JP2013126366A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】インバータよりモータ側に設けられた電流センサの温度変化により生じる不都合を抑制すると共に走行に要求される駆動力により走行する。
【解決手段】電流センサ45V,45Wの検出値を用いたモータMG1の駆動と電流センサ46V,46Wの検出値を用いたモータMG2の駆動とによって、走行に要求される要求トルクTr*がモータMG1,MG2からの出力トルクの各分担割合を定めた出力分配比率に応じて分配されてモータMG1,MG2から出力されるよう、インバータ41,42を制御するものにおいて、電流センサ45V,45Wと電流センサ46V,46Wとの一方のセンサ温度が正常温度範囲を超えたときには、モータMG1,MG2のうちセンサ温度が正常温度範囲を超えていない電流センサの検出値を用いて駆動される方のモータからの出力トルクの分担割合がそれまでより大きくなるよう出力分配比率を変更する。
【選択図】図1
【解決手段】電流センサ45V,45Wの検出値を用いたモータMG1の駆動と電流センサ46V,46Wの検出値を用いたモータMG2の駆動とによって、走行に要求される要求トルクTr*がモータMG1,MG2からの出力トルクの各分担割合を定めた出力分配比率に応じて分配されてモータMG1,MG2から出力されるよう、インバータ41,42を制御するものにおいて、電流センサ45V,45Wと電流センサ46V,46Wとの一方のセンサ温度が正常温度範囲を超えたときには、モータMG1,MG2のうちセンサ温度が正常温度範囲を超えていない電流センサの検出値を用いて駆動される方のモータからの出力トルクの分担割合がそれまでより大きくなるよう出力分配比率を変更する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両に関し、詳しくは、走行用の動力を出力可能な第1および第2のモータと、バッテリからの電力を用いて第1および第2のモータをそれぞれ駆動する第1および第2のインバータと、第1および第2のインバータよりそれぞれ第1および第2のモータ側に設けられた第1および第2の電流センサと、を備える車両に関する。
従来、この種の車両としては、車両を駆動する2つの交流モータと、2つの交流モータをそれぞれ駆動する2つのインバータと、インバータの出力側に設けられた電流センサとを備え、電流センサの検出値を用いて交流モータの各相毎に駆動電流のフィードバック制御を行なって各モータを制御すると共に、インバータが異常であると判定したときには、電流センサの零点調整を禁止するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、これにより、インバータからモータに電流が供給されていない無通電状態のときに各電流センサの零点調整を行なうだけのものに比して、インバータ制御における零点調整の精度を低下させないようにしている。
しかしながら、上述の車両では、電流センサの検出誤差が大きくなることにより不都合が生じることがある。例えば、インバータの出力側に設けられた電流センサとしては、センサ自体の温度が零点調整を行なったときの比較的低い温度から上昇することによって検出誤差が大きくなるものがあり、この場合、温度上昇した電流センサの検出値を用いてモータを駆動し続けると、モータの回転ムラによる振動が発生して運転者や乗員に違和感を与えるなどの不都合が生じる可能性がある。
本発明の車両は、インバータよりモータ側に設けられた電流センサの温度変化により生じる不都合を抑制すると共に走行に要求される駆動力により走行することを主目的とする。
本発明の車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
走行用の動力を出力可能な第1および第2のモータと、バッテリからの電力を用いて前記第1および第2のモータをそれぞれ駆動する第1および第2のインバータと、前記第1および第2のインバータよりそれぞれ前記第1および第2のモータ側に設けられた第1および第2の電流センサと、を備える車両において、
前記第1の電流センサの検出値を用いた前記第1のモータの駆動と前記第2の電流センサの検出値を用いた前記第2のモータの駆動とによって、走行に要求される要求駆動力が前記第1および第2のモータからの駆動力の各分担割合を定めた出力分配比率に応じて分配されて前記第1および第2のモータから出力されるよう、前記第1および第2のインバータを制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記第1および第2の電流センサの一方の温度が正常温度範囲を超えたときには、前記第1および第2のモータのうち前記第1および第2の電流センサの他方の検出値を用いて駆動される方のモータからの駆動力の分担割合がそれまでより大きくなるよう前記出力分配比率を変更する手段である、
ことを特徴とする。
走行用の動力を出力可能な第1および第2のモータと、バッテリからの電力を用いて前記第1および第2のモータをそれぞれ駆動する第1および第2のインバータと、前記第1および第2のインバータよりそれぞれ前記第1および第2のモータ側に設けられた第1および第2の電流センサと、を備える車両において、
前記第1の電流センサの検出値を用いた前記第1のモータの駆動と前記第2の電流センサの検出値を用いた前記第2のモータの駆動とによって、走行に要求される要求駆動力が前記第1および第2のモータからの駆動力の各分担割合を定めた出力分配比率に応じて分配されて前記第1および第2のモータから出力されるよう、前記第1および第2のインバータを制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記第1および第2の電流センサの一方の温度が正常温度範囲を超えたときには、前記第1および第2のモータのうち前記第1および第2の電流センサの他方の検出値を用いて駆動される方のモータからの駆動力の分担割合がそれまでより大きくなるよう前記出力分配比率を変更する手段である、
ことを特徴とする。
この本発明の車両では、第1の電流センサの検出値を用いた第1のモータの駆動と第2の電流センサの検出値を用いた第2のモータの駆動とによって、走行に要求される要求駆動力が第1および第2のモータからの駆動力の各分担割合を定めた出力分配比率に応じて分配されて第1および第2のモータから出力されるよう、第1および第2のインバータを制御するものにおいて、第1および第2の電流センサの一方の温度が正常温度範囲を超えたときには、第1および第2のモータのうち第1および第2の電流センサの他方の検出値を用いて駆動される方のモータからの駆動力の分担割合がそれまでより大きくなるよう出力分配比率を変更する。したがって、第1および第2の電流センサの一方の温度が正常温度範囲を超えたときには、第1および第2のモータのうち、センサの温度が正常温度範囲を超えた電流センサの検出値を用いて駆動される方のモータからの駆動力の分担割合が小さくなると共に、センサの温度が正常温度範囲を超えていない電流センサの検出値を用いて駆動される方のモータからの駆動力の分担割合が大きくなるから、センサの温度が正常温度範囲を超えた電流センサの検出値を用いてモータを駆動することによる不都合(例えば、モータの回転ムラによる振動に伴って運転者や乗員に違和感を与えるなど)を抑制することができる。この結果、インバータよりモータ側に設けられた電流センサの温度変化により生じる不都合を抑制すると共に走行に要求される駆動力により走行することができる。ここで、「正常温度範囲」としては、第1および第2の電流センサの一方の検出誤差が許容される程度となる温度範囲として予め定められた範囲などを用いることができ、例えば、所定の温度閾値以下の範囲などとすることができる。また、第1および第2の電流センサは、センサの温度が高くなるほど検出誤差が大きくなる特性を有するセンサである、ものとすることもできる。
こうした本発明の車両において、前記制御手段は、前記第1および第2の電流センサの両方の温度が前記正常温度範囲を超えていないときには、前記要求駆動力が車両の走行状態に基づく前記出力分配比率に応じて分配されて前記第1および第2のモータから出力されるよう前記第1および第2のインバータを制御する通常制御を実行する手段である、ものとすることもできる。ここで、「車両の走行状態」としては、要求駆動力などが含まれる。この場合、前記制御手段は、前記第1および第2の電流センサの温度に拘わらず、車速が予め定められた車速閾値以上のときには、前記通常制御を実行する手段である、ものとすることもできる。ここで、「車速閾値」としては、センサの温度が正常温度範囲を超えた電流センサの検出値を用いてモータを駆動することによる不都合が生じない車速範囲の下限値として予め定められた閾値などを用いることができる。
また、本発明の車両において、前記制御手段は、前記第1および第2の電流センサの一方の温度が前記正常温度範囲を超えたときには、前記第1および第2のモータのうち前記第1および第2の電流センサの一方の検出値を用いて駆動される方のモータからの駆動力の分担割合が無くなるよう前記出力分配比率を変更する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、センサの温度が正常温度範囲を超えた電流センサの検出値を用いてモータを駆動することによる不都合をより確実に抑制することができる。
さらに、本発明の車両において、前記制御手段は、前記第1および第2の電流センサの一方の温度が前記正常温度範囲を超えた後に前記第1および第2の電流センサの他方の温度が前記正常温度範囲を超えたときには、前記第1および第2のモータのうち前記第1および第2の電流センサの一方の検出値を用いて駆動される方のモータからの駆動力の分担割合が直前より大きくなるよう前記出力分配比率を変更する手段である、ものとすることもできる。この場合、前記制御手段は、前記第1および第2の電流センサの一方の温度が前記正常温度範囲を超えた後に前記第1および第2の電流センサの他方の温度が前記正常温度範囲を超えたときには、前記第1および第2のモータのうち前記第1および第2の電流センサの他方の検出値を用いて駆動される方のモータからの駆動力の分担割合が無くなるよう前記出力分配比率を変更する手段である、ものとすることもできる。
あるいは、本発明の車両において、前記第1のモータは、前輪に動力を出力可能であり、前記第2のモータは、後輪に動力を出力可能である、ものとすることもできる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図示するように、前輪34a,34bにデファレンシャルギヤ33を介して連結された駆動軸32に回転子(ロータ)が接続され例えば同期発電電動機として構成されたモータMG1と、後輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36に回転子(ロータ)が接続され例えば同期発電電動機として構成されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50と、インバータ41,42を制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、車両全体を制御するメイン電子制御ユニット(以下、メインECUという)70と、を備える。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や、インバータ41,42のモータMG1,MG2側の各三相の電力ライン(例えば、各三相のバスバーなど)に設けられた電流センサ45V,45W,46V,46Wにより検出されるモータMG1,MG2のV相,W相に流れる相電流Iv1,Iw1,Iv2,Iw2などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、メインECU70と通信しており、メインECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをメインECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2,電気角θe1,θe2を演算したりしている。ここで、電流センサ45V,45W,46V,46Wは、実施例では、例えばホール素子などを用いて構成されるものとし、センサの温度が高くなるほど出力電圧が大きくなって検出誤差が大きくなる特性を有するものとした。また、電流センサ45V,45W,46V,46Wの零点調整は、実施例では、車両のイグニッションオン時(基本的に各センサの温度が通電時に比して低い雰囲気温度になっているとき)に行なうものとした。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりメインECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。
メインECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。メインECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、メインECU70は、前述したように、モータECU40やバッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、モータECU40やバッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例の電気自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸32,36に出力すべき要求トルクTr*を計算すると共に、車両の走行状態に基づいて前輪側のモータMG1からのトルク出力の分担割合と後輪側のモータMG2からのトルク出力の分担割合とを定める出力分配比率を設定し、要求トルクTr*がこの出力分配比率に応じて分配されてモータMG1,MG2から駆動軸32,36に出力されるように、モータMG1,MG2の駆動制御が行なわれる。
モータMG1,MG2の駆動制御は、前述の出力分配比率に応じて設定されるモータMG1,MG2から出力すべきトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてインバータ41,42をスイッチング制御することによって行なわれる。モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42の制御は、例えば、パルス幅変調(PWM)制御方式によって行なわれる。PWM制御方式は、正弦波電圧指令信号と搬送波であるキャリア信号(三角波信号)とを用いて生成したパルス幅変調(PWM)信号に基づくスイッチング制御によって正弦波状の基本波成分をもった出力電圧を得る方式である。例えばモータMG2を駆動するためのインバータ42の制御は、電流センサ46V,46Wにより検出されたV相,W相の相電流Iv2,Iw2に基づいてモータMG2の三相コイルのU相,V相,W相に流れる相電流Iu2,Iv2,Iw2の総和が値0となるようにしてU相の相電流Iu2を計算すると共に、回転位置検出センサ44からの回転位置θm2から得られるモータMG2の電気角θe2を用いて電流センサ46V,46Wからの相電流Iv2,Iw2をd軸,q軸の電流Id,Iqに座標変換(3相−2相変換)し、モータMG2から出力すべきトルク指令Tm2*とd軸,q軸の目標電流Id*,Iq*との関係が予め実験などにより定められたマップを用いてトルク指令Tm2*に基づいてd軸,q軸の目標電流Id*,Iq*を設定し、設定した目標電流Id*,Iq*に対してd軸,q軸の電流Id,Iqを用いたフィードバック制御を施してd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を設定し、電気角θe2を用いてd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*をモータMG2の三相コイルのU相,V相,W相に印加すべき電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に座標変換(2相−3相変換)し、座標変換した電圧指令Vu*,Vv*,Vw*をインバータ42のスイッチング素子をスイッチングするためのPWM信号として用いてインバータ42をスイッチングすることにより行なわれる。また、モータMG1,MG2の回転数とトルク指令とによる動作点によっては、PWM制御方式に代えて、いわゆる過変調制御方式や矩形波制御方式によってインバータ41,42の制御を行なうこともできる。
次に、実施例の電気自動車20の動作について説明する。図2は、メインECU70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、メインECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,インバータ41よりモータMG1側に設けられた電流センサ45V,45Wの温度として推定されたセンサ温度Tem1,インバータ42よりモータMG2側に設けられた電流センサ46V,46Wの温度として推定されたセンサ温度Tem2など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、センサ温度Tem1,Tem2は、実施例では、インバータ41,42の動作時間や、インバータ41,42のスイッチング素子の温度を検出する図示しない温度センサからの素子温度、インバータ41,42およびモータMG1,MG2を冷却するための冷却水の温度を検出する図示しない温度センサからの冷却水温などに基づいて推定されたものを入力するものとした。例えば、センサ温度Tem1の推定は、インバータ41の動作時間(インバータ41とモータMG1との間で電流が流れている時間)が長いほどセンサ温度Tem1が高くなると共に、インバータ41の素子温度や冷却水温が高いほどセンサ温度Tem1が高くなるように、インバータ41の動作時間と素子温度と冷却水温とセンサ温度Tem1との関係を予め実験などによりセンサ温度推定用マップとして定めておき、このマップを用いて行なうことができる。なお、センサ温度Tem1,Tem2は、電流センサ45V,45W,46V,46Wの各々に温度センサを取り付けて、この温度センサにより検出された電流センサ45V,45Wの温度の平均値や電流センサ46V,46Wの温度の平均値などを用いるものとしてもよい。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして前輪34a,34bに連結された駆動軸32と後輪38a,38bに連結された駆動軸36との両方を合わせて又はいずれか一方に出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。要求トルク設定用マップの一例を図3に示す。
続いて、要求トルクTr*に基づいて前輪側のモータMG1からのトルク出力の分担割合と後輪側のモータMG2からのトルク出力の分担割合とを定める出力分配比率として通常用いられる通常出力分配比率Rnを設定する(ステップS120)。通常出力分配比率Rnは、実施例では、値0(0%)から値1(100%)までの範囲でモータMG1の分担割合を示す値を定めるものとし、要求トルクTr*が前輪側のモータMG1からのトルク出力のみによって賄うことができるか否かを判定するためのトルク閾値未満のときには、値1となり、要求トルクTr*がこのトルク閾値以上のときには、値1未満の正の所定値(例えば、値0.5や値0.6,値0.7など)となるものとした。要求トルクTr*が比較的小さいときに後輪側のモータMG2の分担割合を無くす(値0とする)のは、2つのモータMG1,MG2を駆動することによる損失の増加を抑えるためである。なお、通常出力分配比率Rnは、要求トルクTr*に加えて又は代えて、車速VやシフトポジションSPなど車両の走行状態を変更する他の要素に基づいて設定するものとしてもよい。
こうして通常出力分配比率Rnを設定すると、電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1が予め定めた温度閾値Trefを超えているか否かと、電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2がこの温度閾値Trefを超えているか否かとを判定する(ステップS130)。温度閾値Trefは、実施例では、電流センサ45V,45Wや電流センサ46V,46Wの検出誤差が許容される程度となる正常温度範囲にあるか否かを判定するために予め実験などにより定められたものであり、例えば35℃や40℃,50℃などを用いることができる。
センサ温度Tem1が温度閾値Tref以下であり且つセンサ温度Tem2が温度閾値Tref以下であるときには、通常の制御を行なうと判断し、通常出力分配比率Rnを実行出力分配比率Rxとして設定し(ステップS160)、設定した実行出力分配比率Rxと要求トルクTr*とを用いて次式(1)および式(2)によりモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を計算して設定し(ステップS190)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS200)、駆動制御ルーチンを終了する。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1と電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2とが共に正常温度範囲を超えていないときには、要求トルクTr*が通常出力分配比率Rnに応じて分配され前輪側のモータMG1と後輪側のモータMG2とから出力されて走行することができる。
Tm1*=Rx・Tr* (1)
Tm2*=(1-Rx)・Tr* (2)
Tm2*=(1-Rx)・Tr* (2)
ステップS130でセンサ温度Tem1が温度閾値Trefを超えているか又はセンサ温度Tem2が温度閾値Trefを超えているときには、通常の制御を行なうと不都合が生じる可能性があると判断し、車速Vが予め定めた車速閾値Vref未満であるか否かを判定する(ステップS140)。車速閾値Vrefは、実施例では、センサ温度が正常温度範囲を超えた電流センサ45V,45Wや電流センサ46V,46Wを用いてモータMG1やモータMG2を駆動することによる不都合が生じない車速範囲の下限値として予め実験などにより定められたもの(例えば、時速8kmや時速10km,時速15kmなど)を用いるものとした。なお、センサ温度が正常温度範囲を超えた電流センサを用いてモータMG1,MG2を駆動することにより生じる不都合については、後述する。
車速Vが車速閾値Vref以上のときには、通常の制御を行なっても不都合は生じないと判断し、通常出力分配比率Rnを実行出力分配比率Rxに設定すると共にモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定して送信する処理を実行し(ステップS160,S190,S200)、駆動制御ルーチンを終了する。
車速Vが車速閾値Vref未満のときには、センサ温度Tem1が温度閾値Trefを超えているのか又はセンサ温度Tem2が温度閾値Trefを超えているのかを判定し(ステップS150)、センサ温度Tem1の方が温度閾値Trefを超えているときには、モータMG1からのトルク出力を制限すべきと判断して、実行出力分配率Rxに値0を設定し(ステップS170)、センサ温度Tem2の方が温度閾値Trefを超えているときには、モータMG2からのトルク出力を制限すべきと判断して、実行出力分配率Rxに値1を設定し(ステップS180)、設定した実行出力分配比率Rxと要求トルクTr*とを用いてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定して送信し(ステップS190,S200)、駆動制御ルーチンを終了する。こうした制御により、電流センサ45V,45Wと電流センサ46V,46Wとの一方のセンサ温度が正常温度範囲を超えたときには、モータMG1,MG2のうちセンサ温度が正常温度範囲を超えている電流センサの検出値を用いて駆動される方のモータ(即ち、モータMG1側の電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1が正常温度範囲を超えたときにはモータMG1、モータMG2側の電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2が正常温度範囲を超えたときにはモータMG2)からの出力トルクの分担割合が無くなる(値0となる)と共に、モータMG1,MG2のうちセンサ温度が正常温度範囲を超えていない電流センサの検出値を用いて駆動される方のモータ(即ち、モータMG1側の電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1が正常温度範囲を超えたときにはモータMG2、モータMG2側の電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2が正常温度範囲を超えたときにはモータMG1)からの出力トルクの分担割合が増加する(値1まで増加する)ように実行出力分配比率Rxを変更し、要求トルクTr*がこの変更された実行出力分配比率Rxに応じて分配され前輪側のモータMG1と後輪側のモータMG2とから出力されて走行することができる。なお、実行出力分配比率Rxが一旦値0や値1に変更されたときには、実行出力分配比率Rxの短時間での頻繁な変更(ハンチング)が生じないように、所定時間(例えば数秒)に亘って実行出力分配比率Rxを保持したり、センサ温度Tem1,Tem2と比較する温度閾値Trefにヒステリシスを設けるのが好ましい。また、実施例では、実行出力分配比率Rxの変更は、モータMG1,MG2の出力トルクの急変を抑制するために、レート処理やなまし処理などの緩変化処理を用いて行なわれるものとした。
図4は、モータMG1,MG2からのトルク出力の分担割合の例を示す説明図である。図中、上段の図4(a)は、センサ温度Tem1が温度閾値Tref以下であり且つセンサ温度Tem2が温度閾値Tref以下であるときに要求トルクTr*として比較的大きいトルクが要求されている場合の例を示し、中段の図4(b)は、センサ温度Tem1が温度閾値Tref以下であり且つセンサ温度Tem2が温度閾値Tref以下であるときに要求トルクTr*として比較的小さいトルクが要求されている場合の例を示し、下段の図4(c)は、センサ温度Tem2が温度閾値Tref以下である一方でセンサ温度Tem1が温度閾値Trefを超えているときの例を示す。実施例では、通常出力分配比率Rnは、要求トルクTr*がトルク閾値未満で比較的小さいトルクのときには値1となり、要求トルクTr*がトルク閾値以上で比較的大きいトルクのときには値1未満の正の所定値となるものとしたから、例えば、要求トルクTr*が小さいときとして比較的高速で定常走行を継続するときにはモータMG2側の電流センサ46V,46Wの温度は低下するのに対してモータMG1側の電流センサ45V,45Wの温度は上昇するなど、モータMG2側の電流センサ46V,46WよりもモータMG1側の電流センサ45V,45Wの方が温度上昇しやすい。このため、図中下段の図4(c)に示すように、実施例では、まず、モータMG1側の電流センサ45V,45Wの温度が上昇して正常温度範囲を超える状態となることによって、モータMG1からの出力トルクの分担割合が値0(0%)となると共にモータMG2からの出力トルクの分担割合が値1(100%)まで増加される状態となる。
図5は、モータMG1,MG2からのトルク出力の分担割合の時間変化の様子の一例を示す説明図である。図中、破線はモータMG1からの出力トルクの分担割合を示し、一点鎖線はモータMG2からの出力トルクの分担割合を示し、要求トルクTr*は一定であるものとした。図5の例では、通常出力分配比率Rnに応じて要求トルクTr*がモータMG1,MG2により分配され出力されて走行している最中に、まず、モータMG1側の電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1が正常温度範囲を超えると(時刻t1)、緩変化処理を用いて実行出力分配比率Rxが値0に変更され(時刻t2)、後輪側のモータMG2からの出力トルクのみにより走行する状態となる。その後、モータMG2側の電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2が正常温度範囲を超えるまでには十分な時間を要することから、モータMG1側の電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1は正常温度範囲内で十分に低下した状態となる。更にその後、モータMG2側の電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2が正常温度範囲を超えると(時刻t3)、緩変化処理を用いて実行出力分配比率Rxが値1に変更され(時刻t4)、前輪側のモータMG2からの出力トルクのみにより走行する状態となる。そして、モータMG1側の電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1が正常温度範囲を超えないうちに、モータMG2側の電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2が正常温度範囲まで低下すると(時刻t5)、緩変化処理を用いて実行出力分配比率Rxが通常出力分配比率Rnに変更されることになる(時刻t6)。
実施例の電気自動車20において、モータMG1側の電流センサ45V,45Wがその温度上昇により検出誤差が大きくなると、モータMG1の三相の相電流Iu1,Iv1,Iw1のバランスが崩れてモータMG1の回転ムラにより振動が生じ、その振動が車室に伝播して運転者や乗員に違和感を与えるといった不都合が生じることがある。例えばホール素子を用いて構成された電流センサ45V,45Wを考えると、磁気コアがバスバーなどの電力ラインを囲むように配置されると共に磁気コアのギャップにホール素子が配置されるため、電力ラインからの発熱を受ける電流センサ45V,45Wが温度上昇しないようにすることは難しい。また、こうした不都合を回避するため、検出誤差が許容範囲を超える前にセンサの零点調整を行なうことができればよいが、これもモータMG1からトルクを出力する状態が継続する走行中には難しい。これに対し、実施例では、電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1が温度閾値Trefを超えて正常温度範囲を超えたときに、モータMG1より使用頻度の少ないモータMG2の分担割合が大きくなるように実行出力分配比率Rxを変更するから、例えばモータMG1の回転ムラによる振動に伴って運転者や乗員に違和感を与えるなどの不都合が生じるのを抑制することができる。また、その後に電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2が温度閾値Trefを超えて正常温度範囲を超えたときには、モータMG1側の電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1が正常温度範囲で十分に低下していることから、モータMG1の分担割合が再び大きくなるように実行出力分配比率Rxを変更することによって、例えばモータMG2の回転ムラによる振動に伴って運転者や乗員に違和感を与えるなどの不都合が生じるのを抑制することができる。この結果、インバータ41,42の各モータMG1,MG2側に設けられた電流センサ45V,45W,46V,46Wの温度変化により生じる不都合を抑制すると共に走行に要求される要求トルクTr*により走行することができる。
以上説明した実施例の電気自動車20によれば、電流センサ45V,45Wの検出値を用いたモータMG1の駆動と電流センサ46V,46Wの検出値を用いたモータMG2の駆動とによって、走行に要求される要求トルクTr*がモータMG1,MG2からの出力トルクの各分担割合を定めた出力分配比率に応じて分配されてモータMG1,MG2から出力されるよう、インバータ41,42を制御するものにおいて、電流センサ45V,45Wと電流センサ46V,46Wとの一方のセンサ温度(センサ温度Tem1またはセンサ温度Tem2)が正常温度範囲を超えたときには、モータMG1,MG2のうちセンサ温度が正常温度範囲を超えていない電流センサの検出値を用いて駆動される方のモータからの出力トルクの分担割合がそれまでより大きくなるよう(具体的には値1(100%)となるよう)出力分配比率を変更するから、例えばモータの回転ムラによる振動に伴って運転者や乗員に違和感を与えるなどの、センサ温度が正常温度範囲を超えた電流センサの検出値を用いてモータを駆動することによる不都合を抑制することができる。この結果、インバータ41,42の各モータMG1,MG2側に設けられた電流センサ45V,45W,46V,46Wの温度変化により生じる不都合を抑制すると共に走行に要求される駆動力により走行することができる。
また、電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1と電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2との両方が正常温度範囲を超えていないときには、要求トルクTr*が通常出力分配比率Rnに応じて分配されてモータMG1,MG2から出力されるようにインバータ41,42を制御する(即ち、通常制御を実行する)と共に、センサ温度Tem1またはセンサ温度Tem2が正常温度範囲を超えているときでも(即ち、センサ温度Tem1,Tem2に拘わらず)車速Vが車速閾値Vref以上のときには、通常制御を実行するから、通常制御を継続しやすくすることができる。ここで、車速閾値Vrefは、実施例では、モータMG1,MG2の回転ムラによる振動に伴って運転者や乗員に違和感を与えるといった不都合が生じない車速範囲の下限値を用いるものとした。これは、車速Vが比較的高いときには、モータMG1,MG2の回転速度が高くなり、モータMG1,MG2の回転ムラによる振動が車室に伝播される前に変化しやすいことに基づく。
実施例の電気自動車20では、電流センサ45V,45Wと電流センサ46V,46Wとの一方のセンサ温度(センサ温度Tem1またはセンサ温度Tem2)が正常温度範囲を超えたときには、モータMG1,MG2のうちセンサ温度が正常温度範囲を超えていない電流センサの検出値を用いて駆動される方のモータからの出力トルクの分担割合が値1(100%)となるよう実行出力分配比率Rxを変更するものとしたが、これに代えて、モータMG1,MG2のうちセンサ温度が正常温度範囲を超えていない電流センサの検出値を用いて駆動される方のモータからの出力トルクの分担割合が例えば値0.7や値0.8,値0.9などのそれまでより大きな値となるよう実行出力分配比率Rxを変更するものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、センサ温度Tem1またはセンサ温度Tem2が正常温度範囲を超えているときでも車速Vが車速閾値Vref以上のときには通常制御を実行するものとしたが、車速Vの判定を行なうことなく、センサ温度Tem1またはセンサ温度Tem2が正常温度範囲を超えているときには、センサ温度が正常温度範囲を超えていない側のモータからの出力トルクの分担割合が値1(100%)となるよう実行出力分配比率Rxを変更してインバータ41,42の制御を行なうものとしてもよい。
実施例の電気自動車20では、電流センサ45V,45W,46V,46Wの零点調整は、車両のイグニッションオン時に行なうものとしたが、例えば、モータMG1側の電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1が温度閾値Trefを超えて高温に至りモータMG1からの出力トルクの分担割合が値0(0%)とされたときに電流センサ45V,45Wの検出誤差がリセットされるよう零点調整を行なったり、モータMG2側の電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2が温度閾値Trefを超えて高温に至りモータMG2からの出力トルクの分担割合が値0(0%)とされたときに電流センサ46V,46Wの検出誤差がリセットされるよう零点調整を行なうものとしてもよい。この場合、電流センサ45V,45Wのセンサ温度Tem1や電流センサ46V,46Wのセンサ温度Tem2が正常温度範囲を超えたか否かの判定としては、センサ温度Tem1やセンサ温度Tem2が温度閾値Trefを超えて高温に至ったか否かの判定とするのに代えて、零点調整が行なわれたときの電流センサの温度に比してセンサ温度が所定温度を超えて高い側または低い側に乖離したか否かの判定とするものとすればよい。
実施例では、モータMG1からの動力を前輪34a,34bに出力すると共にモータMG2からの動力を後輪38a,38bに出力する電気自動車20に本発明を適用して説明したが、2つのモータからの動力を共に前輪または後輪の一方に出力する電気自動車に適用するものとしてもよい。また、図6の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、エンジン122と、エンジン122のクランクシャフトにキャリアが接続されると共に前輪34a,34bに連結された駆動軸にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ130と、回転子がプラネタリギヤ130のサンギヤに接続されたモータMG1と、回転子が前輪側の駆動軸に接続されたモータMG2と、回転子が後輪側の駆動軸に接続されたモータMGRと、を備えるハイブリッド自動車など、走行用の動力を出力可能な2つのモータを備える車両であれば、如何なるタイプの車両に適用するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータMG1が「第1のモータ」に相当し、モータMG2が「第2のモータ」に相当し、インバータ41が「第1のインバータ」に相当し、インバータ42が「第2のインバータ」に相当し、要求トルクTr*が実行出力分配比率Rxに応じて分配されてモータMG1,MG2から出力されると共に、センサ温度Tem1,Tem2の一方の温度が正常温度範囲を超えたときには他方側のモータからの出力トルクの分担割合が値1となるように実行出力分配比率Rxを変更して、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定しモータECU40に送信する図2の駆動制御ルーチンを実行するメインECU70と、トルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング制御を行なうモータECU40とが「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。
20 電気自動車、32,36 駆動軸、33,37 デファレンシャルギヤ、34a,34b 前輪、38a,38b 後輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45V,45W,46V,46W 電流センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 メイン電子制御ユニット(メインECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、120 ハイブリッド自動車、122 エンジン、130 プラネタリギヤ、MG1,MG2,MGR モータ。
Claims (1)
- 走行用の動力を出力可能な第1および第2のモータと、バッテリからの電力を用いて前記第1および第2のモータをそれぞれ駆動する第1および第2のインバータと、前記第1および第2のインバータよりそれぞれ前記第1および第2のモータ側に設けられた第1および第2の電流センサと、を備える車両において、
前記第1の電流センサの検出値を用いた前記第1のモータの駆動と前記第2の電流センサの検出値を用いた前記第2のモータの駆動とによって、走行に要求される要求駆動力が前記第1および第2のモータからの駆動力の各分担割合を定めた出力分配比率に応じて分配されて前記第1および第2のモータから出力されるよう、前記第1および第2のインバータを制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記第1および第2の電流センサの一方の温度が正常温度範囲を超えたときには、前記第1および第2のモータのうち前記第1および第2の電流センサの他方の検出値を用いて駆動される方のモータからの駆動力の分担割合がそれまでより大きくなるよう前記出力分配比率を変更する手段である、
ことを特徴とする車両。
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