8 Hz, 0.6H), 4.42 (d, J = 11.9 Hz, 0.4H), 4.40 (qd, J = 6.4, 5.8 Hz, 0.4H), 4.37 (d, J = 11.9 Hz, 0.4H), 4.33 (qd, J = 6.4, 4.5 Hz, 0.6H), 3.84 (s, 1.2H), 3.80 (s, 1.8H), 3.71 (s, 2.4H), 3.70 (s, 3.6H), 3.31 (d, J = 6.9 Hz, 0.8H), 3.29 (d, J = 6.9 Hz, 1.2H), 1.29 (d, J = 6.4 Hz, 1.8H), 1.03 (d, J = 6.4 Hz, 1.2H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.4, 153.1, 146.4, 146.2, 145.0, 144.8, 139.0, 138.9, 137.5, 137.3, 135.5, 135.2, 134.8, 134.3, 131.9, 131.2, 128.2, 128.0, 127.5, 127.2 (2C), 127.0, 121.1, 120.7, 115.9, 115.8, 113.7, 113.6, 110.0, 109.8, 105.6, 105.5, 85.1, 83.4, 82.1, 81.5, 70.9, 70.5, 56.0 (2C), 55.9 (2C), 40.5 (2C), 16.9, 14.9.
Figure 2013136733
実施例16
イソプロピルアルコールをt−ブタノールに換えた以外は実施例9と同様にして、エリトロ体(21)からΔ8'−7−t−ブトキシ−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(31)とも称する)を、ジアステレオマー比50:50で得た。
得られた混合物(31)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.20 (d, J = 1.7 Hz, 0.5H), 7.04 (dd, J = 8.1, 1.7 Hz, 0.5H), 6.98 (d, J = 1.8 Hz, 0.5H), 6.87 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 0.5H), 6.84 (d, J = 8.1 Hz, 0.5H), 6.79 (d, J = 8.1 Hz, 0.5H), 6.37 (s, 1H), 6.30 (s, 1H), 5.97-5.87 (m, 1H), 5.48 (s, 0.5H), 5.45 (s, 0.5H), 5.09-5.01 (m, 2H), 4.86 (d, J = 4.0 Hz, 0.5H), 4.69 (d, J = 5.7 Hz, 0.5H), 4.18-4.09 (m, 1H), 3.87 (s, 1.5H), 3.84 (s, 1.5H), 3.76 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 3.30 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 3.26 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 1.18 (d, J = 6.3 Hz, 1.5H), 1.15 (s, 4.5H), 1.09 (s, 4.5H), 0.92 (d, J = 6.4 Hz, 1.5H).
Figure 2013136733
実施例17
イソプロピルアルコールを2−ブトキシエタノールに換えた以外は実施例9と同様にして、エリトロ体(21)からΔ8'−7−オキシブトキシエチル−4−ヒドロキシ−3,3',5'−トリメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(32)とも称する)を、ジアステレオマー比60:40で得た。
得られた混合物(32)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.98 (d, J = 1.7 Hz, 0.4H), 6.92 (d, J = 1.8 Hz, 0.6H), 6.88 (dd, J = 8.0, 1.7 Hz, 0.4H), 6.85 (d, J = 8.0 Hz, 0.4H), 6.81 (d, J = 8.0 Hz, 0.6H), 6.74 (dd, J = 8.0, 1.8 Hz, 0.6H), 6.36 (s, 0.8H), 6.34 (s, 1.2H), 5.97-5.89 (m, 1H), 5.52 (br, 1H), 5.10-5.03 (m, 2H), 4.47 (d, J = 5.9 Hz, 0.4H), 4.46 (d, J = 4.3 Hz, 0.6H), 4.34 (qd, J = 6.4, 5.9 Hz, 0.4H), 4.21 (qd, J = 6.4, 4.3 Hz, 0.6H), 3.86 (s, 1.2H), 3.83 (s, 1.8H), 3.78 (s, 2.4H), 3.73 (s, 3.6H), 3.67-3.28 (m, 8H), 1.56-1.50 (m, 1.2H), 1.49-1.43 (m, 0.8H), 1.38-1.31 (m, 1.2H), 1.31-1.26 (m, 0.8H), 1.25 (d, J = 6.4 Hz, 1.8H), 0.99 (d, J = 6.4 Hz, 1.2H), 0.89 (t, J = 7.3 Hz, 1.8H), 0.86 (t, J = 7.3 Hz, 1.2H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 153.3, 153.2, 146.3, 146.2, 144.9, 144.6, 137.4, 137.3, 135.4, 135.3, 134.9, 134.4, 132.0, 131.4, 121.0, 120.5, 115.9, 115.8, 113.6 (2C), 110.0, 109.7, 105.5 (2C), 85.6, 83.7, 82.4, 81.3, 71.1, 71.0, 70.1, 69.9, 68.8, 68.4, 55.9 (4C), 40.5 (2C), 31.8 (2C), 19.3, 19.2, 16.6, 14.4, 14.0, 13.9.
Figure 2013136733
実施例18
単離例1で得られたエリトロ体(22)(5.0mg)をエタノール(0.2mL)に溶解後、濃塩酸(2μL)を添加して60℃で5時間反応させた。冷却後、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル層を減圧濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、エリトロ−Δ8'−7−エトキシ−4−ヒドロキシ−3,3'−ジメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(以下、エリトロ体(33)とも称する)(4.0mg)を得た。
得られたエリトロ体(33)のNMRスペクトルと化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.91 (s, 1H), 6.82 (m, 2H), 6.66 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.60 (dd, J = 8.1, 1.9 Hz, 1H), 5.91 (ddt, J = 16.9, 10.1, 6.7 Hz, 1H), 5.52 (s, 1H), 5.06-5.00 (m, 2H), 4.34 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.29 (qd, J = 6.3, 5.5 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.47 (dq, J = 9.3, 6.9 Hz, 1H), 3.41 (dq, J = 9.3, 7.1 Hz, 1H), 3.28 (d, J = 6.7 Hz, 2H), 1.33 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.19 (dd, J = 7.1, 6.9 Hz, 3H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 150.5, 146.3, 145.7, 144.9, 137.6, 133.6, 131.9, 120.5 (2C), 117.2, 115.6, 113.7, 112.8, 109.8, 83.4, 79.7, 64.7, 55.9 (2C), 39.8, 15.7, 15.3.
Figure 2013136733
実施例19
Δ8'−4−ヒドロキシ−3,3'−ジメトキシ−8−O−4'−ネオリグナン(Analyticon社製、NP−016261)(以下、化合物(34)とも称する)はそのまま溶媒で希釈し、試験例1に用いた。化合物(34)の化学構造を以下に示す。
Figure 2013136733
実施例20
Δ8'−4−ヒドロキシ−3,3'−ジメトキシ−1'−プロペニル−8−O−4'−ネオリグナン(Analyticon社製、NP−000262)(以下、化合物(35)とも称する)(4.8mg)をエタノール(0.2mL)に溶解後、濃塩酸(2μL)を添加して60℃で3時間反応させた。冷却後、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル層を減圧濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、Δ8'−7−エトキシ−4−ヒドロキシ−3,3'−ジメトキシ−1'−プロペニル−8−O−4'−ネオリグナン(以下、混合物(36)とも称する)(1.9mg)を、ジアステレオマー比60:40で得た。
得られた混合物(36)のNMRスペクトルおよび化合物(35)、混合物(36)の化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.92-6.80 (m, 4.8H), 6.74 (dd, J = 8.2, 2.0 Hz, 0.6H), 6.66 (d, J = 8.2 Hz, 0.6H), 6.31 (m, 0.4H), 6.28 (m, 0.6H), 6.12-6.03 (m, 1H), 5.56 (s, 0.4H), 5.52 (s, 0.6H), 4.42 (m, 0.4H), 4.38-4.30 (m, 1.6H), 3.87 (s, 1.2H), 3.84 (s, 1.8H), 3.82 (s, 1.2H), 3.77 (s, 1.8H), 3.49-3.38 (m, 2H), 1.84 (m, 1.2H), 1.83 (dd, J = 6.7, 1.7 Hz, 1.8H), 1.33 (d, J = 6.0 Hz, 1.8H), 1.18 (dd, J = 7.1, 6.9 Hz, 1.8H), 1.12 (dd, J = 7.1, 6.9 Hz, 1.2H), 1.07 (d, J = 6.4 Hz, 1.2H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 150.6, 150.4, 147.3, 146.5, 146.4, 146.3, 145.1, 144.9, 132.0, 131.8, 131.7, 131.2, 130.5 (2C), 124.0, 123.9, 120.9, 120.5, 118.6 (2C), 117.0, 116.6, 113.7 (2C), 109.8 (2C), 109.5, 109.4, 84.4, 83.3, 79.6, 79.1, 64.7 (2C), 55.9 (4C), 18.4 (2C), 16.5, 15.6, 15.3 (2C).
Figure 2013136733
実施例21
4−[1−ヒドロキシ−2−(2−メトキシフェノキシ)プロピル]−2−メトキシフェノール(Pharmeks社製、P2000N−11879)(以下、化合物(37)とも称する)(5.1mg)をエタノール(0.2mL)に溶解後、濃塩酸(2μL)を添加して60℃で3時間反応させた。冷却後、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル層を減圧濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、4−[1−エトキシ−2−(2−メトキシフェノキシ)プロピル]−2−メトキシフェノール(以下、混合物(38)とも称する)(5.4mg)を、ジアステレオマー比50:50で得た。
得られた混合物(38)のNMRスペクトルおよび化合物(37)、混合物(38)の化学構造を以下に示す。
1HNMR (600 MHz, CDCl3) δ 6.99 (m, 0.5H), 6.93-6.73 (m, 6.5H), 5.57 (s, 0.5H), 5.53 (s, 0.5H), 4.45 (m, 0.5H), 4.40-4.32 (m, 1.5H), 3.87 (s, 1.5H), 3.84 (s, 1.5H), 3.82 (s, 1.5H), 3.76 (s, 1.5H), 3.51-3.37 (m, 2H), 1.35 (d, J = 5.7 Hz, 1.5H), 1.19 (t, J = 7.1 Hz, 1.5H), 1.13 (t, J = 7.0 Hz, 1.5H), 1.08 (d, J = 6.3 Hz, 1.5H);
13CNMR (150 MHz, CDCl3) δ 150.6, 150.4, 148.2, 147.5, 146.4, 146.3, 145.1, 144.9, 131.8, 131.3, 121.7, 121.5, 120.9, 120.8 (2C), 120.5, 117.0, 116.8, 113.7 (2C), 112.4, 112.3, 109.8 (2C), 84.4, 83.4, 79.4, 79.1, 64.7, 55.9 (3C), 55.8, 16.5, 15.7, 15.3 (2C).
Figure 2013136733
試験例1
以下の手順に従い、試験サンプルのTRPM8活性化作用におけるEC50値を測定した。
(1)ヒトTRPM8安定発現株の作製
ヒトTRPM8安定発現HEK293細胞株を作製するため、ヒトTRPM8遺伝子のクローニングを行った。全長ヒトTRPM8遺伝子は、ヒト前立腺組織全RNA(COSMOBIO社製)より、RT−PCR法を用いて増幅した。
得られたPCR産物をエントリーベクターpENTR−D/TOPO(インビトロジェン社製)へクローニングした後、pCDNA3.2−V5/DEST(インビトロジェン社製)へサブクローニングし、リポフェクトアミン2000(インビトロジェン社製)によりHEK293細胞へ形質導入した。形質導入された細胞を、450μg/mLのG−418(プロメガ社)を含有するDMEM培地中で増殖させて選抜した。HEK293細胞は内在性のTRPM8を発現しないため、TRPM8形質導入株に対するコントロールとして使用できる。
(2)カルシウムイメージング
HEK293細胞へ形質導入したTRPM8活性の測定は、蛍光カルシウムイメージング法により行った。
まず、培養したTRPM8発現細胞をポリ−D−リジンコートされた96ウェルプレート(BDファルコン社製)へ播種(30,000細胞/ウェル)し、37℃で一晩インキュベートした後、培養液を除去し、Fluo4−AM液(同仁化学社製;カルシウムキットII)を添加し、37℃で30〜60分間インキュベートした。その後、96ウェル穴プレートを蛍光プレートリーダー(FDSS3000;浜松ホトニクス社製)にセットし、装置庫内温度を32℃とした状態で、励起波長480nmで励起したときのFluo4による蛍光イメージを、CCDカメラを用いて検出波長520nmにより捕捉した。
測定は1秒毎に計4分間行い、測定開始15秒後に、FDSS3000内蔵の分注器から試験サンプル(下記表1に示す各化合物をそれぞれエタノールに溶解させたもの)を添加し、蛍光強度の変化によりTRPM8の活性を評価した。
(3)TRPM8活性化の評価
TRPM8活性は、試験サンプルによる自家蛍光の影響を排除するため、下記の式で自家蛍光分を差し引いた。
自家蛍光を差し引いた蛍光強度(Fsub
=(各時点のTRPM8発現細胞の蛍光強度)−{(各時点HEK293細胞の蛍光強度)−(測定開始時のHEK293細胞の蛍光強度)}
また、各サンプルによるTRPM8活性化作用は、試験サンプル添加後の蛍光強度比のピークを用いて評価した。下記の式を用いて蛍光強度比を算出した。
蛍光強度比=各時点のFsub/測定開始時のFsub
各処理群あたり2ウェルで評価を行い、その平均値を用いた。
(4)TRPM8活性化作用の評価結果
各試験サンプルのTRPM8活性化作用を、終濃度1nMから100μMの範囲で評価し、最小二乗法によりヒルの式に近似した容量依存曲線を求めた。本曲線から算出した、各試験サンプルのTRPM8活性化作用におけるEC50値は以下の表1のようになった。
Figure 2013136733
前記表1に示すように、実施例で得られた各化合物は優れたTRPM8活性化作用を有する。
試験例2
表2に示す試験サンプル(洗口液)を調整し、以下の手順及び基準に従って冷涼感誘発効果を評価した。評価結果を図1に示す。
Figure 2013136733
(1)評価手順
男性パネル6名に対し、洗口液による冷涼感の評価を行った。下記、試験品A(比較例1)又は試験品B(実施例22)各15mLを30秒間口に含み、吐き出した。その後、30分間の口腔内に感じた冷涼感を0〜5.0点(0.5刻みの11段階評価)で評価した。試験品の適用は30分以上の間隔をあけて行った。
(2)評価基準(冷涼感スコア)
0 点:なにも感じない
0.5点
1.0点:わずかに冷涼感を感じる
1.5点
2.0点:よわい冷涼感を感じる
2.5点
3.0点:はっきりと冷涼感を感じる
3.5点
4.0点:強い冷涼感を感じる
4.5点
5.0点:非常に強い冷涼感を感じる
(3)冷涼感誘発効果の評価結果
図1に示すように、実施例22の洗口液は比較例1の洗口液(混合物(15)に換えて同濃度のl-メントールを含むもの)と比較して、持続性の高い冷涼感を示す。

Claims (5)

  1. 下記式(1)
    Figure 2013136733
    〔式(1)中、R1は、水素原子を示し、R2は、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R3は、水素原子又はヒドロキシ基を示し、R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R5は、水素原子又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R6は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、又は総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基を示す。〕
    で表される化合物を有効成分とする冷感剤。
  2. 下記式(1)
    Figure 2013136733
    〔式(1)中、R1は、水素原子を示し、R2は、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R3は、水素原子又はヒドロキシ基を示し、R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R5は、水素原子又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R6は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、又は総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基を示す。〕
    で表される化合物を有効成分とするTRPM8活性化剤。
  3. 下記式(1)
    Figure 2013136733
    〔式(1)中、R1は、水素原子を示し、R2は、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R3は、水素原子又はヒドロキシ基を示し、R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R5は、水素原子又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R6は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、又は総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基を示す。〕
    で表される化合物を用いる非治療的な冷感付与方法。
  4. 下記式(1)
    Figure 2013136733
    〔式(1)中、R1は、水素原子を示し、R2は、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R3は、水素原子又はヒドロキシ基を示し、R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R5は、水素原子又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R6は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基、又は総炭素数2〜12のアルカノイルオキシ基を示す。〕
    で表される化合物を用いる非治療的なTRPM8活性化方法。
  5. 下記式(2)
    Figure 2013136733
    〔式(2)中、R1は、水素原子を示し、R2は、水素原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R3は、水素原子又はヒドロキシ基を示し、R4は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R5は、水素原子又は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、R7は、炭素数3〜14のアルコキシ基、総炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数3〜12のシクロアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、又は総炭素数7〜14のアラルキルオキシ基を示す。〕
    で表される化合物。
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