JP2013119539A - 回収ε−カプロラクタムの精製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回収ε−カプロラクタム含有水を濃縮後に蒸留してε−カプロラクタムを精製する方法において、効率良く高純度のε−カプロラクタムを得る方法を提供する。
【解決手段】ε−カプロラクタム含有水を濃縮後に蒸留してε−カプロラクタムを精製する方法において、濃縮工程後の水分率が20質量%以下で、かつ、60℃で測定したときの相対屈折率が1.45から1.47となるようにして減圧蒸留工程に供給することを特徴とする回収ε−カプロラクタムの精製法。
【選択図】なし

Description

本発明は、回収ε−カプロラクタムの精製法に関するものである。
ナイロン6の重合工程においては、未反応のまま残存するε−カプロラクタムを含有する水溶液が、重合体を洗浄した後に抽出水として工程から排出される。これらの抽出水に含まれるε−カプロラクタムは、資源の保護や環境保全の観点から、回収して原料に戻すことが重要である。また、近年、各種プラスチック製品のリサイクルが社会的に重要視されるようになってきており、ナイロン6では、触媒の存在下で重合体屑を解重合し、ε−カプロラクタムを回収する方法が行われている。
これらの回収工程においては、抽出水や粗ε−カプロラクタム含有水を濃縮・蒸留して最終的にε−カプロラクタムを得ているが、原料として再使用可能な品位のεーカプロラクタムを効率良く得ることが経済的に重要であり、これまで各種の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムの存在下に高沸点炭化水素を加えて蒸留を行う方法や、特許文献2には、粗εーカプロラクタム水溶液に高分子凝集剤を添加して不純物を凝集物として除去する方法等が提案されている。また、ナイロン6重合体からε−カプロラクタムを回収・精製する方法としては、例えば、特許文献3および特許文献4には、ナイロン6組成物に塩基性物質を添加して蒸留する方法が提案されている。
しかし、これらの方法で回収・精製されたεーカプロラクタムの品位は必ずしも満足できるものではなく、また、設備のコストがかさんだり、工程が煩雑になる等の問題があった。
特公平8−16096号公報 特開昭48−92387号公報 特開平7−330719号公報 特開平7−330720号公報
そこで本発明は、回収ε−カプロラクタム含有水を濃縮後に蒸留してε−カプロラクタムを精製する方法において、効率良く高純度のε−カプロラクタムを得る方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、課題を解決するために鋭意検討した結果、ε−カプロラクタムの含有水を濃縮して減圧蒸留する際、濃縮工程後の水分率と相対屈折率を一定の範囲にすることで減圧蒸留工程の効率が向上し、高純度のε−カプロラクタムが得られることを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち本発明の要旨は以下の通りである。
(1)ε−カプロラクタム含有水を濃縮後に蒸留してε−カプロラクタムを精製する方法において、濃縮工程後の水分率が20質量%以下で、かつ、60℃で測定したときの相対屈折率が1.45から1.47となるようにして減圧蒸留工程に供給することを特徴とする回収ε−カプロラクタムの精製法。
(2)減圧蒸留工程前の濃縮工程を2段階で行い、1段目で相対屈折率が1.34から1.38となるようにし、2段目で相対屈折率が1.45から1.47とすることを特徴とする(1)に記載の回収ε−カプロラクタムの精製法。
本発明によれば、回収ε−カプロラクタム含有水を濃縮後に減圧蒸留してε−カプロラクタムを精製するに際し、経済的に有利に高純度のε−カプロラクタムを得ることができ、これらはバージンのε−カプロラクタムと同等にナイロン6製品の原料として使用することができる。
本発明は、濃縮後の水分率と相対屈折率を一定の範囲にして減圧蒸留工程に供給することを特徴とする回収ε−カプロラクタムの精製法である。
本発明に用いるε−カプロラクタム含有水としては、ε−カプロラクタムを主体とするモノマーからナイロン6を重合する工程において、重合体を洗浄する際に工程から排出される、未反応のまま残存するε−カプロラクタムを含有した抽出水や、ナイロン6を主体とする重合体屑を、触媒の存在下で解重合して得られる粗ε−カプロラクタムの含有水が挙げられる。
重合体を洗浄する際に工程から排出される抽出水を用いる場合、重合されるナイロン6としては、特に制限はないが、単一組成であることが好ましい。本発明の効果を損なわない程度、例えば全単量体中の10モル%以下、好ましくは5モル%以下であれば他の共重合成分が共重合されていても構わない。また、これらのナイロン6には、重合度調整剤、末端基調整剤等が添加されていても良い。共重合成分としては、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミンなどのジアミン成分、またアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、あるいはラウロラクタムなどのアミノカルボン酸成分などを挙げることができる。重合度調整剤、末端基調整剤としては、たとえば、酢酸、安息香酸などを挙げることができる。
抽出水は、例えば、ナイロン6の重合工程において、溶融重合後にペレット状にした重合体を90から98℃のイオン交換処理された水に10から20時間接触させて未反応のε−カプロラクタムを溶解・抽出したものである。この際の抽出水と重合体の比率(浴比)は、抽出水量(L/時間)/重合体量(Kg/時間)=1.5から5.0の範囲が好ましい。これより低いと抽出効率が低下し、これを超えると抽出効果が飽和してエネルギー効率が低下するとともに、抽出水中のε−カプロラクタム濃度が低くなりすぎて好ましくない。抽出温度が90℃未満では未反応のε−カプロラクタムの抽出が不十分となり、98℃を超えると沸騰による気泡の発生で抽出効率が低下する。抽出時間は、10時間未満では未反応のε−カプロラクタムの抽出が不十分となり、20時間を超えると加水分解などの副反応が起きるため好ましくない。なお、抽出処理は塔型連続抽出装置などの連続式、回分式抽出釜などのバッチ式のいずれの方法でもよい。
このようにして得られた抽出水には、ε−カプロラクタム以外にε−カプロラクタムオリゴマーも含有されている。ε−カプロラクタムオリゴマーは最終的には減圧蒸留工程で分離することもできるが、減圧蒸留工程での機器への付着や配管の閉塞などの防止、蒸留効率の向上などの点から、減圧蒸留工程前に除去しておくことが望ましい。ε−カプロラクタムオリゴマーは水に対する溶解度が低いため、濃縮することで大部分が析出してくることから、濃縮工程後に真空濾過や遠心分離などにより分離することができる。
一方、解重合して得られる粗ε−カプロラクタムの含有水を用いる場合、解重合される重合体としては、ナイロン6を含むもので、好ましくはそれを50質量%以上含む製品、ナイロン6製品製造過程で発生する廃棄物、あるいは、ナイロン6製品使用済み廃棄物などを挙げることができる。たとえば、工業用、衣料用、屋内外用の構造物、あるいはこれらの屑などを挙げることができる。これらの重合体は単独で解重合の原料としても良いし、これらを組み合わせて原料としても良い。
解重合法はいかなる方法でも良い。通常、ナイロン6は加熱により解重合されるが、触媒を用いても良く、水の存在下で行われる湿式法、水の存在しない状態で行われる乾式法のいずれでも良い。
解重合は、50から450℃、好ましくは150から400℃の温度範囲で行われる。この温度が50℃未満ではナイロン6が溶融しないうえ、解重合反応速度が著しく低下する。一方、この温度が450℃を超えると、副反応が生じて不純物の濃度が高くなり、粗ε−カプロラクタムの純度が低下する。
触媒は、解重合反応を促進するために用いられるもので、酸あるいは塩基触媒が用いられる。酸触媒としては、リン酸、硫酸、固体酸およびこれらの塩が挙げられ、塩基触媒としてはアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属の塩、固体塩基などが挙げられる。触媒の使用量は、重合体屑に含まれるナイロン6成分に対して0.1から100質量%とすることが好ましく、1から50質量%とすることがより好ましい。触媒の使用量が0.1質量%未満では解重合速度が低下し、100質量%を超えるとコストが高くなるうえ、副反応物が増えるので好ましくない。
湿式法で解重合を行う場合は、ナイロン6成分に対して0.1から50質量倍、好ましくは0.5から20質量倍の水を添加する。水の添加量が0.1重量倍未満では解重合速度が低下し、50重量倍を超えると溜出液中の粗ε−カプロラクタムの濃度が低くなりすぎて好ましくない。この際、水は高温のスチームの形で供給するのが望ましいが、反応前にあらかじめ水を仕込んでおく方法であっても良い。
また、乾式法で解重合を行う場合は、触媒の存在下で加熱により解重合させた後、減圧状態にすることにより粗ε−カプロラクタムを溜出させ、イオン交換処理した水と接触させて冷却、回収する。この際、連続的に粗ε−カプロラクタムを溜出させると、平衡反応がずれて解重合が進みやすくなる。
このように回収された粗ε−カプロラクタム含有水は解重合時の副反応による着色性の不純物が含まれており、これらを除去するために活性炭による吸着処理を行うことが望ましい。この処理は連続式、バッチ式などいかなる方法でも良く、装置の形式も固液接触が可能なものであれば特に限定されないが、槽型、管型、塔型などがある。また、装置は1基でも2基以上を連結したものでも良い。また、活性炭は、水溶液用に精製されたものなら粒状、粉末状、繊維状のいずれでもよいが、粒状のものが好ましく、その粒度は20から60メッシュのものが好適である。
本発明においては、上記のようにして得られた、ナイロン6重合工程から副生する抽出水および/または重合体屑の解重合物から得られる粗ε−カプロラクタム含有水を、濃縮工程後の水分率が20質量%以下で、かつ、60℃で測定したときの相対屈折率が1.45から1.47となるようにして減圧蒸留工程に供給することが必要である。そして、この濃縮工程は2段階で行い、1段目では相対屈折率が1.34から 1.38となるようにし、2段目で相対屈折率が1.45から1.47となるようにすることが特に好ましい。濃縮工程後の水分率が20質量%を超えると、次に行う減圧蒸留工程の効率が低くなり、好ましくない。また、相対屈折率が1.45未満、または1.47を超えると、濃縮液中のεーカプロラクタムの量と水溶性不純物の量の比率が適切でなく、減圧蒸留工程での分離効率が低下し、蒸留後のεーカプロラクタムの純度が不十分となる。濃縮工程は、2段階で濃縮を行うと濃縮工程後の不純物の比率を抑えることができる。その場合は、上記のように1段目で、相対屈折率が1.34から1.38となるようにすると、目標の特性値を有する濃縮液を効率良く、安定的に得ることができる。
この際の濃縮工程の方式はいかなるものでもよく、通常は効用缶にて水を除去する方式や、逆浸透膜で濃縮する方式などが採用される。たとえば、多重効用缶で濃縮を行う場合、最終缶の圧力を100から500Torrとして、内温を90℃以下とすることで、ε−カプロラクタムのロスや品質低下を防いで効率良く濃縮することができる。
次に、上記のようにして得られた濃縮液は減圧蒸留することで高純度のε−カプロラクタムとするが、減圧蒸留工程の方式としては、単蒸留、薄膜蒸留などがあり、また連続式、バッチ式のいずれでも行うことができる。減圧蒸留は圧力20Torr以下、温度150℃以下の条件で行うことで、ε−カプロラクタムを劣化させることなく、高い分離効率で不純物と分離することができる。
減圧蒸留後のε−カプロラクタムの純度は、過マンガン酸カリ値(Pz値)を指標として評価することができる。例えば、1500秒以上であれば、ナイロン6の製品原料として十分な純度である。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた測定法は次の通りである。
(1)水分率
京都電子工業製カールフィッシャー電量滴定装置MKS−510型を用い、濃縮液0.3g中の水分率を次式により求めた。
(2)相対屈折率
アタゴ製デジタル屈折計RX−5000α型を用い、減圧蒸留工程前の濃縮液の60℃での相対屈折率を測定した。また、濃縮工程を2段階で行う場合は、2段目の濃縮工程前の濃縮液についても、60℃での相対屈折率を測定した。
(3)過マンガン酸カリ値(Pz値)
100mLのメスフラスコ中にε−カプロラクタムが1gとなるように採取し、蒸留水を加えて100mLの水溶液とした。この水溶液100mLにN/100過マンガン酸カリウム水溶液1mLを加えた時の混合液の色調(ほぼ紫色)が、標準比較液(塩化コバルト6水和物3gと硫酸銅5水和物2gを蒸留水1000mLに溶解したもの)の色調と一致するまでの時間(秒)をもってPz値とした。このPz値が大きいものほどε−カプロラクタムの純度が高いことを示す。
実施例1
ε−カプロラクタムからナイロン6を重合する工程において、ペレット状の重合体を浴比2.5、温度97℃で15時間洗浄した際に工程から排出された抽出水を、70L/分で連続的に四重効用缶(木村化工機製QEE−1型)に供給し、最終缶の圧力200Torr、温度67℃で1段目の濃縮を行った。濃縮液の60℃における相対屈折率は1.37であった。この濃縮液を40L/分で連続的に二重効用缶(木村化工機製DEE−4型)に供給し、最終缶の圧力180Torr、温度74℃で2段目の濃縮を行った。この濃縮液には析出したε−カプロラクタムオリゴマーが含まれていたため、デカンター(三菱化工機製DZ20−IP型)に10L/分で通液し、回転数4200rpmでε−カプロラクタムオリゴマーを遠心分離した。こうして得られた濃縮液は、水分率が14質量%で、相対屈折率が1.46であった。
次に、この濃縮液を10L/分で連続的に2段型の薄膜式連続減圧蒸留装置(日立製作所製2EP/3EP型)に供給し、最終缶の攪拌数120rpm、圧力11Torr、温度120℃で減圧蒸留を行った。得られた回収ε−カプロラクタムはPz値が7600秒であり、ナイロン6製品の原料として十分な純度を有していた。
実施例2
実施例1と同様の抽出水を、130L/分で連続的に三重効用缶(木村化工機製TEE−7型)に供給し、最終缶の圧力220Torr、温度69℃で1段目の濃縮を行った。濃縮液の60℃における相対屈折率は1.35であった。この濃縮液を40L/分で連続的に二重効用缶(木村化工機製DEE−4型)に供給し、最終缶の圧力190Torr、温度71℃で2段目の濃縮を行った。この濃縮液には析出したε−カプロラクタムオリゴマーが含まれていたため、デカンター(三菱化工機製DZ20−IP型)に10L/分で通液し、回転数4200rpmでε−カプロラクタムオリゴマーを遠心分離した。こうして得られた濃縮液は、水分率が19質量%で、相対屈折率が1.45であった。
次に、この濃縮液を実施例1と同様にして減圧蒸留を行い、Pz値が5600秒の回収ε−カプロラクタムを得た。得られた回収ε−カプロラクタムは、ナイロン6製品の原料として十分な純度を有していた。
実施例3
ナイロン6の繊維屑500Kgと80質量%リン酸50Kgを容量2.5mの反応釜に投入し、窒素雰囲気下、260℃で加熱溶解後、340℃の加熱蒸気を10Kg/分で連続的に吹き込み、解重合反応を8時間行った。この間、反応釜から溜出する粗ε−カプロラクタムと水蒸気の混合物を冷却して、粗ε−カプロラクタム含有水を得た。この含有水を粒状活性炭(キャタラー製AC−1)1300Kgが充填された容量2mの活性炭吸着塔に10L/分で連続的に通液し、着色性の不純物を除去した。
この含有水を15L/分で連続的に二重効用缶(木村化工機製DEE−5型)に供給し、最終缶の圧力140Torr、温度82℃で濃縮を行い、水分率が3質量%で、60℃で測定したときの相対屈折率が1.47の濃縮液を得た。
次に、この濃縮液600Kgを容量1.5mの単蒸留釜に仕込み、圧力9Torr、温度148℃で減圧蒸留を行った。得られた回収ε−カプロラクタムはPz値が1500秒であり、ナイロン6製品の原料として十分な純度を有していた。
比較例1
2段目の濃縮工程における二重効用缶への濃縮液の供給量を30L/分とし、二重効用缶の最終缶の圧力を200Torr、温度を72℃とした以外は、実施例2と同様に行った。
この濃縮液の水分率は20質量%であったが、60℃で測定したときの相対屈折率は1.43と低く、減圧蒸留により得られた回収ε−カプロラクタムのPz値は700秒とナイロン6製品の原料とするには純度が不十分なものであった。
比較例2
1段目の濃縮工程における三重効用缶への濃縮液の供給量を100L/分とし、二重効用缶の最終缶の圧力を250Torr、温度を75℃とした以外は、実施例2と同様に行った。
この濃縮液の60℃で測定したときの相対屈折率は1.45であったが、水分率は25質量%と高く、減圧蒸留により得られた回収ε−カプロラクタムのPz値は800秒とナイロン6製品の原料とするには純度が不十分なものであった。
比較例3
2段目の濃縮工程における二重効用缶への濃縮液の供給量を30L/分とし、二重効用缶の最終缶の圧力を160Torr、温度を89℃とした以外は、実施例2と同様に行った。
この濃縮液の水分率は2質量%であったが、60℃で測定したときの相対屈折率は1.48と高く、減圧蒸留により得られた回収ε−カプロラクタムのPz値は300秒とナイロン6製品の原料とするには純度が不十分なものであった。
原料、濃縮工程の数、濃縮工程後のε−カプロラクタム含有水の測定結果、および減圧蒸留後のε−カプロラクタムの測定結果を、表1に示す。


Claims (2)

  1. ε−カプロラクタム含有水を濃縮後に蒸留してε−カプロラクタムを精製する方法において、濃縮工程後の水分率が20質量%以下で、かつ、60℃で測定したときの相対屈折率が1.45から1.47となるようにして減圧蒸留工程に供給することを特徴とする回収ε−カプロラクタムの精製法。
  2. 減圧蒸留工程前の濃縮工程を2段階で行い、1段目で相対屈折率が1.34から1.38となるようにし、2段目で相対屈折率が1.45から1.47とすることを特徴とする請求項1に記載の回収ε−カプロラクタムの精製法。
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