JPH1135554A - ε−カプロラクタムの回収方法 - Google Patents

ε−カプロラクタムの回収方法

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JPH1135554A
JPH1135554A JP18953097A JP18953097A JPH1135554A JP H1135554 A JPH1135554 A JP H1135554A JP 18953097 A JP18953097 A JP 18953097A JP 18953097 A JP18953097 A JP 18953097A JP H1135554 A JPH1135554 A JP H1135554A
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caprolactam
aqueous solution
nylon
weight
concentration
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JP18953097A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Urakawa
洋 浦川
Kenichi Kawada
憲一 川田
Minoru Sasaki
佐々木  実
Satoru Yoshikawa
悟 吉川
Kazue Ueda
一恵 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バージンε−カプロラクタムと同等レベルで
使用できる高純度のε−カプロラクタムの回収方法を提
供する。 【解決手段】 ナイロン6の成形物(A)及び/又はナ
イロン6を製造する際に熱水抽出されたオリゴマ−
(B)を解重合して得たε−カプロラクタム水溶液のp
Hを10以上に調整してから活性炭処理を行った後、pH
10以上の状態で蒸留する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナイロン6の成形
物(A)及び/又はナイロン6を製造する際に熱水抽出
されたオリゴマー(B)を解重合して得たε−カプロラ
クタム水溶液から高純度のε−カプロラクタムを回収す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6を含有する樹脂組成物を解重
合してモノマーであるε−カプロラクタムを回収/精製
して再利用する方法や、ナイロン6を製造する際に熱水
抽出されたオリゴマーを解重合して得たε−カプロラク
タムを回収/精製して再利用する方法は古くから知られ
ている。
【0003】上記ε−カプロラクタムの純度を高める
(精製する)方法としては、例えば、水酸化カリウムや
水酸化ナトリウムの存在下に高沸点炭化水素を加えて蒸
留を行う方法(特公平8− 16096号公報)や、粗ラクタ
ム水溶液に高分子凝集剤を添加して不純物を凝集物とし
て除去する方法(特開昭48− 92387号公報)などが提案
されている。また、ナイロン6組成物からε−カプロラ
クタムを回収/精製する方法としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)やナイロン66を含有す
るナイロン6組成物に塩基性物質を添加して蒸留する方
法(特開平7−330719号公報、同7−330720号公報)が
提案されている。しかし、前記した方法で回収/精製さ
れたε−カプロラクタムの純度は必ずしも満足できるも
のではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、バージンε
−カプロラクタムと同等レベルで使用できる高純度のε
−カプロラクタムを回収することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、解重合により
回収されたε−カプロラクタム水溶液のpHを10以上に
調整してから活性炭処理を行い、pH10以上の状態に維
持し、蒸留することで高純度のε−カプロラクタムが得
られることを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。ナイロン6の成形物(A)及び/又はナイロン6を
製造する際に熱水抽出されたオリゴマ−(B)を解重合
して得たε−カプロラクタム水溶液のpHを10以上に調
整してから活性炭処理を行った後、pH10以上の状態で
蒸留することを特徴とするε−カプロラクタムの回収方
法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】本発明におけるナイロン6の成形物(A)
は、ナイロン6を主成分とするもので、ナイロン6以外
に少量の油剤や添加物など他の物質を含有してもよい。
また少量であればナイロン66塩など他のモノマーとの共
重合体であってもよい。
【0009】ここでナイロン6とは、ε−カプロラクタ
ムを開環重合して得られるアミド結合を有する重合体を
意味し、従来より公知の水重合法、あるいはアニオン重
合法などにて重合されたものであり、いかなる分子量の
ナイロン6であってもよい。
【0010】本発明におけるナイロン6の成形物(A)
は、ナイロン6を含有する製品、原料素材製造や素材加
工や製品組立工程で発生する産業廃棄物あるいは使用済
み製品などを挙げることができる。例えば、衣料用や産
業用の繊維構造物あるいは繊維屑、工業用・家庭用の樹
脂構造物や樹脂屑、あるいは工業用・家庭用のフィルム
やフィルム屑などを挙げることができる。さらに具体的
には、繊維構造物としては、ユニホーム、ストッキン
グ、ニットウエアー、水着などの衣料品、漁網、タイヤ
コード、ロープなどの産業用資材、カーペット、カーテ
ンなどのインテリア用品などが挙げられ、繊維屑として
は、加工工程で生じるポリマー糸屑、布帛の裁断屑、使
用済み製品屑などが挙げられる。また、樹脂構造物とし
ては、家電製品用部品、自動車用部品、住宅用部品など
の家庭用品や機械用部品が挙げられ、樹脂屑としては、
加工工程で生じるポリマー屑、切り屑、使用済み製品な
どが挙げられる。さらに、フィルムとしては食品包装用
フィルムや工業用フィルムもしくはこれらのフィルム屑
などが挙げられる。この他にも、ナイロン6を製造する
際に熱水抽出されたオリゴマー(B)や、ナイロン6の
重合工程で発生するポリマー屑やチップ屑なども含まれ
る。これらの中で好ましいものは、繊維構造物、繊維
屑、樹脂構造屑、樹脂屑、フィルム、フィルム屑もしく
はナイロン6を製造する際に熱水抽出されたオリゴマー
である。
【0011】本発明における解重合法は、いかなる方法
でもよく、通常は、ナイロン6の成形物(A)及び/又
はナイロン6を製造する際に熱水抽出されたオリゴマー
(B)を、触媒の存在下に加熱溶融することにより行わ
れる。解重合時には、水は存在しなくてもよいが存在し
たほうがより好ましい。
【0012】解重合は、50〜450 ℃、好ましくは 150〜
400 ℃、さらに好ましくは 220〜400 ℃の温度範囲で行
う。この温度が50℃未満ではナイロン6が溶融しないう
え、解重合反応速度が著しく低下する。一方、この温度
が 450℃を超えると、副反応が生じて回収ε−カプロラ
クタム中の不純物の濃度が高くなり純度が低下する。
【0013】触媒は、解重合速度を速めるために用いら
れるもので、酸あるいは塩基触媒が用いられる。酸触媒
としては、リン酸、硫酸、固体酸及びこれらの塩が挙げ
られ、塩基触媒としてはアルカリ金属の水酸化物、アル
カリ金属の塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ
土類金属の塩、固体塩基などが挙げられる。触媒の使用
量は、ナイロン6の成形物(A)及び/又はナイロン6
を製造する際に熱水抽出されたオリゴマー(B)中に含
まれるナイロン6成分に対して 0.1〜100 重量%とする
ことが好ましく、1〜50重量%とすることがより好まし
く、2〜30重量%とすることが特に好ましい。触媒の使
用量が 0.1重量%未満では解重合速度が低下し、100 重
量%を超えるとコストが高くなるうえ、副反応物が増え
るので好ましくない。
【0014】水の存在下に解重合を行う場合には、ナイ
ロン6成分に対して 0.1〜50重量倍、好ましくは 0.5〜
20重量倍の水を使用する。水の使用量が 0.1重量倍未満
では解重合速度が低下し、逆に50重量倍を超えると、水
溶液中のε−カプロラクタム濃度が低くなって回収コス
トが高くなる。この際、水は高温スチームの形で供給す
るのが望ましいが、反応前に水を仕込んで温度を上げて
いく方法であってもよい。
【0015】また、水を用いずに解重合を行う場合に
は、触媒の存在下で加熱により解重合させた後、減圧蒸
留によりε−カプロラクタムを回収する。この際、連続
的にε−カプロラクタムを回収すると、モノマー生成の
平衡がずれて解重合が進みやすい。
【0016】上記の方法により回収されたε−カプロラ
クタム水溶液は、通常は10〜50重量%の水溶液であり、
本発明においては、この水溶液のpHを塩基性物質を添
加することで10以上、好ましくは10.5〜13.5、さらに好
ましくは11〜13.5に調整する必要がある。pHが10未満
では不純物が活性炭に吸着されにくく、回収されるε−
カプロラクタムの純度が上がりにくい。
【0017】この際、添加される塩基性物質は蒸留時に
ε−カプロラクタム中に混入しないものであれば特に制
限はなく、無機塩基もしくは有機塩基の中から適宜選択
される。無機塩基としては、金属の酸化物、金属の水酸
化物、金属の炭酸水素塩、金属の炭酸塩、金属のリン酸
塩、金属のホウ酸塩、金属のカルボン酸塩、アンモニア
などが挙げられる。有機塩基としてはアミン類、アンモ
ニウム塩などが挙げられる。好ましい塩基性物質として
は、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸
化物、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ金属の炭酸
塩などであり、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類
金属の水酸化物が特に好ましい。より具体的な塩基性物
質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウムが挙げられ、これら
の塩基性物質は2種類以上併用してもよい。また、塩基
性物質はいかなる形態で添加してもよいが、通常は10〜
50重量%水溶液として添加する。
【0018】次いで、上記した塩基性物質を添加するこ
とでpH10以上に調整されたε−カプロラクタム水溶液
を活性炭処理を行って不純物を除去する。この際、活性
炭は、水溶液用に精製されたものなら粒状、粉末状、繊
維状のいずれでもよいが、粒状のものが好ましく、その
粒度は3〜500 メッシュ、好ましくは20〜60メッシュの
ものが用いられる。
【0019】本発明においては、活性炭処理されたε−
カプロラクタム水溶液は、次にpHを10以上にした状態
で蒸留することにより回収される。この際、蒸留は、蒸
留の前に効用缶などを用いていったん濃縮してから蒸留
に供してもよいし、蒸留の初期段階で水のみを留去して
もよい。
【0020】上記の活性炭処理されたε−カプロラクタ
ム水溶液は、通常はpHが10以上に保たれているが、p
Hが10未満の場合には、ε−カプロラクタム水溶液を蒸
留する前に、もう一度pHを10以上、好ましくは10.5〜
13.5、さらに好ましくは11〜13.5に調整することが必要
である。この水溶液のpHが10未満では、蒸留によりε
−カプロラクタムと沸点の近い不純物を除去することが
難しい。また、水溶液のpHを10以上に再調整する際に
用いられる塩基性物質は、活性炭処理する前に用いたも
のと同じものでよい。
【0021】上記した蒸留方法としては、単蒸留、薄膜
蒸留、精留などがあり、またバッチ式、連続式のいずれ
での方法でも行うことができる。蒸留は、圧力20Torr以
下で温度 150℃以下の条件で行うことが好ましく、圧力
5Torr以下で温度 120℃以下の条件で行うことがより好
ましい。圧力が20Torrを超えたり、温度が 150℃より高
い条件で蒸留を行うと、不純物との分離が悪くなり好ま
しくない。
【0022】本発明により回収されたε−カプロラクタ
ムは、代表的な重合阻害を起こす不純物であるアジピミ
ド含有量が少なく、通常は 10ppm以下になっている。ま
た、過マンガン酸カリ価(Pz値)も高く、通常は 100
00以上を示す。さらに、このε−カプロラクタムを用い
て重合すると、バージンε−カプロラクタムを用いた場
合と比べて、重合速度や到達分子量の点で遜色がない。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、実施例及び比較例で用いた測定法は次
の通りである。 (a) アジピミド含有量 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量し
た。測定条件は次の通りである。 装置:ウォーターズ社製高速液体クロマトグラフ600
E カラム:逆相C18(ウォーターズ社製、長さ 250mm、
内径 4.6mm)、溶出液:メタノール/水〔20/80(体積
比)→35/65(体積比)、ステップグラジエント〕、流
速:0.5ml/分、検出器:UV 210nm (b) 過マンガン酸カリ価(Pz値) 100 mlのメスフラスコ中にε−カプロラクタムが1gと
なるように採取し、蒸留水を加えて100 mlの水溶液とし
た。この水溶液100 mlに、N/100 過マンガン酸カリウム
水溶液1mlを加えたときの混合液の色調(ほぼ紫色)
が、バージンε−カプロラクタムを用いて作成した標準
サンプル(濃度:1g/100ml)にN/100 過マンガン酸カ
リウム水溶液1mlを加えたときの混合液の色調と一致す
るまでの時間(秒)をもってPz値とした。Pz値が大
きいものほどε−カプロラクタムの純度が高いことを示
す。 (c) 相対粘度 96%硫酸を用い、濃度1g/dl、温度25℃の条件で測定し
た。 (d) ε−カプロラクタム水溶液のpH pHメーター(ハンナ社製、HI9224型)により測定し
た。なお、ε−カプロラクタム水溶液のpHは、ε−カ
プロラクタム濃度が30重量%より高い場合には、30重量
%になるように水で希釈してから測定した。
【0024】実施例1 100 %ナイロン6繊維 500gと80重量%リン酸50gとを
1リットルの解重合缶に仕込み、窒素雰囲気下 280℃に
加熱した。次いで、高温スチーム( 300℃)を500ml/h
の割合で解重合缶へ吹き込み、解重合を5時間行った。
この間、解重合缶から留出するε−カプロラクタムと水
蒸気との混合物を冷却して、ε−カプロラクタムを含有
する水溶液を回収した。この水溶液は1900gで、ε−カ
プロラクタム濃度は26重量%であった。次いで、上記の
ε−カプロラクタム水溶液に、30重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液を5g添加してpHを11とし、この水溶液を粒
状活性炭〔武田薬品工業社製、白鷺C(登録商標)、粒
度:24〜48メッシュ、木質系原料ベース水蒸気賦活炭〕
に通過させた後、圧力30Torr、温度60℃の条件で蒸留に
より濃縮して、濃度95重量%のε−カプロラクタム水溶
液 450gを得た。この濃縮されたε−カプロラクタム中
のアジピミド濃度は 52ppmであった。次に、上記の濃縮
されたε−カプロラクタム水溶液 100gに、30重量%水
酸化ナトリウム水溶液を3g添加してpHを12.5とし、
圧力1Torr、温度 110〜120℃の条件で蒸留して、ε−
カプロラクタム80gを得た。このε−カプロラクタム中
のアジピミド濃度は0.8ppm、Pz値は 12000であった。
また、このε−カプロラクタムに 0.1モル/kg になるよ
う水を加え、250 ℃にて24時間封管重合を行ったとこ
ろ、相対粘度 3.3のものが得られ、バージンε−カプロ
ラクタムを用いた場合と同等レベルのナイロン6が得ら
れた。
【0025】実施例2 実施例1と同様の解重合工程及び濃縮工程を経て得られ
たε−カプロラクタム水溶液1000gに、30重量%水酸化
ナトリウム水溶液を4g添加してpHを11.5とし、この
水溶液を粒状活活性炭〔武田薬品工業社製、白鷺C(登
録商標)、粒度:24〜48メッシュ、木質系原料ベース水
蒸気賦活炭〕に通過させた後、圧力30Torr、温度60℃の
条件で蒸留により濃縮して、濃度95重量%のε−カプロ
ラクタム水溶液 250gを得た。この濃縮されたε−カプ
ロラクタム中のアジピミド濃度は 48ppmであった。次
に、上記の濃縮されたε−カプロラクタム水溶液 100g
を、圧力1Torr、温度 110〜120 ℃の条件で蒸留して、
ε−カプロラクタム80gを得た。このε−カプロラクタ
ム中のアジピミド濃度は2.5ppm、Pz値は 10500であっ
た。また、このε−カプロラクタムに 0.1モル/kg にな
るよう水を加え、250 ℃にて24時間封管重合を行ったと
ころ、相対粘度 3.3のものが得られ、バージンε−カプ
ロラクタムを用いた場合と同等レベルのナイロン6が得
られた。
【0026】実施例3 ナイロン6を製造する際に、熱水抽出されたモノマーと
オリゴマーを含む水溶液(モノマーとオリゴマーとを併
せた濃度:10重量%)5800gからモノマーを減圧蒸留に
より除いた残渣(主成分はオリゴマー) 250g及び 100
%ナイロン6繊維 250gの混合物と、80重量%リン酸60
gとを1リットルの解重合缶に仕込み、窒素雰囲気下 2
80℃に加熱した。次いで、高温スチーム( 300℃)を50
0ml/hの割合で解重合缶へ吹き込み、解重合を6時間行
った。この間、解重合缶から留出するε−カプロラクタ
ムと水蒸気との混合物を冷却して、ε−カプロラクタム
を含有する水溶液を回収した。この水溶液は1800gで、
ε−カプロラクタム濃度は25重量%であった。次いで、
上記のε−カプロラクタム水溶液に、30重量%水酸化ナ
トリウム水溶液を6g添加してpHを11とし、この水溶
液を粒状活性炭〔武田薬品工業社製、白鷺C(登録商
標)、粒度:24〜48メッシュ、木質系原料ベース水蒸気
賦活炭〕に通過させた後、圧力30Torr、温度60℃の条件
で蒸留により濃縮して、濃度95重量%のε−カプロラク
タム水溶液 420gを得た。この濃縮されたε−カプロラ
クタム中のアジピミド濃度は 65ppmであった。次に、上
記の濃縮されたε−カプロラクタム水溶液 100gを、圧
力1Torr、温度 110〜120 ℃の条件で蒸留して、ε−カ
プロラクタム80gを得た。このε−カプロラクタム中の
アジピミド濃度は 1.5ppm 、Pz値は 11000であった。
また、このε−カプロラクタムに 0.1モル/kg になるよ
う水を加え、250 ℃にて24時間封管重合を行ったとこ
ろ、相対粘度 3.3のものが得られ、バージンε−カプロ
ラクタムを用いた場合と同等レベルのナイロン6が得ら
れた。
【0027】比較例1 実施例1と同様の解重合工程及び濃縮工程を経て得られ
たε−カプロラクタム水溶液1800g(pH:5〜6)
を、粒状活活性炭〔武田薬品工業社製、白鷺C(登録商
標)、粒度:24〜48メッシュ、木質系原料ベース水蒸気
賦活炭〕に通過させた後、圧力30Torr、温度60℃の条件
で蒸留により濃縮して、濃度95重量%のε−カプロラク
タム水溶液 410gを得た。この濃縮されたε−カプロラ
クタム中のアジピミド濃度は 88ppmであった。次に、上
記の濃縮されたε−カプロラクタム水溶液 100gを、圧
力1Torr、温度 110〜120 ℃の条件で蒸留して、ε−カ
プロラクタム75gを得た。このε−カプロラクタム中の
アジピミド濃度は52.5ppm 、Pz値は 700であった。ま
た、このε−カプロラクタムに 0.1モル/kg になるよう
水を加え、250 ℃にて24時間封管重合を行ったところ、
相対粘度 3.0のものしか得られず、バージンε−カプロ
ラクタムを用いた場合と同等レベルのナイロン6が得ら
れなかった。
【0028】比較例2 ナイロン6を製造する際に、熱水抽出されたモノマーと
オリゴマーを含む水溶液(モノマーとオリゴマーとを併
せた濃度:10重量%)5800gからモノマーを減圧蒸留に
より除いた残渣(主成分はオリゴマー) 250g及び 100
%ナイロン6繊維 250gの混合物と、80重量%リン酸60
gとを1リットルの解重合缶に仕込み、窒素雰囲気下 2
80℃に加熱した。次いで、高温スチーム( 300℃)を50
0ml/hの割合で解重合缶へ吹き込み、解重合を6時間行
った。この間、解重合缶から留出するε−カプロラクタ
ムと水蒸気との混合物を冷却して、ε−カプロラクタム
を含有する水溶液を回収した。この水溶液は1800gで、
ε−カプロラクタム濃度は25重量%であった。次いで、
上記のε−カプロラクタム水溶液(pH:5〜6)を、
粒状活性炭〔武田薬品工業社製、白鷺C(登録商標)、
粒度:24〜48メッシュ、木質系原料ベース水蒸気賦活
炭〕に通過させた後、圧力30Torr、温度60℃の条件で蒸
留により濃縮して、濃度95重量%のε−カプロラクタム
水溶液 250gを得た。この濃縮されたε−カプロラクタ
ム中のアジピミド濃度は85ppm であった。次に、上記の
濃縮されたε−カプロラクタム水溶液 100gを、圧力1
Torr、温度 110〜120 ℃の条件で蒸留して、ε−カプロ
ラクタム85gを得た。このε−カプロラクタム中のアジ
ピミド濃度は 65ppm、Pz値は 500であった。また、こ
のε−カプロラクタムに 0.1モル/kg になるよう水を加
え、250 ℃にて24時間封管重合を行ったところ、相対粘
度 2.9のものしか得られず、バージンε−カプロラクタ
ムを用いた場合と同等レベルのナイロン6が得られなか
った。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、バージンε−カプロラ
クタムと同等レベルで使用できる高純度のε−カプロラ
クタムを回収することができ、これらは繊維用原料、フ
ィルム用原料、樹脂用原料、原料中間体などとして好適
に利用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 悟 京都府宇治市宇治戸ノ内5番地 ユニチカ 株式会社宇治工場内 (72)発明者 上田 一恵 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナイロン6の成形物(A)及び/又はナ
    イロン6を製造する際に熱水抽出されたオリゴマ−
    (B)を解重合して得たε−カプロラクタム水溶液のp
    Hを10以上に調整してから活性炭処理を行った後、pH
    10以上の状態で蒸留することを特徴とするε−カプロラ
    クタムの回収方法。
  2. 【請求項2】 ナイロン6の成形物(A)が、繊維構造
    物、繊維屑、樹脂構造物、樹脂屑、フィルムもしくはフ
    ィルム屑であることを特徴とする請求項1に記載のε−
    カプロラクタムの回収方法。
  3. 【請求項3】 ε−カプロラクタム水溶液が、解重合反
    応器へ水蒸気を供給して、ε−カプロラクタムを水とと
    もに留出させた水溶液であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のε−カプロラクタムの回収方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999065873A1 (en) * 1998-06-15 1999-12-23 Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Corporation Separation of epsilon caprolactam from isomers
CN101781280A (zh) * 2010-03-11 2010-07-21 江苏爱利思达清泉化学有限公司 一种制备颜色稳定的ε-己内酯的办法
JP2013119539A (ja) * 2011-12-08 2013-06-17 Unitika Ltd 回収ε−カプロラクタムの精製法
WO2023074432A1 (ja) * 2021-10-29 2023-05-04 東レ株式会社 ε-カプロラクタムの製造方法およびポリアミド6の製造方法

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