JP2013132783A - 加飾成形用シート、加飾成形体、及び、加飾成形体の製造方法 - Google Patents

加飾成形用シート、加飾成形体、及び、加飾成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】真空成形、圧空成形、真空圧空成形、インサート成形等の際の加熱時の型に対する追従性に優れる加飾成形用シート、それを用いた加飾成形体及び加飾成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体を含む表面基材層と、表面基材層の裏面に配設された高分子弾性体からなる樹脂層と、表面基材層と樹脂層との界面が混在して一体化した中間層とを備える加飾成形用シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、成形体の表面に皮革様の外観を付与するための加飾成形用シート、それを用いた加飾成形体及び加飾成形体の製造方法に関する。
携帯電話,モバイル機器,家電製品の筐体や、車両,航空機等の内装部品、建材、家具等の外装部材として、真空成形、圧空成形、加熱プレス成形、インサート成形等により成形体本体の表面を加飾するために用いられる加飾成形用シートが知られている。
例えば、下記特許文献1は、三次元形状に予め成形された皮革または合成皮革と皮革または合成皮革の裏面に密着させた樹脂プレートとで構成された表面層と、表面層を構成する樹脂プレートの裏面に密着一体化した射出成形樹脂層よりなる裏面層とからなる三次元皮革インサート成形品を開示している。そして、その製造方法として、皮革または合成皮革を樹脂プレートに接着剤または熱溶着により貼り合わせ、この貼り合わせ体を圧空成形、真空成形またはプレス加工することにより加飾成形体を得、得られた加飾成形体を用いてインサート成形することにより、射出成形品の表面を加飾できることが記載されている。また、下記特許文献2には、剥離基材上にポリウレタン材料を塗工して湿式凝固法より形成された多孔質層を形成し、剥離基材から剥離した多孔質層を加飾成形用シートとして用いることを開示している。また、特許文献3は極細繊維不織布をポリエステルフィルムに接着して積層した成形加飾シートを開示する。
特開2006−175639号公報 特開2008−291089号公報 特開2010−228155号公報
上述のように、従来、種々の加飾成形用シートが知られていたが、加飾成形用シートを用いた成形においては、真空成形、圧空成形、加熱プレス成形等の際に型通りに正確に成形できないという問題があった。これは、主に、成形時の加熱によって加飾成形用シートが充分に伸びないためである。また、加熱時に加飾成形用シートが充分に伸びるように厚みを薄くした場合には、加飾成形用シートが破れたり、得られる加飾成形体の表面が荒れたりすることがあった。
本発明は、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の際の加熱時の型に対する追従性に優れる加飾成形用シート、それを用いた加飾成形体及び加飾成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体を含む表面基材層と、表面基材層の裏面に配設された高分子弾性体からなる樹脂層と、表面基材層と樹脂層との界面が混在して一体化した中間層とを備える加飾成形用シートである。このような加飾成形用シートは、表面基材層に含有される繊維絡合体が極細単繊維からなる繊維束から形成されているために、加熱により容易に軟化して延伸するために型に対して優れた追従性を発揮することができる。また、表面基材層の裏面に配設された高分子弾性体からなる樹脂層と表面基材層との界面が混在して一体化した中間層を形成しているために成形時の追従性に優れるとともに、繊維絡合体を結束して形状安定性を向上させ、また、気密を維持する樹脂層は真空成形時等の空気の透過を遮断してエアーリークを防ぎ、さらに、得られる加飾成形体の表面にクッション性を付与する。さらに、高分子弾性体は型に追従しやすいために成形性に優れ、例えば、120〜150℃のような低温でも成形できる点から好ましい。
中間層の厚みは5μm以上であり、中間層の厚みを除いた樹脂層の厚みは10μm以上であることが好ましい。中間層の厚みが5μm以上である場合には形状安定性に優れ、また、中間層の厚みを除いた樹脂層の厚みが10μm以上であることにより、真空成形等の際のエアーリークを充分に防ぎ、さらに、得られる加飾成形体の表面に充分なクッション性を付与する。
また、表面基材層の厚さ方向と平行な断面において、繊維束の断面が平均1000個/mm2以上存在することが好ましい。このような密度で繊維束が存在する場合には、得られる加飾成形体の表面に充分な充実感を与えることができる。
また、表面基材層の表面において、繊維絡合体が立毛処理されている場合には、より外観性に優れたスエード調の表面が得られる。
また、単繊維が長繊維である場合には、繊維密度を高めることができ、また、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートは延伸性が高いために、高い繊維密度であっても熱成形の際に容易に軟化して延伸する。
表面基材層はさらに第2の高分子弾性体を含有し、表面基材層中の第2の高分子弾性体の含有割合が1〜25質量%であることが好ましい。表面基材層が繊維絡合体の空隙に高分子弾性体を含む場合、形状安定性や機械的特性をさらに向上させる。なお、高分子弾性体が多すぎる場合には、熱成形後の冷却時における収縮が大きくなり、成形体の形状安定性が低下するおそれがある。
また、樹脂層の表面基材層が配設された面に対する反対面に配設された平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体を含む裏面基材層と、裏面基材層と樹脂層との界面が混在して一体化した第2の中間層と、をさらに備える場合には充実感がさらに向上する点から好ましい。
また、上述した加飾成形用シートは、成形体本体と接着される面に接着剤層をさらに備えることが好ましい。
本発明の他の一局面は、上述した何れかの加飾成形用シートを用いて形成された加飾成形体である。このような加飾成形体は、充実感とクッション性を備えた皮革様表面を有する成形体である。
さらに、本発明の他の一局面は、上述した何れかの加飾成形用シートを加熱することにより軟化させる工程と、軟化された加飾成形用シートの裏面側を成形体本体または型に密着させる工程と、を備える加飾成形体の製造方法である。特に、一般的に成形時において加飾成形用シートが破れ易くなるNGF成形(Next Generation Forming)等の真空成形の場合には、加熱により軟化した加飾成形用シートの樹脂層が減圧時のエアーリークを充分に防いで正確に賦形できる。
本発明に係る加飾成形用シートを用いて熱成形による加飾成形を行う場合、成形体や型の形状が正確に転写された加飾成形体が得られ、また、成形後の収縮等の変形も少ない。
図1は、本発明に係る一実施形態の加飾成形用シートの模式断面図である。 図2は、本発明に係る他の実施形態の加飾成形用シートの模式断面図である。 図3は、真空成形の一種であるNGF成形により加飾成形用シートを用いて成形する工程を説明する説明図である 図4は、加飾成形用シートの裏面にシート状の成形基材を貼り合わせた加飾成形用シート構成体の模式断面図である。 図5は、真空成形により加飾成形用シート構成体を用いて成形する工程を説明する説明図である 図6は、実施例で用いた成形体本体の寸法を示し、(a)は上面図、(b)は正面図である。
以下、本発明に係る加飾成形用シート及びそれを用いた加飾成形の好ましい実施形態を説明する。
図1は本実施形態の加飾成形用シート10の模式断面図である。図1中、1は平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体1a及び高分子弾性体1bを含む表面基材層、2は高分子弾性体からなる樹脂層、3は表面基材層1の界面と樹脂層2の界面とが混在して一体化した形成された中間層、4は立毛された極細繊維である。なお、本実施形態における表面基材層1は高分子弾性体1bを含有するが、高分子弾性体1bは必須成分ではなく、表面基材層1の機械的特性や風合いを調整するために必要に応じて含有される成分である。加飾成形用シート10はその表面側が立毛処理されており、スエード調の表面を有する。
また、図2は本発明に係る別の実施形態である加飾成形用シート20の模式断面図である。後述するように、樹脂層2の表面基材層1が配設された面に対して反対面に、さらに、別の、平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体11aを含む裏面基材層11を配設した場合には、図2に示すような加飾成形用シート20が得られる。表面基材層1と裏面基材層11とは同じものであっても、異なるものであってもよい。なお、図1の加飾成形用シート10と同じ符号で示したものは実質的に同様の要素である。図2中、11は平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体11a及び高分子弾性体11bを含む裏面基材層、13は裏面基材層11の界面と樹脂層2の界面とが混在して一体化して形成された第2の中間層13である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の加飾成形用シート10,20は、平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体1aを含む表面基材層1と、高分子弾性体からなる樹脂層2と、表面基材層1と樹脂層2との界面が混在して一体化した中間層3とを含む。そして、表面基材層1に含有される繊維絡合体1aが、平均繊度0.01〜0.8dtexのような極細繊維の単繊維の繊維束から形成されており、加熱により容易に軟化して延伸するために、熱成形時に成形体や型に対して優れた追従性を発揮することができる。また、表面基材層1の裏面に配設された高分子弾性体からなる樹脂層2の界面は、表面基材層1の界面と混在して一体化した中間層3を形成しているために繊維絡合体1aを結束して形状安定性を向上させ、また、気密を維持する樹脂層2は真空成形時のエアーリークを防ぐ。さらに、樹脂層2は加熱前であっても伸び性が高いために、加熱温度によらず型に対する追従性にも優れており、また、得られる加飾成形体にクッション性に優れた皮革様の風合いを付与する。
次に、本実施形態の加飾成形用シートを構成する各要素について詳しく説明する。
はじめに、表面基材層1について詳しく説明する。
表面基材層1は平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体1aを含む。単繊維の平均繊度は0.01〜0.8dtexであり、0.05〜0.5dtex、さらには0.07〜0.1dtexであることが好ましい。極細単繊維の平均繊度が0.01dtex未満の場合には、極細単繊維の生産性が低下し、極細繊維の平均繊度が0.8dtexを超える場合には、加飾成形用シートを熱成形する際に、軟化時の延伸性が低下して、型や成形体の形状に正確に追従しにくくなる。本実施形態の加飾成形用シートにおいては、このような繊度の極細単繊維を構成要素とするために、軟化したときに容易に延伸する伸び特性が得られる。
極細単繊維は、極細繊維絡合体中に、極細単繊維が集束してなる繊維束として存在する。具体的には、5〜1000本、さらには5〜200本、とくには10〜70本、ことには10〜50本、最も好ましくは10〜30本の極細単繊維が束ねられて存在していることが好ましい。極細単繊維がこのような繊維束を形成していることにより、一束の繊維束が、あたかも一本の太い繊維のような特性を発現する。また、極細単繊維が繊維束を形成していることにより、みかけ体積に対する繊維割合を高くすることができ、その結果、得られる加飾成形体の加飾表面に充実感を付与することができる。
極細単繊維を形成する樹脂としては、融点が160〜330℃、さらには、180〜280℃の熱可塑性樹脂が好ましい。このような温度特性の熱可塑性樹脂からなる極細単繊維を用いた場合には、熱成形の際に優れた延伸性を発揮し、また、成形後の形状安定性にも優れる。なお、融点は、示差走査熱量計(DSC)で測定される吸熱ピークのピークトップ温度である。
このような熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),変性ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリトリメチレンテレフタレート(PTT),ポリトリエチレンテレフタレート,ポリヘキサメチレンテレフタレート,ポリプロピレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂;ポリ乳酸,ポリエチレンサクシネート,ポリブチレンサクシネート,ポリブチレンサクシネートアジペート,ポリヒドロキシブチレート−ポリヒドロキシバリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル系樹脂;ポリアミド6,ポリアミド66,ポリアミド610,ポリアミド10,ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6−12等のポリアミド系樹脂;ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリブテン,ポリメチルペンテン,塩素系ポリオレフィン,エチレン酢酸ビニル共重合体,スチレンエチレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;エチレン単位を25〜70モル%含有する変性ポリビニルアルコール系樹脂;及び、ポリウレタン系エラストマー,ポリアミド系エラストマー,ポリエステル系エラストマーなどの結晶性エラストマーが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく、とくに、融点,軟化点,結晶化度を低下させるための共重合成分を構成単位として含有する変性ポリエステルが熱成形性により優れる点から好ましい。変性ポリエステル中の構成単位になる共重合成分としては、イソフタル酸,フタル酸,5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の非対称型芳香族カルボン酸や、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
次に、繊維絡合体を構成する極細繊維束について詳しく説明する。
極細繊維絡合体を構成する極細繊維束は、短繊維の極細単繊維から形成されていても、長繊維の極細単繊維から形成されていてもよいが、とくには、長繊維の極細単繊維から形成されていることが好ましい。ここで、長繊維とは、所定の長さで切断処理された短繊維ではないことを意味する。長繊維の長さとしては、100mm以上、さらには、200mm以上であることが単繊維の繊維密度を充分に高めることができる点から好ましい。単繊維の長さが短すぎる場合には、繊維が充分に高密度にならないために剛性や充実感が低下する傾向がある。上限は、特に限定されないが、例えば、スパンボンド法により製造された不織布に由来する繊維絡合体を含有する場合には、連続的に紡糸された数m、数百m、数kmあるいはそれ以上の繊維長であってもよい。また、これらの繊維は単独ではなく数種の繊維が混合したものであってもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、風合いを調製する目的で少量の短繊維を含んでいてもよい。
表面基材層中の繊維絡合体の繊維束の密度としては、繊維絡合体の厚さ方向と平行な断面において、繊維束の断面の個数が平均1000個/mm2以上、さらには平均1000〜3000個/mm2、とくには平均2100〜2600個/mm2であることが好ましい。このような繊維束の密度である場合には、熱成形後において成形品が大きく収縮したり反りを生じたりすることなく、成形体の高い寸法安定性を維持することができる。繊維束の断面の個数が少なすぎる場合には、繊維束が存在しない空間の割合が高くなり、繊維が密集した密な領域と殆ど存在しない疎な領域が存在して、成形斑が生じ易くなる傾向がある。また、高分子弾性体を高い割合で含有させなければ形状安定性を維持することができなくなることがあり、その場合には、成形後に成形品が大きく収縮しやすくなる傾向がある。一方、繊維束の断面の個数が多すぎる場合には、風合いが硬くなりやすい傾向がある。なお、繊維束の密度は加飾成形用シートの厚み方向の断面を走査型電子顕微鏡により観察し、繊維絡合体が存在する部分の中央付近の個数密度を観察することにより算出することができる。
また、繊維絡合体は縦方向と横方向との機械的特性の異方性が小さいことが、熱成形の際に均一に延伸されるために、成形体や型に対する高い追従性を維持することができる点から好ましい。
本実施形態における表面基材層は、上述のように、機械的特性や風合いを調整するために必要に応じて、樹脂層に由来する高分子弾性体以外の高分子弾性体を含有してもよい。このような高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタンエラストマー,アクリロニトリルエラストマー,オレフィンエラストマー,ポリエステルエラストマー,ポリアミドエラストマー,アクリルエラストマー等が挙げられる。これらの中では、ポリウレタンエラストマー及びアクリルエラストマーが、優れた成形性や皮革様の風合いを維持する点から好ましく用いられる。
表面基材層が樹脂層に由来する高分子弾性体以外の高分子弾性体を含有する場合、含浸付与される高分子弾性体の含有割合としては1〜25質量%、さらには5〜20質量%の範囲であることが、成形性を低下させずに、充分に結束性を付与して形状安定性や機械的特性を向上させる点から好ましい。なお、繊維絡合体は、基本的には表面基材層と一体化された樹脂層により拘束されているために、高分子弾性体が存在しなくとも形状安定性は維持されている。
加飾成形体の加飾領域を形成する加飾成形用シート10または加飾成形用シート20の表面側は、必要に応じて、例えば、図1及び図2で示すように、バフィング処理により極細繊維4を立毛させてスエード感を増加させる処理を施されたり、公知のエンボス機を用いてエンボス模様を付すような、外観性を向上させる処理が施されていてもよい。このような処理が施されることにより、加飾成形品の表面にさらに高級感が付与される。
次に、表面基材層1の裏面に配設される高分子弾性体からなる樹脂層2について詳しく説明する。樹脂層2は、表面基材層1の裏面に配設されることにより、真空成形や圧空成形の際の空気の漏れを遮断するとともに、得られる加飾成形体の表面にクッション性を付与する。
樹脂層2を形成するための高分子弾性体は、エラストマー弾性またはゴム弾性を有する樹脂であれば特に限定されない。その具体例としては、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂,ポリエステル系ポリウレタン樹脂,ポリエーテル系ポリウレタン樹脂等の各種ポリウレタン系樹脂や、アクリル系樹脂、ポリウレタンアクリル複合樹脂、ポリ塩化ビニル、合成ゴム等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、必要に応じて公知の各種添加剤等を含有してもよい。これらの中では、ポリウレタン系樹脂が接着性や耐磨耗性や耐屈曲性等の機械物性が優れる点から好ましい。
このような樹脂層2は、例えば、表面基材層1の裏面に高分子弾性体の溶液や分散液を塗布した後、乾燥凝固することにより形成される。なお、樹脂層2は単層であっても、異なる種類の高分子弾性体を複数層積層したものであってもよい。複数層の具体例としては、例えば、表面基材層1に対する接着性の高い高分子弾性体を用いたアンカーコート層と、空気遮断効果の高い高分子弾性体を用いた空気遮断層とを積層したような積層構造等が挙げられる。
立毛させた部分等を除く、加飾成形用シート10の表面基材層1の厚み、または、加飾成形用シート20の表面基材層1または裏面基材層11の厚みとしては、中間層3や中間層13を含む厚みとして、0.1〜1.5mm、さらには0.2〜1.0mm、とくには0.3〜0.7mmであることが好ましい。このような厚みの場合には、皮革様の柔軟且つ充実感のある触感を付与することができる。
また、加飾成形用シート10の中間層3を含む樹脂層2の総厚み、または加飾成形用シート20の中間層3と中間層13とを含む樹脂層2の総厚みとしては、10〜500μm、さらには20〜200μm、とくには40〜150μmであることが好ましい。
また、加飾成形用シート10の中間層3の厚み、または、加飾成形用シート20の中間層3または中間層13の厚みとしては、5μm以上、さらには10μm以上、とくには50μm以上であることが好ましい。このような厚みの場合には、樹脂層2が表面基材層1の繊維絡合体を形成する繊維を充分に把持することにより、界面における追従性を充分に維持して優れた成形性を維持することができる点から好ましい。また、上限としては、300μm以下、さらには250μm以下、とくには200μm以下、最も150μm以下であることが好ましい。中間層の厚みが厚くなりすぎた場合には加飾成形用シート10が重くなる傾向がある。
また、加飾成形用シート10においては、表面基材層1と樹脂層2との厚み比率は、1:0.05〜1:0.5、さらには1:0.1〜1:0.3であることが、成形性、表面の充実感とクッション性とのバランスに優れる点から好ましい。
また、加飾成形用シート20においては、表面基材層1と樹脂層2との厚み比率は、1:0.05〜1:0.5、さらには1:0.1〜1:0.4であり、裏面基材層11と樹脂層2との厚み比率が、1:0.05〜1:0.5、さらには1:0.1〜1:0.4であることが、成形性、表面の充実感とクッション性とのバランスに優れる点から好ましい。
加飾成形用シート10の厚みとしては、0.1〜0.8mm、さらには0.3〜0.6mmであることが、成形性、表面の充実感とクッション性とのバランスに優れる点から好ましい。
また、加飾成形用シート20の厚みとしては、0.3〜1.2mm、さらには0.5〜1.0mmであることが、成形性、表面の充実感とクッション性とのバランスに優れる点から好ましい。
加飾成形用シート10においては、全シート中の繊維絡合体の割合としては、50〜90質量%、さらには60〜80質量%であることが、成形後の収縮が少なくなる点から好ましい。また、上述したような加飾成形用シート20においては、全シート中の繊維絡合体(繊維絡合体1aと繊維絡合体1bとの合計)の割合としては、50〜90質量%、さらには60〜80質量%であることが、成形後の収縮が少なくなる点から好ましい。
次に、本実施形態の加飾成形用シートの製造方法の一例について詳しく説明する。
本実施形態の加飾成形用シートは、高分子弾性体の溶液または分散液(以下、これらを液状高分子弾性体とも称する)を、平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体を含有する表面基材層の裏面側に塗布し、液状高分子弾性体から高分子弾性体を凝固させることにより得られる。液状高分子弾性体の塗布は、表面基材層の裏面側に直接塗布しても、離形紙上に高分子弾性体の層を形成した後、表面基材層の裏面側に転着させて塗布してもよい。中間層の厚みは、液状高分子弾性体の粘度や濃度、及び繊維絡合体の繊維密度を調整することによる浸透性を調整することにより、適宜調整される。
表面基材層は、例えば、次のような方法により製造することができる。具体的には、(1)溶融紡糸により海島型複合繊維等の極細繊維発生型繊維からなるウェブを製造し、(2)得られたウェブを複数枚重ねて絡合させてウェブ絡合シートを形成し、(3)ウェブ絡合シートを湿熱収縮させることにより緻密化し、(4)必要に応じて、緻密化されたウェブ絡合シートに高分子弾性体を含浸付与して形状安定性や機械的特性を調整し、(5)緻密化されたウェブ絡合シート中の極細繊維発生型繊維を極細単繊維化するような工程により得られうる。各工程について、以下に、さらに詳しく説明する。
繊維絡合体の製造においては、はじめに、溶融紡糸により海島型複合繊維等の極細繊維発生型繊維からなるウェブを製造する。具体的には、例えば、スパンボンド法を用いて、極細繊維発生型繊維を溶融紡糸法を用いて紡糸し、これを切断せずにネット上に捕集して長繊維ウェブを形成する方法が好ましく用いられる。
ここで、極細繊維発生型繊維とは、少なくとも2種類のポリマーからなる多成分系複合繊維をいう。このような多成分系複合繊維としては、繊維外周に複数の異なる樹脂成分が交互に配置されて花弁形状や重畳形状を形成している剥離分割型複合繊維;繊維断面においてマトリクスとなる海成分のポリマー中に、海成分のポリマーとは異なる種類の島成分のポリマーが分散したような形態でドメインを形成している海島型繊維等が挙げられる。これらの中では、海島型繊維が生産性に優れる点から好ましい。
海島型繊維の海成分のポリマーは、形成後の何れかの段階で抽出または分解されて除去される。この分解除去または抽出除去により極細単繊維からなる繊維束が形成される。このような海島型繊維は、チップブレンド(混合紡糸)方式や複合紡糸方式で代表される多成分系複合繊維の紡糸方法を用いて得ることができる。
海島型繊維の島成分を構成する熱可塑性樹脂としては、上述した、各種熱可塑性繊維が用いられる。一方、海島型繊維の海成分を構成する熱可塑性樹脂としては、島成分を構成する熱可塑性樹脂とは溶剤に対する溶解性または分解剤に対する分解性を異にする熱可塑性樹脂が選ばれる。
海成分を構成する熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体、スチレンアクリル共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂などが挙げられる。中でも、湿熱や熱水で収縮して緻密化し易い点からポリビニルアルコール系樹脂、特にエチレン変性ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。
島成分を構成する熱可塑性樹脂の具体例としては、上述した、ポリエチレンテレフタレート(PET),変性ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル系樹脂;脂肪族ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;変性ポリビニルアルコール等から形成される変性ポリビニルアルコール系樹脂;及び結晶性エラストマー等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極細繊維発生型繊維の紡糸及びウェブ形成には、スパンボンド法が好ましく用いられる。スパンボンド法は、例えば、多数のノズル孔が所定のパターンで配置された複合紡糸用口金を用いて、極細繊維発生型繊維を個々のノズル孔からコンベヤベルト状の移動式のネット上に連続的に吐出させ、高速気流を用いて冷却しながら堆積させる方法である。このような方法によりウェブが形成される。
ネット上に形成されたウェブには融着処理が施されることが好ましい。融着処理により形状安定性が付与される。なお、本実施形態の加飾成形用シートにおいては極細単繊維束同士の融着点ができるだけ少ないことが優れた成形性を確保する点から好ましい。従って、極細繊維化の後に残る繊維成分同士の融着が生じない程度に融着させることが好ましい。
融着処理の具体例としては、例えば、熱プレス処理が挙げられる。熱プレス処理の具体例としては、例えば、カレンダーロールを使用し、所定の圧力と温度をかけて処理する方法を採用することができる。熱プレス処理する温度は、極細繊維発生型繊維の少なくとも1成分の融点より10℃以上低いことが好ましい。特に海島型繊維の場合、海成分を構成する成分の融点より10℃以上低い場合には、ウェブの良好な形状安定性を維持しながら、積重後のウェブを絡合する際の絡合不良や針穴の形成を防ぎ、高品位な不織布を得ることができる。熱プレス処理する温度の下限は、適度な融着処理が可能であれば特に限定されない。熱プレス後のウェブの目付けとしては、20〜60g/m2の範囲であることが、次の絡合工程においても良好な形態保持性を維持できる点から好ましい。
次に、上述のように、得られたウェブを5〜100枚程度重ねて絡合させることによりウェブ絡合シートを形成する工程について説明する。
ウェブ絡合シートは、ニードルパンチや高圧水流処理等の公知の不織布製造方法を用いてウェブに絡合処理を行うことにより形成される。以下に、代表例として、ニードルパンチによる絡合処理について詳しく説明する。
はじめに、ウェブに針折れ防止油剤、帯電防止油剤、絡合向上油剤などのシリコーン系油剤または鉱物油系油剤を付与する。
その後、例えば、ニードルパンチにより三次元的に繊維を絡合させる絡合処理を行う。ニードルパンチ処理を行うことにより、繊維密度が高く、繊維の抜けを起こしにくいウェブ絡合シートが得られる。なお、ウェブ絡合シートの目付は、目的とする加飾成形用シートの厚さ等に応じて適宜選択されるが、具体的には、例えば、500〜2000g/m2であることが取扱い性に優れる点から好ましい。
油剤の種類や量及びニードルパンチにおけるニードル形状、ニードル深度、パンチ数などのニードル条件は、ウェブ絡合シートの層間剥離力が高くなるような条件が適宜選択される。バーブ数は針折れが生じない範囲で多いほうが好ましく、具体的には、例えば、1〜9バーブの中から選ばれる。ニードル深度は重ね合わせたウェブの表面までバーブが貫通するような条件であり、かつ、ウェブ表面にニードルパンチ後の模様が強く出ない範囲で設定することが好ましい。また、ニードルパンチ数はニードル形状、油剤の種類、使用量等により調整されるが、具体的には、400〜8000パンチ/cm2、さらには、1000〜4000パンチ/cm2であることが好ましい。
また、必要に応じて、幅方向の目付を均一化し、その伸長特性の縦/横バランスをより均一にするために、幅方向にパンチ密度が異なるように幅方向で針密度の異なるニードルボードを用いることも可能である。このようなニードルパンチ処理によって得られるウェブ絡合シートは、より均一な伸長性及びそれに基づく成形性を実現するために好ましい。
次に、ウェブ絡合シートを熱収縮させることにより、ウェブ絡合シートの絡合度合を高めて繊維密度を高める。なお、長繊維を含有するウェブ絡合シートを熱収縮させた場合には、短繊維を含有するウェブ絡合シートを熱収縮させる場合よりも、ウェブ絡合シートを大きく収縮させることができ、そのために、極細単繊維の繊維密度が特に高くなる。熱収縮処理条件は、充分な収縮が得られる温度であれば特に限定されず、採用する収縮処理方法や処理対象物の処理量などに応じて適宜設定することができる。具体的には、例えば、温水中へ導入して収縮処理する場合には70〜150℃の温度範囲の何れかの温度で収縮処理することが好ましい。また、湿熱収縮処理や乾熱収縮処理を用いてもよい。湿熱収縮処理方法としては、スチーム加熱により行うことが好ましい。スチーム加熱条件としては、雰囲気温度が60〜100℃の範囲で、相対湿度40〜100%RH、70〜100%RHの条件で、60〜600秒間加熱処理することが好ましい。なお、海島型繊維の海成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いた場合、相対湿度が低すぎる場合には、繊維に接触した水分が速やかに乾燥することにより、収縮が不充分になる傾向がある。また、収縮処理されたウェブ絡合シートは、極細繊維発生型繊維の熱変形温度以上の温度で加熱ロールや加熱プレスすることにより、さらに、繊維密度が高められてもよい。
湿熱収縮処理の場合、湿熱収縮処理前後のウェブ絡合シートの目付量の変化としては、収縮処理前の目付量(質量比)に比べて収縮処理後の目付量が、1.1倍以上、さらには、1.3倍以上で、2.0倍以下、さらには1.6倍以下であることが好ましい。
また、ウェブ絡合シートの形状安定性を高める目的で、ウェブ絡合シートの極細繊維化処理を行う前または後に、必要に応じて、収縮処理されたウェブ絡合シートに高分子弾性体の溶液または分散液を含浸させた後、高分子弾性体を凝固させて付与してもよい。
具体的には、例えば、収縮処理されたウェブ絡合シートに高分子弾性体の溶液や分散液を含浸させ、凝固させることにより、ウェブ絡合シートに高分子弾性体が含浸付与される。
ウェブ絡合シートに高分子弾性体を含浸付与させる方法としては、ウェブ絡合シートに高分子弾性体の溶液または分散液を含浸し、従来公知の乾式法または湿式法により凝固させる方法が挙げられる。含浸方法としては、ウェブ絡合シートを高分子弾性体の溶液または分散液で満たされた浴中へ浸した後、プレスロール等で所定の含浸状態になるように絞るという処理を1回または複数回行うディップニップ法が好ましく用いられる。また、その他の方法として、バーコーティング法、ナイフコーティング法、ロールコーティング法、コンマコーティング法、スプレーコーティング法等を用いてもよい。
ウェブ絡合シートに含浸付与される高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタンエラストマー、アクリロニトリルエラストマー、オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、アクリルエラストマー等が挙げられる。
ウェブ絡合シートに高分子弾性体の溶液または分散液を含浸し、高分子弾性体を乾式法または湿式法により凝固させることにより、ウェブ絡合シート内に高分子弾性体が含浸付与される。なお、乾式法とは、溶剤あるいは分散剤を乾燥により除去することにより高分子弾性体をウェブ絡合シート内で凝固させる方法である。また、湿式法とは、高分子弾性体の溶液または分散液を含浸させたウェブ絡合シートを高分子弾性体の非溶剤や凝固剤で処理したり、感熱ゲル化剤などを添加した高分子弾性体の溶液または分散液を用いて含浸後のウェブ絡合シートを加熱処理することにより、溶剤あるいは分散剤を除去するのに先立ってウェブ絡合シート内に高分子弾性体を仮に固定するか完全に固定させる方法をいう。なお、凝固させた高分子弾性体を完全に固定させるためには、溶剤あるいは分散剤を除去した後にさらに加熱処理するキュア処理を行うことも好ましい。
次に、ウェブ絡合シート中の極細繊維発生型繊維を極細繊維化する処理を行う。具体的には、例えば、海島型繊維の海成分を水や溶剤等で抽出除去または分解除去することにより海島型繊維を極細繊維に変換する。ポリビニルアルコール系樹脂等の水溶性樹脂を海成分に用いた海島型繊維からなるウェブ絡合シートを用いた場合には、水、アルカリ性水溶液、酸性水溶液等で熱水加熱処理することにより、海成分を構成する熱可塑性樹脂を溶解除去または分解除去することができる。なお、本工程においては、海島型繊維から海成分の樹脂を溶解して極細繊維化する際に、極細繊維が大きく捲縮する。この捲縮により繊維密度がさらに緻密になる。
極細繊維化する処理により、例えば300〜1800g/m2の目付を有する表面基材層を形成するためのシートが得られる。表面基材層は、表面基材層を形成するためのシートを必要により、厚さ方向に複数枚にスライスしたり、研削することにより厚さ調節や表面状態を調整されて形成される。
このようにして得られた表面基材層は、以下のような特性を有することが好ましい。
20℃における破断強度は、150N/25mm以上、さらには180N/25mm以上であることが好ましい。このような破断強度を有することにより、成形時にかかる成形のための外力に耐えて目的の形状を正確に賦形でき、また、形状安定性及び外観に優れた加飾成形体が得られる。また、20℃における破断伸度は、100%以上であることが、加飾成形体の表面に皮革様の優れた風合いが付与される点から好ましい。
また、熱成形温度においても100%以上の破断伸度を有することが好ましい。具体的には、例えば、極細単繊維としてPET繊維を用い、高分子弾性体としてポリウレタンエラストマーを用いた加飾成形用シートの場合、熱成形温度である150℃程度において、100%以上、さらには120%以上、とくには150%以上、ことには200%以上であることが好ましい。熱成形温度においてこのような破断伸度を有する場合には、例えば、深絞りタイプの型や複雑な形状の型で成形する場合においても、加飾成形用シートは充分に延伸して型形状に充分に追従することができる。
さらに、熱成形温度においては、30%伸長時の応力が1〜60N/25mmであることが好ましい。具体的には、例えば、極細単繊維としてPET繊維を用い、高分子弾性体としてポリウレタンエラストマーを用いた加飾成形用シートの場合、熱成形温度である150℃程度において、30%伸長時応力が1〜60N/25mm、さらには5〜55N/25mm、とくには10〜50N/25mm、ことには15〜40N/25mmであることが好ましい。熱成形温度において30%伸長時の応力が小さすぎる場合には、例えば、深絞りタイプの型や複雑な形状の型で成形する場合に加飾成形用シートが破れやすくなる。一方、熱成形温度において、30%伸長時の応力が大きすぎる場合には、成形時に深い絞りあるいは複雑な形状の部分に皺を発生しやすくなる傾向がある。これは、局部的に大きく伸びて型に沿うことが必要なコーナー等の部分で、加飾成形用シートが伸びる前にコーナーの周囲に位置する加飾成形用シートの部分を連鎖的に徐々に動かしてその部分に引きずり込むようにして型に沿うため、皺が発生しやすくなると考えられる。
また、機械的特性の異方性が少ないことが好ましく、特に、熱成形温度における機械的特性の異方性が少ないことが好ましい。具体的には、例えば、極細単繊維としてPET繊維を用い、高分子弾性体としてポリウレタンエラストマーを用いた加飾成形用シートの場合、熱成形温度である150℃程度において、30%伸長時応力のタテ方向(MD)と横方向(CD)における比(MD/CD)が0.5〜4.3であることが好ましい。熱成形温度において、MD/CDが上記範囲である場合には、深絞りや複雑形状の成形体を成形する場合においても、型に沿ったより正確な成形ができる。それにより、成形体の表層に発生する皺や成形後の変形を抑制することができる。なお、MD/CD比は、繊維絡合体の製造時において、繊維絡合体を湿熱収縮処理させることにより調整することができる。
また、30%伸張回復時の残留ひずみが大きいことが好ましい。特に、熱成形温度における30%伸張回復時の残留ひずみが大きいことが好ましい。具体的には、例えば、極細単繊維としてPET繊維を用い、高分子弾性体としてポリウレタンエラストマーを用いた加飾成形用シートの場合、熱成形温度である150℃程度において30%伸張回復時の形状変化を指標として用い、伸長後の戻り応力が0となる点を残留ひずみと定義し、この残留歪が例えば13%以上であることが好ましい。この値が13%未満である場合には加熱時に型に沿わせて型通りに賦形しても、離型後に冷却したときに収縮して形状が変わってしまう傾向がある。従って、熱成形温度における30%伸張回復時の残留ひずみは、13%以上、さらには15%以上で、とくには17%以上であることが、離型後の寸法変化が少ない点から好ましい。
そして、得られた表面基材層の裏面側に樹脂層を形成するための液状高分子弾性体を塗布し、液状高分子弾性体から高分子弾性体を凝固させることにより加飾成形用シートが得られる。なお、樹脂層は1種の高分子弾性体からなる単層であっても、異なる種類の高分子弾性体を複数層積層した複数層からなるものであってもよい。この場合、例えば、離形紙上に空気遮断効果の高い高分子弾性体を凝固させて樹脂層の一部を形成し、さらに形成された樹脂層の表面に、表面基材層1との接着性の高い高分子弾性体の溶液または分散液を塗布し、その表面に表面基材層を積層した後、接着性の高い高分子弾性体を凝固させて積層構造を形成するような方法が用いられうる。
加飾成形体を形成した場合に加飾領域を形成する加飾成形用シートの表面側は、必要に応じて、例えば、図1で示すように、バフィング処理により極細繊維4を立毛させてスエード感を増加させる処理を施されたり、公知のエンボス機を用いてエンボス模様が付されたりするような、外観性を向上させる処理が施されていてもよい。このような処理が施されることにより、加飾成形品の表面に高級感がさらに付与される。以上のような工程により、図1に示すような加飾成形用シート10が得られる。
また、上述した樹脂層を形成する際に、表面基材層1に形成された液状高分子弾性体の層に、さらに、別の、平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体11aを含む裏面基材層11を載置して、液状高分子弾性体から高分子弾性体を凝固させた場合には、図2に示すような加飾成形用シート20が得られる。
加飾成形用シート10または加飾成形用シート20の裏面には、後述するような成形体本体と貼り合わせるために、熱により延伸可能なホットメルトフィルム等を用いてホットメルト型接着剤層が形成されていてもよい。また、後述するように、加飾成形用シート10または加飾成形用シート20の裏面には、後述するように、真空成形で表面加飾と成形体の成形とを同時に行う場合には、その裏面に成形体本体に成形されるためのシート状の成形基材を貼り合わせたような構成であってもよい。
このようにして得られた加飾成形用シートは、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、加熱プレス成形、インサート成形等の各種成形法により加飾成形体に形成される。成形方法の一例として、加飾成形用シート20を用いて、代表的な真空圧空成形であるNGF成形により成形体本体の表面を加飾する例を詳しく説明する。
図3に示すように、NGF成形機30は、型閉めすることにより減圧チャンバーを形成する上チャンバーボックス31及び下チャンバーボックス32と、ヒーター33と、排気管35a,35bと、吸気管37a,37bとを備える。
はじめに、図3(a)に示すように、上チャンバーボックス31及び下チャンバーボックス32を型開きした状態で、下チャンバーボックス32に配置されたテーブル32aに成形体本体34を配置し、成形体本体34及び下チャンバーボックス32を覆うように加飾成形用シート20を配置する。この際、加飾成形用シート20の裏面に予めホットメルト型接着剤層を形成しておき、この層が成形体本体34の上面に対向するように配置される。そして、図3(b)に示すように、上チャンバーボックス31と下チャンバーボックス32とを型締めする。上チャンバーボックス31と下チャンバーボックス32とを型締めすることにより、上チャンバーボックス31と加飾成形用シート20との間及び下チャンバーボックス32と加飾成形用シート20との間には、それぞれ独立した気密な空間S1,S2が形成される。そして、図3(c)に示すように、ヒーター33により、加飾成形用シート20を加熱して軟化させる。このとき、図3(d)に示すように、上チャンバーボックス31及び下チャンバーボックス32のそれぞれに設けられた排気管35a,35bから、図略の減圧ポンプにより、空間S1,S2の空気が排気されて減圧される。このとき、軟化した加飾成形用シート20が重力により、垂れて水平状態を失わないように、図略のレギュレーターにより空間S1,S2の減圧度が制御される。そして、図3(e)に示すように、テーブル32aをシリンダ36により上昇させて成形体本体34が加飾成形用シート20に覆われて貼り合わせ可能になるように位置合わせする。そして、図3(f)に示すように、上チャンバーボックス31に設けられた吸気管37aから上チャンバーボックス31と加飾成形用シート20との間の空間S1のみに空気を供給して大気圧に戻すともに所定の圧力の空気で加圧し、減圧状態の空間S2に載置された成形体本体34の表面に軟化された加飾成形用シート20が貼り付いて密着される。このようにして、成形体本体34の表面に加飾成形用シート20が貼り合わせられる。このとき、ヒーター30の熱により溶融されたホットメルトフィルムが、成形機から取り出されて冷却されることにより、成形体本体34の表面に加飾成形用シート20が成形体本体34の表面形状に賦形された状態で接着される。
また、別の成形方法として、加飾成形用シートの裏面にシート状の成形基材を貼り合わせた加飾成形用シート構成体40を用いて成形する例を説明する。この方法によれば、予め射出成形等で成形体を準備しなくとも、一度の成形で、成形体本体とその表面の加飾を行うことができる。
図4は上述したような加飾成形用シート20の裏面にシート状の成形基材25を貼り合わせて形成された加飾成形用シート構成体40の断面の様子を説明する模式図である。成形基材25は加飾成形用シート20の裏面に貼り合わされる、熱成形により延伸可能なシート状の基材である。成形基材25は、加飾成形用シート20の裏面に、例えば、熱により延伸可能なホットメルト型接着剤26で貼り合わされる。また、加飾成形用シート10を用いる場合には、加飾成形用シート10の裏面に形成された樹脂層2に成形基材25を熱圧着してもよい。
成形基材25としては、真空成形、圧空成形、熱プレス成形等の熱成形の際に容易に延伸する熱可塑性樹脂からなるシート状の基材が用いられる。このような基材としては、発泡ポリオレフィンシート,発泡ポリウレタンシート,発泡ポリスチレンシート等の発泡性樹脂や、ポリエステル系熱可塑性エラストマーシート,ポリアミド系熱可塑性エラストマーシート,フッ素系熱可塑性エラトマーシートなどの熱可塑性エラストマーからなる弾性樹脂シート等が好ましく用いられる。
加飾成形用シート構成体40を用いた真空・圧空成形について図5を参照して説明する。
図5(a)に示すように、矢印方向に連続的に搬送される加飾成形用シート構成体40は、はじめに、上ヒーター50a及び下ヒータ50bを備えた加熱炉を通過する。この加熱炉により、加飾成形用シート構成体40は軟化する温度に加熱される。そして軟化された加飾成形用シート構成体40は、図5(b)に示すように、次の工程に配設された三次元形状の真空成形用の金型51の表面に押し当てられる。そして、図5(c)に示すように、図略の減圧ポンプにより、金型51に設けられた排気口51aから加飾成形用シート構成体40と金型51との対向面の空間に存在する空気を排気する。これにより、加飾成形用シート構成体40は金型51の三次元形状が転写されて賦形される。このとき、必要に応じて、加飾成形用シート構成体40の金型51との対向面の反対側面から、空気を押し付けることにより、さらに、加飾成形用シート構成体40と金型51との密着性を高めてもよい。そして、図5(d)に示すように、賦形された加飾成形用シート構成体40から金型51を離形する。そして、賦形された加飾成形用シート構成体40が冷却されるのを待って、図5(e)に示すように、賦形された加飾成形用シート構成体40から周辺部42をトリミングにより取り除くことにより、加飾成形体41が得られる。本成形方法によれば、裏面に成形基材25を貼り合わせた加飾成形用シート構成体40を用いているために、成形基材25に三次元形状を賦形するための成形と、成形体表面を加飾する工程を同時に進行させることができる。このような成形において、本実施形態の加飾成形用シート構成体40を用いて成形した場合には、充実感とクッション性を備えた皮革様表面を有する加飾成形体を高い形状安定性を維持して行うことができる。
また、本実施形態の加飾成形用シートや加飾成形用シート構成体は、上述したような成形方法の他、溶融させたシートを加熱された金型でプレスする熱プレス成形や、インサート成形など、加熱によりシート状の成形材料を伸ばして成形するような成形方法に好適に用いられうる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
海成分の熱可塑性樹脂としてエチレン変性ポリビニルアルコール(エチレン単位の含有量8.5モル%、重合度380、ケン化度98.7モル%)、島成分の熱可塑性樹脂としてイソフタル酸変性したポリエチレンテレフタレート(イソフタル酸単位の含有量6.0モル%)を、それぞれ個別に溶融させた。そして、海成分中に均一な断面積の島成分が25個分布した断面を形成する、多数のノズル孔が並列状に配置された複数紡糸用口金に、それぞれの溶融樹脂を供給した。このとき、断面における海成分と島成分との平均面積比が海成分/島成分=25/75となるように圧力調整しながら供給した。そして、口金温度250℃に設定されたノズル孔より吐出させた。
そして、ノズル孔から吐出された溶融繊維を平均紡糸速度が3600m/分となるように気流の圧力を調節したエアジェット・ノズル型の吸引装置で吸引することにより延伸し、平均断面積が177μm2(約2.4dtex)の海島型繊維を紡糸した。紡糸された海島型繊維は、可動型のネット上に、ネットの裏面から吸引しながら連続的に堆積された。堆積量はネットの移動速度を調節することにより調節された。そして、堆積された長繊維を80℃に保温したエンボスロールにより線圧70g/cmで押さえることにより、目付30g/m2の長繊維ウェブが得られた。
次に、得られた長繊維ウェブの表面に、帯電防止剤を混合した油剤をスプレー付与した後、クロスラッパー装置を用いて長繊維ウェブを連続的に折りたたみ、14層の層状長繊維ウェブの積層体を形成した。そして、得られた積層体は、ニードルパンチングすることにより三次元絡合処理された。なお、ニードルパンチングは、2段階で行われた。具体的には、はじめに、ニードル番手40番のニードルAを用い、積層体の両面側からバーブが厚さ方向に貫通するパンチ深さでニードルパンチングすることにより、折り畳んだ長繊維ウェブがずれない程度に絡合させた。次に、ニードル番手42番のニードルBを用い、積層体の両面側からバーブが厚さ方向に貫通するパンチ深さでニードルパンチを行うことにより、厚さ方向に充分に絡合させた。ニードルBでのニードルパンチングは、両面側から合計で1700パンチ/cm2のパンチ数で行った。このようにして、厚さ方向に平行な断面における、海島型繊維の繊維密度が500本/mm2である繊維絡合体が得られた。
得られた繊維絡合体は湿熱収縮処理されて、緻密化された。具体的には、繊維絡合体の両面に18℃の水を均一にスプレーした後、温度75℃、相対湿度95%の雰囲気の恒温恒湿槽に4分間かけて連続的に通過させた。そして、湿熱収縮処理の後、さらに、繊維絡合体を120℃に保温した金属ロール間でプレス処理した。そして、引き続き、120℃で乾燥した。このような工程により、目付1125g/m2であり、厚さ方向に平行な断面における、海島型繊維の繊維密度が1900本/mm2であるような極めて緻密な繊維絡合体が得られた。
次に、緻密化された繊維絡合体にポリウレタンエラストマーを以下のようにして含浸させた。高分子弾性体の分散液として、ポリカーボネート/エーテル系ポリウレタンを主体とするポリウレタン組成物の水分散液(固形分濃度15%)を用いた。繊維絡合体100質量部に対して水分散液50質量部を含浸させた後、表面温度が80℃になるような条件で赤外線を1分間照射することによりポリウレタンエラストマーを感熱凝固させ、さらに120℃の乾燥炉で水分を乾燥させた。そして、150℃に設定した加熱炉で2分間キュア処理を行うことにより、繊維絡合体の空隙にポリウレタンエラストマーを含浸させた。
次に、ポリウレタンエラストマーが含浸された繊維絡合体を90℃の熱水中に20分間浸漬することにより、海島型繊維中に含まれる海成分を抽出除去した。そして、120℃に設定した加熱炉で乾燥することにより厚さ約1.4mmのシートが得られた。このシートを厚み方向に垂直な方向にスライス切断し、バフィング処理することにより、厚さ0.40mmの表面がスエード調の表面基材層用のシートa1が得られた。また、同様に、厚さ0.50mmの表面がスエード調の裏面基材層用のシートa2が得られた。
シートa1及びa2の断面を走査型顕微鏡(SEM)で観察したところ、200〜400μm2の範囲の断面を有し、平均250μm2の断面を有する繊維束が確認できた。また、繊維束は平均繊度が約2.5dtexであり、また、平均繊度0.1dtexの25本の極細単繊維から形成されていた。また、繊維絡合体の厚さ方向と平行な断面における、繊維絡合体の繊維束の密度は繊維絡合体の厚さ方向と平行な任意の断面を走査型電子顕微鏡(100〜300倍程度)で観察し、合計観察面積が0.5mm2以上となるように3〜10箇所を観察して、それぞれの観察視野における、極細繊維束の長さ方向に対してほぼ垂直であると判断される断面の個数を数えた。その合計個数を合計観察面積で割ることにより1mm2当たりに存在する繊維束断面の個数を求めた。厚さ方向の断面における繊維束の断面の個数は2500個/mm2であった。また、シートa1中のウレタンエラストマーの含有割合は15質量%であった。
次にシートa1に以下のようにして樹脂層を形成した。離型紙にウレタン樹脂溶液(DIC株式会社:クリスボンNY373)、空気遮断効果の高い高分子弾性体であるウレタン樹脂溶液(大日精化工業株式会社:レザミンME8106LP)及び接着用ウレタン樹脂溶液(大日精化工業株式会社:レザミンUD8310)をコーティングし、これをシートa1のスエード調表面と反対側の面に積層し、45℃で3日間エージングすることにより樹脂成分を硬化させた。そして、離型紙を剥離することにより樹脂層が形成されたシートa3を得た。
次に得られたシートa3の樹脂層側に接着用ウレタン樹脂溶液(大日精化工業(株):レザミンUD8310)をコーティングし、裏面基材層であるシートa2の裏面に積層した。そして、45℃で1日間エージングして樹脂成分を硬化させることにより樹脂層を介して両外層にそれぞれシートa1,a2が配された、3層構造の加飾成形用シートAを得た。なお、SEMで厚み方向の断面を観察したところ、加飾成形用シートAは樹脂層の総厚みが150μmであり、2つの中間層の厚みがそれぞれ50μmであり、中間層を除いた樹脂層の厚みは50μmであった。
次に、得られた加飾成形用シートAのシートa2が配された面にホットメルトフィルムを積層した。そして、ホットメルトフィルムを積層した加飾成形用シートAを、図6に示すような樹脂製の四角錘台形状の成形体本体M(内径:縦150mm、横150mm、高さ30mm)の表面に図3に示したようなNGF成形により成形して貼り合わせた。
具体的には、NGF成形機30のテーブル32aに成形体本体34として成形体本体Mを配置し、成形体本体M及び下チャンバーボックス32を覆うように加飾成形用シート20として加飾成形用シートAを配置した。この際、加飾成形用シートAの裏面に積層されたホットメルトフィルムが成形体本体Mの上面に対向するように配置した。そして、上チャンバーボックス31と下チャンバーボックス32とを型締めした。そして、ヒーター33により、加飾成形用シートAを150℃に加熱して軟化させた。そして、上チャンバーボックス31及び下チャンバーボックス32のそれぞれに設けられた排気管35a,35bから、図略の減圧ポンプにより、空間S1,S2の空気を0.45MPaにまで排気して減圧した。そして、テーブル32aをシリンダ36により上昇させて成形体本体Mが加飾成形用シートAに覆われて貼り合わせ可能になるように位置合わせした。そして、上チャンバーボックス31に設けられた吸気管37aから上チャンバーボックス31と加飾成形用シート20との間の空間S1のみに空気を供給して大気圧に戻して10秒間維持することにより、減圧状態の空間S2に載置された成形体本体Mの表面に軟化された加飾成形用シートAが貼り付いて密着された。このようにして、成形体本体Mの表面に加飾成形用シートAが貼り合わされた。このとき、ヒーターの熱により溶融されたホットメルト接着剤は、成形機から取り出して冷却されることにより、成形体本体Mの表面に賦形された加飾成形用シート20を接着した。このようにして皮革様のスエード調外観が表面に付与された加飾成形体が得られた。そして、得られた成形体の成形後の外観を観察し、以下の基準で判定することにより成形性及び風合いを評価した。
(成形性)
外観を目視し、以下の基準で判定した。
A:皺等が無く、成形体本体Mの形状に沿って正確に賦形されていた。
B:成形体本体Mの形状に沿って賦形されているが、一部に微小な皺等が観察された。
C:成形体本体Mに貼り合わせる際に空気がリークし、実質的に成形できなかった。
(タッチ感)
得られた加飾成形体と、用いた加飾成形用シートとの表面の触感を比較して以下の基準で判定した。
A:加飾成形体と加飾成形用シートとの触感が同等である。
B:加飾成形用シートに比べ、加飾成形体の表面は若干ざらついた触感であった。
C:加飾成形用シートに比べ、加飾成形体の表面は明らかにざらついた触感であった。
(表面性)
加飾成形体と用いた加飾成形用シートとの表面外観を目視により観察して比較し、以下の基準で判定した。
A:加飾成形体の表面に加飾成形用シート表面の毛羽がそのまま維持されており、同等の外観であった。
B:加飾成形体の表面に加飾成形用シート表面の毛羽がほぼそのまま維持されていたが、毛羽の立ち方がやや倒れ気味の部分があった。
C:加飾成形体の表面の毛羽が殆ど倒れていた。
結果を表1に示す。
Figure 2013132783
[実施例2]
厚さ0.50mmの裏面基材層用のシートa2の代わりに、同様にして製造された厚さ0.37mmの裏面基材層用のシートa4を用いた以外は実施例1と同様にして加飾成形用シートB及びそれを用いた加飾成形体を得、評価した。なお、加飾成形用シートBは樹脂層の総厚みが150μmであり、2つの中間層の厚みがそれぞれ50μmであり、中間層を除いた樹脂層の厚みは50μmであった。
[実施例3]
厚さ0.40mmの表面基材層用のシートa1の代わりに、同様にして製造された厚さ0.50mmの表面基材層用のシートa5を用いた以外は実施例1と同様にして加飾成形用シートC及びそれを用いた加飾成形体を得、評価した。なお、加飾成形用シートCは樹脂層の総厚みが150μmであり、2つの中間層の厚みがそれぞれ50μmであり、中間層を除いた樹脂層の厚みは50μmであった。
[実施例4]
厚さ0.40mmの表面基材層用のシートa1の代わりに、同様にして製造された厚さ0.50mmの表面基材層用のシートa5を用い、厚さ0.50mmの裏面基材層用のシートa2の代わりに、同様にして製造された厚さ0.37mmの裏面基材層用のシートa4を用いた以外は実施例1と同様にして加飾成形用シートD及びそれを用いた加飾成形体を得、評価した。なお、加飾成形用シートDは樹脂層の総厚みが150μmであり、2つの中間層の厚みがそれぞれ50μmであり、中間層を除いた樹脂層の厚みは50μmであった。
[実施例5]
厚さ0.40mmの表面基材層用のシートa1の代わりに同様にして製造された厚さ0.50mmの表面基材層用のシートa5を準備した。そして実施例1と同様にして、離形紙に、ウレタン樹脂溶液、空気遮断効果の高い高分子弾性体であるウレタン樹脂溶液及び接着用ウレタン樹脂溶液をコーティングし、これをシートa1の代わりにシートa5に積層し、45℃で3日間エージングすることにより樹脂成分を硬化させ、樹脂層を形成した。そして、離型紙を剥離することにより加飾成形用シートEを得た。なお、加飾成形用シートEには裏面基材層は形成されていない。そして、加飾成形用シートEの樹脂層側にホットメルトフィルムを積層した。そして、加飾成形用シートAの代わりにホットメルトフィルムが積層された加飾成形用シートEを用いた以外は実施例1と同様にして、加飾成形体を得、評価した。なお、加飾成形用シートEは樹脂層の総厚みが100μmであり、中間層の厚みが50μmであり、中間層を除いた樹脂層の厚みは50μmであった。結果を表1に示す。
[実施例6]
厚さ0.50mmの表面基材層用のシートa5の代わりに、同様にして製造された厚さ0.37mmの表面基材層用のシートa6を用いた以外は、実施例5と同様にして加飾成形用シートF及びそれを用いた加飾成形体を得、評価した。なお、加飾成形用シートFは樹脂層の総厚みが100μmであり、中間層の厚みが50μmであり、中間層を除いた樹脂層の厚みは50μmであった。結果を表1に示す。結果を表1に示す。
[比較例1]
加飾成形用シートAの代わりに、厚さ0.40mmの表面基材層用のシートa1のみを用いた以外は実施例1と同様にして成形した。しかし、成形時に空気がリークして成形体本体Mの形状に沿って賦形することができず、実質的に成形できなかった。また、成形体本体Mに貼りあわされた部分を観察したところ、1層構造であるためにクッション性がなく、また、毛倒れが発生しており、外観が著しく劣っていた。
[比較例2]
加飾成形用シートAの代わりに、厚さ0.50mmの表面基材層用のシートa2のみを用いた以外は実施例1と同様にして成形した。しかし、成形時に、空気がリークして成形体本体Mの形状に沿って賦形することができず、実質的に成形できなかった。また、成形体本体Mに貼りあわされた部分を観察したところ、1層構造であるためにクッション性がなく、また、毛倒れが発生しており、外観が著しく劣っていた。
表1に示すように、実施例1〜6の加飾成形用シートで得られた加飾成形体は、賦型性(成形性)、タッチ感が良く、また、毛倒れもない表面性に優れたものであった。これは、実施例1〜6の加飾成形用シートは、延伸性に優れた、極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体を用いているために熱成形時に容易に変形するために賦形性が優れ、また、高分子弾性体からなる樹脂層を設けることにより、減圧時のエアーリークを抑制できるとともに、クッション性が付与されているために表面に掛かる衝撃が緩和されて表面の荒れを抑制できるためである。一方、比較例1及び比較例2の加飾成形用シートは、エアーがリークして成形ができなかった。また、繊維絡合体のみからなるためにクッション性が不足して成形時に表面に衝撃が掛かることにより、立毛された毛の毛倒れが起こった。
本発明の加飾成形用シート及び加飾成形体は、携帯電話,モバイル機器,家電製品の筐体や、車両,航空機等の内装部品、建材、家具等の外装部材である成形品の表面を皮革様に加飾する用途に好ましく用いられうる。
1 表面基材層
1a,11a 繊維絡合体
1b,11b 高分子弾性体
2 樹脂層
3,13 中間層
4 起毛された極細繊維
10 加飾成形用シート
11 裏面基材層
20 加飾成形用シート
25 成形基材
26 ホットメルト型接着剤
30 NGF成形機
31 上チャンバーボックス
32 下チャンバーボックス
32a テーブル
33 ヒーター
34 成形体本体
35a 排気管
36 シリンダ
37a 吸気管
40 加飾成形用シート構成体
42 周辺部
50a 上ヒーター
50b 下ヒータ
51 金型
51a 排気口
S1,S2 空間

Claims (13)

  1. 平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体を含む表面基材層と、前記表面基材層の裏面に配設された高分子弾性体からなる樹脂層と、前記表面基材層と前記樹脂層との界面が混在して一体化した中間層とを備えることを特徴とする加飾成形用シート。
  2. 前記中間層の厚みが5μm以上であり、前記中間層の厚みを除いた前記樹脂層の厚みが10μm以上である請求項1に記載の加飾成形用シート。
  3. 前記表面基材層の厚さ方向と平行な断面において、前記繊維束の断面が平均1000個/mm2以上存在する請求項1または2に記載の加飾成形用シート。
  4. 前記表面基材層の表面において、前記繊維絡合体が立毛処理されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の加飾成形用シート。
  5. 前記単繊維がイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートからなる長繊維である請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾成形用シート。
  6. 前記表面基材層はさらに第2の高分子弾性体を含有し、該表面基材層中の第2の高分子弾性体の含有割合が1〜25質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の加飾成形用シート。
  7. 前記樹脂層の前記表面基材層が配設された面に対する反対面に配設された平均繊度0.01〜0.8dtexの極細単繊維からなる繊維束の繊維絡合体を含む裏面基材層と、前記裏面基材層と前記樹脂層との界面が混在して一体化した第2の中間層と、をさらに備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の加飾成形用シート。
  8. 前記第2の中間層の厚みが5μm以上であり、前記中間層及び前記第2の中間層の厚みを除いた前記樹脂層の厚みが10μm以上である請求項7に記載の加飾成形用シート。
  9. 前記樹脂層に積層された接着剤層をさらに備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の加飾成形用シート。
  10. 前記裏面基材層に積層された接着剤層をさらに備える請求項7または8に記載の加飾成形用シート。
  11. 成形体本体と、前記成形体本体の表面に配設された加飾表面層とを備え、
    前記加飾表面層が請求項1〜10のいずれか1項に記載の加飾成形用シートを用いて形成されたことを特徴とする加飾成形体。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の加飾成形用シートを加熱することにより軟化させる工程と、
    軟化された前記加飾成形用シートの裏面側を成形体本体または型に密着させる工程と、を備えることを特徴とする加飾成形体の製造方法。
  13. 型閉めすることにより減圧チャンバーを形成する上チャンバーボックス及び下チャンバーボックスと、ヒーターとを備えたNGF成形機本体内の該下チャンバーボックス内に成形体本体を載置する工程と、
    前記成形体本体及び前記下チャンバーボックスを覆うように請求項1〜10のいずれか1項に記載の加飾成形用シートをその裏面が前記成形体本体に対向するように配置した後、型締めすることにより、上チャンバーボックスと加飾成形用シートとの間及び下チャンバーボックスと加飾成形用シートとの間に形成される各空間を気密にする工程と、
    前記型締めした状態で、前記ヒーターにより、該加飾成形用シートを加熱して軟化させる工程と、
    前記各空間を減圧する工程と、
    前記上チャンバーボックスと加飾成形用シートとの間の空間に空気を供給することにより、前記成形体本体の表面に軟化された加飾成形用シートを密着させる工程と、を備える請求項12に記載の加飾成形体の製造方法。
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