JPH10298162A - 回収ε−カプロラクタム及びその精製法 - Google Patents

回収ε−カプロラクタム及びその精製法

Info

Publication number
JPH10298162A
JPH10298162A JP10865597A JP10865597A JPH10298162A JP H10298162 A JPH10298162 A JP H10298162A JP 10865597 A JP10865597 A JP 10865597A JP 10865597 A JP10865597 A JP 10865597A JP H10298162 A JPH10298162 A JP H10298162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caprolactam
recovered
aqueous solution
nylon
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10865597A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazue Ueda
一恵 上田
Tsunetoshi Matsuda
常俊 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP10865597A priority Critical patent/JPH10298162A/ja
Publication of JPH10298162A publication Critical patent/JPH10298162A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Polyamides (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バージンε−カプロラクタムと同等レベルで
使用できる高純度の回収εーカプロラクタム及びその精
製法を提供する。 【解決手段】 解重合もしくは熱水抽出されたε−カプ
ロラクタム水溶液を、90重量%以上に濃縮してから、再
結晶もしくは2Torr以下の圧力/120 ℃以下の温度で減
圧蒸留することにより、バレロラクタム含有量が50ppm
以下である回収ε−カプロラクタムを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バレロラクタム含
有量の少ない高純度の回収εーカプロラクタム及びその
精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6を含有する樹脂組成物を解重
合し、モノマーであるε−カプロラクタムを回収/精製
して再利用する方法や、ナイロン6を製造する際に熱水
抽出されたε−カプロラクタムもしくは熱水抽出された
オリゴマーを解重合して得たε−カプロラクタムを回収
/精製して再利用する方法は古くから知られている。
【0003】上記のεーカプロラクタムの純度を高める
(精製する)方法としては、例えば、水酸化カリウムや
水酸化ナトリウムの存在下に高沸点炭化水素を加えて蒸
留を行う方法(特公平8− 16096号公報)や、粗ラクタ
ム水溶液に高分子凝集剤を添加して不純物を凝集物とし
て除去する方法(特開昭48− 92387号公報)等が提案さ
れている。また、ナイロン6組成物からεーカプロラク
タムを回収/精製する方法としては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)やナイロン66を含有する
ナイロン6組成物に塩基性物質を添加して蒸留する方法
(特開平7−330719号公報、同7−330720号公報)が提
案されている。しかし、前記した方法で回収/精製され
たεーカプロラクタムの純度は必ずしも満足できるもの
ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、バージンε
−カプロラクタムと同等レベルで使用できる高純度の回
収εーカプロラクタム及びその精製法を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ナイロン6を
解重合して得たεーカプロラクタム、及びナイロン6を
製造する際に熱水抽出されたε−カプロラクタムもしく
は熱水抽出されたオリゴマーを解重合して得たε−カプ
ロラクタム中には、バレロラクタムがかなりの量で不純
物として含まれており、これが回収εーカプロラクタム
の純度を低下させていることを突き止めた。本発明はこ
のバレロラクタムを低レベルまで除去することにある。
【0006】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) ナイロン6を含有する樹脂組成物を解重合して得た
ε−カプロラクタムであって、前記ε−カプロラクタム
中のバレロラクタム含有量が50ppm 以下であることを特
徴とする回収εーカプロラクタム。 (2) ナイロン6を重合する際に熱水抽出されたε−カプ
ロラクタムもしくは熱水抽出されたオリゴマーを解重合
して得たε−カプロラクタムであって、前記ε−カプロ
ラクタム中のバレロラクタム含有量が50ppm 以下である
ことを特徴とする回収ε−カプロラクタム。 (3) 解重合もしくは熱水抽出されたε−カプロラクタム
水溶液を、90重量%以上に濃縮してから、再結晶もしく
は20Torr以下の圧力/150 ℃以下の温度で減圧蒸留する
ことを特徴とする上記(1) 又は(2) に記載の回収ε−カ
プロラクタムの精製法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】本発明におけるナイロン6を含有する樹脂
組成物は、ナイロン6を含有する組成物であれば特に制
限はされないが、通常はナイロン6を10重量%以上、好
ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上
含有するものである。
【0009】ここで、ナイロン6は、ε−カプロラクタ
ムを重合したものであればいかなるものであってもよ
く、他のモノマーと共重合されたものであってもよい。
【0010】共重合モノマーとしては、各種のアミノカ
ルボン酸、ε−カプロラクタム以外のラクタム及びナイ
ロン塩があり、具体的には6−アミノカプロン酸、11−
アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミ
ノメチル安息香酸、ω−ラウロラクタム、ナイロン46
塩、ナイロン66塩、ナイロン 610塩、ナイロン6T塩、ナ
イロン6I塩、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との
塩等が挙げられ、これらは30モル%以下の割合で共重合
されたものである。
【0011】樹脂組成物におけるナイロン6以外の成分
としては、ナイロン66、PET、ポリウレタン、ポリア
クリロニトリル、ポリアクリレート等のポリマー素材、
綿、麻、レーヨン等のセルロース系繊維、ウール、絹等
のタンパク系繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状強
化材、ガラスビーズ、マイカ、タルク、二酸化チタン、
シリカ等の無機添加剤、さらには難燃剤、熱安定剤、着
色剤、衝撃性改良剤等の各種添加剤等が挙げられる。
【0012】ナイロン6を含有する樹脂組成物として
は、ナイロン6を含有する製品、原料素材製造や素材加
工や製品組立て工程で発生する産業廃棄物、あるいは製
品使用済み廃棄物等を挙げることができる。例えば、衣
料用や産業用の繊維構造物あるいは繊維屑、また工業用
・家庭用の樹脂構造物や食品包装フィルムあるいはこれ
らの樹脂屑等を挙げることができる。さらに具体的に
は、繊維構造物としては、ユニホーム、ストッキング、
ニットウェアー、水着等の衣料品、漁網、タイヤコー
ド、ロープ等の産業用資材、カーぺット、カーテン等の
インテリア用品等が挙げられ、繊維屑としては、製造工
程で生じるポリマー糸屑、布帛の裁断屑、使用済み製品
屑等が挙げられる。また、樹脂構造物としては、家電製
品用部品、自動車用部品、住宅用部品等の家庭用品、機
械用部品、パッケージ、フィルム等の工業用品等が挙げ
られ、樹脂屑としては、製造工程で生じるポリマー成形
屑、切り屑、使用済み製品屑等が挙げられる。
【0013】本発明における解重合法はいかなる方法で
もよく、通常は、ナイロン6を含有する樹脂組成物を、
触媒の存在下に加熱することにより行われるが、解重合
時には、水は存在していても存在しなくてもよい。
【0014】解重合温度は、50〜450 ℃、好ましくは 1
50〜400 ℃、さらに好ましくは 220〜400 ℃で行う。こ
の温度が50℃未満ではナイロン6が溶融しないうえ、解
重合速度が著しく低下する。一方、この温度が450 ℃を
超えると、副反応が生じて回収ラクタム中の不純物の濃
度が高くなり純度が低下する。
【0015】触媒は、解重合速度を速めるために用いら
れるもので、酸あるいは塩基触媒が用いられる。酸触媒
としては、リン酸、硫酸、固体酸及びこれらの塩が挙げ
られ、塩基触媒としてはアルカリ水酸化物、アルカリ
塩、アルカリ土類水酸化物、アルカリ土類塩、有機塩
基、固体塩基等が挙げられる。
【0016】触媒の使用量は、樹脂組成物に含まれるナ
イロン6に対して 0.1〜100 重量%、好ましくは1〜50
重量%、さらに好ましくは2〜30重量%の範囲である。
触媒の使用量が 0.1重量%未満では解重合速度が低下
し、100 重量%を超えるとコストが高くなるうえ、副反
応生成物が増えて好ましくない。
【0017】水の存在下に、ナイロン6を含有する樹脂
組成物の解重合を行う場合には、ナイロン6に対して
0.1〜50重量倍、好ましくは 0.5〜20重量倍の水を使用
する。水の使用量が 0.1重量倍未満では解重合速度が低
下し、逆に50重量倍を超えると、水溶液中のε−カプロ
ラクタム濃度が低くなって回収コストが高くなる。水は
高温のスチームの形で供給されるのが望ましいが、反応
前にナイロン6を含有する樹脂組成物と同時に仕込ん
で、温度を上げていく方法であってもよい。
【0018】また、水を用いずに解重合を行う場合に
は、触媒の存在下で加熱により解重合させた後、減圧蒸
留によりε−カプロラクタムを回収する。この際、連続
的にε−カプロラクタムを回収すると、モノマー生成の
平衡がずれて解重合が進みやすい。
【0019】上記の方法により回収されたε−カプロラ
クタムは、通常は水を含有するものであり、まずはじめ
に水溶液中のε−カプロラクタム濃度が90重量%以上に
なるまで濃縮することが必要である。この際、濃縮方法
はいかなる方法でもよく、通常は、効用缶にて水を蒸留
除去する方法や、逆浸透膜で濃縮する方法等が採用され
る。水溶液中のε−カプロラクタム濃度が90重量%より
小さいと、続いて行う減圧蒸留工程もしくは再結晶工程
でのバレロラクタムの除去効率が低くなる。
【0020】90重量%以上に濃縮されたε−カプロラク
タムは、不純物であるバレロラクタムを通常は100ppm以
上含むものであり、後述する蒸留による方法や再結晶に
よる方法で、50ppm 以下になるまで精製する必要があ
る。回収ε−カプロラクタム中にバレロラクタムが50pp
m より多く含まれていると、ε−カプロラクタムの品質
が劣り、パージンε−カプロラクタムと同等レベルで使
用できない。
【0021】蒸留による精製方法としては、単蒸留、薄
膜蒸留、精留等があり、またバッチ式、連続式のいずれ
でも行うことができる。蒸留は、2Torr以下の圧力/12
0 ℃以下の温度で減圧蒸留を行うことが必要である。こ
の際、圧力が2Torrを超えても、温度が 120℃より低く
ても、バレロラクタムの除去効率が低下する。また、1
回の減圧蒸留の操作で得られる回収ε−カプロラクタム
中のバレロラクタム濃度が50ppm を超えるときは、さら
に前記した減圧蒸留を繰り返すことで、バレロラクタム
濃度を50ppm 以下にすることができる。
【0022】再結晶による精製方法の場合には、有機溶
媒又は水溶媒を用いて行う。この際、有機溶媒として
は、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等
の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の
塩素系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系
溶媒等を用いることができる。再結晶の場合には、通常
は1回の操作でバレロラクタム濃度が50ppm 以下の回収
ε−カプロラクタムを得ることができる。
【0023】上記の方法により得られた回収ε−カプロ
ラクタムは、バレロラクタム含有量が50ppm 以下で、バ
ージンε−カプロラクタムと同等レベルで使用できるも
のである。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例及び比較例で用いた測定法は次
の通りである。 1.測定法 (a) バレロラクタム含有量 回収されたε−カプロラクタム水溶液、濃縮されたε−
カプロラクタム水溶液、及び回収ε−カプロラクタム中
のバレロラクタム含有量については、高速液体クロマト
グラフ(ウォーターズ社製、600E)を用いて定量した。
なお、高速液体クロマトグラフ測定は、次の条件で行っ
た。 カラム:逆相C18(ウォーターズ社製、長さ 250mm、内
径 4.6mm)、溶出液:メタノール/水〔20/80(体積
比)→35/65(体積比)、ステップグラジエント〕、流
速:0.5ml/分、検出器:UV 210nm (b) 相対粘度 96%硫酸を用い、濃度1g/dl、温度25℃の条件で測定し
た。
【0025】実施例1 ナイロン6繊維 500gと80重量%リン酸50gとを1リッ
トルの解重合缶に仕込み、窒素雰囲気下 280℃に加熱し
た。高温スチーム(300 ℃)を500ml/hで解重合缶へ吹
き込みを始め、解重合を5時間行った。この間、解重合
缶から留出するε−カプロラクタムと水蒸気との混合物
を冷却してε−カプロラクタムを含有する水溶液を回収
した。この水溶液の総重量は2850gで、ε−カプロラク
タム濃度は15.8重量%であった。次いで、上記のε−カ
プロラクタム水溶液を、減圧下(30Torr)60℃にて濃縮
し、95重量%のε−カプロラクタム水溶液 350gを得
た。この濃縮されたε−カプロラクタム水溶液中のバレ
ロラクタム濃度は 150ppmであった。そして、上記の濃
縮されたε−カプロラクタム水溶液 100gを、1Torrの
圧力/ 110〜120 ℃の温度で減圧蒸留し、回収ε−カプ
ロラクタム80gを得た。この回収ε−カプロラクタム中
のバレロラクタム濃度は35ppm であった。上記の回収ε
−カプロラクタムに 0.1モル/kgになるよう水を加え、
250 ℃で24時間封管重合を行ったところ、相対粘度 3.3
のものが得られ、バージンε−カプロラクタムと同等レ
ベルのものであった。
【0026】実施例2 実施例1と同様の解重合工程及び濃縮工程を経て得られ
た95重量%のε−カプロラクタム水溶液30gを、n−ヘ
キサン 700gに加熱溶解し、熱時濾過してから徐冷する
ことによりε−カプロラクタムを再結晶させ、次いで、
濾過、乾燥することにより回収ε−カプロラクタム12g
を得た。この回収ε−カプロラクタム中のバレロラクタ
ム濃度は5ppm であった。上記の回収ε−カプロラクタ
ムに 0.1モル/kgになるよう水を加え、250 ℃で24時間
封管重合を行ったところ、相対粘度 3.3のものが得ら
れ、バージンε−カプロラクタムと同等レベルのもので
あった。
【0027】実施例3 ナイロン6を製造する際に、熱水抽出されたモノマーと
オリゴマーを含む水溶液(モノマーとオリゴマーとを併
せた濃度:10重量%)5800gを、減圧下(30Torr)60℃
にて濃縮し、95重量%のε−カプロラクタム水溶液 130
gを得た。この濃縮されたε−カプロラクタム水溶液中
のアジピミド濃度は45ppm であった。そして、上記の濃
縮されたε−カプロラクタム水溶液 130gを、1Torrの
圧力/ 110〜120 ℃の温度で減圧蒸留し、回収ε−カプ
ロラクタム90gを得た。この回収ε−カプロラクタム中
のバレロラクタム濃度は42ppm であった。上記の回収ε
−カプロラクタムに 0.1モル/kgになるよう水を加え、
250 ℃で24時間封管重合を行ったところ、相対粘度 3.3
のものが得られ、バージンε−カプロラクタムと同等レ
ベルのものであった。
【0028】実施例4 ナイロン6を製造する際に、熱水抽出されたモノマーと
オリゴマーを含む水溶液(モノマーとオリゴマーとを併
せた濃度:10重量%)5800gからモノマーを減圧蒸留に
より除いた残渣(主成分はオリゴマー) 250g及びナイ
ロン6繊維 250gの混合物と、80重量%リン酸60gとを
1リットルの解重合缶に仕込み、窒素雰囲気下 280℃に
加熱した。高温スチーム(300 ℃)を500ml/hで解重合
缶へ吹き込みを始め、解重合を6時間行った。この間、
解重合缶から留出するε−カプロラクタムと水蒸気との
混合物を冷却してε−カプロラクタムを含有する水溶液
を回収した。この水溶液の総重量は2600gで、ε−カプ
ロラクタム濃度は14.5重量%であった。次いで、上記の
ε−カプロラクタム水溶液を、減圧下(30Torr)60℃に
て濃縮し、95重量%のε−カプロラクタム水溶液 370g
を得た。この濃縮されたε−カプロラクタム水溶液中の
アジピミド濃度は55ppm であった。そして、上記の95重
量%のε−カプロラクタム水溶液30gを、n−ヘキサン
700gに加熱溶解し、熱時濾過してから徐冷することに
よりε−カプロラクタムを再結晶させ、次いで、濾過、
乾燥することにより回収ε−カプロラクタム10gを得
た。この回収ε−カプロラクタム中のバレロラクタム濃
度は20ppm であった。上記の回収ε−カプロラクタムに
0.1モル/kgになるよう水を加え、250 ℃で24時間封管
重合を行ったところ、相対粘度 3.3のものが得られ、バ
ージンε−カプロラクタムと同等レベルのものであっ
た。
【0029】比較例1 実施例1と同様の解重合工程及び濃縮工程を経て得られ
た85重量%のε−カプロラクタム水溶液 100gを、25To
rrの圧力/ 150〜200 ℃の温度で減圧蒸留し、回収ε−
カプロラクタム75gを得た。この回収ε−カプロラクタ
ム中のバレロラクタム濃度は90ppm であった。上記の回
収ε−カプロラクタムに 0.1モル/kgになるよう水を加
え、250 ℃で24時間封管重合を行ったところ、相対粘度
3.1のものしか得られず、バージンε−カプロラクタム
と同等レベルのものではなかった。
【0030】比較例2 ナイロン6を製造する際に、熱水抽出されたモノマーと
オリゴマーを含む水溶液(モノマーとオリゴマーとを併
せた濃度:10重量%)5800gを、減圧下(30Torr)60℃
にて濃縮し、85重量%のε−カプロラクタム水溶液 150
gを得た。この濃縮されたε−カプロラクタム水溶液中
のバレロラクタム濃度は300ppmであった。そして、上記
の濃縮されたε−カプロラクタム水溶液 150gを、25To
rrの圧力/ 150〜200 ℃の温度で減圧蒸留し、回収ε−
カプロラクタム90gを得た。この回収ε−カプロラクタ
ム中のバレロラクタム濃度は110ppmであった。上記の回
収ε−カプロラクタムに 0.1モル/kgになるよう水を加
え、250 ℃で24時間封管重合を行ったところ、相対粘度
3.1のものしか得られず、バージンε−カプロラクタム
と同等レベルのものではなかった。
【0031】比較例3 ナイロン6を製造する際に、熱水抽出されたモノマーと
オリゴマーを含む水溶液(モノマーとオリゴマーとを併
せた濃度:10重量%)5800gからモノマーを減圧蒸留に
より除いた残渣(主成分はオリゴマー) 250g及びナイ
ロン6繊維 250gの混合物と、80重量%リン酸60gとを
1リットルの解重合缶に仕込み、窒素雰囲気下 280℃に
加熱した。高温スチーム(300 ℃)を500ml/hで解重合
缶へ吹き込みを始め、解重合を6時間行った。この間、
解重合缶から留出するε−カプロラクタムと水蒸気との
混合物を冷却してε−カプロラクタムを含有する水溶液
を回収した。この水溶液の総重量は2600gで、ε−カプ
ロラクタム濃度は14.5重量%であった。次いで、上記の
ε−カプロラクタム水溶液を、減圧下(30Torr)60℃に
て濃縮し、85重量%のε−カプロラクタム水溶液 150g
を得た。この濃縮されたε−カプロラクタム水溶液中の
バレロラクタム濃度は420ppmであった。そして、上記の
濃縮されたε−カプロラクタム水溶液 150gを、25Torr
の圧力/ 150〜200 ℃の温度で減圧蒸留し、回収ε−カ
プロラクタム85gを得た。この回収ε−カプロラクタム
中のバレロラクタム濃度は140ppmであった。上記の回収
ε−カプロラクタムに 0.1モル/kgになるよう水を加
え、250 ℃で24時間封管重合を行ったところ、相対粘度
3.1のものしか得られず、バージンε−カプロラクタム
と同等レベルのものではなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、バージンε−カプロラ
クタムと同等レベルで使用できる高純度の回収εーカプ
ロラクタムを得ることができ、これらは繊維用原料、樹
脂用原料、原料中間体等として好適に利用できるもので
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナイロン6を含有する樹脂組成物を解重
    合して得たε−カプロラクタムであって、前記ε−カプ
    ロラクタム中のバレロラクタム含有量が50ppm 以下であ
    ることを特徴とする回収εーカプロラクタム。
  2. 【請求項2】 ナイロン6を製造する際に熱水抽出され
    たε−カプロラクタムもしくは熱水抽出されたオリゴマ
    ーを解重合して得たε−カプロラクタムであって、前記
    ε−カプロラクタム中のバレロラクタム含有量が 50ppm
    以下であることを特徴とする回収ε−カプロラクタム。
  3. 【請求項3】 ナイロン6を含有する樹脂組成物を解重
    合して得たε−カプロラクタム水溶液を、90重量%以上
    に濃縮してから、再結晶もしくは2Torr以下の圧力/12
    0 ℃以下の温度で減圧蒸留することを特徴とする請求項
    1に記載の回収ε−カプロラクタムの精製法。
  4. 【請求項4】 ナイロン6を製造する際に熱水抽出され
    たε−カプロラクタムもしくは熱水抽出されたオリゴマ
    ーを解重合して得たε−カプロラクタム水溶液を、90重
    量%以上に濃縮してから、再結晶もしくは2Torr以下の
    圧力/120 ℃以下の温度で減圧蒸留することを特徴とす
    る請求項2に記載の回収ε−カプロラクタムの精製法。
JP10865597A 1997-04-25 1997-04-25 回収ε−カプロラクタム及びその精製法 Pending JPH10298162A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10865597A JPH10298162A (ja) 1997-04-25 1997-04-25 回収ε−カプロラクタム及びその精製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10865597A JPH10298162A (ja) 1997-04-25 1997-04-25 回収ε−カプロラクタム及びその精製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10298162A true JPH10298162A (ja) 1998-11-10

Family

ID=14490320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10865597A Pending JPH10298162A (ja) 1997-04-25 1997-04-25 回収ε−カプロラクタム及びその精製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10298162A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013119539A (ja) * 2011-12-08 2013-06-17 Unitika Ltd 回収ε−カプロラクタムの精製法
WO2021149815A1 (ja) * 2020-01-24 2021-07-29 ユニチカ株式会社 ポリアミド樹脂フィルムの製造方法
WO2023144338A1 (en) * 2022-01-28 2023-08-03 Cap Iii B.V. Process for the recovery of epsilon-caprolactam from polyamide 6 comprising fishing nets
WO2023144339A1 (en) * 2022-01-28 2023-08-03 Cap Iii B.V. Process for the recovery of epsilon-caprolactam from nylon 6 comprising fishing nets

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013119539A (ja) * 2011-12-08 2013-06-17 Unitika Ltd 回収ε−カプロラクタムの精製法
WO2021149815A1 (ja) * 2020-01-24 2021-07-29 ユニチカ株式会社 ポリアミド樹脂フィルムの製造方法
JPWO2021149815A1 (ja) * 2020-01-24 2021-07-29
WO2023144338A1 (en) * 2022-01-28 2023-08-03 Cap Iii B.V. Process for the recovery of epsilon-caprolactam from polyamide 6 comprising fishing nets
WO2023144339A1 (en) * 2022-01-28 2023-08-03 Cap Iii B.V. Process for the recovery of epsilon-caprolactam from nylon 6 comprising fishing nets

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100377785B1 (ko) 디지털신호가송신될때의수신향상을위한방법및회로장치
EP0676394B1 (en) Recovery of caprolactam from waste carpets
KR100376340B1 (ko) 플라즈마cvd절연막및그형성방법
EP0522235B1 (en) Process for the recovery of epsilon-caprolactam from nylon 6 carpet
AU2006277349B2 (en) Method for recovery of valuable ingredient from dyed polyester fiber
US5656757A (en) Monomer recovery from multi-component materials
US5495015A (en) Process for producing caprolactam through hydrolytic cleavage of molten polycaprolactam
HU203374B (en) Process for producing high purity ethylene - carbon monoxide copolymers
EP1062203A1 (en) PROCESS FOR THE CONTINUOUS PURIFICATION OF CRUDE $g(e)-CAPROLACTAM
KR100375783B1 (ko) 목재복합물
US5455346A (en) Obtaining caprolactam by cleavage of molten polycaprolactam
US3317519A (en) Simultaneous depolymerization of polycaproamide and polyester with recovery of caprolactam
JPH10287645A (ja) 回収ε−カプロラクタム及びその精製法
JPH10298162A (ja) 回収ε−カプロラクタム及びその精製法
KR100497833B1 (ko) 락탐의 정제 방법
JP4234928B2 (ja) ラクタムの精製法
EP1175396B1 (en) Process for the preparation of epsilon-caprolactam
JPH0848666A (ja) ε−カプロラクタムの精製法
US5536831A (en) Obtaining caprolactam by cleavage of molten polycaprolactam
ITMI940017A1 (it) Processo in continuo per il recupero di acido tereftalico dagli scarti o prodotti post-consumo di polimeri di polialchilen tereftalato
JPH1135554A (ja) ε−カプロラクタムの回収方法
JP2024007310A (ja) 回収ε-カプロラクタムの精製方法および精製装置
JPH07330720A (ja) ε−カプロラクタムの精製法
JPH07330716A (ja) ナイロン6解重合法
JPH09241416A (ja) ポリε−カプロラクタムを回収する方法